🍁最終人類史の秋祭り2026

 最終人類史の秋祭りを楽しみます。
 攻略旅団の提案により、今年の秋祭りはフランスのオルレアンや世界各地の沿岸地域など、『刻逆』決戦で被害を受けた地域の慰問も兼ねて行われます。
 決戦での被害は最小限で抑えられていますが、ディアボロスが世界の人々を尊重し、共に秋祭りを楽しむ事で、ディアボロスと人々の未来に影響を与えることもあるかもしれません。
 秋祭りの詳細は、オープニングやリプレイを確認してください。

※最終人類史ですので、残留効果は全て(プレイング時点で発生していないものも含め)効果LV10で使用できます。

秋に蛍恋(作者 水上ケイ)
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#🍁秋祭り2026


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「そろそろ、秋祭りの季節ですね」
 刻逆決戦に突き進み、戦いにあけくれたアツい夏は去りゆく。
 今日の古宮・泉美(MOMO・g03355)はサーヴァントのモモを連れて、涼し気な浴衣姿である。近くにはロバート・ホーキンス(人間のギャングスタ・g11688)も手持無沙汰にぶらぶらしていた。
 泉美の話は続く。
「『刻逆』決戦で被害を受けた地域をはじめ、ディアボロスに来て欲しいという要望が各地から届いているようです。
 既に【修復加速】などもあって被害の修復は済み、各地の住民の『帰還』も進んでいます。
 世界の全てが奪還されたことを祝し、各地の秋祭りも華やかになるでしょう。
 あ、浴衣コンテストで新たに仕立てた浴衣で楽しむのも素敵ですよね」

 続いて泉美は自分が案内する秋祭りについて、詳細を話した。
「……とはいったものの、私がお誘いするのはとても小さな秋の催しです。今回は、静かな国境の島からご招待を頂いています。
 ここではかつてはアルタン・ウルクや冥海機、天正大戦国が入り乱れて領土争いをしていたこともありましたね……今は皆さんの活躍であるべき姿に戻っています」
 長崎県の対馬には、秋に飛ぶ蛍があるという。川辺に見られる蛍とは違い、陸棲のものらしい。
 この蛍火は瞬かず、闇に細い光のラインを描くように飛ぶらしい。
「日没後、海を眺める岬をめぐる遊歩道を歩き、珍しい秋のホタルを楽しみませんか?」
 秋祭りということで、遊歩道の出発地点には簡単な飲み物やかき氷、ちょっとした食べ物などの露店を地元の皆さんが準備してくれるらしいが、あとは自然の中で静かに秋を楽しむことになる。
「このお誘いは、好きな人や気の合う人と、のんびりしたい方向けです。岬の遊歩道からは、海や小径の周囲の草むらを背景に飛ぶ蛍の光が幻想的に見えるそうです」

「戦いは終わり、しばらくはディアボロスの出番は来ないはずです。人々と共に、秋を楽しみましょう」
 ぜひぜひご一緒に、と泉美は皆を誘った。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

水上ケイ
 こんにちは、水上ケイです。
 こちらは秋祭りシナリオです。詳細はオープニングをご覧ください。

●このシナリオでできること
 岬の遊歩道を歩いて静かに蛍を楽しんだり、あるいは思い出などを語り合うのもいいでしょう。
 天気は晴れ、月や星も見えると思います。(このシーンでは、むやみに騒がしいのはお勧めしません)
 また、飲み物や食べ物を売る一般的な屋台も幾つかあるようです。ラムネとかリンゴ飴とか?

●執筆は9月30日(水)頃から開始する予定です。
 このシナリオでは、1グループは3名様くらいまででお願いできればと思います。また、ソロ参加も歓迎します。
 だいたい10名様くらいまで、書かせていただければなと思っています。
 進行について連絡がある場合は、マスターページでお知らせします。ご確認頂ければ幸いです。

●浴衣
 浴衣の描写をご希望の場合、プレイングにお書きください。

●NPC
 モモを連れた古宮・泉美(MOMO・g03355)とロバート・ホーキンス(人間のギャングスタ・g11688)が参加しています。
 何かありましたら、お気軽にお声掛けください。

 それでは、ご参加お待ちしています♪
 
 
39

このシナリオは完結しました。

❓

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ゼキ・レヴニ
ジズ(g02140)と
路考茶色に煙の柄の浴衣

秋の夕陽と、その茜色を浴びた横顔を目に焼き付けて
ジズの手を軽く握り、歩調を合わせ
暮れていく岬の遊歩道を歩く
楽しみだなァ、と微笑んで

草むらの中にぽつぽつと蛍の光が灯り始めたなら
感嘆の声を上げるのを抑え、ホラあそこだ、と指をさして
蛍を驚かせんよう、闇に描かれる光の線を静かに眺める
多くの言葉よりも満ち足りた静寂が
やっと平和が訪れたという実感を連れてくる

思い出すのは激しい戦いの数々
そしてジズと共に歩み、絆を育んだ日々
戦いの恐怖も、怒りも痛みも、全てここに続いていたなら悪くないと思える
砂漠に蛍は居ないという。己もドイツにいた頃は、蛍を見に行く発想などなかったろう
生き延びた事を悔やんだ事もあった。だが今は…
生きてる、という言葉がじんわりと胸にしみる

指でなぞられたことは気づかないまま
握られた手を軽く握り帰す
力加減だってもう慣れたものだ
人の膚ほど感覚のない筈のサイボーグの手に、温もりを感じながら

…ああ。幸せだな
これからの日々でもきっと何度も、同じ言葉を口にする


ジズ・ユルドゥルム
ゼキ(g04279)と
深緑にクチナシの花模様の浴衣で

夕焼けが海に沈むのを見届けたあと、ゼキの手をとって、岬の遊歩道へ誘う
一度、蛍を見てみたかったんだ。

宵闇に蛍の光を探しながら
指差す先に黄緑色の光を見つけ、わっ、と感嘆の声を上げかけて口を押さえる
すごい…ほんとに光るのか
…きれいだ…。

聞こえるのは潮騒と虫の声だけ
最終決戦後のどこか浮ついた心を、静謐な景色が鎮めてくれる

復讐者になる前からずっと、戦いの日々を送ってきた
それら全てが無かったことになろうとした最後の戦いも、私達は生き延びた

繋いだゼキの金属の手を、その膚に人のような感覚がないのを分かった上で、こっそりと指でなぞり、握り直す
無骨で滑らかな表面に触れ、
ああ、ゼキの手だ、と
伴に生きたい人が隣にいてくれる実感が、ふいに湧いてくる
…生きてるんだな。私も、ゼキも…。

手に重なる、愛しい鋼の冷気
握り返してくれる感触
蛍の綺麗な光を、一緒に見られたこと
全てがあたたかく胸に染みてくる

ゼキに寄り添い
胸を満たした気持ちが溢れるように、ぽつりと呟く

……幸せだな。


●蛍招く宵
 朝鮮海峡に陽が落ちる。
 その夜、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)とゼキ・レヴニ(Re-Lighter・g04279)は海のほとりに立って落ちていく夕陽を見ていた。
 秋の風がゼキの路考茶色のすそを揺らすと煙模様がふわりと流れる。彼は少々乱れた髪も気にせず、傍らの美人さんを気にかけているようだった。
 ジズは、横顔を茜色に染めて広大なる夕焼けに見惚れていた。身に纏う深緑の浴衣にクチナシの花が咲いて、滑らかな肌にもオレンジの夕光が照る。
「きれいだな……」
「ああ」
 ゼキは鮮やかなジズの横顔を目に焼き付けながら……もちろん夕陽も見た。
 ジズがくるりと見上げる。
「……陽もほとんど落ちたし、そろそろいこうか」
 秋の日はつるべ落としに沈むというが、夕べの空は複雑なグラデーション浮かべながら藍色へと変化していく。
 ジズはゼキの手をとって岬への道へと誘い、降りてくる夕闇の中を二人は歩きだす。
「一度、蛍を見てみたかったんだ」
 ゼキはとられた手を軽く握るとジズの歩調に合わせて歩いた。
「ああ、楽しみだなァ」
 歩調も、そう返事をしたゼキの微笑も、何もかも穏やかな宵だった。
 二人は安穏と蛍を探して歩き……やがて。
「おー、おおぅ」
 ゼキが抑えた声を出した。
「なんだ? ゼキ?」
 ジズの声もひそやかだが、滲む期待は隠し切れるものではない。
「ホラ、あそこだ」
 ゼキの指さす先をみつめ……黄緑色の光をジズも見た。
「わっ」と感嘆の声をあげそうになった口もとを押え、ため息を漏らす。
「すごい……ほんとに光るのか。……きれいだ……」
「……ああ」
 それからしばらく、闇に、ほとりほとりと光の線が描かれるのを、二人静かに見ていた。
 涼やかな夕べ、手をつないで立ち尽くす。
 潮騒と虫の声が柔らかく耳に届いた。
「静かだな」
「……ああ」
 蛍は無心に闇を細く照らし続けた。
 誰に邪魔されることもなく、平和な刻が過ぎていく。
 ジズはこの静謐な景色が、最終決戦後のどこか浮ついた心を鎮めてくれる様な気がしていた。
 そして隣りでゼキも同じように感じていた。
 似た者どうしということか。
 あるいは念でも通っていたか。
――多くの言葉よりも満ち足りた静寂が、やっと平和が訪れたという実感を連れてくる。
 そんなことを考えながら、ゼキはふと口にした。
「ここまで、たくさん戦ったな」
「ああ。復讐者になる前からずっと戦いの日々を送ってきた」
「激しい戦いばかり思い出すな。……けどおれは、ジズと一緒の日々も覚えているぞ」
 二人共に歩み、絆を育んだ日々。
 そんな過去を思う時、ゼキのまなざしは知らず優しくなる。
「戦いの恐怖も、怒りも痛みも、全てここに続いていたなら悪くなかったのかもな」
「そう……か」
「……多分、な」
 砂漠に蛍はいないというし、自分もドイツにいた頃は、蛍を見に行く発想などなかったろうと、ゼキは思った。
 そんな人の思いなど知らずに、蛍がポオとこの世を照らす。
「生き延びた事を悔やんだ事もあったけどな。今は……」
 生きてる、という言葉がじんわりと胸にしみる。
「ああ。全てが無かったことになろうとした最後の戦いも、私達は生き延びたんだよ」
 ジズは、繋いだゼキの金属の手をこっそりと指でなぞり、握りなおした。サイボーグのゼキは膚に人のような感覚がないのは知っているが。
 その表面は無骨で滑らかで、ジズにとってはとても大切なものだ。
「ああ、ゼキの手だ」と、しみじみ思う。
 伴に生きたい人が隣にいてくれる実感が、ふいに湧いてくる。
 その心を見透かされたように、軽く握り返されて、ジズは目をあげる。
 視線は……出会って。
 ゼキは手慣れた力加減でジズの手を包み込みながら、不思議に温もりを感じていた。サイボーグってのは人の膚ほど感覚はないはずだが……。
 その時、ジズが小さく呟いた。
「……生きてるんだな。私も、ゼキも……」
 手に重なる鋼の冷気が、握り返してくれる感触がジズにはただ愛おしかった。
 彼と共に見る蛍の織りなす光は美しく、その全てがジズの胸を暖めた。
 ジズはゼキに寄り添い、溢れてくる心をぽつりとこぼす。
「……幸せだな」
「……ああ。幸せだな」

 けれども、今日で終わりじゃない。
 おれ達は。
 ――これからの日々でもきっと何度も、同じ言葉を口にする。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
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【怪力無双】LV1が発生!
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【先行率アップ】LV1が発生!

一騎塚・喜一
フウガさん(g06359)と一緒に

古宮さんモモさん、こんばんは
今年も風情ある素敵な秋祭りの夜を楽しんでまいりましょう

夜道をゆっくり散策しながら蛍が見えるまでは美しい月や星を眺めつつ
月明かりに照らされた隣のフウガさんにも見とれつつ
虫の音を掻き消さぬよう静かな声で話します

秋蛍は私がまだ小さい頃に何度か両親と一緒に見に行ったものです
新宿島に来てからは、キングアーサーで一度だけ蛍を見ることが出来ました
……あの時は一人ぼっちで、寂しくなって思わず泣いてしまったんです
だから今こうしてフウガさんと二人で蛍を見られて、凄く嬉しいんです
私にとって蛍は家族との大切な思い出でしたから
この美しい光景が悲しい思い出として上書きされたままでは蛍にも申し訳ないですもんね

ありがとうございます
フウガさんが傍に居てくれたら寂しくて泣く機会はなくなりそうですが
嬉しくて泣くことが増えてしまいそうです

また来年も二人でこうして秋を楽しみましょう
思い出をたくさん作っていきましょう


フウガ・ミヤビ
喜一君(g04498)と参加。


泉美さんは今年も素敵なお誘いをありがとうございます。
喜一君と楽しく散策してきますね。


蛍の光を楽しむなら、強い光源は使えませんね。
足元に気をつけて行きましょう。
良かったら手を繋いでいきませんか?

下駄の音と虫の音を楽しみながら寄り添って遊歩道を歩き、秋蛍を見付けたら足を止めて。

綺麗な光ですね……。
初夏の水辺で蛍を見たことは有りますが、秋蛍は初めてです。

ふふ、これからは喜一君が一人で泣かない様に、何時でも傍に居ますよ。
嬉し泣きでも、涙を拭える距離に居るので安心して下さい。

来年も、再来年も……
秋だけじゃなくて、これからの四季を共に楽しみましょう。


●風雅な喜び
 日がとっぷり暮れて、澄んだ秋の夜に祭の灯りが優しく人々を招く。
 一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)とフウガ・ミヤビ(風来楽師・g06359)は、涼しい風を楽しみながら、屋台の並ぶ小さな広場を並んで歩いていた。
 ここから、蛍が飛ぶという遊歩道を目指すのだ。
 ここには一般の人たちも集まっていて、地元の有志達が声をかけてくるのに、ディアボロスとして滞りなく対応したりもした。
 そんな道すがら、露店のひとつに見知った顔を見つけて、二人は挨拶した。
「古宮さん、モモさん、こんばんは」
「あっ。喜一さんにフウガさん!」
「今年も素敵なお誘いをありがとうございます。喜一君と楽しく散策してきますね」
「いってらっしゃ~い」
 リンゴ飴を振る泉美に見送られ、二人は静かな岬の小道へと進んで行く……。
 
 遊歩道をたどっていくと広場の灯りはすぐに見えなくなった。
 他人の気配が消えると、涼やかな大気に虫の声が滲み、宵闇が二人を包む。
 闇に紛れるようにフウガがひそやかな声で話した。
「蛍の光を楽しむなら、強い光源は使えませんね。足元に気をつけて行きましょう」
「……はい」
 喜一は月明かりに照らされた隣のフウガに見とれている。
「良かったら手を繋いでいきませんか? 」
「あ。もちろん……もちろんです」
 すべすべと暖かい手。耳元でゆれる四つ葉のクローバー。
 色々なことに胸を詰まらせながら、喜一は虫の声をかき消さないように静かに話す。
「今夜は月も星もきれいですね」
 フウガさんも、という本音は呑み込んで胸にしまった。
 虫の音が大きくなって二人の間の、ほんの少しの静寂を満たす。
「……ええ。佳い夜です」
 手をつないでそぞろ歩く二人の下駄の音がのんびりとリズムを刻み……そして、ある場所で止まった。
 光が動いたのだ。
「あれ。蛍ですね……」
 喜一がそうっと呟く。
 初夏の蛍とは少し趣が違う、揺らがない光だ。
 フウガも蛍を見つめる。
「綺麗な光ですね……。初夏の水辺で蛍を見たことは有りますが、秋蛍は初めてです」
 その間にも暗闇の中をつう、と光が飛んだ。
 立ち止まる二人の周囲に、燐光のような光がひとつ、またひとつと現れた。
 秋蛍が織りなす、それは光の綾。
 喜一には、その光景は遠い思い出を呼び起こすものだった。
「秋蛍は私がまだ小さい頃に何度か両親と一緒に見に行ったものです」
 喜一がぽつりと話し始める。
 フウガは口を挟まず、ただ彼の手を握ったまま隣りにいた。
「新宿島に来てからは、キングアーサーで一度だけ蛍を見ることが出来ました……あの時は一人ぼっちで、寂しくなって思わず泣いてしまったんです」
 喜一は言葉をきるとフウガを見つめ、ニッコリ微笑んだ。
 哀しい話をしたいんじゃない、今はもう泣いてない。
「だから今こうしてフウガさんと二人で蛍を見られて、凄く嬉しいんです。
 私にとって蛍は家族との大切な思い出でしたから……。
 この美しい光景が悲しい思い出として上書きされたままでは、蛍にも申し訳ないですもんね」
 秋蛍が光の軌跡を描いて飛ぶ。
 フウガは繋いだ手を少しだけキュッとして。
 暖かな笑顔を返した。
「ふふ、これからは喜一君が一人で泣かない様に、何時でも傍に居ますよ」
「ありがとうございます」
 喜一は少しおどけて続ける……いやそれは本音だったけど。
「フウガさんが傍に居てくれたら寂しくて泣く機会はなくなりそうですが、嬉しくて泣くことが増えてしまいそうです」
 そしてフウガはどこまでも優しかった。
「嬉し泣きでも、涙を拭える距離に居るので安心して下さい」
 はい、と頷く喜一はさっそく涙をこぼしそうに見えたが、その場合はもちろん嬉し泣きだろう。
 結果、二人の気配はとても近くなる……。

「また来年も二人でこうして秋を楽しみましょう。思い出をたくさん作っていきましょう」
 喜一は言った。 
 ゆるく涼しい風が潮の気配を運び、蛍は飽きず光絵を描いて飛んでいた。
 フウガもうなずく。
「来年も、再来年も……。秋だけじゃなくて、これからの四季を共に楽しみましょう。」
「ええ。そうですね!」

 秋蛍の記憶は今夜、二人のものとして記された。
 これから新たな二人の思い出が年月とともに降り積もっていくといい……。
 
 繋いだ手からじんわり伝わる暖かさを感じながら、二人は秋の宵を楽しむように再び歩きはじめるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

レジーナ・ネイサン
【彩縁筆】
白黒の片身代わりの浴衣を来て

夜の海、詩的な事いうじゃないか
夜の海は私も好きだよ
晴天の青海もいいけれど
底知れない黒々とした色もいいよね
浴衣?そうかな
柄にもなくくるりとまわってみせてから
ハイハイ、そう言う今日のギィースの浴衣は落ち着いた色合いだね
この海みたいな色だ、似合ってる

ギィースの上着なんだから自分で着ててもいいのに
でもありがとう、あったかいや
代わりにトトとブラシはギィースにくっついててあげな
ふわもこでしょ

昏い夜にスッと線を描いたような…これが蛍なんだ
ひとつ気づくと数多の光が解るようになる
凄い数だ!綺麗な緑色だね
緑色は赤と同じく一等好きだよ
ギィースの色だから
あ、こらブラシ!蛍たちは生きてるんだから邪魔しないの
この光って連れ合いを探す為なんでしょ
ブラシもトトも、ふたりで追いかけっこしてな

え、どこ?髪?
ふふん中々お目が高い
ギィースは蛍に妬かないの
…今度はギィースの指から離れていかないね

フッと指先に息をふきかけ
その人は売約済
ほら、本当の相手を探しに行きな
ふーん
そういう事にしておこうか


ギィース・エレクレ
【彩縁筆】 
シンプルな黒い浴衣に上着を羽織った浴衣姿

夜の海って静かで何処となく吸い込まれそうになるけど
俺は結構好きかな?レジーナちゃんはどう?
詩に例えるなんてレジーナちゃんらしいな
俺は君が描いたキャンパスに見えるよ
ふふっ、今日のレジーナちゃんの浴衣姿とっても可愛いい!
うんうん、見せびらかしたいけど見せたくない!
俺似合ってる?ありがとう!

そっと自分の上着を彼女にかけて
秋の夜の海は肌寒いから風邪ひかないように
ブラシちゃんとトトも…大丈夫そう?
俺は大丈夫だけど
頬にくっついて、確かにふわもこで暖かい
二人ともありがとう

秋に蛍って珍しいね!綺麗な色の道だ
わぁ!俺色で好き?嬉しいな!俺もレジーナちゃんのグレーや瞳色大好き!

ブラシちゃんもトトも捕まえようとするけど向こうが速いみたい!

あっ!レジーナちゃんの頭に蛍が
髪飾りみたいで綺麗だ
でも俺以外にレジーナちゃんに近づくなんて悪い虫だ!
指を近づけて、蛍を指に乗せ

彼女は俺のだから返してね
ふふっ蛍逃げちゃた
彼女の手を握り
俺の手はレジーナちゃんの手を握る為にあるよ


●彩縁筆
 レジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)とギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)は、海の気配を楽しみながら歩いていた。
 夜に紛れて、モノクロームの浴衣姿の二人は溶け合う影のようにも見える。
 岬の先には黒々とした夜の海。潮騒を運ぶ秋の風がゆるくレジーナの灰色の髪をゆすって通り過ぎる。
 そぞろ歩きの足をとめて、ギィースが言った。
「夜の海って静かで何処となく吸い込まれそうになるけど、俺は結構好きかな?
 レジーナちゃんはどう?」
「詩的な事いうじゃないか」
 彼を見上げて、それから暗い海に視線を向けて、レジーナは言葉を紡ぐ。
「夜の海は私も好きだよ。晴天の青海もいいけれど、底知れない黒々とした色もいいよね」
「その詩のような例えレジーナちゃんらしいな。俺は君が描いたキャンパスに見えるよ」
 そんなことを言いつつ、ギィースはしげしげと浴衣のレジーナを眺めていた。
「ふふっ、今日のレジーナちゃんの浴衣姿とっても可愛いい!」
 そうかな、と白黒の片身代わりの浴衣でレジーナはくるりと回ってみせる。
 いつもはこんなことしないけど……二人だけの夜の海辺だから。
「うんうん、見せびらかしたいけど見せたくない!」
「ハイハイ、そう言う今日のギィースの浴衣は落ち着いた色合いだね。この海みたいな色だ、似合ってる」
「俺似合ってる? ありがとう!」
 赤髪の彼氏はシンプルな黒い浴衣で粋に微笑み、羽織っていた上着を脱いでそっとレジーナにかけた。
「秋の夜の海は肌寒いから、風邪ひかないようにね」
「あ、でもギィースの上着なんだから……」
 言いかけて緑色の目に出逢って、それだけで説得されてしまう夜。
「……でもありがとう。あったかいや」
 ほんわり残る彼の体温に包まれながら、レジーナは代わりを送った。
「代わりにトトとブラシはギィースにくっついててあげな。ふわもこでしょ」
「ブラシちゃんとトトは寒くない……って大丈夫そう?」
 サーヴァント達は確かにふわもこで、暖かくてくすぐったかった。
「二人ともありがとう」
 ギィースは目を細めて礼を言ったが、その視線の先ですうっと光が飛んだ。
「あっ。これが秋の蛍か。珍しいねえ、綺麗な色の道だ」
「昏い夜にスッと線を描いたような……これが蛍なんだ」
 ひとつ気づくと数多の光がわかるようになるのかもしれない。それとも蛍が集ってくれたのか……。
 レジーナは奥深い黒を背景に光が飛ぶのを、刹那言葉をなくして見つめた。
「凄い数だ! 綺麗な緑色だね」
 優しい緑の光は、誰かの瞳を思わせる。
「緑色は赤と同じく一等好きだよ、ギィースの色だから」
 ギィースはおどけたように反応する。
「わぁ! 俺色で好き? 嬉しいな! 俺もレジーナちゃんのグレーや瞳色大好き!」
 ふふと微笑み、言葉を継ごうとしたレジーナだが、別のことを口走った。
「あ、こらブラシ! 蛍たちは生きてるんだから邪魔しないの」
 ブラシとトトが光を追いかけようとしたのだ。
「ハハ。向こうが速いみたい!」
「この光って連れ合いを探す為なんでしょ。ブラシもトトも、ふたりで追いかけっこしてな」
 サーヴァント達はレジーナの声に従って遊び始め、ギィースは新たな蛍火をみつける。
「あっ! レジーナちゃんの頭に蛍が。髪飾りみたいで綺麗だ」
「え、どこ? 髪?」
「でも俺以外にレジーナちゃんに近づくなんて悪い虫だ!」
「……ふふん。中々お目が高い」
 いつしか緑色の光は二人を取り巻くように飛び、彼の指が髪に触れるのを、レジーナは感じた。
「彼女は俺のだから返してね」
 ギィースは見事に蛍を捕まえて指にのせている。
「 ギィースは蛍に妬かないの ……今度はギィースの指から離れていかないね」
 だから、今度はレジーナがフッと小さな生き物に息をふきかけて囁いた。
「その人は売約済。ほら、本当の相手を探しに行きな」
「あ……ふふっ。蛍逃げちゃった」
 蛍は再び宵闇に溶けて、仲間と共に光の一部になり、ギィースはレジーナの手をとる。
「俺の手はレジーナちゃんの手を握る為にあるよ」
「ふーん。そういう事にしておこうか」
 二人は互いの手のぬくみを感じながら、静かに深くなっていく夜の中を再び歩き始めた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

イツカ・ユメ
夫の古安くん(g02347)と、お揃いの浴衣で夫婦デートなのよ。

少し前までは、静かに蛍を眺めたりする余裕も無いくらい慌ただしかったからね。
大きな戦いも終わったことだし、のんびりと羽を伸ばしましょ♪

去年浴衣を仕立てた時にはなかった、左手の薬指の指輪が目に入る度に顔が緩みそうになるのを堪えつつ。
屋台グルメを楽しむのも、お祭り!って感じがするよね。
わたし、たこ焼き食べたーい!冷たいラムネも飲みたーい!
焼きそばはあとで一口欲しいなぁ。

わたしも蛍は水辺の印象が強かったから、今の時期の陸の蛍は不思議な感じ。
へぇ、蛍が光るのは求愛……なるほど。
わたしもいっぱいおしゃれして、爪の先までキラキラにして、古安くんにアピールしていたから。
蛍も好きなひとにキラキラの自分をアピールしているのかもね。
…蛍達が求愛しに来ないように古安くんにはわたしがいることもしっかりアピールしておくよ!むんっ!(妻オーラを出しているつもり)



今夜結ばれた蛍達も、その子孫達も仲良く暮らしていける自然と平和を、これからも守っていきたいね。


九重・古安
パートナーで妻のイツカ(g02834)と、去年お揃いで仕立ててもらった浴衣で参加を。

楽しく盛り上がる祭りも良いが、こうして静かにしんみりと楽しむ祭りもまた良し。
大切な相手と二人でというのであればなおさらだ。

……しかしこの時期にホタルか。それも川ではなく陸に住むホタルと。
やはりホタルと言うと川の生き物というイメージがあるから随分と珍しく感じるな。
食べ歩き用に屋台で何か軽めのもの……たこ焼きや焼きそばなど買い求めてから遊歩道へ向かおう。

こうしてみると本当に静かで柔らかい光だ。
ホタルが光るのは求愛のためだというが……なるほど、確かにイツカはその辺りのお手入れをしっかりしていたからな。
さ、流石に俺を相手に求愛はしないだろうし、むしろキラキラしているイツカの方に寄ってくるのではないか?

こうしてホタルが暮らしているというのは復興の一つの目安にもなるし、これからもこの景色が毎年続いていくと良いのだが。
既に結ばれている側としてもホタルたちが無事に伴侶を得られるよう応援しよう。


●夫婦蛍
 屋台の並ぶ広場から、蛍が舞うという岬の小径へ。
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)と九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)は、昨年お揃いで仕立てた浴衣で夫婦デートにやってきた。
 古安の浴衣は夜の色、イツカのそれは水のいろ。
 流水模様もおそろいの二人はのんびりと、まずはノスタルジックにも見える、屋台をのぞき込んだ。
「少し前までは、静かに蛍を眺めたりする余裕も無いくらい慌ただしかったからね。
 大きな戦いも終わったことだし、のんびりと羽を伸ばしましょ♪」
 あの最後の決戦からまだ一か月ちょっとだが、ディアボロスの日常は変化した。これから当分の間は戦うことはない……はずだ。
「楽しく盛り上がる祭りも良いが、こうして静かにしんみりと楽しむ祭りもまた良し、だな」
 隣りでイツカは、夫の言葉にうなずきながら、自分の指に目を落としていた。揃いの浴衣を仕立てた去年にはなかったモノが、今年のイツカの左手の薬指にはある。
「何か嬉しそうだな?」なんて聞きたそうな古安に、思わず緩みそうな顔になるのを耐えて、イツカは言った。
「ほら、屋台グルメを楽しむのも、お祭り!って感じがするよね」
 わたし、たこ焼き食べたーい! 冷たいラムネも飲みたーい!
 ……焼きそばはあとで一口欲しいなぁ」
「あ、ああ。わかった」
 コロコロとラムネのビー玉と戯れつつしゅわしゅわを堪能し。
 古安とイツカはまずは仲よく屋台をめぐり、イツカの希望どおりのおやつを買って、遊歩道に向かった。
「……しかしこの時期にホタルか。それも川ではなく陸に住むホタルと。
 やはりホタルと言うと川の生き物というイメージがあるから随分と珍しく感じるな」
 他愛もない話しをしながら二人はぶらぶら歩いていく。
「わたしも蛍は水辺の印象が強かったから、今の時期の陸の蛍は不思議な感じがするね。……だんだん真っ暗になってきたね」
 他にもめぐっている人達はいるのだろうが、互いに距離があるのだろう、屋台の灯りが遠ざかると二人きりって感じである。
 海の音と潮の香りがどこからか漂ってきて、口をつぐむと静かな夜が迫ってくる。
 ――そんな中、光が飛んだ。
「見て」
「ああ。蛍だ」
 まろやかな蛍光色。グロー光の緑が視界を彩った。
「こうしてみると本当に静かで柔らかい光だ。ホタルが光るのは求愛のためだというが……」
 古安が感想を口にすると、妻が明るく納得した。
「へぇ、蛍が光るのは求愛……なるほど」
 笑顔も眩しくイツカは続けた。
「わたしもいっぱいおしゃれして、爪の先までキラキラにして、古安くんにアピールしていたから。
 蛍も好きなひとにキラキラの自分をアピールしているのかもね」
 イツカの青い瞳もきらきらと古安を見上げる。
「……なるほど、確かにイツカはその辺りのお手入れをしっかりしていたからな」
 古安は外見に似合わぬ老成したような口調で言ったが、とにかくイツカのお手入れぶりは常にじっくりと観察していたのだろう。
 イツカは今度は、誰かにアピールしている蛍達に向かって挑戦をはじめた。
「……蛍達が求愛しに来ないように、古安くんにはわたしがいることもしっかりアピールしておくよ!」
「むんっ!」と、イツカは蛍に向かって気合……もとい妻オーラを発したつもりである。
 さすがに慌てたのは古安だ。
「さ、流石に俺を相手に求愛はしないだろうし、むしろキラキラしているイツカの方に寄ってくるのではないか?」
 そう。彼もちゃんと気づいていた。
 今日もイツカはキラキラで、その装いは古安のためだから。

 くるりとイツカが振り向く。
「そう……かな? 虫が寄ってきてもいいの?」
「そ、それは……だめだ」

 そんな夫婦の会話があったような気がするが……。その後古安はまじめに復興の話に戻っていく。
「こうしてホタルが暮らしているというのは復興の一つの目安にもなるし、これからもこの景色が毎年続いていくと良いのだが。
 既に結ばれている側としてもホタルたちが無事に伴侶を得られるよう応援しよう」
 ……いや、惚気なのかな。
 イツカは彼の隣で微笑む。
「今夜結ばれた蛍達も、その子孫達も仲良く暮らしていける自然と平和を、これからも守っていきたいね」

 ディアボロスとしての優しい祈りを抱いて、二人は夜道を再び歩き始めた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!

ファギー・ルヴァン
樹さん(g05753)と参加
浴衣は2025年の時の、緑色のレトロ浴衣
髪はセミロングまで伸ばしたので少しアレンジして
髪飾りとブレスレット…大切な結婚指輪もつける

蛍って、夏だけのものって思ってたから、この時期に見れるなんて嬉しいですね
ふたりでお出かけはたくさんしたけど、全部の戦いを終えてからは初めてだから…いつもより落ち着いた気持ちかも
飲食物を買うなら蛍がびっくりしないように音のたたないものを

綺麗だなって思いながら、のんびり蛍を見守る
小さな光だけど、あたたかみを感じさせるのはランタンに似ている気がします
ビオトープって…自然に近い状態の環境のことですよね。そんな場所で暮らす蛍たちも素敵でしょうね

抱き寄せられて貴方との距離が近くなるのが嬉しくて、つい顔を寄せてしまう
ふたりきりの距離なら、『樹』って愛おしく呼べる

うん…私も、樹の大切な故郷からの蛍たちを見てみたい。来年だけじゃなくて…再来年も、何年先も…
だから、これからもずっと…そばにいてね、樹。


御守・樹
ファギー(g00880)と

自分の浴衣は今年の中華風アクセント有の作務衣。
何着るか迷ったけど蛍見学ならファギーの動きのフォローできるこちらの方がいいだろう。
(左手首にはブレスレット「Coral Wish」。そして左手薬指には結婚指輪の「結」(イラストでは見えないです))
(ファギーかわいい、何着てもきっとかわいい…(べたぼれ賞賛しかない恋は盲目以上の野郎である))

そっか。
ひとまずとはいえ戦いが終わった後の状態の、でも結婚前のデートは初めてか(自覚したとたん顔が赤くなってる気がする)
何話したらいいだろう?
迷って俺が知ってる蛍の話をしてしまう。
故郷のとある企業がビオトープやってて初夏には川辺に蛍が見えること。
そこで働いてるやつが知人にいるって縁で毎年それを見てたこと。ヘイケとゲンジ両方いるんだってこととか。
そうそう、だから保護みたいな感じで希少種のカエルなんかもいるらしい。

…来年はファギーにも初夏のホタルを見せたいな。
(そっと抱き寄せて周囲の誰かの邪魔にならないように耳元で伝えたい)


●蛍恋
 とっぷり暮れた夜に、屋台が集う小さな広場は暖かな灯のようだ。
 二人のディアボロスがちょうどこの場所に入ってきた。
 ファギー・ルヴァン(曙光のジェイドフラム・g00880)は緑地のレトロ浴衣をお洒落に着こなし、アレンジしたセミロングのヘアには髪飾り。
 ブレスレットに……指には大切な結婚指輪。
 お洒落した彼女が寄り添うのは御守・樹(もゆる石蒜・g05753)。彼は先ほどから婚約者の浴衣姿に魅入られている。
(「ファギーかわいい、何着てもきっとかわいい……」)
 そんな言葉が脳内にずっと渦巻いて、『恋は盲目』以上の野郎だと自覚もあるようだ。控え目に言って、ファギーにぞっこんであるらしい……。
 今夜は中華風のアクセントがある作務衣でやってきたが、これも迷った末に、もしもの時(?)に彼女をフォローしやすい衣装を選んだ。
 赤サンゴとクリスタルのブレスレットには未来の幸福を願う意味があるそうだが、とりあえず今幸福はここにあった――樹の左の薬指にもマリッジリング。

 そんな二人は肩を並べて歩きながら、なごやかな宵を楽しんでいた。
「蛍って、夏だけのものって思ってたから、この時期に見れるなんて嬉しいですね」
 ファギーがふふっと可愛らしい笑顔をみせた。 
「ふたりでお出かけはたくさんしたけど、全部の戦いを終えてからは初めてだから……いつもより落ち着いた気持ちかも」 
 戦いは終わった……なかなか素敵な言葉である。
 ディアボロスとして二人は戦いを乗り越えながら、互いの歴史を紡いできたのだ。
「そっか。ひとまずとはいえ戦いが終わった後の状態の、でも結婚前のデートは初めてか……」
 樹は、改めてそう意識した途端、顔が赤らむのを感じた。
「屋台で何か買っていきます? 蛍がびっくりしないように音のたたないものがいいでしょうか……」
「そうだな。せっかくだから何か買うか」
 迷ったあげくに綿飴と飲み物を手に入れて、二人は蛍がいるという岬の遊歩道へそぞろ歩いていった。

 潮騒の聞こえる小径をゆるりと歩いていくと、やがて暗闇を飛ぶ光が目に入った。
「あ、いましたね」
 黄緑色の燐光がスッと闇を走る。
 幾つも幾つも、戯れるように光が現れた。
 二人は並んで立ち尽くし、蛍火を見つめた。
「綺麗ですね……小さな光だけど、あたたかみを感じさせるのはランタンに似ている気がします」
 のんびりとファギーがいう。アレンジした灰色の髪がふんわり揺れて、なんだかいい匂いもした。
「そうだな」
 樹は言葉をきって。
(「何話したらいいだろう?」)
 なんて、一瞬迷ったが、自分の知っている蛍の話をはじめてしまっていた。
「……俺の故郷のとある企業が、ビオトープやってて。初夏には川辺に蛍が見えるんだ。
知人がそこで働いてる縁で、毎年見に行ってたんだよな。蛍ってヘイケとゲンジ両方いるんだとか聞いたり」
 ファギーは静かに耳を傾けてくれているらしい。
「ビオトープって……自然に近い状態の環境のことですよね。そんな場所で暮らす蛍たちも素敵でしょうね」
「そうそう、だから保護みたいな感じで希少種のカエルなんかもいるらしい……」
 そう言って樹は、自分を見つめるファギーの視線をキャッチした。
 そしてもう、次の言葉には迷わなかった。
 彼女をそっと抱き寄せて耳元で囁く。
「……来年はファギーにも初夏のホタルを見せたいな」
 涼しい秋の夜に互いの体温があたたかい。
 ファギーは耳元に彼の吐息を感じ、幸福感が胸にあふれる気がした。近くなった距離が嬉しくて、もっと近くにと望んでしまう。
 ファギーは顔を寄せて呟くように言った。
「樹」
 二人きりの距離なら愛おしく彼の名を呼べる。
 ファギーは彼に囁き返した。
「うん……私も、樹の大切な故郷からの蛍たちを見てみたい。
 来年だけじゃなくて……再来年も、何年先も……。
 だから、これからもずっと……そばにいてね、樹」
「ああ」
 彼の暖かい腕に包まれて言葉は潰える――。
 
 蛍は黙って宵闇に光絵を描き続けた。
 ――秋に、蛍恋。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2026年10月08日