リプレイ
エヴァ・フルトクヴィスト
ディアボロスが来るのが分かっているのに宴会とか……。
堅固な防衛施設も、使う者、見張りがいなければ意味が全くないのですが。
防御施設設置の死角を利用しつつ、相手へ接近。
その際、皆さんとパラドクス通信でやり取りして、
奇襲が最大限の効果を持つように統率。
奇襲で相手が混乱したら続いて、
ナイフを投擲、そこから雷を発生させて吹き飛ばして攪乱したり。
こちらと相対した際は、
相手の攻撃を観察して、素早い一撃を勇気を以って斬撃で捌いたり、
結界術を張って逸らして避けたり。
雷で防御を抜いた貫通の一撃を喰らわしてと臨機応変に対応!
一度撃退出来た相手だからと油断が、
アイルランド奪還一歩手前の事態を招いているのですけど、ね!
●
ベルファスト市街への侵入を防ぐ防衛ライン。
高く堅固なバリケードが築かれたそこは、侵入者を発見次第排除できるよう、防衛施設が充実している。
「とはいえ堅固な防衛施設も、警戒が緩ければ意味が全くないのですが」
エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は誰にともなくそうつぶやく。
エヴァがいるのはバリケードに程近い茂みの中で、現在の時刻は真夜中に近い。月は照っていて照明無しでも真っ暗闇という程では無かった。
茂みの中に潜んだまま、エヴァはバリケードを眺める。
バリケードの前で動くまばらな光点。
エヴァが目を凝らせば照明を手に巡回する竜麟兵だと分かった。
その数はバリケードがフォローする範囲に対して明らかに少ない。
「これなら本隊に気付かれないうちに、見張りを処理できそうです」
エヴァは手元の小型通信機に目を落とす。
『パラドクス通信』を使用した改竄世界史(デヴィジョン)内でも作動する通信機だ。
形状や機能にヴァリエーションはあるが、エヴァの手の中の物はメッセージや動画が共有可能なタブレット端末にボイスチャット用のワイアレスヘッドセットが付属した物だ。
ここ数ヶ月の新宿島生活でエヴァも見慣れたつくりの物だった。
「魔術士じゃなくても、遠くの人とお話ししたり、映像を共有したり。こういった便利なものが、最終人類史にはたくさんあるんですよねぇ」
思わずエヴァは嘆息する。
新宿島に流れついて出会った『文明の利器』。
それらはエヴァの思いもしなかった発想に溢れ、エヴァの探究心を大いに満たしてくれた。
「……と、今は目の前の作戦に集中しなければ」
ついつい思考がそれてしまい、頭を振る。
そして気を取り直し、エヴァは通信機を起動した。
「皆さん、聞こえますか——」
大成功🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
赤上・イズル
■アドリブ絡み歓迎
■記憶は戻ったものの感情は未だ完全に戻ってない。しかし善悪の区別はある
ベスファルトへ入るにはまずこの防衛ラインを突破しなくてはなのですね
遠くの物陰から様子を伺いつつ状況を確認する
その時にざっと分かる範囲の敵の数や物の配置などを【記憶術】にして記憶する
しかもどうやら飲酒をしているようです
この状況なら奴らの警戒もやや薄れている事でしょう
行くなら今ですね
では、参りましょうかマリコさん
モーラットのマリコさんに声をかけ
パラドクス【月輪】の効果【光学迷彩】を使用
周囲の風景に紛れつつ少しずつ移動
仲間も同じように忍び寄るのを合わせて奇襲をかける
御免!
背後から【月輪】による【斬撃】浴びせる
●
「俺はいつでもいけますよ」
エヴァからの通信に赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)が答える。
物陰からチラリとバリケードの方を覗けば、遠くから近づいてくる気怠そうな竜麟兵の姿があった。
すぐにイズルは物陰に首を引っ込める。
目をつぶれば周囲の地形やバリケードの配置などの情報が脳裏に浮かぶ。それらの情報をイズルは事前に記憶してあった。
そこに先ほどの竜麟兵の居た場所を重ねる。
イズルたちの作戦は単純明快だった。
数の少ない見張りの竜麟兵を個々に分かれた復讐者が同時に襲撃する。
そして、敵が本隊に襲撃を伝える暇を与えず撃破する。
連携とスピードが必要な作戦だが、十分に勝算があるとイズルは分析していた。
「マリコさんもそう思いますよね」
傍らのモーラット・コミュの『マリコさん』に目を落とす。
「もきゅ?」
そんなイズルを見上げて、つぶらな瞳でコテンと首を傾げるマリコさん。
その愛らしさにイズルは優しく目を細めた。
と、そこに仲間から再度の通信が入る。
「では、参りましょうかマリコさん」
イズルは表情を引き締めて腰の左右に差した日本刀に手をかける。
「九字切流——『月輪(ガチリン)』」
パラドクスを発動する。
周囲の風景に溶け込むように、イズルとマリコさんの姿が迷彩模様に覆われていった。
音を立てないように物陰から身を乗りだす。
ちょうどイズルの潜んでいた物陰を通り過ぎた竜麟兵の背中が見えた。
イズルにとっては計算通りのタイミングだ。
気付かれないよう身を屈めて、ジリジリと距離を詰める。
あと3歩、2歩、1歩——。
「御免!」
弾けるように竜麟兵へイズルが飛びかかる。
左右の手でそれぞれ日本刀を抜刀し、素早く返す刀で鎧ごと敵の背中を斬って捨てた。
「さあ、みんなと合流するとしましょう」
地面に伏して事切れた竜麟兵を尻目に、イズルとマリコさんはその場を後にした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
エンデ・トロイメライ
ほんとロクなことしないよねぇ、コイツら。それじゃ、まずは片っ端から潰そうか。
気づかれないように片付けるのは得意なんだよね。
仮面とマントにナノマシンによる光学迷彩で姿を消し潜入。
油断してる奴から狙おうか。背後に回り込み首にナイフを突き立てて確実に一撃で仕留めるよ。
警戒してる奴は物陰でワザと小さな音を立て、誘き寄せて上空から奇襲。数を減らしていく。
敵が気づいたら爆発音で場を混乱させて、その隙にサイレンサー付きの銃で頭を撃ち抜き潰してくよ。
あんまり暴力的手段好きじゃないんだけどねぇ、それしかないなら仕方ないよね?というわけで、全員死んでよ。
●
「オッケー、ちゃちゃっと準備しちゃうね」
エヴァからの連絡にエンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)は快活に応答する。
しかし、その明るく屈託ない声と今の彼女の格好はちぐはぐな印象を与える。
顔を覆う黒い仮面と身体を覆う黒いマント。
その全身黒ずくめの姿はまるで死神のようだ。
エンデが居るのはバリケード近くの林の中、木の枝の上で身をかがめている。
木々の合間を縫うように、仮面の下のエンデの目はバリケード近くの光点を注視する。
「ほんとロクなことしないよねぇ、アイツら」
今回相手するクロノヴェーダがやってきた所業は時先案内人から聞いていた。罪のない人々をいたぶるような連中にどう対峙するのか。
エンデはすでに結論づけていた。
「よし、片っ端から潰そう」
木の葉を揺らさないよう、そっと木の上から飛び出る。飛行ユニット『FLUGEL』が作動し、夜の闇に静かに踊り出た。
『光学迷彩』を使用すると、ナノマシンがエンデの姿を闇の中に覆い隠した。
闇を纏いエンデは頭上から見張りの竜麟兵へと近づいていく。
「こうやって気づかれないように片付けるのは得意なんだよね、アタシ」
自分以外に聞く者もない小さな呟き。その声は平坦で酷く冷たくエンデの耳に入った。
直後、仲間からの通信が入った。
●
コツン、と何かの物音を聞いて竜麟兵は慌てて音のした方へと走っていく。
そこには人が隠れられそうな物陰があり、竜麟兵は武器を構えてその物陰を覗き込んだ。
「……誰もいないな?」
肩透かしを食らってポカンとした顔になる。
刹那、頭上に影が差した。
●
「うん、こっちは上手くいったよ。すぐそっちに行くからね!」
にこやかに通信を終えるエンデ。
その側には消音器付きの拳銃で頭を撃ち抜かれ死亡した竜麟兵の死体があった。
エンデが死体を見下ろす。
「あんまり暴力的手段好きじゃないんだけどねぇ、でもさ、それしかないなら仕方ないよね?」
エンデの顔は黒い仮面の下にある。
「というわけで、お仲間も全員死んでもらうよ」
それは、誰にも見られる事は無かった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
ラウム・マルファス
いーなー、宴会。依頼中に飲むわけにはいかないけどサ
気付かれないように、って言われてもボク目立つからネ。なるべく遠くから、爆薬搭載した静音ドローンを飛ばそウ。敵の居場所を探すために音感センサー付けたドローンとセットで飛ばすヨ。スマホで情報を確認しながら遠隔操作。バリケードは普通に超えられるし、トーチカも壁近くを飛ばせば見つかり難いカナ。
通路に入ったらウッカリぶつけないようにすこしゆっくり目に飛ばして、音感センサーに敵の声が入ったらそっちへ誘導。部屋に入るときには流石にバレるから、一気に接近させてドカンってしよウ
ウーン、センサードローンも吹き飛んだから結果が分からナイ
ダメそうならもう1回飛ばすヨ
●
ベルファスト防衛ラインの一区画。大きめの屯所の中から大きな喧騒が聞こえる。
「おらー、酒だ酒ぇ!」
「ゲヒャヒャヒャッ、俺たちゃ最強ダァ!」
「復讐者がなんだってンだよ」
竜鱗兵たちが宴会をしている真っ最中だった。
そんな屯所のすぐ近くに、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が居た。
「いーなー、宴会」
見張りの居なくなったバリケードはあっさり乗り越える事ができた。
そして、残る敵はおあつらえ向きに一箇所に集まっていた。
だからここまでやってきたのだった。
「さてト、ボクも新宿島に帰ったら一杯飲みに行きたいネ」
そう、うそぶきつつ、ラウムは慣れた手つきでフライトドローンを呼び出す。
そして、手元のスマホを操作してドローンの設定を行っていった。
やがて設定が終わったドローンがゆっくりと屯所へと近づいていく。
小型のドローンは屯所の光の漏れている窓から内部へと侵入していった。
「細かい調整は手動でやらないとネ」
スマホ片手にラウムはヘラヘラと笑う。
それから数分後。
——ドゴォン、ドゴォン、ドゴォォオオオン!
「ギャアアア!?」
屯所の中から連鎖する爆発音と、竜鱗兵の絶叫が響き渡った。
爆薬を積んだドローンが屯所の中に押し入り、竜鱗兵たちが宴会をしている場で自爆したのだ。
「て、敵襲だと!? クソッ、見張りは何をしてるんだ!?」
屯所から漏れ出る喚き声で、竜鱗兵たちの混乱が目に映るようだ。
「さテさテ、混乱が治らないなら、次を送りこむとするかナ?」
ラウムが嫌らしく口の端を釣り上げた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
佐島・真己
可能なら仲間と積極的に連携
普通の人の幸せが大事だ
日常を生きる人達がその街を幸せにする
食べ物が買えること
何かに怯えずに生きること
依頼ではあるけど
人々の幸福のために戦うことにしよう
相手が油断しているなら幸いだ
様子を見つつこっそりと忍び込もう
ベルファストに近づき街のまわりの林など
物陰から様子を窺う
相手が隙を見せているのを確認したら
死角になりそうな場所を確認してそこからこっそりと忍び込む
小石から作り出した投げナイフを相手の死角から投げ
少しずつ敵の数を減らしていく
近づかれたらダマスカスのナイフを抜いて戦う
他の仲間が侵入しやすいように充分に数を減らしたら街の中へ入ろうとする
●
爆発を確認した直後。
佐島・真己(暗闇の中の光・g01521)は屯所へと突入した。
長くもない通路を通り過ぎて、真己は爆発が起こった部屋に音を立てずに忍び込む。
目に入った部屋の様子は酷いものだった。
部屋に散乱する酒瓶と火の粉が飛ぶ食料。
焦げ臭い匂いに混じり充満するアルコール臭。
錯乱し怯える竜鱗兵。
火傷を負ってうずくまる竜鱗兵。
「見張りの連中のせいだッ、クソッ!?」
「痛えっ、なんで俺がこんな目にィ!?」
好き勝手に喚く竜鱗兵たちから身を隠し、真己はポケットの中の小石を強く握りしめた。
——コイツらが飲んだり食べたりしていた物はベルファストの人々から奪った物だ。
——これまで住人たちを虐げていたクセに、自分たちがやられるとは思ってもみなかったような態度。
「食べ物が買える、何かに怯えずに生きる。そんな普通の幸せを、人々から奪っておいて……ふざけるな」
彼らの全てに真己は憤っていた。
その想いのままにパラドクス『土くれの意志』を発動し、手の中の小石を切れ味鋭いナイフへと成形する。
そして、そのナイフを近くの竜鱗兵の眉間目掛けて投げつける。
ナイフは狙い通り標的に突き刺さった。
事切れた竜鱗兵がその場に崩れ落ちる。
「!? 襲撃だッ!」
仲間が倒れるのを目の当たりにして、やっと竜鱗兵たちは真己の存在に気がついた。
真己が物陰から姿を現す。竜鱗兵たちの注意が真己へと集中する。
次の瞬間、エヴァを始めとした待機していた復讐者たちが部屋の中に突入した。
エヴァがナイフを投擲すると雷撃が部屋を強く照らした。
再度の奇襲に敵が混乱に陥るのを見て、真己も彼らの視界から外れるように移動する。
ポケットの小石をナイフへと変えて、死角から竜鱗兵たちにナイフを突き立てていった。
元々がベルファストの住人たちを虐げる事を生業にしていたような連中だ。
彼らは混乱から立ち直る事も出来ず、復讐者たちによって次々と排除されていった。
部屋に残る最後の竜鱗兵が倒れる。
真己は自前のダマスカス鋼製のコンバットナイフに付着した血を拭い、腰のホルスターへと戻した。
「街へ向かおう。これからが本番だ」
敵を排除することには成功した。
だが、それでベルファストの住人が救われたわけでは無い。彼らの幸せを取り戻すのはこれからだ。
——だから、立ち止まらずに成すべき事を為すだけだ。
真己は街へと向かって歩きだした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
呉鐘・承李
【連携・アドリブ歓迎】
「ま、次があればせめて酒はやめておくんだな。……もう聞こえてないか」
何故か宴会を始めている敵にやや呆れながらも、きちんと隠密は行う。
フードをきちんと被り、銀色の頭髪を隠しながら黒一色の服装で闇に隠れる。
仲間が奇襲をかけて敵が混乱すれば、そのままベルファスト側への出口を封鎖するように移動し、逃げようとする敵がいれば切り伏せる。
そのまま仲間たちと疑似的な挟撃の形を作り、殲滅戦を行う
●
復讐者たちの襲撃が始まった時。一部の竜鱗兵はその場から席を外していた。
彼らは激しい戦いの起こる戦場に戻る選択肢を捨てて、その場から逃走をはかった。
「ま、街に戻れば何とかなるはずだ!」
顔面蒼白の竜鱗兵たちは我先へと屯所の出口を目指す。
すると、屯所の出口の闇の中から大きな全身黒ずくめの影が浮かび上がった。
竜鱗兵が驚き、その足を止める。
出口から屯所に侵入した黒い影は、頭を被ったフードを取って、呆れたような声で言った。
「やはりこういう手合いが居たな。逃げられると思うなよ」
フードの下から現れる銀髪と同色の狐耳。
漆黒のマントの隙間からは左右の腰に3本ずつ、計6本の刀が見えた。
呉鐘・承李(剣鬼・g06193)その人である。
無造作に見える動きで近づいてくる承李に竜鱗兵たちは思わず後ずさった。
「ああ、逃げられると思うなとは言ったが、無駄に動かないでくれると助かる。手間は掛けたくないのでな」
承李の平坦な口調。
それで、竜鱗兵たちは返って落ち着きを取り戻す。よく見れば承李が1人きりである事に気付きニヤリと笑った。
「ヘッ、よくみりゃ1人じゃねえか……こっちは何人いると思ってんだ!」
「やり合うつもりなら御託は要らん。さっさとかかってこい」
承李はつまらなそうに竜鱗兵たちを睨む。
「死ねやァァ!!」
剣を手にした竜鱗兵たちは次々と承李に襲いかかった。
承李も素早く刀を抜いた。6本の『精霊刀』のうち、銘も属性も無い『無銘』をだ。
竜鱗兵の剣撃をいなし、返す刀を同時に『二振り』する。
時代劇の殺陣(たて)を見るかのように、承李は竜鱗兵に同時の『二太刀』を入れていった。
敵が身につけた堅固な鎧という事象を無視して、承李は竜鱗兵を斬り捨てていった。
しばらくの後。
斬り伏せた竜鱗兵を見下ろして承李は言う。
「お前らは酔っていたようだし、こっちも本気の精霊刀を出すまでも無かった。ま、次があればせめて酒はやめておくんだな……もう聞こえてないか」
大成功🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
エヴァ・フルトクヴィスト
結界も気になりますが……。
解析は行ってくれる方にお任せ。
感情エネルギーの変化がどう術式に影響を及ぼすか見せる為にも。
そしてなにより、虐げられた人々を放っては置けません!
少しでも幸せになって貰える様にしましょう!
防衛ラインの食糧備蓄庫からの食事を解放のお手伝いをしながら。
そこから炊き出しを行ったり。
食事を入れるリュックから新宿島から持ってきた暖かいスープや、
柔らかいパン、牛や鳥などのお肉、甘いパイ、
ワインやジュースなどのお食事を口福の伝道者で増やして宴会といきましょう!
そして最後は頑張って焼いてきた沢山のクッキーも一枚ずつですが渡して。
笑顔や人々の目に希望の光が戻ったら、最高の笑顔を返しますよ!
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
これで人々に恐怖を与えるものの排除が出来ましたね
それを伝えて皆さんを安心させたいです
やはり幸福な感情というのは自身を脅かす存在がないという事から生まれるものだと思います
それはクロノヴェーダといった敵の存在もさることながら
空腹ではないこと、温かいことも重要な事だと思います
その3つをいっぺんに行うとしたら…炊き出しでしょうか
大きな鍋を持参し広場にて簡易的なかまどを作り
そうですね、こちらではシチューなどが喜ばれるでしょうか
シチューのルーは大変便利です
とはいえ料理は得意ではないので何方に手伝って頂けると助かるのですが…
そうして皆さんに食事を配りつつもう脅かす恐怖はないことを告げます
佐島・真己
可能なら赤上くんを手伝う
楽しいと感じると人は疲れが取れるらしいからな
それに幸せを感じるために生きていたいって思うからな
自由になったお祝いに派手に宴会が出来たらいいよな
持って行った金品と食材を交換してベルファストに運び込む
お酒好きなアイルランド人のためにエール類をたくさん集めておく
街中で料理好きな人がいないか聞いて集まった人に炊き出しの手伝いを頼む
準備が出来たら赤上くんのところに行って食材とエールを渡し
料理好きの人達に炊き出しを手伝ってもらう
世間話をしながら状況を見守り
これから何をしたいかなどを聞いてみる
料理が出来たらあたりの人を呼びに行き料理を配りつつエールを飲む
「この幸せを守らないとな」
●
ベルファストの街へと入った復讐者たち。
街の通りを歩くエヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)が痛ましそうな顔を見せる。
「話に聞いていた通りとはいえ……」
「そうですね……酷いものです」
エヴァに相槌を打った赤上・イズル(赤き悪魔・g04960)もまたエヴァ同様の表情を浮かべている。
ベルファストの住人は長い間虐げられてきた。
道の端っこから他所者のエヴァとイズルをうかがう住人の視線に含まれるもの。
警戒。疑い。恐れ。悲しみ。そして、諦め。
無言で刺さる視線の中に期待や希望などの正の感情が欠片も無い事に2人は悲しくなった。
ベルファストの住人を虐げる者はもういない。
しかし、彼らは希望を失ってしまっていた。
「作戦は作戦として、このまま街の人々を放っては置けませんね」
「俺も同じです。それに、きっと彼らの敵はクロノヴェーダだけじゃなかったと思います」
イズルの言葉にエヴァの目がまたたく。
「貧困、特に空腹とか……やはり、幸福な感情というのは自身を脅かす存在がないという事から生まれるものだと」
ベルファストの住人を今なお脅かすもの。
住人が幸せになるのに必要な事。
そして、そんな彼らのためにできる事。
イズルの言いたい事にエヴァも思い当たる。
「はい、少しでも幸せになって貰える様にしましょう!」
復讐者と人々に巣食う絶望との戦いが、ここに幕を切ってあけた。
●
「ああ、その値でいい。すぐに運んでくれ」
佐島・真己(暗闇の中の光・g01521)が商人に金品を手渡す。
真己が取引したのは商人が持つ食料と酒。
それまで軍に卸していたが、軍の大半が帰農した事で倉庫に眠っていたもの……らしい。
食料と酒を満載にした荷馬車を真己はエヴァとイズルの元へ向かわせる。
「少しでも楽しいと感じられれば、心の疲れも取れて生きていきたいって思えるからな」
真己は考える。
不幸な人々に生きる希望を与える……などと大袈裟に構える必要はないと。
些細なことで良い。少し前向きになれるきっかけがあれば良いと。
そこから這い上がり、生きていける強さが、人には生来備わっていると。
ほんの少しの手助けを……とはいえ折角だからできるだけ派手に。
そんな事を思いながら、真己は馬車の手綱を握っていた。
●
「炊き出しの準備を始めましょう」
エヴァが居るのは大通りに面した広場だった。
遠巻きに住人が見る中。どこからか調達した大きなテーブルをいくつも設置する。
そして、リュックからそっと大きめの保温容器を取り出した。
「料理がずっと冷めずに温かいままなんて、この道具も中々に便利ですね」
感心した様子で保温容器を見つめるエヴァ。だがそれはほんの一瞬ですぐに中のものを机の上に並べていく。
その中身は、暖かい野菜のスープ、柔らかい白パン、牛肉のロースト、鳥のから揚げ、甘いリンゴパイなど新宿島から持ってきた料理だ。
リュックに入る量であるので、一人前としては若干多いくらいの量である。
大きな机の一角に置かれた一人前の料理。エヴァの行動を住人はうろんな目で見つめる。
そんな住人たちの前でエヴァはパラドクスを発動させた。
「詠うは心優しき女神の調べ。清浄なる力で命を育み護る大切な力を人々へ——『黄金の林檎(イドゥン)』」
古き言葉でエヴァが詩を紡ぐ。エヴァの前に置かれた料理が黄金の光を放ち、広場を輝きで埋め尽くす。
眩しさに住人たちは目を瞑った。そして再び目を開けて、驚きに目を丸くする。
いくつもの机の上に沢山の料理が並べられていたのだ。
「さあ、皆さん温かいうちに食べて下さい!」
驚く住人たちにエヴァが声をかけて回る。その美味しそうな匂いに誘われて、おずおずと人々が料理のそばに集まっていく。
その中の一人が恐る恐る料理を口にする。
「う、美味い!」
その声が引き金となり、人々は一斉に料理を食べ始める。
「こちらは飲み物です」
手際よくエヴァはワインやジュースを配っていう。こちらは竜鱗兵たちの食料倉庫から持ってきた物だ。
美味しい料理を食べる人々の中には腹が満たされたことに涙する者たちもいた。
「おかわりは今作っていますので、もう少し待っていてくださいね」
嬉しそうな人々にエヴァは小さく安堵のため息をついた。
●
広場に設置された簡易のかまど。そこに置かれた鍋やフライパンなどの調理器具。そして、防衛ラインや真己が商人から調達した食材の数々。
炊き出しの準備は整っていた。
「あとは、料理をする人ですね」
エヴァの用意した出来合いの食事を嬉しいそうに食べる人々を見てから、イズルはかまどの上に置いた寸胴鍋へと目を移した。
「俺はシチューでも作りましょうか。この時代の人にも喜ばれそうですし……マリコさんも手伝ってくれるかい?」
モーラット・コミュの『マリコさん』が野菜を洗うかたわらで、イズルは大量の肉や野菜を一口大に切っていく。
「1人だと大変ですね」
イズルが息をついた所に真己がやってくる。真己の後ろには何人かの男女がついてきていた。
「街を回って炊き出しの手伝いを頼んできた。彼らが手伝ってくれる」
真己の後ろの人々がペコリと頭を下げる。
「こちらこそ助かります」
イズルも素直に手伝いの人たちにお礼をいう。
「食材はここにあるものを好きに使ってくれ。あと赤上くんの手伝いもしてくれると助かるな」
真己の指示で手伝いの人々が動き出す。炊き出しの場がにわかに活気付いた。
イズルは切った大量の具材を炒めていく。イズルの手伝いを買って出た男性もそれに続いた。
炒めた具材を鍋に投入して水をひたひたに入れてから加熱する。
そしてイズルが取り出した物を手伝いの男は不思議そうに見る。
「それは?」
「俺の秘密兵器、シチューのルーです。これがあれば美味しいシチューが簡単に作れるんです」
イズルが取り出したのは市販のシチューのルーであった。鍋にルーを適量入れて煮込む。
やがて鍋から美味しそうな匂いが漂ってきた。
「味見してみますか?」
興味深そうに鍋を見ていた男にイズルがいう。
男はうなずくと、いそいそとシチューを小皿に入れて一口味見をした。
「なんて美味さだ!?」
「すごいのは俺じゃなくてルーですよ」
尊敬の眼差しでこちらを見る男にイズルは苦笑するしかない。
出来上がったシチューや他の人たちが作った料理が住人に振舞われていった。
あちこちで嬉しそうな声を上げる住人たちの姿が見える。そんな彼らの輪に復讐者たちもまじっていく。
「これからどうするつもりなんだ?」
住人と用意したエールを飲みかわし、真己がたずねる。
「とりあえず生きていくのに精一杯だけどよ」
住人はそこで言葉を区切り、甲高い声のする一角に目を向けた。
「おねーさん、このお菓子とっても美味しいよ」
「ありがとう、魔法使いのお姉さん」
そこには小さな子供たちに囲まれるエヴァの姿があった。エヴァが手作りのクッキーを住人に配っていたのだ。
子供たちの幸せそうな笑顔にエヴァも最高の笑顔を顔一面に浮かべていた。
「あのガキどもが、まともに大人になれるような街にしないとな」
街を覆う結界が薄れる結界を感じた。
「ああ、この幸せを守らないとな」
そして、真己はエールを一気に飲み干した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!