リプレイ
アオイ・ダイアログ
まったく出鱈目な攻撃ですね
ですがやらない訳にはいかんでしょう!
アイドライズステージ、ビルドアップ!
全てのライトを上に向けて、レーザーも動員して高熱で雹を溶かします!
火に関してはサンライトスタッフを取り出して『エフェクトボイス:フィンブルヴェトル』を何度も使って掻き消しましょう
消耗とかないけど言霊を溜める時間がもどかしい!
降ってくるのはステージの屋根とか暗幕とかで凌ぎます
こんな程度で、私たちが蹴散らせると思わないことです!
高らかに吹き鳴らされるのは、災厄を呼ぶ不吉の音色。
鮮やかな血がぽつりぽつりとアスファルトに落ちてきたかと思うと、やがて豪雨のように火と雹とが降り注いでくる。
血混じりの火炎と氷塊――互いに相容れぬ現象が、超常の力を帯びて情け容赦なく敵対者に襲いかかるのだ。
「まったく出鱈目な攻撃ですね。ですがやらない訳にはいかんでしょう!」
凛とした声が戦場に響き渡る。
決意を顔に漲らせ、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は敢然と災厄に立ち向かっていた。
橋上に立った彼女は天を見上げ、地表が焼き払われる前に、掌にのせたタブレット端末の画面に細指を滑らせる。
「ビジュアルレイヤー、オン! アイドライズステージ、ビルドアップ!」
掛け声とともに、目にも鮮やかな変化が周囲に立ち現れた。
ワールドカスタマイザーの名を冠するタブレット端末と、パラドクスが成し遂げるのは限定的な世界の改竄。
戦場と化した都市の光景にレイヤーを重ねて差し替えるかの如く、周囲の景色が一変する。
それは橋を舞台にした、特設のライブステージだった。
「さあ、始まりです。雹なんて熱で溶かしちゃいましょう!」
巨大なスピーカーが大きく鼓動するようにビートを刻む。
アオイが宙に手を伸ばすと、ステージ各所に据え付けられたスポットライトが一斉に上を向いて、サーチライトのように空を照らし始めた。同時に七色のレーザービームが橋上の敵や周囲の建物、そして空を撫でるように持ち上がって広がり、絶景を描き出す。
放たれる光が、降り注ぐ雹を文字通りに『灼いて』いくのだ。
音と光の織りなす絢爛な舞台の上に立ったアオイは、太陽の意匠が施された杖――エフェクトボイス・サンライトスタッフのシャフトに指を絡ませるようにして握ると、仕込まれたマイクに声を吹き込んだ。
襲い来る炎が暗幕を燃え上がらせ、雹が天蓋を穿っていくが、その程度の妨害でアオイのライブは止まらない。
響く言霊は波となって空に広がり、周囲を包んでいく。
雹が光に照らされてきらきら輝きながら霧散し、アスファルトに燃え上がった火炎も美しき声の波動にかき消される。
思わず言葉を失った撃滅のクヴァールや背後のマキナエンゼルたちに、アオイは神秘を宿した声を響かせた。
「こんな程度で、私たちが蹴散らせると思わないことです!」
大成功🔵🔵🔵
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
安藤・優
『血の混じった雹と火』の雨か……
雹や火の雨ぐらいなら【火炎使い】で炎を纏って自分に当たらないようにするくらいは出来そうだな?
それなら雹の方を焼き払う事に専念しよう、雹なら焼けば溶けるでしょ、特に敵も居ないし《気炎天衝斬》を乱射してやる。
「怒りを燃やせ、心を燃やせ、全て燃やして……焼き尽くせ!気炎天衝斬!」
――火の雨に関しては、他の人がなんとかしてくれると信じて!
倉井・尽
ラッパを吹いたら雹と炎が降る……?
……何でもアリだな、あのラッパ
それじゃあ【ストームブレード】でどうにかするか
まず空中に風壁を張って、飛来物の勢いを落とす
続けて風刃を連射して雹を破壊し、火を消し飛ばす
雹に混じってた血って何の血液だったんだ?
……気にするだけ無駄か。次はトループス級だな
「『血の混じった雹と火』の雨か……」
吹き鳴らされるトランペットの音色がもたらすのは、敵対者を容赦なく責め苛む災厄そのものだ。
ぽつりぽつりとアスファルトに落ちる鮮血を先触れに、超常の力を帯びた炎と氷塊が天より無数に飛来する。
それはこの世の終わりとでも呼び得る光景であった。
「雹や火の雨ぐらいなら何とかできそうかな」
だが――地獄と化そうとしている戦場にあっても、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は泰然とした態度を崩さない。その容姿、その出で立ちが東京という大都市に馴染んでいるが故に、尚更、彼の落ち着きようは『異質』だった。
災厄を目の当たりにしても些かの焦りもなく、瞳は超常の光景を曇りなく映して揺るぎない。
降り注ぐ炎の雨がアスファルトに着弾して焼夷弾もかくやと炎を噴き上げる。
轟々と揺らめく火炎のただ中に立った優の周囲には、しかし、そこだけ円形の空間が生じていた。
「多少は熱いけど、まあ許容範囲だね」
言いながら、鉄塊剣――その無骨な武器の柄を握りしめる。
ジェネラル級クロノヴェーダの行使する力は侮り難く、襲い来る雹と火の雨を技量だけで防ぎ切れるかと言えば怪しい。
だが優とてそれは承知の上。戦場に集った復讐者たちを見て、彼は敢えて降り注ぐ氷塊のみに狙いを定めていた。
「僕は雹の方を焼き払う事に専念しよう。焼けば溶けるでしょ」
果たして――。
「ラッパを吹いたら雹と炎が降る……? ……何でもアリだな、あのラッパ」
江戸川橋の先に据わった目を向けながら、倉井・尽(素早く・g06027)は呆れたように呟いていた。
血が混じった雹と炎の豪雨が、復讐者たちを呑み込もうと降り注ぐ。
無論、尽とてそのような光景に一々怯むようなタマではない。
空を赤く染め上げる炎弾、煌めく無数の雹を見上げて目を細めながら、彼女は天に手を掲げた。
その腕に巻いた魔術の腕時計が後押しし、尽の纏うパリっとしたスーツの裾が風にはためきだす。
「空から降ってくるってんならこれでどうにかなるだろ」
言うや否や、彼女の頭上に猛烈な風が吹き始めた。
――風が形を成し刃となる。
可視化できるほどに収束した空気が、渦を巻く風壁となって、瞬時に展開したのだ。
ストームブレード。
自在に風を操る強力な魔術が、降り注ぐ炎の雨の威力と速度を減衰する……!
「チッ……ジェネラル級め、相変わらずとんでもねえ」
性質は違えど、トランペッターの吹鳴の力を、尽はいちど身を以て味わっている。
唸りを上げる風壁に衝突して弾かれる氷塊と炎弾はしかし際限がないかのように降り続け、暴風の天蓋をも突き破ろうと攻めかかる。威力を殺して防ぐだけでは、やがて突破されるのは必至――。
「させねぇよ」
瞬間、掲げた尽の掌から、虚空を切り裂いて何かが飛んだ。
雹を微塵に砕き、炎を消し飛ばすそれは、鋭利かつ烈しい風の刃だ。
ストームブレードはただ単に風の壁を作るだけではない。
パラドクスたる超常のその力は、時に術者の体を飛翔させ、時にその名が示す通りの猛烈な風刃と化す――!
炎の雨が風の刃に吹き飛ばされて散り、ただ熱いだけの火の粉となって舞い落ちる。
敵の軍勢は二人に圧倒されながら、トランペッターの援護を頼りとして、復讐者たちが災厄に晒されるのをただ見ていた。
「ここで攻めて来ないのは失策だったね」
素早く見破った優は、焔にも融解することのない鉄塊剣の柄を握り締めて構えた。
「怒りを燃やせ、心を燃やせ、全て燃やして……焼き尽くせ! 気炎天衝斬!」
烈々たる声と共に振るわれた無骨な剣――その先端に纏わせた気炎が轟々と燃え盛り、一閃する動きに合わせて炎の半弧を飛ばす。
炎の斬撃が天に向かって飛んでいくと、無数の雹が瞬時に霧散した。
斬撃に触れたものだけではない。
周囲の氷塊さえ、その凄まじい余波によって消滅してしまうのだ。
「上手く行ったかな。この調子で続けよう」
さらりと言ってのけた優は、降り注ぐ炎を尽に任せて、恐るべき雹を一挙に消し飛ばしていく。
「雹に混じる血……こいつは何の血液なんだ?」
吹鳴により生じる超常現象――何であるにせよ、それはトランペッターの恐るべき御業であった。
ともあれ襲い来る炎と雹の猛威を操る風によって吹き飛ばした尽は、橋上の敵軍を睨んで言った。
「気にするだけ無駄か。次はトループス級だな」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
アルメア・グラウプナー
「舐められたものだな。血を被り火に焼かれる、それだけで我々がくたばるとでも?」
「ならばそこで見物しながら待っていたまえ。これから貴殿らに本当の厄災がどういう物かを見せてやろうじゃないか、はははッ!」
・行動
生憎此方も弾数には自信があるんだ、どちらが先に切れるかねえ、はっはっは!
まずは【完全視界】を発動し周囲の把握を容易にしておこう。
そして【地形を利用】し射撃に適した場所に陣取り狙撃眼を起動、併せて火砲・ガトリング・ミサイルでの【砲撃】【制圧射撃】【誘導弾】を用いた対空狙撃で雹と火を撃ち落としていく。
周りと比べて大きい塊となっている物や、味方へ直撃するルートを通っている物を優先目標としていこう。
彼方の大天使が吹き鳴らすトランペットの響きは、穏やかな冬空を一変させていた。
青が赤に塗り替えられた空から血の雨が零れ、それを先触れとして沛然と降り注ぐのは無数の火と雹の豪雨だ。
「舐められたものだな。血を被り火に焼かれる、それだけで我々がくたばるとでも?」
だが江戸川橋を見下ろすビルの屋上に陣取ったアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は、強化軍服の裾を風にはためかせながら口の端を歪め、白き歯を見せて嗤っていた。
ジェネラル級の圧倒的な援護を頼みとしたか、はたまた迎撃が余りに苛烈であったためか、撃滅のクヴァールの軍勢は復讐者たちが災厄に呑まれるのをただ見ているだけだ。
――何とも、間の抜けた姿ではないか。
「ならばそこで見物しながら待っていたまえ。これから貴殿らに本当の厄災がどういう物かを見せてやろうじゃないか、はははッ!」
降り注ぐ氷塊と炎弾が容赦なく殺到する。
災厄の渦中にあっても、アルメアは不敵に笑んだまま。
その右目の義眼が小さく機械音をたてて機能を解き放った。
機械化された瞳に映し出され、アルメアの脳に伝達されるのは降り注ぐ氷塊と炎弾の狙撃に必要な情報だ。
赤黒い空の下。
屋上を軍靴で踏みしめたアルメアが、軍服をなびかせながら、凄まじい火力を以って対空狙撃を敢行する――!
「さあ、始めようじゃないか!」
言うや否や、ビームガトリング砲『ビーネンヴァーベ』がスピンアップの動作から空めがけて無数の光弾を撃ち出した。
火砲『シュトラール』が轟音をあげて火を噴き、氷塊と炎弾を纏めて巻き込みながら空中で炸裂。
肩部の四連装ミサイルポッド『ズィグナールフォイアー』より射出された誘導弾が危険度の高い大きな氷塊に狙い過たず着弾していく。
空に爆発の花が咲き、赤き炎にその白い肌を照らされながらアルメアが哄笑する。
「生憎此方も弾数には自信があるんだ、どちらが先に切れるかねえ、はっはっは!」
右目の義眼が無数の火と雹を捉え、精確な砲火が、復讐者にとって脅威となるものから優先的に排除する。
敵が如何に飽和攻撃を仕掛けてこようとも、肝心の目標に命中しなければ恐るるに足らない。
高火力であるとともに、アルメアのその『狙撃』は極めて精密だ。
猛烈な敵の空襲を砲火の嵐で喰い止めながら、彼女は戦場に高笑いを響かせた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
大天使達の反撃……大勝利に息つく暇も与えてくれなさそうね
だけど勝利の勢いを簡単に途切れさせる訳にはいかないわ
新宿島で私達を応援してくれている人々の為にも、ね
最低でも関口地区は守り通さないと…
血混じりの雹と火の雨…まるで聖書の神罰の情景のよう
けれども力は弱くとも私だって魔法の竜神よ
天災染みた神罰だって、こっちの神罰で相殺してみせるわ!
(※注:魔法の竜神云々は本人の思い込みです)
パラドクス無しでの単独飛行可能とする背の「竜翼」で空に
槍斧を手元で回転させ【旋風撃】
魔法の竜巻を生み出し戦場に降り注ぐ雹も火も●吹き飛ばしてみせるわ(風使い)
ラッパの音なんて、魔法の竜神の暴風で掻き消してあげる!
「大天使達の反撃……大勝利に息つく暇も与えてくれなさそうね」
第一次東京奪還戦で敗北を喫した大天使たちは、失地回復のため猛攻撃に打って出ようとしている。
「勝利の勢いを簡単に途切れさせる訳にはいかないわ。新宿島で私達を応援してくれている人々の為にも、ね」
一つの戦いが終わり、すぐさま次なる戦いに身を投じて――苛烈な闘争の中でも復讐者たちは一歩も退くことはない。
橋の上に堂々たるその威容を現したツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は、黒竜の槍斧の石突をアスファルトに突き立てた。
(「最低でも関口地区は守り通さないと……」)
大天使たちに此処を突破されるわけにはいかない。
決意を胸に敵軍の前に立ちはだかるツィルニトラの頭上で、高らかなトランペットの音色が響き渡った。
冬の大空に広がったのは、まるで青を無理矢理に塗り替えるような血の色だった。
転瞬、轟々たる音を立てて空が鳴り、無数の氷塊と火炎が豪雨のように降り注ぐ――!
(「血混じりの雹と火の雨……まるで聖書の神罰の情景のよう」)
さながら黙示録の終末。
強大なる大天使が呼び寄せる、仮初のアポカリプス。
だがこの世の終わりを思わせるような光景を前にしても、ツィルニトラの眼差しは決して力を失わない。
「力は弱くとも私だって魔法の竜神よ」
……思い込みの力というのはおそろしい。
たとえその身が、その振る舞いが――魔法の竜神と云う『捏造』の産物なのだとしても。
「天災染みた神罰だって、こっちの神罰で相殺してみせるわ!」
……大袈裟な台詞回しではあるのだが、その振る舞いは堂に入っている。
重厚かつ荘重な黒き竜翼を広げると、その翼膜から真紅の魔力が噴出し始めた。
パラドクスの効果ほどの飛翔能力はないが、気合で飛んだツィルニトラは、巨大なハルバードを手に災厄を迎え撃つ。
「ラッパの音なんて、魔法の竜神の暴風で掻き消してあげる!」
降り注ぐ氷塊や火球の雨を迎え撃ち、黒竜の槍斧の柄を握り込むと、円を描くように薙ぎ払う!
高速回転により生じた旋風は、轟々と渦を巻き、ツィルニトラを中心にして巨大な竜巻へと姿を変えた。
凄まじい風の猛威が、降り注ぐ火や雨、そして鮮血すらも霧散させて。
天に広がる血の紗幕さえ吹き飛ばしたかのように空が青に戻れば――やはり思い込みもあなどれない。
ともあれ本人は、翼を広げて陽の光を浴びながら、凛と眼下の軍勢を見下ろしていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
『災厄を切り抜けたか。大天使の軍勢よ、前進せよ。犠牲に構わず突破するのだ』
マキナエンゼルが撃滅のクヴァールの部隊を督戦する。
災厄を打ち払う復讐者たちの奮戦が余りに烈しかったためか、少女型の大天使たちは、総攻撃の機を逸していた。
怒りにも焦燥にも苛まれない冷酷無比なマキナエンゼルは、損耗を度外視した突撃を命じる。
『奪い返せばいいんでしょう?』
『やってやるわ。それしかないんだから』
破損した肉体を代替物で補っていると云う撃滅のクヴァールは、頬に涙を伝わせつつも、突破しようと一斉に攻めかかる。
痛みに心身を苛まれながら、その数を頼りに。
安藤・優
数に物を言わせた行軍かぁ…戦いは数だよ!とは言うけれどさ、
――雑兵如きが思い上がるな
敵の正面に陣取ってセルフクラフトで防壁を作成、奇襲で敵の隊列が乱れたらすかさず正面から誘導弾砲撃での制圧射撃、立て直す暇なんか与えないよ。
弾薬は復讐の刃で無限生成だ、作るのはそうだな…榴弾や三式弾とかどうだろう?
武器改造でアルバトロスが榴弾や三式弾を連射できるようになってるから弾幕も張れる、ショットガンなのに連射できる!
間合いに踏み込んできたらアルバトロスをA×Sionに変形させて迎撃させてもらうよ。臨機応変に立ち回ろう。回避の時はたまにフェイントも挟むよ。
卑怯搦手なんでもごされ、やっぱ物量には物量だよ。
アオイ・ダイアログ
さてさて、今度は雑魚のお掃除ですね!
どれほど悲壮感を見せようが、私は人の居場所を守るだけです!
接近戦は苦手なので、遠慮なく殲滅させてもらいます
杖を構えて、詠唱……フィンブルヴェトル!
広域を凍結、敵陣を粉砕します
ついでに橋の前を氷の壁で封鎖して侵入を困難にしてあげましょう
接近戦する仲間がいても、そこを凍らせなければいいだけの話です
魔法みたいな言霊改変の力、存分に味わっていって下さい!
視界は【完全視界】で確保、攻撃されたら【飛翔】を交えつつ回避行動ですね
一発では足りなくても、何発も浴びせれば数を維持できなくなるんじゃないですか?
『これだけの数なんだから……私たちを止められるわけない!』
両翼を青く輝かせながら、撃滅のクヴァールの軍勢が一人また一人と飛翔を始める。
圧倒的な兵数にものを言わせた損耗を省みぬ突撃戦法は、単純ではあるが、それ故に侮り難い突破力を持つ。
「さてさて、今度は雑魚のお掃除ですね!」
だが橋の中央に立つアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は、躊躇いもなく戸惑いもなく、決然と大天使の軍勢を迎え撃った。
「どれほど悲壮感を見せようが、私は人の居場所を守るだけです!」
たとえ犠牲を顧みない突撃であろうと。
たとえ悲哀に満ち溢れた特攻であろうと。
そんなもの、クロノヴェーダを赦す理由になるはずがない――!
扇形に広がりながら迫る少女型大天使をその透き通る赤き瞳に映しながら、アオイはエフェクトボイス・サンライトスタッフを――太陽の意匠が施された杖を再び握りしめた。
「……フィンブルヴェトル!」
大気を震わす凛冽な言霊が世界そのものを塗り替えるかのように響き渡り、音圧がクヴァールの長い髪を揺らした。
増幅された力強き言葉は波のように立て続けに橋上、そして周囲の空間に迸り、戦場そのものを一変させる。
――冷えろ、冷えろ、冷えろ、凍れ凍れ凍れ凍りつけ!
展開するのは大いなる冬。
頭上を走る高架から無数の氷柱が下がり、アスファルトが凍結し、踏み入った者の命を奪う氷雪の領域が現れる。
『なッ
……!?』
『体、が……動、か、な
……!?』
先頭を行く撃滅のクヴァールからその恐るべき力に晒されることとなった。
欠損した脚、それを補う鎧、胴体、手足、そして首から上――瞬く間に氷結し身動きはおろか鼓動さえも止められた少女型大天使が、そのままごとりと地面に落ちる。
一瞬にして氷の彫像と化したクヴァールには反撃など出来ようはずもなかった。
それは声が織り成す圧倒的な言霊の力。
さながら魔法のようなボイスウェポン。
スタッフに仕込まれたマイクに増幅されたアオイの声が、不可視の力を目に見える形に紡ぎ上げるのだ。
それでいて極寒の凍気は敵だけを苛み、他の復讐者たちの戦いを妨げない。
「言霊改変の力、存分に味わっていって下さい!」
凍りついたクヴァールは同胞の突撃を阻む障害となり、アオイは休むことなく戦場に言霊を響かせる!
「数に物を言わせた行軍かぁ……戦いは数だよ! とは言うけれどさ」
軍人が言うような台詞を口にしつつ、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は呆れたように敵を見据えていた。
アオイの言霊による力で橋は氷結し、物言わぬ氷像と化したクヴァールが橋上に突き立っている。
だがその後方から飛翔してくる少女型大天使たちの突撃は止まない。
『まだよ! 敵はあの程度しかいないんだから……!』
兵数だけを見たならば、確かに復讐者側の圧倒的不利。
だが――多勢に無勢はいつものこと。彼らにとって、それは常と変わらぬ戦場の様相に過ぎない。
「――雑兵如きが思い上がるな」
クヴァールたちは見誤っていた。
圧倒的な数を上回る『個』の力が、時に戦場を蹂躙し支配するのだということを。
トループス級の大天使が幾ら数を揃えようと、それ以上に強力な一人ひとりに敵う道理はない。
「わざわざ突進してくるなんて単純すぎるな。幾らでも対処できる」
掌をかざした優の視線の先――襲い来るクヴァールの目の前に、不意にコンクリート壁が発生した。
『こんな小細工でっ……!』
組み合わせて巨大な壁を形成するほどではないが、足止めと時間稼ぎには十分だ。
「この程度で隊列を乱すなんてね。命取りだよ、それは」
さらりと言った優に、先頭のクヴァールがその人形じみた赤き瞳を見開いた。
「立て直す暇なんか与えないよ」
携えた火器を軽々と持ち上げた優に、少女型大天使たちは絶句する。
異形のショットガン。
もはや原型を留めないほどの魔改造を施された、多目的散弾銃アルバトロス。
「これでお仕舞いだ」
アホウドリの異名を持つショットガンが火を噴いた。
弾薬と化すのは、静かに燃え盛る、具現化した復讐心そのもの。
榴弾はおろか巨大な焼霰弾さえ作り上げた優は、容赦なく引き金を引いて殺意の塊を大天使たちに殺到させる!
『こんな筈……!』
飛翔した撃滅のクヴァールたちに榴弾が炸裂し、焼霰弾が弾子を撒き散らして殺戮の嵐を巻き起こす。
「卑怯搦手なんでもごされ、やっぱ物量には物量だよ」
辛くも潜り抜けてきたクヴァールの数体が横合いを抜けて背後に回ろうとしたが、濛々たる煙を突破した彼女たちを襲ったのは優の操作で形を変えたA×Sionの閃きだった。
弧を描く斬撃。
地面に倒れ伏す大天使たち。
「まだ来るのか。全滅するだけだと思うけどね」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
倉井・尽
玉砕覚悟か
鉄砲玉……にしては数が多過ぎる
全く、面倒な連中だ
痛々しい姿だな
まぁ邪魔すんなら容赦はしねぇし、領地も返さねぇよ
広範囲を【ストームブレードⅡ】で切り刻む
さっき飛来物を落とした時よりも遥かに速いし、鋭いぜ
もしあの場面を見てたならご愁傷様。本気じゃなかったんだわ
敵の攻撃対応だが……光線は俺のスピードを信じて躱すしかねぇかな
土煙等で見えなくなると厄介だから『完全視界』、場合によっては『飛翔』も視野に入れる
敵が高速で避けようとしても、連続で風刃を発射して逃がさない様にすりゃ良いか
はぁ……マジで多かったなァ
『この数を止めようっていうの? やれるものならやってみなさいッ!』
光の翼を青く冷たく輝かせながら、撃滅のクヴァールの軍勢が尚も苛烈な突撃を仕掛けてくる。
大天使に共通する飛行能力を駆使した戦法は、その圧倒的な数も相まって、脅威そのものだ。
「玉砕覚悟か。鉄砲玉……にしては多過ぎる」
その有様に舌打ちを一つ。
攻め寄せてくる大天使の集団に目を細めながら、倉井・尽(素早く・g06027)は橋上で迎撃態勢を取る。
犠牲を顧みない特攻。
損耗上等の突撃部隊。
かくして下っ端は使い捨てられる。……行ったきり戻らない弾丸のように。
「全く、面倒な連中だ」
気合を入れ直すようにスーツをはたき、吐き捨てるように言った尽は、再び片腕を――空ではなく眼前の敵軍に向けた。
手首に巻いた魔術の腕時計が魔力を増幅し、江戸川橋に暴風が吹きすさぶ。
――痛々しい。
涙を零しながら飛翔する撃滅のクヴァールを、尽は不快げに睨んで呟いた。
「まぁ邪魔すんなら容赦はしねぇし、領地も返さねぇよ」
掌から迸るのは、大気を乱し風を操る絶大なる魔力。猛然と空気を収束させ、瞬く間に白き風の渦を生じさせる。
烈々たるストームブレード。それは猛き風を用いた魔術の再演であり――。
『また同じ攻撃……?』
『舐められたものね。思い知らせてあげるわ!』
恐るべき災厄を防ぎおおせた術であっても、自在に飛翔する大天使を切り裂くことなどできはしない――撃滅のクヴァールは即断すると、青き光の翼を輝かせて一気に速度を上げた。
「ハッ、甘ぇんだよ」
尽は飛翔の力を利用してバックステップ。
ドスの利いた声で言うと、極限まで収束させることで渦を巻いた空気の塊から、無数の刃を飛ばした。
そこまでであれば、確かにクヴァールの見立て通りだ。
だが、
『な、ッ
……!?』
『嘘……』
高速起動で避け、橋を突破しようとした少女型天使たちが腕や脚、そして胴を容赦なく断たれて崩れ落ちる。
風の刃が切断部を凍りつかせ、血飛沫さえ出させず、人形のように敵集団を断ち切ったのだ。
「生憎だったな。もしあの場面見てたならご愁傷様。本気じゃなかったんだわ」
ストームブレード――否、ストームブレードⅡ。
瞬刻の間に飛来する風の刃、その疾さは先程とは比べ物にもならない。
「舐めてると痛い目見るってことだ。今更学んだってもう遅ェけどな」
侮ったのが大天使たちの運の尽きだった
四方八方から襲う冷たき風の刃が、クヴァールを喰らい尽くす――!
大成功🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
駄目押しかもしれないけれど、侵攻を防ぐ為に…
【自在翼】で背の竜翼を巨大化し【飛翔】速度アップ
戦場の空を駆け、他の復讐者達に追い散らされた敵を捕捉するわ
本来、どうしようもない苦しみや悲しみに光を灯すのが信仰の…神様の務め
神の遣いを騙る貴方達クロノヴェーダでも、そんな顔をされたら戦い辛いのよ
けれど、容赦はしてあげられないわ
急停止に急発進、加速減速自由自在
慣性や重力完全無視の直角や鋭角描く飛行軌道の空中戦で光線掻い潜り接近
魔法の竜神として、せめて一瞬で終わらせてあげる!
すれ違い様の背の翼の刃や槍斧の斬撃
黒の竜鎧の手甲やグリーブ用いた格闘や尻尾を鎧うメイスの強打
一撃離脱戦法で敵を減らして掃討してゆくわ
「こんなになってもまだ諦めないのね……」
黒き竜翼から魔力を噴出しながら、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は敵を見下ろす。
捏造竜神の眼(まなこ)と、もう片方の眼――色違いの二つの瞳に宿るのは、少女型大天使たちに対する憐憫だった。
江戸川橋後方の交差点上に滞空しながら、彼女は抜けてくる敵を待ち受けていたのだ。
『突破してみせる、必ず……!』
必死の想いというものは、時に侮り難い力を発揮する。
同胞の屍を乗り越えて突き進む撃滅のクヴァールの中には、橋の両側を飛翔して向こう岸に至ろうとする者も散見された。
だが、彼女らが目的地に辿り着ける筈はないのだ。
空を飛ぶツィルニトラが、後方に控えている限りは――。
『まだ邪魔をするつもり
……!?』
『一人くらいなんとかなるわ……!』
烈々たる言葉に反して、少女型大天使の表情は人形のように固まったまま動かない。
苦痛さえ胸の内に押し込めて、留め切れぬ想いがただ涙としてその白き頬を伝っているのみ――。
「本来、どうしようもない苦しみや悲しみに光を灯すのが信仰の……神様の務め」
ちくりと心を刺す痛みに両目を細めながら、ツィルニトラは言った。
「神の遣いを騙る貴方達クロノヴェーダでも、そんな顔をされたら戦い辛いのよ」
気丈な振る舞いの中に温和さを滲ませるツィルニトラ。
だがその色違いの双眸に兆したのは、確固たる決意の光であった。
「けれど、容赦はしてあげられないわ」
クヴァールの軍勢は青き光の翼を輝かせて、交差点の左右を抜けようとしていた。
対するツィルニトラは、黒き竜の翼――見る間に巨大化した、まるで本物の黒竜のような翼でばさりと虚空を衝つ。
『これでも喰らっていなさい!』
クヴァールの両翼から発せられた無数の破壊光線、その光条が殺到する中、ツィルニトラは高らかに上昇。
『嘘……!』
『速い……!』
追いすがる光芒を歯牙にもかけぬ速さで急降下した彼女は、魔力を宿らせた翼を広げ、黒竜の槍斧の柄を強く握っていた。
すれ違いざまの斬撃が空中に眩い光を描き出す。
一閃、また一閃。光の軌跡を残し、また新たな一条が虚空に刻まれ、ツィルニトラは飛び回る。
「魔法の竜神として、せめて一瞬で終わらせてあげる!」
黒き竜の槍斧と魔力の刃を纏わせた翼――その大斬撃が苦痛すら感じさせる間もなく、少女型大天使たちを屠っていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
ノイン・クリーガー
東京も随分と物騒な所だな…。
撃滅のクヴァールとやらは関口地区南に進攻中とのことだったな。
ルート上の建造物などに身を潜めて待ち伏せし、奇襲しよう。
敵が現れたらMk45/Sを【連射】して【制圧射撃】を行いながら側面から【突撃】を行い、接近したらファイティングカランビットで斬りつける。
敵の攻撃へは【神速反応】を使い対処。
右腕に掴まれないように【一撃離脱】を心がけ、光線と魔力の奔流は【ダッシュ】や【地形の利用】により凌ぐ。
そしてナイフ一本と見せかけ、アームクローで【不意打ち】する。
『まさかこんなに減らされるなんて……。でも、私たちだけでも行かないと……』
江戸川橋直上の戦いは過酷を極め、復讐者たちの迎撃を受けた撃滅のクヴァールたちは、壊滅の危機に瀕していた。
常識であれば、大損害を被って組織的な戦闘力を失った時点で部隊は『全滅』したと言える。
だが飛行能力を活かして鏖戦を潜り抜け、橋の両側を抜けた僅かな少女型大天使は、関口地区方面への突破を試みた。
その先に死神が待っているとも知らずに――。
「東京も随分と物騒な所だな……」
ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)はビルの影に身を隠しながら、Mk45/Sを構えていた。
橋上の復讐者たちが撃ち漏らした――のではない。
少数の敵は後方で待ち受ける彼に任せ、より多くの戦力を削ろうとしたまでのこと。
「来たか」
大通りを飛翔しゆく撃滅のクヴァールたちが愚かにも目の前を通り過ぎようとするのを、ノインは見逃さない。
Mk45/Sが空気の抜けるような連続音を立て――音からはおよそ想像できない威力の兇弾が大天使たちに殺到する。
卓越した戦闘技能を持つノインは、弾丸をばら撒いて大天使たちに多くの命中弾を見舞い、足を止めた。
『敵
……!?』
『こんなところにも
……!?』
そう――飛行する敵とて、動きさえ止めてしまえば後はどうとでも仕留めようはある。
大天使たちの瞳が、短機関銃からナイフに持ち替えて突進してくるノインの姿を映す。
特殊部隊用の戦闘服に身を包んだ、漆黒の兵士を――。
「もう少し注意深く行動すべきだったな」
銃弾を受けてよろめき、アスファルトを滑るように降下してしまったのは、まさに命取りだった。
死地に踏み込んだ大天使たちを狙う、正確無比な接近強襲。
三日月状に刃が湾曲したファイティングカランビットがクヴァールの喉元を容姿なく切り裂いた。
「こういう街中には敵が潜んでるもんだ」
大天使でさえ怖気を振るう程の、鮮やかすぎる手並み。
ナイフ一本かと思えば、さにあらず。死角から飛び出した高周波アームクローがクヴァールの心臓部を貫く。
反撃もできす、そればかりか声もあげられず、少女型大天使たちは急所を裂かれて瞬く間に息絶える。
「制圧完了か」
ナイフとクローを血振りすると、ノインは道の先――江戸川橋を見据えた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
『クヴァールの残存数、確認できず。殲滅されたと判断。作戦行動を次のフェーズに移行』
機械仕掛けの単眼を光らせながら電子音を立てたマキナエンゼルが、感情を交えぬ音声を響かせた。
大多数の兵が滅ぼされても尚、機巧天使は作戦を継続し、その進軍を諦めることはない。
『なるほど斬りがいのある敵のようですね』
『これ以上はやらせませんよ……纏めて斬り刻みましょう』
呟くような声で言ったのは護衛のソードメイデンだった。
機械的とまでは言えないものの、その声色は無機質のように冷たく、刃のように鋭い。
復讐者たちを排除して橋を突破しようと、マキナエンゼルとその護衛が動き出す――!
倉井・尽
お仲間があれだけ死んだのに、まだやるのか
なぁ、そろそろ帰ってくれねぇか?
無理ね……ああそうかい。アコギなこった
力は十分に温存してある
そろそろ動くか……【ミスディレクション】で攻撃する
基本的に「SH改」を隠しながら、急所を狙っての銃撃
あまり近付きたくねぇが、優勢なら「桃花」の斬撃や噛み千切りでも良いだろう
敵の攻撃対応は、全力スピードを維持して躱す
必要に応じて短距離の『飛翔』による緊急回避も使う
俺は物理戦闘の方が得意でね……魔術師っぽく戦ったのはフェイントだ
初見で俺のスピードを見切れるか?
距離を取ろうが剣で護ろうが、簡単には逃がさねぇ
死ぬまで追跡し続けてやるよ
アオイ・ダイアログ
今度は浮剣使いですか。とはいえそろそろ敵も減ってきましたし、もう少し積極的に攻めますか
ではFPSスタイル!
ガンマン衣装(全身図のもの)に切り替えていざ勝負!
デュアルを構えてバンバンバンバン!
数が多いなら的が多いと言うことです、敵の集団の中に撃ち込んで跳ね回らせましょう
氷柱が壁になってくれれば儲けものですが
後は接近戦する味方の援護をしますか
飛んでくる攻撃は【神速反応】で当たる奴だけ撃って弾きますよ
近寄らせませんよ?
なんてったってタワーディフェンス!
遠隔からのもぐら叩きは基本ですからね🎵
嘆くなら無能な指揮官を嘆くんですね!
『それなりに腕が立つようですが、私たちの剣から逃れられるとは思わないことです』
剣の大天使であるソードメイデンたちが、空中に浮遊しながら無数の刃を光らせる。
江戸川橋を抜けようとするクロノヴェーダの戦意は挫かれることなく、如何に戦力を消耗しようと動じる気配さえない。
瞳の光を失った少女型大天使たちが、物言わぬ亡骸を無数に晒していても、だ。
「お仲間がこれだけ死んだのに、まだやるのか。なぁ、そろそろ帰ってくれねぇか?」
睨みをきかせながらも、倉井・尽(素早く・g06027)は問いかけてみる。
『帰る? そうする理由はありません。我々だけで此処を突破し、奪い返せばよいだけのこと』
剣の大天使は表情一つ変えず、冷たく声を響かせるのみだった。
「無理ね……ああそうかい。アコギなこった」
呆れたように吐いた尽の呼気が白く染まる。
それが消えるか消えぬかのうちに、ソードメイデンの護衛部隊は散開しながら復讐者たちに襲いかかった。
『切り刻んであげましょう。どんな悲鳴をあげるのか、楽しみです』
感情が希薄ながら、それでいて嗜虐的な言葉を口にして宙を踊るソードメイデンたち。
飛行能力を駆使した軽捷かつ隙のない機動で、復讐者たちを斬り裂こうと攻め寄せる。
「今度は浮剣使いですか」
迎え撃つアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)が言うや否や、その姿に綺羅びやかな変化が生じた。
ワールドカスタマイザーによるレイヤー変更――眩い光に包まれたかと思うと、次の瞬間、身に纏う服装が一変する。
ウエスタンハットを被り、ドレスめいたジャケットを羽織って胸元を露わにした服装は、ダメージジーンズも相まって露出度が上がっている。その出で立ちはしかし、まさしくカウボーイスタイル。二丁拳銃であるバレットボイス・デュアルを構えれば、迎撃の準備は万全だ。
「ではFPSスタイルで行きましょう! いざ勝負!」
ひらりひらりと変則的な動きを見せるソードメイデン。
だが、橋という戦場の性質上、散開されたとしても狙いはつけやすい。
ゲーマーでもあるアオイは瞬時に見破っていた。
背面に翼のような剣を広げたソードメイデンは、当たり判定(ヒットボックス)が大きいのだ。
「援護しますよー!」
銃に込めるのは鋭い言霊。
トリガーを引けば、力を帯びた声弾が剣の大天使たち目掛けて放たれる!
「帰れって言ったからな。もうブチのめされたって文句は言えねェぜ」
ここまでの尽の戦い振りを見た者であれば――それが凡百の遣い手であれば、彼女が単なる術者であると誤認しただろう。
(「あまり近付きたくねぇ相手だが」)
退がるかと思えば、さにあらず。
アオイの援護射撃の中、尽は襲い来るソードメイデンに我と我が身を突っ込ませていた。
『侮られたものですね』
大天使たちが背中に連なる翼のような剣群を広げ、舞うような攻撃を仕掛けてくる。
それは刃圏に入った者を切り刻む高速の殺戮技巧。
「初見で俺のスピードを見切れるか?」
だが尽は襲い来る刃を巧みな足運び体捌きで紙一重で避け続け――そして自身の首筋が裂かれる前に、火花を散らせた。
一秒を更に切り刻んだ零コンマの一瞬に。
抜いた短刀、その淡い桃色の刀身が閃き、ソードメイデンの飛ばした剣を弾いていたのだ。
「俺は物理戦闘の方が得意でね……魔術師っぽく戦ったのはフェイントだ」
尽は隠すように背負っていたサイレントホーネット改――サイレンサー付きの短機関銃を構えて引き金を引く。
『しまっ――!?』
殺到する至近弾をソードメイデンが剣で弾こうとするも、死のダンスでも踊るように撃ち倒される。
「数が減ってきましたね!」
バンバンバンバン! 二丁拳銃の銃声が凛と張り詰めた冬の大気に響き渡る。
『見た目は派手ですが……当たるとは思わないことです』
対するソードメイデンは連続して飛来する銃弾を、回転するような動きで弾いていた。
『その身体を血の赤に染めましょう』
背後に連なる剣を分離し、遠隔操作でもするようにアオイめがけて投擲する――!
だがアオイはその一瞬に障害物に身を隠し、敵の狙いを撹乱していた。
何しろ盾となるものは幾らでもある。大きな氷塊に包まれ、戦場に屹立する大天使たちの氷像が――。
「近寄らせませんよ? なんてったってタワーディフェンス!」
同胞の亡骸を閉じ込めた氷塊を容赦なく貫いていくソードメイデンの刃。
攻勢に出た剣の大天使はしかし次の瞬間、逆に呻き声をあげることとなった。
『グ、ッ
……!?』
「遠隔からのもぐら叩きは基本ですからね🎵」
跳弾するように跳ね返ってきた弾丸が――言霊を込めた銃弾が大天使の背後からその身体を貫いたのだ。
「簡単には逃さねぇ。死ぬまで追跡し続けてやるよ」
飛び交う声弾が、近接射撃を仕掛ける尽を巧みに避けながら、ソードメイデンだけを狙い撃つ!
アオイは二丁拳銃を手の中で回転させると、言霊を込めた弾を再装填した。
「嘆くなら無能な指揮官を嘆くんですね!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
ノイン・クリーガー
まだ来る。やたらと動員数が多い。敵も本気というわけか。
【光学迷彩】で身を隠して、橋の下に潜んで敵が来るのを待つ。
そして橋を渡りはじめたら背後からMMk45/SかP218で【不意打ち】して【暗殺】する。
ソードメイデンはその名の通り剣を使うようだ。
間合いに入らず、銃撃で始末しよう。
接近されたら避けるか、アイゼンファウストで防御する。
剣を飛ばす攻撃は【ダッシュ】や【ジャンプ】、【地形の利用】により避ける。
いずれにせよ【神速反応】が役に立つはず。
安藤・優
……よし、砲撃戦飽きた
次は何使おうかな……さっき倒したアレの残骸でまだ使えそうな物でもぶん回すかな、右腕とか解体して武器改造すればバールのような物だしいけるいける
詳しい使い方は操作会得でなんとかして、あとは神速反応と飛翔で接近戦、戦闘知識で投擲したりフェイントかけたりアヴォイドで回避、他の人が作った地形も利用してその辺は臨機応変に対応していくよ
それで破壊した護衛の残骸も使わせて貰おうかな、あの空飛ぶ剣とか絶対便利じゃん
……まぁ僕も似たような物持ってるんだけどね。
「翔べ、クレアシオン!」
飛んでくる剣はA×Sionを分解したアルバトロスと飛晶剣クレアシオンで即時迎撃だ
「あはははは、死ねーい」
「まだ来る。やたらと動員数が多い。敵も本気というわけか」
撃滅のクヴァールの掃討を終えて江戸川橋後方に到着したノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は、敵戦力について冷静に思考を巡らせていた。
市街戦において、橋は戦術的・戦略的な要衝であり――となれば、クロノヴェーダの必死さも頷けるというもの。
「奪わせるわけにはいかんな」
呟くように言ったノインの黒い隠密作戦用戦闘服が、ゆらりと揺らめいた。
光学迷彩により、まるで辺りの環境に溶け込むように全身の輪郭が消えたかと思うと、黒き歴戦の兵士は敵に気付かれぬように橋の欄干を飛び越えていた。
「……よし、砲撃戦飽きた」
多目的散弾銃とパラドクスの融合による大火力で敵を圧倒した安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)は、自在に剣を振るうソードメイデンを前に、次なる攻め手を思案していた。
(「次は何使おうかな……」)
まるで好みと気分に合わせて道具を選ぶように……その思考は柔軟であり、恐ろしいほどに冷徹だ。
その視線が路傍に散乱しているモノに向けられ、優は何の躊躇いもなく『それ』を拾い上げると力を込めてみる。
「バールのような物だしいけるいける」
復讐者とソードメイデンとの戦いはいよいよ烈しさを増している。
ブンと振り回した新たな得物の感触を確かめると優は頷き、浮遊する手近な大天使めがけて飛ぶように疾駆した。
否、地を蹴ったその身体が飛翔し、放たれた矢のように宙を疾走ったのだ。
『なッ
……!?』
ソードメイデンの声に兆したのは、明らかな動揺だった。
無理もない。
「案外使えるんじゃないかな。試してみよう」
優が突き出したのは、青く光る杭打ち機――クヴァールの義手に据え付けられていたパイルバンカーだったのだ!
『残骸を、利用した……』
微塵の躊躇いもなくクヴァールの亡骸からそれを奪い取った優が、不意の一撃で、剣の大天使の体を貫いていた。
串刺しにされたソードメイデンが墜落するよりなお速く、地面を滑るようにして着地した優は、アスファルトに突き立っていた巨大な剣を――戦いの中で放たれたソードメイデンの剣の後部を握って引き抜いた。
『使えるものは何でも使う、というわけですか』
「ああ、分かる? でも今更気づいても遅いよ」
双剣を振り上げ、閃光めいた疾さで斬撃を繰り出してくるソードメイデン。
再び飛翔した優が、剣戟音を響かせながら空中で烈しく切り結ぶ!
「空飛ぶ剣とか便利だよねぇ。……まぁ僕も似たような物持ってるんだけど」
剣舞するように斬撃を見舞う大天使を相手に火花を散らす優。
致命的な斬撃を巧みに避けながら、顔色一つ変えることなく。
「翔べ、クレアシオン!」
呼びかけに呼応した飛晶剣クレアシオンが遠隔操作で飛んでくると、ソードメイデンの背後から襲いかかる!
「あはははは、死ねーい」
地を滑るようにして飛翔した優は、クヴァールの鎧めいた残骸を掴んで投擲。
それをフェイントにして、倒れたソードメイデンから二刀を奪い取るとそれも投げ放った。
戦場のあらゆるものを利用する臨機応変の戦法が、敵の命を容赦なく刈り取っていく。
「頃合いか」
水道管か何かだろうか――頑丈なパイプが、江戸川橋の側面に沿って一直線に伸びていた。
そこを両手で掴んで伝うように移動したノインは、敵の背後がガラ空きになる瞬間をじっと待っていたのだ。
忍耐と持久力、更には絶好の時を見極める冷静な心――それはまさしく培われた戦闘技術の精髄だった。
パイプを掴む腕にいっそうの力を込めて跳び上がった彼は、敵の背後から短機関銃を構えて奇襲を敢行する。
無駄のない、鮮やかなバックアタックだ。
(「自在に剣を使うようだが、間合いに入らなければどうとでもなるだろう」)
Mk45/Sの抑えられた銃声が連続し、恐るべき精度の射撃が瞬く間に複数のソードメイデンを撃ち倒していた。
『後ろ……いつの間に
……!?』
過酷な戦場においては、先に有利な状況を掴んだ者こそが死命を制する。
態勢を崩されたソードメイデンは明らかに狼狽え、それでも背面に並んだ剣を分離しノインに差し向けた。
否――光学迷彩によって幽霊(ゴースト)のように周囲に溶け込んだ彼を捉えきることができないまま、滅多矢鱈に剣を飛ばしただけだ。
アスファルト舗装された橋に突き刺さる剣の群れ。
林立するそれらをすり抜けるように疾駆したノインは避けきれない凶刃を機械化された腕(アイゼンファウスト)で弾きながら、使い慣れた拳銃――P218の銃口を敵の急所に定めて引き金を引く。
銃撃後に援護の誘導弾が殺到し、ノインはタイミングを合わせて飛び退いた。
「的確な砲撃支援だ。痛み入る」
ちらりと視線を流した先には、金色の髪と軍服を風にはためかせる復讐者の立ち姿があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!
アルメア・グラウプナー
「やあやあやあ天使どもよ、こうして未曾有の災厄がついに貴殿らの喉元へと迫ってきたぞ? さあどうするつもりだね?」
「ま、答えなど最初から聞く気はないさ。何が起きようと災厄が為す事は唯一つ――言わなくとも貴殿らには分かる筈だろう?」
・行動
文字通り降り掛かる火の粉は落とした事だし、ようやっと本丸に手を掛ける事ができるな、はっはっは!
基本は距離を開けての射撃戦だ。ミサイルでの【誘導弾】【爆破】で敵の動きを制御しつつ、火砲での【砲撃】やガトリングでの【制圧射撃】【弾幕】で撃ち抜こう。
射線が開けば大砲火を放ち一気に数を減らしていく。
接近されたらソードオフで牽制し、また距離を開いて射撃戦と【臨機応変】にな。
「文字通り降り掛かる火の粉は落とした事だし、ようやっと本丸に手を掛ける事ができるな、はっはっは!」
戦場に響き渡る躁的な笑い声。
敵めがけて飛来するのは、煙の尾を引く誘導弾の群れだ。
『厄介なものを……!』
ソードメイデンが飛行能力を駆使して回避行動を取り、剣光を閃かせながら身を翻す。
散開した敵それぞれをミサイルが追いかけ、空中に複雑な軌道を描き出した後に炸裂した。
橋の上――濛々たる爆煙の先に威風堂々と立っていたのは、金髪をなびかせる軍服姿の復讐者。
すなわちアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)その人である。
「やあやあやあ天使どもよ、こうして未曾有の災厄がついに貴殿らの喉元へと迫ってきたぞ? さあどうするつもりだね?」
ソードメイデンは舞うようにして距離を取ると、陣形を再構築して双剣を構え直した。
対するアルメアは舞台上の演者めいた言葉を止めることなく。
「ま、答えなど最初から聞く気はないさ。何が起きようと災厄が為す事は唯一つ――言わなくとも貴殿らには分かる筈だろう?」
声を響かせている間にも、白き手套に包まれた義手が重火器を操り、砲口がひたとソードメイデンの群れに据えられる。
他の復讐者たちを支援するように。
携行式ビームガトリングガンとキャノン砲が吠え、その猛然たる銃砲撃が眼前の護衛部隊に光弾と爆発を見舞い続ける。
『小煩い……素っ首跳ねて黙らせてあげましょう……!』
「ほう、潜り抜けてきたか――結構。やれるものならやってみるがいい!」
双剣を振り上げる大天使。
アルメアはすぐさまソードオフ・ショットガンに持ち替えて至近距離で引き金を引いた。
散弾がソードメイデンを吹き飛ばし、強制的に距離を取らせる。
大天使たちの表情に差したのは、紛れもない驚愕の色だ。
「お前たちの出る幕はもうない。此処で終わり給えよ!」
携行するすべての火砲が一斉に開放され、烈々たる弾雨がソードメイデンの集団に襲いかかった。
それは敵対者を焼尽せしめる、恐るべき災厄の炎。
避けようとした剣の大天使たちが誘導弾の爆発に呑まれ、ビームガトリングガンの光弾に貫かれてデスダンスを踊る個体に砲弾が直撃――およそ人一人に操られているとは思えない圧倒的な火力が、敵集団を瞬く間に殲滅していた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
『観察に基づく敵部隊の能力測定――完了。脅威度、高レベルと判断』
激戦の末、残存するクロノヴェーダは遂にマキナエンゼルただ一体となった。
だが慈悲なき機巧天使は、散っていった配下には目もくれず、障害である復讐者たちを見据えながら足を踏み出す。
『機関全解放――ウエポンロック解除――排除開始』
目標を達成するため、全力を賭して。
二振りのブレードから赤と青の光を放ち、マキナエンゼルが復讐者たちに襲いかかる!
珠々院・アンジュ
※連携・アドリブ可能です。
「敵ですね。殺しましょう」
無表情で淡々と喋りますが無口ではありません。
他の人ともコミュニケーションは取れます。
敵に対しても淡々としたですます口調ですが内容が過激になります。
成功のため自身の持てる技能は惜しみ無く使います。
表情には出しませんが、相手を呪詛で侵食することに愉悦を感じています。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。自身の怪我は疎く気にしません。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
『新たな敵性存在を確認――然れども作戦に変更なし』
双剣を輝かせるマキナエンゼルがその機械の単眼で捉えていたのは、虚ろな目をした少女だった。
江戸川橋の中央に立つのは、珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)。
ボロボロになった袖なしワンピースと長い灰色の髪を冬風にはためかせ、滲む呪装包帯に巻かれた片腕を伸ばす。
「その体、どれだけ呪いが染み渡るのか気になります。苦しんでくれるといいのですが」
まるで人形のように表情を動かさぬまま、淡々と口にする言葉はそれそのものが敵を圧倒する呪いめいて空気を震わせる。
機械仕掛けの天使は動じた風もなく双剣を構え――アンジュと大天使の奇妙な対峙は一瞬にして苛烈な闘争へと至った。
『脅威度、判定不能。攻撃開始』
背部の装置から下がる透き通る外套めいた翼を広げながら、マキナエンゼルは赤と青の双剣を手に突っ込んできた。
機械の腕で猛然と振るわれる二振りの剣。
対するアンジュは、ひらりひらりとまるで幻のように掴みどころのない動きでそれを回避していく。
容赦のない斬撃が腕を、そしてワンピースを抉るようにして裂傷を刻む。
だがアンジュにとってその程度、どうということはない。
却って――向こうから距離を詰めてきたのは、彼女にとって好都合ですらあった。
『目標の排除を最優先。最大出力』
「では、殺(こわ)しましょう」
マキナエンゼルは赤く発光する片方のブレードに紫電を纏わせると、アンジュの胴めがけて一直線に撃ち出した。
双剣を振るって相手の態勢を崩した後に肉体を穿つ、必殺のエンジェリックボルト。
ブレードから放たれる恐るべき雷撃が敵対者を貫く――!
だが僅かに身を捻るようにして拳を突き出したアンジュは、閃光めいた刺突で胴を抉られながらも。
『悶えろ、苦しめ、生きていることを後悔しろ』
呪詛に満ちた声を響かせて、敵の胴体に痛烈な打撃を叩き込んでいた。
『被弾――各部機能に異常発生――原因不明――対処不能――』
膝をついたアンジュはゆっくりと立ち上がりながら、混乱したような電子音をたてるマキナエンゼルを見る。
その虚ろな瞳は、苦悶する敵への愉悦を隠して――。
「のたうちまわれ……もっと……どうしようもなく崩れ果てるまで……」
成功🔵🔵🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
アルメア・グラウプナー
これまで様々なクロノヴェーダと対峙してきたが…どうしても骨の髄まで機械となってしまった存在は好きになれない。
作戦の目的や行動、そして闘争にすらも自身の意思や思考を挟もうとしないからだ。
せめて感情の一つくらいは表に出してくれると好感が持てるんだがね、ははは。
・行動
…まあ良い、私は私でこの闘争を勝手に楽しむまでだ!
周囲の味方と連携しつつ、今回は接近戦をメインに立ち回ろうか。
【飛翔】で追いながらソードオフで牽制しつつ爆裂鉄球で打ち合い、反撃は【一撃離脱】でかわしていこう。
敵の光学迷彩はミサイルの爆風の動きを見たり散弾を連射して対処する。
味方の攻撃等で隙が出来たらメテオールを土手っ腹にぶつけてやろう。
倉井・尽
……ありゃ会話は無理そうだな
仕方ねぇ、マジで行くぜ
「桃花」の刀身を全力で握り締めて血で濡らし、鞘に納めて【開花】の時を待つ
敵将から少しだけ離れた位置を陣取り、奴が移動した時のみ俺も動くぜ
仕掛けは終わった。後はタイミングを見計らって血の刃による斬撃だ
敵の攻撃対応は、無駄に動かずにヤッパを構え、俺に攻撃したら『神速反応』で躱す
雷撃の軌道は直線。光の剣の位置に注意していれば、十分に躱せる筈だ
躱すと同時に【開花】し、斬り裂いて仕留める
終わりか……長期戦は中々考える事が多くて為になったな
しかしまぁ、腕が痛ぇ。主に裂けた皮膚が
ノイン・クリーガー
フン…まるでゾルダートだな。
あれやこれや飛ばしてくるようだな。
まず発煙弾を投げて煙幕を張り、我々の姿を隠しつつ、こちらは【完全視界】でマキナエンゼルの姿を捉える。
光の刃は【神速反応】を使って避けるなり防御するなりして対処する。
電撃を飛ばしてくる攻撃は【地形の利用】で遮蔽する。使えそうな絶縁体が落ちていればそれを盾に使おう。
光学迷彩を使った接近はオイレアウゲのサーマルモードで【看破】するが、気づかないふりをして引き付ける。
射程内に入ったらワイヤーショットで【捕縛】して壁面やら床やらに叩きつけ、PzK43Sinの砲撃を撃ち込む。
安藤・優
あの背中のマントみたいなヤツかな?光の翼って……あれで光を屈折させて姿を隠してるのか、なるほど厄介だね。
――じゃあぶっ壊すか。
光学迷彩で姿を隠しつつ、敵を姿を捕捉したら追跡、周囲の味方の動きに合わせて僕も仕掛けるよ。光の刃は飛翔に完全視界や神速反応で堅実に対応する。
攻撃は翼の付け根を狙い撃つよ、この時だけは多少の被弾は覚悟の上で神速反応と強運の加護で確実に「光の翼」に全力の一撃を叩き込んで破壊を狙う、機械仕掛けの「光の翼」が上手く動かなくなれば戦いも有利になるだろうからね。ぶっ壊してやる…!
受けてみろ、閃光の一撃!――闇を斬り裂け、銀の流星!
アオイ・ダイアログ
残り一人だというのに強気ですね
メカっぽいですがその実力はどうでしょう?
動きは素早いですが、少々直線的な動きですね!
引き続きFPSスタイル、スティンガーを準備
【神速反応】【完全視界】【飛翔】を駆使して3次元的に回避行動を取りつつ、氷の柱など遮蔽を利用して隙を伺います
動きが止まった瞬間、ヘッショ! でモノアイをぶち抜きます!
頭部がやられて死ぬなら良し、そうでなくても視界がなくなれば後は簡単です
脅威度判定が杜撰過ぎますね
本当に脅威に気付いてるなら、援軍を待つなり撤退なりすべきでしたよ
つまりこれはあなたのミスです
さようなら
遠くでラッパ鳴らすだけのアレも、いずれは捉えてみせます
じゃ、帰りますか♪
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
何度か戦ったけれど…やっぱりロボットにしか見えないわね
民衆に『慈悲無き神罰』を意識させる担当なのかしら
後は慈愛を担当する見目麗しい大天使とセットで信仰を集めて…
…力を取り戻した後の信仰集めの考察は後!
人々の為、人類史奪還の為に魔法の竜神として戦って勝つ!
…今はそれで十分よ
【飛翔】し切り結びつつ、付近の川へ移動
姿を消せば水面を【怪力無双】槍斧で●強打
大量の水飛沫で実体を浮かび上がらせ【完全視界】で位置を●看破
【千変竜体】で尻尾を二股の巨大な黒竜の首に変換し●不意打ち
両腕に噛み付き引き摺り回して地に叩き付け
TOKYOカテドラル攻略の為にも…討ち取らせてもらうわよ!
槍斧の痛烈な一撃をお見舞いするわ
●機動、マキナエンゼル
『各部機能確認。戦闘続行は可能と判断』
復讐者の少女――アンジュに流し込まれた呪詛は、マキナエンゼルの機械の体を着実に蝕んでいた。
「残り一人だというのに強気ですね。メカっぽいですがその実力はどうでしょう?」
橋を吹き抜けていく風にウエスタンハットを軽く押さえて、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)はガンマンの装いのまま、討つべき大天使を見据える。
「これまで様々なクロノヴェーダと対峙してきたが……どうしても骨の髄まで機械となってしまった存在は好きになれない」
機械仕掛けの天使の言動を鼻で笑って、アルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)は言った。
「作戦の目的や行動、そして闘争にすらも自身の意思や思考を挟もうとしないからだ」
少なくない戦力を率いて江戸川橋突破を試み、地区奪還を目指したクロノヴェーダの部隊。
命令を与えられた眼前のアヴァタール級は、飽くまで忠実に、愚直に作戦を遂行して部隊を壊滅に追い込んだのだ。
「せめて感情の一つくらいは表に出してくれると好感が持てるんだがね、ははは」
乾いた笑いを口にしたアルメアは、彼我の距離を目算しつつ、ソードオフショットガンを水平に構えた。
「……まあ良い、私は私でこの闘争を勝手に楽しむまでだ!」
江戸川橋の舗装された道を、大天使の脚が踏みしめる。
マキナエンゼルは駆動音をたてながら円筒形の頭部を左右に回すと、その単眼を光らせた。
「……ありゃ会話は無理そうだな」
天使と呼ぶには余りに異様なクロノヴェーダと対峙しながら、倉井・尽(素早く・g06027)は言葉のやり取りを諦める。
如何にカマシを入れようが動じない相手とくれば、残るは命のやり取りしかない。
「仕方ねぇ、マジで行くぜ」
尽は言うと、淡い桃色の刀身が美しい短刀を、強く握りしめた。
柄の部分ではない。
片方の掌で、美しく光を返す抜身の刃を包み込んだのだ。
「――ッ」
歯噛みして痛みに堪えながら、短刀がぶるぶる震えるほどに力を込める。
刀身を鮮血が美しく染め上げ、滴る血雫がアスファルトに点々と零れ落ちる。
痛苦を堪えながらも血に濡れた短刀を鞘籠めして――尽のその顔に差したのは不敵な笑みだった。
「ここまで滅茶苦茶やったんだ。落とし前はつけてもらうぜ」
『敵数把握――脅威度に変更なし――』
マントのような光の翼を広げて双剣を構え、突進するマキナエンゼル。
「何度か戦ったけれど……やっぱりロボットにしか見えないわね」
冷酷且つ無慈悲な敵を迎え撃ったのは、黒竜の槍斧(ハルバード)を手にしたツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)だった。
「民衆に『慈悲無き神罰』を意識させる担当なのかしら。慈愛を担当する見目麗しい大天使とセットで信仰を集めて……」
人々の心理を巧みに利用する飴と鞭のように、呵責なき恐怖を与える為の存在でもあろうか――。
(「……力を取り戻した後の信仰集めの考察は後!」)
ふるふると首を振ると、ツィルニトラは襲い来る双剣を槍斧で弾き続ける。
「人々の為、人類史奪還の為に魔法の竜神として戦って勝つ! ……今はそれで十分よ」
『戦闘能力計測――断罪執行』
「フン……まるでゾルダートだな」
ツィルニトラと打ち合うマキナエンゼルを見上げながらノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)が呟いた。
冷静に彼我の動きを観察し、瞬時に対策を練り、そして行動を開始する。
「あれやこれや飛ばしてくるようだが」
ツィルニトラがマキナエンゼルを弾き飛ばした瞬間を狙い、ノインはピンを抜いた発煙弾を投擲。
濛々と煙る煙幕が、戦場を瞬時に包み込む。
『視界不良――索敵手段を変更――』
煙の中でその単眼を輝かせながら、マキナエンゼルは相も変わらず抑揚のない声を響かせる。
「効いてはいるようだな」
一瞬、敵の動きが止まったのをノインははっきりと見て取っていた。
『――近接攻撃が有効と判断』
だが機械の天使はその飛行能力を駆使して急上昇、急加速をかけると、即座に横移動して煙幕を飛び抜けた。
「なるほど、やはり速度はそれなりのものだ。だが余りに見え透いた動きではないか!」
飛び込んでくるマキナエンゼルを見逃さず、アルメアは自身もまた飛翔して空中戦に打って出た。
『射程内――攻撃開始』
剣を振り上げた機械の天使めがけ、笑みに口角を上げたアルメアは至近距離でソードオフショットガンの引き金を引く。
装甲が散弾に穿たれ、衝撃に大天使の攻撃が中断されるも、
『損傷軽微。目標、排除可能と判断』
「ほう、機械の天使殿も侮るという機能は持ち合わせていると見えるな!」
マキナエンゼルの双剣をかわしながら、アルメアは容赦なく銃撃を続け、更には爆裂鉄球さえも振り回して打ち合う!
「パターンが見えてきました。動きは素早いですが、少々直線的な動きですね!」
完全視界の力を活用して敵に狙い定めたアオイは声弾を装填した狙撃銃――バレットボイス・スティンガーを構えてトリガーを引いた。言霊を込めた弾が、精確に機械の体躯に命中して態勢を崩させるが、アオイにとってこれはまだ小手調べだ。
乱戦に身を晒した機巧天使は、煙幕が晴れた隙に猛攻に打って出た。
「来ます!」
『目標捕捉。突撃開始』
アオイが注意した直後、単眼をギラリと輝かせたマキナエンゼルが、ノインめがけて突撃をかける!
「トループス級とはやはり違うな」
ノインは飽くまでも冷静に、使えそうな遮蔽物に身を隠していた。
それは先程の戦いで地面に突き立った、ソードメイデンの背部ブレードだ。
突き出したマキナエンゼルの赤い光剣が紫電を纏い、電撃を放出する。
ブレードを盾にしつつ瞬時に転がるように回避したノインが、バチバチと体をスパークさせながらも受け身を取った。
「隙を見せたな」
射程圏内に入ったマキナエンゼルめがけ、膝立ちのまま機械の腕(アイゼンファウスト)からワイヤーショットを射出。
『グ、ヌ
……!?』
ワイヤーに絡まれ、機械の天使はギリギリと体を軋ませながら捕縛を解こうとするが――果たせず。
「流石に振り回せはせんか。だが」
その胴に狙い定めたノインはPzK43Sinを構えていた。
それはドイツ製個人携帯用対戦車ロケットの複製品ではあるが、軽量であり取り回しも良く威力も申し分ない。
パラドクスの力を駆使した捕縛戦法が功を奏し、射出されたロケット弾が機械の胴体に着弾。
爆炎がマキナエンゼルを呑み込んだ。
●江戸川橋の激戦
『攻撃続行――各個撃破が最適と判断』
爆煙を浴びて薄汚れたマキナエンゼルが、その機械の体を宙に浮遊させ、縦横無尽な高速戦闘に打って出る。
多少の距離を取ろうとも、瞬く間に接近して双剣で斬りかかってくるとなれば、復讐者とて油断はできない。
「あの背中のマントみたいなヤツかな? 光の翼って……」
江戸川橋を横切る高架の上で、安藤・優(名も無き誰かの代表者・g00472)はマキナエンゼルが隙を晒すのを慎重に狙い続けていた。
背部の装置からひらりとしたマントのように伸びる光の翼は、機巧天使の戦闘を支える要であろうか。
「あれで光を屈折させて姿を隠すのか、なるほど厄介だね」
呟く優の表情には、言葉とは裏腹、差し迫った雰囲気が微塵もない。
小さく頷き、さらりと、いとも容易く彼は言ってのけた。
「――じゃあぶっ壊すか」
復讐者たちがマキナエンゼルと熾烈な戦いを繰り広げている間に、優は行動に打って出た。
その姿がゆらりと揺らめいて周囲の景色に溶け込む――否、既に景色に紛れて、彼は先程から好機を狙っていたのだ。
『各個撃破を優先――ターゲットロック』
背部スラスターの役割を果たしていると思しき光の翼をはためかせながら、マキナエンゼルが戦場を駆け飛ぶ。
「流石に速いわね……!」
人々の為――胸に秘めた志を闘志に変え、ツィルニトラは竜翼を広げて地を蹴っていた。
突っ込んでくる機巧天使の双剣を空中で受け止め、剣戟音と火花を生じさせながら烈しく斬り結ぶ!
目にも留まらぬ打ち合いの末、ツィルニトラは橋の欄干を飛び越えた。
川面を滑るようにして低空飛行。
『敵個体、依然射程範囲内。断罪を遂行する』
マキナエンゼルは感情の失せた声色でそう告げると、光の翼を広げて回転するような機動を取り、その姿を周囲の景色に溶け込ませた。
「見えなくなるのは危険だけど……でも狙い通りよ」
敵のパラドクスの性質は承知している。
だからこそ、護岸ブロックの壁に挟まれ左右の移動が妨げられる川に、敵を誘い込んだのだ。
突っ込んでくるマキナエンゼルめがけ――否、水面めがけ、ツィルニトラは重き槍斧を振り下ろし、跳ね上げた。
水飛沫が舞い散る。
空中に舞い上げられた水滴一粒一粒が突進の勢いで吹き飛び、マキナエンゼルの位置を知らせる。
「魔を司りし竜の名の元に命ず! 移ろい変われ、我が竜体!」
凛乎とした声が響き渡った直後、ツィルニトラの肉体に恐るべき変化が生じた。
総身を駆け巡るは絶大なる魔力。
その尻尾が凄絶な音を立てて見る間に肥大化すると、二股に分かれた黒竜の首へと変貌を遂げたのだ。
『敵個体に変化発生――戦闘能力――測定不能――』
「TOKYOカテドラル攻略の為にも……討ち取らせてもらうわよ!」
二対の黒竜が吠えた。
空中でマキナエンゼルの両腕に噛みつき、そのまま左右の竜が交互に川の壁面に機械の体を叩きつける。
双竜に喰い付かせたまま飛び上がり、橋に叩きつけたマキナエンゼルを、ツィルニトラが槍斧で袈裟斬りにした!
『ステルスモード起動』
光の翼を展開して、逃れるように周囲の景色に溶け込むマキナエンゼル。
「援護する」
オイレアウゲ――多様な機能を持つ機械の目に支援されたノインが、追跡してきた敵に振り向いて対戦車ロケットを射出。
「光の紗幕で姿を消すとは見え透いた演出ではないか! その程度で私の目を誤魔化せる筈がないだろう?」
ソードオフショットガンを連射して散弾をばら撒き、飛翔しながら距離を取ったアルメアは肩部四連想ミサイルポッド――ズィグナールフォイアーから誘導弾を射出していた。
炸裂。
爆煙。
その微妙な揺らぎを見て取ったアルメアが口の端を笑みの形につり上げる。
『敵接近――武装選択――処理可能と判断』
光学迷彩も万能ではなく、マキナエンゼルはその索敵能力で接近してくる優を感知すると、光の翼をふわりと広げた。
輝ける翼から生じた光刃は、無数の矢のように敵性存在を射抜く!
「やっぱりそう来たか。でも対策済みだよ」
優は空中で身を捻るようにして光の刃を次々に回避。かわしきれない刃は、手にした剣で弾き続ける。
刃の嵐を見舞おうとも。
如何に斬り刻もうとも。
そんなもので優を止められるわけがない――!
「多少の被弾は覚悟の上だ」
力を開放し、高らかに飛んで回り込むと、マキナエンゼルの後背から狙い撃つ!
「受けてみろ、閃光の一撃! ――闇を斬り裂け、銀の流星!」
それは夜空を駆け抜ける光芒さながらの、美しく冴え冴えとした一撃。
闇を穿つ余りにも鋭い刺突がマキナエンゼルの背部――光の翼を形成している機巧の付け根に直撃した!
『被害状況を確認――損傷度大――戦闘行動に支障あり――』
貫かれ、盛大に火花を散らした後に爆発を起こす背部機巧。
甚大なダメージを負ったマキナエンゼルがその脚力を駆使して復讐者たちから飛び退いた。
●破壊の嵐、そして
『目標捕捉(ターゲット・ロック)。各個撃破を最優先。殺害する』
機械の音声を木霊させながらマキナエンゼルが狙いを定めたのは、鞘籠めした短刀の柄に手をかけた尽だった。
睫毛を伏せるように意識を集中していた彼女は、機械仕掛けの天使からすれば隙だらけもいいところだ。
赤く発光する剣を構え、スパークを爆ぜ散らしながら急速接近。
「仕掛けは終わった。もう止められねェぞ!」
マキナエンゼルが赤き光剣を振るい、恐るべき速度の刺突を繰り出す。
だがその凶刃が突き出された刹那――尽は目を開き、鋭く敵を射抜いていた。
「――遅ぇ!!」
極限にまで神経を研ぎ澄ませた尽は、紙一重で突きを避けながら血刀を抜いて。
肌も裂けよと血飛沫を虚空に散らしながら一閃。鮮やかな斬撃を機械の胴に刻み込んだ!
『損傷大――理解不能――』
「へえ、機械でも動揺するんだな」
短刀――桃花を血に彩り、全能力を開放した尽が口の端を歪めた。
『距離計測――戦闘パターン照合――接近戦が最適と判断』
恐らくそれは、観察した戦闘結果により下した判断であったのだろう。
抑揚のない声を響かせながらもマキナエンゼルが振り向き、狙撃銃を構えたアオイめがけて、両手の双剣を振るう。
「甘く見ましたね!」
クヴァールの閉じ込められた氷塊に身を隠したアオイは即座にバックステップ。
氷が弾け飛ぶのを目の当たりにしながら、続く刺突を宙返りを打って回避する。
「脅威度判定が杜撰過ぎますね。本当に脅威に気付いてるなら、援軍を待つなり撤退なりすべきでしたよ」
機械的に過ぎるのが、この無慈悲なる大天使の致命的な弱点だった。
マキナエンゼルが単眼に映したのは、空中でバレットボイス・スティンガーの銃口を向けるアオイの姿。
意思を込めて引き金にかけた指を引けば、言霊の力を籠めた声弾が対象を狙い撃つ――!
「つまりこれはあなたのミスです。さようなら」
『弾道計算――回避行動――』
マキナエンゼルがバックステップして緊急回避を試みる。
だが背部の装置を優に破壊されたことで、機械の天使は動きに精彩を欠いていた。
文字通り『追いかけて』くる弾を避けられる筈がなく――次の瞬間、着弾した声弾がモノアイを穿ち、機械の頭部さえ吹き飛ばす。
たたらを踏むようにして後ろへ下がるマキナエンゼル。
「さあ幕引きと行こう。せめて小気味よく散ってくれ給えよ!」
巨大鉄球を取り付けた鉄の棒を握ったアルメアが、ハンマー投げよろしく体を大回転させる。
投げ放たれた爆裂鉄球『ファイアヴェルク』は狙い過たずマキナエンゼルに着弾すると大爆発を巻き起こした。
爆炎の中、膝をつき、装甲を剥離させていくマキナエンゼル。
爆風の力で戻ってきたファイアヴェルク――その鉄棒を掴みながらアルメアは残骸と化す敵に笑みを向ける。
「ああ……終わりか。長い戦いだった」
激戦を潜り抜けた尽が、スーツをはたきながら息をついた。
「しかしまぁ、腕が痛ぇ。主に裂けた皮膚が」
見れば煙やら埃やら、自らの血やらで服が大変なことになっていて、帰ったら洗濯しねぇとと渋い顔をする。
「遠くでラッパ鳴らすだけのアレも、いずれは捉えてみせます」
橋の先を凛と見据えたアオイは、一転して笑顔を見せると、美しい青の髪をなびかせながらくるりと踵を返した。
「じゃ、帰りますか♪」
江戸川橋を中心にして繰り広げられた一連の戦いは、復讐者たちの完全勝利で幕を閉じた。
勝ち取った大戦果は、文京区に挑むための、なくてはならない一歩となったのである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV2が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV7になった!