リプレイ
伊狩・真琴
この調子で王妃を守れば安定してこの年代にも来れるようになるのでしょうか。
いえ、そうでなくても守れる命は守らなくてはいけませんね。
まずはやれることからやっていきましょう。
さて、宮殿の補修と防衛力の強化ですか。
では【鬼神通・真金吹】で鉄を出して、破損した宮殿を修復しましょう。
ヒビや欠けた部分に鉄を流し込んで固めたり、
扉を鉄製の物に変えたり窓に侵入防止に鉄格子を付けたりしていきます。
宮殿と呼ぶには無骨になってしまいそうですが。
防衛力に関しては宮殿の周囲に鉄の柵を並べましょうか。
宮殿すべてを囲うのは時間的に厳しいでしょうし、
真っ直ぐ入ってこれないよう入り口の手前を中心に並べていきましょう。
リゼット・ノア
アドリブ・連携歓迎
建築や土木の技術も要求されるなんてディアボロスは大変ですね。
有用なパラドクスもありませんので防衛機能について考えてみます。パラドクスによらないものを作るのも必要かな?
簡単に作れて排斥されないようなもの…と考えると
①落とし穴を掘る
自動人形を操作して穴を掘れそうで通り道になりそうな場所に落とし穴を用意する。中に木の杭を差しておきます。
②糸を張り巡らせた鳴子
繰り糸を張って鳴子の罠にして侵入者に気づきやすいようにしておきます。
その他、パラドクスを使用しない土木作業に人手が必要なら複数の自動人形を操って、作業をさせて他の人の手伝いをしましょう。
白蔵主・天狐
ふむふむ。宮殿を城塞化しろと。
ん-、疲れる作業は嫌だけど、これも仕事だし。ぱぱっと終わらせちゃおう。おー。
──『陰陽連環術式』
呪力を土気に変換して。ぺたぺた。宮殿の壁とか補修して。
ん-、やっぱり罠とかあったほうが良い感じ?
金気にも変換してっと。釣り天井とかー、落とし穴の中に剣山とかー。
面白いよね、こういうぐさっと刺さる系の罠。なんか昆虫の標本みたいな見た目になって。
あとは、ん-……堀でもほっておく?土気とー……あと、水気も。せっかくだし水流しておこうか。こう、人がどろどろに溶ける系の水。うわー、間違って落ちちゃわないように気をつけよーっと。
アオイ・ダイアログ
マリーさんがいる以上、ここにクロノヴェーダ一匹通すわけにはいきませんからね
とにかく、思いつく限りやっていくしかないですね!
空からの侵入に備えて外壁に鉄条網的な棘を張り巡らせてみますかね?
ちょっとしたナイフくらいの棘を敷いておけばよじ登ってくる敵には役に立つかなぁ
後は侵入しやすそうな狭い通路にはワイヤートラップで通路奥からバリスタでも撃ち込めるギミックでも拵えますか
庭園や正門前あたりは壁を此方で使える補修用建材で補修しつつ、宮殿側の壁に銃座を用意して一方的に攻撃できる下地を作りましょう
後は地下にどんでん返しでマリーさん用隠し部屋とか
【怪力無双】で資材を抱えて可能な限り手早く施工していきますよー!
レイン・ウォーカー
断頭台からマリーを助けた時、私は彼女を救うと決めた
だから私はそれを最後までやり遂げる、ただそれだけよ
要はマリーの安全を確保出来ればいいのね
なら、マネキンを【アイテムポケット】に入れて出来る限り持ち込み
それを使って時間稼ぎの仕掛けを作るわ
マネキンに金髪のかつら、そして以前見たマリーと同じような洋服と帽子を被せ
見破られにくくする為に窓に背を向けた格好で外からよく見える部屋の中に配置
その部屋の窓とドアに罠を張る
具体的には……そうね、ピンとワイヤーを使ってドアや窓を開けると家具が倒れてくる仕掛けにしましょう
そして床には油を撒いて、とにかく1秒でも多く敵を足止めできるようにしておくわ
――フランス王政の象徴とされ、贅の限りを尽くして造り上げられた、絢爛豪華なベルサイユ宮殿。
しかし、この断頭革命グランダルメにあっては、今やその美しい姿は見る影もないと言っても過言ではなかった。
宮殿の壁は所々が崩れ、あるいは罅が入ったり、穴が空いている。
人の手の行き届かなくなった庭園も、すっかり荒れ果てていた。
だが、マリー・アントワネットを救出したことにより、ディアボロスたちはマリー王妃がいる1793年のグランダルメに移動することが出来るようになった。
美しく華やかなかつての面影を忘れてしまったこの時代のベルサイユ宮殿を、ディアボロスたちの拠点として“作り変える”のが、今回の任務だ。
「マリーさんがいる以上、ここにクロノヴェーダ一匹通すわけにはいきませんからね!」
とにかく思いつく限りのことをやっていくしかない――アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は気合い十分といった様子でぐっと拳を握りしめる。
(「……この調子で王妃を守ることが出来れば、安定してこの年代にも来れるようになるのでしょうか」)
胸中でふと呟いた伊狩・真琴(成鬼・g02897)は、すぐに小さく首を横に振った。
「……いえ、そうでなくても守れる命は守らなくてはいけませんね」
そのためにも――まずは、やれることからやるしかないと、真琴も決意を新たにする。
「さて、宮殿の補修と防衛力の強化ですか」
ひとつ頷き、真琴は徐に硬化した腕を伸ばす。
「――真金よ、形成せ」
そうして、力ある言の葉をひとつ。
すると、真琴の鬼の腕から高温の熔けた鉄が見る見るうちに噴き出してきた。
「わわっ、すごいですね!」
弾む声に振り向けば、アオイが目をきらきらと輝かせていて。
「使いますか?」
「はい、ぜひとも! ちょうど作りたいのがあったんですよー!」
微笑んで首を傾げる真琴に、アオイは大きく頷いてみせる。
ベルサイユ宮殿を改修するに当たり、アオイが着目していたのは“空”だ。
他の世界には、空を飛ぶ力を持つクロノヴェーダも存在している。
ゆえに、空からの侵入に備え、アオイは外壁に鉄条網的な棘を張り巡らせることを考えていた。
ナイフのような鋭さを持つ鉄の網ならば、外壁をよじ登ろうとする敵に対しても効果的だろう。
持ち前の怪力を遺憾なく発揮し、重労働にも笑顔を絶やさず、棘の網を設置していくアオイ。
そんな彼女を微笑ましく見守りつつ、真琴は鉄をひび割れた箇所や欠けた部分に流し込んで固め、修復加速の効果も用いて速やかに破損した宮殿を修復していく。
「銃座なんかも作っちゃいます?」
アオイはさり気なく宮殿側の壁に銃座を拵えて、外敵に対し一方的に攻撃できるような下地作りも忘れない。
「ふむふむ。宮殿を城塞化しろと」
二人から少し離れた場所で、白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)はどこかマイペースな調子で頷いていた。
「んー、疲れる作業は嫌だけど、これも仕事だし。ぱぱっと終わらせちゃおう。おー」
天狐が用いるパラドクスは、陰陽連環術式。
陰陽符で増幅した呪力を、様々な術気に変換することが出来る符術だ。
そして、天狐はまず練り上げた呪力を土気に変換し、ぺたぺたと宮殿の壁を補修する。
「建築や土木の技術も要求されるなんて、ディアボロスは大変ですね……」
全体の作業量を思えば途方もないものに感じられて、リゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)は小さく息をつく、けれど。
この断頭革命グランダルメは、かつてリゼットの故郷だった世界だ。
この世界に限らずとも、ではあるけれど、自分にもきっと出来ることがあるはず――と、リゼットは思考を巡らせる。
簡単に作ることが出来て、かつ排斥されないような、防衛機能。
(「やはり、オーソドックスなものとしては落とし穴でしょうか……」)
リゼットは自動人形たちを操って、敵の通り道になりそうな場所に落とし穴を用意することにした。
中に木の杭を満遍なく差し込めば、落ちた後の時間稼ぎにも繋げられるだろう。
それから、考えた仕掛けはもう一つ。
随所に繰り糸を巡らせて鳴子を引っ掛け、侵入者に気づきやすいように。
「こんな感じ、でしょうか……」
――からん、ころん。
「おおー!? さすがです!」
そして、早速鳴子を鳴らしながらやってきたアオイは、リゼットが設置した繰り糸のいくつかにアレンジを加え始めた。
特に侵入されやすそうな場所にバリスタを置き、罠が作動すれば矢が飛んでくる仕掛けを施したのだ。
「んー、やっぱり罠とかあったほうが良い感じ?」
言いながら天狐が用意したのは、吊り天井や落とし穴に仕掛けられそうな剣山だ。
「面白いよね、こういうぐさっと刺さる系の罠。なんか昆虫の標本みたいな見た目になるの」
ぽつりと、特に表情も変えずに呟く天狐だが、心なしかその声は弾んでいた――かもしれない。
時を同じくして、庭園がよく見える部屋の一室に、レイン・ウォーカー(降り止まぬ雨・g02000)は陣取っていた。
――彼女がどんな人物であろうと、どうでも良いと思っていた。
彼女の元へ向かったのも、ただ単に、クロノヴェーダが関わっていたから。
ただ、それだけのはずだった。
けれど、今まさに首を刎ねられようとしていた彼女を断頭台から救い出したあの時、レインは決めたのだ。
――マリー・アントワネットを救い、クロノヴェーダの手から、守り抜くと。
守れなかったことを、後悔したくはないから。
(「だから私はそれを最後までやり遂げる、ただそれだけよ」)
マリー・アントワネットの安全を確保するために、レインがアイテムポケットに入れられるだけ入れて持ち込んだのは等身大の人形だった。
その人形に、以前に見たマリーと同じような服を着せ、ブロンドの鬘と帽子を被せる。
マリーそっくりの格好となった人形を、見破られにくくするために窓に背を向けた状態で配置してから、レインは次に、罠作りに取り掛かった。
ピンとワイヤーを使い、ドアや窓を開けると家具が倒れてくる仕掛けだ。
更には床に油を撒いて、とにかく一秒でも長く敵を足止めすることも狙う。
「……こんなところかしらね」
罠が上手く作動するかを確かめてから、レインはひとつ頷き、部屋を後にした。
こうして大体の作業を終えたディアボロスたちだが、アオイが最後にもう一つ提案をする。
「そうだ、地下にマリーさん用の隠し部屋などは作れないでしょうか?」
「そうですね……そういった場所は、多いに越したことはないと思います……」
アオイは早速リゼットの自動人形と共に力の限り穴を掘り、資材を搬入して隠し部屋の施工に取り掛かった。
一方、外回りの作業に従事していた真琴は、宮殿の周囲――主に入り口の手前を中心に鉄の柵を並べていて。
これだけでも少しは、有事の際に時間を稼ぐことが出来るだろう。
(「……宮殿と呼ぶには、少々無骨でしょうか」)
新宿島と、この1793年のグランダルメを繋ぐ架け橋。
多くのディアボロスたちの力により、城塞と呼ぶに相応しい守りを備えつつある宮殿を見上げ、真琴はそんなことを思うのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
レベッカ・ブルーゾイス
【星夜】
どこかで見たことのある者達ね
結構よ…倦くまでお相手してあげる
小難しいことを考えるのはきらいじゃないけれど
ヒトには得手不得手があるもの
妙案を編み出すより
こうして戦いに徹する方が
わたしには向いているわ
《翠音》を弓へ
銀翼を羽搏かせ引き絞る破魔の星矢
追撃をからめて連なり放ち
鳴弦の最中、穿つは不浄の生り損ない
けれども憧れずにはいられない
ヒトと違えた着想や
奇抜な発想・想像力…
ああ、羨ましい……
意図せず瑞唇より漏れた慾妄の吐息
ふと、処刑人をみやる彼のまなざしが
どこか遠くを見つめているようで
…問おうとし、躊躇う
“特別”の向こう側へ
誘う覚悟はできているかしら?
満ち満ちる幻想の帳
――まだ、もうすこし、
ラファレ・リロード
【星夜】
マリー王妃を護らないとですね
と思った自分に驚きと笑ってしまう
誰かを護るなど今まで考えた事など無かった
それは彼女に感化されたからでしょうか?
隣の彼女へと目を向ける
助けるの強い意志が伝わる
彼女が護るならと彼女の手を取って
羨ましそうにする彼女
嫉妬する、少しでも彼女の気を引かせる事が
処刑人……それは見覚えのある風景
犯罪を犯した者を殺す者
自分を処刑しようとした者達を想い出す
魔骸連刃
解体するなら私の方が得意です
敵を剣で容赦なく解体していく
彼女の視線を感じる
何か言いたげででもと戸惑う姿
その姿に何処か優越感と嬉しさが込み上げる
私の事を知ろうとしている
一嗚呼なんて可愛らしく、そして捕らえたい気持ちになる
小難しいことを考えるのは嫌いではないけれど、やはり、ひとには得手不得手がある。
(「……妙案を編み出すより、こうして戦いに徹する方が。わたしには向いているわ」)
きっと、傍らの彼も同じだろう。
何とはなしにそんな思考を巡らせながら振り向いたレベッカ・ブルーゾイス(嫉みの星魔女・g02252)は、重なる視線に知らず双眸を和らげていた――けれど。
「マリー王妃を護らないと、ですね」
「……まあ」
ラファレ・リロード(デーモンのデーモンイーター・g03117)の口から零れ落ちた音に、驚いたのはレベッカだけではない。
彼女よりも、寧ろラファレ自身が――自分で口にした言葉であるというのに、すぐには信じられないといったような僅かな間があった。
すぐにラファレは何事もなかったかのように穏やかに微笑んで、己が口にした言葉を胸中で反芻する。
――誰かを護るなど、今まで考えたこともなかった。
もし、自分にそんなことを思わせるきっかけがあったのだとすれば、それは紛れもなく――。
「そうね、彼女を護るために、戦いましょう」
改めてレベッカを見やれば、柔らかな笑みと小さな、けれど確かな頷きが返る。
助けるという、強い意志。
レベッカがそうするのであれば、己は、ただ従うだけ。
そうして、ラファレはレベッカの手を攫うように掬い上げる。
ベルサイユ宮殿から少し離れただけで、巡回中のクロノヴェーダはすぐに見つけられた。
つまり、いつ敵の目がベルサイユ宮殿そのものに向けられるとも限らない。
「……どこかで見たことのある者たちね」
以前にもこのグランダルメの地で相見えた、サンソン式断頭人形。
とは言え、やるべきことは変わらない。
「結構よ……倦くまでお相手してあげる」
レベッカは銀翼羽ばたく翠音を弓へと変容させ、破魔の星矢を放つ。
弓を引き絞れば弦が旋律を紡ぐように鳴り響いて、不浄の生り損ないたちを次々に穿ってゆく。
倒れてゆく人形たちに、興味はなかった。
それよりも、今のレベッカの胸裡を満たすのは――。
創り変えられてゆく宮殿。
それを担う者たちの、ひとと違えた着想や、豊かな想像力。
己には成し得ないことをする力。
――それが。
(「ああ、羨ましい……」)
瑞々しく艶めく花唇から意図せず零れた吐息に、ラファレはふと傍らを見やる。
彼女の想いがどこに向けられているかまではわからずとも、今は己に対してではないことだけは理解して。
少しでも彼女の心を奪う何かに、嫉妬せずにはいられない。
「解体するなら私の方が得意です」
常よりも僅か低い声で告げ、ラファレは斬首斧が届くよりも速く、鋭利な刃で人形たちを“解体”していく。
――人形と言えど、処刑人。
それは、犯罪を犯した者を、殺す者。
ふと、ラファレの脳裏に見覚えのある光景が浮かび上がった。
己を処刑しようとした者たちが、記憶の中のラファレを見つめている。
いつかの幻に、囚われそうになった刹那。
ふと震えた指先に伝う熱がラファレの意識を引き戻す。
傍らを見やれば、己を映す星涙浮かぶ双眸が、ほのかに揺らいだように見えた。
――ここではないどこか遠くを見つめているようなラファレの眼差しに、レベッカは問おうとして、けれど躊躇う心に引き止められて。
何か言いたげな、けれど戸惑いを覗かせる彼女の姿に、ラファレは優越感と嬉しさが綯い交ぜになったような感情が込み上げてくるのを感じていた。
彼女は、己のことを知ろうとしてくれている。
(「――嗚呼」)
その可愛らしい姿に、ラファレは囚えたいと――焦がれずにはいられなくなる。
満ち満ちる幻想の帳。
時はまだ、けれど、――きっともう少し。
ふわり、魔蝶を解き放ち、現と幻の境を溶かす煌めきを舞わせながら、レベッカは己の心に問いかける。
――“特別”の向こう側へ、誘う覚悟はできているかしら?
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
白蔵主・天狐
さーってと、退屈な準備すんだことだし。身体でも動かしにいきますか。
えぇと、王妃様を探しているクロノヴェーダを狩ればいいんだっけ?うんうん、そういう分かりやすい仕事のほうが好きだな、私は。
きょろきょろ人を探してる人形たちには、予想外の場所から強襲してあげましょー。そう、絶対マリマリ……ぁ、王妃様のことね。がやってこないところ。──つまり、頭上から。
『灼天華』
呪力で強化した身体能力を以って、宮殿の外壁を駆けあがって。目についたお人形さんの元へ、急転直下。かかと落としでも喰らわしてやろうかな。
地上についたら、後は接近戦かな。右に避けてー、いや、やっぱり左に避けて―?
伊狩・真琴
次は捜索しているクロノヴェーダの撃破ですね。
取り逃してしまうと情報が伝わってしまう可能性がありますし、
トループス級も確実に殲滅しなくては。
最悪は逃げて情報を持ち帰られることですから、
【鬼神通・隠形鬼】で気配を薄く【光学迷彩】で姿に迷彩を施して、
戦場から離れようとする敵が居ればそれに奇襲を仕掛けて硬化した腕で殴りましょう。
逃げる敵が居なければ背後から奇襲を仕掛けて敵の連携を崩すように攻撃します。
刈り尽くされんのはテメエらだ、ガラクタ野郎ども。
「さーってと、退屈な準備もすんだことだし」
ぐっと大きく伸びをして、白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)はちらりと宮殿の外に目を向ける。
「えぇと、王妃様を探しているクロノヴェーダを狩ればいいんだっけ? うんうん、そういう分かりやすい仕事のほうが好きだな、私は」
そうしてとん、と地を蹴れば、天狐の身体は翼を得たようにふわりと舞い上がった。
「あ、飛べるようになってる。それなら……」
天狐はそのまま空を舞い、敵の姿を探しに向かう。
すると、その姿はすぐに見つかった。
眼下を彷徨く無彩色の異形――サンソン式断頭人形の群れ。
人形たちはどうやら上空の天狐に気づく様子はなく、辺りを必死に見回しているようだ。
「……そう、絶対マリマリ……王妃様がやってこないところ」
――それはつまり、頭上から。
天狐は全身に呪力を巡らせて、身体能力を爆発的に増加させる。
そのままふと目についた一体の元へ急転直下、渾身の踵落としを叩き込んだ。
そして、同時に。
「――隠せ、隠形鬼」
天狐が強襲を掛けた断頭人形たちの一団へ、伊狩・真琴(成鬼・g02897)が躍りかかる。
パラドクスで己の気配を薄くし、更に光学迷彩を纏って――周囲の風景に溶け込んだ真琴の姿は、人形たちには見えていなかった。
頭上と、そして見えざる死角からの一撃に、それぞれ為すすべもなく崩れ落ちた断頭人形たちの姿に、周囲にいた他の人形たちが動揺をあらわにする。
「ナ、何ダ、何ガ起キタ!?」
「そんなの知る必要はないよ。だってみんなここで終わりだもの」
続け様にもう一体を屠りながら、天狐は告げる。
「右に避けてー、いや、やっぱり左に避けてー?」
振るわれる斬首斧を軽やかに躱し、己の身を呪力の闘気で朱く染め上げながら。
天狐は戦場を舞うように駆け、まるで天を灼くかの如く――次々に紅き華を咲かせてゆく。
――幸い、今マリー王妃を捜索しているクロノヴェーダたちの意識は、ベルサイユ宮殿にまで及んでいない。
だが、ここで一体でも取り逃してしまえば、ベルサイユ宮殿にディアボロスが来ていることや、宮殿そのものに変化が起きていることが伝わり、そこから、マリー王妃が身を潜めているかもしれないという懸念に繋がってしまうかもしれない。
僅かな情報さえ持ち帰らせないために、トループス級と言えども、確実に殲滅しなくてはならないだろう。
「ドコダ、ドコニイル!?」
断頭人形たちは完全に風景の一部となった真琴を、その僅かな気配の片鱗すら捉えられぬまま、硬化した鬼の腕で粉砕されていた。
解き放たれる断頭台も、真琴には届かない。
悲劇の王妃を衆目に晒し、首を刈り取ろうとしただけでなく。
今もこうして、身を寄せる相手もなくひとりきりでこの時代に残された彼女の首を今度こそ刈り、存在を葬るために群がる――忌まわしき存在。
今、真琴の胸の裡では、激しい怒りが燃え上がっていた。
「――刈り尽くされんのはテメエらだ、ガラクタ野郎ども!」
内に秘められし激情に駆られるまま真琴は鬼の拳を振るい、また一体の“ガラクタ”を叩き潰した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
アオイ・ダイアログ
さて、あとは周辺の掃除ですね
物陰に隠れながら双眼鏡とか使って、先に哨戒部隊を見つけられますかね?
宮殿に入られてたら罠を利用しましょう
見つけたら暗殺……は私には無理ですね
では奇襲してそのまま撃破ですね♪
跳ねまくれー、バンバンバンバン!
壁とかあれば効果的なんですが状況次第ですね
デュアルを構えて敵集団に撃ちまくります!
ラン&ガン移動、近くまで寄ってきた断頭台は撃って遠ざけて囲まれないようにしながら数を減らしますよ
近場に罠があるなら撃ち込みつつ蹴り込みましょう🎵
こんな所で出会うとはお気の毒ですが、邪魔なのでここでスクラップになってて下さい!
マリーさんを狙うのはこの私が許しません!
リゼット・ノア
アドリブ・連携歓迎
王妃捜索部隊のトループス級を倒せ、ということでしたら多少目立った行動をとる方がいいでしょうか。
こちらの改装がまだ完成してない以上、戦力をそろえて攻められるとまずいですが、相手が警戒して手を出すのをゆるめてくれればありがたいですけれど……。
ベルサイユ宮殿周囲を巡回し、出逢った捜索部隊を撃破していくようにします。仲間と連絡を取る手段がありそうなら、先に見つけてもらった所へ急行するようにしましょう。
自動人形と妖精を召喚・展開し、なるべく1人で多くのトループス級を引き付けるようにします。仲間と連携取りつつ、パラドクスを放ちましょう。
なるべく、宮殿内には入られないよう努めますか。
レイン・ウォーカー
これで準備は万端、あとは花に群がる羽虫を追い払うだけね
手加減はしない、最初から本気で行かせて貰うわよ
【肉体強化】を使用、身体能力を強化して断頭人形に奇襲を仕掛ける
敵目掛けてインジェクターを【投擲】、相手が怯んだ隙に距離を詰め
【残像】を囮に背後に回り込み急所をカドゥケウスの【斬撃】で切り裂く
相手の武器は大物、つまり攻撃のモーションもそれなりに大きくなるはず
複数の敵に囲まれないよう注意しながら挙動をよく見て
間合いの内側に入り込むように立ち回り、接近戦で1体1体確実に仕留めていくわ
そして、もし仲間が苦戦しているようなら凍結剤を【投擲】して相手の動きを止めて援護
人形ごときがぞろぞろと……鬱陶しいのよ!
「あとは花に群がる羽虫を追い払うだけね」
「はい、あとは周辺の掃除ですね。……と言ってる間に現れたようですね!」
レイン・ウォーカー(降り止まぬ雨・g02000)がぽつりと落とした声に、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は、双眼鏡越しに捉えた敵の姿に小さく頷く。
「戦力をそろえて攻められるとまずいですが……」
ベルサイユ宮殿の改修は進んではいるが、まだ完成には至っていない。
だが、ここで相手が警戒し、不用意に手を出すべきではないと判断してくれるのならば好都合。
「王妃捜索部隊のトループス級を倒すということであれば、多少は目立った行動を取るほうがよさそうでしょうか」
リゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)は思案顔で紡ぐ。
そうすることで、部隊を率いるアヴァタール級を誘き寄せることも出来るだろう。
「見つけたら暗殺……は私には無理ですので」
アオイは満面の笑みを浮かべて告げる。
「勿論、奇襲してそのまま撃破です♪」
「つまり、派手に暴れればいいのね」
同意するようにレインも呟く。
確認出来るサンソン式断頭人形の部隊は、ざっと見た所、三人で十分に倒せるくらいの数だ。
「……では、私が先に参ります」
一足早く物陰から飛び出したリゼットは、自動人形と黒い妖精たちを呼び出して、戦陣を組んだ。
人形と妖精により増幅された魔力を用いて喚び出すのは、正しき歴史と共に消えた兵士たちの幻影であり。
「――いざ征かん、進撃……!」
リゼットの号令の元、軍勢が一気に断頭人形たちへと襲い掛かった。
「私たちも参りましょう!」
「勿論、そのつもりよ」
アオイとレインもリゼットに続き、人形たちの前に躍り出る。
手加減をするつもりは毛頭ない。
最初から最後まで本気で、一体残らず狩り尽くす――。
自身に肉体強化剤(ブースター)を打ったレインは、戦闘用に改造された大型の注射器をさながら投げナイフのように投げつけた。
「何者ダッ!?」
肩を掠めた鋭い針に、怯む断頭人形。
その僅かな隙にレインは素早く距離を詰め、残像を残して背後に回り込む。
解き放たれた断頭台が、残像を解体した――直後。
「――遅いのよ」
レインは腕部に装着した刺突剣で、人形の急所を斬り裂いた。
リゼットとレインの強襲に、断頭人形たちは混乱しているよう。
「こんな所で出会うとはお気の毒ですが、邪魔なのでここでスクラップになってて下さい!」
無論このチャンスを逃すはずもなく、アオイは高らかに告げながら、両手で拳銃――バレットボイス・デュアルを構えた。
「跳ねまくれー、バンバンバンバン!」
アオイの声はそのまま弾丸となってバレットボイス・デュアルに装填され、跳ね返り続ける声弾となって放たれる。
地面や壁に跳ね返り、時には敵と敵の間を飛び交う声の弾幕。
「マリーさんを狙うのは、この私が許しません!」
近くまで飛んできた断頭台も“声”で撃ち抜いて遠ざけ、アオイは着実に数を減らしていく。
リゼットの人形と妖精が舞うように、そして幻影の兵士たちが力強く駆け抜けてゆく中、レインは囲まれないように立ち回りながら、自動人形たちの挙動を観察していた。
斬首斧に断頭台。人形たちの武器はいずれも大物だ。
ゆえに、攻撃の動作もそれなりに大きくなるだろう。そう推測したレインは、得物が振るわれ、あるいは放たれた直後の隙を狙って間合いの内へと入り込み、次々に人形たちを刺突剣で斬り伏せていく。
「人形ごときがぞろぞろと……鬱陶しいのよ!」
リゼットの軍勢に囲まれて、最早断頭人形たちに逃げ場はなく。
「宮殿には、近づけさせません……」
確かな意志を込めて紡ぎ、リゼットは軍勢に攻撃を命じるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV2が発生!
リゼット・ノア
アドリブ・連携歓迎
雑兵は排除しましたし、残るはアヴァタール級のみですね。
相手は…ああ、彼ですか。今回は巨大化しないのでしょうか?
自動人形と妖精を複数召喚・展開。
【統率】により全体で連携を取りながら
妖精の【呪詛】、自動人形の攻撃により相手を【攪乱】し、仲間の攻撃できる隙を作りましょう。
また仲間に対する攻撃に対しては自動人形を盾にして(使い捨てになってもあとで修理すればよいので)ガードします。
タイミングを見てパラドクスを使用。
鎌には鎌を、時には自分が首を刈られる気持ちを味わってもらいましょう。
幸い、革命軍に成り代わった大陸軍が相手なら、彼らに殺された者の怨嗟と慟哭はこの地に満ちているでしょうから。
アンダルシア・ノォヴェント
本来であれば処刑されている者を助け、足掛かりとする?
なるほどなーですね?
まだまだ戦いについて学ばねばなりませんね?
さてさて、ともすれば、出遅れてしまったようです、ね?
いえ、戦力として立てるだけよしと考えましょうか?
少々乱暴な魔法でお相手しますよ?
その鎌の威力は見る限りではぞっとしませんし、ね?
一撃離脱のこの魔法・・・
魔法と言うには物理的ではありますが・・・・
ものは試し、ですしね?
魔法についての反省点や、優れていると感じたところ、
やはり実戦で使ってみないことには、ね?
ああ、練習台だなんて思っていませんよ?
そう思えてしまいますか?
ふふ、いきり立つと鎌の動きが単調になりますから、どうかお気をつけて?
伊狩・真琴
ガラクタ野郎どもも後はテメエだけだ。
残骸は宮殿の補修にでも使ってやるから、とっととブッ壊れやがれ。
こいつ一体ならあれこれ考える必要もねえし、こっからはブン殴るだけだ。
真っ直ぐ突っ込んで、振り下ろされた相手の脚を【鬼神変・抜塞撃】で殴り返して破壊する。
脚一本壊せりゃ、少しは動きも鈍くなるだろ。
自分へのダメージは忍耐力で耐えて、体が動くならもう片方の腕でもう一発ブン殴る。
歴史も人の命も!テメエらの好きにしていいもんじゃねえんだよ!
白蔵主・天狐
さて、と。残りは鎌ちゃん一人?
じゃ、さっさと終わらそうか。今日もういっぱい動いたから、満足してるし。
気持ち悪い動きで近づいてくるなぁ。あなたのダンスの相手なんでごめんだわ。
──『永遠ヲ貪ル牙』
そろそろたまちゃんのご飯の時間かな、って。大丈夫、好き嫌いのない子だから。あなたみたいなブリキでも美味しくいただきます、って。
せっかくだから、その無様なダンスを止めるために足を一本一本斬り捨ててみよっか。全部取れちゃったらどうするんだろ?虫みたいにカサカサしたり?うわ、キモ……さっさと終わらせよっと。
アオイ・ダイアログ
ふぅん……パンタグリュエル化したファニーサイスさんとは戦えませんでしたからね
あなたにあの時の怒りをぶつけさせて貰います!
スマイルなら私の方が得意ですよ♪
笑いましょう楽しくて、笑いましょう嬉しくて、笑いましょう大らかに、笑いましょう勇ましく♪
あなたの笑顔は空っぽです、そこに何もありはしない!
そんなあなたに価値はなし、焼いて焦がして見えなくしてあげます!
鎌を振り回したら危ないですよ?
鎌で攻撃して来たら避けつつスティンガーを実体化してブルズアイギャンビットで頭を吹き飛ばしましょう
ガラクタらしく鉄屑として転がってて下さい!
あの時言った言葉をウソにしないために
マリーさんの未来は私たちが守ります!
レイン・ウォーカー
ファニーサイス、マリー救出作戦に現れたクロノヴェーダね
あの時よりはずいぶん小さいようだけど……
とはいえ油断は禁物、ここで確実に仕留めるわ
戦う上で脅威になるのは多脚による高速連撃、でもそれはあくまで地上での話
相手が地上戦を得意とするのならこちらは【飛翔】で空中から攻撃を仕掛けるわ
まずはその気色悪い脚を止める!
溶解剤を【投擲】して相手の脚を腐蝕させ、機動力を奪い
鎌での反撃は【残像】で被弾箇所をずらした上でカドゥケウスでガードを行いダメージを軽減する
そして、相手が仲間の攻撃で怯んだ隙を見計らって一気に降下
その顔目掛けてスティンガーで飛び蹴りを加え、【デッドリーペイン】でトドメを刺す
「さて、と。残りは鎌ちゃん一人? じゃ、さっさと終わらそうか」
今日はもう十分すぎるほどに働いたし、たくさん動いた。
良い夢が見られそうだと思うくらいには、白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)は満足していた。
だが、満足して帰る前に、最後の仕事が残っている。
ディアボロスたちによってサンソン式断頭人形たちが一掃された頃、ようやく異変を察したらしいアヴァタール級クロノヴェーダ――ファニーサイスが姿を見せた。
「チョット! 何が起きて……何をしてイルノ、アナタたち!?」
満面のスマイルで彩られた顔を持つファニーサイスだが、その声は驚愕、そして怒りに満ちているよう。
「相手は……ああ。今回は巨大化しないのでしょうか?」
見覚えのある姿にリゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)がぽつり。
他の誰でもない、マリー・アントワネットを断頭台から救い出した際に相対したクロノヴェーダだ。
「あの時よりはずいぶん小さいようだけど……」
レイン・ウォーカー(降り止まぬ雨・g02000)もまた、呟く。
巨大化したあの時はディアボロスたちと壮絶な戦いを繰り広げたものだが、今、目の前に居るファニーサイスは、あの時とは大きさも口調も違い、同じようで別の個体なのだとわかる。
――もっとも、マリー救出作戦で現れたファニーサイスはディアボロスたちによって倒されたのだから、元々別の個体であることは明白だ。
見た所普通のアヴァタール級であるようだ。ならば、巨大化することもないだろう。
とは言え、相手はクロノヴェーダであることに違いはないし、油断は禁物だということもわかっている。
腕に装着した刺突剣カドゥケウスの刃を向けながら、レインは淡々と――けれど、確かな意志を宿した声音で告げる。
「ここで確実に仕留めるわ」
サンソン式断頭人形は一体残らず倒され、残りはこのファニーサイスだけ。
ならば、最早あれこれと策を巡らせる必要もないだろう。
「ガラクタ野郎どもも後はテメエだけだ。とっととブッ壊れやがれ」
ただ純粋に殴り倒す――伊狩・真琴(成鬼・g02897)にとっては、ただそれだけだ。
――本来であれば処刑されている者を助け、正しき歴史へと戻すための足掛かりとする。
「……なるほどなーですね?」
そういう戦いもあるのだと、アンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)は感心するばかり。
(「まだまだ戦いについて学ばねばなりませんね?」)
「パンタグリュエル化したファニーサイスさんとは戦えませんでしたからね。あなたにあの時の怒りをぶつけさせて貰います!」
ファニーサイスにびしっと指を突きつけたアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は、そのまま大きく息を吸い込んだ。
「それに、スマイルなら私の方が得意ですよ♪」
――笑いましょう楽しくて、笑いましょう嬉しくて、笑いましょう大らかに、笑いましょう勇ましく♪
神秘の声でアオイが歌い上げるは勇気の旋律。
それは、勝利を齎す希望の凱歌。
明るく弾む決意の歌声が仲間たちの心に宿る闘志を鮮やかな色で染め上げて、生まれた激情の熱が灼熱となってファニーサイスを燃え上がらせる。
「ヤダ! 熱いじゃナイ!」
想いを込めた言霊の炎に焼かれながらも、ファニーサイスは頭部を発光させ、アオイに狂気の笑顔を向けてくる。
だが、たとえそれが心を恐怖で揺さぶるものであったとしても、アオイの心には響かない。
「あなたの笑顔は空っぽです、そこに何もありはしない! そんなあなたに価値はなし、焼いて焦がして見えなくしてあげます!」
直後、畳み掛けるようにリゼットが喚び出した黒い妖精たちと、そしてリゼット自身が操る自動人形がファニーサイスへと襲い掛かった。
妖精たちは統率された動きで楽しげに飛び回り、ファニーサイスへ呪詛を刻んでいく。
「鬱陶しいワネ!」
躍りかかる自動人形の舞うような動きに、ファニーサイスは些か翻弄されているよう。
そして払うように振り回されたファニーサイスの大鎌が、自動人形を切り裂いた。
(「今は、仕方ありませんね……」)
リゼットにとっては大切な人形ではあるけれど――たとえ壊されても後で直せば良いと今は割り切って、リゼットは時に人形を盾にして仲間たちを護っていた。
「さてさて、少々乱暴な魔法でお相手しますよ? その鎌の威力は見る限りではぞっとしませんし、ね?」
アンダルシアは柔らかな笑みを口元に浮かべ、箒に腰掛けた。
「この魔法……魔法と言うには物理的ではありますが……ものは試し、ですしね? ――箒よ箒よ、空より大地へ舞い降りなさい」
箒に乗って天高く飛翔したアンダルシアは空中で向きを変え、そのままファニーサイスの元へ真っ直ぐに急降下していく。
「ナッ……何ですッテ!?」
魔女の装いに身を包んだ彼女がある意味――これもアンダルシアにしてみれば、先程彼女自身が口にしたようにれっきとした魔法ではあるのだが――物理的な攻撃を仕掛けてくるとは、ファニーサイスも想像だにしていなかったのかもしれない。
そのファニーサイスが驚愕の声を上げている間にも錐揉み回転しながら落ちていくアンダルシアの姿は、さながら隼の如く。
そうしてファニーサイスの元へ一直線に飛び込んだアンダルシアは、魔力と速度、そして回転を活かし、地面に当たる直前に弧を描いて再び空へと舞い上がった。
「なるほど? どうやら上手くいったみたいですが、改善点はありそうですね?」
やはりどれほど知識を練り上げて新たな魔術を編み出したとしても、実践で使ってみないことには良い点も悪い点も見えてこないもの。
「アナタ……! ワタシのコトを何だと思ってルの!?」
「ああ、練習台だなんて思っていませんよ? そう思えてしまいますか?」
弧を描く唇が紡いだ言葉に、ファニーサイスもまた、貼り付けられた笑顔はそのままに鋭く尖った脚で舞うように駆けながら飛び込んできた。
光速で振り回される鎌を、アンダルシアは潜り抜けるように飛びながら躱していく。
「ふふ、いきり立つと鎌の動きが単調になりますから、どうかお気をつけて?」
「……気持ち悪い動きで近づいてくるなぁ」
「気色悪い脚ね」
同時にこぼす天狐とレイン。
不快の色を隠さぬまま、レインはファニーサイスの蜘蛛のような脚目掛け、強酸性の溶解液をばら撒いた。
「キャッ!?」
見る見るうちにファニーサイスの脚が錆びていくのがわかる。
「あなたのダンスの相手なんでごめんだわ。それに、そろそろたまちゃんのご飯の時間だし」
そして、天狐も妖刀を抜き地を蹴った。
「だから、終焉を与えてあげる」
微かな笑みをうかべて、天狐はたまちゃん――妖刀“魂喰らい”を振るう。
「ギャッ!?」
刃に触れれば、それだけでファニーサイスが錆びてゆく。
「大丈夫、好き嫌いのない子だから。あなたみたいなブリキでも美味しくいただきます、って」
反応などお構いなしに、天狐は高速で振り回される鎌をたまちゃんで受け流しつつ、更なる攻撃を加えてゆく。
「せっかくだから、その無様なダンスを止めるために足を一本一本斬り捨ててみよっか」
まずは、一本。
付け根の部分からぽっきりと、面白いくらい呆気なく、脚は折れてしまった。
「全部取れちゃったらどうするんだろ? 虫みたいにカサカサしたり?」
つい想像して、天狐は途端にげんなりした表情になった。
「うわ、キモ……さっさと終わらせよっと」
「おっと、鎌を振り回したら危ないですよ? ガラクタらしく鉄屑として転がってて下さい!」
アオイはダンスのように軽やかなステップでファニーサイスから距離を取り、ライフルの照準を合わせながら高らかに告げる。
――“あの時”の言葉を、嘘にしないために。
「マリーさんの未来は、私たちが守ります!」
放たれたのは、確かな意志が込められた言霊の弾丸。
「では、そろそろ終わらせましょうか」
リゼットの赤い瞳が、ファニーサイスの姿を映す。
――目には目を、歯には歯を、悪逆には怨嗟を、悲劇には慟哭を、殺戮には復讐を。
恨み苦しみ悲しみを全て集め、全て返そう――。
傍らに添う自動人形と黒い妖精の力により、あらゆる負の感情がリゼットの元へと収束していく。
理不尽に断たれ、奪われたいのちの怨嗟や慟哭が、黒く輝く死神の大鎌の形となって顕れ、ファニーサイスへと振り下ろされた。
――復讐するは我にあり。
「鎌には鎌を、時には自分が首を刈られる気持ちを味わってもらいましょう」
響き渡る怨嗟の声が、ファニーサイスを包み込む。
脚を奪われながら、なおも高速で振り回されるファニーサイスの大鎌が、残像の首を斬り落としたその刹那。
懐へ飛び込んだレインは鋭い刃が仕込まれたブーツサンダルでファニーサイスの顔を蹴り上げた。
「苦痛に悶えて死になさい!」
そして、腕に装着した刺突剣でその首元を深々と穿つ。
「ギャアッ!?」
流し込まれた毒に悶え苦しむファニーサイスへ、真琴が肉薄する。
「残骸すら残らねえくらい粉々にしてやる! ――ブッ壊れろ!」
真琴は己の内を巡る鬼の血で異形の腕を巨大化させ、更に念動力を乗せた拳を繰り出した。
狙うは鋭く尖った脚のひとつ。時に要塞すら打ち砕く一撃に、返ったのは確かな手応え。
ぼきりとへし折れた脚に、けれどファニーサイスは怯まない。
「なかなかヤルじゃナイノ!」
残る脚を大きく伸ばし、大鎌を振り下ろすファニーサイス。
真琴は咄嗟にそれを弾き返そうと巨大化したままの腕を振るう。
腕に突き刺さる大鎌の刃。奔る痛みは並大抵のものではない、けれど。
「これくらいで怖気づく程やわじゃねえんだ!」
削ぎ落とされるような鋭い痛みを強靭な精神力で痛みを鎌刃ごと押さえつけ、真琴はもう片方の拳を笑顔の仮面へと叩きつける。
「歴史も人の命も! テメエらの好きにしていいもんじゃねえんだよ!」
「ギャアッ――!」
断末魔の絶叫と共に顔が砕け、ファニーサイスはそのまま物言わぬがらくたとなって崩れ落ちた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【ガードアップ】LV1が発生!