リプレイ
新城・橙花
「あまり新しいものは使えないんだよねー?」
なら平安京でも使われていた方法でやってみようっと。
まずは壁。
外から視線が通らないように、一気に突撃されないように通路が曲がりくねるようにするよ。
【怪力無双】で運べるかなー?
外壁は強化するけど、あえて弱そうなところを作っておく。
そこにはもちろん落とし穴が待ち構えているよ。
侵入経路には鳴子も用意しておくねっ。
割と分かりやすいように設置しておくけど、それを避けたり解除しようとしたりすると隠れている他の鳴子が鳴ってくれる仕組みにしておくね。
罠をあえて見つけやすいようにしておいて、その裏に本命がある。
「これってえっと、悪魔の園、だったかな?」
シャルロット・アミ
…お手伝いしたくて乗り込んできたのだけれども
私、簡単なお手伝いしかできないのよね
たとえば、柱と柱の間にバイオリンの弦を張って
そこを通る人を転ばせたり
(勢いよく駆け抜ける人は脚を斬るかもしれないけど)
草と草とを結んで足をひっかけて転ばせたり
そういう、侵入まで時間をかけさせる工夫程度
あとはこの周囲の地図を描いて
いざとなったときに王妃が隠れるとよい場所を提案するとか
情報や罠を張った場所は【パラドクス通信】で皆に共有
細かい木材や石などを運ぶのも手伝うわ
アドリブ、連携歓迎です
藺草・風水
即興連携、アドリブ歓迎
「せっかく助けられた命、守り抜くためにも……!」
王妃を守るための城塞化にやれる事をやるつもりで動く
「まず、中からも動けるようにしないとなの」
第一優先はベルサイユ城塞内にパラドクストレインが止まれるようにする事
ベルサイユ宮殿内のパラドクストレインが止まれる位広い敷地を瓦礫や廃墟の解体破壊、【建造物分解】による資源化で確保
そのうえで列車の停車が発覚しづらいように、列車が止まれる位安全な場所にする為に【建造物分解】で用意した資源も使って最低でも外壁側に壁を、理想としては列車庫サイズの建屋をつくる
●出来る事を
ベルサイユ宮殿はほんの少し騒がしくなっていた。
ディアボロス達が城塞化に出入りしているのも、その一つの要因だろう。
「せっかく助けられた命、守り抜くためにも……!」
強い想いと共に、藺草・風水(天使喰らいの重ガンナー・g00346)は庭園を見回り、敷地内の瓦礫を一通り見て考えた。
「まず、中からも動けるようにしないとなの」
パラドクストレインを到着させ直ぐにディアボロス達が動ける、そんな広い敷地を。
壊れて駄目になった瓦礫に、風水は建造物分解を行い、資源へと変えていく。
「この資材使ってもいいかな?」
まるで切り出されたかのような資材を、新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)は怪力無双で持ち上げた。
「外壁強化したいんだよね☆」
「そうなんだね。どんどん使ってよ」
僕も壁や列車庫になる建屋をつくろうと思ってたんだと風水は笑みを見せた。
「あの……」
おずおずとシャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)が声を掛けて来た。
「……お手伝いしたくて乗り込んできたのだけれども。私、簡単なお手伝いしかできないのよね」
何か力になりたくて来たんだと、この周辺の地図を取り出した。
いざという時、王妃が逃げたり隠れたりするための手助けに調べて来たのだという。
まずは無理のない範囲で壁の強化を。
「外から視線が通らなくて一気に突撃されないような、通路が曲がりくねったものにしたいんだよね」
「マッピングして、皆さんに共有しておきますね」
橙花の案に、力仕事は出来ないけどと、シャルロットは記録してサポートする。
ついでに、細かい木材や石などであれば運んでいく。
ベルサイユ宮殿といえば、薔薇もしくは噴水の綺麗な場所である。
だが、少なくとも今はその華美な麗しさは失われたままだ。
一通り瓦礫を分解しきった風水は、一息ついて片付けたその場を振り返った。
宮殿の片隅ではあるが、少なくともここにその華美な姿は見られない。
今は王妃を守るため。やれる事をやるしかない。
本当にパラドクストレインの停車場にするかは別とし、有事の際に自由に使える広い空間は無駄ではない。
「後は建屋なの」
駄目かもしれないが、とりあえず風水は出入りしていた大工に、建造所みたいな建物を作れないか提案だけはしておくことにした。
城壁強化はとても順調に進んでいた。元々、様々な人が考えていたのもあるが、風水が資材として整えてくれたおかげで効率がグンっと上がったのである。
乙女の仕事ではないが、早めに怪力無双で運べるだけはこぶと、橙花は罠の作成に移っていた。
「この辺りは壊れやすくしておいて欲しいかな?」
敢えて古いままにした部分を残し、その先に用意するのは落とし穴。
単純ではあるが、人形であれば簡単に罠にかかるかもしれない。
「後は、侵入経路に鳴子も用意しておこうかな」
「それなら、バイオリンの弦を私は張っておくね」
シャルロットは透明な弦を手にした。
これに足を取られれば、転倒すること間違いない。
(「勢いよく駆け抜ける人は、脚を斬るかもしれないけど……」)
ほんの少し何かが垣間見えたが、位置が首で無いから、きっと深い意味はないのだろう。
橙花は迷路状にした通路の途中に、分かりやすく鳴子を設置した。
「これってえっと、悪魔の園、だったかな? 罠をあえて見つけやすいようにしておいて、その裏に本命があるんだよ」
見えている罠を避けたり解除しようとしたりすることで、隠れている他の罠が作動するという仕組みである。
どんな敵が侵入してくるかは読めないが、出来る限り備えれるだけ備えて。
庭の各所にも草と草とを結んだ転ばせる簡単な罠を作ったりと、出来うる限りの工夫をシャルロットも施し、パラドクス通信でディアボロス達に罠の詳細を送るのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
黄泉王・唯妃
※アドリブ、連携歓迎。
折角救った王妃に死なれてしまうとさすがに寝覚めが悪いですね。
一先ず出来る事をひとつずつ片付けていきましょうか。
知識を共有するのは大したものですがこれだけの水圧の中で弱点を狙う精密な射撃なんて可能でしょうかねぇ。
狙いがぶれれば機械だからこそ適当な射撃が出来ない。
その隙に近づいて手足を圧し折っていきます。
「はてさて、こんなところで時間をかけたくないので速やかにガラクタにして差し上げますね」
シャルロット・アミ
人形同士で知識を共有できるなんてすごいのね
でもこちらにも【パラドクス通信】があるから
何かあったら共有できるわ
バイオリンを取り出して弾くのは騎士の讃歌
いでよ、幻影の騎士たち
その誇り高き剣が銃より強いことを示してみせなさい
私自身は戦えないけれど、こうして協力することはできる
たとえ微々たる力でも無駄じゃないって信じてる
たぶん、敵が予想する弱点は「私自身」ね
射撃されたってバイオリンを弾く手は止めない
私の騎士たちが、一体でも多く貴方達を砕いてあげる
アドリブ、連携歓迎です
新城・橙花
「備えは出来たし、次は敵を倒しちゃおうっ」
他の人への攻撃を[結界術]で阻害しつつ、一気に[ダッシュ]して[突撃]するよ。
距離を詰めたら大剣型呪刀【譲葉】で[両断]。
真っ二つにしてあげる。
数が多くなってきたら足元を【腐食】させて即席落とし穴作成。
うまく引っかかって敵が渋滞したところにパラドクス呪剣【月蝕乃刃】。
「この一撃は全てを蝕みます」
宝心・ライラ
◆心情
マリーは不安そうだった。震えてた。
だから私が幸せにするって決めたの!
マリーの笑顔を奪うのは、許さない
◆戦闘
弱点を見抜かれちゃう前に一網打尽にしてあげる
皆の用意した落とし穴やワイヤートラップの手前でトラップで、征服人形達があたふたしている時がチャンスね
鞭のようにしなる伸縮自在の絵筆で征服人形を絡め取って一か所に集めたらパラドクス発動よ!
「心がない人形さんにはハッピーはあげない。でもせめて、最期に綺麗な景色を見せてあげるわ」
絵筆をインクに浸し直したら…見せてあげる
全てを笑い飛ばす色彩の大爆発を
「さあ笑って?フィードゥル・ディディー♪」
アドリブ連携歓迎
●冷たい手
街中を征服人形らが緊迫した様子で宮殿に向かっている。その様子に、人々は逃げるように建物の中へと閉じこもっていた。
「何だか嫌な空気だよね」
新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)は、街を見回し言った。
武装している人形が歩いているのだ、人々が不安に思うのも仕方のないこと。
「人形同士で知識を共有して、街中の様子を監視しているのね」
通信で連携されそうになっても、こちらにもパラドクス通信があるから何かあったら連絡は取り合えるはずと、シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は、小型通信機を装着した。
これ以上、宮殿に近付けるわけにはいかない。
ディアボロス達はタイミングを見計らって、征服人形らの前に立ちはだかった。
「折角救った王妃に死なれてしまうとさすがに寝覚めが悪いですね。一先ず出来る事をひとつずつ片付けていきましょうか」
向けられた銃口にも毅然とした態度で、黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)鋼鉄扇の『白皇』を広げ。
(「マリーは不安そうだった。震えてた。だから私が幸せにするって……」)
取り出したる絵筆として使える扇『ハミング・ヒュー』をクルリと手の中で回し、宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)は、宣言する。
「決めたの。マリーの笑顔を奪うのは、許さない!」
騒ぎに巡回していた征服人形らがゾロゾロと集まってくる。
これが霧深い深夜であれば、ちょっとしたホラー的な光景だ。
シャルロットはバイオリン『シャコンヌ』を構える。
奏でる曲は、騎士の讃歌。
「いでよ、幻影の騎士たち」
その雄々しい音色が、英雄であった騎士達を創造していく。
「その誇り高き剣が銃より強いことを示してみせなさい」
幻影の騎士は、姫を護るかのように銃弾の盾となり、力強く征服人形らに向かっていく。
倒れていく人形の隊列の後方より、オートマタ・レギオンが狙うはシャルロット自身。
奏者を倒せばいいと情報が、いったのだろう。
彼女を狙う一斉射撃を橙花は結界術で阻害しつつ、身の丈程もある大剣型呪刀【譲葉】を手に、突撃すると一気に振り下ろす。
弱い銃で受けることも出来ず、征服人形は容易く両断された。
「次は、どの人形でしょうか?」
淡々とした口調で、振り返る遠心力で一閃、人形らを横薙ぎにすると橙花は後退しながら腐食の霧で辺りを包んだ。
規則正しく進軍してくる機械の足音が響く。
霧の中彼らが頼りに狙うは、響くバイオリンの音色。
だが、その進む足元がドロリと腐り穴が口を開け、前衛にいた数体は纏めて穴に落ちただろうか。
その穴目掛け、龍が滝を作るかの如く勢いよく水が流れ注ぐ。
唯妃の青龍水計だ。
「知識を共有するのは大したものですが、これだけの水の壁を越えて、精密な射撃なんて出来ないわよね?」
水壁の向こうで右往左往している征服人形らを唯妃は妖艶に微笑んだ。
その隙に横へと回り込んでいた、ライラの『ハミング・ヒュー』がしなり、鮮やかな色彩を展開する。
「一網打尽にしてあげる」
「この一撃は全てを蝕みます」
反対側の横より迫る橙花の、呪剣【月蝕乃刃】で解放された瘴気がたちまち征服人形らを呪詛で蝕む。
ここまで彼女達の接近を許したのは、音色に気を取られていたせい。
銃撃にも怯まず奏で続けた、シャルロットの音色に誘われた征服人形らの油断。
(「私自身は戦えないけれど、こうして協力することはできる」)
通信機で互いの動きを確認し霧の中を動いていた、ディアボロス達の方が上手だったのだ。
シャルロットは再び曲を奏でる。
「私の騎士たちが、一体でも多く貴方達を砕いてあげる」
落とし穴を越え、幻影の騎士達が勇猛に斬りかかる。
「はてさて」
扇を閉じる音が、人形らの真横で響く。
「こんなところで時間をかけたくないので、速やかにガラクタにして差し上げますね」
そう征服人形に伸ばす唯妃の手は黄と黒の縞模様の蜘蛛のそれになっていた。
もし人形に恐怖という感情があれば、その赤い瞳の輝きが有する意味が分かったであろう。
穴に落ち水を浴びせられながらも、まだ動力の生きていた征服人形らは何とか這い上がろうとしていた。
だが周りの壁は腐食しており掴める部分も無く、無様に何度も滑り落ちるだけ。
「心がない人形さんにはハッピーはあげない。でもせめて、最期に綺麗な景色を見せてあげるわ」
泥にまみれ、残念な姿となった征服人形らを笑顔で見降ろし、ライラは『ハミング・ヒュー』をインクに浸し直す。
「さあ笑って? フィードゥル・ディディー♪」
鮮やかに、ハチャメチャに。音と色彩が、全てを笑い飛ばさんと大爆発。
霧も、沈んだ空気も吹っ飛ばす。そんな勢いで、残る征服人形らを沈黙させた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【水源】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
黄泉王・唯妃
※アドリブ、連携歓迎
ネメシスモード発動、イラスト有〼
効果2全使用
残すはあの三面六臂の機械人形だけですか。
アヴァタール級とはいえこの人数差をひっくり返すのは難しいでしょうから手早く片付けましょう。
まずは周囲に【トラップ生成】で蜘蛛の糸を張り巡らせます。
パラドクスでもないこんな糸など意には介さないでしょうが、糸が切れれば相手の攻撃の軌道はこちらに伝わる。そこを鋼糸で受け止めます。
首狙いなのはわかっていますがさらに受け止める精度を上げられるようにしましょう。
【早業】【捕縛】でその6本の腕を縛り上げ、他の方々が動きやすいように。
余裕があれば首のひとつでも捩じ切りたいところです。
新城・橙花
最初から戦闘なので冷酷口調でスタート。
「大変胡散臭い裁判ですね」
黄泉王お姉さんの蜘蛛の糸が張られるのを待ってから行動開始。
敵の攻撃は[光使い][残像]で偽物に担当してもらう。
命中しそうなら[念動力]で方向をそらしつつ[オーラ操作]で防御。
罪が決まるまでは推定無罪。決まっても控訴、上告。
なによりそちらの宗教にはこんな言葉があるはずのでは?
「罪なき者のみ他者の罪に石を投げるが良い、ですよね?」
もっとも私はそっちの宗派じゃないから縛られないですが。
大剣型呪刀【譲葉】を抱えて[ダッシュ]して飛び込みつつ[両断]。
隙を見てパラドクス呪剣【金剛豪閃】
「我纏うは金剛力士が剛力、机ごと吹き飛べっ!」
藺草・風水
即興連携、アドリブ歓迎
「ひとまずやれる事はした、後は人形を潰すだけなの!」
王妃に手を伸ばそうとする自動人形を確実に潰すべく動く
「裁判官って言うけど、どれも目を開いてる時点でただの出来損ないなの!」
不意打ち気味にダッシュで突撃で距離を詰めて、古式万能鍵をベースにした【天骸銃刃】を叩き込み解体破壊する。
反撃の木槌には一度防御してから逆につかんで【怪力無双】で押さえつけることで対応
シャルロット・アミ
法の暴力、なんて聞いて呆れてしまうわ
とにかく此処は食い止めないと
私でできる限りをもって、頑張ってみるわ
高らかに歌うの 幸福の歌を
おいで、青い鳥たち 一緒に歌おう
私の歌は心を狂わせる歌
人形たちに心があるとは思えない
けれども、何かをバグらせることはできるはず
内側から、蝕むわ
無数の人形は私を狙って攻撃してくるのでしょうね
私は楽器ケースを振り回して応戦することくらいしかできないけど
そして、それは無力だけれど
歌い続けることはできる
私が先に倒れるか、相手がバグるのが先か
……こういう勝負、嫌いじゃないわ
アドリブ、連携歓迎です
宝心・ライラ
「あなたがリーダーさん?マリーを諦めて帰った方が幸せになれると思うのだけど、飲んでくれないわよね?」
押し寄せる警吏人形は呼びだしたオーキードーキーに乗って掻い潜る
まだ霧が出ているなら、【照明】の効果で霧を照らして、人形達の視界を白で埋め尽くして回避しやすくするわ
「ところで、3つも顔があるのにどうして笑顔の面はないのかしら?」
「特に怒った顔が気に入らないわ。私が笑顔にしてあげる!」
一輪車の曲芸走行で屋根に飛び乗り、車輪に仕込んだ刃で怒りの面に着地
ペダルを回して面を切り裂きながら駆け下りるわ
「思ってたのと違うけど、いい顔になったわね。よし!この調子でマリーも笑顔にしてあげないと!」
連携アドリブ歓迎
●煩い顔
薄っすらと霧が残る中、ドスンドスン……と、重い何かが近付いてくる音が響く。
「来たようね。手早く片付けましょう」
黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)はトラップ生成で、周囲に蜘蛛の糸を張り巡らせた。
まだ霧のある今であれば、これが相手の位置を知る手掛かりの糸になる。
「ギギギギギ、し、死刑デス!」
高く飛び上がり、不快な音を上げながら特命裁判官『ムッシュ・ド・ジャコバン』が、ディアボロス達の前に着地した。
三っつの顔が、動かなくなった部下をグルリと見渡す。
「邪魔が入るなんて、やっぱり宮殿に王妃はいるのね」
「貴様ら、邪魔だ! どけ!」
三面三様。騒々しくムッシュは喚きたてる。
「どくのはそっちよ、後は人形を潰すだけなの!」
「大変胡散臭い裁判ですね」
「裁判官って言うけど、どれも目を開いてる時点でただの出来損ないなの!」
藺草・風水(天使喰らいの重ガンナー・g00346)は、ショットガン『古式万能鍵』を、新城・橙花(呪刀の裁定者・g01637)は、身の丈ほどもある大剣型呪刀【譲葉】を構えた。
「罪が決まるまでは推定無罪。決まっても控訴、上告でしょう」
「法の暴力、なんて聞いて呆れてしまうわ」
既にムッシュは宮殿が怪しいと、口にしている。とにかく此処は食い止めないとと、シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は、一歩進み出たと同時に周囲の視界が白く飛び、ムッシュの視界を奪う。
その直前、霧の向こうに一瞬巨大な蜘蛛の影が揺れるのをムッシュは見た。
宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)が【照明】を操作し、周囲の視界を調整しているのだ。
「くっ、どこだ! 貴様らの判決は決まっているぞ!」
「これじゃぁ、見えないわね」
「あなたがリーダーさん? マリーを諦めて帰った方が幸せになれると思うのだけど、のんでくれないわよね?」
見せるところ、隠すところ。照明操作もショーの一つ。ライラは笑顔で姿を現す。
ミラクル★シックル★ユニシクル!
車輪が刃になっている魔法の一輪車『オーキードーキー』を呼び出し、ショーを開幕する。
「三つも顔があるのに、どうして笑顔の面はないのかしら? 特に怒った顔が気に入らないわ。私が笑顔にしてあげる!」
それとも、驚きに染まるだろうか。
曲芸走行で器用に跳び、ライラが着地したのはマッシュの怒りの面。そのままペダルを回転させ、切り裂きながら反対側へ駆け下りる。
「ギ様、捕えてヤ、る」
顔の中心に亀裂が入っても、動けるのは人形というところか。少々話しにくそうに、更に怒りの面は声を荒げた。
「思ってたのと違うけど、いい顔になったわね」
お次は美しい歌をどうぞ。仰々しくライラが一礼し、照明が切り替わりシャルロットの周囲に青い鳥が舞い降り、共に歌い始める。
「おいで、青い鳥たち 一緒に歌おう。奏でたるは青い鳥 幸せの歌を歌い給え」
乾いた人形の心に、幸福の歌を。
(「できる限りをもって、頑張ってみるわ。高らかに歌うの」)
青い鳥は歌う、幸福を。そして人形に無いはずの心を狂わせる。
「あ、あ、あぁ……ワ、割れる!」
裂けた顔が開かない様、手で押さえながら怒りの面は、捕らえ辞めさせようと、警吏人形を招集し突撃させた。
シャルロットは歌い続けながら、楽器ケースを振り回し応戦する。
(「私が先に倒れるか、相手がバグるのが先か……こういう勝負、嫌いじゃないわ」)
ある程度、警吏人形が誘い出されたところを、ライラが一輪車で横切り蹴散らし。
煩い首は、ネメシス形態となった唯妃の蜘蛛の肢が伸びて来て、静かに捻じ切った。
さて、お次は……。
白い光で飛んだ霧の世界から、ムッシュの目の前に現れたのは橙花。
「そちらの宗教には、罪なき者のみ他者の罪に石を投げるが良い、という言葉があったはずですよね?」
力強く振り下ろされる大剣型呪刀【譲葉】を、不自然に首を反らし直撃だけは避けたムッシュの哀れみの面は、木槌で反撃してきた。
だが霧に浮かんだ橙花の残像を掠めただけで、既に彼女は後退している。
「あなたは間違っているわ。王妃を匿うのは罪なの、大人しく認めるのよ」
乱暴に木槌を振るうも、その動きが読まれているかのようにディアボロス達は避けた。
「どうして避けられるの、大人しく裁きを受けないのよぉ」
「糸が教えてくれるからね」
懐に飛び込んできた、風水が天骸銃刃を叩き込む。
「展開、同期、ぶった斬るの!!」
鋭利な水晶の刃となった銃が、哀れみの面の左肩に深く食い込み。片手で木槌を振るうが、その腕は何かに引かれ途中で動きが止まる。
驚く哀れみの面の視線の先には、腕に引っ掛かった細い蜘蛛の糸。いや、良く見れば霧の中に無数の糸が張り巡らされているのが分かった。
「糸……!?」
「気付いても遅いのね」
風水が、木槌を持つ腕を怪力無双で掴み、押さえ込む。
「我纏うは金剛力士が剛力……」
橙花がパラドクス呪剣【金剛豪閃】を振るう。
「机ごと吹き飛べっ!」
「やっ、やめてぇえ!」
情けない悲鳴をムッシュは上げるも、腕を風水に捕まれたままでは逃げられない。
剛力を纏う、その豪打が机と哀れみの面の首を吹っ飛ばした。
響くシャルロットの歌は、断面から人形の中へ。歯車へと響き、無表情の面の頭をも揺さぶる。
「ゆ、許さないデス。し、死、死刑ィィ」
ムッシュは処刑剣を高く真上に振り上げるが、易々と唯妃に鋼糸で受けとめられた。
霧が晴れ、ムッシュを八つの赤い瞳が捕える。
「ひっ……!」
人形が恐怖を感じたかは分からない。だがそれが真似事だったとしても、目の前に現れた下半身を巨大な蜘蛛と化した唯妃のネメシス形態の異形に、ムッシュは震えを感じる。
ムッシュの無表情の面は、必死に動こうとしても、その身体は既に絲妃(アラクネ)の粘性の糸に捕らわれ。他の面も囀ることはできず、もう終わりを待つしかできない。
「こんな、こと、アって良い訳が、ないデス」
他の首を捻じ切ったのも、時折見えた大きな影もそういうことかと、ムッシュはやっと知ったのだ。
「さぁ、貴方の生命も運命も絡めとってあげましょう」
黒いドレスと髪をなびかせ、美しき大蜘蛛が迫る。
「死、デス……」
ムッシュの残った腕ももがれ、台もろとも唯妃に粉砕した。
これで一つ、マリー王妃を害する芽を摘みとることができたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV2が発生!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【凌駕率アップ】LV2が発生!