【ラ・ピュセル奪還戦】復讐祭阻止作戦

 このシナリオは【火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 最終人類史の戦場は、奪還戦第2ターン開始時まで敵への攻撃は出来ませんが、襲撃地点や襲撃方法、敵の侵攻ルートなどは判明しています。
 この情報を元に、最終人類史の人々とも協力して、被害を防ぐ為の準備を行ってください。
 準備は、防衛設備の設置、避難経路の設定、一般人の避難訓練など、思いつく限り、何でも試すのが良いでしょう。

 全ての『復讐祭阻止作戦』で得た🔵80個につき、最終人類史の戦場での一般人の被害を減らすための人数が大きく減少します。
 詳しいルールは、火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦の『勝利条件と特殊ルール』を確認してください。

【ラ・ピュセル奪還戦】篝火(作者 中川沙智
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#最終人類史(新宿島)  #【ラ・ピュセル奪還戦】復讐祭阻止作戦  #火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦 


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#最終人類史(新宿島)
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#【ラ・ピュセル奪還戦】復讐祭阻止作戦
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#火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦


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●かがりび
 オルレアンのジル・ド・レ軍、リヨンのサンジェルマン伯爵など、有力なジェネラル級キマイラウィッチを撃破した事で断層碑文が出現した。
「いよいよ火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦が始まるよ。準備はいいかな?」
 阿賀崎・是枝(フラクタルワルツ・g03215)は集まったディアボロスを見渡した。
 このディアボロスの奪還戦に対して、断片の王ジャンヌ・ダルクは復讐祭の卵を使用した大儀式を行い、最終人類史に逆侵攻を実行したのだ。もっとも大儀式は不完全なものであるようだが。
「今回は火刑戦旗ラ・ピュセルに攻め込んでジャンヌ・ダルクの撃破を目指すと同時に、最終人類史の防衛も行わなければならないよ。最終人類史を危険にさらすような真似は、可能な限り避けなければならないからね」
 情報を聞いた一般人からは『奪還戦を見送るべきでは』という意見も少数ながら上がっている。
 しかしながら一度奪還戦を見送った場合に、再び奪還戦を挑めることが出来るのかが不明だ。敵の準備が整ってしまえば、一方的に最終人類史への侵攻を許してしまう可能性が高い。
「そういった理由から『最終人類史を防衛しつつ、火刑戦旗ラ・ピュセルを奪還する作戦を行う』という世論が大勢を占めているようだね。攻守どちらも譲らない。ふふ、実に欲張りで人間らしくて、いい考えだと思うよ」
 最終人類史の人々の心意気に応えたい。キマイラウィッチの虐殺から、住人を守り切る準備を開始して欲しい。是枝が言いたいのは、そういうことだ。

「例えば、そうだな……」
 是枝は指折り数える。
 自衛隊、在日米軍、警察、消防、その他公務員、民間警備会社、PTA、労働組合、商店街、町内会、老人会、宗教団体など。挙げればキリがないありとあらゆる人たちが、避難の準備活動を行ってくれている。
 もしもの仮定ではあるが、ディアボロスが手伝わなくても、最低限の準備を整えることは出来るだろう。あるいはその準備をサポートするだけでも、相応の効果は見込めるはず。
「とはいえ、人任せにするのも芸がないだろう? もちろん彼らに出来ることは彼らに任せつつ、ディアボロスの力を活かした貢献が出来れば尚のこといいだろうね。何、出来ることはたくさんあるさ。それに人手は多ければ多いほどいい」
 戦うための篝火が、人々の心に灯りますように。
 健闘を祈るよ。
 是枝は大きな期待を湛え、艶やかに唇の端を上げた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
3
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1

●マスターより

中川沙智
 中川です。
 ファーストアタック、よろしくお願いいたします。

●このシナリオについて
 火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦に関連するシナリオです。
 オープニングの情報を元に最終人類史の人々とも協力して、被害を防ぐための準備を行ってください。

●選択肢について
①最終人類史、復讐祭阻止作戦
 選択肢の説明文章を参照の上、いずれかの行うべき行動を選択した上でプレイングをおかけください。
 何でもかんでも詰め込むのではなく、ひとつの行動にぎゅっと集約したプレイングをお勧めします。

②奪還戦勝利の誓い
 ディアボロスとしての誓いを告げてください。内容次第で士気が向上します。
 ①の執筆終了後、採用は若干数となります。いらっしゃらない場合はサポートを採用の上完結させていただきます。

 では、皆様のご参加を心からお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


シル・ウィンディア
直接こっちに攻めに来るとはね。
TOKYOエゼキエル勢もまた厄介なことをしてくれるね。
信じてくれる人々のためにも。
しっかりとできることを全力でやりましょうかっ!

住人の人達に集まってもらって、しっかりを誠意をもって…。
この人類史に、恐ろしい敵が攻め込むっていうことが判明したの。
でも、事前に脱出をしちゃったら、どこで襲ってくるかわからなくなる。
だから、ここにいてほしい。
あなた達は全力でわたし達が守るから。
真っすぐに視線を逸らさずにみんなへ伝えるよ。

当日は、魔女たちをあなた達の元に届けないように…。
わたし達は食い止めることに力を注ぐから。
全力で阻止して見せるからねっ!

だから、避難する時は、避難誘導をされる人達に従って行ってね。
怖いけど、慌てずにね。
伝え終わったら、最後にこう伝えます。
みんなの勇気に感謝します。
だから、絶対に勝って見せるよっ!!
この大地に住まう人々のためにもっ!
そして、信じてもらった、あなた達のためにもっ!


「TOKYOエゼキエル勢もまた厄介なことをしてくれるね」
 言葉のわりに、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)の顔貌は陰っていない。きゅっと唇を結んで、凛と前を見据えて。微かに笑った。軽く屈伸をしてから大きく伸びをする。
 信じてくれる人々がいるから。そのためにも。
「しっかりとできることを全力でやりましょうかっ!」
 シルは駆けだした。向かうのは、今回大きな働きを担ってくれるはずの人々のところ。計画上、襲撃予定地点の住人にはギリギリまで戦場に残ってもらわなければならない。
 そんな彼らが集う場所へ向かったシルは周囲を見渡す。
 作戦の意図は察しているのだろう、人々は真剣にこちらを見つめてくる。それでいて、そのかんばせには緊張の色が見え隠れしていた。既に専門家によって避難経路に沿った訓練は行われているものの、これからの実践を思えば、不安が過るのも無理はない。
 シルは大きく息を吸った。
 しっかりと、誠意を携えて。
「もう聞いていると思うけど、この人類史に、恐ろしい敵が攻め込むっていうことが判明したの」
 静寂に満ちているから、今ここに響くのはシルの声だけだ。
 臆せず伝えよう。シルは続ける。
「でも、事前に脱出をしちゃったら、どこで襲ってくるかわからなくなる。予知から逸れてしまえば皆にどんな被害が及ぶかわからない」
 ──だから、ここにいてほしい。
 真摯に告げて、それから拳をぎゅっと握った。伝えたい言葉がある。伝わって欲しい言葉がある。
「あなた達は全力でわたし達が守るから」
 真直ぐな視線でそう訴える。
 それはシルが培った経験からくるものでもあり、心意気からくるものでもあった。そこに湛えられたひたむきさ。
 いつのまにか人々の視線がシルという一点に注がれている。
「当日は、魔女たちをあなた達の元に届けないように……わたし達は食い止めることに力を注ぐから」
 胸が震える。
 声が戦慄く。
「全力で阻止して見せるからねっ!」
 届け、届け。すべての人に。シルは澄み渡る声でそう言って、それから相好を崩す。いつの間にか息を止めていた人々に安堵が広がるのが見えた。
「だから、避難する時は、避難誘導をされる人達に従って行ってね。怖いけど、慌てずにね」
 もう既に、避難指示は行き届いているはず。誰もが賢く、敏い。故に作戦の理解度についてシルは心配していない。あとは少しばかりの勇気を届けるだけ。それが己の役目だと正確に把握していた。
 そこまで至って、シルはぺこりと頭を下げた。
「みんなの勇気に感謝します」
 肌で感じる。この場にいる人たちの信頼がディアボロスの両肩にかかっていることを。それをしっかりと受け止めて、心臓の裏側が熱くなるのを感じながら、シルは顔を上げた。
「だから、絶対に勝って見せるよっ!!」
 きっぱりと言い切ったのは意思だ。願いだ。祈りだ。
「この大地に住まう人々のためにもっ! そして、信じてもらった、あなた達のためにもっ!」
 声が響いた刹那、歓声が沸いた。
 偶然視界に入った少女の一人が万感を籠めて頷いてくれたのを、シルは確かに見止めたのだった。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

リオーネ・クア
避難訓練の手伝いをするよ
できれば今回手伝う場所は俺の故郷であり『復讐祭の卵』が出現すると予知されている世田谷区
身近な人にはより濃く、正確に情報を伝えやすいと思うから
俺から家族や友人へ、更にその家族や友人へと密に情報を伝えていって避難の精度を上げたい

住民の訓練場に着いたら簡単に自己紹介をして、最初は避難する側に混ざって訓練に参加
プロが考えた案だから大丈夫だと思うけど、視点が変わって初めて気付くこともあるし改善点を見つけたら伝えるよ
改善案を出すのは俺の特権じゃない、あれ?と思った事をどんどんみんな言ってね
俺(ディアボロス)が優れているのは力があることと場数を踏んでいるかの違いであって、誰もが大切な仲間
多くの人の知恵が集まったほうが強いよ、頼りにしてる!

ある程度住民が避難に慣れたら俺とサーヴァントのロッソで襲撃を模す訓練を提案
何をするかは予告しないでおき、避難中にロッソが「めー!」って突然飛び出すとか、俺が石垣を崩して進路妨害をするとか、空から俺が急降下してくるとか実戦に近い状況を作ってみよう


 避難訓練は順次実施されていて、専門家の指示でおおよその対応は出来ているという。
 ならばその手伝いをしよう。リオーネ・クア(ひつじの悪魔・g01176)はメーラーデーモンのロッソと共に、人々のところに向かう。
 目指すは世田谷区。そこはリオーネの故郷であり、『復讐祭の卵』が出現すると予知されている区だ。今回リオーネの希望が通ったのは僥倖だ。身近な人にはより濃く、正確に情報を伝えやすいに違いない。己から家族や友人へ、更にその家族や友人へと密に情報を伝えていって避難の精度を上げていきたい。そう考えていたのだ。
 リオーネが到着したところ、ちょうど訓練を始めようとしていたところだったようだ。
 集まっていた人々に「リオーネ・クアだよ。こっちはサーヴァントのロッソ」「めー!」と自己紹介。
「ところで避難経路の説明はこれから?」
 そうリオーネが尋ねれば、専門家らしき壮年の男性は頷いた。手元にある地図を見せてもらったところ、進む道筋に従って赤いマーカーが引いてある。それを眺めて、リオーネは顎に手を添えながらしばらく思案。立場の違う人間が加わり視点が変わって初めて気付くこともあると目算していたが、案の定だ。
 ある一点を指差しながらリオーネは言う。
「交通規制が敷かれているなら、ここの道は直進したほうがいいと思うな。誰かこのあたりの地理に詳しい人はいる?」
 訓練に参加する人の中には、このあたりの地の利がある人間も多いはず。
 リオーネの呼びかけに何人かが応じる。それでいいのだ。改善案を出すのはリオーネの専売特許ではない。「あれ?と思った事をどんどんみんな言ってね」と促せば、アイディアが次々と積み重ねられる。多くの人の知恵が集まったほうが強いのは間違いない。
「うんうん、いいね。ありがとう、頼りにしてる!」
 明るく告げたら、意見を出してくれた人が表情を綻ばせた。
 冷静に思考を紡いでいこう。
 リオーネのようなディアボロスとの差異は、力があることと場数を踏んでいるかの違いくらい。誰もが大切な仲間なのだ。であれば一方的に意見を押し付けるのではなく、出てきた見解をブラッシュアップしていくほうがいい。
 あれこれと相談していくうちに、避難計画はより精度の高いものに進化する。
 であれば、後は実戦だ。
「俺とサーヴァントのロッソで襲撃を模す訓練をしてみるのがいいと思うけど、どうかな?」
 より当日の状況を想定したものにするには、襲撃に備えるのが大前提だ。
 住人たちの了承を得て、リオーネとロッソは早速仕込みに入った。具体的に何をするかは予告せず、避難施設であるビルの地下室へと向かう避難経路のどこかで何かが起こるとだけ知らせておく。
「めー!」
 曲がり角から飛び出したロッソに、誰かがびくりと肩を震わせる。
 リオーネが撤去予定の石垣を崩すと、誰かがすかさず後退する。
 太陽が高い頃合い、逆光の中リオーネが空から急降下してくると、誰かが誰かの手を握って目を離さず、次の候補の通路へと駆けていく。
「びっくりしましたけど、当日はもっとすごいものに遭遇する可能性もあるんですよね」
 他の人にも周知しておきます、と住人が言うと、リオーネは深く頷いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

ラズロル・ロンド
僕は、敵侵攻ルートの誘導に力を入れよう

敵の行動変化はあってはならない
守ると約束したんだ、それを果たす為にも
キマッチだろうが出し抜かないとね

敵侵攻ルートを元にその場所周辺の至る所に血糊を仕掛けよう
冷暗所となる場所には【液体錬成】で血糊を増やし
その場所が攻撃されても血まみれの大惨事ができるだろう

戦闘で住民が死んだように見せかける為に
時限装置で血糊が弾けるようにしたり
ちょっと解り難い場所では既に死んでいたように見せかける為に
人が圧死したような跡や
焦げついた人型なども再現してもらおう
テレビで再現する人だったり特殊メイクなど得意な人に
死体や損壊した体の一部を作ってもらったり
これまで撮影につかった大道具小道具で再現するのも良さそうだね

キマッチには殺した実感程のご褒美は無いだろう
侵攻ルート中やプロジェクター近辺に多く仕掛け
周辺の破壊でも多くの住人が死んだように見せかけるよう仕掛ける
各地の敵侵攻ルートを巡り住民に説明と協力をお願いし
皆で敵を出し抜こう

最終人類史の技術力をとくと見ると良いキマイラウィッチ!


 キマイラウィッチの軍勢の標的は、ディアボロスを支える最終人類史の人々だ。退避先に復讐祭の卵を顕現させないためにも、人々が現在進行形でその場にいると思わせなければならない。敵の行動変化はあってはならない。
 ならば、敵侵攻ルートの誘導に力を入れよう。
 それがラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の意向だった。
「守ると約束したんだ。それを果たす為にも、キマイラウィッチだろうが出し抜かないとね」
 不敵に唇の端を上げて、ラズロルは協力してくれる人々のところへ向かった。
「血糊の準備は出来てる?」
「ええ、おっしゃった通りに」
 協力者らは、あらかじめラズロルが提案した通りのものを取り揃えてくれていた。物品を元に、あらかじめ予知されている路地を進む。
 敵の侵攻ルートを元に、その場所周辺の至る所に血糊を仕掛けようという算段だ。
 今まさに、そのあたりに人々がいたのだと──いるのだと見せかけるために。赤よりも黒みを増した血糊を撒き散らし、冷暗所となる場所には液体錬成を用いて血糊を増やす。
 この場所が攻撃されても、血まみれの大惨事を生じさせることが叶う。
 とはいえ、事前に血糊を撒いておくだけでは弱い。
「時限装置で血糊が弾けるように出来るかな?」
「可能です。敵が到着する頃に血糊が飛び散るように見せかけましょう」
「うん、後は……」
 ラズロルは路地を進む。生垣の手前、少し入り組んだ先は突き当りだ。ふむ、と顎に手を当て思案して、周囲の人々に呼びかける。
「既に人が死んでいたように見せかけるために、人が圧死したような跡や焦げついた人型なんかを再現するのは?」
「ああ、いいアイディアですね」
 進み出たのは、戦争映画の美術スタッフだ。焦げを演出するなら生垣にも手を加えたほうがいいとか、焼け焦げた匂いを演出する薬剤を用意しようとか。そういった提案をひとつひとつ咀嚼しては意見を交換し、ラズロルは頷いた。
「死体や損壊した体の一部を作ってもらったりは出来る?」
「それなら僕が」
 今度は小道具スタッフが挙手をした。これまでに撮影で使ったものを融通してもらうことになり、想像以上に苦労せず用意が叶ったのは僥倖と言えよう。
 キマイラウィッチには殺した実感程のご褒美は無いだろう、とは思う。だから出来るだけ錯覚させるように努めねば。
 ラズロルが侵攻ルート中やプロジェクター近辺に多く仕掛け、周辺の破壊でも多くの住人が死んだように見せかけるのはどうかと意見を出す。
 考えられる限りの準備は整える。
 あとは各地の敵侵攻ルートを巡り住民に説明と協力をお願いしようか、皆で敵を出し抜くために──ラズロルは残る作業をスタッフに任せ、その場を後にする。
 不意に路地に視線を投げて、ラズロルは挑発するように言い放った。
「最終人類史の技術力をとくと見ると良いキマイラウィッチ!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

マティアス・シュトローマー
クロノヴェーダによる最終人類史への侵攻はこれまでにも何度かあったけど、敵の脅威がここまで人々に迫るのは七曜の戦以来だろうか
俺を新宿島に迎え入れ、力を貸してくれる彼らを誰一人傷付けさせはしないさ

俺は防衛戦の準備を行おう
具体的には作戦会議と迎撃地点となる現地の視察だね

迎撃地点とするのは、敵の誘導エリア内の路地が入り組んだ住宅街
少人数で多くの敵を相手取る以上、開けた場所ではこちらが不利だからね
ある程度の道幅があり、身を隠せる遮蔽物や飛び込める横道が多いルート――とするとこの辺りかな
他にも条件に合うルートがあればピックアップしていこう

立ち回りの方針は、ディアボロスに復讐心を燃やす敵の性質を利用した鬼ごっこ
一度姿を見せた後で遮蔽物の影や横道に飛び込み、敵を引き付けながら誘導
待ち伏せていた仲間と合流して奇襲を仕掛けたり、地の利を生かして先回りし、虚を突いたり、こちら優位に戦闘を運んでいこう

帝国のギムナジウムにいた頃はこんな風に友達と作戦会議をしてよく抜け出していたんだ
その経験が生きる時が来るなんてね


「調子はどう?」
 マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)が歩み寄ったのは、防衛戦について相談している人々のところだ。彼らはマティアスが来たことに気付くと、話し合いを中断して迎え入れてくれた。
「難航しています。具体的な迎撃となると、なかなか……」
 クロノヴェーダによる最終人類史への侵攻はこれまでにも何度かあったものの、敵の脅威がここまで人々に迫るのは七曜の戦以来だろうか。事実表立って戦うのはディアボロスなのだから、一般人の彼らが及び腰になってしまうのも無理はない。
 マティアスは意識して力強く言う。
「俺を新宿島に迎え入れ、力を貸してくれる皆を誰一人傷付けさせはしないさ」
 何の危険もないというのは感情的に理解しがたいだろう。だが、信じてくれたらいいと思う。守り抜きたい。その想いは、マティアスの心を奮い立たせる。
「現地の視察に来たんだ。防衛想定地域に連れて行ってもらえるかな?」
「わかりました。こちらです」
 向かったのは敵の誘導エリア。マティアスがその中でも路地が入り組んだ住宅街を選定した。ここを迎撃地点としようとマティアスは言う。 
「少人数で多くの敵を相手取る以上、開けた場所ではこちらが不利だからね」
 ある程度の道幅があり、身を隠せる遮蔽物や飛び込める横道が多いルートが望ましい。
「――とするとこの辺りかな」
 周囲に視線を巡らせる。この場に至るまでも、他に条件に合うルートをピックアップしておいた。臨機応変な対応も出来るはず。この地域の人たちの避難計画はしっかり立てられているため、危険は及ばない手筈だ。
「当日のことを説明しておこうか。『ディアボロスに復讐心を燃やす敵の性質を利用した鬼ごっこ』を立ち回りの方針としようと思っているんだ」
 曰く、一度姿を見せた後で遮蔽物の影や横道に飛び込み、敵を引き付けながら誘導するのだと。待ち伏せていた仲間と合流して奇襲を仕掛け、地の利を生かして先回りするつもりなのだ。そうすることで虚を突き、こちら優位に戦闘を運んでいける。
 その作戦がうまくいくだろうという目算はあった。それはマティアスのこれまでの戦いの経験によるものだ。
「だから、皆が避難した地域には向かわせない」
 はっとした顔をしたのは誰だっただろう。
 灰色の眼が彼らを真直ぐに見つめる。マティアスは柔らかく、微笑んだ。
「心配するのも無理はないよ。だけど、大丈夫。俺を信じて欲しい」
「はい……!」
 人々の表情が明るくなっていく様子を見て、胸を撫で下ろす。その時不意に、過去の記憶が想起された。
 帝国のギムナジウムにいた頃は、こんな風に友達と作戦会議をしてよく抜け出したものだ。悪戯めいた遊びではあったが、当時の緻密な計画と大胆な行動は、今でもマティアスの心を躍らせる。
「その経験が生きる時が来るなんてね」
 誰にも聞こえない声量でマティアスは呟いた。涼しい風が、駆け抜けていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

シル・ウィンディア
勝利の誓いは行うとして、それ以外にも伝えたいことがあるんだ。
上手く伝わるかなぁ。
…ううん、ここで自信をもって言わないと、不安になるよね。

ディアボロスのシル・ウィンディアです。
改めて、わたし達の要請にこたえてくれてありがとうございます。

わたし達は前線で戦っているけど、でも、それだけで勝ててきたわけじゃないの。
いままでの大きな戦いの勝利も、ディアボロスだけではなく、この大地に住まう人たち全員でつかんだものだと思っています。

みんなの後方支援、なにより、勝利を願う思いがあるからこそ、ずっと戦えてきたの。

だから、今回も…。

あなた達の力を、わたし達に貸してください。
願いや想い、祈り…。
もしかしたら、一人一人は小さな光なのかもしれないけど。
でも、その光が集うことによって、大きな輝きになるんだ。
…だから、わたし達、ディアボロスの勝利を願ってほしいの。

あなた達の剣になるため…。
そして、この戦いの勝利を引き寄せるために、力を勇気をわたし達に貸してくださいっ!

最後はぺこりとお辞儀して締めるよ。


 避難体制を整えた人々に伝えたいことがある。
 シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)は話があると申し伝え、人々に集まってもらった。
 大きく息を吸い、吐く、深呼吸。
 きちんと伝えられるだろうか。
 胸裏に陰りが差すが、シルは首を左右に振った。人々まで不安にするわけにはいかない。むしろ相手の不安を取り除くべきだ。
 意を決して、前に進み出る。
 人々の視線がシルに集中する。臆しそうになる自分を叱咤して、シルは真直ぐに彼らを見据えた。自信はなくとも、自負はある。だから意識して声を張った。
「ディアボロスのシル・ウィンディアです。改めて、わたし達の要請にこたえてくれてありがとうございます」
 見遣れば、先程避難の話をした時に耳を傾けてくれた顔ぶれも多い。シルの気持ちを受け取った上でこの場にいてくれるのだと、すぐに知れた。だから不思議と緊張はしなかった。
「わたし達は前線で戦っているけど、でも、それだけで勝ててきたわけじゃないの」
 実感と共に言う。
 戦い続けて重ねた日々。それらはすべて過去に捨てたものではなく、今に続く通過点だ。そこに居たのはディアボロスだけではない。無辜の人々の想いも傍らに携えてここまで来た。
「いままでの大きな戦いの勝利も、ディアボロスだけではなく、この大地に住まう人たち全員でつかんだものだと思っています」
 何度戦っただろう。
 何度最終人類史を守っただろう。
 何度人々の思いを背にひた走って来ただろう。
 思い寄せれば、心臓に熱が迸った。そこを押さえるように胸に手を乗せ、噛みしめるように言う。
「みんなの後方支援、なにより、勝利を願う思いがあるからこそ、ずっと戦えてきたの」
 実感が押し寄せれば言葉が詰まりそうになるが堪える。視線を巡らせてひとりひとりの顔を認識して、そして。
「だから、今回も……」
 吐息がわだかまる。それを噛み切って、声にする。
「あなた達の力を、わたし達に貸してください」
 シルの声が響く。
「願いや想い、祈り……もしかしたら、一人一人は小さな光なのかもしれないけど」
 そっと手を前に差し出した。シルは続ける。
「でも、その光が集うことによって、大きな輝きになるんだ」
 それは予測ではなく事実の提示。その輝きの在処をシルは知っている。
 だから噛みしめるように告げた。
「……だから、わたし達、ディアボロスの勝利を願ってほしいの」
 人々の視線を一身に受け、その想いごと受け止めて、これから戦っていくから。
「あなた達の剣になるため……そして、この戦いの勝利を引き寄せるために、力と勇気をわたし達に貸してくださいっ!」
 きらめきをゆっくりと引き寄せるように、再び手を胸元に戻す。
 そして深々とお辞儀をした。
 すると、最初はぱらぱらと。波打つように。そして最後には万雷の拍手をもって、迎えられる。何だかひどく泣きたくなって、シルは唇を引き結ぶ。それから、笑みを綻ばせた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

マティアス・シュトローマー
皆で知恵を出し合って復讐祭を阻止するための準備は万全
後は彼らを励ます事が出来たら

お疲れ様、今日は俺達ディアボロスに協力してくれてありがとう
準備に参加してみてどうだった?
自信に繋がった人もいれば、不安を抱えたままの人もいるかもしれない

俺達ディアボロスは君達を誰ひとり傷付けさせずに新宿島を守り切る――そして、この戦いに勝ってラ・ピュセルを奪還する
約束するよ

皆も知っているように、新宿島はこれまでに何度もクロノヴェーダからの攻撃を受けてきた
それでも、被害を食い止める事が出来ていたのは皆のお陰
大切なものを守りたい、取り戻したい――そんな皆の思いと応援があったから俺達は戦う事が出来たんだ

ディヴィジョン出身の俺を受け入れてくれた新宿島は第二の故郷
そして共に戦ってきてくれた皆は同郷の仲間

新宿島を――故郷を守るため、皆で力を合わせよう
大丈夫、絶対に上手くいく

あのキマイラウィッチ達を新宿島の全員で出し抜く大作戦なんだ
考えただけでワクワクしてこない?
――さあ、奴らに一泡吹かせてやろう


 先に誓いを手向けたディアボロスの言葉に、拍手の嵐が巻き起こっている。
 その様子に、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)の胸は熱くなった。それは決意であり、勇気でもある。皆で知恵を出し合って復讐祭を阻止するための準備は万全だ。
 後は彼らを励ますことが出来たらいい。
「俺からも話したいことがあるんだ」
 マティアスが一歩進み出る。途端に、人々の視線がマティアスに集まった。
「お疲れ様、今日は俺達ディアボロスに協力してくれてありがとう」
 さっき視察に関わってくれた人々の顔ぶれを見つけて、つい口許が綻ぶ。もちろんそうでない人たちも、信頼を寄せてくれているのが分かった。それを裏切りたくない。
「準備に参加してみてどうだった? 自信に繋がった人もいれば、不安を抱えたままの人もいるかもしれない」
 不安という感情は、彼らの面差しが悲痛であることからも伝わってくる。誰もが余裕を持っているわけではない。必死で、ひたむきなだけだ。それは先程会話した人々からも汲みとったものでもあった。
 それを理解していると──理解したいと思っていると、マティアスは続ける。
「俺達ディアボロスは君達を誰ひとり傷付けさせずに新宿島を守り切る──そして、この戦いに勝ってラ・ピュセルを奪還する」
 希望ではなく宣言。
 言霊とはよく言ったものだ。願えば叶うなんて単純なものではないが、願わなければ叶わない。
「約束するよ」
 約束という言葉は、大きく、重い。
 しかしだからこそ明言する。そうでなくては、人々の不安は拭えない。
 張り詰めた空気を緩和させるように、マティアスは眉を下げた。
「皆も知っているように、新宿島はこれまでに何度もクロノヴェーダからの攻撃を受けてきた。それでも、被害を食い止める事が出来ていたのは皆のお陰」
 ディアボロスだけでは成し得なかった。その実感を、マティアスは強く握りしめる。
「大切なものを守りたい、取り戻したい──そんな皆の思いと応援があったから俺達は戦う事が出来たんだ」
 その想いはディアボロスも一般人も変わらない。
 気持ちの輪郭を丁寧に掬い上げようとしたからだろう、人々はマティアスの話に真摯に耳を傾けてくれる。
「ディヴィジョン出身の俺を受け入れてくれた新宿島は第二の故郷。そして共に戦ってきてくれた皆は同郷の仲間」
 ひどく慕わしい。今、心臓の裏側をあたためてくれる何かのように。
 マティアスは視線を巡らせ、周囲を見渡し、鼓舞するように拳を掲げた。
「新宿島を──故郷を守るため、皆で力を合わせよう。大丈夫、絶対に上手くいく」
 視線の高さを同じくして、同じ方向を見つめる。
 それが出来ると信じている。だから、マティアスは軽妙に嘯くのだ。 
「あのキマイラウィッチ達を新宿島の全員で出し抜く大作戦なんだ。考えただけでワクワクしてこない?」
 唇の端を上げ、不敵に笑む。
「──さあ、奴らに一泡吹かせてやろう」
 発破をかけて、今一度拳を強く突き上げた。
 雪崩れるような喝采、歓声。羽搏く拍手。今、この場の人々の気持ちがひとつになった瞬間だった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2025年04月15日