リプレイ
六道・凛音
(トレインチケット)
露木・ささら
(トレインチケット)
「……。……。……」
「……、……、……」
ミウ・ウルの出撃待機室で、ディアボロスが向き合っている。
六道・凛音(怯え惑う四苦八苦・g00446)とカマル・サディーク(人間の王墓守護者・g03220)だ。
「な……にか……私に……ご、用……?」
「ぼ、ボクはその、えと、敵は黙らせて、やる……」
このふたりの組み合わせ。
凛音は、微妙に人見知り。カマルは、やや引っ込み思案で挙動不審。
そこでアルメア・グラウプナー(フロイライン=ズィーリオス・g00637)が間にはいる。
「貴殿ら、にらめっこしてどうした」
「さ、作戦会議」
と、カマル。
人間の王墓守護者にして時間神官は、包帯を身体に巻き付けている。特に、顔面を覆うぶんは、左目を完全に隠していた。右の紅い瞳は、態度とはうらはらに鋭い。
凛音はすこしだけホッとした表情となり、露木・ささら(流血の狩人・g02257)は真顔になった。
「会議には……見えなかったかな」
敵は知恵が回るし、口も上手いらしい。そんなコミュ力で大丈夫か。
「まぁ、ボクだってふつーの狩人なのです。だから話すこともふつーですよ?」
と、姫カットを片手でさらっと流し、真顔からゆるふわに戻った。
この潜入部隊は、パッと見で女性ばかりのようだが、ささらはそう見えるだけで10歳の少年だ。
「おやおや」
アルメアは芝居がかった仕草。額に手をやるのにも、肘をピンと突きだし、機械化した指をカチャカチャいわせる。
「『台本(ホン)』読みならさっきすませただろう? 私たちの出番は……」
アヴァタール級への強襲である。
依頼の主任務は敵施設破壊だから、それは本隊たるディアボロスにお願いする。先行して蟲将の指揮官を抑えることで、仲間への援護にしようというのだ。
「トループス級も皆が参謀格らしい。指揮系統が乱れれば、『船頭多くして船山に上る』だろう」
「少しでも、……敵を……削る、ために……頑張ろう……」
凛音が発する一語一語に、皆が頷く。
「……有利な、……状況を……作る。ために……も……」
さっきカマルが言いたかったことも同じだ。
はたして、伐採した樹木による簡易拠点から、敵の指揮所を見つけだすのに苦労はなかった。
「捜索活動です? 狩人なので野外では得意ですよ」
ささらがメンバーにいればなおさら。
窓枠のような穴を乗り越えて、潜入部隊はさっそく蟲将『商鞅』と対峙する。
「飛蛾撲火か。飛んで火に入る夏の虫だ、ディアボロスめ!」
アヴァタール級は少しも動じない。
凛音はすぐさま、契約を交わした存在のひとつを呼び出した。
「……六道が、一趣。……三善道が、一角。善根、……の積み……重ね、たる……白き天人に、希う。『【天上道】(ゼンゴンノツミカサネタルシロキテンニン)』……」
慈悲深き菩薩、輝きの天人が現れる。
商鞅をはじめ、指揮所内を眩しく照らし出した。光に抵抗するように、蟲将はますます誇らしげな態度をとる。
「古人、曰く……」
この演説こそが、敵のパラドクスだ。
心の底から訴える事で世界のルールを捻じ曲げ、自身に有利な現象を呼び起こすのである。天人の光は押し戻され、ディアボロスたちに圧力がかかる。
「わわ、やっぱり口が回るのです。凛音さんとカマルさんは、大丈夫なのです?」
心配するささらにアルメアが、自信ありげな笑顔をみせる。
「彼女たちは舞台に相応しい、役者であることよ」
応じるように、カマルは立ち上がった。
左目の包帯を外す。出てきた赤い瞳、右目と同じなのだが、それで『商鞅』をじーっと見つめた。
「れ、歴史は繰り返す。……古人、曰く!」
たどたどしかった口調が変わった。
『イプエルの訓戒(クンカイ)』は攻撃を再現し、敵に浴びせる。『変法』の宿ったカマルの唇は勝手に動き、ぺらぺらとまくし立てはじめた。
「百戦百勝、非善之善者也……」
「な、なにおう! 兵者、詭道也! えーと、それから……」
商鞅も当然、対抗してくる。カマルは自分でもなにを言っているのかわからないが、続ける。演説合戦が時空を歪めていく。
そこへ、凛音が加わった。
本人は重圧でへばったままだが、輝きの天人が代わりに説法する。
「そもさーん!」
「せっぱー!」
「私も長台詞はキライじゃないがな」
アルメアが大勢を立て直した。
「大将の立ち位置はそこじゃあないッ!」
一瞬の内にアヴァタール級の眼前に踏み込むと同時に、その勢いのままに渾身の前蹴り、いわゆるケンカキックを放つ。
ツッコミのような攻撃を受けて、吹っ飛んでいく商鞅。まさに一蹴、『シュースカノーネ』だ。
だが、室内の空間の歪みはまだ解けない。
「飛蜂集権……」
演説とともに、商鞅は無数の蜂を放つ。しゃべって消耗した生命力を奪わせんがために。
「優れた狩人は死中にこそ活路を見い出すもの」
ささらが、虫に突っ込んだ。
「怖気づき、退けば死ぬ。敵の攻撃は退くのではなく前に進んで回避するもの。勝利は後ろにはなく、前にしかない。……『狩技<天彗箒星>(テンスイホウキボシ)』」
運動エネルギーを余すことなく蹴撃へと変える。
蜂の群れを、足先からの衝撃波で散らす。
「ささらの狩りを知るがいい、なんてね」
「大将、飛んで火にいるのは、あんたんとこの蜂のことらしい」
アルメアは蹴撃に加わった。すべてを墜とすためにはまだかかる。
「うわっぷ……。特殊効果の焚き過ぎだ。これじゃあ、観客になにも見せられないじゃないか」
そのかわり、施設破壊部隊のために時間かせぎが出来るだろう。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
植生に隠した黄月英配下の監視施設。
そのなかで一番高いヤグラを支える四本の柱が、順番に切断された。見張り台に登っていた蟲将たちが、叫び声をあげる。
「うわぁぁぁぁあ!!」
傾き、落ちていく木造の部屋から脱出するのは、翅をもつ種族であっても難しい。
「……あああああ! あ?」
一体が、気付く。
斜めになった窓枠の外で、空気が揺らいでいくのを。
「古いかも知れぬが、ドロン……!」
揺らぎは、緋月・リィンシュタート(紅蓮迅雷・g01772)の輪郭であった。
紅い放電を纏っている。顔、身体と姿が露わになり、身につけたバトルスーツの武器ホルダーがすべてカラになっているのも確認できた。
刀型のものは彼女の片手に握られており、小刀は逆の手に。
「ディ、ディアボロスだ、ああああぁぁ……――」
「いかにも。では、さらば!」
スーツ付属の機動ブーツを吹かすと、『エアライド』で跳ねる。
ともに下降していた見張り台はそのまま地上設備に落ちてそれを破壊し、なかにいた蟲将も、発していた叫びを途絶えさせた。
リィンシュタートは、『試作隠密機構・雲隠れ』に『紅雷』の電力を供給していた。植生に合わせた映像を投影することでステルス状態となり、スーツ『黒鷲』から様々な武器を繰り出して、ヤグラの柱を斬ったり、折ったりしたのである。
なかでも、高周波振動機構刀『八咫烏』の切れ味は素晴らしかった。
「全滅までは、しておらぬよな?」
施設があっけなく沈黙したので、計略を用心し距離を置く。
「ええ、それがいいわ、リィンシュタートさん」
アカツキ・クレハ(酩酊楽々・g10951)は、十字剣を構える。
「『拠点参謀』なんて、あまりにぴったりなお名前をお持ちの敵ですもの。簡単に降参するとは思えませんよね」
口調は軽めだが、蟲将の実力を認めたような含みがある。
実際、崩れた木材のそこかしこから、こちらを狙っている気配が滲みでてきた。
「知恵比べ、できれば直接会って話したいとこだけど、アタシたちもスケジュールが詰まってるの」
十字剣の構えをとく。
先行の潜入部隊に、ずっとアヴァタール級を抑えてもらうわけにもいかない。アカツキの言葉には徐々に節がついてきて、やがて歌唱になる。
「貴方にとって、世界が幸福に溢れるものでありますように♪」
パラドクス『黒薔薇の囁き(エイエンノアイ)』だ。
「貴方にとって、世界が優しく愛おしいモノで有りますように♪」
祈りを込めた歌が、監視施設の残った部分に作用し、木組みの構造を分解していく。
潜伏していた蟲将の動きがちらちらとのぞきはじめた。
やはり、ディアボロスに対してのはかりごとだ。弓矢でひといきに殲滅しようと、参謀たちの指示で陣形をとる最中だったのである。
「あぁ、でも、世界にとって貴方がそうであるとは限らないけれど……」
アカツキが暴いたために、正面から戦火を交えることになりそうだ。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
仲間に続いて、蟲将らの殲滅と監視拠点の破壊を
救援機動力で合流すれば、そのまま【エアライド】を活用して飛び上がる
数多の戦場を渡り歩いた経験から、敵陣形を冷静に把握して、攻めどころを<看破>
やはり実戦経験が少ないのだろうか。もしくは先行数仲間の攻めが上手かったか。綻びは随所にみられる
迷うことなく一気に近接すれば、自身の勢いを乗せた黒龍偃月刀の石突を叩きつけ、【ダメージアップ】した咆哮を轟かせる
その<衝撃波>は、蟲将はおろか設備もろとも吹き飛ばし、再起不能な損傷を与えるために、敵中で暴れまわる
反撃には、壊した施設の残骸などを盾に立ち回り、右腕の大籠手や戦花護紋で弓を弾き、急所を守ることで自身へのダメージの軽減を図る
加えて【アヴォイド】の効果もあれば、『魏軍拠点参謀』の攻撃など蚊に刺された程度。ひるむことなく猛攻を仕掛け続けよう
我らが仲間、ミウ・ウルが通る道、ここに定めさせてもらうぞ
救援機動力で合流した夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)が、『エアライド』を使って飛び上がる。
蟲将はツブレかけの木造施設に潜んでの弓兵掃射をたくらんでいたから、跳躍中の錬晏を射るための仰角が足りなくなった。
数多の戦場を渡り歩いた経験。
錬晏は、敵陣形のその弱点を、即座に看破する。
(「やはり実戦経験が少ないのだろうか。もしくは先行する仲間の攻めが上手かったか。綻びは随所にみられる」)
散発的な矢など気にも留めず、放物線を描いて一気に接近した。
「咆えろ!」
自身の勢いを乗せた『黒龍偃月刀』の石突を、倒壊した見張り櫓に叩きつける。
監視施設を隠した土地全体に地鳴りが響く。
まさに、『黒龍の咆哮』だ。
その衝撃波は、隠れていた蟲将もろとも、木造の施設を木っ端みじんに吹き飛ばした。
「ひ、ひいいい!」
「誰か、誰か、次の策はないか」
「貴殿は成績がよろしい、上の者の覚えもいい、ここはお任せいたす……」
「おのれ、押しつけて逃げるつもりであろう!」
文官の装束をした蟲将が数人、内輪もめをしている。弓兵はまだ戦えるはずだが、轟く咆哮が威嚇となって、『魏軍拠点参謀』は指示を出せないようだ。
偃月刀を振り回し、錬晏は敵中で暴れまわる。
ようやくまとまった矢が射られたときには、壊した施設の残骸が遮蔽となり、今度はディアボロス側が防御に利用することとなる。
「貴殿らの攻撃など、蚊に刺された程度。ひるむことがあろうか!」
右腕の大籠手で矢を弾き返す、錬晏。残った弓兵と『魏軍拠点参謀』に猛攻を仕掛け続けて、これらを殲滅した。
「我らが仲間、ミウ・ウルが通る道、ここに定めさせてもらうぞ」
奥にあった指揮所も半壊している。
アヴァタール級『商鞅』にトドメを刺せば、宣言は叶うであろう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
参謀らを片付けた後は、指揮官を討ち取ろう
仲間が時間稼ぎをしてくれている状況を活用し、『商鞅』に忍び寄れば、【先行率アップ】でパラドクスを叩き込む
大気から、大地から、わずかな水分も逃さずかき集めれば
朱殷の闘気と交わり凝固し、黒龍偃月刀に氷の牙が付与されて【ダメージアップ】の一撃となる
反撃への対応は冷静に
【アイスクラフト】で氷の壁を乱立させ、それを死角に文字の斬撃を躱す
戦花護紋で急所を守って、損傷を最小限に立ち回れば
『商鞅』に休む間も与えず、追撃の一閃を叩き込む
かつての世界の、蟲将らのつくる砦とは似て非なるもの
先の戦いの様子からも、やはり「山越」の蟲たちは実戦経験が少ないらしい
「よくもまあ、この程度の策で我らの足止めをできると思ったな」
口では挑発するものの、この策を講じたのは『黄月英』
『商鞅』の首を撥ね飛ばすまで油断せずに戦う
帰還まで時間があるなら、施設の破壊具合を確認
急誂えの拠点にある情報は限られているだろうが
「遠距離攻撃」がどのようなものか、その片鱗がないだろうか
「参謀らを片付けた後は、指揮官を討ち取ろう」
夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は仲間の時間稼ぎを無駄にはしない。
「かつての世界の、蟲将らのつくる砦とは似て非なるもの。先の戦いの様子からも、やはりここの蟲たちは実戦経験が少ないらしい」
ひしゃげた柱の合間から指揮所の内部を伺い、潜入部隊と交戦しているアヴァタール級の背後をとった。
静かに、そして確実に。
大気から、大地から、生乾きの木材からも、逃さず水分をかき集める。
(「噛み砕く……!」)
朱殷の闘気と交わり凝固した水が、氷の牙となって黒龍偃月刀に付与される。それを蟲将『商鞅』の背中、翅と翅のあいだに突き立てた。
「『玄嘴咬斂(ゲンシコウレン)』!!」
「ぐはあッ!! なんぞ?! 味わったことのない、痛み!」
偃月刀を引き抜くと、残った氷の牙を胸から突きださせたまま、『商鞅』はもんどりうった。こんなときにも、口は回る。
錬晏は冷静だった。
瀕死の敵が、胸元をかきむしる仕草にかくして懐から、『木簡』を取りだすのを見逃さなかった。
「故人曰く……直言一刀!」
古代の書物がはらっと開き、浮かび上がった文字が刀の形となって襲ってくる。錬晏は、氷の牙の乱立を壁とし、文字の斬撃を躱した。
「よくもまあ、この程度の策で我らの足止めをできると思ったな」
口では挑発するものの、この策を講じたのは『黄月英』だ。
追撃の一閃でアヴァタール級の首を撥ね飛ばすまで、油断はしなかった。蜂のかたちの頭部が、傾いた壁にぶちあたると、指揮所もがらがらと崩れさる。
ディアボロスたちは、帰還までのわずかな時間で、施設の破壊具合を確認した。
錬晏の念入りさを仲間たちが尋ねると。
「『遠距離攻撃』がどのようなものか、その片鱗がないだろうかと思ってな。急誂えの拠点にある情報は限られているだろうが……」
ミウ・ウルを発見した場合の『黄月英』の策だ。
確かにそれは気になる、と仲間たちも同意したが、今回は時間がきた。
アラーヴァリー山脈越えも現実のものとなってきて、皆が大きな動きを予感している。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!