新たな年に祈りと幸福を(作者 湊ゆうき
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#幻想竜域キングアーサー  #ベルファスト攻略作戦  #アイルランド  #初詣 

●日の出を見ることもなく
 北アイルランドの首都・ベルファスト。
 海にも面するこの都市は本来であれば活気に満ちた港町であっただろう。だが、幻想竜域キングアーサーにおける歴史侵略者――ドラゴン勢力にとっての最後の拠点でもあるベルファストは、活気などはどこにも見当たらず、暗い顔をしたぼろをまとった人々が暮らすスラムのごとき街と化していた。
 人々は疲弊していた。ただ子供が泣いているだけでもうるさいと怒鳴られ、友人と話をしようにも、良からぬことを企んでいるのではと問い詰められ、ドラゴン勢力に逆らうことなどないように常に監視され、威圧され、人々はうつむいて暮らし、その瞳にはもはや生気というものが見られなかった。
 クロノヴェーダたちはベルファストの人々から『畏怖』や『恐怖』の感情を搾り取り、イギリス本土を護るための大結界のエネルギー源としているのだった。

●新宿駅グランドターミナルにて
「新しい年が始まったね。去年はみんなの活躍で取り戻せた場所も増えて……さすがだよね! 今年もみんなで頑張っていこうね」
 新宿駅に集まったディアボロスたちへと、時先案内人であるジュリオ・ヴェント(人間のレジスタンス諜報員・g03277)は、昨年の成果を称え、新しい年が訪れたことへの期待を口にする。
「でもさ、新しい年が始まったことにも気づいていないというか、喜んだりお祝いする余裕がない人たちもいるみたいなんだ……」
 ジュリオは少し表情を曇らせそう告げると、そういった人たちを助けてきてほしいと依頼の説明を始める。
「幻想竜域キングアーサーのアイルランドは、みんなの活躍でようやく平穏を取り戻しつつあるよ。あと残っているドラゴン勢力の拠点は、北部アイルランドの港湾都市……ベルファストだけになったんだ」
 このベルファストはドラゴン勢力の一大拠点。イギリス本土を護る大結界の上に建設されていることからも重要な拠点となる。
「大結界はイギリス全土を外界から護る強大な盾の役割をしているんだ。そして、そのエネルギーとなっているのが、アイルランドに住む人々のドラゴンに対する畏怖や恐怖なんかの負の感情なんだ」
 その感情を搾り取るため、ベルファストの人々は威圧され、怯え暮らしているのだとジュリオはやるせなさそうに付け加えた。
「でもエネルギー源が恐怖や畏怖という負の感情なら、ここに住む人々を幸せにすればこの結界は役に立たなくなるはず。負の感情を断つことができれば大結界は破壊され、いずれはイギリス本土に直接パラドクストレインで移動できるようになるはずなんだ」
 それってどっちにとっても素晴らしいことだよね? とジュリオは笑顔でディアボロスたちに問いかける。

「ただ、ベルファストの街の人々は無気力状態でね。新しい年が来たことにも気づいていないぐらい。そんな状態だから、今は街の人々は放っておかれているよ。でも外部から侵入者が来ないようにとベルファストへの侵入を阻むバリケードが築かれているんだ」
 石造りのバリケードは人の背丈の倍ほどあり、幅も広くやって来る者たちの侵入を拒んでいる。造りも強固で破壊するにも少々骨が折れそうだ。
「それを破壊しないと街へは入れないから、遠慮なく壊しちゃっていいよ。もちろんそれを護るクロノヴェーダもいるから、出来るだけ倒しちゃって欲しいんだ」
 そうして無事ベルファストの市内に入ることが出来れば、街の復興支援や大結界を調査することも可能だ。
「寒い冬なのに、人々が住む家もぼろぼろで……毛布や防寒具なんかも喜ばれると思うよ」
 大結界はイギリス全土を護るもの。観察や調査することで今すぐ結果は出なくとも、何かがわかるかもしれない。
「敵が使うと厄介だけど、外からの攻撃に備えるって、こっちが使えるようになったら絶対便利だもんね」
 もちろん余力があればで大丈夫だよ、とジュリオは説明して。
「一番大事なのは、ベルファストの人々に幸せな気持ちになってもらうこと。不幸じゃないことが幸せってわけじゃないから。普段食べないような美味しいものを食べたりとか、音楽とか踊りとかの娯楽を楽しんでもらうとか。そんなちょっとした贅沢をプレゼントしてあげてほしいんだ」

 あ、それからね、とジュリオはぱっと顔を輝かせた。
「パラドクストレインが出発する前に、新宿島で初詣に行くのもいいと思うんだ。新しい年にお参りをするのがここでの定番なんだよね? それからベルファストの人たちにも新しい年がいい年になるように、みんなの力で幸せを運んでほしいんだ。どうか、よろしく頼むね!」
 頼もしそうにディアボロスたちを見つめると、にっこりと笑うのだった。

●騎士団とバリケード
「街の様子はどうだ?」
「奴ら死んだ目をして生きる屍みたいになってるぜ」
「ふん、ならば放っておいてもいいか。それより……」
 ベルファストの街の外に、市内への侵入を阻むバリケードが築かれている。石造りのそれは人の背丈の倍以上もあり簡単に乗り越えることはできない。また幅も相当に広く、破壊するのも時間がかかりそうだ。
「ここが最後の拠点なんだ。警備は怠るなよ」
「もちろんだ!」
 鎧甲冑を着込んだ竜鱗兵たち――『聖ギルダス騎士団』と名乗る彼らは、要請を受けここベルファストでの任務に就いている。騎士団と名乗ってはいるが、彼らに騎士道精神があればベルファストの民にこんな仕打ちをすることはない。よって彼らは傭兵のような雇われの何でも屋。いざ分が悪くなり、任務を果たせないとなれば、撤退することもあるだろう。
 だが彼らがいなくなろうとも、そびえ立つバリケードは頑強な砦のように訪れるものを拒む。
 必ずこれを破壊し、行く先を切り開く必要があるだろう。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【修復加速】
1
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【植物活性】
2
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【操作会得】
3
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
3
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV4 / 【凌駕率アップ】LV3(最大) / 【反撃アップ】LV2 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV3 / 【アヴォイド】LV1

●マスターより

湊ゆうき
 こんにちは。湊ゆうきです。
 今年もよろしくお願いします。
 ベルファストの人々にも新年の喜びと希望を届けてあげてください。

 ③→⑤→①④→②の順に進むことを想定しています。
 
 パラドクストレイン出発前に新宿島で初詣に行くことが出来ます。出店等はありませんので、新年の抱負や決意などを描写できればと思っています。新宿以外の奪還した区にも参拝可能です。特に希望の行先があれば記載ください。
 ⑤のバリケードを破壊しなければ街の中には入れません。①④は、よければ挑戦してみてください。
 ②をクリアすれば完結となります。ベルファストの人々へと幸せを届けてあげてください。
 
 皆様のご参加、お待ちしております!
30

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


加奈氏・コウキ
【チーム籠】
重密・籠(g06062)と一緒に参加する。
相手の呼び名は籠と呼ぶ。
付き合い始めたばかりの彼女だ。

初詣にいく神社は新宿区の近場な所で構わないと思うが。
もし彼女が希望する場所があるなら、そこに行こうと思う。
なければどこか新宿区の近場でいい。

手を繋ぎ、初詣に行き、参拝する。
祈るのは、今年一年の彼女の平穏と笑顔。
そして、クロノヴェーダの根絶だ。

服装は普段通りのもの(イラストやアイテム等参照)。
籠はどんな服でくるのか、楽しみではある。
同棲しているから、家を出る時点ではわかるのだが、な。

この平和なひと時、大事にしたいものだ。
これが終わればまた、戦いだからな。

他人に迷惑をかける行為は一切しない。


重密・籠
【チーム籠】
加奈氏・コウキ(g04391)くんと一緒に参加。

付き合いたてで同棲中の彼氏のコウキくんと初デートの初詣。

籠は方向音痴だから、神社はお任せ。
人手が多かったら、どさくさに紛れて手を繋いだりくっついたり出来ないかな。

服装はいつものミニスカより女の子らしいかなって膝下丈のスカート。上は寒がりだからチェック柄のチェスターコートの上にマフラーも巻いちゃう。
でも手は繋ぎたいから手袋は我慢だ!

道中もコウキくんのことチラ見しちゃう!

お祈りはコウキくんと籠と皆にとって幸せな一年になりますように!
長めにお祈りするし籠もちゃんと一年努力するから神様よろしくお願いします!

他人に迷惑をかける行為は一切しないよ


●平穏と笑顔を守るため
(「コウキくんと初デートの初詣……!」)
 冬の冷たい空気を肌に感じながら、重密・籠(ホラー好きの音痴・g06062)は隣を歩く付き合いたての彼氏の横顔をうっとりと見つめる。
 新宿以外に他の区を奪還できたことも、無事お正月を迎えられたことも嬉しいけれど、こうして大好きな人と一緒に新年を迎え、初詣に行けることが何よりも嬉しくて。
 だから服装はいつものミニスカートではなく、より女の子らしい膝下丈のスカートにして。でも実は寒がりだから、上着にはチェック柄のチェスターコートにしっかりマフラーを巻いた装い。
「初詣、か……籠は行きたいところがあるのか?」
 籠の視線を感じた加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)がそう問いかける。同棲しているので、彼女が朝から一生懸命おめかしをしていた様子を知ってはいるが、こうして隣に立つ姿を改めて見ると、やはりとても可愛らしい。
「籠は方向音痴だから……神社はコウキくんにお任せしていい? あ、でも縁結びとかのご利益があるところだと嬉しいな……」
「新宿の近くならいくつか心当たりがある。縁結び……ならあそこか」
 どこか思い当たった様子のコウキが先導して歩いていく。
(「コウキくん、今日もカッコいいなあ……」)
 ちらちらとその横顔を盗み見て、籠は頬を染める。すらっとした長身のコウキはいつも通りの黒一色のスタイリッシュな服装ではあるが、飾らないシンプルな装いこそが彼のスタイルの良さを引き立てている。
 どれだけ見ても飽きないその横顔を何度も盗み見ながら、籠は幸せそうに微笑むのだった。
 そうしてやって来たのは、四谷にある恋愛成就や縁結びにもご利益があるという神社。
 平生であればたくさんの人で賑わってはいるのだろうが、そこまでたくさん人がいるというほどでもなく、ゆっくりとお参りが出来そうではある。
(「人が多かったらどさくさに紛れてくっついたりしようと思ったんだけど……」)
 寒いのは苦手だけど、手は繋ぎたいから手袋をするのを我慢していた籠は冷たくなった指先にそっと息を吹きかける。
「寒いのか?」
 すぐさまコウキが籠の手を握る。ぱっと花のように愛らしい笑顔を見せる籠。そのまま手を繋いで、二人は会釈してから神社の鳥居をくぐる。
 一通りの作法をこなし、二人は社殿の前で手を合わせる。
 コウキが祈るのは、今隣にいる彼女の今年一年の平穏と笑顔。
 刻逆に巻き込まれ、復讐者となり果てのない闘いの日々が始まった。その、先の見えない闘いの中で安らぎを与えてくれるのは、やはり籠に違いないのだから。
 そして祈りとともに誓うのは、クロノヴェーダの根絶だ。
 コウキの隣で籠もまた一生懸命に祈っていた。
(「コウキくんと籠と皆にとって幸せな一年になりますように!」)
 たくさんの人の幸せを祈るのだからと長めにしっかりお祈りをする籠は、努力もちゃんとするからと神様にしっかりお願いして。
「これで今年は大丈夫!」
 眩しい笑顔を向けてくれる籠に、コウキも表情を緩め穏やかに目を細める。
(「この平和なひと時、大事にしたいものだ。これが終わればまた、戦いだからな」)
 もう一度籠の手をしっかりと握ると、コウキはその思いを胸にパラドクストレインが待つ、新宿駅へと向かうのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【腐食】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

レイ・シャルダン
夜明ちゃん(g00805)と一緒に参加します。

向かう神社は東京大神宮
ボクはここに来るのは初めてかな。

夜明ちゃんから神社の情報を頂き
そっかぁ…縁結び…!

ご縁がありますようにって5円玉を投げるのが良いみたい。
ちゃりんと賽銭箱に投げ込み
これからの一年が良きものになる様に祈ります。
そして…ボクの恋も実ります様にと念を押して。
さて、夜明ちゃんは何を願ったのかな…?

えっ!?
出会い!!?
夜明けちゃん!!!?

流石にこの時期は寒いね。
お汁粉が振る舞われているならそれを頂いて
無さそうなら魔法瓶に入れてきた甘酒を飲みましょう。

甘酒…初めて聞くけど未成年でも飲んでいいの?
酔っちゃう??体験してみたかったんだよね!!


赤薙・夜明
レイさん(g00999)と初詣しましょう
向かうのは千代田区の東京大神宮です

縁結びで有名な神社です。祀られている造化の三神は日本の一番始まりの神様。万物の結びつきを司る事で縁結びに効果があると言われています

これまで結んだ大事な縁。
これから向かう先で待つ縁。
良い縁がありますようにお祈りしていきましょう。
レイさんの大切な縁も上手く結び付きますように。

私の祈りは勿論みんなの健康
と言うとレイさんに予想されてそうですし
素敵な出会いがあるように、ですよ!

出店はありませんが神社でお汁粉のふるまいがあります。
そこまで復興できているかはわかりませんが
一応甘酒を持って行って飲みましょう。
消化によく元気が出ますよ。


●縁あれば千里
「夜明ちゃんと一緒に初詣だね」
 吐く息の白さが東京の冬の寒さを物語っているが、普段から空を駆けているレイ・シャルダン(蒼空を駆ける・g00999)にとっては、寒風もさほど気にならない様子で。
「レイさん、嬉しそうですね」
 そんなレイの様子にぱちぱちと赤い瞳を瞬かせながら、赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)は小首をかしげる。
「だって新宿以外の区を取り戻せて……それでこうやってお参りに行けるんだよ?」
 先月の大きな戦いで、最終人類史に取り戻すことができた新宿の近隣6区。時を止めた街は、ディアボロスたちが歌う勝利の凱歌で再び動き始めたのだ。
 そう、二人が初詣に向かうのは千代田区にある東京大神宮。かつての賑わいとまではいかないが、それでもここにお参りに来る人々がいるという現実に二人も先程の戦いで得たものの大きさを実感する。
「東京大神宮か……ボクはここに来るのは初めてかな」
「ここは縁結びで有名な神社です」
 きょろきょろと辺りを見回すレイに、夜明は目の前にそびえる大きな鳥居を見上げ、この神社で得られるというご利益をレイにもわかりやすく説明する。
「祀られている造化の三神は日本の一番始まりの神様。万物の結びつきを司る事で縁結びに効果があると言われています」
「そっかぁ……縁結び……!」
 なるほどと辺りを見回せば、若い女性の姿も多い。鳥居をくぐった先には、恋みくじなんかも置かれていて。
 レイの言葉に夜明はこくりと頷く。
「これまで結んだ大事な縁。これから向かう先で待つ縁。良い縁がありますようにお祈りしていきましょう」
 二人は手水舎で手と口を清めた後、社殿へと向かう。
「ご縁がありますようにって5円玉を投げるのが良いみたい」
 レイはそう言ってちゃりんと小気味よい音を立てて小銭を賽銭箱に投げ込む。
(「これからの一年が良きものになります様に……そして、ボクの恋も実ります様に……」)
 ちょうど縁結びに効果があるならば願ったりだ。恋のお願いもしっかり神様に念を押してお祈りして。
 ぱっと隣を見ると、ちょうど夜明も参拝を済ませたようだった。
(「夜明ちゃんは何を願ったのかな……?」)
 その言葉が顔に書かれていたかのように、レイの顔を見ただけで夜明には訊ねたかったことがすぐにわかったようだった。
「私の祈りは……素敵な出会いがあるように、ですよ!」
 みんなの健康を願うのは、きっとレイにも予想されているだろうから。
 看護医療の勉強をしながら、パラドクスに頼らない医術の復興と共にパラドクスを組み込んだ発展を目指し日夜勉強している夜明から、『出会い』という言葉が出たのが意外だったのか、レイは一瞬きょとんとしたあと、ものすごい勢いで夜明へと迫る。
「えっ!? 出会い!!? 夜明ちゃん!!!?」
「もちろんレイさんの大切な縁も上手く結び付きますように、とも祈りましたよ」
 まだ頭を整理しきれていないレイの様子をおかしく思いながら、夜明はそっと神社の境内の一角を指差す。
「あちらでお汁粉のふるまいがありますよ。温まっていきましょう」
 出店は出ていないが、神社の関係者がせめてもと用意してくれたのだろう。鍋からは湯気が立ち、ほんのりと甘い匂いが漂ってくる。
「流石にこの時期は寒いもんね。うん、頂こう!」
 お汁粉の香りに我を取り戻したレイは、夜明と共に振舞われたお汁粉をありがたくいただき、身体を芯から温める。
「ここまで復興していてよかったです。念のために甘酒も持って来たんですよ」
「え、甘酒? 初めて聞くけど未成年でも飲んでいいの?」
「はい、アルコールがほんの少し入っていますが、ソフトドリンクとして売られています。消化によく元気が出ますよ」
「ひょっとして酔っちゃう?? でも、体験してみたかったんだよね!!」
 酒に弱い人が大量に飲めば酔うこともあるらしいが、夜明が持ってきたのは魔法瓶に入る量で。
「良かったです。あとで一緒に飲みましょうね」
 初詣で甘酒を初体験。人々の縁に感謝しながら、二人は温かいひとときを過ごすのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

眉立・人鳥
アドリブ歓迎
【アイネ(g01781)】と

初詣デート、となると……明治神宮かな、有名だし

アイネは……晴れ着とかどうするのかな
美人さんだから絶対似合うと思うんだけど
あ、あー……そうだよね……
……来年か、楽しみにしとくぜ!

お手をどうぞ、と
このやりとりも定番になって来たな
なんて笑いながら
いつもよりちょっと強めに握ってみたり、組み方を変えてみたり……
……うん、いわゆる恋人繋ぎってやつ?

一拝して鳥居をくぐったら、作法通りに手水を二人で
拝殿までエスコートしようか
賽銭投げて、二拝二拍手一拝。
祈るのは二人だけなら、アイネの無事と、ずっと一緒に居れますようにと

最後はやっぱり二人で記念撮影かな。


アイネリス・レナリィ
人鳥さん(g02854)と
アドリブ歓迎

ふむ、初詣……作法には疎いですし、人鳥さんについて行った方が良さそうですね

ごめんなさい、少し送れました
え、晴れ着ですか?この後のこともありますし残念ですが来年ですね
……わかりやすくしょげないでくださいよ

ではいつも通りお手をどうも
確かに、随分と自然にやりとり出来るようになってますね
あら、どうしたんですか?手を忙しそうにして……
もしかして指でも絡めたくなりました?

参拝の仕方はよくわかりませんから、教えてもらいながらこなしましょうか
すみませんがエスコートお願いしますね

人鳥さんや皆さんと無事に過ごせるようお祈りしておきましょうか


●取り戻した風景
(「初詣デート、となると……明治神宮かな、有名だし」)
 TOKYOエゼキエル戦争出身の眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)にとっては、東京での初詣スポットはいくつか思い浮かぶけれど、この世界での初詣が初めてであろう彼女と一緒に行くには明治神宮がいいのではと考えていた。
 原宿駅で待ち合わせをして、彼女がやって来るまでの間、人鳥は美しく聡明な恋人のことを想う。
(「アイネは……晴れ着とかどうするのかな。美人さんだから絶対似合うと思うんだけど」)
 自らはコートとマフラーという冬の装いで、恋人の晴れ着姿を想像しながら待つ時間もまた楽しい。
「ごめんなさい、少し遅れました」
 そう言ってアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)が現れたのは、待ち合わせの時間を少し過ぎた頃。
「新宿島も広くなったからね。あ、いや、ひょっとして晴れ着とか着て時間かかってるのかなーって想像したりして……」
「え、晴れ着ですか? この後のこともありますし、残念ですが来年ですね」
「あ、あー……そうだよね……」
 そう言えばそうか、とも思うけれど、ちょっと期待していただけにやっぱり残念で。けれど来年ならば成人した彼女が振り袖姿を見せてくれるだろうと自分に言い聞かせるように人鳥は頷いて。
「……来年か、楽しみにしとくぜ!」
「……わかりやすくしょげないでくださいよ」
 そう言いながらがっかりした様子を見せた人鳥を励ますように、アイネリスはそっと肩に手を触れる。
「晴れ着ではありませんが、初詣連れて行ってくださいね」
 ここでの作法には詳しくないから、人鳥が頼りだとアイネリスが視線で訴えると、人鳥はそうだったと気を取り直してすっと手を差し出す。
「お手をどうぞ」
「お手をどうも」
 いつも通りに人鳥の手に自分の手を預けるアイネリス。
「このやりとりも定番になって来たな」
「確かに、随分と自然にやりとり出来るようになってますね」
 笑いながらそう言ってアイネリスの手を取ると、人鳥はいつもよりも強めに手を握ってみる。
 そのまま目的の明治神宮へと歩いて行く二人だが、アイネリスは人鳥の手がそわそわと忙しなく動いていることに気づく。
「……もしかして指でも絡めたくなりました?」
「……うん、いわゆる恋人繋ぎってやつ?」
 見透かされたことにちょっと恥ずかしそうにしながらも、言葉とともに指と指をしっかりと絡めていつもよりぎゅっと恋人の手を強く握る人鳥。
「恋人繋ぎ、ですか」
 その特別感は悪くないとアイネリスも繋いだ手をきゅっと握り返して。
 玉砂利が敷かれた参道を歩き、きちんと一拝してから日本一とも言われる大鳥居をくぐり、緑豊かな森に囲まれた道を進んでいくとやがて本殿へと辿り着く。
「決められた作法があるのですよね?」
「ああ、まずは手と口を清めて……」
 手水の作法の手本を見せて、身も心もすがすがしい気持ちでお参りするのだと人鳥が説明し、それが終わればアイネリスの手を取り拝殿までエスコート。
 そうして賽銭を投げて丁寧に二回お辞儀をし、胸の前で両手を合わせるように柏手をこちらも二回打つ。
 人鳥が祈るのはアイネリスの無事と、これからもずっと一緒にいれますようにという願い。
 同じようにして手を合わせたアイネリスも人鳥や仲間たちと無事に過ごせるようにと祈りを捧げる。
 最後にもう一度深くお辞儀をし、アイネリスはなるほどと眼鏡を押し上げ頷いた。
「神聖な場所で新年の祈りを捧げる……背筋が伸びる思いがしますね」
「いつもなら参拝客でいっぱいなんだけど、ゆったりお参りできるのも貴重な経験かも」
 初詣の参拝客は日本一とも言われるこの場所をこうしてのんびり参拝できるのも先の戦いで奪還できたからこそ。
「アイネ、記念撮影しよう」
 新宿島に漂着したあとも捨てることができなかったカメラ。けれどそれは確かにディアボロスが取り戻した風景を収めていく。
 ――これからも、きっと。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

杏・紅花
【クナド】3人
新宿の市谷亀岡八幡宮に初詣!
平和の願いを叶えてくれるんだって

神社はカミサマのおうちらしい
お邪魔しますって言えば、きっと誰でも大丈夫
おじゃましまぁす!
無邪気にくぐって實生サンたちを手招き

作法に詳しい訳では無いけれど、こないだ教えて貰ったんだあ
二礼二拍手一礼
んふ、しっかりしてるだってえ、嬉しい
店長サンも毎年家族でこうしてたの?

あたしの国は先祖の霊を祀ることはあったけど
カミサマに願うのは新鮮
お願いするのは、今日の無事
ぜんぶの世界の平和

祈願したあとはおみくじ引いたいっ!初めてやるの
せーので見せよっ!
意味はスマホで調べつつ
うん、めっちゃ見てみたい
店長サンってば、逆にレアで幸運なのではっ!?


一角・實生
【クナド】
俺の名前は日本人そのものなのに、俺自身はドイツにいたし日本について殆ど知らない
でも俺は新宿島をはじめとしたこの国がきっと好きだ

参拝時の作法を事前に下調べ
皆の動きも参考にしつつその通りに

呪いの力を宿す身としては鳥居をくぐる時に緊張するかも
手招きする杏さんにひとつ頷き足を踏み入れよう
良い奴とか言われるとこそばゆいよ

神様には……そうだな、これを
皆や俺が前に進めなくなった時、少しだけ力を貸してほしい

おみくじは引いてみるものの運勢の良さに順番があるのは予習してこなかった
俺のは――これってどうなんだろう
他の皆に聞きながら内容を確かめるよ
地鎮さんのそれはちょっと見てみたいな、杏さんもそう思うだろ?


地鎮・竜之丞
【クナド】
うちは土木と建築と縁深い家業だからか
古くからの慣習や伝統が根強く残る家だった
「厄除けや願掛けは馬鹿にできんもんだ」と口癖のように言っていた…あれは確か兄貴だったと思う

實生が何か気にしているようだ
声をかけてやりたい
こういうのは気持ちが大事
お前は良いやつだから大丈夫…

紅花もよく知っているな
二礼二拍手一礼で合っているぞ
二人共、なんと言うかしっかりしているな
良いことだ、俺も見習わなければ…

平和成就、か
今の俺たちにピッタリじゃないか
よく拝んでおこう

御神籤…
せっかくだひいてみよう

俺は何かと変な現象に遭いやすくてな
印刷ミスで白紙だったり
開く前にカラスに奪われたりするんだ

さて
今回はどうなるか…


●平和の願いと開運招福
「市谷亀岡八幡宮に初詣!」
 市ヶ谷駅からほど近い新宿区にある市谷亀岡八幡宮にやってきた杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は、階段の上にある鳥居と本殿が見える場所まで来ると、一緒に来た二人を振り返った。
「平和の願いを叶えてくれるんだって」
「平和の願い……」
 紅花の言葉を繰り返すと、一角・實生(あざよいの鷲・g00995)は緑金の瞳で、ここからはまだ遠い鳥居をどこか眩しそうに見上げた。
「紅花さんは詳しいな」
「んふ、店長サンのが詳しいでしょ? 初詣、毎年家族で来てたの?」
 各神社ごとに縁起やご利益は様々。それをきちんと調べていることに感心した地鎮・竜之丞(安全第七・g01075)だが、紅花の問いに、うちか? とディアボロスに覚醒する前――人間だった頃のことを思い返す。
「うちは土木と建築と縁深い家業だからか……古くからの慣習や伝統が根強く残る家だったんだ」
 だから「厄除けや願掛けは馬鹿にできんもんだ」と口癖のように言っていた記憶が蘇り……あれは確か兄だったろうか。
 そんな事情もあり、実家が経営している工務店の新宿支店にいたため、竜之丞は刻逆による消滅を免れたのだ。
「實生サンは?」
「俺は……俺の名前は日本人そのものなのに、俺自身はドイツにいたし日本について殆ど知らない」
 それは過去の記憶の大部分を失っているからではなく、新宿島に漂着するまで日本に来たことがなかったからだろう。
(「でも俺は新宿島をはじめとしたこの国がきっと好きだ」)
 共に戦う仲間と暮らす、今はまだ小さな国。そしてディアボロスへと希望を託してくれる人々が住む世界。
「そっか。でも難しく考えなくていいんだよ!」
 神社はカミサマのおうちらしいと紅花が前置いてからにっこり笑う。
「お邪魔しますって言えば、きっと誰でも大丈夫」
 そうして三人は鳥居までの急な階段を上っていく。
 年季を感じる銅製の鳥居は神聖な気配に満ちていて。呪いの力を宿す己の身を顧みた實生は、この場所を自分がくぐっていいのだろうかと少しためらう様子を見せる。
「實生」
 その様子を感じとった竜之丞が、ぽんと軽く肩を叩く。
「こういうのは気持ちが大事。お前は良いやつだから大丈夫……」
「おじゃましまぁす!」
 そうして紅花も手本を見せるようにぺこりとお辞儀し、無邪気な様子で鳥居をくぐってみせては、二人を手招き。
 それを見て實生も頷くと、作法にのっとり一度お辞儀をしてから鳥居をくぐる。
「な、大丈夫だったろ?」
「……良い奴とか言われると、こそばゆいよ」
 ほっとした様子の實生に竜之丞が笑顔で親指を立てて見せる。そしてかけられた言葉に今更ながら笑ってしまった。
「というわけでお参りだよ! こないだ教えて貰ったんだあ」
 まずは手水舎で手と口を清め、次に八幡造の本殿へと向かう。
 紅花はきちんと二度お辞儀をして胸の前で柏手を二回。お祈りを済ませてから最後に深々と一礼。
「ほんとに紅花もよく知っているな……二礼二拍手一礼で合っているぞ」
「俺も詳しくはないから事前に調べてきた」
 そうして實生も同じように作法通りに手を合わせる。
 真面目で勤勉な性格であるが故、誰かに何かを頼るというのはあまり得意ではないけれど。
(「皆や俺が前に進めなくなった時、少しだけ力を貸してほしい」)
 どうにもならないこともこの先少なからずあるだろう。だからその時、ほんの少しだけ前に進む力を分けてほしい。そんな風に願うのだった。
「二人共、なんと言うかしっかりしているな……」
 俺も見習わなければと言いながら竜之丞も拝殿の前に立つ。
「んふ、しっかりしてるだってえ、嬉しい」
 元気いっぱいで自由な紅花だから、そういった誉め言葉はどこかこそばゆい。けれど、文化は違えど、共通することもあると思うのだ。
「あたしの国は先祖の霊を祀ることはあったけど、カミサマに願うのは新鮮。お願いしたのは、今日の無事。ぜんぶの世界の平和だよ」
「平和成就、か……今の俺たちにピッタリじゃないか」
 よく拝んでおこうと、竜之丞も同じように手を合わせ、しっかりと祈りを捧げる。
「あ、そうだ、おみくじ引きたいっ!」
 初めてやるの、と紅花は瞳を輝かせる。
「御神籤……そうだな、せっかくだひいてみよう」
 何か思うところがありそうな竜之丞ではあったが、参拝者がお金を入れて自由に引けるおみくじを見つける。
「これでいいのか?」
 ちゃりんと小銭を入れて、實生は箱の中からひとつ選び取る。
「ふーん、開運招福お守りが入ってる御神籤か」
 同じように竜之丞もひとつ掴む。
「俺は何かと変な現象に遭いやすくてな。印刷ミスで白紙だったり、開く前にカラスに奪われたりするんだ」
 意味ありげな顔の正体はそれだったのかと理解した實生だが、そう言われると逆に気になるというもの。
「地鎮さんのそれはちょっと見てみたいな、杏さんもそう思うだろ?」
「うん、めっちゃ見てみたい! じゃ、せーので見せよっ!」
 紅花も引いてあとは開くだけ。
 袋状に包まれたおみくじを開けば、運勢の書かれた紙と、縁起物のお守りが出てきた。
「あたしは中吉で……熊手かな?」
 おみくじそばにあった絵と開運守りの説明を読み喜ぶ紅花。
「やったー! 運や財をかきこむんだって」
「俺は小吉で、かえる……」
「安全に帰れるってことだからいいじゃないか。さて俺は……」
 今回はどうなることかと思った竜之丞の手には大吉の文字とだるまのお守り。
「お、今回は大吉だし問題なさそうか?」
「吉の前に大や小が付くというのは……」
「運勢の良さにも順番があるんだって」
 スマホで意味を調べながら紅花がふむふむと頷いている。
「そうか、それは予習してこなかったな……」
「でも神社によっても違うみたい」
「全ては心がけ次第ってやつだな……っと、あれ?」
 竜之丞が何かに気づいたようにお守りのだるまをじっと見つめる。
「この絵ではちゃんと目が書かれてるのに、俺のは必勝だるまみたいに片目がないんだ」
 二人は必勝だるまにぴんとはこなかったものの、どうやらまた「変な現象」が起こったらしいことはわかった。
「それが当たり、なんだろうか?」
「店長サンってば、逆にレアで幸運なのではっ!?」
「ははっ二人とも前向きだな。よし、そう思うとするか!」
 それぞれの縁起物のお守りとおみくじを手に、三人は顔を見合わせて笑い合うのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

フリング・デューン
即興連携、アドリブ歓迎
「1年の計は早きうちに、ですね」
新宿島の神社に赴いて静かに参拝する

「願うは奪還、そして故郷や民草の平穏でしょう」
キングアーサーの人間として故郷を取り返す誓いと新宿島含めて生きる人たちの平和と平穏を願う


リト・ハリーリー
初詣でだって、日本の神様へ挨拶しておこう。
どこがいいのかな…おすすめはどこ?と誰かに聞きながら(アドリブ絡み歓迎)
教えてもらった神社に向かって戸惑いながらも到着!

この世界での参拝方法ってどうしたらいいのかな…
周りを伺いながら見よう見まねで、なんとか形にしながら

健康安全が第一あとは…皆のお願いも叶いますように。ってお願いするよ。

帰りは、辺りを散策しながら帰ろうかな。
初めてのものが見つかったりするかもしれないしね。


●初めてを探しに
「1年の計は早きうちに、ですね」
 新宿島の冬空を見上げたフリング・デューン(火智紅胆・g05712)は、叡智を湛える金色の瞳を細めてはそう呟いた。
 フリングは赤い翼と尻尾を持つドラゴニアンだ。幻想竜域キングアーサー出身の彼だが、元は人として竜と戦う身であった。だが今やこうして新宿島に漂着し、人竜の姿を得てディアボロスとして戦う日々だ。
 新宿島では故郷と違うことも多く、驚くこともたくさんだが、こうして新年を迎えるにあたって心新たにするというのは、世界が違えど同じなのだろう。
「ふむ、神社はたくさんあるようですね」
 操作性と強度は抜群のディアボロス向けスマートフォンで情報を確認したところ、初詣に適した神社は新宿区周辺にもたくさんあるようだ。
「近いところに行ってみましょうか」
 相棒のクダギツネ『コブル』と一緒に新宿駅から歩いて参拝に向かう。
 フリングが歩いていると、先ほどの自分と同じようにスマートフォンを覗き込んでは首を傾げている少女の姿が目に入った。
「どこがいいのかな……?」
 こちらも相棒のスフィンクスと顔を突き合わせて思案顔だ。
「そこのお嬢さん、もしや初詣へお出かけですか?」
 その言葉にぱっと顔を上げたリト・ハリーリー(守護獣と神子・g05408)は、スマホを胸に当てては頷いた。
「そうなの。どこがいいのかわからなくて……」
「そうでしたか。では一緒に参りますか? 私はフリング・デューンと申します。こちらはコブル」
「リト・ハリーリーよ。この子はマウ」
「マウー」
 高貴な印象を受けつつも愛らしいスフィンクスはやけに渋い声で鳴いた。
「フリングさんのおすすめはどこ?」
「おすすめというほどではありませんが、近い場所に行ってみようかと」
「じゃあリトもそこにする。いいよね。マウ?」
「マウー」
 そうして二人と相棒たちは一緒に新宿にある神社を目指す。
「わあ、ここが神社だね」
 高いビルが立ち並ぶ新宿の街に突如現れた鳥居。駅から10分もかからない、区役所そばのその神社にある鳥居の荘厳さにリトは驚く。
「ここから先は神域。鳥居をくぐるのにも作法があるようですね」
 そうしてフリングが頭を下げお辞儀をし、鳥居の左側を通っていく。
「真ん中は神様の通り道だそうです」
「知らないことばっかり……!」
 戸惑いながらも同じようにお辞儀をして鳥居をくぐるリト。コブルとマウも同じようにお辞儀をして通過していく。
 そうして参道を進んでいけば朱塗りが目に鮮やかな社殿が現れる。
「ここでお参りするの?」
「そうですね。あの階段の上の場所で手を合わせるようです」
「日本の神様へ挨拶しておこうっと」
 そうしてやってきたリトだが、どうやってお参りするべきなのかがわからないことに気づく。そっと辺りを窺えば、少ないながらも参拝客がやって来ては、お辞儀をして手を叩いたりしている。
「多少は違っていてもいいと思います。こういうのは気持ちが大事でしょうから」
 そういってフリングは手を合わせるが、すらりとした体形と所作のドラゴニアンはお参りも様になっている。
 フリングに励まされ、リトは見よう見まねでお辞儀をし、胸の前で手を打ち合わせ神様へとご挨拶。
(「第一に健康安全。どうかよろしくお願いします。あとは……皆のお願いも叶いますように」)
 自分が何者で何処から来たのかもよくわからないけれど。そばにマウがいて、きっとこの先の未来には何かが見つかると信じたいから。
 その隣でフリングも、この世界と故郷へと思いを馳せていた。
(「願うは奪還、そして故郷や民草の平穏でしょう」)
 先程の戦争で新宿周辺の6区を取り戻したように、ラキ火山の頂上をはじめとして、故郷も必ず取り戻すのだと新たな年にフリングは誓う。
 そしてこの新宿島をはじめ、ディヴィジョンで暮らす全ての生きる人々の平和と平穏を切に願うのだった。
「マウもお願いした?」
 コブルと並んで座っていたマウに声をかけ、リトは神社を振り返る。
「初詣、いろいろ初めてがいっぱいだったな!」
「実に興味深かったですね」
 まだまだ知らない場所や文化はたくさんあって。二人と相棒たちは、そんな初めてを見つけるために、新宿駅へと戻る道は来た道と別の道を通ることにした。
 一年の始まりに相応しい、まだ知らない初めての景色が見つかるかもしれないから、と。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!

相原・相真
【ソナタ】
友達の緋詠さんや紅羽さんと参加
待ち合わせているけど、来れるかな?

こうして友達と初詣っていいですね
参拝のやり方とかわかります?
今年も平和に、ってのは無理か
なら、みんな怪我はあっても無事に過ごせますように…

初詣、こういう静かなのって不思議な感じです
俺の家の近くには大きな神社があって、
出店とかもあって人もたくさん来ていて…
来年はもっと賑やかに、いろんなことが出来るようになっていたらいいんですけど

あとはできそうならおみくじとかやっていきたいです
まあ初めてなら物は試しということで、まずはやってみるとしましょうか

お守りは、やっぱり健康第一ですかね
体は大事、また色々頑張らないといけませんからね


紅羽・ハギト
【ソナタ】
待ち合わせ、ここで良かったですか?
私は新宿島に来て初めてのお正月です
神社とは不思議な雰囲気の場所ですね
普段はもっと賑やかなのですか?
着物というものは美しい民族衣装でした
実際に着ている方を見てみたかった気もします
早く元の活気が取り戻せるように、私たちも精進していきましょう

参拝にも作法が…?
礼に始まり礼に終わる、さすが日本です
そこは右に倣えでお二人の真似をしていきます
しかし、私は特に神頼みする案件もないですから…
願掛けではなく神社の主に自己紹介でもしておきましょう

おみくじとは運試し…
ふふ、ならば挑戦してみましょうか
勝負ですよ…!

破魔矢にお守りですか
これにも神の力が?
神の仕事も大変ですね…


緋詠・琥兎
【ソナタ】
初詣か
今後の事を神頼みしてみるのもいいかもしれないな
(実は新宿島に来るまでの記憶は曖昧な部分が多いがそれを黙秘中

今は静かだが、こうなる前は着物で神社に来ている人も居たような気がするな
相原が行っていた神社にもいたんじゃないか?


参拝の後はおみくじで運試し
せっかくだ
燈杜美も一緒に引いてみよう

紅羽…………おみくじは勝負するものじゃなくて運勢を占うものだからな?

あとは売店で自分の喫茶店用に破魔矢でも買っておこうか
お守りもあるが、2人はどうする?

アドリブ歓迎


●親しき友と新たな一歩を
 いつもなら新宿駅で他世界のディヴィジョンに向かうパラドクストレインに乗り込むのだが、今日は駅の前で待ち合わせ。
「待ち合わせ、ここで良かったですか?」
 新宿駅ターミナル外へとやってきた紅羽・ハギト(秋風一葉・g00932)は、既に待っていた相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)の顔を見てほっとした表情を浮かべる。
「ディヴィジョンへ向かう前にこうして集まるというのも珍しい気がするな」
 同じく少し前に集合した緋詠・琥兎(歴史の侵略者処刑代行請負人・g00542)もそう言って辺りを見回す。
 つい先日、この新宿区近辺の6区を取り戻したばかり。まだ以前のような活気を取り戻してはいないが、こうして初詣に向かえるのも奪還後の復興の第一歩と言えるだろう。
「せっかくですから、歩いてこの新宿の街を見て回りましょう」
「そうして初詣に向かうんだな。今後の事を神頼みしてみるのもいいかもしれないな」
 一見男性のようにも見える、背が高くすらりとした体形の琥兎は、ディアボロスに覚醒し、今日まで過ごしてきた日々を思い返した。今はオラトリオとして共にある『燈杜美』の幼馴染である大天使を討つ為に日々研鑽を重ねる琥兎であるが、実は新宿島に来るまでの記憶は曖昧なのだ。だが、それを口にすることはない。
「私は新宿島に来て初めてのお正月です」
 断頭革命グランダルメ出身のハギトは写真で見かけた日本の伝統衣装に思いを馳せる。
「着物というものは美しい民族衣装でした」
「そうだな、今は静かだが、こうなる前は着物で神社に来ている人も居たような気がするな」
 特に正月ともなれば、晴れ着で出掛ける人たちも少なくなかった。そのことを思い出し、琥兎は頷く。
「相原が行っていた神社にもいたんじゃないか?」
「はい、俺の家の近くには大きな神社があって、出店とかもあって人もたくさん来ていて……」
 初詣となれば、人が溢れていっぱいで、それが当たり前の日常だったと相真は懐かしく思い出す。
「普段はもっと賑やかなのですか?」
 ハギトの問いに相真はこくりと頷いて。
「来年はもっと賑やかに、いろんなことが出来るようになっていたらいいんですけど」
「ああ、きっと……」
「早く元の活気が取り戻せるように、私たちも精進していきましょう」
 そうして歩きながら新宿の街を見て回っていた三人は、一つの神社に辿り着く。西新宿にある都庁からも程近い、緑豊かな自然に囲まれた神社だ。
「なるほど、神社とは不思議な雰囲気の場所ですね」
 厳かで神聖などこか特別な空気を感じるのは、何もここで暮らす人々だけではないのだろう。
「やっぱり、初詣がこういう静かなのって不思議な感じです」
「着物の人もいないようですね……」
「でも、こうして友達と初詣っていいですね。参拝のやり方とかわかります?」
 物珍しそうに参道の灯籠や鳥居を見ているハギトへと、相真はそっと問いかける。
「参拝にも作法が……?」
「ああ、二拝二拍手一拝が基本だな」
「礼に始まり礼に終わる……さすが日本です」
 琥兎が軽くやって見せた仕草を見て、ハギトは感激したように緑色の瞳を輝かせる。
 そんなハギトへと、相真と琥兎が参拝の作法を教える。手水舎で手や口を清めること。拝殿で賽銭を入れてから、作法にのっとり手を合わせること。
「今年も平和に、ってのは無理か……」
 平和を取り戻す戦いではあるが、戦いは避けて通れそうにない。
(「なら、みんな怪我はあっても無事に過ごせますように……」)
 そんな風に相真は願い、手を合わせるのだった。
 相真と琥兎がお参りする様子を見てから、ハギトも同じようにやってみる。しかしハギトには特に神頼みしたいと思える願いもない。
(「えー、日本の神様。この神社の主様。私は縁あって新宿島にやってきた紅羽ハギトと申します。日本の文化はすごいですね。とてもリスペクトしています。しばらくこの国でお世話になりますので、よろしくお願いします」)
 願掛けではなく、自己紹介をするハギトだった。
「さあ、あとは……おみくじとかやっていきたいですね」
「いいな。運試しといこうか」
「おみくじとは運試し……」
 相真の提案に琥兎は頷き、その言葉でハギトは何かゲームのようなものと思ったようで。
「ふふ、ならば挑戦してみましょうか。勝負ですよ……!」
 手をわきわきさせているハギトへと、琥兎がそっと誤解を正そうとした。
「紅羽……おみくじは勝負するものじゃなくて運勢を占うものだからな?」
「まあ、初めてなら物は試しということで……まずはやってみるとしましょうか」
「せっかくだ。燈杜美も一緒に引いてみよう」
 オラトリオの燈杜美も加わり、それぞれ順番に引いては、各々の結果に一喜一憂しては盛り上がる。
「あとは破魔矢でも買っておこうか。お守りもあるが、2人はどうする?」
 月と小鳥のマークが目印の、人気のない裏路地にある小さな自分の喫茶店用にと、琥兎は一年の好運を射止める縁起物である破魔矢を買うつもりだ。
「お守りは、やっぱり健康第一ですかね」
 何事も体が資本だと戦い続きの日常を労わるように相真が健康お守りを手にした。
「ここは商売繁盛のご利益もあるようですね」
「破魔矢にお守りですか……これにも神の力が?」
 人々の願いを叶えたり、破魔矢やお守りといった縁起物に力を授けたりと、神の仕事も大変ですね、とハギトが真面目な顔で神の仕事ぶりを労うのだった。
「ああ、きっと一年で一番忙しいのだろうな」
「神様に力を分けてもらったら、俺たちも頑張らないといけないですね」
 親しき仲間と行く初詣は、人出も少なく、いつもの新年とは違うけれど。
 それぞれの胸に宿る思いもまた、特別で。
 始まった新たな年に、彼らはまた新しい一歩を踏み出すだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

モリオン・スモーキー
アドリブ・連携歓迎
残留効果は適宜使用。

……さて、参りましょうか。
敵を倒し、次へ進みましょう。

刀で接近戦を行います。
<氷雪使い>の効果を刀に宿して攻撃。凍らせて動きを鈍らせて隙を作る事を試みます。味方との連携につなぎましょう。
また、<電撃使い>の効果に切り替えて敵をマヒさせれたら隙も生まれましょうか。2つの効果を巧みに使い分けて攻撃を行いましょう。

SPDパラドクスもうまく使って隙を作って味方の攻撃に繋げたいものですね。
敵の攻撃は<風使い>や<ダッシュ>を使ってうまく避けていきましょう。


加奈氏・コウキ
【チーム籠】
恋人の重密・籠(g06062)と参戦。
「重密・籠(g06062)をディフェンスする」
目標はバリケードの破壊。
及び、立ち塞がる全てのクロノヴェーダの殲滅だ。

籠(呼び方は最近かごめ)は初の戦闘となる。
上手くカバーしつつ、指導し、今回は戦闘実習訓練にも活用させて貰う。

俺自身は投擲ナイフ型に具現化させた復讐の刃を使用し攻撃。
投擲、戦闘知識の技能を活用し、籠のサポートをする。

防御は手持ちの装備武器で薙ぎ払い等を使用し臨機応変に対応。

敵の反撃には、観察、看破、戦闘知識等を駆使し回避運動。

バリケードは手持ち武器で破壊。

味方との連携重視。
アドリブ歓迎。
残留効果も最大限に活用。

無口、無表情、冷静。


ラウム・マルファス
結界の破壊までもー少しだネ。調査もしたいし、町の人も助けなきゃだシ。
助けが来たヨってわかるほーが、町の人にも良いかナ。

まずは石のバリケードを観察。どれだけ丈夫に作っても、負荷がかかる場所はあるし、遠距離攻撃用に火薬を保管してる場所もあるよネ。
敵の出てくる気配は無さそうカナ。バリケードの向こうの動きが見えるなら何しようとしてるか情報収集。
脆くて火薬に近そうな場所を狙って、爆薬積んだカラス型ドローンを飛ばすヨ。派手にドッカンしよウ。敵も巻き込んで引火するといーナ。町まで音が響くくらイ。音の原因が分からなくても、変化があるってわかれば、僅かにでも希望が持てるはずサ。


重密・籠
アドリブ・連携歓迎【チーム籠】
加奈氏・コウキ(g04391)くんと

皆の幸せは籠の幸せ!神様とも約束したんだから!

初戦闘へ緊張しつつ「武者震いだもん…!皆待っててね。」と言い、コウキくんを見つめる

籠はまだ弱々だから、まずは足手纏いにならないよう身を潜めながら【解体】で少しずつでもバリケードを破壊したいな。
うまく瓦礫で敵を潰せないかな

もし敵に見つかったら、怪我なんて気にしてられない。竜炎の槍を【グラップル】で掴んで【魔骸連刃】【解体】で一気に刻めないかな。敵の援護射撃も怖いけど籠のことはコウキくんが守ってくれるって信じてるから今できる全力で戦うよ!

皆に幸せ届けるから沢山笑おうね!


相原・相真
…さて、初詣も無事済んだことですし
こちらもきっちりこなすとしましょう

まずは[偵察・情報収集]から
[観察・看破・拠点構築]で拠点を作るときの要領を踏まえて狙いどころを確認
その後戦闘になったらパラドクスによる巨大な拳での[強打・破壊]の攻撃をバリケードに叩き込みます
とりあえずバリケードの十分な破壊を優先し、敵は巻き込めたら狙うくらい
敵からの攻撃は防御して耐え、敵の注意を引きます
その方が他の皆さんが動きやすいかと思うので

除夜の鐘、とはいきませんが、希望の新年のお知らせという事で。
一つ派手にぶちかましましょうか!

アドリブ・連携歓迎


●解放と希望を告げるその音は
「……さて、初詣も無事済んだことですし、こちらもきっちりこなすとしましょう」
 初詣を済ませたディアボロスたちを乗せ、新宿駅を出発したパラドクストレインは、西暦501年の北アイルランドへとやってきた。
 お参りをし、おみくじを引き、新しい年への誓いを新たにした相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は、気を引き締めなおすと彼方に見える巨大なバリケードを見つめた。
「うん、結界の破壊までもー少しだネ。調査もしたいし、町の人も助けなきゃだシ」
 幻想竜域キングアーサーの攻略旅団にて、大結界の調査を提案していたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、いよいよだと頷いて。
 ドラゴン勢力の拠点である港湾都市ベルファスト。イギリス本土を護る大結界の上に建設されているのだが、大結界のエネルギー源となるのがアイルランドに住む人々のドラゴンに対する畏怖や恐怖などの負の感情。その感情を搾り取るため、ベルファストの人々は威圧され、怯え暮らしているという。
「うん、辛い思いをしてる人たちを助けなきゃ。皆の幸せは籠の幸せ! 神様とも約束したんだから!」
 先程神社でしっかりと皆の幸せを祈った重密・籠(ホラー好きの音痴・g06062)も、きゅっと力強く拳を握りしめると、すぐそばで自分を守るように立つ加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)の顔を見つめる。
 視線を感じ、コウキも頷く。これが恋人の籠の初陣だとわかっているからこそ、コウキは籠の意気込んだ気持ちと緊張の両方を感じ取っていた。
 籠の足が小刻みに震えているのに気づくと、こういった任務にも戦闘にも慣れているコウキは安心させるように言葉をかける。
「敵を倒すこともだが、あのバリケードを壊すことも重要だ。出来る範囲でかごめの力を発揮すればいい」
「う、うん、わかったよコウキくん。あ、これはね、武者震いだもん……!」
 怖いからじゃないからね、と恋人を心配させまいと強がる籠に、コウキが優しく頭をぽんぽんする。それだけで不安な気持ちが不思議と消えていくのだった。
(「かごめの笑顔を守ると誓ったからな」)
 先程の神社での決意を胸に、コウキも表情を引き締めるのだった。
「……さて、参りましょうか。敵を倒し、次へ進みましょう」
 すらりとした体形の長身で黒のスーツを着こなしているエルフの青年・モリオン・スモーキー(存在奪われし魔術発明家・g05961)が柔和な表情で皆を促す。あのバリケードを越えていかなければベルファストの市民を助けることが出来ないのだから。
「はい、でもまずは偵察と情報収集からしませんか?」
 そう相真が提案し、彼方に見えるバリケードを指差す。人の背丈の倍以上ある高さの石造りのバリケードの前には、護衛役の『聖ギルダス騎士団』なる竜鱗兵が複数立っている。
「おやおや、真面目にバリケードを警護してるネ」
 堅牢な牙城を築いたことに安堵して引きこもっているのかと思いきや、意外と真面目な竜鱗兵の姿にラウムは少し驚いた様子。
「敵を引きつけたりした方がいいのかな?」
「今回の目標はバリケードの破壊。及び、立ち塞がる全てのクロノヴェーダの殲滅だ。確かに敵を引きつけておけば、バリケードの破壊も効率よく行えそうだな」
 籠の意見に、目の付け所がいいとコウキが冷静に頷く。
「籠はまだ弱々だから、まずは足手纏いにならないよう身を潜めながら少しずつでもバリケードを破壊できればいいんだけど」
「竜鱗兵の方は任せてください」
 そう言ってモリオンは護拳部分に宝石をはめ込んだ刀――【魔法再現型試作ガジェットタイプブレード】を手に一歩前へと進み出る。
 刻逆以前は宝石鑑定人かジュエリーデザイナーになろうかという境遇だったモリオンは、今は自身の根幹と尊厳と取り戻すため、宝石から魔力を取り出しては武器に付与し、疑似的に魔法を使うためのガジェットを開発し、戦闘に活かしているのだ。
「じゃあこういうのはどうかナ? ボクのドローンを挨拶代わりに飛ばして敵を引きつけ、バリケードから引きはがすヨ」
 そうして手薄になったバリケードを調査し、効率よく破壊していく。ひょっとすれば遠距離攻撃用に火薬を保管してる場所もあるのでは、というのがラウムの読みだ。
「助けが来たヨってわかるほーが、町の人にも良いかナ。最後に派手にドッカンといきたいよネ」
「そうですね。除夜の鐘、とはいきませんが、希望の新年のお知らせという事で。一つ派手にぶちかましましょうか!」
「籠たちは希望を届けに来たんだもん!」
 意見がまとまったところでラウムのカラス型ドローンがバリケードへと飛び立っていく。竜鱗兵たちの目の前で、カラス型ドローンは、バリケードへと酸を射出しまき散らしていく。
「なんだ!?」
「敵襲か!」
 唐突に現れたカラスのような飛行物体がまき散らす液体は、石を溶かすことはなかったが、辺りにはひどい刺激臭が漂い、ただならぬ事態であることを竜鱗兵たちに告げるには十分だった。
 カラス型ドローンが役目を終え、バリケードから離れると、それを竜鱗兵たちが追っていく。
「あなたたちの相手はこちらですよ」
 ドローンの向かう先に立っていたのは刀を手にして立ちふさがるモリオン。まずは氷のごとき結晶が美しいブルートパーズの原石【青黄玉】を媒介として、刀に氷の属性を宿して振るう。
「なんだ、お前は!」 
 目の前のモリオンを敵と認識した竜鱗兵は、その自慢の脚力で、スピードを緩めず剣を持って突進してくる。
 まずは引きつけることが重要とばかりに、モリオンは相手の剣戟をいなしながら、氷を宿した一撃を叩き込み、その動きを鈍らせる。
「クロノヴェーダは殲滅する。それだけだ」
 モリオンが動きを鈍らせた相手へと、コウキの復讐の意思が具現化した投擲ナイフが竜鱗兵の鎧の隙間を縫い、深々と突き刺さる。
「くそっ、なかなかの手練れだな! 『聖ギルダス騎士団』、力を合わせてこの任務に当たるぞ!」
 モリオンとコウキの攻撃に圧倒されつつも、竜鱗兵は仲間を呼んで対処しようとする。バリケードの奥からわらわらと新手の竜鱗兵が出て来ては二人の元へ駆けつけてくる。
「敵を引き付けることには成功したようですね」
「そのようだな」
 二人は連携を意識し、やってくる竜鱗兵を引き付け、撃破していく。
「氷の次は雷です。――展開せよ。紫電の雷」
 力ある言葉とともに、雷の宝石に込められた魔力が解放され、刃に雷の属性を宿す。さらにこの魔力を周囲へと向ければ、天の裁きのごとき雷が竜鱗兵と落ちていく。
 感電し、動きを止めた彼らをコウキが無慈悲に復讐の刃で沈めていく。
「よし、一斉に行くぞ!」
 数に任せて襲い掛かって来る竜鱗兵だが、同じ動きを繰り返す彼らの動きはコウキにとっくに看破されていた。岩をも砕く強烈な一撃であろうと、かわせばどうということもない。
「雷は落ちるだけではないんです」
 紫電をまとった刃がモリオンによって竜鱗兵に押し付けられると、同じく雷を纏わせた自身の身体と同じように磁石のような性質を帯び、反発作用により竜鱗兵は弾き飛ばされて地面へと転がる。
「こういう方法もあるんです」
 パラドクスを活かして、二人は次々と竜鱗兵を撃破していくのだった。
(「コウキくん、戦う姿もカッコいい……!」)
 そんな様子をバリケードの方から眺めていた籠は、自分も頑張るぞと気持ちを奮い立たせる。
「さて、バリケードの破壊ですが……拠点を作る時には、要領があるはずです」
「うん、どれだけ丈夫に作っても、負荷がかかる場所はあるよネ」
「もろくなってそうなところを探せばいいんだね」
 モリオンとコウキが敵を引き付けている間に相真とラウムと籠は効率よくバリケードを破壊する方法を探る。
「あ、ここちょっと穴があいてるよ!」
「こっちにも脆そうな箇所がありますね」
 籠が早速、バリケードのほころびを見つけると、相真も破壊のとっかかりになりそうな場所を見つける。
「よーし、これで解体だあ!」
 パラドクスで生み出した刃で目の前のバリケードを少しずつ破壊していく籠。
 相真もまた脆くなっている場所をパラドクスで作り上げた巨大な腕を振りかざし、その強烈な拳での一撃を叩き込む。
「どんどん行くよ!」
 強固なバリケードがパラドクスの威力で崩れていくことに力を得て、籠は次々とバリケードを解体していく。
「よし、読みが当たったようだネ」
 ラウムの声が弾んだのは、恐らく遠距離攻撃用に火薬を保管してる場所が近くにあると踏んだ読みが当たったからだ。バリケードの内側に隠されていたそれを見つけ、脆そうな場所へと設置しておく。
「よーし、あとは派手にドッカンといこうじゃないカ」
 そうラウムが二人に声をかけようとした時だった。
「ここは死守する!!」
 バリケードの破壊に気が付いた竜鱗兵が戻って来たのだ。
「敵だね。籠だって戦うんだから!」
 怪我なんて気にしていられないと、勇ましくパラドクスで生み出した武器【竜炎の槍】を掴むと、敵を切り刻む勢いで突撃する。
 確かな手応えを感じたが、相手もまた手にした槍にブレスを放ち炎を纏わせ、それをもって籠の身体を貫かんと狙いを定める。
「クロノヴェーダは殲滅する」
 その槍が迫る前に、コウキは籠の盾となり、呪われし刀でその一撃を受け止める。
「コウキくん!」
 籠が全力で戦えるのは、コウキが自分を守ってくれると信じていたから。確かな信頼に応えてくれた彼の姿に胸が熱くなる。
「かごめ、その瓦礫も使えるぞ」
「え、こう?」
 そう言って持ち上げて見れば、軽々と手にできることに気づいて。残留効果により、辺りはディアボロスが怪力を発揮する世界に変わっていたのだ。
「じゃあ、こうしちゃうよ!」
 普段は絶対持てないような巨大な瓦礫を持ち上げて、襲い掛かって来た竜鱗兵へと投げつける。
 巨大な瓦礫に圧し潰された竜鱗兵はしばらく動くこともできない。
「よくできたな……活かせるものは活かすのも戦術だ」
 初めての戦いで緊張している籠を教え導くのもコウキの役目であり、今回は戦闘実習訓練としても活用させてもらった。
「ベルファストの人々を助けるまで、あと少しです」
 相真もまた、こちらに戻って来た竜鱗兵を巻き込みながら、巨大な拳でバリケードを破壊していく。
「みんな、助けが来たヨって、町の人にも知らせるヨ」
 バリケードから離れるようにと仲間に伝えると、ラウムは今度は爆薬を積んだカラス型ドローンを放つ。
「さあ、町の人に届くかナ? 派手にいくヨ」
 ドローンは一直線にラウムが設置した火薬の場所を目指し突撃する。自爆機能をも搭載したそれは、自身の爆発とともに大量の火薬を巻き込み、辺り一面に大爆発を巻き起こす。
「さすがにこれだけ大きければ気づきますよね」
 遠くから見ていたとはいえ、爆音に耳を抑えた相真が煙を巻き上げて崩壊していくバリケードを見つめて呟いた。
「竜鱗兵も残らず撃破しました」
 最後は逃げようとした竜鱗兵も切り伏せ、モリオンも仲間たちのもとへと戻って来た。
「……バリケードは破壊されたな」
「さあ、まだまだやることはあるからネ」
「うん、皆に幸せ届けるから……沢山笑おうね!」
 人々が生きる気力を失い、時間を止めたようなその街へ、その爆音は希望を告げる鐘の音のように、確かに響き渡ったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【操作会得】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【活性治癒】がLV2になった!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

●時間は止まったまま
 ベルファストの街に響き渡った爆発音に、うつむいていた人々はゆっくりと顔を上げた。
 何かが起きたのは理解できるが、何が起きたか調べようとする気力もわかない。余計なことをすれば、また竜鱗兵たちに怒鳴られ、問い詰められるに違いないのだから。
 ぼろをまとった人々は寒さに震えながら白い息を吐く。見回りの竜鱗兵に壊された家の扉を修理することもなく、隙間風が入り込むままにしている。
 大結界を破壊するには彼らに幸せな気持ちになってもらう必要がある。だが、まず彼らに人として最低限の暮らしが保証される住居や衣服、食料を調達できるような農地の開墾などの支援が必要だろう。
 生活基盤を整えた上で、彼らの心に幸福をもたらす贈り物が出来れば、イギリス本土を覆う大結界を破壊することができるだろう。
ラウム・マルファス
この結界が新宿島でも使えれば、戦争の時に心強い護りになル
恐怖や絶望じゃない感情デ、大きな負担が無いことが大前提だケド

実現は出来るらしいから、安定性を高めるための技術を調査しよウ
PDで物理魔法双方から結界を解析
弱点は……無いからみんな苦労してるんだよネ
あとは結界を均等に発生させる仕組みと、長時間安定して発動させる仕組みを解析するヨ

あとは町を回って、人々に負担が無いか確認しよウ
町の人が恐怖しているなら、結界を作っても感情が消えるわけじゃないけど、他にもエネルギー源があるかもだシ
弱いお年寄りや子供を薬品で手当てしながら観察しよウ
虐げられ続けたなら元気とはいかないケド、異常な衰弱が無いか確認しよウ


アイネリス・レナリィ
さて、調査とは言うけれど……どうしたものかしら。
ひとまず箒に乗って、上から眺めてみましょうか。

箒で【飛翔】し上空から大結界の周囲を一周しながら【観察】
気になるものがないか探してみる

大規模であるなら尚のこと、無からこの結界が生まれたとは考えにくい
触媒や礎、収集したエネルギーを使って結界を発生させるための基点となる何かがある筈
まあ……結界の内部や地中にでも置かれたらお手上げか

何かしら、都合良く外縁部にでもあれば良いのだけれど
もし気になるものを見つけたら回収しておく
無理なようであれば細部を【観察】の後【爆破】し破壊を試みる


●大いなる盾を得るために
 ベルファスト市街への侵入を拒むように作られたバリケードはディアボロスたちによって破壊された。
 次になすべきことは、ベルファストに住む人々の支援――そして大結界の調査だ。
「助けに来たヨって言ってもすぐにドラゴンに対する恐怖や畏怖の感情が消えるわけじゃないよネ」
 街へと足を踏み入れたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、怯えたようにこちらを見ている人々の様子を確認して、なるほどと頷く。
 ここベルファストはドラゴン勢力の一大拠点であり、イギリス本土を護る大結界の上に建設されている。イギリス全土を外界から護る強大な盾として存在する大結界のエネルギー源となっているのが、アイルランドに住む人々の負の感情。それを取り去れば、この結界を発生させているクロノ・オブジェクトにダメージを与え、破壊することができるという。
「ええ、そうですね。けれど、だからこそ、人々が抱く恐怖や畏怖の感情が消え、幸福を感じた時に大結界がどういう風に破壊されるのか……こうして調べることができるのだと思います」
 眼鏡の奥に覗く理知的な紫の瞳を輝かせながら、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)はラウムの言葉に頷いた。
 ひとまず人々への支援は他の仲間に任せ、ラウムとアイネリスは大結界の調査へと乗り出す。
「この結界が新宿島でも使えれば、戦争の時に心強い護りになル」
 もちろん、恐怖や絶望じゃない感情デ、大きな負担が無いことが大前提だケド、とラウムは付け足して。
 負の感情がエネルギーになるのなら、他の感情で似たようなことが出来るのではないかと推測する。
「そうですね。イギリス全土を覆う大規模なもので実現できているのなら、新宿島にも適用できるでしょう」
「実現は出来るらしいから……あとは、地道な調査だネ」
 別のパラドクストレインで向かったディアボロスたちが調査した結果、時間はかかりそうだが、それは実現の可能性が極めて高いことを示唆していた。
 だが、それにはもう少し情報が必要だろう。
「さて、調査とは言うけれど……どうしたものかしら」
 しかし大結界は未だ謎が多く、何をどう調べるべきかも未知数。
 頬を手に当て考え込んだアイネリスだが、ふと空を見上げる。
「……そうね、まずは上から眺めてみましょうか」
「じゃあ、ボクは地上で安定性を高めるための技術を調査しよウ」
 二人は二手に分かれて調査に乗り出すことにした。

「何か、気になるものはないかしらね……」
 箒に乗って飛翔したアイネリスは上空から街の様子を見下ろした。街はベルファスト湾に面する海に繋がり、さらにその先はイギリス本土が見える。
(「大規模であるなら尚のこと、無からこの結界が生まれたとは考えにくい」)
 魔女の端くれと自称する彼女は、田舎の山村で薬を作り、善き人に尽くし尽くされ共に生きる日々だった。人々に頼られた善き魔女としての実力は本物。こういった魔術的なものには、きっと触媒や礎、収集したエネルギーを使って結界を発生させるための基点となる何かがあるはずだとアイネリスの感が告げるのだ。
「まあ……結界の内部や地中にでも置かれたらお手上げか」
 クロノ・オブジェクトであるがゆえに、単純に見つけて壊せばいいというものでもないらしい。
 高く飛んていたアイネリスは今度は地上の様子が見えるよう低空を飛行する。
 地上では他の仲間が人々への支援を行っている様子が窺えた。助けが来たことを理解したのか、人々の表情は先程より明るい。そのことによって、辺りを覆う結界に何かしらの変化が起こっていることをアイネリスは感じ取っていた。
「他にも、何か気になるものがあれば回収しておきましょう」
 しっかりと周囲の様子を観察しながら、アイネリスは箒でさらに周囲を偵察するのだった。

 一方、地上のラウムは、パラドクスを用いて物理と魔法、両方の側面から大結界の解析を始めていた。
 事象を書き換え物質を変換する、悪魔の魔法が宿った眼鏡【Rewriter】の力も借りて、瞬時に解析を行う。同時に弱点部分を別の物質に変換することによって破壊も可能なのだが――。
「弱点は……無いからみんな苦労してるんだよネ」
 それがわかれば破壊工作も容易になるだろうが、なかなか上手くはいかないようだ。
「うーん、でも少しずつ見えてきたよネ……」
 知りたいのは、結界を均等に発生させる仕組みと、長時間安定して発動させる仕組み。パラドクスによる解析で得られた結果をしっかりとスマホに記録して残していく。アイネリスも空から情報を集めてくれている。これらの得られた情報を新宿島に持ち帰ればきっと良い結果が得られるだろう。
「あとは……」
 ベルファストの街を回って、エネルギー源とされた人々に身体的な負担がないか確認するラウム。
 果たして結界のエネルギー源は畏怖や恐怖という感情だけなのか。
 弱者に分類される高齢者や子供を見つけては、怪我や具合の悪いところはないかと確認し、あれば手当てをしながら異常がないか確認する。
(「虐げられ続けたなら元気とはいかないケド……」)
 異常な衰弱などはないか、生命力そのものを奪われていないかを確認する。
「ありがとう、おにいちゃん!」
 擦り傷を消毒し、ラウムが手当てした少年がディアボロスたちの到着に元気を取り戻した様子で明るい笑顔を見せた。
 見た目よりはトシを取ってるんだけどネ、と内心思うラウムだったが、人々が元気を取り戻すうちに大結界の威力が弱まっていくのを感じる。
「もう少し様子を見ればさらに何かわかるかもしれないネ」
 人々の心に幸福の感情を取り戻せば大結界は消える。それまでの過程を情報として収集しておくのもきっと役立つだろう。
 そうすれば遠くない未来に、新宿島に大いなる盾という護りをもたらすことができるかもしれない。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

加奈氏・コウキ
【チーム籠】
重密・籠(g06062)と一緒に行動。
人々に笑顔を取り戻すため、復興支援を行う。

・ぼろぼろの家のリフォームや修復。
必要資材を運んだり、実際に修理を行ったり、実労を手伝う。

・食料の支援。
今回も持ち込んだ、俺の好物である麩菓子を、街の子供達に配る。
こういった菓子も、悪くはないだろう。

・衣類の提供。
毛布、防寒着を持ち込み、配る。

・その他。
焚火をして、最後に皆で焼き芋や焼きマシュマロをしてみよう。
これも材料は予め持ち込んでおいた。

味方との連携重視。
絡み歓迎。
迷惑行為はしない。

無表情、無口、冷静。


相原・相真
さて、敵も排除したし、次は復興支援ですか
…なんだか、こういう作業にもすっかり慣れてきましたね

最初に【活性治癒】【怪力無双】を発動
現地の方にも出来るところで協力をお願いして作業開始です

まずは[塹壕掘り・砂使い]を使用しての農地の開墾から
パラドクスを使ってしっかり地面を掘り起こしてから畑として整えていきましょう
畑を作れたら種籾をまいて【植物活性】
種籾はできれば現地にあるものがいいんですが、
無い場合も考えて麦や野菜のものを準備しておきます

あと余裕があれば[拠点構築]を活かして建物の修復
【建物復元】で直せるものは直しそれ以外を【修復加速】を使い直していきます
資材は破壊したバリケードの物を利用しましょう


重密・籠
アドリブ連携歓迎
【チーム籠】加奈氏・コウキ(g04391)くんと

皆に笑顔をお届けだよ!

【活性治癒】を発生させ【飛翔】して、街の皆にバリゲードは破壊されて、竜鱗兵たちも倒されたから、もう何も怖くないよ、これから沢山幸せが待ってるからねって笑顔で伝えて回るよ!
あと籠の仲間達が町の復興を頑張ってるから手伝える人は一緒にお願いって!

次はクロノヴェーダの生活拠点なら防寒具や毛布や食料等の備蓄も豊富だろうから、町の人に聞くか【フライトドローン】で拠点を見つけて【怪力無双】で一気に生活物資を皆にお届けするよ!

皆で前の前のずっと前よりも今までで1番幸せな町にしようね!

あっコウキくん籠も焼きマシュマロ混ぜて!


●笑顔を届けるために
 バリケードによって固く閉ざされていたベルファストの街へと足を踏み入れたディアボロスたち。
 竜鱗兵はもういないというのに、人々の瞳にはまだ生気というものが宿っていないように思えた。この寒い冬にぼろをまとった人々が暗い顔でうつむいている。
「……なんだか、みんな暗い様子だね」
 街の様子を見渡してから、重密・籠(ホラー好きの音痴・g06062)が顔を曇らせる。人々の幸せを何よりも願っている籠だからこそ、この様子には思わず心が痛む。
「もう、敵も排除したんですけどね……」
 先程仲間たちでバリケードを盛大に破壊し、警護の竜鱗兵も撃破した。次は復興支援だと気持ちを新たにした相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)にとっても、人々の反応は少し予想外だった。
「まだ現状を理解できていないのかもしれないな」
 荒廃した街や疲れ切った人々の様子を見つめ、加奈氏・コウキ(妖一刀流皆伝・g04391)が冷静に分析する。
 負の感情をエネルギー源として搾り取られていたこの街の人々のことだ。何か変化を感じてはいても、助けが来たことにもまだ気づいていないのかもしれない。
「籠たちは皆に笑顔を届けに来たんだもん。もう大丈夫なのに……」
「そうだな、まずはそのことを知らせなければいけないのかもしれない」
「あ、そっか! わかったよ、コウキくん。籠、皆にお知らせしてくるね!」
 まずはもう竜鱗兵に怯える心配はないと知らせることから始めようと、籠はぱっと笑顔を弾けさせると、行ってくると言って、ふわりと飛翔し宙を駆けていく。
「では、俺は農地の開墾を手伝って来ようと思います」
「ああ、頼む。こちらはまず衣類や食料の支援を行うことにする」
 街の人々の支援を行ったり、大結界の調査へ向かったりと、ディアボロスたちはそれぞれの役割を果たすべく動き出した。

「街のみなさーん、さっきの爆発音は聞こえたかな? もうバリケードは破壊されてないんだよ! 皆を脅かしてた竜鱗兵たちもみーんなやっつけたから、もう何も怖くないよ!」
 飛翔の効果で街を少し高い所から見渡しながら、籠は大きな声で街の人々へと根気強く声をかけ続けた。
「もう怖いものはないよ。これからは、沢山幸せが待ってるからね!」
 元気な声と何より明るい籠の笑顔は怯え疲れた人々へと、活性治癒の効果とともに癒しを与えていく。
「……おねえちゃん、ほんと? ほんとに怖いドラゴンはもういないの?」
「うん、もう大丈夫! これからは皆で幸せになるんだよ」
 問いかけてきた小さな子どものそばへと舞い降りて、籠は視線を合わせるようにしゃがみこんで、にこにこと笑いかける。
 そうすればどんどんと子どもたちが集まって、不安そうに強張っていた顔が徐々にほぐれていく。
「あ、そうだ。あっちに黒い服のおにいさんがいて、美味しいお菓子を分けてくれるよ。良かったら行ってみてね」
「おかし……ボク、おなかぺこぺこなんだ!」
 わあわあと盛り上がった子どもたちは彼方へと駆けていく。子どもたちが動いたことで大人たちもようやく動きはじめる。
「皆、痛いところはない? もし動けそうなら籠の仲間達が復興を頑張ってるから、手伝える人は一緒にお願い!」
 
「あ、黒い服のおにいちゃんだ!」
「おかし、おかしください!」
 子どもたちに囲まれたコウキだが、もとより子どもたちにお菓子を配る予定だった。
「この世界にあるかは知らんが、俺の好物だ」
 配られた見慣れないお菓子に子どもたちは興味津々。
「これ、パンじゃないの? あ、甘い!」
 ふんわりとした食感に優しい甘さの懐かしの駄菓子は麩菓子。子どもたちには新鮮なようで、そしてお腹も満たされ辺りに笑顔が広がっていく。
(「こういった菓子も、悪くはないだろう」)
 一通り麩菓子を配り終えれば、次はパラドクストレインに乗せて運んできた毛布や防寒着を配っていく。
「あったかいね」
「これでもう寒くないよ!」
 子どもたちがはしゃぐ中、大人たちもその支援物資に感謝して何度も頭を下げる。
「しかし、持ち込みだけでは足りないか……」
「コウキくーん!」
 人々に行きわたるには量が足りないかと思った時、自分を呼ぶ元気な籠の声が聞こえた。
「こっちに竜鱗兵が備蓄してた防寒具や毛布があったよ! 運ぶの手伝ってくれるかな?」
 籠自身、怪力無双の効果で腕いっぱいに毛布を抱えて配っている様子。
「ああ、任せろ」
 人々の笑顔のために頑張る恋人の姿に目を細めると、コウキも寒さに震える人々へと物資の支援を続けるのだった。

 一方相真は、手入れされずに放置された農地や、農地に適した手つかずの土壌などを見つけ、開墾を始めていた。
 先程もバリケード破壊に使用したパラドクス【装接続・巨人憤激】で巨大な腕を作り上げ、効率的に地面を掘り起こしていく。あっという間に畑らしくなったところで、籠が呼びかけた街の人々が手伝いに現れる。
「あの、復興してくださると聞いて……」
「俺達でも手伝えることがあればなんでもします」
 集まった人々の瞳には、確かに生命力が宿っていた。
「ありがとうございます。では、種籾を撒いてもらいたいんですが……ここにもありますか?」
 自分たちが去った後も育つようなできれば現地のものがよいと相真が問いかければ、一人が頷き取りに行ってくれた。
 植物活性の効果があるとはいえ、それもディアボロスがいる間だけのこと。野菜や麦などの種も用意し、すぐに収穫できなくとも、この街の人々が育て、食料の糧となるように土壌を整えておくことだけでも随分役に立つだろう。
「あとは……」
 この冬を越すにはぼろぼろの家屋の修復を手伝う相真。ここ数日で壊れたものはすぐに元に戻せるが、それ以外のものは修復加速の効果も使って直していく。
「このバリケードの残骸も使えそうですね」
 石造りのバリケードも十分な資材の一つだ。コウキも一緒に資材を運ぶのを手伝ってくれ、雨漏りのする屋根や隙間風の入る扉を修理していく。
「……なんだか、こういう作業にもすっかり慣れてきましたね」
 元はごく普通の高校生だった相真が、今やこんな作業に慣れていることに思わず微苦笑を漏らす。
 クロノヴェーダを倒すだけがディアボロスの仕事ではない。奪われた歴史を取り戻し、そこに生きる人々に未来や希望を与えるのもきっと大事なことなのだから。
「さて、あとは……」
 いらなくなった残骸や木の欠片などを集めて、コウキは街の広い場所で焚火を熾す。
 暖をもたらすだけでなく、その中に持ち込んださつまいもをいれておく。子どもたちには、串に刺したマシュマロを炎であぶって焼きマシュマロにして手渡して。
「熱いから、気をつけて食べるんだぞ」
「体を動かすとお腹が減りますからね。皆さんもご一緒にどうぞ」
 農地の開墾を手伝ってくれた大人たちへと、相真もほくほくに焼けた焼き芋を勧める。
「あっ、コウキくん。籠も焼きマシュマロ混ぜて!」
 子どもたちと毛布を配っていた籠が駆けつけるなり焼きマシュマロに瞳を輝かせる。
 みんなで焚火を囲む風景は、昨日までとは全く違っている。
「皆で、前の前のずっと前よりも、今までで1番幸せな街にしようね!」
「うん!」
 籠のきらきらと輝く笑顔に負けないぐらい、子どもたちもそれを見つめる大人たちの顔も生き生きと輝き始めたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】がLV2になった!
【建物復元】がLV2になった!
【活性治癒】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV3になった!

イフ・ノクテ (サポート)
「ふふ、楽しい舞台にしましょう」

アドリブ・連携・おまかせ歓迎です

一人称は「わたし」
真っ黒なスフィンクス「お父様」を連れた吟遊詩人
相手の事は基本呼び捨て

歌や演奏が得意で、浄化の力や魔力をのせた歌や演奏を行使します
基本善良で救出対象を助けるよう、仲間の助けになるよう行動します

自分とお父様が中心の世界に篭っているため
交渉や説得は少々苦手ですが
自分なりの、愛情を中心とした論理で語ります
自分とお父様を引き裂く者には冷酷な一面も

パラドクスは選択したものを使用し
怪我でも積極的に行動します
他のディアボロスに迷惑を掛ける行動や公序良俗に反する行動は嫌がります

あとはおまかせ、よろしくお願いいたします!


フリング・デューン
即興連携、アドリブ歓迎
「新たな一歩を生み出すためにやれる事をやらせてもらいましょう!」
人々の笑顔を、希望を取り戻すために全力を尽くす

「さあさあ御照覧あれ!暗きが終わり日の昇る、新たな始まりを祝う劇を!!」
【フライトドローン】の上に乗って動き回りながら、【集過閃光刃】の応用で集めた光も使った計略を交えた、演劇や歌劇の如きマジックショーを執り行う
「皆様を縛る物は既に消えた!新たな希望と共に歩むのです!!」


●夜明けの光と子守唄
「明けない夜はないといいますが……人々に笑顔と希望が戻り始めているようですね」
 広場で焚火を囲む人々の姿を見つめながら、フリング・デューン(火智紅胆・g05712)は金の瞳を安堵とともに細めた。パラドクストレイン出発前に初詣で願った、故郷である幻想竜域キングアーサーの民草の平穏に一歩近づけたと思うからだ。
「新たな一歩を生み出すために、やれる事をやらせてもらいましょう!」
 けれど人々はまだ不幸から一歩抜け出したところ。本当の意味での幸せを、人々の笑顔と希望を取り戻すために、フリングは全力を尽くすと誓う。
「平穏な日常……あいする人と過ごす日常は、何よりも大切なものだから」
 フリングと同じように、ベルファストの人々の姿を見つめるのは、イフ・ノクテ(Myosotis serenade・g05255)。夜色のドレスを身に纏った天使の少女のそばに、漆黒の毛並みとモノクルが特徴的なスフィンクスが寄り添う。
「わたしにも何かできるかしら。歌や演奏なら得意なのだけれど」
「それでは演奏をお願いできますか。光のマジックショーを行いますので」
 吟遊詩人であるイフの手には重厚なケースに入ったバイオリン。魔法剣へと変形もできるそれはイフの大切な楽器であり武器。
「光をイメージしたテンポの速い曲はどうかしら。お父様も照明のお手伝いができるわね」
「ありがとうございます。それでは、参りましょうか」
 丁寧に胸に手を当てお辞儀をすると、フリングはその手に短杖を持ち、人々へ向け声を張り上げた。
「皆さま、今日からが新たな一日。どうかその胸に希望を持ち続けて下さい」
 スフィンクスのお父様が翼を広げると、フリングの姿が照明によって照らされ、人々の注目が集まる。
「さあさあ御照覧あれ! 暗きが終わり日の昇る、新たな始まりを祝う劇を!!」
 イフが【三日月のヴァイオリン】を奏でると、幻想的なメロディが辺りに響き渡る。
 用意していたフライトドローンの上に乗ったフリングは、パラドクスを使って光のマジックショーを人々に届ける。
「わ、キラキラしてる!」
 太陽の熱光を集約増幅させることでてきた光線が幾筋もレーザービームのように暗くなってきた空へと伸びていく。ようやく見えだした星とともにその光景は幻想的で。
 そうしてフリングがドローンに乗せていた竹管から、ぽんっとクダギツネが飛び出てくる。驚きとともに歓声を上げる人々は、このイリュージョンに釘付けだった。
「ふふ、楽しい舞台にしましょう」
 人々から笑顔が溢れる様子に、イフもヴァイオリンを演奏しながらそっと微笑む。
 マジックショーはまだ終わりではなく、気づけば辺りにたくさんの鳥が羽ばたいていく。それは紙でできた鳥の切り絵ではあるのだが、フリングが鋼の糸で繋いだそれは、暗さと光の力で生き生きと羽ばたいているかのように見えるのだ。
「皆様を縛る物は既に消えた! 新たな希望と共に歩むのです!!」
「ハッピーエンドに、悲しみも痛みもいらないわ」
 そうしてイフは歌う。人々へと優しい子守歌を。
 その優しく甘い歌声に人々は耳を傾け、温かい気持ちを胸に抱く。これが幸福というものなのだろう。
 不幸でないだけが幸せではない。心が震えるその瞬間を確かに感じていたのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【照明】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!

陳・桂菓
幸福感を与えればいいのだな。では、娯楽を提供してみよう。

私が小さいころにやっていた、投壺というゲームがある。壺に向かって短い矢を手で投げ入れる遊びだ。
ルールは……まあ私がやっていたのはローカルなもので、正式なのではなかったかもだが。
まず十歩離れたところから順番に投げていくというもの。壺に入れば三点、壺に当たっただけなら一点。何本か投げて――まあその時によって自由だが、大体は五から十本程度だったかな――合計点を競う。
他に、一歩離れて壺に入れる、二歩離れて入れる、三歩……と離れていって、先に外した方が負けという遊び方もあった。
矢はもちろん先端の尖っていないものを使うぞ。危なくないようにな。


日向・雷斗 (サポート)
俺、ただのゲームが好きな中学生だった筈なんだけどな。
まあ、時先案内人の役目だけじゃなくて、ディアボロスとしての仕事も確り頑張るからな!

好奇心は、割と大きい方かな?
歴史ゲームとか好きだったし。
交渉事は、相手の思いをちゃんと確認して、最善を目指すな。

あ、潜入任務とか得意かも。
なんか、レジスタンス諜報員の過去のディアボロスの記憶が体に入ったらしくてさ、気配消したりが上手くなったっぽい。

戦闘は、基本的に契約した大天使かアークデーモンを召喚して戦うようにしてるけど(パラドクスの設定及び秘密設定参照)、一般人が相手の時は、改造ニードルガンで足止めか気絶狙うから。

技能と武器も適宜使っていくから、よろしくな!


●異国の遊びに心弾ませ
 優しい演奏と歌声、心躍るマジックショーを見た人々に浮かんだ歓喜の表情。暗く沈んでいたベルファストの人々に笑顔と活気が戻っていく。
「なるほど、このように幸福感を与えればいいのだな」
 仲間たちが人々を楽しませる様子を見て、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)もひとつ頷く。ただ生きるために働き、食べ、眠るだけでない楽しみ。それは娯楽という形で人々の心を潤すはずだ。
 まずは準備とばかりに、桂菓は必要な道具を探す。割れて転がっていた花瓶を拾って、修復加速の効果で手早く修理し、細めの木の枝をたくさん拾っておく。
「お、それはひょっとしてゲームの一種か?」
 試しに花瓶を置いて、離れた場所から木の枝を投げ入れていた桂菓へと、明るい声がかかる。
 桂菓が声に振り返れば、ディアボロスの仲間である日向・雷斗(デジタルサマナー・g03297)が興味津々といった様子で花瓶を見つめていた。
「ああ、これは私が小さいころにやっていた遊びを再現したもので、投壺というゲームだ」
 本来は壺と矢を使うのだがと説明し、桂菓はもう一度木の枝を投げる。
「こうして壺に入れば三点。壺に当たっただけなら一点、という風に点数を競うんだ」
「へええー! 面白そうだな! 俺、格ゲーなら自信あるけど、こういうゲームも燃えるタイプだぜ」
 にぱっと笑顔を見せる雷斗へ、桂菓も微笑みを返す。
「まあ私がやっていたのはローカルなもので、正式なのではなかったかもだが」
「地域ルールってあるよなあ。でも要は楽しければいいんだし。早速みんなを誘ってこようぜ!」
 そうして雷斗は遊び好きそうな子どもたちを連れてくる。
「この木の枝をあの花瓶に投げ入れるんだ。まず十歩離れたところから……いや、子どもたちは五歩くらいがちょうど良いだろうか」
 五歩くらいのところにロープで線を示し、細い木の枝を手渡す。
「こう?」
 恐る恐る投げた木の枝は花瓶の縁に当たった。
「惜しいな。でも一点だ」
「次はあたし!」
 はい、と手を挙げた少女が放った木の枝は見事花瓶の中へと入っていった。
「やった!」
「すごいな! 三点だぞ!」
「一人五本ずつ順番に投げて合計点を競うことにしようか」
 雷斗が笑顔で少女の頭を撫でてやると、次は自分の番だと他の子どもたちも手を挙げ一気に盛り上がる。そして桂菓が示したルールで白熱の戦いが始まった。
「ゲームって楽しいよな! これは簡単な道具で誰でも出来るっていうのがめちゃくちゃいいと思う。壺や花瓶の形を変えたり、たくさん置いて、口が細いやつを高得点とかルールも変えてたくさん遊べそうだし」
「なるほど。確かにそういった遊び方もできるか……勉強になるな」
「俺、ただのゲーム好きの中学生だったからな」
 ゲームと名のつくものに関しては詳しいんだと苦笑して見せる雷斗。
 雷斗も桂菓もクロノヴェーダに歴史を奪われた存在。こうしてクロノヴェーダの圧政で苦しめられている人々の心に少しでも幸せな時間を贈ることが、全ての人々の過去を取り戻すことになるのだと信じているから。
「私は戦いや武器の扱いなら得意なのだが……それでも、私の故郷のゲームで楽しんでもらえて何よりだ」
 ゲームが終わり、好成績を収めた子どもは嬉しそうに、得点で負けた子も、次はもっと頑張るときらきらとした笑顔を見せている。
「他のルールもあるぞ。花瓶のそばに立ち、一歩離れて枝を投げる。次に二歩離れ、三歩離れ……という風に距離を取っていき、先に外した方が負けという風に」
「じゃあ、次はそれでやろう!」
「負けないよ!」
 生き生きとした笑顔は、何かに熱中して楽しむからこそ。
「大人気だな! よし、じゃあもうちょっと壺になりそうなもの探してくるか」
「私は木の枝を拾ってくるとしよう」
 ディアボロスたちがいなくなっても楽しめるように、たくさんの道具を用意しようと、二人は笑顔で頷きあうとそれぞれの仕事を再開した。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

相原・相真
アドリブ・絡み歓迎

復興作業はよし
他の方と違って芸事には疎いので、
俺は別の方法でやってみましょうか

材料を準備してきて現地で調理、
【口福の伝道者】を使用して皆さんの分の食事を提供します
新宿島で作って持ってきた方が立派な物を用意できるんだけど、
料理ができていくのを見て、匂いを感じて、っていうのも皆さんに元気になってもらえると思うので

メニューとしては現地の皆さんの口に合うであろうシチューや、
せっかくならここで食べる機会がないものを、という事で豚汁やおにぎりとか作ってみたいです
俺の母親が作ってくれていたのを思い出しながら、
[情熱]で気持ちを込めて準備します

…俺の料理で皆さんが元気になってくれたらいいな


古宮・泉美 (サポート)
私は元々旅行好きで依頼出発には密かにワクワクもあったり
普段は案内が多いから緊張するけど内心スゴイ嬉しい

美味しいモノや可愛いモノが好きで
前向きな楽天家、明るく元気
モラコミュのモモと刻逆で失った家族との再会のため頑張ってます

他の人との連携OK 
初対面は得意な方で
頼まれたお仕事は何でも自分なりにこなそうとします

探索のお仕事なら興味津々つっつき回すかもだし
人助けは望む所
謎解き等は色々とない知恵絞って頑張ります

戦闘ではパラドクスは指定のものを何でも使い
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
仲間の不利や迷惑になることはせず
たとえ依頼の成功の為でも公序良俗に反する行為はしません

後はおまかせ
よろしくお願いします


●幸福は温もりとともに
 光のマジックショーに、子どもも大人も夢中になるゲーム。
 ベルファストの人々の顔に明るい笑顔が溢れはじめていた。
 大結界を調査していた仲間もこの様子には何か感じたようで、変化の様子を情報として記し、手元に控えているようだ。
「復興作業はよし、と」
 先程までぼろぼろだったこの街の家を修理し、農地の開墾を行っていた相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)は、広場で人々が笑顔を取り戻している様子に大きく頷いた。
「あとは人々の心に幸福な気持ちを……他の方と違って芸事には疎いので、俺は別の方法でやってみましょうか」
 幸せな気持ちになるには他にも方法がある。そして相真が考えたのは……。
「あ、もしかして料理をするの?」
 パラドクストレインに乗せてきた食材を運ぶ相真に気づき声をかけたのは、モーラット・コミュを連れた古宮・泉美(MOMO・g03355)。
「はい、ベルファストの人々に食事で元気になってもらえないかと思ったので」
「料理、いいわね! 私も美味しいモノが好きだから。良かったら手伝わせてもらえないかな?」
「それは助かります。では、この食材や調味料も運んでもらっていいですか?」
 そうして泉美とモーラット・コミュの『モモ』も一緒になって食材を運ぶところから手伝う。
「新宿島で作って持ってきた方が立派な物を用意できるんですが……」
 口福の伝道者の効果を使うのなら、何もここで料理をする必要はないのだが、せっかくなら料理が出来ていく過程をその目で見て、匂いを感じてもらうことで、より食事に対するわくわくする気持ちや感動を味わってもらえるのではと相真は考えたのだ。
「そうだね。キャンプの料理とかも特別美味しいし、旅行先で食べる料理も格別! あ、私は旅行が好きなの。それで、あの時一人旅してて刻逆に巻き込まれちゃったんだけど……」
 人参やじゃがいもの皮をむきながら、泉美がそんな風にあの日のことを思い出す。
「同じですね。俺もあの時偶然、新宿に来ていて……」
 そうして相真は、大切な父母や妹との当たり前の日常を奪ったクロノヴェーダへの怒りでディアボロスに覚醒したのだ。
「帰る家がなくなったのは辛いよね……でもね、今はモモが家族。それにディアボロスの皆と会えたから寂しくないの」
 ディアボロスになったからこそ得たものもあるのだと泉美は前向きに微笑んで。
「いつかきっと、皆で頑張れば元の世界を取り戻せるよね」
「そうですね、いつかきっと……」
 このベルファストの人々が希望と笑顔を取り戻せたように。
「すみません、ちょっと見せていただいてもいいですか?」
 二人が料理している姿を見ていた母親らしき女性たちが遠慮がちに声をかけてきて。
「はい、もちろんです。皆さんの口に合うと思うシチューと……目新しいかもしれませんが、豚汁やおにぎりといったものも用意しますので」
 広場に用意したかまどに、それほど大きくはない鍋が三つ。それぞれ、シチュー、豚汁、ご飯用の鍋だ。
 豚汁に仕上げの味噌を溶いて入れながら、相真は思わず鼻歌を歌っていた。
 料理が幸せの象徴だと感じるのは、相真の母が鼻歌を歌いながら料理を作っていたことが記憶に残っているからだろう。家族を思って作る手料理。面倒だなんて感じさせない愛情のこもった料理。知らず相真の心も温かいもので満たされていく。
「ふふ、相真君楽しそうだね」
 炊き立ての白いご飯を握っておにぎりにしながら、泉美もなんだか嬉しくなる。
「その気持ちがみんなにもきっと伝わるよ」
「……母のことを思い出していたんです。こんな風に鼻歌を歌いながら料理をしていて……俺の料理で皆さんが元気になってくれたら嬉しいですね」
 そうして出来上がった料理を味見を兼ねて二人で食べれば、口福の伝道者の効果でそれらのメニューが食器ごとたくさん現れて。
「お口に合うといいのですが」
「おかわりもいっぱいあるからね」
 寒さ厳しいベルファストの冬ではあるけれど、その料理は人々を身体の芯から温めた。希望を見失っていた瞳には、未来を見つめる輝きが宿り、胸を満たす幸福感をしっかりと噛みしめる。
「あったかいね、おいしいね」
「明日からまた頑張ろうって思えるな……」
 人々の胸に幸福が満ちた時、イギリス本土を覆う大結界は破壊されたのだ。
 もはやここに畏怖も恐怖もない。
 ドラゴンの本拠地であるグレートブリテン島への突破口を開くことに成功したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【口福の伝道者】がLV3になった!
【操作会得】がLV3になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV3(最大)になった!
【能力値アップ】がLV6になった!

最終結果:成功

完成日2022年02月13日

ベルファスト攻略作戦

 ドラゴン勢力のアイルランドへの侵攻が停止し、補給が途絶えたアイルランド軍による略奪行為なども、ディアボロスの活躍によって、未然に防ぐ事に成功しました。
 これにより、ドラゴンの本拠地であるイギリス本土に向かう準備が整いました。
 しかし、イギリス本土に向かうには、アイルランドに残る、ドラゴン勢力最後の拠点『ベルファスト』を攻略する必要があります。
 『ベルファスト』には、アイルランドの人々から搾り取った『畏怖』や『恐怖』の感情をエネルギー源とする、イギリス本土を護る為の大結界が張られているからです。
 この大儀式を破壊する為には、ベルファストに住むアイルランドの人々を『畏怖』と『恐怖』と対極にある『幸福』な感情で満たさなければなりません。
 ベルファストを防衛するドラゴン勢力のクロノヴェーダを撃破し、住民達の生活を支援し、彼らの心を幸福で満たし、イギリス本土を護る大結界の破壊を行ってください。

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選択肢『復興支援』のルール

 クロノヴェーダの襲撃などで困窮している人々を救う、復興支援を行います。
 事件で破壊された直後の建物の修復はパラドクスで行う事ができるので、事件以前から壊れていた建物の修復、食料の支援、農地の開墾などの支援を行ってください。  どのような支援が必要であるかは、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『人々の心に幸福を』のルール

 アイルランドに残された、ドラゴンの最後の拠点である『ベルファスト』には、集めた住人のドラゴンに対する畏怖の感情をエネルギー源とし、イギリス本土を防衛する結界発生装置が置かれています。
 エネルギー源である、ベルファストの住民達が『幸福な感情』に満たさせる事で、この結界を発生させているクロノ・オブジェクトにダメージを与え、破壊する事が可能です。

 この結界を破壊することが出来れば、イギリス本土に直接パラドクストレインが移動できるようになるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『【期間限定】新宿島の初詣』のルール

 パラドクストレインで、事件を解決に出発する前に、新宿区および第一次東京奪還戦で奪還した『港区、品川区、大田区、千代田区、渋谷区、江東区』の神社で初詣を行なう選択肢です。
 全員が同じ神社に向かう必要はありませんので、初詣をする神社をプレイングで指定してください。
 残念ながら、屋台や露天などが並ぶような事はありませんが、どの神社も、参拝客は多く無いので、ゆっくりと初詣が楽しめるかもしれません。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『【攻略旅団】ベルファスト大結界の調査』のルール

 この選択肢は、ディヴィジョン攻略旅団からの依頼によって発生した、【調査・探索】選択肢です。
 アイルランドの人々から搾り取った『畏怖』や『恐怖』の感情をエネルギー源とする、イギリス本土を護る為の大結界の調査を行います。
 大結界の仕組みを短時間で解明する事は出来ませんが、大結界を破壊する前に可能な範囲で調査を行う事で、大結界に関する情報を得る事が出来るかもしれません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾敵施設破壊戦闘『聖ギルダス騎士団』のルール

 施設を警備するトループス級と戦いながら、敵施設を破壊する選択肢です。
 トループス級との戦闘も行いますが、成否判定は、どれだけの施設を破壊したかで判定されます。
 その為、トループス級との戦闘しか行っていなかった場合は『🔴🔴🔴』判定になる場合もあります。
 それまでの戦闘で、トループス級を多く撃破していると、以降の判定は成功しやすくなるので『🔴🔴🔴』が出ても、全くの無駄にはならないかもしれません。
 詳細は、オープニングやリプレイを確認してください。
 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。