新宿島のクリスマスパーティ

 第一次東京奪還戦に勝利した事で、新宿島の人達は、大きく盛り上がっています。
 そして、クリスマス直前の勝利を讃え、祝う為、盛大なクリスマスパーティを行おうと提案してくれたようです。
 この新宿の人々の心意気に応えようと、時先案内人たちが、様々なクリスマスパーティを企画しているようです。
 様々な趣向をこらしたクリスマスパーティに参加して、素晴らしい聖夜を過ごしてみましょう。

 新宿島の住民達は、時先案内人と共に、ディアボロスを楽しませる為のパーティの準備を手伝ってくれています。
 彼らは自分が楽しむのでは無く、ディアボロスを楽しませる事を希望してくれましたので、彼らの心意気を無駄にしないように、全力で楽しみましょう。

 その上で、新宿島の人達を楽しませる余興をするのも良いかもしれません。

 このシナリオはクリスマスパーティを扱う2章シナリオです。

星灯りを導べに(作者 葛葉涼
7


#最終人類史(新宿島)  #新宿島のクリスマスパーティ  #クリスマス2021 


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●星降る迷宮へ
 壊れた時刻の営みが動き出す──その事実ほど喜ばしい事はないだろう。
 だからこそ新宿島にもたらされた第一次東京奪還戦の勝利に人々は湧き、その熱狂にライラ・スアード(人間の王墓守護者・g03465)は穏やかに微笑んだ。
「第一次東京奪還戦、本当にお疲れ様。みんなの頑張りが勝利を呼んだのね」
 人類史の一歩を喜び噛み締めたい。その想いを込めた催しを行いたいのだとライラは言った。それは新宿島の人々の協力を得たクリスマスイベントだという。
「ビルの屋上をお借りして小さなもみの木で迷路を作ったの。よかったらみんなで挑戦してみない?」
 手作り迷路。その開園時刻は日の沈んだ夜頃からで星形のランプを道しるべに進むものだ。綺麗に飾り付けられたもみの木は大人の胸程で、子供の体躯ならばすっぽり隠れてしまうだろう。ゴールへの道筋は簡単にはわからない様だが、ヒントはクリスマスの妖精が教えてくれるという。
「サンタクロースという存在を手助けしてくれる妖精がいるのは知っているかしら。彼らがこの迷路の途中にいるの」
 言ってライラは悪戯っ子の微笑みを浮かべた。不思議な存在がいる秘密──それは彼らが新宿島で暮らす子供達の扮装だからだ。妖精達は迷路に迷い込んだ者に正しい道筋を示すヒントと甘いお菓子をくれる。
 楽しい迷い路を抜けた後には参加者へ温かな飲み物が振る舞われ、聖夜の遊びを祝福してくれるだろう。夜も深まれば雪が降るかもしれない。
 そんな手作りのクリスマスを過ごしてみたいと続けるとライラは楽しそうに微笑む。

 参加する為の準備は特にないが、他の人の楽しみを奪う行動は行わない様に気をつけたい。特にパラドクスを使用しての攻略は、残留効果もある故に楽しみを減らす場合もあるので控えたいところだ。
「せっかくなら自分の勘に頼るもよし、みんなとサイコロか何かで進む道を決めるもよし。迷うのも結構面白いのよ」
 正しい道を進むだけが楽しみ方ではない。迷って話して、行きつ戻りつしながら進むのは迷路の醍醐味だ。
 そんな楽しい時間をあなたと、そしてその側にいる仲間達と過ごして欲しい。
「ねえ、星を導べに進んでみない?」
 星の様なランプを手に取るとライラは穏やかに微笑みを浮かべた。

●クリスマスメイズ
 赤い帽子を被ると少女の顔はにっこりと微笑む。その頬が仄かに赤く染まる様子を見ると、ライラは両手で子供の肌を包んで、コツンと額を合わせた。
「寒くなくなるおまじない。妖精さんはこれでぽかぽかよ」
「うん、ありがとう!」
 えへへと笑った少女は側にあったクッキーの籠を受け取ると、仲間達の方へと駆けていく。その先にはもみの木を並べたりランプの用意をする人々の姿が見える。
 そろそろ飲み物の準備を始めてもいいだろう。ふと協力を申し出てくれたお店の人がとっておきのクリスマスティーの茶葉を用意してくれた事を思い出して、ライラは思わず笑みを浮かべた。
 大丈夫、私達はまだ喜びを持って進んでいける。
「おねえちゃーん、みんなどこにいたらいいの~?」
「はあい、一緒に行きましょう!」
 聞こえた声に返事をすると、ライラはランプと共に立ち上がる。
 聖夜の迷路はまもなく始まるようだった。



 新宿島で行われるクリスマスパーティーに参加します。
 時先案内人と新宿島の人々が、ディアボロスへの感謝を込めて、いろいろ準備してくれたようですので、思いっきり楽しみましょう。

 開催されるクリスマスパーティーの内容などは、オープニングの情報を確認してください。


特殊ルール この選択肢には、特殊ルールはありません。
👑60 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

葛葉涼
初の戦争、勝利おめでとうございます!
戦勝の喜びをそのままにクリスマスイベントのお誘いです。

●場所
新宿島内のビルの屋上です。
夜景がよく見える場所で、寒さはパラドクスによって軽減操作されています。

●執筆順など
1→2で進みます。

①新宿島のクリスマス
天候は『晴れた夜』です。
迷路のシーンを下記の2パターンで執筆予定です。
行動はひとつに絞る事を強く推奨。分散すると描写が薄くなります。

1、迷路を楽しむ
2、妖精と話す(お菓子をもらう・あげる・交換するなど)

②クリスマス・クライマックス!
天候は『途中から雪』が降ります。
出口からのシーンで迷路の参加者へ温かな飲み物が振舞われる予定です。
迷路の感想など飲食をしながらの歓談ができます。

●アイテム
・ステラ・ランプ
 こぶし大のダ・ヴィンチの星形をした吊り下げランプ。中で明かりが灯ります。

・クッキー:子供達が作った手作りクッキー。
 アイシングされた星やハート型のクッキーがクリスマス仕様で個包装されています。

・クリスマスティー:ノエル
 ベルガモットの香りが付いた爽やかなクリスマスティー。
 しっかりとした味わいで、ストレートとミルク、成人のみ希望でブランデー入りが提供されます。

※シナリオでのアイテム発行はありません。記念のアイテム申請はご自由にどうぞ。

●NPC
ライラ・スアード(人間の王墓守護者・g03465)が同行しております。
お声掛けなど無ければ特に登場しません。

なお、公序良俗に反する行為は反映しません。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
20

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


霧原・瑶蓮
鞠花(g04664)と一緒に迷路に挑戦するぞ。
いいか、この手の迷路で肝心なのはマッピングだ。しっかり記録すれば進むべき道は確実に――っておいおい鞠花待て待て一人で突っ走るんじゃない!?
手帳とペンを取り出したところで駆け出す鞠花を慌てて追いかける。俺の上背なら見失うことがないのは幸いだな。
行き止まりに突っ込んで戻ってきた鞠花を待ち構えて抱き締めて捕まえよう。追いかけっこは終わりだ。
これ以上迷わないように手を繋いで、改めて二人でゆっくり迷路を攻略しよう。このロングマフラーもあれば、もうはぐれる心配もない。
ああ、離さないから覚悟しておくんだぞ?
ほら、約束。
証拠に額にそっと唇を落とす。


白木・鞠花
霧原・瑶蓮さんと参加
迷路!久しぶりですよう♪それじゃ、先手必勝で?
真面目に攻略しようとし始めた瑶蓮さんを置き去りに、迷路へ素早く駆け込んでどんどん進んで行く
次第に追いかけっこの方が迷路攻略より楽しくなってしまって
しかしうっかり行き止まりに入ってしまって戻ろうとしたところに追いつかれ抱き締められる
残念、捕まえられてしまったですねえ…
仕方が無いので繋がれてあげるです
自分の白いロングマフラーを瑶蓮さんの首にも巻いて、手を繋いで歩き出す
これからもちゃんと、捕まえていてくださいね?
額にキスをされて耳まで赤くなりつつ、腕にぎゅ、と抱きついた
ん、頼りにしてるですよ……


●君と
 冬の寒さに頬が赤らむ。指先に息を吐きかけるとくすぐったい熱がじんわりと伝わって白木・鞠花(月夜の白菊・g04664)は堪え切れずに笑い声を漏らした。
「ふふ、迷路! 久しぶりですよう♪」
 目の前に広がるもみの木には多彩なクリスマスオーナメントが飾り付けられ、キラキラと光るイルミネーションと共におすましをして立っている。それが迷路なのだと思えば胸が躍った。そんな鞠花の隣では手帳を手にした霧原・瑶蓮(無銘の拳士・g04575)が。
「いいか、この手の迷路で肝心なのはマッピングだ。しっかり記録すれば進むべき道は確実に――」
「それじゃ、先手必勝で?」
 瑶蓮の言葉を聞かぬまま、鞠花は黒髪を愛らしく揺らして迷路の中へと飛び込んだ。その姿に呆気にとられた瑶蓮だったがすぐにランプを受け取ると少女の後を追い駆けた。
「っておいおい鞠花待て待て一人で突っ走るんじゃない!?」
「こっちです! ふふふ!」
 からかいを残してぴょんと違う道へと入り込めばきっと追い付けない──そんな悪戯を仕掛けた鞠花だったが、瑶蓮の背丈からすれば彼女の姿を見失う事はなく逆にその行く先に安堵する。
「ん、あれ、あれあれ??」
 兎の様に進んだ鞠花だったが、不意に目の前へ現れたもみの木に立ち止まりきょろきょろと周囲を見回した。右左に先への道はなく、あるのは行き止まりを告げる様にちょこんと飾り付けのジンジャーブレットが下がるのみ。
 そう言えばさっき妖精さんが何か声を掛けてくれてた気がする。
 『そっちは行き止まりだよ』という声を聞いた気がして、鞠花は慌てて振り返ると元来た道へと走り出し、不意に何かとぶつかった。
 わっと驚きの声を上げるその前に、ぎゅうと暖かな腕に抱き締められる。
「追いかけっこは終わりだ」
 降った声に瞬きをして顔を上げればそこには瑶蓮の困り顔があった。その様子がなんだか可笑しくて鞠花は思わず笑顔を見せる。
「残念、捕まえられてしまったですねえ」
 そうしてくすくすと笑う彼女の手を取ると、瑶蓮は息を吐いてこれ以上迷わないようにと指を絡めた。その指先は冷えていたが掌は熱を持っていた。
──仕方が無いので繋がれてあげるです。だって。
「少し寒くなってきましたし」
「ん、ああそうだな……」
 そう言った瑶蓮の顔が鞠花の方へ向くと、えいっと白いマフラーが彼の首へ巻かれる。その片割れは鞠花の首元へ繋がり、これでもうはぐれないと自信の言葉と共に悪戯っ子の微笑みが見えた。
「これからもちゃんと、捕まえていてくださいね?」
「ああ、離さないから覚悟しておくんだぞ?」
──ほら、約束。
 言葉の後で瑶蓮の手が鞠花の前髪を掻き分ける。揺れた指は温く、けれどもその仕草は心地よい。そうして額に落ちた口付けに鞠花の頬は熱を持つ。
 寒さを溶かす唇。その温かさがくすぐったくて、鞠花は瑶蓮の腕に抱き付く。
「ん、頼りにしてるですよ……」
 聖夜の迷路を進みながらほろりと言葉を零した言葉は幸せの響きを持っていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

桜・姫恋
絡み・アドリブ歓迎

迷路か……ちゃんとやったことないかも?

【迷路を楽しむ】
少し迷いながらも迷路を楽しみます。
幻想的な雰囲気を楽しみながらゆっくりとゴールを目指しながら歩いていく。
「星が導べなんてとても素敵ね。用意するのも大変だったんじゃないかしら?」

「この星のランプも素敵ね……さて、そんなこと考えてたら迷ったみたいね」

「ルナ、ゴールわかる?わかるようなら道案内お願い」と相棒のスフィンクスルナにお願いしゴールを目指す。


●迷い星
 煌めく光と柔らかな影の間でランプの輝きが揺れていた。
 分かれた星の影法師が揺れる中を見回して、桜・姫恋(苺姫・g03043)は思わず笑みを零した。
「星が導べなんてとても素敵ね。用意するのも大変だったんじゃないかしら?」
 丁寧に作られたランプはどれも素朴でだからこそ素晴らしい。姫恋がそのひとつに見惚れていると不意に足元へ柔らかな感触がまとわりついた。見れば友のスフィンクスであるルナが薄苺色の毛を揺らして待っている。
「ルナ、ゴールわかる? わかるようなら道案内お願い」
 そんな姫恋の言葉にスフィンクスはその場でくるりと一回りしてもみの木の迷路を進み出した。一匹の導きに付いていく為にランプを掲げれば、また足元に星の残像が散らばった。
「この星のランプも素敵ね……」
 中に蝋燭が入っているものを選んだのだが、その揺らぎが柔らかに複影を落としている。照らす輝きはもみの木の飾りに金色を加えてより一層クリスマスらしさを見せていた。
 木に飾られているのはキャンディケイン、金銀のリボン、クリスマスカラーのオーナメントと多彩で、いずれも丁寧に飾られている。その中で姫恋は不格好なものを見付けてランプの灯りを近づけた。
 それは折り紙で折られた星だった。恐らく子供達が金の折り紙で作ったのだろう。きらりと輝く様子に暖かい心地を覚えると、姫恋はようしと迷路を振り返り、ふとこれまでの道筋に見覚えがないと気が付いた。どうやら迷ってしまったらしい。
「まあ、急ぐ旅じゃなし、か」
 星を揺らして歩き出せば、新しく現れた道の端に妖精らしい影が見えた。その姿が振り返ると姫恋に手を振りながら声を上げた。
「メリークリスマス! 迷子さんは僕達を頼って!」
 懸命に手を振る妖精の子供達は楽しそうに笑っていた。
 こんな素敵な思い出を未来ある彼らにもどんどん作って行ってほしい。
 だからこそ私達ディアボロスが頑張らなきゃ。
「行こうか、ルナ」
 頼もしい妖精さんにゴールを尋ねてみよう。相棒に声を掛けると頷く様にその身がくるりとその場で円を描く。その仕草がなんだか可笑しくて。
 姫恋は星の導きを手に微笑むと賑やかに呼ぶ妖精に向かって『はあい』と返事をした。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

姫乃・葵
迷路で遊びたいな!
お星さまのランプ、とってもキレイで可愛いね
これだけでなんだかワクワクしちゃうな

おうちで作って来たお菓子持って入るね
今日は僕もサンタさん!

迷子になるのも楽しいから、自分の勘(当てにならない)で進みながら、妖精さん探すね
見つけたらお菓子もらって笑顔でありがとうを伝えて
僕からもあげるね
めりーくりしゅ…くりすます♪

お菓子は貰う人もあげる人も
食べる人も見る人もみーんな幸せにしてくれるんだよ
ふしぎだよね、まほうみたい
それでね、サンタさんもトナカイさんとお空飛んで
いい子にしてたらプレゼントくれるまほうつかいさん
クリスマスはまほうがいっぱい
だから、僕からもまほうのお返し
いっぱい食べてね!


●まほうつかい
 輝く光の道を望めば胸の高鳴りがひとつ大きくなった。
 わくわくするのは今日が特別な日だからだ。
 星の導べを手にした姫乃・葵(青の純真・g01627)は、煌めく道を躍る足取りで進んでいく。あちらかこちらかと迷う様は迷子らしく見えたがその口元は楽しそうに微笑んでいた。
「ふふ、いいなあ。とってもキレイで可愛い」
 ふわりと振れば輝きが散る。ランプの灯りは星々の影を作り葵の道行きを楽し気に照らしている。ゴールに続く道を探すよりもこうしてふらりと迷い遊ぶのは葵の中で小さな目的があったからだ。そのお目当てをきょろりと探しながらひとつの角を曲がったところでその碧眼がぱちくりと瞬きした。
「いたいた。妖精さーん!」
 葵が声を掛けたのは手作りの妖精衣装に身を包んだ少女達だ。聞こえたクリスマスを祝う声に答えると、葵は少女達の前で手元を探った。ぱちくりと瞬きを繰り返す彼女達に手を出す様に促して葵はさっそく『魔法』を乗せる。
「めりーくりしゅ……くりすます♪ 僕からもあげるね」
「わあっ、ありがとう!」
 ちょっと呪文を唱え間違えながらも乗せられたのはデコレーションされた小さなアイシングクッキーだった。少女達はぱっと花が咲いた様に明るい顔をすると嬉しそうに甘い星を眺めて頬を染める。その眩しい仕草に葵は胸が暖かくなるのを覚えた。
(「やっぱりふしぎだよね、まほうみたい」)
 お菓子はみんなを幸せにしてくれる。もちろんお菓子だけでなく誰かに何かを送るという事は微笑みを生む魔法だ。特にクリスマスは『魔法』で溢れている。その一番の使い手はトナカイに乗ったサンタクロース──いい子にしていたらプレゼントをくれる魔法使いだ。
 そんな事を考えていると不意に葵の手へ二つの温もりが触れた。その熱に驚いて顔を上げれば少女達が眩しい笑顔で微笑んでいる。
「サンタさん、あっちの子にも渡して!」
 言ってそのまま引っ張ると少女達は迷路を進んでいく。
 ──ああ、まほうのお返しをしたつもりが僕もまほうつかいになれたみたい。
 穏やかな思いが湧き上がると葵の頬にほんのりと赤い紅が上った。嬉しい時には笑って、楽しい時には素直に幸せであればいい。零れる星の光や笑い声と共に進めば、賑やかな聖夜の夜がゆっくりと更けていく。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!

陳・桂菓
ふむ。気性は猪突であると自負している。
簡素なものであれ、こういった頭を使う遊びは得意ではないのだよな。
というわけで、お菓子とお茶を楽しむ方向に絞るとしよう。

ブランデー入りのお茶があるとはありがたい。や、酒気はわずかでいいのだ。だらしなく酔っ払いたいわけではないからな。にゅふふ。
お茶請けにはクッキーか。クリスマスのクッキーには生姜が入っている場合が多いらしいな。これも、体を温めてくれる効果があるのだよな。
んむ、寒空の下だがちっとも辛くないぞ。

さて、もらいっぱなしでは気が済まないので、こちらからも菓子を提供する。
地元で食べていた、きな粉餅に黒蜜を掛けたもの。粉でむせないよう、注意して食べるのだぞ。


●星の後に
 賑わいはもみの木の森から出口の庭先へと場所を移していた。
 参加者が甘い物を手に笑い合う時間はともすれば夢の様で、その輪の様子を眺めると陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は小さく息を吐いた。
 ふわりと飛び出た白い息は寒空を上っていく。彼女の頬が仄かに赤いのはその手に持つクリスマスティーのせいだ。
(「簡素なものであれ、こういった頭を使う遊びは得意ではないのだよな」)
 気性は猪突であると自負している以上は今回の迷路も不向きかと迷ったものだ。故に口にした遊び後の甘露、もとい褒美の様な茶の味は桂菓の口元を緩ませた。立ち昇るのはベルガモットが持つ柑橘と足されたブランデーの仄かなアルコール──。
 酒気はわずかでいいのだ、とは大人の言。にゅふふ、と笑いながらくるりとコップの茶を回せば綺麗な色味が見える。
 その視界に白い結晶が映った。
「わあ! 雪だ!」
 子供らの声に空を望めば、白くふわふわと揺れる雪が見えた。それは風に散らされる事も無くゆっくりと降り注いでいく。懸命に雪を掴もうとして妖精に扮した子供達は手を伸ばし楽しそうな歓声を上げた。
「こけないようにな!」
 心配の声を掛けると、桂菓は手にしていたお茶請けのクッキーをひとつ手に取った。摘み上げた星型のクッキーには砂糖で愛らしい絵が描かれ、ひと口齧ればほんのりと生姜の味がする。その効能が体を温めてくれるものだと思い当たると冬を乗り越えるクリスマスの知恵なのだろうなと気が付いた。
 身体を労わるおもてなし達に桂菓は改めて頷くと寒空の下で得る暖かさとはこうも愛しいものだったと思い出した。
「さて、もらいっぱなしでは気が済まないか……おおい、こちらにも菓子があるぞ」
 掛け声で寄って来た子供達へかつて自身が食していた郷里の菓子を手渡せば、物珍しそうに眺めてひと口頬張るのが見えた。その口元にきな粉と黒蜜が付いて思わず笑みが零れる。
「ははっ、粉でむせないよう、注意して食べるのだぞ」
 口元の汚れを拭ってやれば、子供達の素直な返事が返ってくる。
「おねえちゃん、甘くておいしいね。クリスマスって楽しい!」
 拭き終えた後で子供はにっこりと笑ってもう一度お菓子を口にする。その頬張る頬にそっと雪が付いて溶けた。
 やがて催しの終了を告げる声が聞こえると桂菓は空を見上げる。彼女の紫眼に雪は静かに揺れながら映り、クリスマスの幸せを祝福している様だった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年12月29日