リプレイ
エレオノーラ・アーベントロート
絵の中に入ることができるなんて、不思議なことがあるものですわね。
それに魂を取り込むなんて……こんなところで魂の実在を目にするとは思いませんでしたわ。
さて、まずは件の絵画の元までたどり着かなければ始まりませんわね。
うふふ、レジスタンスをしていたころを思い出しますわ。
水着は服の下に着こんで美術館の内部を見学するふりをしながらトループス級の動きを『観察』して目につかないタイミングと位置を把握しましょうか。
把握できたらそのタイミングでスッっと侵入、再び様子を伺いますわ。
こういうところの偵察もお手のものですわ……本当は全員ブチ殺して行く方が好みなのですけれど。
ジャンヌ・デスペラーダ
何というか…こう、季節に反して暑苦しいというか…
それに「ぽーじんぐ」…肉体を「魅せる」ための技術…ですかね?よくわかりませんでしたが。
ま、まぁさっさと終わらせるためにも向かいましょう、寒いですしね
(急遽購入した黒い水着を懐にしまい)
まずは哨戒中のトループス級で私の背格好と同じくらいの個体の動きを【情報収集】しながら観察します
そして気配が気づかれない程の距離までその個体に接近し、トループス級の歩幅や動きのクセをトレースしながら【追跡】します
体の向きを変えたらそれに合わせて背後をキープしながら移動…という感じですね
後は立ち入り禁止区画近くまでついて行って、そこからはコソコソと侵入します
アドリブOK
テネブレーヌ・ラディーリス
策としては警備員同士で小競り合い起こして隙を見て潜入
ってフランクってあいつ服着ていたの?頭部丸出しじゃん!
水着よりもズタ袋でも被ってて欲しいんだけど!?
……冷やすか
【冷気の支配者】で室温を下げて
寒がるフリをして警備員に近づくわ
「ねえ、逞しい警備員さん
私とっても寒いの……だからその逞しい胸元で温めて……」
「ああ、こちらにもいるのね
どっちが温めてくれるのかな?温かくなれば私も水着になれるんだけどなぁ♪」
ダメ押しで体を擦り付けて誘惑
小競り合いを始めたらコッソリ抜け出して奥に進むわ
近くの人に【現の夢】使って他の警備員のところに行ったと証言して頂きましょう
巻き込んでしまうけど実害はないわ!(開き直り)
内方・はじめ
……あのキノコも芸術なのかしら?
凡人の私には……理解に苦しむわ
まずは美術館に観客のふりし侵入
展示品を見ながら、情報収集、偵察を活かし見張りの交代タイミングや、見張りの巡回ルートをチェック
見張りの行動パターンを把握できたら、見張りの交代タイミング等、見張りの隙ができるタイミングを狙い、物陰等に隠れ【モブオーラ】発動
柱や展示品、カーテンの陰等に潜みつつ、隙をみて忍び足、偵察、看破等を活かし立ち入り禁止区域への潜入を試みる
それにしても、なんで水着が必要なのかしら?
私、好き好んで泳ぎに行ったりしないから、持ってる水着って……学生の頃の学校指定水着だけよ?
まあ、まだ着れたから、コートの下に着ては来たけど
フランスはパリ市街。その中に佇むルーブル美術館は今日も盛況だった。
「当然ですわ。我がフランスが誇る世界最大級の美術館ですもの」
これは、断頭革命グランダルメを故郷とするジャンヌ・デスペラーダ(鉄槌の騎士・g05561)の弁だった。
彼の地に於ける人の入りようは改竄世界史の中であっても、正史とさほど変わらないようだ。
「さて、やはり通常の閲覧区域は問題無いようですわ」
「そうね。問題は立ち入り禁止区域か……」
ひとしきり内と外を確認したエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)と内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)は顔をつきあわせ、むむむと呻る。
如何に復讐者と言えど、妙な動きさえ行わなければ、クロノヴェーダに捕捉されることは無いようだ。はじめの【モブオーラ】の恩恵もあってか、彼女達はルーブル美術館内を自由に闊歩出来ている。様々な美術品は、目の保養ではあったが、目的はそれではなかった。
二人がちらりと視線を送る先には、警備員らしきトループス級クロノヴェーダが行き交う場所がある。
そこが件の立ち入り禁止区域の様だった。
「妖しい気配がプンプンですわ」
若干、テネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)が表情を歪めるのは、そこに立つ警備員達の容姿が故だろう。
キノコを思わせる頭部をした淫魔は、己が肉体を誇示するように仁王立ちし、或いはぐるぐると同じ箇所を回っている。なんとも言い難い雰囲気が漂っている様に感じるが、そこはクロノヴェーダ。違和感なく周囲に溶け込んでいるようであった。
(「ズタ袋でも被っていて欲しいんですけど!」)
本音を零さないように視線を逸らす。その先ではじめが同じような表情を形成していた。
「ともあれ、さっさと終わらせましょう。寒いですしね」
季節は冬の頃合いである。自身を掻き抱きながら発せられたジャンヌの台詞に、残りの三人はこくりと頷く。
彼女らの目的地は立ち入り禁止区域内にある淫魔絵画の一枚だ。
その為に警備員達を突破する必要があるのは、明白であった。
「ねぇ。逞しい警備員さん……」
「ん?」
突如声を掛けられた警備員――トループス級クロノヴェーダフランクの一体は、声の先に視線を送る。
それは妙齢の女だった。
年の頃はハイティーン。女性らしい凹凸のハッキリした肉感的な彼女は、ゆらりとした歩調でフランクに近付くと、その胸板にしな垂れ掛かってくる。柔らかさと温もり、そして適度な重さが、裸の胸に心地良かった。
「私とっても寒いの……だからその逞しい胸元で温めて……」
「むひょーっ?!」
零れ落とすまいと、慌てて抱き留めてしまう。両腕に伝わる感触はとても柔らかかった。
「おい、お前! 何をやってる?!」
「あら? こちらにもいたのね。どっちか、温めてくれないかなぁ。温かくなれば、私も水着姿になれるのだけど……」
誰何を問うもう一人の警備員の胸元を探り、指でくりくりと円を描く。
水着姿、との言葉にふはーっと熱い鼻息を零したのは、弄られていた同僚の方だ。男は誰しも美女の水着姿に弱いのだ。致し方ない。
そう。時々いるのだ。美術品に中てられたのか、こうして彼らを誘惑してくる存在が。
故に、いつも通り対処することにした。
「ああっ。お客様。体調が優れない様子ですね! こちらにどうぞ!!」
「私たちが看病して上げましょう!」
しな垂れ掛かってくる女性――テネブレーヌを抱き上げ、警備員達は持ち場を離れていく。
それが彼女の思惑通りと知ってか知らずか。
おそらく知っていても抗えなかっただろう。そんな気がした。
「男って……」
「男全般がそうとは言い難いですが……単純に籠絡出来ましたね」
警備員が姿を消した通路を歩むはじめは呆れ顔を形成し、何故かジャンヌはそのフォローに入ってしまう。色仕掛けに弱いのは淫魔であるが故だろう。そう思い込むことにした。
「そのお陰で入り込むことが出来たのですから、結果オーライ、と言う奴ですわ」
本当は全員ぶち殺し――もとい、ぶちのめして行きたかったと、エレオノーラは多少の嘆きを見せる。
だが、その感情を押し殺して作戦の成功に尽くすのは、優秀な工作員であるが故だ。少しぐらい感情が零れてしまうが、それは任務遂行の妨げにならない。
「それは厄介な美人局ね」
やれやれとはじめが肩を竦める。その背後でジャンヌが苦笑にも見える微笑を形成していた。
そして、復讐者達は禁止区域を推し進む。
物陰、装飾品の陰、そして抜き足差し足忍び足。時には梁へと飛び、また在るときはドアの向こうへと隠れる。時折、トループス級クロノヴェーダの気配は感じた物の、それらは全てやり過ごすことに成功した様だ。
やがて、三人の足が緩やかに止まる。巨大な扉が、その行く手を阻んだが故に。
「目的の場所に着いたようね」
「あら、テネブレーヌさん」
少し遅れて到着したテネブレーヌに、お帰りなさい、と声を掛ける一同。揉んだり揉まれたり吸ったり吸われたり等、首筋や乱れた髪に格闘の跡が見え隠れするものの、警備員達を上手く制したようだった。
「ちょっと時間が掛かったけど、小競り合いを始めたから抜けてきたわ」
「何にせよ、無事で良かったです」
故に、それ以上触れない。とても見事な大人の対応だった。
斯くして、復讐者達は淫魔絵画の前に辿り着く。
十数人が集える小部屋の中には、申し訳程度の衣服を着た裸身の男達が描かれた――なんとも、むわっとする絵画が、鎮座していた。
「この中に入るんですね」
額や背に汗が噴き上げるを感じる。それは、これからの戦いを思えばこそ浮かぶ、謂わば武者震いの様な物だった。多分、きっと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV3が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
九十九・静梨
筋肉がわたくしを呼んでいますわ!
いえ、何を言っているかはわからないと思いますが【悲劇感知(筋肉)】が囁いているのです
これはわたくしが行かなければいけないと!
という訳で水着姿で絵画の前へ
そして肉体変異で首から下の筋肉を筋骨隆々に変化(◆肉体改造)
マッスルスーツやアーマーでも水着にはなりそうですが
アーマーに似た水着を素肌に普通に着ましょう
水着という土俵ならばそれで相対してこその筋肉ですわ!
◆呼吸を整え、筋肉への愛と◆情熱と筋肉を誇る気持ちを込めて
いざ全力のマッスルポーズを決めますわ
ふぅん!
在り余り過ぎて何回も幾つもパターンでポーズを決めてしまいますわ
さあマッスルポーズを悪用する者、待ってなさいませ
桜・姫恋
アドリブ・連携歓迎
淫魔絵画の前に行くまでは普通の服を水着の上から着ておく
淫魔絵画の前に来たら水着姿になり、自分のスタイルの良さをアピールする為に絵画の前でモデルのようなポーズを取る。筋トレはしたことないけど戦いでもある程度は筋肉ってつくよね?大丈夫だといいのだけど……
私自分のスタイルの良さには自信あるのだけどどうかしら?
内方・はじめ
まずは、【モブオーラ】全開で仲間のポージング劇場を観戦するわ
みんながんばれー
水着?
一応、コートの下に着ては居るけど
え?
私もやるの?
やだ
だめ?
ちぇっ
……こう?
(高校生のときのスクール水着で、なんかポージングっぽいのをやってみる)
誰よ
「あんな巨砲ぶん回すから……マッスルだと思ったのに騙された」
「コートの下に駆逐艦ボディが!」
「二の腕とか太ももの内側とかぷにぷにしてそう」
「これは……あり寄りのあり」
「ボディービル大会のはずが、イメージビデオ撮影会になっているでござるの巻」
「開いてはイケナイ扉が見えそう」
とか、言いたい放題言って……(細っこくて胸囲のAランクなので、あまりやりたくなかったようです)
ジャンヌ・デスペラーダ
(無言で【早業】を使い黒のビキニ水着に着替える)
(全身傷だらけ、背中には宗教的モチーフめいた大きなタトゥー)
(見世物ではなく、正しく戦士の実戦的な鍛えられ方をした肉体が現れる。マッチョというよりもギリシャ彫刻やミケランジェロ的な肉体美であろうか。)
まぁ武錬で肌を晒す事自体には抵抗はありませんし、早速やりましょうか。
あ、そういえば「ぱんぷあっぷ」とかいう技法があるらしいですね。筋肉に血を巡らせて膨らませるとか言う…
(鉄塊のような処刑刀をブンブンと素振りしまくる)…こんな感じですかね
それじゃあ、はい「バックラットスプレッド」(背筋から大腿筋をみせるポージング)(めっちゃ淡々とやる)
アドリブOK
「筋肉が私を呼んでいますわ!」
淫魔絵画を前に開口一番、九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)が大声で叫ぶ。何を言っているか判らないと思う。おそらく静梨自身も判っていないだろう。
だが、謎の説得力がそこに在った。
「本当に大丈夫かなぁ」
筋骨隆々な仲間達に囲まれた桜・姫恋(苺姫・g03043)ははふぅと溜め息を零す。
がんばれーと無責任な声援を飛ばす内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)はガチリと着込んでいるので判らなかったが、その他――静梨と、もはや無言で水着姿と化したジャンヌ・デスペラーダ(鉄槌の騎士・g05561)のスタイルは推して知るべし、と言う感じだ。姫恋だって165を超える長身であり、そして『胸が大きい』の特徴保持者だ。スタイルに自信が無い訳ではない。だが、筋肉量は? と問われれば、一歩退かざる得ない。
そんな彼女の肩を、ぽんとジャンヌが叩き、ふるふると首を振る。
「大丈夫ですよ」
励ましの言葉だった。
「時先案内人の言葉を借りれば『水着姿でポージングを決めれば良い』だけです。即ち、そこに筋肉は求められていない――と思うのですが」
「……や、やっぱりそうよね?」
彼女の言葉に反応したのは姫恋ではなく、はじめだ。
引き攣った笑みは、「やっぱそうか」的な悲哀に染まっていた。
「やらなきゃ駄目?」
やだなぁ。逃げだしたいなぁ。素直に訴える彼女に、現実は厳しかった。
「否、ですわ」
「駄目よ」
「致し方ないかと」
駄目です。
「うう。三人処か、地の文からも否定されるなんて……」
だが、淫魔絵画の前に来たと言うことは、そう言う事なのだ。この絵画を破壊し、中に囚われた人々の魂を救う。その崇高な使命を果たすべく、彼女は此処に辿り着いたのだ。
今更、躊躇いなど在るはずも――。
「いや、あるから! こういうのはちょっと抵抗感がね!」
周囲を見渡せば、既に水着姿となっている静梨、姫恋、ジャンヌの姿がある。
誰もがバイーンでズゴーンと言う感じだった。擬音ばかりで判り辛く、その点は申し訳ないと謝罪せざる得ないが、まあ、そう形容するしかない光景であった。
静梨とジャンヌは鍛え上げられた鋼の様な肉体を、更にマッスルポーズで誇示している。二人に比べれば、どうしてもボディビルという意味合いで劣ってしまうが、それでも、姫恋から受ける圧も相当な物だ。水着を突き上げる乙女の膨らみと、その下のキュッとした引き締まりに、むしろ羨望のような思いすら浮かび上がってくる。
「さあ、はじめも一緒に!」
「う。うう」
嘆き悲しむものの、こうしていても始まらない。絵画の中に入らないことには、復讐者としての使命を果たすことが出来ないのは事実だった。
そんなこんなで自分を納得させながら、はじめは重いコートを脱ぎ捨てる。
「あら」「まぁ
」「……」
迎えてくれたのはそんな言葉だ。
内方・はじめ。先日、成人式を迎えたばかりの彼女が身につけていたのは、2年ぶりのスクール水着であった。本人曰く「もっている水着はこれだけ。入ったから着た」であったが、如何せん、成人女性のそんなマニアックな姿に、クラクラしてしまう。
合わせて、それを纏うはじめの華奢な体躯は、本人曰く、嘗て日本人の平均だったAカップ、とのことだ。周囲のばいーんと擬音を立てる豪華絢爛さに比べ、自分だけすこーんとか、そんな悲しい音が聞こえてきそうな気がした。
「大丈夫です」
それは、ジャンヌによる励ましの言葉だった。本日二度目である。
「需要はあります」
「そんな需要、欲しくないのよ!」
心からの叫びであった。
ともあれ、と復讐者達は思い思いのポージングを決める。
鉄塊と見紛う処刑刀を振り回した後、広背筋と臀部を見せつけるポーズを決めるジャンヌと共に、筋嬢の異名を持つ静梨はフロントリラックスポーズからモストマスキュラー迄と、様々なポージングを見事に決めていた。
姫恋の執り行うアブドミナル・アンド・サイは、むしろ、髪を掻き上げつつ脇を見せる、所謂セクシーポーズに分類されるような格好であったが、それでも至って本人は本気だ。にこりとした微笑はマッスルスマイルと言うよりも、アイドルスマイルと言った物であったけれども。
「……あはははは」
その中で乾いた笑いを浮かべながら、はじめはこんな感じかな? と上腕を誇示するフロント・ダブル・バイセップスを決める。細い腕になけなしの筋肉が盛り上がる様は、まぁ、その頑張っているね、と励ましたい気分になってくる。不思議だ。
そして、それが鍵であった。
淫魔絵画が光ること数度。復讐者達は光に包まれ、そして、その姿を失っていく。後に残されたのは、ただ彼女達がそこにいたという痕跡と。
――淫魔絵画に追加された、四人の絵姿のみであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV3が発生!
マリアラーラ・シルヴァ
パラドクスで衣装変更と言うか水着姿にはなれるけど
マリアが頑張ってもシルシュ車掌さんみたいに
イマイチポージングになっちゃうと思うの
だから足りない部分はダンスと演技を盛り込んでカバーしてみるよ
動きが難しいけどパラドクスのサポートAI[ネージュ]に身体を動かしてもらうの
スマホからBGMを流しつつ
バレエの要領でくるくるっとピルエット・アンド・アドミナブル・アンド・サイ
そこから曲の盛り上がりに合わせてムーンサルト空中サイドチェストを決めちゃうよ
演技の最後はにっこり笑顔だよね!
こんなに頑張ったのに絵画はうんともすんとも言わないの?
やっぱりお肉が足りないからかな
…なんて思いながら皆を羨ましく見つめたりするの
エレオノーラ・アーベントロート
ここでよろしいのですわよね?
絵の前でポーズを取ったけれど何も起こらず……というのは流石に避けたいですわ。
そう言いつつ服を脱ぎ白のビキニに。
(躊躇なく脱ぐのは自分への自信の表れ。女性らしい、引き締まりつつも出るところは出た体。「一見」そこまで筋肉が付いているようには見えない)
【熱波の支配者】で気温を上げてそこまで寒くないようにしておきましょうか。
筋肉を誇示するというよりもグラビアアイドルのようなスタイルを誇示するポージングをしていきますわ。
もしそれで絵画の中に入れないようでしたら仕方ありませんわね。他の方の真似をしてポージングをしましょうか。
「見事に吸い込まれていきましたわね」
「マリア達も続こう」
それは、淫魔絵画に吸い込まれていった四人を見送ったエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)、そしてマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)の会話だった。確かに見れば、彼女達の視線の先にある絵画に、四人の人物が書き足されている。何れも水着姿で見事なポージングを決めていた。
「では……」
ここまでの超常現象を見せられて、フェイクと言う事は無いだろう。
そう断じたエレオノーラは普段着として愛用しているジャケットやらベルトやら、要するに全ての衣服を脱ぎ捨てる。色白の裸身を包むのは、申し訳程度に添えられた白いビキニであった。
「あまり寒くないね」
エレオノーラが使用した【熱波の支配者】のお陰で、この部屋の中は春先の外気ぐらいには温まっている。その恩恵に、感謝の言葉を述べながら、マリアラーラもまた、水着姿へとその身を転じた。脱ぎ捨てた訳では無く、パラドクスを用いて衣装変更した辺り、彼女なりの恥じらいが感じ取れた。
「マリアね。多分頑張っても、シルシュ車掌さんみたいにイマイチなポージングになっちゃうと思うの」
「まぁ、致し方在りませんわね」
時先案内人は同乗しないので、車掌と言うよりもツアーコンダクターの様な物ではないだろうか……と思ったが、ツッコミは飲み込む事にした。おそらく渾名みたいなものだろう、と納得することにする。
それよりも問題は、ここから先の四人同様、絵画に吸い込まれるかどうかだ。
「こうかしら?」
振り向き、S字のカーブを描くエレオノーラのポーズは、どちらかと言えばボディービル・ポージングと言うよりも、グラビア・ポーズだった。その為、強調されるのは筋肉ではなく女性らしい曲線美であったが、その眼福に預かれるのは同室のマリアラーラのみであた。羨まし、もとい、勿体ない。
「音楽を掛ければ、それっぽく見えるかな?」
当の本人はそんなこと歯牙にも掛けず、自身のポージングを強調する方法の思案に没頭していた。
そして、スマートフォンから音楽を流しながら、くるくるとその場で回転を始める。
ピルエット・アンド・アドミナブル・アンド・サイ。
バレエの身体運びで回転に興じていたマリアラーラは、興が乗ったのか、そのまま空中に飛び上がると2回転、身体を捻りながらくるりくるりと着地。見事なムーンサルトを決めていた。
「おー」
ぱちぱちと思わず拍手を送ってしまうエレオノーラである。サイドチェストの笑顔も、達成感に満ちており、とても可愛らしく映ってしまう。
さて。思い出して欲しい。
淫魔絵画の中に入る条件は、『水着姿でポージングを決めること』である。
即ち――。
「開きましたわね」
「わわっ。吸い込まれる?!」
絵画から溢れた光がエレオノーラとマリアラーラ。その両名を包み込み、そして絵画の中へと誘っていく。
そう。出来映えは関係ない。条件が守られれば吸い込まれるのだ。
やがて、二人の姿は部屋の中から完全に消失し。
水蒸気に咽ぶ淫魔絵画の中に、水着姿の二人の姿が、描かれていたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】がLV2になった!
【熱波の支配者】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV6になった!
テネブレーヌ・ラディーリス
さっきはよくも寄って集って揉んだり吸ったりしてくれたわね…
吸ったり?そういえばこいつの口ってどこだっけ?
あまり思い出したくもないわ
戦闘用のスーツを水着の形状に替えて思いっきり胸を寄せて差し上げましょ
誰でも抱き締めていいわよ?ただし先着一名様
……さて、でかい図体の貴方達が私1人に殺到するなら貴方達もただでは済まないわよね
暴れまわりでもしたら腕や尻尾やキ●コがお仲間にぶつかりまくるわよ?
私はそれでも向かってくるおこぼれを魔骸連刃で切り裂くのみ
おニューのブーメランパンツも切っちゃうわよ
金切声は耳栓を付けて精神集中して耐えるしかないわね
ちょっと辛いけどこいつらが群がっている光景に比べればなんともないわ
ジャンヌ・デスペラーダ
引き続き水着装備
(ポージングしているフランクを見て)
その筋肉量…中々の鍛錬を積んでいる事は見てわかります
眠れぬ夜もあったでしょう
しかし…「武」というより「舞」、実戦を知らぬ偽りの筋肉、児戯ですね
しかしなぜ表面をヌラヌラと…?
というか何ですか、そのサイコロステーキみたいな腹筋は?筋肉をなめているんですか?
冗談はさておき、
健全な精神は健全な肉体に宿る、それを実戦にて教育してやりましょう
【呼吸法】を用いて筋肉を膨張させ【捨て身の一撃】を放つ為、剣を振り上げます(オリバーポーズの如く)
続けてフランクを【罪縛りの鎖】で拘束します
さて、その筋肉の鎧で我が不殺剣の【強打】、耐えられるか試してやりましょう
内方・はじめ
……終わったー!
もう、コート着ていいよね?
……だめなの?
せめて、【モブオーラ】全開で注目回避しとこう
だって、あのキノコがこっち見て、いきなり元気モリモリバキバキになったりしたらイヤじゃない?
あー……でも、誇示しないとダメだっけ
じゃあ、こう……力こぶ作るようなポーズで
二の腕、ぷにっとしておる
まあ、ポーズとって敵が油断してる隙を狙って、背後からアサシネイトキリング叩き込もう
キノコ狩り放題ね
って、なんかキノコ増えて一斉に来た!?
スクール水着に群がるキノコって……絵面的に大丈夫?
て言うか、手に持ってるの鍵なの?
私の目にはキノコに見えるんだけど……ああ、鍵と鍵穴って意味ね?
よくわからないけど
寄るなキノコ
その世界は、むわっとするような暖気で満ち溢れていた。
「終わったわね! もうコート着ていいよね!」
淫魔絵画への侵入は叶ったのだ。これ以上、二十歳にスクール水着だなんて悲しい――もとい、あまり健全ではない格好を晒したくないと、内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)はコートを手に取る。
だが。
(「――重い?!」)
コートを羽織ろうとしたその瞬間、服とは思えない重さに驚愕してしまう。
否、コートが重いのではない。身体がその刹那、弱体化し、相対的にコートが重く感じてしまったのだ。
「水着姿で己を誇示するような戦い方をすれば能力が上昇し、反すれば減少する世界、と言うことね」
そんなはじめに対し、テネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)は時先案内人の言葉を反芻する。今は未だ戦闘行為こそ始まっていないが、既に淫魔絵画の中。世界法則は復讐者達にも及んでいるということだろう。
「つ、つまり」
「コートを着ては不利になります、と言うことですね」
ジャンヌ・デスペラーダ(鉄槌の騎士・g05561)にはじめはしくしくと涙する。せめて【モブオーラ】で目立たないようにしよう。それだけを誓うのだった。
ふん。
はっ。
ふんっ。
ふはっ。
暑苦しい呻き声は各所でポージングを決めるトループス級クロノヴェーダ『フランク』から発せられていた。
彼らを取り囲むよう、周囲に聳え立つそれは観葉植物のような生易しい装飾品ではない。何れもが水着姿でポージングを決めさせられている人間であった。
「ひ、酷い……」
「素敵だろう? 私のコレクションは」
辿り着いた復讐者達に掛かる声は、フランクに囲まれた青年によるものだ。にぃっとサディスティックに笑う彼を、復讐者達は知っている。
アヴァタール級クロノヴェーダ『惨劇侯爵』こと、マルキ・ド・サド。通称、サド侯爵の名を持つクロノヴェーダは、手にした鞭をびしりと鳴らし、復讐者達へと指を突きつける。
「ようこそ。侵入者諸君。そしてありがとう。わざわざ『像』を運んできてくれた礼は尽くそう。代わり映えしない像ばかりでそろそろ飽きてきたところだ。キミ達のような見目麗しい女性方が加わるのも悪くない」
「確かに、女性像はありませんね」
周囲に視線を巡らせたジャンヌが、ぽつりと呟く。
クロノヴェーダ達を取り囲む筋肉像――いや、大小様々の人物像は水着を羽織り、己が肉体を誇示している物の、その全てが男性であった。流石に年端のいかない少年の像はなかったが、青年から中年、果ては老年まで、色々な年齢、体躯の像が存在している。ああ、神よ。まさかこれほど迄に水着を求め、堕落した人々がいるなんて――。
「さて。眺めていては無為な時間を過ごしてしまう。行け、フランク。彼女らを我がコレクションに加えるのだ」
「御意!」
サド侯爵の指示の元、ドドドと勢いよく、フランク達が襲いかかってくる。
斯くして、復讐者と時間侵略者による戦いは、幕を開けたのだった。
「さっきはよくも、寄ってたかって吸ったり揉んだりしてくれたわね!」
怒濤の勢いで駆けてくるフランクに対し、怒号と共に飛び出したのはテネブレーヌだった。だが、何故かその口調に反し、水着姿のまま、その場で身動ぐ。両腕に押され、ふにゅりと形を変える球体に、一部のフランクは、
「ふおー!」
と奇声を上げながら、その蛇身を加速させた。
(「流石にこちらは連携が取れているわね」)
先の警備員同様、我先にとの仲間割れを多少期待してしまったが、そんな事は無かった。ならば、やることは一つと、己の腕から刃を生成。先頭のフランクをざくりと切りつける。
「斬り裂かれたく無かったら、無闇に近付かないことね。そうしないと――!」
フランクの纏う紫色のビキニパンツすら切り裂き、テネブレーヌはふっと笑う。その笑みは、アヴァタール級クロノヴェーダを彷彿させるサディスティックな物であった。
「おニューのブーメランパンツを切り裂いちゃうわよ」
「ひぃぃぃ! 痴女だ!!」
フランク達の慄きが、絵画世界の中に響き渡った。
「まぁ。ともかく」
テネブレーヌの圧に押され、動きを止めたフランク達の前にずずいと歩み出るジャンヌは、こほんと空咳を行う。
「その筋肉量。なかなかの仕上がりであることは見て取れます。眠れぬ夜もあったでしょう。……ですが」
くわっと目を開く。そこにあったのは聖職者としてのそれではない。一介の武人が宿す獣の如き鋭い眼光であった。
「それは『武』と言うよりも『舞』。実戦を知らない偽りの筋肉、謂わば児戯ですね。表面をヌラヌラさせているのは目立たせるためですか? その程度の輝きでオイルの防刃防打効果を狙った物ではありませんでしょう?」
「なんだァ? てめェ……」
フランク、キレた!!
ジャンヌの挑発に、当然と言えば当然の反応を返したフランク達は思い思いのポージングの後、彼女へと襲いかかってくる。ポージングを取ったのはジャンヌの言うところの『舞』を行ったのではない。そうすることで己が力を増幅させることが出来るのが、この世界の法則だ。意外とクレバーなのであった。
「ご安心を、これは命を獲らぬ無血の剣技ゆえ」
だが、応対するジャンヌもまた、処刑刀を構え、一息で打ち返す様に振り抜く。引き締まった腹筋を殴打され、弾かれたフランク達はそのまま地面へ落下。腹部を押さえながら悶絶していた。
「見せかけの筋肉の鎧では、我が不殺剣を耐えうることは出来なかったみたいですね」
笑うという行為は本来は威嚇する行為なのだ、と知らしめる武人の微笑みが、倒れ伏すフランク達に降りかかってくる。
斯くして三人の復讐者達による奮闘は、次々とポージングを決めるフランク達を倒し伏せていく。
「――これで、終わり」
モブオーラで気配を隠し、背後から致命打を打ち続けたはじめは、ふぅっと息を吐く。何処か、水泳の授業をやりきった清々しさを纏っているような、そんな爽やかな空気を感じたが、それは主に彼女が身に纏うスクール水着の所為だろう。
「まあ、サウナ的空間でスクール水着に群がるキノコって絵面、勘弁して欲しかったし」
何そのマニアック空間。
はじめの言葉は至極まともな物であったが、その中心のスクール水着が彼女である以上、何処か解せない。
最後に昇天していくフランクが微妙な顔を形成したのも、つまりはそう言う事なのだろう。
「さあ、キノコは全滅させたわ。次は貴方の番よ、サド侯爵!」
蒸気や汗、諸々によって濡れ乱れた髪を掻き上げ、テネブレーヌがぴしりと指を突き刺す。
「ふはははは。面白い。面白いぞ、侵入者諸君」
配下と同じく、ビキニパンツ姿で身構えるマルキ・ド・サドは、そんな高圧的な哄笑を行うのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】がLV2になった!
エレオノーラ・アーベントロート
あら、少し遅れただけと思いましたのに、もう半壊していますの?
その御大層な体はずいぶんと見た目にだけ拘ったものだったみたいですわね。
水着に全く恥じらうことなく戦闘。見せて恥ずかしくなるようなみすぼらしい体はしていませんわ。
アヴァタール級の振るう鞭のよる攻撃を【飛翔】でギリギリで避け、近距離から「フェアレーター」からの「第二十五の魔弾【惨劇】」を撃ち込むスタイリッシュなアクションで水着姿を誇示しつつ戦いますわ。
もう。わたくしの肌に傷が付いたらどうしてくれますの?
テネブレーヌ・ラディーリス
強ければ何をしても許される……仰る通り 強者は弱者を支配する
だからこそ取り戻さないといけないの
お父様の仇、家族の仇、それを無かったことにした貴方達が許せない
だから私は強くなる、だから私は貴方を此処で倒す
心に芽生えた不信も悪意も、復讐を取り戻すためなら全部耐えて見せるわ!
【飛翔】を発動
空の上なら他の人を巻き込む心配はいらないからね!
上空から攻撃をしつつ隙を見て猛加速
ありったけのストレートスマイトを叩き込む!
まあ散々叫んだところで私水着なんだけどね!
ディアボロスじゃなきゃ引きちぎれるってぐらい揺れてるわ!
……人を水着にしている変態紳士が
したり顔で悪徳なんて言っても何の説得力も無いのよっ!!
内方・はじめ
サド侯爵……略してサド候?
つうか、ビキニパンツでサドで侯爵って……キノコなのにフランク並みに、属性盛り過ぎじゃないの?
て言うか……スク水を鞭打つビキニパンツサド侯爵って……どうみてもHENTAIですありがとうございます
水着が破れたりして、お約束的なアクシデントとかあったら……まあ、私はお色気担当じゃないから大丈夫だけど
【モブオーラ】で目立たないようにしとこう
あ、仲間がカッコいいポーズとってたら真似っこしつつ、【飛翔】して敵から距離をとって報復の魔弾を撃ち込もう
攻撃の際は砲撃、弾幕、誘導弾、空中戦、一撃離脱を活かし確実に攻撃を当てて
さあ、惨劇の犠牲者達の無念、恐怖、怨嗟をその身で味わいなさい
「サド侯爵……略してサド候?」
「それはただの敬称だ。全く略していない」
内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)の呟きに、しかし、その意図が掴めないとマルキ・ド・サドは言葉を紡ぐ。筋肉同様、ツッコミもキレッキレのようだ。多分。そこまでのボケを未だ、はじめが口にしていないだけで。
「もはやこの時点で半壊している貴方達は、見た目のみと言って差し上げますわ」
「ふふ。これは痛い処を着く女人だ」
エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)の煽りに対し、返ってきたのは素直な文言であった。
「だが、もともとフランク達はただの賑やかし。この淫魔絵画の中では群衆に過ぎん!」
「アヴァタール級が偉そうに……。強ければ何をしても良いと思っている典型的な支配者脳ね」
部下をモブと断言するサド侯爵に、テネブレーヌ・ラディーリス(夜を駈ける変身ヒロイン・g01274)が抱く思いは不快感だ。沸き上がる負の感情を、それでも彼女は肯定する。
「仰る通り、この世は弱肉強食。強者は弱者を支配する世界よ。だからこそ取り戻さないといけないの」
彼奴クロノヴェーダは、己の仇を歴史侵略によって『なかったこと』にしてしまった。それが許せない。それを取り戻す。だから強くなると誓った。
故に、その為にならば、己に沸き立つ負の感情全てを呑み込んでやる。その決意と共に、彼女は地を蹴り、天に舞う。
「――ふっ。受けて立とう、侵入者諸君! 貴公らを我がコレクションに加えるためにな!」
トループス級クロノヴェーダ『フランク』よりも見事に絞り上げ、鍛えられた鋼の様な肉体を誇示し、マルキ・ド・サドは鞭を構える。
びしりと響く鞭打の音が、開戦の狼煙代わりに戦いの開始を告げていた。
「フレーバーはいらないわね? じゃあ思いっきりぶっ飛ばしてやるわ!」
それは渾身の右ストレートであった。紫の極光を纏ったテネブレーヌの右拳は、貫くようにサド侯爵の腹へと吸い込まれていく。
「【惨劇】解放――」
そこに重なるのはエレオノーラの砲撃だ。拠点防衛用に設置された大型レールガンを無理矢理携帯する彼女の一撃は、殺戮兵器と言うよりも破城兵器の類である。その砲弾がサド侯爵の身体に牙を剥いたのだ。
「惨劇の犠牲者達よ……覚醒せよ。今宵こそが報復の宴。我らが敵から総てを奪い……喰らい……滅ぼせ!」
攻撃はそれらに留まらない。はじめもまた、漆黒の銃弾をばら撒き、サド侯爵の身体へと叩き込んでいく。怨霊に喰われ、黒く爛れていく筋肉を見やることで、彼へのダメージを計り知る――そのはずだった。
「噴ッ!」
「なっ?!」
だが、極光の紫色の拳を受けても、破壊の産物である砲弾を受けても、そして全てを侵蝕する呪いの銃弾を受けてさえも、サド侯爵の鋼の肉体は健在だった。肉片のひとかけら、或いは血の一滴やその痕すら残さず、サド侯爵はそこに佇んでいた。鋼の様な筋肉と共に。
「ふ。この程度の攻撃で我が肉体を傷つけることは出来んよ」
「な、なんて出鱈目?!」
そして、返す刀とばかりに飛んできたのは、鋭い鞭による殴打、そして金色の眼光による邪視であった。
無数の鞭打はエレオノーラの、そしてはじめの水着を切り裂き、二人の白い肌に赤い痕を遺していく。
「って、スク水に鞭打つビキニパンツサド侯爵って、どうみてもHENTAIですありがとうございます!」
「二十歳超えてスク水を好んで着る人間もまたHENTAIの仲間と心得よ!」
煽り文句もキレッキレであった。
ビリビリに引き裂かれ、零れ落ちそうなあれやそれを手で押さえるはじめの姿はとても煽情的で、「私はお色気担当じゃ無いのに!」と抗議の声を零させる。
「しっかりしなさいな! はじめさん!」
片や、己が肉体を誇示し、平然と仁王立ちするのはエレオノーラだ。あまりに堂々とし過ぎている為、水着に走る断裂などはいやらしさを感じさせない。むしろ、清々しくすら周囲に叩き付けていた。
「第二十五の魔弾【惨劇】が効かないはずはありませんわ。着弾の痕すら残さないこれは、即ち――」
「クロノヴェーダお得意の、常識の書き換えね」
頭を抑えながら、立ち上がったテネブレーヌが呼気と共に言葉を紡ぐ。邪視によって悪徳を植え付けられ、精神を侵された彼女だが、何とかそれを振り払い、立ち上がることが出来たようだ。
そして、びしりと指を差し、言葉を紡ぐ。その刹那、あり得ない勢いで身体の一部がばるんと揺れたが、それも世界法則――肉体の誇示の内であった。
「人を水着にしている変態紳士がしたり顔で悪徳なんて言っても何の説得力も無いのよっ!!」
「何を言う。水着に溺れ、水着に全てを捧げるのは人の性だろう?」
心当たりのある人物にはある意味正論な言葉を叩き付けるサド侯爵は、しかし、言葉の何処かに焦燥が見える。
「やっぱり、取り繕っているだけね。サド侯爵」
テネブレーヌの真似をし、はじめもまた、サド侯爵に指を突きつける。そこにばるんと揺れる凄みは無かったが、まぁ、スクール水着の切れ端が少しはためいた。それで勘弁して頂きたい。
「貴方は私たち復讐者が此処で終わらせる。惨劇の犠牲者達の無念、恐怖、怨嗟をその身で味わいなさい」
「これ以上、私達の珠のお肌に傷を付けさせはしませんわよ」
そして、レールガン、フェアレータと共にエレオノーラがサド侯爵へと飛びかかる。
無数の砲撃と鞭打、それらが飛び交い、組み交わされる超至近戦は、やはり先程と同様、サド侯爵には何の痛痒も与えていないように思われる。
だが、その額に浮かぶ珠のような汗は、三人の推測を見事に肯定する様に、輝きを帯びていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
内方・はじめ
それしかなかったから、やむなく着用してる訳であって、別に好んで着てる訳ではないわ
こんな冬場に、水着新調しようとしても……取り扱ってる店も少ないし、「間もなく出発しまーす(はぁと)」なんて言われたら、買いにいく暇もないのよ
暇をもて余す淫魔と……一緒にしないで欲しいわ
とりあえず、心の痛みを【活性治癒】で癒せないかな
あと、水着の傷みも
敵が、私自身が忌み嫌う姿(スク水で「あらお兄様いけませんわ」とか誘う姿とか)見せてきたら……絶対許さない明王
【パラドクス通信】でみんなと連携して、一斉に同じポーズでポージングしたりして、世界の流れを一気にこちらに向ける
そのチャンスを活かし、迅雷の魔弾で痺れさせてあげるわ
「へ、へ、HENTAI?!」
『惨劇侯爵』マルキ・ド・サドの言葉は、内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)の深いところを抉ったようだった。言葉を反芻し、ぎりっと睨む。紫色の瞳の端には、煌めく宝石の如く、涙が溜まっていた。
何故だろうと思う。私は何故、こんなところで、こんなのに蔑まれているのだろうか、と。
心が痛かった。鞭に付けられた傷よりも、言葉で斬り裂かれた心の方が痛かった。身体の傷は何れ癒えるだろう。しかし、この痛みは――。
「レディ?」
わなわなと震えるはじめに、対峙するサド侯爵の声もまた、震えていた。そう、クロノヴェーダ以前に彼は紳士だった。水着を纏った肉体美を誇り、それらを他者に強要するHENTAIとは言え、フランス貴族の青い血は彼の本質でもあった。
そう、彼は焦っていた。それは復讐者に追い詰められた為か、女性の涙の為か、判らなかったけれども。
「それしかなかったから、やむなく着用してる訳であって、別に好んで着てないわ。こんな冬場に水着を取り扱ってる店はないし、『間もなく出発しまーす(はぁと)』なんて急かされたら、買いにいく暇も無かった。慌てて荷物から引っ掴んできた私の気持ちが貴方に判る?!」
「う、うむ。それは『間もなく出発しまーす(はぁと)』と急かした奴が悪いな」
遙か彼方遠くからくしゃみの音が聞こえた気がした。こんな冬場に肩とか背中とか腿とか出しているのが悪いのだ。きっとそうだ。
「だから――」
「だから?」
そしてはじめは隠し持っていた拳銃を引き抜く。うん。本当、何処から引き抜いたのだろうね!
「一緒にしないで欲しいわ!」
心からの叫びと共に、幾多もの雷纏いの銃弾をサド侯爵へと叩き込む。虚を突かれたサド侯爵にそれを躱す術はない。ふんっ! と筋肉で押し返そうとするも、既に彼の身体は限界を迎えていた。
「みんなからの攻撃を一身に受けて――立っていられる筈も無いのよ!」
「ぐわっ?! わ、私の世界が――」
トドメの一押しははじめの銃撃だったが、肉体美に溢れる淫魔を倒したのは、度重なる復讐者達の攻撃だ。
銃弾に貫かれ、雷に灼かれた彼は、末期の言葉と共にはじめを指差す。
「びゅ、ビューティフル……」
ああ、世界よ。貴方は美しい。汝よ、永遠なれ。
祝福じみた遺言に対し、はじめはポージングと共に小さく呟く。
「黙りなさい、HENTAI」
末期に添える言葉は、最後の最後までとても辛辣であった。
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
斯くして、悪は滅び、恐ろしい世界は崩壊を迎えた。
それを成したのは復讐者達による団結の力であった。
ああ、筋肉量よ、水着よ、永遠なれ。
だが、忘れる事なかれ。此度の戦いは水着を巡る戦いの一端に過ぎないのだ。
水着がこの世界で愛される限り、何れ第二第三の敵が現れる……そんな気がした。
故に、その時まで、戦え、復讐者達! 水着が貴方達を待っている!