リプレイ
イルヴァ・ヘレナ
謎解きは好きではないが...仕方あるまい。
見える範囲では5つの道...、そしてこの部屋から続く出口か...
ここには転移によって来た...ならば出口が道とは限らんか。魔方陣的なものがあるかもしれんな。
とすれば、下か。
一応「お花の中の我らを変えて」とのことだ、落ち葉をどかして道がないかは見てみるが...なければキノコを両断し下を探る。
まあ...これで違ったなら虱潰しに焼き払うまでだ...!
こちらにも慈悲はある。土の中にあるであろう菌糸体までは焼かないでおく
元野・ジゾー
そーゆーことね、完全に理解した。
つまりこの5つの中から正解を選べ、と!
いやうん。理解したのはそこだけどね、うん。
ナニコレ超めっちゃ難しくない?
平仮名だけ出すと、おののらをえて。違うなー。
全部平仮名にすると、おはなのなかのわれらをかえて。
お花の中ってなんだろう、087。違うなー。
はなを変えて、花、端……!
ん-、でも端って言われても2つあるし……。
端の中ってなんだよ。
こんな時、俺の中の超頭いいもう一つの人格が出るとか欲しい!
ないけどそんな設定!
花の中の我らだから花じゃない、ってことかな?
つまり端じゃない。真ん中の3つの内のどこか。
でも3つにするとまた両端が出来る。つまり……!
この真ん中の道だァー!
デシェル・サジ
プリンのドラゴンがいるのですか。
興味深いお話です。
味を確かめたいものですね。
色々な意味で甘くはないのでしょうけども。
さて謎解きですね。
ふむ、お花の中、ですか。
道は5つに分かれていて、
この広間を中心として
5枚の花弁を広げた花のように見えますね。
とすれば、この中の『我ら』を変えれば良いのでしょう。
キノコはひとつだけのようですので
複数形である『我ら』には該当しないでしょうね。
他で複数あるものは落ち葉ですね。
この落ち葉を片付けてしまえば
正しい道がわかるとみました。
『風使い』で吹き飛ばしてみましょう。
仲間と協力できそうな場合は協力します。
仲間の妨害は行いません。
アドリブ・連携歓迎です。
ベアタ・アンシュッツ
おなか空いた……キノコ、おいしそう
え?
こいつ、食べちゃダメなやつ?
ヒントもっとないの?
おいしそうなキノコの癖に生意気だ
んー……
お花……flower
我ら……we
「we」を「o」に変えたら、floor
つまり、「床」になる
つうか、weを何に変えればいいのかわかんないし、適当だけど!
とりあえず、床に入り口あるかもしんないし……床つうか地面目掛けて、クロノヴェーダ☆マッシャー投下
何度もグリグリして、下に出口ができないか確認しよう
その間に、キノコに腰かけていもようかんモグモグ
普段使わない頭使うと、カロリー消費がはげしいのです
私の頭脳は、テイクアウト時の軽減税率とイートイン時の10%算出に特化してるんで
げふ
刻乃・亜里夜
迷宮といえば謎解きだよね。
でも、実際に解くのは苦手だけれどね。
謎の文章は本当に謎な感じだよね。
色々と考えてみたけれど文章だけで
どの道が正しいのかは分からないかな?
それなら巨大なキノコの言葉から
4番目の道を選ばせてもらうね。
何度もよ~んって言っているからね。
心して聞くようにと言っていたし
文章に正解があるとは限らないかな?
もし外れで罠とかあったら
リングスラッシャーとかを駆使して乗り切るよ。
巨大キノコの下とかも怪しいよね。
他の人が正解を当てたようなら
素直に称賛してその人の後に続くね。
「悩むより進んでみるだね」
「あぁ、やっとつきましたね」
ディアボロス達は長い道のりを踏破して、事前情報にあった広い空間へとたどり着いた。
迷宮内には植物のツルやツタがいたるところに這っていて、花々に埋め尽くされた偽の行き止まりなどもあり。
ここが、かつてフローラリアの根城であったという噂も真実味を帯びてくる。
ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)は広場に鎮座した、食べ応えのありそうな巨大なキノコを発見した。
長い迷宮探索をしてきたので、適度に空腹である。
「……キノコ、おいしそう」
「ま、待つんだよーん。食べちゃダメだよーん」
巨大キノコはベアタの本気の食欲を感じ取ったのか、慌てて謎を発表した。
『お花の中の我らを変えて』
……。
「え? それだけ? ヒントもっとないの?」
「ないよーん。おだててもムダだよーん」
「おいしそうなキノコの癖に生意気だ」
ツンツンつつくと、キノコは嬉しそうに揺れた。
ともかく謎を解かないとこれ以上先に進むことはできないようだ。
「そーゆーことね、完全に理解した」
元野・ジゾー(整髪料はワックス派・g02885)は頷いた。多分わかっていない。
「謎解きは好きではないが……仕方あるまい」
イルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の重戦士・g05698)は渋々といった様子。
「迷宮といえば謎解きだよね」
「おや、楽しそうですね。自信ありですか?」
「うん。でも、実際に解くのは苦手だけれどね」
刻乃・亜里夜(天使のワールドハッカー・g04427)はダンジョン感を全身で楽しんでいるように見える。
デシェル・サジ(赤砂地・g03096)は早速謎解きを考え始めた。
それからしばらく、和気藹々とシンキングタイムに入った。
「てか、ナニコレ超めっちゃ難しくない?」
「謎の文章は本当に謎な感じだよね」
「お花の中ってなんだろう、087。違うなー」
「変えるべき『我ら』というのを特定しましょう」
「4番目じゃないかな? キノコが何度もよ~んって言っているから」
「面倒だ。キノコを両断しよう」
「いや、脳筋か!? もうちょっと考えてみようぜ?」
「のう、きん……?」
「この広間を中心とすると、道が5枚の花弁を広げたように見えませんか?」
「うーん。見えなくもない、かな?」
「出口が道とは限らんか。魔方陣的なものがあるかもしれんな」
「だとしたら5つの道もブラフ?」
「すべてわかったじっちゃんの名にかけて。ズバリ、答えは、この真ん中の道だァー!」
「それは違うんじゃないかな?」
「違うと思います」
「違うだろ」
「しくしくしく……」
「もういい。しらみ潰しにすべてを焼き払おう」
「燃え広がったら大変ですよ!」
「こんな時、俺の中の超頭いいもう一つの人格が出るとか欲しい! ないけどそんな設定!」
「巨大キノコの下とかも怪しいよね」
「この落ち葉を片付けてしまえば正しい道がわかるとみました」
ベアタは仲間達の声を子守歌に少々ウトウトしかけていたが。
空腹で適度にクリアになった脳が唐突に回転しだした。
お花……flower。
我ら……we。
『we』を『o』に変えたらfloor……つまり『床』になる。
「だから、答えは床じゃないですか?」
仲間達の視線が集まっていた。
「つうか、weを何に変えればいいのかわかんないし、適当だけど!」
思いのほか注目を集めてしまったことで、ベアタはちょっと焦る。
しかし、みんなの反応は予想とはちょっと違った。
「おおー、すごいね。当たりっぽいね!」
「超めっちゃ当たりっぽい! さては頭いいな!?」
「子供の言葉遊びのようですが……ふむ。なるほど」
「いや。やはり焼き払わねば……」
「正解正解! 当たりだよーん」
巨大キノコが緊張感のない声を上げる。
「本当はおだててくれたらヒントを出そうと思っていたのにムダになってしまったよーん」
「なんだ、おだてて欲しかったんだ?」
「こうなったら私自ら貴様らを葬ってくれよう、だよぉぉぉぉん」
唐突に巨大キノコはおどろおどろしい声で全身に凶悪なトゲを生やしたが……。
「クロノヴェーダ☆マッシャー」
「デモニックボム」
「セメタリー・オブ・ファイヤー」
「リングスラッシャー」
ちゅどーん。
「……なーんて、ウソウソだよーん。本気にしちゃイヤだよーん」
イルヴァは秒でボコボコにされたキノコを冷たい目で見下ろす。
「こちらにも慈悲はある。今回は冗談で済ませてやるが、次はないと思え」
「ありがとうだよーん。お兄さんいい男だよーん。全身鎧がちょーかっこいいよーん」
調子のよいキノコを許してやり、デシェル達は落ち葉片付け。
風を操り、落ち葉を吹き飛ばしていく。
謎を解いたベアタは特別に休んでていいと言われキノコの上に腰かけてようかんをモグモグ食べ始めた。
「普段使わない頭使うと、カロリー消費がはげしいのです」
テイクアウト時の軽減税率とイートイン時の10%算出に特化してる頭脳が、今回は火を噴いたわけだ。
やがて、落ち葉を取り除いた床に、隠された扉が現れた。
巨大キノコが合言葉で扉にかかっていた魔術を解くと、ふれてもいないのに扉がギギィと音をたてて自動的に開いた。
迷宮の主まであと少し。
ようかんは完食。
「それじゃ、ドラゴンとご対面といきましょうか、げふ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
デシェル・サジ
さてドラゴンを目指すわけですが
ミントがあるとプリンが食べづらい気がします。
スーっとしますからね。
という訳で植物兵装の無効化を目指して
手がかりを探しながら先へ進みます。
私の『植物知識』では
ミントは繁殖力が強く、暑さにも寒さにも強く
日陰でも育つ反面、強すぎる光に当たると葉焼けを起こし、
乾燥にも少し弱い、でしたか。
手がかりは乏しいですが
私は試行と思考を是とする魔術師です(肉弾系)
ミント的なものを見つけ次第
『大地の剣』で切り裂いて様子を見ましょう。
トラップや敵の妨害等で
少々痛い思いをしても構いません。
失敗は成功へ繋がるはずですから。
可能な限り仲間と連携します。
仲間の妨害は行いません。
アドリブ・連携歓迎
零式・叢雲
作戦を開始する。敵性存在への道を切り拓く。
目標を確認、植物兵装の破壊
ログより情報を収集し対策を検討
追加情報として戦場の地形等から火に対する耐性があると推測
先ずは一般的な植物への駆除対応の1つとして養分の奪取を行う
生存・楔…植物兵装のエネルギーは、いただく。
少し、ちくっと、しますよ…。
推測。植物兵装…兵装というのならば動力源やコアといった大本が存在する可能性あり
効率的な破壊工作の為、養分の奪取と並行して探索を推奨。
しかし、このダンジョンの植物は、少し不思議。
此処なら当個体の苗木も、よく育つ…かな。
攻略が完了したら、キノコを脅…キノコからの情報収集の許可を希望する。
オーバー。
アドリブ・連携歓迎…。
ベアタ・アンシュッツ
ミント……庭に植えるとテロになるって聞いた気がする
どんどん茎が地面を這って、侵略すること火の如しだっけ?
じゃあ……茎切ったら、勢いを抑えられるんじゃね?
放置してたら、また根付くと思うけど……ならば、根付く前に引っこ抜けばいい
ついでに、引っこ抜いたミントは【水源】に流してしまおう
迷宮の奥に、ドラゴンも入れないくらいミッチリと……ミントを押し込めて仕舞えば、ドラゴンが盾にするにもミントが絡まりまくってほどけなくなれば、役に立たないただの草
これがホントの草生える……
あ、この辺の根っこもミントかも?
手当たり次第にむしっておこう
むしってくんかくんかして、ミントの匂いしたら、アイスハープーンで穴開けて断根
刻乃・亜里夜
ミントでプリンはパワーアップするんだね。
ミントは香りも強いしプリントは相性もいいのかな?
香りで見わけも付けやすそうだね。
プリンでもドラゴンなんだし、しっかり弱体化させてあげないとだね。
イグジストハッキングで植物兵装の情報を掴んで、その成長を阻害するよ。
直接破壊して回るのは時間も労力もいるだろうし、
ハッキングで植物兵装に連鎖自壊を起こさせるよう仕向けるね。
「草狩りならぬミント狩りだね」
「火山でも植物ってちゃんと育つんだね?」
元野・ジゾー
俺ならどうする?って言われても、植物知識超めっちゃ皆無だしー?
他の皆が解析したあとにこう、なんとかね?
だ、だって仕方ないじゃん?!
ミントの知識なんて……いや待てよ、別にそうじゃなくね?
そのためのパラドクス効果じゃない?
つまり、こう、怪力無双で引っこ抜く。真っ直ぐ行ってブッ飛ばす。
兵装とか言うけど、へーそう。って感じでひたすらやるしかないじゃない!
謎解きは苦手だけど単純作業ぐらい出来るんですよ!
いや単純作業も出来なかったらじゃあお前何出来るんだ?ってなるけども!
NANODE!ここはこのジゾーが!かっこよく!スタイリッシュに!
ぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちミントを引っこ抜くさまを見ててください!
嵐柴・暁翔
……たしかミントって繁殖力が凄まじかったよな…
除草剤は効かないだろうし、火にも強いなら多分熱にも強いだろうから燃やしたり熱湯をかけたりしても効果は薄いだろうしどうしたものか…?
永続的に駆除しなくてもドラゴンうにうにと戦う間だけ無効化出来れば充分なのでミントの茎の出来るだけ根元に近い部分を片っ端から切っていきます
根を残せばいずれまた生えてくるだろうけど、この群生しているのを全部取り除こうとすればどれだけの手間になるのかは考えたくもないな…
プリンにミントの葉をのせて香り付けをしているのならそれはそれでありだろうけど、ミント塗れにしてしまっているなら香りも強すぎて味も分からなくなってしまうし問題だな
「てかさ、俺、ミントの知識とかめっちゃ皆無なんだけど、みんなは知ってる?」
扉を開けて現れた階段を下りながら、元野・ジゾー(整髪料はワックス派・g02885)は何気なく尋ねた。
「……」
一瞬、静かになったので、他力本願を責められるかと思って焦る。
「だ、だって仕方ないじゃん?! ミントの知識なんて日常生活で身につかないし?」
「……?」
零式・叢雲(探者・g04340)は単純に会話がつなげられなかっただけなのだが、ジゾーの表情の変化が不思議でぼんやり見つめた。
「……たしかミントって繁殖力が凄まじかったよな」
「……庭に植えるとテロになるって聞いた気がする。どんどん茎が地面を這って、侵略すること火の如しだっけ?」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)とベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)が次々と頭の中の知識を口にした。
侵略すること火の如し、とはなかなかに物騒だが、そう言われるほど強い植物だということか。
「私の『植物知識』ではミントは繁殖力が強く、暑さにも寒さにも強く、日陰でも育つ反面、強すぎる光に当たると葉焼けを起こし、乾燥にも少し弱い、でしたか」
「へー詳しいんだね」
「私は試行と思考を是とする魔術師ですので」
デシェル・サジ(赤砂地・g03096)は知識があることをおごるでもなく、静かに言った。さすが頭脳派か、その佇まいが頭よさそう!
「あ、階段終わるみたいだね。んー? この香りは……」
刻乃・亜里夜(天使のワールドハッカー・g04427)は一足早く降りて、先の様子を確かめる。
まだ迷宮は続いているようで敵の気配もない、が……。
階段を下りた先の長いトンネルを抜けるとミントであった。
これ全部敵の兵装なのだろうか。気持ちの底が暗くなった。
「ミントの繁殖力、か……」
「いや限度ってものがあるんじゃない? 地面が見えないよこれ!?」
「生えすぎ。草生える」
「いや、草は生えているけども!」
若干気後れする面子の中で、叢雲は先んじて足を踏み入れた。
「作戦を開始する。敵性存在への道を切り拓く」
「おーやる気だわ」
「目標を確認、達成条件植物兵装の破壊、ログより情報を収集し対策を検討」
「今更だけど、火山でも植物ってちゃんと育つんだね?」
「追加情報として戦場の地形等から火に対する耐性があると推測」
叢雲は淡々とシステムメッセージのような発言をする。
会話になっているような、ないような。
「これも兵装の一部ってことなら、できるだけ破壊していきたいが……」
暁翔は予想以上の繫殖具合に頭を抱えた。
除草剤は効かないだろうし、火にも強いなら多分熱にも強いだろう。
迷宮の主と戦う間だけでも無効化できればいいのだが。
「少し、ちくっと、しますよ……」
叢雲は針をさしてミントのエネルギーを摂取した。
すると確かに通常の植物というには過剰すぎる量が循環しているのがわかる。
叢雲は生存・楔による養分の奪取を継続することにして、亜里夜はイグジストハッキングで兵装の情報を解析することにした。
「んん? それはなにしてるの?」
「兵装の存在情報を解析しているんだよ」
「へーそう」
「……」
「ちょ、ちょっと待って! 今のはあれだから! つい口から出ただけでダジャレとかじゃないから!」
「ははは、ジゾーさんは愉快な人なんだね」
内部的な破壊工作は2人に任せるとして。
残されたジゾー、暁翔、ベアタ、デシェル達はというと。
「んで、俺達はどうする? とりあえず引っこ抜く?」
「この群生しているのを全部か? どれだけの手間になるのか考えたくもないな……」
「茎切ったら、勢いを抑えられるんじゃね?」
「幸い、ドラゴンはもっと奥のようですから、道中全部切り裂いていきましょうか」
「え? そういう結論? そういう単純作業なら任せとけって話ですよ!」
「気乗りしないが、やるか。切るのは出来るだけ根元に近い部分な」
力押しの除草作戦が始まった。
地味だが、千里の道も一歩から。こういう地道な活動が実を結ぶのだ。
「こうしてみんなで草むしりしてると学校の清掃活動みたいだねー」
「町内会の清掃ボランティアだな」
「ばあちゃんの手伝いって感じするわー」
「みなさんバラバラですね」
バラバラだった。
思えば、生まれも育ちもバラバラなディアボロス達がこうして異界のダンジョンで草むしりをしているというのだから奇妙な話だ。
「草刈りならぬミント刈りだね」
解析を続ける亜里夜とも軽口を叩きながら延々と作業。
デシェルは地面から岩の剣を出現させて、ミントを伐採。敵の妨害や罠の反応もないため伐採を続ける。
暁翔は武具の複製を作り出し、数々の敵を切り伏せてきたときと同様に、とにかくミントを刈り続ける。
「あ、この辺の根っこもミントかも?」
ベアタはくんかくんかと匂いをかいで、ミントと判定した辺りに巨大な氷塊をぶつけ、地面を砕いてからむしっていく。
「ミントでプリンはパワーアップするんだね。ミントは香りも強いしプリンとは相性もいいのかな?」
「うーん。ミントがあるとプリンが食べづらい気がします。スーっとしますからね」
「それはそれでありだろうけど、香りが強すぎると味も分からなくなってしまうしな」
プリン似のドラゴンについて雑談などもかわしつつ。
「これ本当に敵の弱体化になるの?」
誰ともなくつい禁断の疑問を口にしてしまった。
「ふむ……」
ここは返答を間違えると徒労感が増してしまう。
デシェルは深い思考の末に返答した。
「わかりませんが、他に思い浮かばないのでやるだけやってみればいいのでは?」
「おい、魔術師」
「私は肉弾系魔術師なんですよね」
デシェルは悪びれなく言った。
「まぁ、それならそれでいいではないですか。失敗は成功へ繋がるはずですから」
その言葉を肯定するように、ミントをむしり続けるのはジゾーだ。
「今はとにかく、ひたすらやるしかないじゃない!?」
根元近くに右手を差し込み、根が切れない絶妙の力加減で引っこ抜く。
そのミントを後方へと捨てる間に左手がミントへ。
交互に引き抜きながら、引き抜きづらい地面の硬さを感じたら、その場で前宙一回転、カカト落としで地面を割った。
「ここはこのジゾーが! かっこよく! スタイリッシュに! ぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちぶちミントを引っこ抜くさまを見ててください!」
「すごいな……ミントを刈るために生まれてきたみたいだ」
「草刈りジゾーさんですね」
道具も使わず一心不乱に除草作業に打ち込むジゾーを、仲間達は賞賛した。
「あいつの宿敵、ミントなんじゃね?」
ベアタはパラドクスで作成した水源がきちんと機能していることを確認し、仲間達に声をかけた。
「水源作ったから、引っこ抜いたら流しちゃいましょう」
「量が多くてあんまり流れないね?」
「少しずつ流すから、引っこ抜いたやつそこに置いといてください」
ミントはどことともなく流れていく。
「これだけ漬けたら、川ごとミントティーになったりして」
「何杯分になるんだろうねー?」
「おし、こっちは完了。次はどこだ?」
「あっちの壁の方がまだ残ってます。できればそちらを」
段々と分担も決まって草刈り作業は順調に進んでいった。
「む……」
叢雲が異変を感知したのはそんなときだった。
「どうしたの?」
「不明瞭なエネルギーの流れあり。この壁の中」
「壁の中? 道はなさそうだけど」
「壁の向こうにエネルギー反応あり。探索推奨」
「というと?」
「推測。植物兵装……兵装というのならば動力源やコアといった大本が存在する可能性あり。効率的な破壊工作の為、並行して探索を推奨」
亜里夜がその辺りの兵装を解析してみる。
「なるほど。叢雲さんの言う通りだね。この向こうになにかあるよ。多分、エネルギー供給ポイント的な」
「また隠し扉? 謎は勘弁して欲しいんですが!」
「謎々キノコもいませんし、今度の回答はシンプルにいきましょう」
デシェルの合図で一斉にパラドクスを発動し、壁を破壊した。
中にはそこそこ広い空間があり、巨大な赤い玉が明滅している。
動力源近くは力が強いのか、壁と共に吹き飛んだミントが再生を始めていた。
「さすがに早すぎ。録画の倍速みたいに抜いたそばから生えるとか。これがホントの草生える……」
赤い玉がちょっとさくらんぼに見えて、ベアタのお腹がきゅるると鳴った。
亜里夜が赤い玉を解析した結果を伝えるために、仲間達を振り返る。その表情は明るかった。
「これが見つかったのはラッキーだったね。ハッキングして植物兵装に連鎖自壊を起こさせるよう仕向けるね」
「そんなことできるのか?」
「これだけシステムが確立されているなら可能だよ。すぐ回復されても厄介だから、時限式プログラムにしておこうね。成長阻害のスクリプトも組んでおこう」
「すげえ。それっぽい単語使ってハッカーみたい!」
「実はハッカーなんだね」
そうして、更に追加の赤い玉も発見して色々仕込み、終わりの見えなかった除草作業もようやくひと段落ついた。
「ふぅ、こんなものかな……」
暁翔は汗をぬぐって、一息ついた。
できるだけミントに触れないようにしていたつもりだが、かなりミント臭くなった気がする。
というか全身ミントになった気さえする。
自分でこうなのだから、直接ミントを引っこ抜いていたジゾーやベアタは一体どうなっているのやら。
ふと気づくと叢雲がすっかりミントのなくなった空間を、ぼんやりと見つめていた。
「しかし、このダンジョンの植物は、少し不思議。此処なら当個体の苗木も、よく育つ……かな」
「どうしたんだ?」
叢雲は声をかけられて振り返るも、そのぼさぼさに前髪の伸び顔からは表情が読み取れなかった。
「攻略が完了したら、キノコを脅……キノコからの情報収集の許可を希望する。オーバー」
一方、その頃。
炎砕竜フロウは主人の様子がおかしいことに気付いて伏せていた首を伸ばした。
「うにうに様、どした? お腹痛い?」
「ん? いや、そうじゃないんだがー……なんかミントシールドの調子が悪いっていうか、いや動かないわけじゃないんだけど、ん、なんだろ。故障かー?」
「へー大変だね。こんなときに敵が侵入してきたら」
「いやー、まさかこんなときに限って侵入者がくるわけないだろー? まぁ、なんでもないだろうけど、一応この部屋のエナジーコアを確認しておくかー。これが壊れても連結してるコアがもう2つあるから安心だけど、一応なー?」
迷宮の主とその手下のドラゴンはのんきにそんな会話を交わしていたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV2が発生!
【水源】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
ベアタ・アンシュッツ
見つけたぞデザート!
……火竜とプリンで、もしかして焼きプリン?
ならば、追いプリンせざるを得ない
サプライズ☆ギフトで敵を狙って攻撃
質量と熱量(カロリー的な意味で)の暴力を食らえ☆
攻撃時は、高速詠唱、連続魔法で手数を増やし、連携して敵を追い込むように
敵の抵抗が激しいなら、敵に圧されるふりして、演技と計略で敵群を引き付けて
連携と全力魔法ぶっ放して、一気に戦局を傾け短期決戦に持ち込みたいな
敵の攻撃は【飛翔】して極力回避
岩場やミントを盾にしたり、鍾乳石の間を縫うように逃げ回る等地形の利用
ところで、さっき【水源】で流した、むしったミントはどこに詰まってるんだろう
ミント屑にまみれたプリンが居たらどうしよう?
刻乃・亜里夜
こう見えてハッカーなんだよね。(自慢げに)
プリンの方が目の前の火竜よりも偉いんだね。
何だか不思議な連中だね。
でも戦うなら全力でだよね。
熱くて大変そうだけれど頑張るよ。
でも流石に正面から挑むのは危ないしアサイネイトキリングで
気配を消してこっそり火竜の懐に近づくよ。
隕石が降ってくるみたいだしうっかり
直撃したりしないよう注意しながら移動するよ。
そして接近出来たら小型拳銃で火竜の急所を撃ち抜くね。
「そのまさかの侵入者がやってきたよ」
「ミントの香りは…さすがにしないかな?」
元野・ジゾー
わー、あれだ。
予想以上に強そうだ。ミントの後にこれはキツい。
ドラゴンって、フツー聖なる剣とかを台座から引き抜いた後に戦う相手でしょ?
ミントを超めっちゃ引き抜いただけだよこっちは!
よーし、まあ言ってても仕方ない。
段々慣れてきたんだ、今回もおっかなびっくりやってやるぜ!
新しい技を試してやろう、ふふふ光栄に思うといい!
その炎に巻かれないための必殺潮流!
あ、違うんです仲間の皆!
逃げてるわけじゃなくて、これは的確に距離を取りながら戦う一撃離脱の先方でしてね?
ほら、炎なんて遠くに行けば火力は弱まるのが必定でしょ?
結構アタマ使った戦い方なんだよこれが!
やー、それにしても前に出て戦う皆さんはカッコイイなァ!
嵐柴・暁翔
《悪魔召喚》を使用しつつ一気に相手の懐に飛び込んで『風牙』で斬ります
一度斬りつけた後は【飛翔】と【エアライド】を駆使して三次元的な動きで相手を翻弄しながら召喚した二人と連携しつつ近接戦闘を仕掛けます
今回は距離を取って戦いたい方もいるなら前衛役は必要だろうしな
……いやまあ後ろ向き走りでその速さなのは凄いとは思うし一撃離脱で距離を取って戦うというのも別に構わないんだけど、離れたから危険度が下がるとは限らないんじゃないか…?
……なんというかやたらと周囲を巻き込むような攻撃ばかりだけどドラゴンうにうにが火に強い自動防御システムのミントシールドを使っているのって、実は炎砕竜フロウのせいだったりしてな…?
「見つけたぞデザート!」
ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)がプリンドラゴン達を見つけるなりズビシと言い放ったのは、ここまで来るまでの間にまた空腹感を覚えて敵がデザートにしか見えなくなっていたからであった。
というか、元からプリンそっくりだけれども。
「え? 今なんか言ったか?」
「言ってないよー」
「ということは……ま、まさか!」
あまりに訪れる者がいなかったのだろう。
ワンテンポ遅れて竜達が刻乃・亜里夜(天使のワールドハッカー・g04427)達に気づく。
「やっほー。そのまさかの侵入者がやってきたよ」
遊びに来たような気安さで亜里夜が挨拶した。
「よりによってこんなときに! ねぇ、帰ってくれる? 都合悪いから! 帰ってくれる!?」
「いや、帰るわけないだろう」
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が若干あきれ気味に言う。
「うわ、マジでプリンじゃん! 逆に火竜の方の超めっちゃドラゴン感!」
元野・ジゾー(整髪料はワックス派・g02885)が驚くのも無理がないほど、実際に見るこの二体の竜のアンバランス感はすごい。
どう見てもファイアドラゴン。
どう見てもプリン。
「……火竜とプリンで、もしかして焼きプリン?」
ベアタが真実に気づいた風に告げた。
「違うと思うよ?」
「ならば、追いプリンせざるを得ない!」
聞いてない。
食欲に火のついたベアタは聞いてない。
「ねえ、ご主人。そのシールド調子悪いのってさ、もしかしてあいつらの仕業なんじゃない?」
「は? そんなまさか。これは自己修復プログラムも備えてるんだぞ。俺だっていじれないくらい難しいんだ。それを壊すなんてそんなハッカーみたいな」
「こう見えてハッカーなんだよね」
亜里夜は自慢げに胸を張る。
「ハッカーなのか! なんてことだ。え、じゃあ、なんだ。壊せるなら直せるってことだよな?」
「え? まあ、直せるけど?」
質問の意図がわからず亜里夜は小首を傾げる。
「じゃあ、ちょっと見てくれるか? さっき急に調子悪くなったんだ」
「お、こいつわかってない感じだぞ?」
「バカにするな、わかってらぁ! コンピーターウイルスってやつだろ? なんかこう、ワクチン打てばいいんだろ!?」
「うん。なるほど。わかってないな」
暁翔達は気づき始めた。
この迷宮に隠された最後の秘密。
(「もしかしてこいつ、バカなのでは
……?」)
「まぁまぁ、それ勝手に直るんでしょ。人間にお願いする必要なんてないよー」
火竜の意見にプリンがそれもそうだな、と同意する。
「というわけで、君らはお掃除決定ー」
火竜は楽しそうに言う。
迷宮の奥底で待機するのにも飽きたのだろう。
火竜はディアボロス相手に戦えることを喜んでいるように見える。
「どこの誰か知らないけどー、倒しちゃうよー」
フロウの体が高熱を帯びて周囲の塵芥が燃え上がる。
「熱っ!? 俺もいるんだ。気をつけろ。前にお前が寝ぼけてちょっと焦げたんだぞ!」
「あーそうだったねー。ごめんなさーい」
火竜の方が控えめに言ってもまともそうな見た目だが、上下関係ではプリン竜の方が上位であるらしい。
その割には火竜の言葉に敬意が感じられないが。
「プリンの方が目の前の火竜よりも偉いんだね。何だか不思議な連中だね」
言いながら、亜里夜は気配を消していく。
ジゾーはまともな火竜にビビっていた。
敵はプリンみたいなヘンテコ竜だと聞いていたのだが。
確かに幼稚園児が考えたようなドラゴンはいるけども、手下のドラゴンは普通に強そう。
「ドラゴンって、フツー聖なる剣とかを台座から引き抜いた後に戦う相手でしょ? ミントを超めっちゃ引き抜いただけだよこっちは!」
「うまいこと言っている場合か! くるぞ!」
一声、高く鳴き、火竜が歩みを始める。
急ぐことはない。どうせ勝つのはボクだから、とでも言いたげな、余裕の態度。
「セレスティア、アリスティア、頼めるか?」
召喚に応えた大天使の姉妹を引き連れ、暁翔が火竜との間を詰める。
火竜は暁翔をしっかり見据えたまま、軽くなでるように手を伸ばす。
なでると言っても、鋭い爪を持ち、高熱を宿す竜だ。実際になでられたら、八つ裂きか大火傷は間違いない。
暁翔はサイドステップで攻撃をかわし、引き際に切りつける。
二、三……追撃を宙を跳ぶように回避して、炎のブレスも後転して逃れる。
火竜が前傾気味になったところへ、セレスティアが魔法、アリスティアが剣で切りかかった。
火竜が姉妹を鬱陶しがってそちらに視線を向けた瞬間。
斬!
暁翔が翼を切り裂いた。
火竜は痛みに鳴くが、竜の生命力は伊達ではない。
周囲を薙ぎ払うように尾を振り回していると。
「おなか空いたでしょ? 私も空いたから……これ、あげる☆」
降ってきたベアタの声に、顔を上げると、そこには超巨大バケツ。
青いバケツが、そのまま巨大化していて、逆さになったその中にはプリンがみっちり詰まっていた。
サプライズ☆ギフト。
プリンの巨大質量が火竜を押し潰した。
「プリンが二つに増えたね」
「これぞ追いプリン!」
やんやと沸く中、火竜フロウはプリンの中から顔を出してキョトン。
プリンから翼と首が生えた第二のプリンドラゴン。
……だったが、火竜は濡れた犬が身を震わせるようにプリンをはねのける。
「あー、飛び散っちゃってもったいない!」
「もったいないって、食べる気なの?」
「食べる気だよ?」
「食べる気なんだね」
亜里夜は移動しつつ小型拳銃を発砲。
的確に一発ずつ命中させていく。
火竜は召喚した隕石を落としたり、爆風を起こしたりするが、亜里夜達は根気強く確実に竜の生命力を削る。
「うーん、チマチマとぉ~……ん?」
「新しい技を試してやろう、ふふふ、光栄に思うといい!」
苛立つ火竜の隙をつき、ジゾーは懐まで入り込む。そして、敵の目前で向きを変えて強烈な後ろ蹴りを放った。
「ぐ……痛ッ! 反撃をくら……え?」
火竜は面食らった。
後ろ蹴りの反発を利用してジゾーが猛ダッシュを図っていたからだ。
必殺潮流、新技、超ギャク走。
蹴った事実を忘れたら、どう控えめにみても今のジゾーはビビって敵前逃亡する男である。もう既に広間の入り口。
周囲の冷たい視線を感じたのか、ジゾーが慌てて言い訳を始める。
「あ、違うんです仲間の皆! 逃げてるわけじゃなくて、これは的確に距離を取りながら戦う一撃離脱の戦法でしてね? ほら、炎なんて遠くに行けば火力は弱まるのが必定でしょ? 結構アタマ使った戦い方なんだよこれが!」
なお、この長い申し開きを足を止めずにしてなお、一切の息切れなし。ある意味すごい男、ジゾー。
「……いやまあ威力はあると思うし一撃離脱で距離を取って戦うというのも別に構わないんだけど、離れたから危険度が下がるとは限らないんじゃないか……?」
暁翔の言葉に天使の姉妹がコクコク頷く。
「ははは、いやまさかそんな、こと……」
ジゾーの顔に影が差す。
屋内で雲でもかかったのかしら、と思ったらつい今の今まで遠くに離れたはずの火竜が、ジゾーの真上に飛来していたのだった。
「追いついたー」
「わー!? いやいやいやそんなまさか、近づいてきちゃうとかそんなのなしでしょー!?」
「いっくよー。ヴォルケイノサージ」
爆発。
ジゾーの体は衝撃でふっとび、迷宮の壁に叩きつけられた。
その姿がまるでドラゴンボールのヤムチャそっくりのやられ方だったので。
「大丈夫か!?」
と暁翔は声をかけたが、杞憂だった。
「あー超めっちゃびっくりしたー。死んだかと思ったよもう!」
ジゾーは全身灰だらけになりながらもケロリと起き上がった。
「丈夫なんだねー」
「紛らわしいことするなよ」
ホッとするやら呆れるやら。
戦闘はなおも続き、火竜は超高温まで熱したマグマを破片のように降り注がせる。
ベアタは高速詠唱で魔力結界を多重展開することでそれを防ぐが。
「熱ッ! だから熱いって! 気をつけろっていってるだろー!」
「あー。ごめーん」
巻き添えを喰らったプリンドラゴンがぷりぷり怒った。
その様子を見て、暁翔は思う。
「……火に強い自動防御システムのミントシールドを使っているのって、実はあいつのせいだったりしてな……?」
ちょくちょくそんな節が見えたし。
火竜の攻撃も広範囲ぶっぱなしばかりだし。
「あーもう、ミントシールド、調子悪いまんまなんだけどー」
あのプリン、ずっと修理にかかりきりだし。
「直らないと思うけどね」
亜里夜はあっさりそう言って笑みを浮かべた。
なおも戦闘は続き、火竜はいよいよ焦って渾身の大技を放とうとする。
「もう頭にきたー! もう全部ぶっとばしちゃうよー」
噴火山を司る、炎の権化。
その力をすべて破壊に回さんと力を溜める。
力が解放された暁には、いくら広いといえど迷宮屋内では逃げ場などなく、全身を焼き尽くされる。
かと思えたが……。
「残念だったね。それは通らないんだよ」
「え……」
亜里夜の弾丸が火竜の心臓を貫く。
その最期はあまりにあっけなく。
竜の巨体はその場に崩れ落ちたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【強運の加護】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
デシェル・サジ
…ハッ
ドラゴンとプリンの関係について考え事をしておりました。
どちらも「ン」で終わりますね。
もう戦いは終わってしまったでしょうか?
まだでしたか。それは重畳。
さて、ミントはもうありません。
お供の火竜もいなくなった今
クリームブリュレになる心配もないでしょう。
今こそ仲間の皆さんと力を合わせて
目的を果たす時です。
ドラゴンの撃破、およびこのダンジョンの制圧、
ついでにプリンの味などもわかると良いですね。
アレンジ・連携歓迎です。
基本はサンドストームを使用し
相手と自分の能力を考慮して攻撃を行います。
作戦の成功の為には多少の負傷は厭いません。
少しお菓子やプリンに気が散るかもしれませんが
迷惑行為は行いません。
元野・ジゾー
プリンだー。いや、ドラゴンだー?
一目見た時から思ってたんだですけどね、こいつね。
どういう気持ちで見たらいいの?
「さっきのドラゴンの方がずっと可愛かった。
見た目で判断するなって言ういい見本だぜ……」みたいなこと言えばいい?
それはそれとしてああいう見た目でもドラゴンなら絶対超パワー!
だと思うので、遠くからバクレツさせます。
プリンって衝撃に弱そう。多分。どうかな?
ってうわー、なんか超めっちゃべちゃべちゃする!
こういうのは可愛い女の子にやるのが相場ってもんでしょ!
テンパのおっさんのべちゃべちゃシーンとか誰が喜ぶの!勉強しなさい!
あッ、べたついて爆弾が取り出しにくい!
さてはこういうことか、頭いいね?!
ベアタ・アンシュッツ
ぷりんどらごん……はっ!?
とりあえず、そこら辺に【水源】で流れてきたミントと一緒に、クロノヴェーダ☆マッシャーでプリンドラゴンをゴリゴリして、ウワサのミントプリンにしてみよう
ドラゴン自身がやってるんだから、きっとおいしい自信作なはず!
ミントのジャングルをプリンに染めてやる
……って、油断したー!?
頭からシロップ被った……あ、これおいちいかも
(髪や服が身体に張り付いて、ボディラインが出てたりするのには気づかない)
……ぺろぺろ(自分の腕や指についたシロップなめてみる)
ねえねえ
この空いたバケツ(炎砕竜攻撃したバケツプリンの)にシロップ出して!
出さないなら……クロノヴェーダ☆マッシャーで押し出すから☆
刻乃・亜里夜
ついにうにうにドラゴンとの対決だね。
柔らかそうだけれどリングスラッシャーでちゃんと切れるかな?
ベリーシロップの甘さには興味はあるけれど
べたつくのは嫌だし避けながらリングスラッシャーで
反撃するように戦うよ。
うにうにの視線に入らないよう回り込むようにかな。
プリンの上に乗っている苺っぽい頭部が
顔のようだしちゃんと見分けを付けるようにだね。
仲間とも積極的に連携してうにうにを追い込んでいくね。
「いかにもうにうにしてそうなドラゴンだね」
「今度あんな感じのデザートを作ってみようかな?」
嵐柴・暁翔
私はプリンたべないでよね?
……フラグだな
ならば回収するのみ
炎砕竜フロウは焼きプリン派だったみたいだけど焼きでも生でもどちらも美味しく頂きます
数多の世界に存在するうにうに達と戦うのは宿命だと俺の中の何かか大宇宙の意志的なものが言っている…かもしれない
下手に暴れさせてプリンが崩れるのは惜しいので活け〆のように急所(?)を『風牙』で刺します
ええぃ!
食べ物を粗末にするな
飛んでくるクッキーやベリーを身体で受け止めたり某SGGKのようなダイレクトキャッチを連発したりと意地でも地面に落とさずに全て取ります
そして勿論食べます
うにうに本体も当然食べます
適当な所でクッキーと合わせてベリーシロップをかけて味変します
「おっかしいなー。ミント、完全に動かなくなちゃったぞー、ねぇ、フロウくん……フロウくーん!?」
マスターうにうに、サヨナラー。
フロウくんは天国へ向かいました。
倒された火竜を見送って、プリンドラゴンはようやく植物兵装を諦めた。
時限式の仕掛けによって、ミントシールドは完全に沈黙している。
「フロウくんを倒すとは、どうやら本気でいかねばならないようだなー! ガーオー!」
迷宮の主は、珍妙な威容を発揮して、精一杯恫喝する。
だが、怖くない。ちっともビビらない。
それは、やはり見た目が原因だろう。
見た目で判断するなとはよく聞く言葉だが、見た目を整えることをおろそかにしていいわけではない。
生まれ持った特徴は仕方がないが、そう見られたいのなら身だしなみに気を付けるべきだろう。
とはいえ、この場合は難しいのかなとは思う。
あまりにもプリンだ。
存在自体が悪ふざけ。
「改めて、プリンだな」
「ぷりんどらごん」
「動くたびにぷるぷるしてる」
「今度あんな感じのデザートを作ってみようかな?」
どうしても緊張感が持てない。
「一目見た時から思ってたんだですけどね、こいつね。どういう気持ちで見たらいいの?
『さっきのドラゴンの方がずっと可愛かった。見た目で判断するなっていういい見本だぜ……』
みたいなこと言えばいい?」
「あー! そこのマリモ頭ー! 今、俺様をバカにしたなー!?」
「マ、マリモ頭!? マリモじゃないでしょ。マリモはなんていうかこー、えー、とにかく違うでしょ!」
元野・ジゾー(整髪料はワックス派・g02885)の言葉を聞きつけて怒って口論になるドラゴン。
だが、その様すらもぷるぷる震えるデザートにしか見えない。
「柔らかそうだけれどリングスラッシャーでちゃんと切れるかな?」
刻乃・亜里夜(天使のワールドハッカー・g04427)にはそれが心配だ。
「……ハッ。ドラゴンとプリンの関係について考え事をしておりました」
デシェル・サジ(赤砂地・g03096)は苔むした岩陰にひそみ、深い思索に入っていたが、その意識はようやく現場に戻ってきたようだ。
「なにか気付いた?」
あのドラゴンの存在はいかにも不可思議。
それらを結びつけるなんらかの因果があるのなら、それが攻略の糸口にならないとも限らない。
デシェルは魔術師。その謎を紐解いてくれるのではないかと仲間達は期待して声をかけた。
デシェルは思索の果てにたどり着いた真理を披露する。
「どちらも『ン』で終わりますね」
「ん? んー……えーと、他には?」
「以上です」
「それだけー!?」
「それだけとかではないのです。真理ですので」
総ツッコミを受けても魔術師は涼しい顔を浮かべるのである、
「もう戦いは終わってしまったでしょうか?」
「これからクライマックスだよ」
「そうでしたか。それは重畳」
ミントシールドは復活していない。
散々にむしってやって重要部位を2個破壊、挙句に時限式トラップをしかけている。
システムが復帰する頃には決着がついていることだろう。
「あのイチゴっぽいのが頭だよね。よく観察して……え?」
その頭部が大きく膨らんでいる。
なにかと思った瞬間、逃れようのない、洪水のようなブレスが亜里夜達を襲った。
いつのまにか、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は宇宙空間を漂っていた。
(「暁翔よ……暁翔よ、聞こえますか……? 今あなたの心に直接語りかけています」)
む、なんだ、お前は。一体……?
(「私は大宇宙の意思……暁翔よ。あなたは選ばれたのです。時空を超えて存在する、数多のうにうにを倒しなさい……それは因果に結ばれた逃れようのない宿命なのです……」)
どういうことだ? 因果? 宿命? 俺はうにうになんて知らない……あんなプリン知らない!
(「いいえ、あなたは知っている。あなたの周りも知っている。いいですか。うにうにを倒す。うにうにを倒すのです……あ、でも私のプリンは食べないでよね?」)
ちょっと待ってくれ。説明が、説明が足りない……!
意識がすうっと遠ざかり、浮遊感に包まれる。
ホワイトアウト。
暁翔は叫んだ。
「食べるなって……それは前振りか!」
ハッと我に返ると、暁翔は自身がシロップまみれになっていることに気付いた。
「大丈夫かな? 随分うなされていたようだけど」
亜里夜が心配そうにのぞいている。
どうやらほんの短時間のようだが、意識が飛んでいたらしい。
今のは夢や幻覚の類か。
「うわー、なんか超めっちゃべちゃべちゃする!」
シロップを頭からかぶったジゾーが悲鳴のような叫びを上げた、かと思えば。
「こういうのは可愛い女の子にやるのが相場ってもんでしょ! テンパのおっさんのべちゃべちゃシーンとか誰が喜ぶの! 勉強しなさい!」
「いやいや、誰が喜ぶとかではないのでは」
ドラゴンのブレスは広範囲に及ぶ。
デシェルもベタベタ。ヌルヌル。
ヌルヌル魔術師である。特に意味はない。
「あなたみたいな悪い奴は、これでゴリゴリに潰して……ミントプリンにしてあげる!」
ベアタ・アンシュッツ(天使のハラペコウィザード・g03109)はクロノヴェーダ☆マッシャーを発動させた。
うにうにの頭上に召喚したマッシャーを落とし、大量のミントと一緒に押し潰す。
「ぐわぁぁぁー!?」
「ドラゴン自身がやってるんだから、きっとおいしい自信作なはず! シェフのおすすめミントプリンいただきまーす!」
そう、ベアタがふらつくドラゴンにかじりつこうとした瞬間。
「やらせるかー!」
正気を取り戻したうにうにがゼロ距離ブレスを解き放つ。
「油断したー!?」
大量のシロップを喰らって吹き飛ぶベアタ。シロップまみれになってしまった。
全身がベトベトのヌルヌル状態。服も髪も体にべったりはりつく。
「わっはっは。どうだー。ブレスでふっとばしてやったぞー!」
「大丈夫かな?」
空中でブレスを避けながら、亜里夜が声をかけると、ベアタはシロップをひとなめ。
仲間の心配をよそにこうのたまった。
「……あ、これおいちいかも」
強烈な甘さではあるものの、ベリーの甘さと酸味がちょうどよく混ぜ合っておいしい。
「うわー!? 本当に女の子をべちゃべちゃにする人がありますか! こんな格好いかがわし過ぎるでしょー!?」
「はて、どこがいかがわしいというのでしょう」
「いや、だって、ほら、それは、あれとかでさ……」
「あれとはなんでしょう? 見当もつきませんね」
仲間が騒いでいる間に、ベアタは自分の指や腕についたシロップをすっかりぺろぺろとなめつくし。
「ねえねえ、うにうにくーん。おかわりー。この空いたバケツにシロップ出してー」
「お、おかわりだとー!?」
渾身の一芸……もとい一撃を放ったというのに余裕綽々でアンコールを要求するベアタに、うにうにのハートは著しく傷つけられた。
ベアタ本人に挑発の意図は一切ない。
だが、ドラゴンには文字通りなめているようにしか見えなかったのだ。
それからの、憤慨したドラゴンの攻勢は筆舌に尽くしがたい惨劇としか言うことができない。
甘くドロドロしたシロップが嵐のように降り注ぎ、巨大なクッキーが飛んでくる。巨大なベリーが飛んでくる。
ベリーというのも、基本はストロベリーだが、他にもラズベリー、クランベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなどがあった。
なんということか、ベリーベリーベリーベリーベリースペシャルだ。5種のベリーパフェ!
更にはうにうにが突進してきては、恐ろしいことにぷるぷるとしたプリンを押しつけ、生クリームをまんべんなく塗りつけてくるのだった。
「ええぃ! さっきから! 食べ物を粗末にするな!」
暁翔は激怒した。
ブーメランよろしく飛んできたクッキーを、SGGKのごとく空中キャッチ。きゃー若林くーん!
ちなみにSGGKとはスーパーグレートゴールキーパーのことらしい。
「こんな攻撃は、こうだ!」
そして、暁翔はそのパーティサイズのピザのようなクッキーをバクバクと食べ始めたのである。
「ええーっ!? 食べるのー!? お前さん、さっきブレスが直撃してからなんか変じゃない!?」
「いえ、これは真理を得ましたね」
動揺するジゾーにデシェルは告げる。
「というと?」
「あのドラゴンのプリンへの相似。可食な材質……古来より人は形をまねることでその効果や形質を宿らせることに成功してきました。これは魔術的にも理にかなっているのです」
「え、えーと、つまり簡単に言ってもらえると助かるんだけど」
「強く力を得るために弱点をも引き継いだ……つまりですね、あのドラゴン、すごく美味しいです!」
「なるほど! さすが魔術師わっかりやすーい!」
そうとわかれば味わおう。
ベアタと暁翔は既にもりもり食べ始めている。
ジゾーもデシェルもそれに加わり、戦闘風景は様変わりした。
「みんなデザートの時間になっちゃったんだよ」
亜里夜は仲間達を遠巻きに眺めながら頬をかいた。
髪や翼にシロップがついてベタベタしてるのが気持ち悪い。
だが、ベアタ達はその辺のことはもう諦めて、シロップの海を泳ぐ勢い。
「亜里夜さんもどおー? おいちいよー」
「うーん。どうかなー」
暁翔はミサイルよろしく飛んできたベリーを SGGKのごとく地面ぎりぎりでキャッチした。森崎くーん!
ちなみにSGGKとはスーパーがんばりゴールキーパーのことらしい。
そして、そのベリーを亜里夜に向かって放り投げた。
「食べてみろ。うまいぞ」
確かに、自分の頭ほどある果実にかぶりつくのは楽しそうではある。
童話にも、お菓子の家を食べる話があったはずだ。
まるで童話の主人公になった気分が味わえるかも知れない。
おそるおそる、かじってみる。
「……! 本当だね。これは美味しいね!」
サイズは大きくとも大味というわけではなく、甘味をキープしながら爽やかな酸味が口いっぱいに広がる。
クッキーは素朴な味なのが逆にいい。口触りと味を一旦リセットして、再び甘味を味わう用意をしてくれる。
「ああ、謎解きで疲れた脳に、甘さが染みわたるようです」
「いくらでも食べれちゃうねー」
「いや、いくらでもはムリかなー! 俺、もうおじさんだしなー」
「味変するともっといけるぞ」
それにしても、ベアタは本当にいくらでも食べてしまいそうな勢いなのがちょっと怖い。
甘味を前にした女の子は化け物か。
いや、しかし、これはただ食事をしているわけではない。
敵がクロノヴェーダである以上、これは戦闘。これは復讐なのだ。
そして、ディアボロス達はこれまで、ことごとく、粘り強くそれに打ち勝ち、復讐をなしてきた。
であるから、このデザートタイムも、勝つことしか頭にないのだった。
「うっぷ。全身がお菓子になった気がする……」
「さすがに食べ過ぎたかも知れません」
「基本太らない体質だけど、もうこれ以上はいいかなぁ……」
「あ! あのしっぽのやつチョココロネかなー? いただきー!」
遂に、ディアボロス達は平らげた。
あのドラゴンうにうにを思う存分打ち破ったのである。
だが、まだ満足していない者がここにいた……。
「うひぃ……ブレスも砲弾も、もう品切れだぁ……俺様もう、なにもでねえぞ……」
「ええーもう終わり? 不満だーまだ食べられるぞーもっと出せー」
「いや、出せって言われても……」
「出さないならー……出させてやるー!」
「ぎゃああああ!」
クロノヴェーダ☆マッシャーによる強制シロップ排出。
ベアタは最後の一滴まで絞り上げると、満足そうにシロップをなめ始めた。
「うう……本当にもお、一滴も出ねえ……今のうちに、逃げろぉ……」
だが、カッスカスになったドラゴンを見逃すほどディアボロス達は甘くなかった。
「どこに行く気かなー?」
亜里夜が退路を塞ぐ。
「まさか本当に逃げられるなんて、思ってないよね?」
その手に握られたリングがしおしおになったうにうにを切り裂く。
「ぎゃああああ!?」
デシェルの起こした砂嵐がその身を削り、ジゾーは爆弾を取り出そうとしてなんかベタベタしてたのでもう普通に蹴りつけた。
「せめてものたむけだ。この言葉を送ろう」
暁翔はうにうにへとどめの刃を突き刺した。
「ごちそうさま」
無限に続くかと思われた地獄のような攻撃に耐え、遂にディアボロス達は熾烈な激闘の勝利を奪い取った。
すごいぞ、ディアボロス。えらいぞ、ディアボロス。
だが、デザートが終わっても戦いは続く。
奪い続けろ、在りし日の平和を取り戻すその日まで。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】がLV3になった!
【フライトドローン】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV4になった!