リプレイ
星見・晴
ダチが言ってたんだ――
性癖っていうのは自由で救われてなきゃならないんだって
腿と脚に一家言ある良い奴だったよ
さておき現地の情報を知るのは大事だよな
別にフランスの浪漫本に興味がある訳じゃないぞ……嘘、ほんとは興味ある(曇りなき眼差し)
何、手抜かりはねぇ
準備はバッチリだ
まずは【直感】で良い感じに同志を見つけて――
ドーモ、エロジェントルサン
何も言わずにコレを見てくれ――どう思う?(秘蔵の浪漫を見せて)
わかってくれて嬉しい。
この辺りに優れた浪漫があると聞いてきたんだ、何か知らねえか?
成る程な、有難う
――ところでアンタの浪漫はどんな形なんだ?
……へぇ、なるほどな――!!
【※癖:くびれと腰・尻】
●浪漫は国境も人種もついでに時代も超える
「性癖っていうのは、自由で救われてなきゃならない……か」
星見・晴(赤星番長・g00661)は空を見上げて呟いた。
シチュエーションだけで言えば、まるで1枚の画のようなロマンチックな情景だ。
だが、噫。ここはネタシナリオであり、彼は懐にエロ本を携えていた。台無しだった。
晴が思い出すのは、かつての友の記憶。
腿と脚に一家言ある、タイツとパンストの違いについて語らせるとものすごいうるさかった……HERO(英雄)。
「これも、クロノヴェーダの企みをぶっ潰すためだ」
晴はチャキッとカッコよく眼鏡を直した。
「別にフランスの浪漫本なんて、オレは全然気にしないぜ!」
まるっきり嘘だった。
「おい、あんた」
「ひっ!?」
晴が声をかけたのは、明らかにチラチラと断頭台を物陰から気にしている、こう、独り身~……って感じの方だった。
いえね、わかるでしょう? あなたが想像した感じのビジュアルで大体合ってるんです。わかれ!
「あ、あんた、まさか処刑部隊の……」
「ドーモ、エロジェントル=サン」
「……!?」
晴は何故か丁寧にオジギした。奥ゆかしい日本文化が、今ここフランスに台頭したのである。ジャポニズム!
「何も言わずに、コレを見てくれ」
晴が差し出したのは、新宿島から持参した浪漫の本、早い話がエロ本である。
それも、晴が周囲に絶対にバレないように秘匿(※隠し場所:ベッドの下)している本だ。その名も……『桃尻写真館 ビキニ写真部』……!!
「こ、これは!!」
男は……否、男子(エロジェントル)は、愕然とした。
それは日頃春画で耐えてきた(?)彼には、あまりにもカルチャーショックだった。
「……すごく、エロいです」
「わかってくれて嬉しいぜ」
晴は深くうなずいた。彼の性癖はくびれと腰、あとお尻。ついでにお尻である。ビバ臀部。
「このあたりに、優れた浪漫があると聞いてきたんだ。何か知らねえか?」
「あんたになら教えよう……俺達の秘密の会合場を」
「……ありがとな。その信頼には必ず報いるぜ」
晴とエロジェントルは、男子の握手を交わした。男の友情があった。
「……ところで、アンタの浪漫はどんな形なんだ?」
「俺? 俺ね、腋。ホラ見てこのエロフォンスが描いてくれた春画」
「うわ、マジかよ……えっ、え~……ワオ……これが……フレンチフルコース……!!」
エロは時代を超える。そこに国境などないのだ。
成功🔵🔵🔴
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
レター・ポストマン
これより家宅捜索を行う!
狙いは無論、春画!!
見つけてみせるぞ、ありったけの浪漫……!!!!
俺は村外れにあるエロフォンス宅を漁るとしよう!
まずは取引履歴になりそうなものを探す!購入証明やら、予約、あるいは収入の一覧、春画の料金表だな!
むっ、この大量の手紙は何だ……?
「淫魔モノ最高でした。エロルド」「自動人形モノまたお願いします。エロヒム」「我淫魔×自動人形嗜好永遠待機継続中。エロサレム」「振込先はどこなんだ。エロンメル」……?
こ、これはいわゆるファンレター……!!
しかも、少なくない者が対価を払おうとしてる。エロフォンスは無償で描いていたというのか……!?
ナンバーワン聖人は、やつだったのか……!
●すべての列福者に謝れ
「開けろ!! ディアボロス警察だ!!!」
バァン! エロフォンス宅のドアを蹴破るレター・ポストマン(ナンバーワン・g00532)!
「と言っても、家主がいない以上誰も居るわけがないのだがな! 礼儀というものだ!!」
レターはいつになくテンションが高い。いつもテンションが高い男だが。
「見つけてみせるぞ、ありったけの浪漫……!!!」
あっこいつエロ本物色しに来ただけだ!
と言いつつ、レターの目的はズバリ、冤罪の裏取りだ。
購入証明、予約、収入一覧、はたまた料金表……。
メリザンドの言葉が真実なら、そういった商売道具や記録があっておかしくない。
そういう証拠がなければ、「証拠がなかった」ということを証明できるのだ。
「ふむ、やはりそれらしいものは見当たらないな……ん?」
そこでレター、なにやら大事に机にしまわれた手紙を見つける。
とてもとても大事に保存されているようだ。はてこれは?
「なになに……「淫魔モノ最高でした。エロルド」……「自動人形モノまたお願いします。エロヒム」……?」
レターは手紙を1枚1枚読み進めていく。
『我淫魔✕自動人形嗜好永遠待機継続中。エロサレム』
『長乳大量汗淫魔我是大好。此即春画大王、感謝茄子。エロベリヨン』
『I AM KORE SUKI!!!! MOTTO PAINTING PLEASE!!!!! エロダー』
『振込先はどこなんだ。エロンメル』
「……こ、これは!!」
レターは愕然とした。これは、村の男達からの手紙だ。
そこに刻まれた男達の熱い"想い"を、レターはたしかに筆致から読み取った!
ところで、なんでエセ中国語のファンレターがあるんですかね? あ、ディアボロスにはそう読めるだけ? うんまあそうね。
「これは、いわゆるファンレター……しかも、少なくない者が対価を払おうとしている。だ、だが!」
レターは机の中をさらった。……ないのだ。紙幣も金貨も、もちろん小切手もなんにもない! 春画はある!
「ナンバーワン聖人は、やつだったのか……!!」
レターは震えた。エロフォンスの、その気高い黄金の精神に。
おお、彼を於いて、誰を聖人と呼べばいいというのか。
そんな聖人が、謂れのない罪で処刑されようとしている。君は、それを赦せるか!!
「必ず、必ず助け出してみせるぞエロフォンス。待っていろ!!」
レターは拳を握りしめた。力が溢れてくる……正義の力が……!!
成功🔵🔵🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
アズ・ライト
あー……春画ってそういう……うん
そういう本を書くやつもいる、っていうのは知ってるし、焚書対象だったりするんだろうな
なにはともあれ、私はエ……フォンスが嘘を言ってないと信じて、調査だ
彼と仲のいい人間から話を聞く
聞くのもちょっと照れが入るが、そこは、人命が掛かってるしな……!
言いづらい事なら、言い換えることで話をしやすくしようか
世には裸婦画だってある。彼の書いた春画も、まぁ、広義の意味では芸術作品だ!
だから、冤罪によって一人の作家が消えることがないよう、話を聞かせてくれ!
内容については言いたくないなら言わなくていい!春画を作ってた理由を聞きたい!
お前達の話が、彼を救うかもしれないんだ
アドリブ歓迎
●芸術だろうがエロはエロ
「あー……そこの、おっさん。ちょっといいか」
「エッ?」
アズ・ライト(悪食・g00065)は、なにやらソワソワしている男に声をかけた。
誰がどう見ても、あのエロフォンスのエロ朋友(ポンヨウ)だと一目でわかるからだ。
「いや、ほら、さっき広場で処刑宣言が出された……あの、エ……フォンスっていうの、いるだろ」
アズは顔を赤らめ、目を逸らした。
22歳女子。恥じらうには少々大人な気がしなくもないが、まあそれはそれとして口に出すにはちょっと恥ずかしい名前である。ほんとにな。
「エロフォンスがどうしたっていうんだ!?」
「大声出すなよ! そ、その……エ……フォンスのことなんだけどな」
「エロフォンスを疑っているのか!?」
「だから大声出すなって!!」
アズは怒った。なんかの罰ゲームかな?
だが、男はアズを疑っているようだ。無理もない。女性だし。
「いや、その、あれだ……私はあいつが冤罪じゃないかって思ってるんだ」
「……本当か? 信用できないぞ」
「むしろ私の方が疑ってんだが??」
信じたい気持ちはあるけどさあ。と言いたくなるのをこらえるアズ。
「いや、そうじゃない。ほら、あれだ。世の中には裸婦画とか、そういうのもあるだろ? 彼が描いたのも、まあ、広義の意味では芸術作品だと私は思うんだよ」
「え? いやあいつの春画は普通にエロでは?」
「お前そこはノれよ!? なんで私がフォローしようとした風評ぶっ壊すの!?」
どうなってんだこいつの羞恥心。アズは頭を抱えた。
「とにかくだよ、冤罪で一人の作家が消えるのは、アンタにとってもよくねえだろ!?」
「ま、まあたしかに」
「いいか、あいつの話だけを聞かせてくれ。内容は言いたくないなら言わなくても」
「俺は、あいつに描いてもらったんだ! 長乳淫魔がすっげえ汗かいててセクシーポーズをし」
「言わなくていいって言ったよなあ!?!?!」
だからこれ何の罰ゲームだよ。アズは死にたくなった。
え? 春画描いてた理由?
孤独な連中の力になりたかったんだって。どこの極道?
成功🔵🔵🔴
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
不惑・明日法
こういう事件は女の子や若者ではなく、私みたいな大人が担当すべきだろうなあ。
春画ねえ。どうも言い方が気に入らん。上品ぶりやがって。要は
エロ本
でいいじゃないか!いやまあ時代背景からすると春画なんだろーけど。
ともあれ単純所持は罪にならないつーことでいいんだよな。
エロ……春画を買った人間がいないつーことを示せばいいと。
とりあえずエロフォンスくんとやらから春画をもらった人間に話を聞き、売買の事実がなかった事は裏をとっておく。
上等な春画を作る人間が失われるのは村の、いや!世界の損失!
安心しろ。きみたちが名乗り出られない事情はわかる。ならば私が代わりに汚れ役を買ってやろう。
春画、いやえろ好きな男として!!
空城・優人
アレンジ、共闘歓迎
アレだな
叩けばやたら埃が出るし、
村の人間の反応から火の無い所に煙が立たねえって感じだし、
状況証拠は十二分にあるし、
なんか適当に購入者でっちあげるだけで有罪確定だよな。コレ
あれ、詰んでねえ?詰んでンな
悪ィなエロフォン。無理だわコレ
…いや、まあ
無理筋でも仕事だ。真面目にやるか
(ナナの過剰な反応と理不尽な罵倒がナイーブな男の心を抉ってた&恥ずかしいので周囲に同調し難い初心なこころ)
街の人から
・エロフォンの春画は家から持ち出されていたのか
・春画の売買は御法に触れるのか
・法を司るメリザント本人は本当に法に則って検閲したのか
を聞く
検閲ザルなら裸婦画で徹せば…無理か、周囲もエロ本疑ってねえ
秋野山・犬兵
フケツ、フケツ連呼してた
あの、時先案内人の子…何かこれからも
この手の予兆を感知しそうな空気纏ってんのは
気のせいっすかね…?
とりあえず行商人を装って、村に潜入
扱う商品は自分で仕込んだ干し果物や
塩なんかの食料品で良いかな?
で、(OPの)情報を聞いた限りは
村の女性陣さえ説得できれば
男性陣は問題ないと思うので
商売しながら村の女性と世間話したりして
今回の件の反応や心情を探ったりして
情報を集めていこう
あとは…春画の現物を確認しなくちゃいけませんね!
どれくらいヤバいブツかで女性陣の説得の
難易度とエロフォンスさんの運命が決まりますからね!
今回の仕事を成功に導く為の絶対的必須作業と言っても
過言ではないでしょう!
●男達は語る
「干し果実~、干し果実はいらないっすか~。調味料もありますよ~」
「あら、行商人さん。この果物、もらえるかしら?」
「はいまいどっす」
行商人を装って村に入り込んだ秋野山・犬兵(人間(?)の特級厨師・g02878)は、取引をしつつそれとなく女性陣から情報を集めていた。
「ところで、広場が騒がしいっすね? もしかして……公開処刑っすか?」
「そうなのよ! 村外れにエロフォンスっていう独り身の男がいてね。そいつが春画を売りさばいてるとかで」
「へえ……。最近あちこちで公開処刑がされてるって言いますからねえ」
犬兵は適当に調子を合わせる。
「ところでそのエロフォンスって人は、本当にそんなことをしてるような方なんすか?」
「え? そりゃもう。男達とコソコソ物陰でなんかしてるの誰もが見たことあるし、いつも家に籠もって外に出てこないし。絵が得意って最初の頃は評判だったんだけれど、描く絵がちょっと私達には理解できないのよねぇ……」
「はあ、そうなんすねえ」
犬兵は心の中で考えていた。
(「あっこれ限りなく黒に近いグレーっていうか、女性陣からの心象最悪っすね。説得できんのかこれ……?」)
完全に、暗雲が立ち込めていた。
その頃、村の別の箇所では。
「なあ、春画の売買って法に触れるものなのか?」
と、旅人を装った空城・優人(迅雷・g04393)が聞き込みをしていた。
「法律には詳しくないけれど、聞いたことがないわね」
「そうねえ。でも、あのエロフォンスだものね」
「そもそも名前がもう犯罪者みたいよね」
「名前罪みたいなね」
女性陣は辛辣だった。優人は心の中で同情する。
(「叩けば叩くだけ埃が出るし、火のないところに煙は立たないって言葉そのものだし、これ詰んでねぇ?」)
優人は、特に顔を見たこともないエロフォンスに祈った。
(「悪ィなエロフォン、無理だわコレ」)
早い早い諦めるの早い! 排斥力高まっちゃうから!
「ところであなた……まさか、エロフォンスの春画に興味があるの?」
「え? い、いやあ、そんなわけねえよ」
「そうよねえ。あんな独り身の男の春画を欲しがるなんて、同じ独り身で不潔で節操のないダメ男ぐらいだもの」
「ぐっ……!」
優人は胸を押さえた。苦しい。この女性からの理不尽な罵倒と偏見が、苦しい!!
いやまあ別に自分はそこまで飢えてるわけでもないし不潔で節操がないつもりはない。ないが、同じ男として苦しい!
なんだかんだ、優人はウブなのだ。なんなら時先案内人のジト目がいまだにまぶたの裏にこびりついていた。可哀想。
「け、けど、とにかく売買がされてるところは見たことがないし、法律にも特にそういうのはないんだよな?」
「まあ、そうね」
(「ってことはこの様子だと、法に則った検閲なんてされてねえだろうな……」)
つまり、完全な冤罪だ。おお、なんというクロノヴェーダの悪辣さ!
「てことはもしかしたら冤罪……」
「「でも、エロフォンスだしねえ」」
(「やっぱ詰んでるわコレ」)
だから諦めるの早いって!!
で、同じ頃、不惑・明日法(放送禁止・g02378)は春画をもらった男に渡りをつけていた。
「そうか……。では、きみのその春画は、彼から無償で送られたものなんだな?」
「ああ、そうなんだ。俺だけじゃないぜ、みんな……みんなそうなんだ!」
男は大事な大事な春画(※ぺえぺえのでっけえ青肌淫魔が甘やかしてくれる奴)を抱え、涙を流した。
「あいつは、俺達の孤独を感じ取って、対価も見返りも求めずに浪漫を分け与えてくれたんだ……!!」
「あ、ああ、うん。そう、よかったな」
明日法はちょっとヒいていた。彼らの涙に感じるところがないわけじゃないが、なんか勢い強すぎない? と。
(「でもまあ、この時代じゃそんなもんなのかもなあ。私達の居る現代は飽食の時代だしなあ……」)
明日法、43歳。エロでキャッキャするにはちょっとお年を召していた。
「まあとにかく、売買の事実がなかったことは重要だ。できれば、私達が彼の無実を証明する時、きみたちにも力を貸してもらいたいのだが……」
「エッ!?」
「安心してくれ。そこまでは求めない。きみたちが名乗り出られない事情はわかるんだ」
明日法はビクッとする男の肩に手を置いた。
たしかに明日法は、大人だ。だが、噫! 大人だとしても、男なのだ。だからわかる。ちょっとヒいてても!
「上等な春画……いやさ、エロ本を作る人間が失われるのは村の、いや! 世界の損失!!」
「エロ本……! エロフォンスの、エロ本……! ああ、なんだかわからないが、春画って言うより心がワクワクしてくるぜ!」
「そうだろう? 私なあ思うんだよな春画とかどうも言い方が気に入らんって。エロ本でいいだろエロ本で」
「よくわかんないけど、俺もそう思うぜ!」
ディアボロスは、その能力によりあらゆる言語を越えてコミュニケーションすることが出来る。
だが、この時。男達の間に、そんな細かい話を超えた一つの"パス"が繋がっていた。
――エロ本。
それはトレジャー。
それは希望。
それは光。
それはロマン。
男子にとっての避け得ぬ……通過点!!
「ならば私が代わりに汚れ役を買って出よう。春画……いや、えろ好きな男として!!」
「あ、あんた……男だな! この春画いる?」
「いやそれは大事に取っておけ」
という会話をしつつ、がっちりと握手を交わす男たちだった。
そして合流。
「……ってわけで、少なくともこの村のあたりじゃ、エロ本の単純所持による違法判定はないみたいだな」
「やはりか……そして取引の形跡もない。であれば、完全に冤罪だな」
優人の報告に、明日法は腕を組んでうなずいた。
「けど、問題は女性陣の説得っすよ。ていうかもう現時点でかなり男衆が呆れられてる気配あるっすよこの村」
「……なンで、女ってのはそうなんだろうな……」
優人は遠い目をした。恥ずかしさはある。あるが、それはそれとして世界の理不尽に、彼は憤らざるを得なかった。
そう、これは立派な悪逆だ。許されざる圧制だ。
エロは浪漫。男ならば誰もが追い求める、どんなにカッコいいイケメンだろうと、シリアスな野郎だろうと、必ず愛する万国共通のイコン!!(大放言)
それを不潔だのなんだのと……! 君は、それを赦せるか!?(超かっこいいキャッチフレーズ回収)
「無理筋でも、仕事は真面目にやらねえとな」
「ああ……すべての孤独な男達のためにも、無実を勝ち取らねば」
まるで男達の熱が乗り移ったかのように、2人は燃えていた。
「本当になんとかなるんすかねこれ……」
犬兵だけは不安だった。ろくなことにならないのはいまさらな話である。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
荻原・仁
エロフォンスについて調べておく。春画を売り捌くような人柄なのか。皆が信じてしまうような噂話をばらまく。エロフォンスはスケベだったかもしれないがそれを商売にするようなことはしないはずだと街の人々に告げて回る。
冤罪だった場合助かったエロフォンスが平穏に暮らせるように街の皆、特に女性陣が受け入れてくれるような話を噂として流しておく。
エロフォンスが本当に春画を売り捌くような真似をするか。もしくは、仲間がいるのかもしれないと煽ってみる。
それに春画なんてあってもいいんじゃないか。春画一つで処刑にされるのはおかしい。皆に強く言い聞かせてみるとするか。
エロフォンスが冤罪か緩い罪か無罪か演説して回ろう。
「エロフォンスは、やはり真摯な人物だったようだな……」
他のディアボロスらの調べにより、エロフォンスが春画を売りさばいていないことは確実になった。
それどころか、孤独な男達のために、無償で春画を製作するという聖人のような善行(間違いなく善行である。誰がなんと言おうと善行ったら善行なのだ)が明らかになったのだ。
「こんな良識ある……いや良識あるかはさておき、おもいやりは間違いなくある人物を処刑させるわけにはいかないな」
荻原・仁(闇の中の光・g03118)はぐっと拳を握りしめた。
ディアボロスの原動力、それは理不尽に対する怒りだ。
奪われる者として、クロノヴェーダの邪悪な所業に対する怒りがふつふつ湧いてくる。
「エロフォンスが平穏に暮らせるように、人々を説得せねば……!」
仁はやる気だった。でも色々間違えてませんかね!?
「そこの御婦人方、少し時間を分けてくれないか?」
「「え?」」
なにやら、ひそひそとうわさ話をしていた女性達に声をかける仁。
「アンタ達の話題はわかってる。エロフォンスのことだろ?」
「え、ええ、そうだけど……」
「アンタ達は……あいつが本当に、春画を売りさばくような人物だと思ってるのか?」
「え? うん」
「えっ」
ノータイムで予想外の返答をされてきょとんとする仁。
「だって……ねえ?」
「いつも家に籠もってたり、男同士で集まってたり……」
「ま、待て! たしかに後ろめたいことは……いや、まあ、してるんだが……それでも春画一つで処刑されるのはおかしいだろう!」
仁は力説した。女性陣はドン引きしている。
「春画なんてあってもいいじゃないか。男達の孤独を、少しは理解してやってくれ……!」
「なんかヤバそうねこの人」
「あっちへ行きましょうか」
「え、あ、いや」
そそくさー。女性陣は遠くへ行ってしまった。
「……まあ、俺の想いは伝わったはずだな。よし!」
仁はたいへんに前向きな思考に切り替えた。めげない男である。
成功🔵🔵🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
夏生・幽
キミたちは彼のことを誤解しているね
彼はみだら……じゃなくて
みだりに春画を売っていたわけではないよ
淫魔たちに人々が惑わされ連れ攫われないように
有志で集まり春画を眺めることで耐性をつける特殊な訓練をしていたんだ
理解されないことと知りながらずっと孤独に
お国のためを想ってひたすら春画を描き続けていた――
てことにして彼らの居場所をつくってあげたいけれど
名前がなぁ
彼のお友達にも話を合わせて説得を手伝ってもらえないか声をかけてみよう
良いの? 彼が処刑されちゃったらもう新作見れないよ
でも僕はキミたちとは離れて歩くね
女性を敵に回したくないもん
●危機感知能力めっちゃ高いですやん
「キミ達は、彼のことを誤解しているね」
「「「!?」」」
突如として女性陣の前に現れたイケメン、夏生・幽(レイス・g02607)……と、村の男達。
「一体何を誤解しているというの!?」
「処刑される彼のことさ」
幽はうっそりとした表情で言う。
「彼はみだら……じゃなくて、みだりに春画を売っていたわけではないよ」
「いやそもそも売ってな」
「淫魔達に人々が惑わされ連れ去られないように、有志で集まり春画を眺めることで耐性をつける、特殊な訓練をしていたんだ。そうだね?」
「「「アッハイ」」」
訂正しようとしてもゴリ押しされるので、男達は色々諦めた。
「やっぱりあれは春画のために集まってたのね!」
「けがらわしい!」
女性陣の反応はご覧のとおりである。そりゃそうだよ!
「そう、けして理解されない。彼はそれを知っていたんだ」
「「「え……?」」」
でも線の細い美形が厭世的な雰囲気をまとって囁くと、女性陣は聞き惚れてしまう。なんてこった。
「お国のためを思って、ずっと孤独に春画を描き続けていたんだ――」
「「「そ、そんな……!」」」
女性陣はもうほだされていた。喋る内容にというか、幽の顔の良さに。
あまりのチョロさに、後ろの男達は色んな意味で震えていた。
その後。
「あ、あの!」
「うん?」
「ありがとうございます。これならもしかしたら、冤罪も晴らせるかもしれません!」
男の言葉に、幽はうーん、と悩んだ。
「でも、名前がなぁ」
「問題点そこですか!?」
「まあでも、キミ達だって最初は協力を渋ってたじゃないか」
「「「うっ」」」
図星を突かれて言葉に詰まる男達。
「これで新作が見られるかもしれないよ。よかったね」
「それはもう!」
「よければあなたもご一緒に!」
「いや、僕はキミ達とは離れて歩くね」
「「「えっ」」」
「机も離すね」
「「「えっ」」」
「女性、敵に回したくないし」
意外に辛辣だった。小学校だと女子の仲間扱いされそうだぜ! でもそれが利口だぜ!
成功🔵🔵🔴
効果1【未来予測】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
シエロ・ラヴィオン
来てしまったか…
何か前世の魂?が震えるな
ガジェットを使って街中を監視したところ、ほう、ほう?
見捨てる輩、関係ない面して春画を隠す輩──ん?女性方も、なんか、持ってない?しかも割とエッグいのとか、…ええ…
と、兎も角これを基に流して有利にしよう
関係ねぇツラしてるイケメンも金髪ロリ本持ってるとか
キリッとした美人が実は白馬の王子様系)持ってるとか
素朴な青年が割と攻めっ気本だとか
清楚な女性が──すごいのとか
皆持っていて、決して春画は悪く無い、良い物だと話を流そう
風評被害?馬鹿め真実だ!
あとついでに清楚系は素晴らしいと流そう
ふ、完璧だ…
僕は女子にバレるヘマはしないようにしなきゃ…(フラグ)
性癖:清楚系巨乳
●レディコミとかエッグいの多いもんね
「うーん、なるほど……」
村の近くに生えてる木によじ登り、こっそりと村の中を監視しているシエロ・ラヴィオン(sky the limit・g00146)。
彼は見ていた。春画にまつわるエトセトラを。
「もうエロフォンスはダメかもしれんね」
「そんな! 見捨てるなんてひどすぎる!」
「でも俺らまで村八分になるぜ?」
「あいつはいいやつだった……」
って感じで見捨てようとしてる薄情な奴らとか、
「ちょっとあんた! 春画なんて持ってないだろうね!」
「も、ももも持ってるわけねえだろうがいてやんでいべらぼうめ!」
「なんだいその口調」
なぜかフランスなのに江戸っ子調で春画を隠す旦那さんとか、
「急いでこれを隠匿しなきゃ!」
「見つかったらヤバいわね!」
「くっ、私達の珠玉の男✕男春画が……!」
なんか別の方面に腐った御婦人方とかがいた。
「えぇ……」
シエロはドン引きした。この村どうなってるんだ?
だが、この情報は使えるはずだ。早速彼は行動を開始した!
「エロフォンスもいよいよ年貢の納め時ねえ」
「まあ怪しいことばっかりしてたから、当然よ」
などと街中でホホホと笑うご婦人方の近くで、
「あそこのイケメン、もしかしたら金髪ロリ本持ってるかもな~」
「「!?」」
などと噂を流したり、
「あっ! あっちのキリッとした美人のお姉さん、たしか白馬の王子様系のメルヘンな春画を……」
「は? そ、そそそそそそんなのもっていないでございますですわよ???」
と動揺を誘ったり、
「キミ、一体何を言っているんだ!」
「女性上位もの、いいですよね」
「!!??」
止めに入った素朴な青年の性癖を言い当てたり、
「そちらの方は……いややめときます。さすがに私にも良識というものが」
「ちょっと待ってそれ逆効果よ!?」
シエロは目を逸らした。彼がこんな反応するなんてどんな春画だったんだ。
ともあれ。
「春画なんて皆持ってるんだ、いいものなんですよ。風評被害? いやそれは違いますけど」
「「「うっ……」」」
と、さりげなく(?)人の心を冤罪方向に傾けていく!
「あとね、清楚系は素晴らしいですよ。特にこう、ここ(胸のあたりで手をカーブさせる動作)がね、こうだとね、素晴らしいです」
「わかる!」
「俺も同じだぜ!!」
なんか友情の輪も広がっていた。こいつらまとめてギロチンにかけたほうがいいんじゃね?
成功🔵🔵🔴
効果1【隔離眼】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
フェーリス・ラスキウス
お前ら!それでいいのか!!
村はずれに集まったやつら、何こそこそしてやがる!
お前らの救世主なんじゃねーのか!!
立ち上がらなくてどうする!!!
あ、大声ダメ?あ、わりぃわりぃ。
(パラドクス使用、以後は全てASMRで耳元で囁くぞわぞわお送りいたします。)
やっぱよー、恩には恩をかえさねーと駄目だって。
え……?なに?ご褒美?
あー残念だなー春画だもんなーセリフねーもんなー。
あったら朗読会とかしてやあんのかよ糞が!!!!
え?まじ?これ?読み上げんの?
色っぽい声でお願い??
そしたらエロフォン冤罪だって主張するって?
……やってやろうじゃねーかよ!!!
(ASMR:フェーリスの囁き官能朗読会が開催されました)
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「お前ら!! それでいいのか!!!」
「「「!?」」」
突如として秘密の会合場に乗り込んできたのは、フェーリス・ラスキウス(糸なし糸電話・g00320)だ。
「お前ら、何こそこそしてやがる! エロフォンスはお前らの救世主なんじゃねーのか!!」
「えっいやおたくどなた!?」
「オレのことはいいだろ! それより立ち上がれよ! 立ち上がらなくてどうす」
「すいません大声勘弁してくださいいやマジで」
「あ、はい。わぃわりぃ」
スンッ。フェーリスは熱血モードをオフにした。
「じゃあこんなもんでいい?」
「「「あふゥん!!」」」
耳元に届くぞわぞわASMR! なんて厄介なパラドクスなんだ!
「やっぱよー、恩には恩をかえさねーとダメだって(ぞわぞわASMR)」
「あひィ!」
「春画とはいえさ、それでお前らは心を救われたんだろ?(ぞわぞわASMR)」
「ひィん!」
「今がその時なんだよ。男になれよお前達(ぞわぞわASMR)」
「ぬふぅ!」
「こいつらいちいち反応キモいな!」
やっぱ大声出すか? フェーリスは悩んだが、やめてあげることにした。
「いや、まあ言いたいことはわかるんですよマジで」
「でもなあ……やりがいがないっていうか」
「リスクに対するリターンがほしいよな」
「なんでお前らちょっと現実的な妥協案出そうとしてんだよ」
フェーリスは呆れた。
「だからほら、あなたがご褒美とかくれればいいんですよ」
「そうそう。そのぞわぞわ声でこう、読み上げとかね?」
「そしたらオレ頑張っちゃうかもね!」
「最低だなこいつら……」
さらに呆れた。が、フェーリスはすぐに腕を組み、これみよがしに言う。
「あー残念だなー春画だもんなーセリフねーもんなー。あったら朗読会とかしてや」
「ここに超先進的なセリフ入り春画が」
「あんのかよクソが!!!!!」
エロフォンスは未来に生きていた!
「仕方ねえなあ! じゃあ囁き朗読会行くぞオラァ!!」
「「「ヤッター!!」」」
フェーリスは意を決して、春画の内容を読み始める!
「フフフ……ボウヤ、男の子ってこういうの、好きなんでしょ……?」
「「「フォオオオ……!」」」
「ほら、御覧なさい……超合神! 6体合体最強自動人形グランシックス!」
「「「うおおおかっけー!!」」」
「…………いやこれのどこが春画だよ!?!?!」
ツッコミもぞわぞわ声だった。
成功🔵🔵🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
奉利・聖
【聖竜】
───人の子らよ、聞きなさい
何故、性を必要以上に忌避するのでしょう
我らはそれこそを人の営みの一つとしているはずなのです
それを卑猥などと蔑み、弾圧すること…許されるべきなのでしょうか
外では淫魔が我が物顔で歩いているというのに
おぉ、聞きなさい…真実の声を聞きなさい
かのメリザンドは私怨で人々を弾圧しているのです
それどころか、メリザンドの腹心らもまた春画に耽っているというのに、その事実を覆い隠そうとしている!
人の真なる姿を、今こそ取り戻す時!!
さぁ至りましょう!性の悟り!!
アセンションへ!アセーンション!アセーンション!
はい?人形モノですか?
それはもう…善き哉、でございます
全てを、許しましょう
十埼・竜
【聖竜】
14才はね
買えないんですよそういうの
ぼくたちのために身を挺して量産
これは聖人の行いですよそうでしょ先輩!
許せねえ…許せねえよクロノヴェーダ!!
って振ったら先輩が教祖みたいになった
なんであなたはそう思い切りがいいんだよ
まーいーや報道の力見せたりますよ
でたらめな敵の像即ち
「メリザンド本があったのでこれは私怨処刑」とか「実はトループスも春画収集を」とか
だって言い淀んでたんでしょ絶対やましいことがあるんですよ…
くっだらなくて刺激的な噂を電波的幻聴でバラ撒こう
文字通り根も葉もない風の噂!
権威を揺るがすにはまず醜聞から!
ところで先輩は人形モノってアリ?
そう…広いなあ…
あ、ぼくは清楚系巨乳派です
●あなたそんなキャラでした?
「――人の子らよ、聞きなさい」
まだ演説選択肢まで行ってないのに、なぜか村外れで人々を集め、なにやら演説している奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)。その背中には後光が見えた。錯覚である。
「何故、性を必要以上に忌避するのでしょう……我らはそれこそを人の営みのひとつとしているはずなのです。
それを卑猥などと蔑み、弾圧すること……許されるべきなのでしょうか」
「(なんでそう思い切りがいいんだこの先輩は)」
後光(錯覚である)を背負う聖の後ろ、よく見ると十埼・竜(スカイセンサー・g02268)が立っていた。
聖のキャラが、突然別物に変じてしまったのは、実は彼が原因である。いや想定はまったくしてねえんだけど。
ちょっと前のこと。
「先輩……先輩って、おいくつですか?」
「15歳ですよ」
「ぼくは14なんですけど、買えないじゃないですかエロ本って」
「まあそうですね。法律上は」
「そうなんですよ。それを……エロフォンスさんは、ぼく達のために身を挺して量産してくれてたんですよ!!」
「なるほど」
「これは聖人の行いですよ先輩! そうでしょ!?」
「……」
「許せねえ……許せねえよクロノヴェーダ!!!」
「わかりました」
「え?」
「僕が教祖になりましょう」
「え???」
こういうやりとりがあった。
「こんなのはまやかしだ! 卑猥なものはよくないだろ!」
「そうだそうだ! 俺達だって我慢してんだぞ!」
おお、嘆かわしや。エロフォンスを排斥するのは女性ばかりではない。
お嫁さんやその他親類の女性からの目が怖くて、エロを我慢している男達も居るのである。
「(あー、顔に書いてあるなあ。羨ましいって)」
竜は呆れた。だが、彼らの気持ちもわかってしまった。
ああ、かつての日常……小学校の仲間同士で格ゲーとかやった時、女キャラを選ぼうもんなら即座に吊し上げ!
女子と話そうもんなら即座に吊し上げ!
授業中に大きいほうに行こうもんなら即座に吊し上げ! いやこれは違う気がする。
まあとりあえず気持ちはわかった。
「外では淫魔が我が物顔で歩いていますよ」
「「「ううっ!」」」
痛烈なダメージ! 完全に弾丸めいてロンパされている!
「おぉ、聞きなさい……真実の声を聞きなさい」
聖は大きく両手を広げた。
「かのメリザンドは、私怨で人々を弾圧しているのです」
「「「な、なんだって!?」」」
「それどころか、メリザンドの腹心らもまた春画に浸っているというのに、その事実を覆い隠そうとしている!」
「「「そ、そんな……!!」」」
ここだ。ここで竜の出番だ。パラドクス発動!
「私見たんですよねー、メリザンド様の本が混ざってるの」
「あの処刑人形達も春画をめっちゃ集めててー」
「むしろエロフォンス亡きあとに遺品を売りさばこうとしてるんだよねー」
なぜかファーストフード店にたむろってそうな、存在しない女子高生みたいな電子的幻聴である。
「な、なんだって!?」
「許せねえぜメリザンド!」
「オレは……オレは怒りを感じている!! うおおおお!!」
それまで静かにしていた、春画を愛する男達が目を覚ました!
中にはなんかディアボロスに目覚めそうな勢いでブチギレている奴がいる! もともと金髪なのが逆立つほどに!
こんなんで新宿に漂着したらもう最悪である。
「(いや効きすぎだろ醜聞!!!)」
使っておいてなんだが、効果のあまりの高さにちょっとヒいてる竜だった。
「人の真なる姿を、今こそ取り戻す時なのです」
聖は、人々に語りかける。
「真なる、姿……?」
「つまり……シン・春画……」
「春画……いや、エロフォンスのエロ……エロフォンを……!」
なんか人々の目がヤバいことになっていた。大丈夫かこれ。
「あの先輩? もうこのへんでいいんじゃ」
「さぁ至りましょう! 性の悟り!! アセンションへ!!!」
「えっいや何その単語!? どこからひねり出したの!? 海馬じゃないことはわかるけど!!」
「「「アセンション……」」」
「この人らも乗っかっちゃってるよ!?」
「アセーンション!」
「「「アセーンション……!」」」
「アセーンション!!」
「「「アセーンション!!」」」
アセンション! アセンション! アセンション!
鳴り響くアセンションコール! これはこれでベクトル変わっただけで別の意味で問題じゃねえ!?
「いやだからアセンションって何?」
シラフなのは竜だけだった。
「と、ところで先輩」
「はい? なんですか十埼・アセンショニスト・竜さん」
「変な洗礼名やめてくれます??? あの、先輩って人形モノアリですか?」
「それはもう――」
聖は菩薩の微笑みを浮かべた。
「善き哉、でございます」
「アッハイ」
「すべてを、許しましょう。清楚系巨乳もいいですよね」
「なんでぼくの性癖言い当ててるの!?」
この先輩、ヤベえ! 竜は怯えた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
●正午、断頭台前
「ヤメロー! ヤメロー!!」
暴れるエロフォンスを、自動人形達が抑え込む。
「さあ、いよいよ処刑の時間だ。この者の処刑に異議ある者は?」
メリザンドはぎらりと、シリアスな面持ちで村人達を見渡す。
恐怖と絶望。それこそが奴らの求めるもの……!
心のなかではこう思っていた。
(「お願いだから今回だけはマジで反抗とかしないで、マジで頼むから私のこと真面目な処刑人で終わらせて頼むから」)
必死だった。
だが、ああ、クロノヴェーダの野望は叶わない!
ついでに言うと、メリザンドの淡い期待も叶わない! だって敵だからね!!
レター・ポストマン
慎重になるのは構わない…
だが、臆してはならない!
エロヒム!エロサレム!エロベリヨン!エロダー!エロンメル!(好きな名前を入力してね)!
お前たちは一度、エロフォンスの作品に心を救われた!!
当てなき性癖の荒野の中で飢え乾いて絶望し、しかしささやかな潤いを与えられたはずだ!!
ならば、その恩義に今ここで報いるべきだろう!
無尽の荒野に湧いた泉、エロフォンスを手放すな!
今こそ、ナンバーワン聖人エロフォンスを不当に処刑する輩に非難の声を上げるべきだ!!
【未来予測】で大衆の反応を見つついい感じに演説する
エロフォンス…事件解決後も、これで温かく迎えられるだろう!
これがナンバーワン聖人に手向ける俺の敬意だ…!
●火に油を注ぐって言葉ご存知ですか?
「待てぇーい!!」
「「「!?」」」
いよいよ処刑が執行されようとしていた時、広場に響く声!
「異議ありだ! その処刑は間違っている!!」
レター・ポストマン(ナンバーワン・g00532)は、颯爽と姿を表した。
「間違っている、ですって? 一体何を……」
「それを証明してくれる男達が、此処に居る」
レターはメリザンドに言い放ち、バッと振り返った。
「エロヒム!」
「えっ」
「エロサレム!」
「え!?」
「エロベリヨン!」
「何故我名称既知?」
「エロダー!」
「あのちょ俺妻子持ち」
「エロンメル!」
「待ってください私には婚約者が!」
「それだけではない。エロフィノ! エロゼー! エロゾワ! エロレッド!」
レターは次々に男達の名前を呼ぶ! 男達は死にそうな顔だ!
「お前達は一度、エロフォンスの作品に心を救われた!!」
「「「いやだから待って! それ待って!」」」
「当て所なき性癖の荒野の中で、飢え渇いて絶望し……しかし、ささやかな潤いを与えられたはずだ!!」
レターは拳を握りしめ、熱弁を振るう! 男達は死にそうな顔だ!
「ならば、その恩義に今ここで報いるべきだろう!」
「「「……」」」
「無尽の荒野に湧いた泉、エロフォンスを! 手放すな!!!」
「「「死にたい」」」
恋人持ちの男がいた。
妻子持ちの男がいた。
いい感じの幼馴染を持つ男がいた。
そいつらはもう、女達からものすっげえ顔で見られていた。
レターには見えていた、この光景が……でも、彼は見ていなかった。
(「これが、ナンバーワン聖人に手向ける俺の敬意だ……!」)
完全に酔いしれて目を瞑っていたからである。おめえよお!!
「今こそ、ナンバーワン聖人エロフォンスを不当に処刑する輩に! 非難の声を上げるべきだ!!!」
「「「死にたい」」」
なお、メリザンドはというと。
「あの、メリザンド様いいんですかこいつ排除しなくて」
「死にたい」
願いが砕かれたので、こっちも死にそうな顔になっていた。イキイキしているのはレターだけである。地獄!!
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
星見・晴
(いつだってHEROは遅れてやってくるのだ!!)
諦めるな
エロヒム!エロサレム!エロベリヨン!エロダー!エロンメル!あとその他大勢のすけべそうな名前の益荒男たち!!
性癖がバレたからって
エロ本持ってたからってなんだってんだ
それだけで全部諦めちまうのか?
人生終わったみてえな顔するのはまだ早ぇぜ
だってそうだろう、オレらになエロフォンスが――浪漫の紡ぎ手がいるじゃねえか
胸を張って前を向け
お前らの性癖を誇れ――
オレは競泳水着の後ろを直す時のが一番好きだ
お前らだって誇るべき"正義"があるだろう――!!
へ、言えたじゃねえか
あと打ちひしがれてる敵の姉ちゃんも元気だしな
うん、球体関節もいいと思うぞオレは
●HでEROだから紛れもなくヒーロー
「諦めるな」
ざっ! 死にたそうな顔になってる男達に呼びかけるのは……星見・晴(赤星番長・g00661)だ!
「エロヒム!」
「またこの流れ!?」
「エロサレム!」
「もう勘弁して!」
「エロベリヨン!」
「我生存希望皆無至急長乳淫魔所望我渇望」
「エロダー!」
「ONEGAI DAKARA YAMETE!!」
「エロンメル!」
「ところであいつらなんで変な言語喋ってんの?」
「そしてエロンド! エロヒター! エロモンド!」
「「「こっちにまで飛び火してきたよ!」」」
スケベそうな名前の益荒男達は、完全に憔悴していた。
いよいよ女達の視線は氷のようになり、まるで小学校で授業中にトイレ行っちゃった生徒を避けるように、物理的距離も離れていた。これが差別か。
「もうこいつらなんなんだ……」
メリザンドも死にそうになっていた。大ダメージだぜ!
「……性癖がバレたからって、エロ本持ってたからなんだってんだ」
だが晴は気にしない。なぜなら彼は花の16歳。
エロのことならなんだって出来る。新宿海の浜辺にエロ本が流れ着いてこないか探し続けたことだってあるのだ!!
「それだけで全部諦めちまうのか? 人生終わったみてえな顔するのはまだ早えぜ!」
「「「俺らがそういう顔してるのはお前のせいだよ!!」」」
「知らねえ! いいか、オレらには、あいつがいるだろう!!」
ビシィ! 晴はエロフォンスを指差した!
「浪漫の紡ぎ手! あいつがいる限り、オレ達の夢は終わらねえんだ! あとこの状況は、事実上あいつのせいと言っていいと思う」
「えっ!?!?」
しかも華麗にヘイトを移した。移ってねえけど!
「とにかくだ、野郎ども! 胸を張って前を向け! 女子の冷たい視線に負けるな! オレは慣れたぜ!!!」
晴は心臓に毛が生えていた。
「お前らの性癖を誇れ――それは、まるで星のように輝いてんだよ!!」
「「「ほ、星のように……!」」」
「ちなみにオレは、競泳水着の後ろを直す時のが一番好きだ」
「わかる!!」
「我愛好長袖軍服襟開換気時」
「だからこいつなんで聞いたことない言語で喋ってんの?」
「へっ、言えたじゃねえか」
晴はくすぐったそうに鼻の下をこすった。
「お前らにだって、誇るべき"正義"があるんだ。なら、そのために立ち上がれ!!」
「「「……!」」」
「ついでに言うと、オレは球体関節もいいと思う」
「こっちに飛び火させるな馬鹿ぁ!!!」
メリザンドは涙目だったという。
大成功🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
樹・春一
【神よ!】
いやあ、フランスもだいぶ慣れたものですね!
ところでこのトレインで合ってました? 拳で解決できるトレインなんですよね?
今何とおっしゃいました!? ちょっと荊さん!!!
まあとにかく。みなさん落ち着くのです
宗教画の女神などだいたい全裸。それでも神聖なものとして美術館や教会に展示されております
全ては描いた者と見る者の心次第。やましい心で見ればやましく、清らかな心で見れば清らかなものとなります
そうですよねエロフォンスさん! 神聖な絵画なんですよね!
あとサキュバスはやばくないです! 健全ですよ!
どうと言われましても、ううむ。もっと筋肉つけた方がいいですよ!
逆に荊さんはどう思うんですかこういうの
舞剣・荊
【神よ!】
やってきました、おフランス!
一回来てみたかったんだよね~
てな訳で
はるーち!エロ画像見に行こうぜ!
☆説得
感情ないなってるのでフツーに説明しとく
エロ……春画ってことは、絵具で紙に描いたイラストじゃん?
で、サキュバスって現実だから無修正で見えるじゃん?
フルオープンでシルブプレしてるサキュバスと、絵の具の塊……罪がヤベーのは淫魔一択でしょ
つまりエロフォンスのやってた事はとりあえず罪じゃないのよ
とりあえずね
それはそれとしてヤッてることキモいけどね
春画を見る機会があったら春一に見せる
はるーちサキュバスじゃん
これエロい?ふーん
アタシ?この時代のエロ絵って結構リアルでやるじゃんってカンジ!
●トレインの乗り間違いなんてある?
「あの、荊さん」
「え? なにはるーち」
なにやらものすごく物言いたげな樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)と、その理由がさっぱりわからなさそうな舞剣・荊(Thorm.・g02226)。
「僕、パラドクストレインに乗る前に聞きましたよね? 「拳で解決できるトレインなんですよね」って」
「うんそうだね!」
「このトレインであってるんですかって聞きましたよね」
「うんそうだね!」
「そしたらなんですかこの惨状! 春画とか処刑とか!」
「だっておフランス、一回来てみたかったんだもん!」
「質問に対する答えになってないんですよそれ!! 状況がおかしいっていう話をしているんですが!!」
「わかったわかった、はるーちってば細かいこと気にするなぁ」
荊はなぜか、はーやれやれみたいな感じの反応をする。
「じゃあ改めて! はるーち! エロ画像見に行こうぜ!!」
「言えばいいっていう話をしてるんじゃないんですよ!!!」
会話が成立していなかった。
それはさておき、ディアボロス達の演説により、聴衆は混乱……してんのか? 男衆が死にそうな顔になって、女衆はそんな男衆を絶対零度の眼差しで睨んでるだけでは??
「あーえっと、ほらあれ! 春画ってことはさ、絵の具で紙に描いたイラストじゃん?」
「まあ、そうですね」
いつものノリで演説? 説得? を始めた荊に、不承不承相槌を打つ春一。
「で、サキュバスって現実だから、無修正で見えるじゃん?
つまりさあ、フルオープンでシルブプレしてるサキュバスと、絵の具の塊、どっちがやべーかって話なのよ!」
「荊さん! シルブプレは別にやましい意味合いの単語ではありませんし、もっと言うとサキュバスはやばくないですからね!!」
「でも淫魔と春画なら淫魔のほうがやべーでしょ!」
「淫魔はそうですね! でもサキュバスは健全ですからね!!」
春一は力説した。だって彼がサキュバスだから。
「つまりさあ、エロフォンスのやってたことはとりあえず罪じゃないのよ。とりあえずね」
「そこ強調するんですか荊さん」
「いやだって、それはそれとしてヤッてることキモいし」
「殺してくれぇえええ!!」
あっエロフォンス泣き出しちゃった!
「あんた達誰だ? いやまあそれはいいんだが、それはそれとしてあいつの罪は許されないんじゃないか!?」
と、男の一人が(女性陣の白眼視から外れるために)声を上げた。
「何を言っているんですかそこの方。宗教画の女神などだいたい全裸ですよ?」
春一は極めて常識的な理屈で説得にかかる!
「それでも神聖なものとして、美術館や教会に展示されております。すべては描いた者と見る者の心次第なのです!」
「ううっ、たしかに!!」
「やましい心で見ればやましく、清らかな心で清らかなものとなります。そうですよねエロフォンスさん!」
「…………」
「目逸らしてるねあのキモ男」
「神聖な絵画なんですよねエロフォンスさん! エロフォンスさん!?」
「めっちゃ脂汗かいてるねあのキモ男」
肝心の罪人が説得力を担保してくれない! どうなってんだこの村。
「ところでさあはるーち、これエロい? サキュバス的にどう?」
押収されたエロフォンスの春画を勝手に拾ってくる荊。
「だからサキュバスはヤバくないですよ! あとどうと言われましても、ううむ。もっと筋肉つけたほうがいいかと!」
「ふーん」
「逆に荊さんはどう思うんですかこれ」
「アタシ? この時代のエロ絵って結構リアルでやるじゃんってカンジ!」
「どの目線からの評価なんですかそれ」
とりあえず、荊はこの状況を最高にエンジョイしているようだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
エロ本の何が悪いんだ…汚物を見るような目をしなくてもいいのに。
大丈夫だ任せてくれエロフォンスお前は俺達が救うそして支払うべき対価はわかってるよな?(クッソ早口)
じゃあ早速頭の硬い連中に演説だ。一つ物申させて貰おう。
芸術品を金で売って何が悪い!
確かに春画だ、そこは疑う余地も無い!
だがそれは作者が魂を燃やして作り上げたもの…人間の肉体の神秘!
つまりは芸術!
古今東西、裸体を描かなかった芸術があったか?
いや無ぁい!!
見ろこの俺の筋肉!(上半身真っ裸)
優れた肉体とそれを忠実に表現する鬼気迫る筆致!
これを芸術と呼ばずして何と呼ぶ!
これはただの春画ではない、覚えておけ!
性癖:デカい胸と太腿
百目木・京也
え、春画……ええ、まあ、そうね?
内容によっては未成年に見せるのは多少問題があるかもしれないわね…?
(※こいつも未成年です)
でも、よく考えて?
女性のこの腰からお尻、太ももにかけての美しいライン
柔らかさと母性を兼ね備えたバストライン
丸く細い繊細な指先に、愁いを帯びたまなざし
膝裏のまろやかさに、男性ではなしえない足先の上品さ
全体的に柔らかく細く繊細で折れてしまいそうなのに
日々生き抜いていくしたたかな強さ
青少年のリビドーを掻き立てるだけじゃない
芸 術 性
これを全て否定しようだなんて文明の放棄に他ならないわ
そう思わなくて?
(さりげなくライトアップされつつ)
あ、ちなみにアタシは指先がきれいな女性が好みよ♡
御澄・機津
いんじゃね?
(初恋知らずのド健全淫魔が
きっぱり言い切った!)
我慢させとくより、楽しませとく方が健全だろ。
押さえつけたら、後々派手に跳ね返っちまったなんてこたぁ、よくある話。
(読まねえから知らんけど!
でも)
……アダルトな雰囲気の楽曲ってあるよな。
そういうのが格好よく感じたり、ぐっときたりする人もいるんじゃね?
何なら聴いてくか?
(突然のピアノ!)
熱は籠めてあるから、案外みんな火がついちまうかもな。
(イントロは勢い有り、次第に燻り、湿度高く、蛇めいて絡み付くような音へ移行していく!
Theセンシティブだ!
大人の秘めた恋心!)
音も本も同じ。
何に魂を燃やすかなんて
人それぞれだからな。
遮るのは粋じゃねえよ。
●エロと筋肉と芸術とピアノ
「エロ本の、何が悪いんだ……!!」
此処へ来てから……いや此処へ来る前からずっと、菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は思っていた。
「あんな汚物を見るような目をしなくてもいいだろうに! 男の浪漫の、何が悪いんだァーッ!!」
そう、桐梧はずっと、時先案内人にジト目で睨まれたのを気にしていたのだ!
なんなら今も、男衆を白眼視する村の女性陣の冷たい視線に苦しんでいる! 自分が睨まれてるわけでもないのに!
「え、そ、そこまで憤ることかしら……?」
百目木・京也(愛と美の伝道師・京ちゃん・g02036)は、そのあまりの憤りっぷりにちょっとヒいていた。
「まあ、内容によっては未成年に見せるのは多少問題はあるかもしれないわね。うん」
とか言っているが、彼も未成年である。あ、そうです、彼です。彼。
「いや、それも別にいんじゃね?」
だがそこで、初恋知らずのド健全サキュバスこと、御澄・機津(黒白未明・g02821)がばっさり一刀両断した!
「だって我慢させとくより、楽しませとくほうが健全だろ。ガキつっても押さえつけたらあとあと派手に跳ね返っちまったなんてこたぁよくある話だぜ」
「うーん、そういうものかしらねぇ……」
京也は頬に手を当てて、悩ましげな評定をした。なお、何度も言うが「彼」である。
「ああ、そうだ、そうとも! 俺もそう思う!! ちなみにお前はどんなエロ本が好きだ!?」
「えっ、いやおれは別にそういうの読まねえし……」
ものすごい勢いで食いついてきた桐梧の勢いに、機津もだいぶヒいていた。
「あ、あんた達……俺の無罪を主張してくれるのか……?」
エロフォンスは、ディアボロス達を涙ながらに見上げる。
「まあ、そういう仕事なのよアタシ達」
「別に春画……? とかいうのはどうでもいいんだけどな。読まねえし」
「そうだともエロフォンス!!」
桐梧がその勢いのまま、エロフォンスの前に片膝を突いた。
「大丈夫だ任せてくれエロフォンスお前は俺達が救うそして支払うべき対価は解ってるよな?」
「えっなんて?」
「ものすごい早口ねぇ彼……」
「あそこまで欲望剥き出しだといっそ尊敬するぜマジで」
京也と機津はちょっとヒいていた。
「というわけでだ! 聞け、頭の固い奴らよ!!」
桐梧は村人に向き直り、演説する!
「芸術品を金で売って何が悪い!!」
「いや売ってないんじゃないかしら!? そこが冤罪なのよ!?」
「だが言いたいことはわかるぜ、然るべき対価を受け取るってのは大事なこった。おれは気にしねえけど!」
「なんで部分的に肯定してるのアナタ!?」
あっもしかしてこの流れ、アタシがツッコミ!? 京也は愕然とした。そして桐梧は聞いていない。
「たしかに春画だ、そこは疑う余地もない……! だがそれは、作者が魂を燃やして作り上げたもの、人間の肉体の神秘! つまりは、芸術!!!」
「うーん、でもそれは理解できるわねぇ。芸術性、大事よね」
今度は京也のほうがうんうんと頷き始めた。ボケとツッコミの入れ替え激しいなこの空間。
「女性のこの腰からお尻、太ももにかけての美しいライン……柔らかさと母性を兼ね備えたバストラインに、丸く細い繊細な指先に、愁いを帯びた眼差し……どれも美しいわ」
「すげえ、全然いかがわしく聞こえねえ」
機津は感心した。言ってることは同じなのに、なんで桐梧と京也でこんな違いがあるのかと。
「膝裏のまろやかさに、男性ではなしえない足先の上品さ、全体的に柔らかく補足繊細で折れてしまいそうなのに、日々生き抜いていくしたたかな強さ……それこそ、美よね」
「ほんと全然いかがわしく聞こえねえな。正しい意味での芸術性って感じだぜ」
「そうだ!! 女体はすべてエロい!! いや女体でなくともエロなんだ!! わかるか!!」
「こっちは最悪だわ」
マジで何が違うんだろうね。すべてかな?
完全に置いてけぼりになっていた機津だが、そのときハッと彼は気付いた。
裸体が芸術であるならば、同じ芸術である音楽もまた、エロスを内包しているのでは? と。
何を言ってるんだお前はって感じの思考だし、そんなことはプレイングに一文字も書いてないのだが、こういう風にまとめたほうが面白そうだって思っちゃったから仕方ないんですね。
「楽曲にもアダルトな雰囲気のってあるよな。なんなら聴いてくか?」
機津、突然演奏を始めた! こう、ムーディで、勢いのあるイントロから、徐々に燻っていくメロディを!
「あらやだ、素敵な曲じゃない!」
京也もノッてきた。すると、どこからともなくライムライトがステージを照らす。ステージって何?(素)
ちなみにこのライトアップは、別にネタシナリオだから生えてきたとかではなく、これもこれで京也のパラドクスで生まれるものである。原理は不明だ。
「そうだ!! 芸術なんだ!! 見ろ、この俺の筋肉を!!!」
そして桐梧は突然脱いだ! なんで!?(でもこれはプレイングに書いてある)
「ヒューッ! 見ろよ奴のあの筋肉を、まるで鋼みてえだ!」
なぜか男衆が口笛を吹く! 誰だお前は。
「優れた肉体と、それを忠実に表現する鬼気迫る筆致! これこそが芸術だ、そして、俺達が芸術だ!!!」
「もうだいぶ勢いで喋ってて、何言ってるのかわかんなくなってきてるのねぇ(しみじみした表情の京也)」
「つまり、音も本も同じ……何に魂を燃やすかなんて、ひとそれぞれってことだな。それを遮るのは粋じゃねえよ!」
「アナタも演奏始めたとたんだいぶタガ外れてきたわね……」
ライトアップされる桐梧の筋肉! 蛇めいて絡みつくようなピアノメロディ! なんだこの空間は!
「「「セ、センシティブーッ!!」」」
友達催眠とかなんかこういろんな効果のせいで、村人達も完全にわけがわからないテンションだ!
「わかってきたぜ、春画ってのが……芸術、つまりそういうことなんだろ……!」
「全然違うと思うんだけど、まあいいと思うわ。それ、いい曲だし♡」
京也はツッコミを放棄した。オーディエンスの熱狂に水を差すのも無粋だと考えたのだろう。
「うおおお!! 俺はデカい胸と太ももが好きだぁー!!」
そして桐梧はなぜか自分の性癖を宣言している! 大丈夫かこいつは。
「なんなんだこの空間は! 助けてくれーッ!!」
メリザンドだけが正気だった。かわいそうにね。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
逆叉・オルカ
エロフォン…エロ本…なるほど
名は体を表すというが、重い使命を背負ったな
後で頭を撫でてやろう
エロフォンスを救助しておこうかなって
まぁ、する必要もなく勝手に助かってくれてれば問題ないが
仲間の演説の間にこっそり近づき奇襲して彼を助けよう
冷凍ビームで敵を凍らせ足止め、隙をつき奪還を目指す
残留効果の飛翔をつかって離脱しながらパラドクスでさらに敵を攻撃したい
俺たちが何者かは話さないでおこう
なに、ただのお人好しだよ
俺は春画はいいものと思う
浮世絵自体が芸術作品だ、西洋画家にも良い刺激を届けた話も聞く
それに敵の様子からして奴らも作品は見たらしい
さて。どの芸術作品が好きだったんだ?
ちょっと言ってみろよ
アドリブ歓迎
荻原・仁
さっきは思い切り失敗して変な男認定されてしまった。今度は汚名返上だ。
冤罪、そうだ冤罪だ。冤罪で処刑されようとしてるエロフォンスを守る為に
敵の隙をついて助けだそう。
ん?おや、オルカさんじゃないか。オルカさんもエロフォンスを助けにきたのか。なら、俺はオルカさんの手助けをしつつ、護衛のトループス級に攻撃を仕掛けるとするか。
ほんとはあんたもこういうの嫌いじゃねーんだろ?上司の手前取り締まろうとしてるんだよな?何も言うな。痛くしねーから倒されてくれ。戦覇横掃を発動。敵への攻撃はオルカさんの邪魔にならねーように行う。
トループス級を速やかに倒しエロフォンスを救い出そう。変な男呼ばわりされたままじゃ恥だ。
●そんなわけで戦闘が始まった
メリザンド、シリアスが維持できない精神的ダメージで完全に停止中。
その間にディアボロス達は演説(というか好き勝手エロについて語るだけ)をして、村人達の心を動かし……動かせたのかこれ?
「うおおお! エロフォンスは冤罪だ!」
「たとえ女達に何を言われようと! 俺達はエロを諦めねえ!」
「そうだ! 春画の何が悪いんだー!!」
と、男衆が騒いでいるばかりである。女達はドン引きしていた。
「み、みんな……!」
エロフォンスの目にも涙。これが友情……!
「あの、メリザンド様これさっさと処刑しないとヤバいんじゃ」
「もういやぁ……なんでこの村狂ってるのぉ……」
「ああもうダメだこれ、俺達でさっさと首切ろうか」
トループス達は真面目だった。
だがしかし、その時である!
「そういうわけにはいかないんだよ。おとなしくしててくれ」
「グワーッ!?」
こっそり近づいていた逆叉・オルカ(オルキヌスの語り部・g00294)の冷凍ビームが、自動人形の身体を凍らせた!
「くっ、こいつらやっぱ敵じゃねえか!」
「メリザンド様いつまで落ち込んでんだよ!!」
敵はオルカを迎撃しようと武器を構えるが……背後にもうひとりの影!
「甘いな。周りはよく見たほうがいいぜ?」
「「グワーッ!?」」
荻原・仁(闇の中の光・g03118)だ! 青龍偃月刀をカッコよく振るい、ネタシナリオにあるまじきイカした無双系ムーブで敵を薙ぎ払った!
「おや、仁じゃないか。こんなところで顔を合わせるとはね。まさか仁も春画……」
「いやいや、普通に仕事に来ただけだオルカさん! そのせいでなぜか変な男呼ばわりされてしまったが……」
仁は、女性陣から他の変態男と同じ扱いをされてしまったことがよほど腹に据えかねていたらしい。
「まあそういうわけだから、俺も手伝うぜ。奴らは任せてくれ」
「ありがとう。じゃあその間に、あの可哀想な名前の星のもとに生まれてしまった男を救助してくるか」
「「「ウオオオーッ!」」」
立ちはだかる自動人形! そこへ仁が颯爽と突撃し、偃月刀を縦横無尽に振るう! まるで、青龍偃月刀が彼のもう一つの手足とでもいうような、自在な立ち回りだ!
「あ、あんた達は一体!?」
「俺達は……なに、ただのお人好しだよ」
オルカはエロフォンスの縄を解いてやりつつ、曖昧にうなずいた。
「そうか。ありがとう! 生き延びられたら、あんた達にも俺の春画を」
「いやそれはいいかな。ていうかとりあえず避難しておいてくれ」
「アッハイ」
そそくさとエロフォンスは逃れた。なお、処刑すべきメリザンドはというと、いまだに地に這いつくばって『私こんなキャラじゃないのに……』とかめそめそ泣いている。可哀想。
「くっ、こいつら……強いぞ!」
その後ろでは、仁が多数のトループスを相手に余裕の笑みを浮かべて乱闘を繰り広げていた。
「こんな任務に駆り出されるような連中に、俺が負けるわけねーだろ? それにだ……」
仁は青龍偃月刀をぶんぶんと頭の上で振るい、カッコよく構える!
「アンタらもこういうの、嫌いじゃねーんだろ? 上司の手前、取り締まろうとしてるんだよな?」
「おい急に風評被害与えてきたぞこいつ!」
「決めつけやめろ!」
「何も言うな。痛くしねーから倒されてくれ」
「反論を封じ込める無敵の切り捨て方すんな!」
仁に追い風が吹く。そう、汚名を払拭するには……汚名を別の奴に着せればいい! スケープゴートだ!
「だが、あんた達が作品を見たのは正しいんだろう?」
挟み込むように戻ってきたオルカが、仁の口撃に加勢した。
「おっと、勘違いするな。俺は春画はいいものだと思うが、浮世絵のような芸術的な意味での「いい」だ。あんた達とは違う」
「「「だから勝手にこっちを変態にすんな!!」」」
「スキありだぜ! さっさと倒れな!!」
覇者のごとき勢いでチャージを仕掛け、仁が敵を吹き飛ばす! まるでボウリングのピンめいて空を舞う自動人形ども!
「「「グワーッ!!」」」
「どの芸術作品が好きだったんだ? ちょっと言ってみろよ」
「「「だから変態扱いすんなあああ!!」」」
「反撃すら忘れてるみたいだな。――終わりだ」
冷凍ビーム炸裂! 空中で回避も防御も出来ない自動人形どもは、ぱきーんと凍りつき……落下して砕け散った!
「あの人達、かっこいいわ!」
「変な男かと思ったけど、英雄だったのね!」
女性陣も好印象だ! 顔がいい男はモテる。カッコいい動きをすればなおさらである。
「よかった……あんな偏見を抱かれたままじゃ恥だったからな」
「変なとこ気にするんだな仁も。まあ気持ちはわかるけど」
男達は背中合わせになり、さらなる敵の来襲を警戒した。
「私こんなキャラじゃないのにぃ……」
メリザンドは背景でめそめそ泣いていた。可哀想。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
リーシャ・アデル
・心情
……ふぅ、とりあえず冤罪どうこうはどうにかなったみたいかしら!!!!
それじゃあ後はクロノヴェーダをやっつけるだけね!!!
とりあえず燃えろぉぉぉ!!!!!
・戦闘
パラドクス『翠焔・創像:ウォーストライク』でトループス級を【薙ぎ払い】、攻撃していくわ!!!
・その他
アドリブ等は大歓迎です
春画回りで参戦してなかったのは顔を真っ赤にしてフリーズしてたとかそういうあれにしといてください
こんな発育がバッチリな体でもまだ12歳だからね!!!!
星見・晴
どうやら野郎達の士気を高めつつ敵の大将の戦意を挫く作戦は成功したみてえだな!
(※そんな作戦はない)
(主に野郎達限定で)高まったボルテージを利用しない手はないよな
今のうちに変身だ――
『此は宇宙の最果て迄至る原我である』!
時代が違っても幾つになっても
ロボの変身ってのは男の浪漫!
どうせだから【士気高揚】といい感じに【照明】も使って演出だ!!
えっ浪漫本要素どこ行ったって?
大丈夫、タイトルで男の浪漫って書いてある。
これも男の浪漫(強弁)。
そうだろみんな!!(おまけの【友達催眠】)
あとは良い感じにカッコよく敵を両断でイヤーーッッッするだけだ!!一丁上がりぃ!!
あ、エロフォンスは後で春画頼むな(色々台無し)
●先輩の姿か? これが……
「……はっ!!」
実は駆けつけていたリーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)は、我に返った。
どうやら春画がどうとかあまりにも刺激が強すぎて、完全にフリーズしてしまっていたらしい。
そういうことにしておいてくださいとプレイングに書いてあるので、そういうことになりました。
こ、これで家族は返してくれるのよね!? 約束は守りなさいよ!
イマジナリー母親はさておいて、リーシャは12歳である。
その見た目からは想像できないが、まだ未成年どころか小学生でおかしくない年齢なのだ。
そんな乙女が、やれエロ本だのなんだのバカみてえな単語が飛び交う場所で、正気でいられるわけがない。
しかし! 折しも周りは戦闘の真っ最中だ!
んまあその戦闘中にまだエロ本の話してる野郎ばっかなんだけども。
「冤罪どうこうはどうにかなったみたいかしら!!!
それはああとはクロノヴェーダをやっつけるだけね!!!」
リーシャは大声で色々かき消した。でないとまともに戦えないので。
「ウオオ死ね反逆者ーッ!」
「はっ!?」
とかなんとか言ってたら、背後から自動人形の強襲だ!
少しでも気持ちをリセットしようとしていたリーシャは、攻撃を避けられない! これはまずい……!
「……がはぁ」
だが、断頭人形の斬首斧が振るわれることはなかった。
「まったく、ウチのモンに何しやがる」
星見・晴(赤星番長・g00661)だ。肩越しに、リーシャを振り返る。
「は、晴……」
リーシャは、赤の番長を呆然と見上げた。
「おっと、獲物を奪っちまって悪いな。ちょうど暴れたかったんだ」
晴は、助けたなどとは言わない。リーシャの性格をよく知っているからだ。
リーシャはむっとした表情になる。やっぱりバカだ、と呟いた。
「さて……それじゃあそろそろ行くか。リーシャもやれるよな?」
「と、当然でしょ! 次は遅れは取らないわ!」
リーシャは強気に言って立ち上がる。晴はニカッと笑った。
「ようし、なら行くぜ! ――"此は、宇宙の最果て迄至る原我である"ッ!」
晴は眼鏡のブリッジに触れた。そして、パラドクスを発動!
一瞬にしてその姿は赤い機械甲冑に覆われ、コスモノート・ハーレーへと変身した!
(「なんだかんだ頼りになる、なんてのは、絶対口にしないんだから」)
リーシャは、ふんっと強気を保つ。その背中に翼が広がった。
かくして無敵の2人は、断頭人形相手に戦いを挑む――!
「どうだ! これもまた、エロとは違う男の浪漫だぜ! 野郎ども!!!」
「は??????????」
はいシリアス終わり~! これはネタシナリオ~!!!
「エロもいいけど浪漫も大事だ! そうだろみんな!!」
「「「わかる!!!」」」
「は????」
男達は沸き立った。コスモノート・ハーレーがかっこいいのと、【友達催眠】があるから。リーシャは不動だった。
「そしてカッコよく一撃必殺だイヤーッ!!」
「「「アバーッ!!」」」
断頭人形の頭が断首! すごくカッコいいぜ!(雑)
「あ、エロフォンスはあとで春画頼むな」
「えっ」
「は?」
「だってエロも大事だろ!! それで救える命があるんだぞ!!!」
「よし、まとめて燃えとけこのバカどもーーー!!!」
「「「ギャアアアア!!」」」
晴……と、断頭人形無残! リーシャブチギレ!
「強気系元気娘か……インスピレーション、湧いてきたぜ!」
エロフォンスはなんか閃いていた。地獄!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】がLV3になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【命中アップ】がLV3になった!
十埼・竜
【聖竜】
誰がアセンショニストですか誰が……
あっ、もう今回はずっとそれで行くんですね
……この状況、先輩結構楽しんでるだろ……?
先輩が鮮やかに姑息なマッチポンプをキメたら
獲得した信者のみなさんー見てましたー?
【士気高揚】でテンション上げて、さん、はい!
「波紋、反響」
トループスのみなさんに盛大な糾弾をお願いします
さあ罪人は誰かなー?
あいつだねー!
その斬首斧の行き先は決まったねー!!
今だ!【託されし願い】パワーを先輩……いや!奉利・グランドアセンショニスト・聖へ!!
……………うっわぁ……(容赦のない頭部狙いにドン引く)
いやだからほんと、アセンションって何なの???
奉利・聖
【聖竜】
御覧なさい人の子よ…
あれらが汝が罪から目を背け、不当に我らを断罪せしめんとする悪なのです
許しておけるでしょうか!あれこそ正にアセンションに至らぬ者たち!
その罪暴いてくれましょう!
──『軽気功』
目にも止まらぬ【ダッシュ】と【早業】により、高速化
浪漫本をすれ違いざまに懐に入れておきます
人の子よ御覧なさい!あまりの罪深さに最早隠し切れないようです!
罪人を裁く人形たちがまさか!あのように自らが定めた罪を着服していようとは
今こそ正義を示す時!行きますよ竜さん!
(聖なる正義パワーみたいな何かで敵を殴る感じを出しつつただの頭部狙い)
また悪を滅ぼしてしまいました
流石は十崎・ハイアセンショニスト・竜さん
●アセンション・アセンショナー・アセンショニスト
「ご覧なさい人の子よ……」
相変わらず謎の教祖モードに入ったままの奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)が、断頭人形を指差す。
「あれらが汝が罪から目を背け、不当に我らを断罪せしめんとする悪なのです……」
「あっ、先輩もう今回はずっとそれで行くんですね」
十埼・竜(スカイセンサー・g02268)……またの名をDJ.DINO a.k.a 清らぺえぺえDAISUKI(いま命名)。あるいは洗礼名アセンショニスト・竜。彼には名前がイッパイアッテナ。とっちらかってきたがとりあえず竜は呆れていた。
「……この状況、先輩けっこう楽しんでますよね???」
「(スルー)人の子らよ! 許しておけるでしょうか! あれこそまさに、アセンションんに至らぬ者達なのです!!!」
聖は声を荒げた! どこぞのちょび髭さながらのアジテーションだ!
こいつなんでもできんな。これも気功の応用……ってコト!?
「なんか勝手に罪人扱いされてんぞ俺ら」
「盗っ人猛々しいというか濡れ衣もいいところすぎる……」
「もう本当どうしようもねえなこの村もこいつらも」
断頭人形達は呆れていた。彼らは良識ある自動人形である。
一方、アジテーションされてる人の子らはというと。
「「「うおおお! アセンショーン!!」」」
(男限定で)ぶっ壊れていた。この村もとに戻れるの?
「おお、不信心者達よ! その罪暴いてくれましょう!!」
聖は一瞬にして駆け抜けた。ハヤイ!
そして断頭人形はバタバタと倒れ……ない!? えっそのスピードで華麗に倒すとかじゃないんですか!?
「「「……!?」」」
斬首斧を構えた断頭人形達は、聖のこの不自然な動きを訝しんだ。
おかしい。今俺ら割と、超カッコいいシリアスな大立ち回りをするつもりで身構えてたのに。
どこまでも気の狂った空間を維持したいのかこいつら。クロノヴェーダ達は理解できずに苦しんだ。コワイ!
「人の子よ、ごらんなさい」
ピシィ! 聖は振り返り、断頭人形達を指差す……否! 彼が指差しているのは!
「「「あっ、あれはーッ!?」」」
人の子ら(多分ルビは「バカな男ども」)は驚愕した。それは……しゅ、春画ではないか!!
そろそろ春画って単語、ゲシュタルト崩壊してない??
「「「えっなんだこれ!?」」」
断頭人形達もびっくりしていた。それもそのはずである。
さきほどの本来ならシリアスに大立ち回りできたはずの韋駄天ダッシュは、すべてこのため。
聖は奴らにも気付かれぬ速度で、懐にポケットサイズの春画(ポケットサイズの春画って何?)を潜ませていたのだ!
「どういう裏工作だよ」
竜はぼそりと呟いた。なんでこんなこと思いつくんだあの先輩。
「あまりの罪深さに、もはや隠しきれないようですね」
聖は大仰な仕草で人の子らの注目を集める。
「罪人を裁く人形達がまさか! あのように自らが定めた罪を着服していようとは!!」
「「「えっ!?」」」
嘘だろそんな強引な濡れ衣の着せ方ある? と愕然とする断頭人形の皆さん。
その瞬間、聖はちらっと竜を見た。そしてパチパチウィンクする。アイコンタクトだ!(概念に対する挑戦)
「あ、はい。えーとみなさーん、見てましたー?」
バスガイドさんみたいなノリで信者……ではなくアセンショナー達に呼びかける竜。
「「「見てましたー!」」」
「いい声ですねー、元気ですねー」
教育番組のちびっこ達みたいだった。もはや倫理すら迷走している。
「さあそれでは、声を揃えてご一緒に! 罪人は誰かなー?」
「「「あいつらでーーーーーす!!」」」
【士気高揚】込みの糾弾だ! こんな最低な残留効果の使い方見たことねえ!
「「「えっ」」」
「その斬首斧の行き先は決まりましたねー!」
「「「しーけーい! しーけーい! しーけーい!!」」」
ある意味でフランスの歴史を再現している! コワイ!
「今こそ正義を示す時! 行きますよ竜さん!」
「今だ! パワーを奉利・グランドアセンショニスト・聖へ!!」
「「「いいですとも!!」」」
残留効果で1カメ2カメ3カメよし! あまりの狂った空間についていけない断頭人形の皆さんに、グランドアセンショニストの聖なる一撃(ただの頭部狙い)がヒットだ!!
「イヤーッ!」
「「「アバーッ!?」」」
「……うっわぁ……」
竜はドン引きした。
「「「やったぜ!!」」」
信者達は興奮していた。古代ローマのコロセウムかな?
「また悪を滅ぼしてしまいました……さすがは十崎・ハイアセンショニスト・竜さんですね」
「洗礼名パワーアップさせるのやめてください」
「もはや列福も厭いませんよ」
「どこの宗派???」
ここまで不名誉な聖人認定があっただろうか。いやない(反語)
「……っていうか、だからほんとアセンションって何!?!?」
その疑問には誰も答えてくれない。この空間は狂っていたので。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
夏生・幽
……
……話聞こうか?
うん。うん。つらいね
こんなところへ引っ張り出されてね
私は慈悲深いので貴方たちを生の苦しみから解放してあげますみたいな
台詞も言いたかったろうね クールにね
けど僕にはこの空気をシリアスにする力はないんだ
なんかさぁ、より馴染んだほうが勝ちみたいなとこあるし
話を聞きながら【心霊現象】【念動力】で
そっと彼女の頭上に浮かせたアレを持ってこよう
アレはアレだよ ゴンッてなるお決まりのやつ
金タライ
こうして未来予測《オチ読み力》のレベルが上がるんだ 良かったね
●優しいように見えるけど追い打ちしてえだけだな?
「うう、私こんなキャラじゃないのに……」
周りのトループスは全滅してるっつーのに、メリザンドはまだメソメソしていた。
彼女は自動人形でありながら、人間と同じ喜怒哀楽を持つ。
え? 断頭人形も人間そのままだっただろ? うるせえなあもう!(内弁慶の男子中学生みたいな反応)
まあそんな悲しみに暮れるメリザンドを、さすがの夏生・幽(レイス・g02607)も見てられないわけで。
「……話聞こうか?」
「え?(トゥンク)」
優しくされれば胸も高鳴るさ。心臓ねえけど。
「辛いんじゃない? 涙は似合わないよ」
「あ……ああ……!」
メリザンドは震え、そしてまくし立てた。
「そうなのよ私だって本当は「慈悲深い私があなた達を生の苦しみから解放してあげます」とか言いたかったのよクールに戦いたかったのよそのための武装なのよこれは!!」
「うん、そうだね。それがこんなところに引っ張り出されてね」
「もう本当よ今まで来た村の中で一番狂ってるわよここっていうかなんで淫魔が担当じゃないの上の嫌がらせ!?」
「うん、わかるよ」
幽は女性の愚痴を聞くのに手慣れていた。過去を感じる。
「けど、さ」
幽は儚い顔に愁いを浮かべる。かっこいい(小並感)
「僕にはこの空気を、シリアスにする力はないんだ」
「え」
「なんかさぁ、より馴染んだほうが勝ちみたいなとこあるでしょ? だからまあいいかなって」
「で、でもあなただってシリアスに戦いたいんじゃ」
「そこはどっちでもいいかな。でも気持ちはわかるよ」
「そ、そうよね! わかってくれるわよね!」
メリザンドはほっとした。完全にヒモに弄ばれる女みたいな状態である。
「ねえ、もしかしたら私達、(シリアスな戦いを)上手くやれるんじゃないかしら? よければ私と(ゴンッ)あいったぁ!?!?」
そこに飛来するおなじみのアレ! ……金ダライ!? なんでこんなとこにあんの!?
「こんなこともあろうかと、持ってきてて正解だったね」
「こんなもん持参してきてあんた最初からその気だったのね!? 私のことは遊びだったのね!!?」
「いや戦いではあるよ。えい(金ダライをもう一度浮かばせて落とす)」
「グワーッ!!」
残留効果を連鎖できないクロノヴェーダの弱点はここにある! これがディアボロスの力だ!(せめて締め方はまともにしておく)
大成功🔵🔵🔵
効果1【未来予測】がLV4になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
秋野山・犬兵
なんかこの、メリザンドっての、不憫になってきたんで
せめて真面目なバトルで処刑を阻止させてもらうっすよ
まあほら、ネタシナリオは自由だから
真面目にバトルするのも自由って事でお願いしまっす
脆い部分を狙って来るという事は
条件次第で攻撃の手筋を読む事は可能なはず
先ずは斬撃にも耐えうるラインを目指して高めた闘気を纏い
防御を固め交戦しながら相手の動きや攻撃の手筋を見る
ある程度、相手の情報を把握したら
あえて、隙を作った攻撃を放ち相手の攻撃を誘い
その攻撃に合わせた【破軍衝】によるカウンターを狙う作戦
未来予測による先読みとエアライドによる最適な移動経路を見出し
効率化した歩法によってカウンターの成功率を高めておく。
●そんなまるでシリアスがダメみたいな
秋野山・犬兵(人間(?)の特級厨師・g02878)は、思った。
(「さすがにこの自動人形、不憫だ……」)
メソメソ泣いたり泣いてるところに金ダライ落とされたり、周りの男どもは春画春画言い続けてたり。
「……冤罪での処刑なんてものは、認められないっすよ」
「え?」
打ちひしがれていたメリザンドは顔を上げる。
「つまり、あんたを倒すってことっす! 自分が!」
「……!!」
パアアア。メリザンドは笑顔になった!
「戦ってくれるの? 真面目に戦ってくれるのね!?」
「ああそうっすよだからそのノリやめましょうよ!?」
犬兵がその気になっても向こうがもう心折れすぎててこの調子だよ!
が、あくまで両者は相容れぬ敵同士。
メリザンドはすっ、と冷徹な処刑人の表情を取り戻す。
「いいだろう。ならば――死ね!」
メリザンドの多腕が、多方向から同時に犬兵を襲う。
それらの先端には鋭いギロチン刃が取り付けられており、鎌めいたものもあれば機構で回転するものもある! 危険だ!
「っと!」
犬兵はギリギリのところで斬撃を躱し、闘気を高める。
手数で勝るメリザンドの技は、弔いのために鍛え上げた慈悲深き刃。ゆえに犬兵は守勢に回らざるを得ない。
「受け入れろ。死という安寧を。これは慈悲である!」
「言ったはずっすよ、それは認められないと……!」
犬兵の頬に浅い傷が刻まれた。ぱらりと髪が一房落ちていく。だが、メリザンドは訝しんだ。
(「この男、徐々に私の動きに慣れてきている……!?」)
然り。犬兵はメリザンドの攻撃を読みつつある。
そして!
「もらったっす!」
「!」
犬兵は大振りな一撃を入れにいった。だが動きが甘い!
「それはこちらの台詞だ!」
誅罰の技が繰り出される。内臓をえぐり取る一撃……犬兵は目を見開いた!
「かかったっすね!」
「何!?」
フェイントだ。一瞬早く、カウンターの拳がメリザンドのみぞおちにめり込む!
「がは……ッ!!」
メリザンドはごろごろと地面を転がる。重い一撃だ。
犬兵は息を整える。けして油断できる相手ではない。気を練り上げ身構える……!
で、メリザンドはというと。
(「そうよこれこれこういうのよ、こういうのなのよ!!」)
めっちゃウキウキしていた。あれこいつが雰囲気壊してねえ?
成功🔵🔵🔴
効果1【エアライド】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
リーシャ・アデル
・心情
……いや、今回ばかりは色んな意味で相手が悪かったわね(憐れみ)
冤罪吹っ掛けた相手があれだし、そのせいで逆に野郎共がノリノリだし
本当に淫魔とかが担当だったらこんな想いしなくて済んだのにね……
せめて、さっさとこんな状況から倒して解放してあげるわね……
・戦闘
〈翠焔・創像:エディットツール〉を使ってパラドクス『翠焔・創像:リアライズペイント』を発動し、女騎士の絵を描いて戦うわ
ほら、あっちが青い薔薇を撒いて攻撃するならなんか映えそうじゃない……?
春画とかの印象が消えるかわからないけどね……
・その他
アドリブ等は大歓迎よ
●慈悲深いメリザンドが慈悲かけられてんじゃん
「……憐れね。ああはなりたくないわ」
リーシャ・アデル(絆紡ぎし焔の翼・g00625)は、メリザンドを心底憐れんだ。とっても可哀想だった。
「な、何を! 私を憐れむな! ついさっき真面目にバトルしたんだぞ!」
「自分がダメージ食らってそれを誇ってるあたりがもう憐れなのよ……」
リーシャは、メリザンドの悲しみを心から理解した。
冤罪ふっかけた相手はなんか「強気娘最高!」とか言いながら絵筆走らせてるし、
なんか宗教指導者みてえなノリの若者連中に煽られた男どもはアセンションアセンション言ってるし。
「本当に、淫魔とかが担当だったらこんな想いしなくて済んだのにね……」
「やめろーッ! 私を憐憫の眼差しで見下すなーッ!!」
「せめて、さっさとこんな状況から倒して解放してあげるわね……」
「えっ戦ってくれるのか!? 真面目に!?」
急に目ぇキラキラさせるじゃん。それがまた憐れだった。
が、戦いとなれば、リーシャもふざけてはいられない。
「描雅(エディット)!!」
リーシャは絵筆で空中に女騎士の絵を描いた。
まるで荘厳なる宗教画めいた気高き騎士は、たくましき騎馬を駆ってランスチャージを仕掛ける!
「ほう、敵ながら見事な出来栄えだ……けれども、かりそめの騎士などに私が負けるとでもッ!?」
メリザンドの掌から、青い薔薇の花弁が奔流となって溢れた。
この世界に存在しないはずの希望の象徴が、渦を巻いて女騎士を迎え撃つ。極彩色の地獄が顕現した!
「さすがにやるわね、伊達に処刑人じゃないか……!」
リーシャ自身も翼を広げ飛翔、果敢な格闘戦でメリザンドと戦う。
ぞっとするほど美しい青い薔薇の中、女達は舞うように命を懸けてぶつかっていた!
「むっ! 強気女騎士攻めの百合モノ! ある!!」
その光景にさらなるインスピレーションを得るエロフォンス!
「さすがエロフォンスだぜ!」
「頼れる救世主だ!」
男達は湧いていた。
「間に挟まりてぇ~」
「お前こっち来いぶっ飛ばしてやる!!」
なんか諍いも起きていた。
「あいつらがうるさくて雰囲気保てないんだけど!?!?」
「わかった? 私の気分わかった???」
「うんまあそれは最初からわかってるんだけどさ、ほんとに憐れね……」
戦いながら心を通じ合わせるメリザンドとリーシャ。
ああしかし、宿命の対決からは逃れられないのだ……!(シリアスな〆)
大成功🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
十埼・竜
【聖竜】
……ここまで貶めるのはかわいそうだなーとかちょっぴり欠片くらいはあるかもですけど
圧政に抵抗するのは報道の使命なんで!
スモーク内で「第二次"宇宙戦争"」オン・エア!
ぼくのでたらめ電波で見えない敵の姿を映し出せ!
粘りつくような視線……
荒い吐息……
ねっとりいやらしいささやき声……
ああ、慈悲深きメリザンドが……これからひどいことされるんでしょう!
薄い本みたいに!
薄い本みたいに!
そんなキャラじゃない?【通信障害】で聞こえないなあ!!
……うん、今ので一気に
やり口が最低だったなって我に返った
……共犯ですからね、先輩
奉利・聖
【聖竜】
人の子よ…あれを御覧なさい
我らが聖なる教義の敵、メリザンドを!!
彼奴は自らの保身の為に我らを弾圧する愚者!
誅罰を与えてやらねばなりません!そうでしょう!
アセーンション!アセーンション!!
【トラップ生成】で視界を遮るスモークをあちこちに配置
それに隠すように──『幻気功』
ようこそ、僕の領域へ
貴方
──性的な目で、見られてますよ
何しろその美貌ですからねぇ…加えて実に男が好みそうなスタイルだ
御覧なさい、貴方をそうやって見ているのが向こうにも──
なんて調子で、竜さんと連携して油断を誘って
何の遠慮も無しに顔面を殴りに行きます
確かにやり方は最低ですけど
これ、幻なんで…誰も知らないんですよ
ね、竜さん
●インチキ演出までするとかいよいよアレですね
「人の子よ……あれをご覧なさい」
もしかして最初からこっちが素だったのってくらい教祖役がハマってる奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)。
でもよく考えると、教祖ムーブしてんのに呼びかけが「人の子」っておかしくない?
どちらかというとこれ、長命のドラゴンとかそういうアレじゃない? もしくはロウな天使。いやクロノヴェーダじゃなく。
「あれこそ、我らの聖なる教義の敵、メリザンド!!」
「えっ!?」
いやまあ敵ではあるんだけど、教義がどうとかわけわからんこと言われてビビるメリザンド。
さっきから精神的リンチを受けている気がする。明日はどっちだ。
「彼奴は、自らの保身のために我らを弾圧する愚者! 誅罰を与えてやらねば!」
「いやそれむしろ私の仕事なんだけど!?」
「そうでしょう人の子ら! はい竜さん音頭とって!」
「アッハイ」
マジであの敵可哀想だなってちょっとだけ思ってた十埼・竜(スカイセンサー・g02268)、生返事した。
「お前もお前よ! こんなのに従ってていいの!?」
「うんまあ憐れみがないかっていうとあるんだけど、でも圧政に対抗するのは報道の使命なんで!」
「別の権力に屈してるだけでしょうが!!!」
「はいみなさーん、せーの! さんはい!!」
あっこいつも封殺にかかった!
「「「アセーンション! アセーンション!!」」」
そして鳴り響く相変わらず謎の概念コール! メリザンドは泣きそうだ!(気が狂いそうなので)
さて、するとそこで、ブシュウーとなにやらスモークが噴き出した。
「な、なにこれ!? もしかして衣服が溶けるとかそういうやつ!? ついに実力行使なの!?」
別の意味で身の危険を感じるメリザンド。そういうシナリオじゃねえよここは!
「さあ、第二次"宇宙戦争"(マジックバレット・パラダイム)オン・エアだ……!」
さらに竜が乗っかる。パラドクスによる幻惑……それが映し出すのは、煙の中の存在しない敵の影!
「ううっ!?」
メリザンドは己の身体を掻き抱いた。なんだ、何か視線を感じる。
ハアハア言ってる荒い吐息まで! やだキモい!
『ハア……ハア……』
「ひいい! 誰! 誰なの!?」
『ハア……ハア……む、昔はもう少し動けたんだけどなあ……』
「あっこれただの加齢で身体鈍くなったおっさんの悲しい嘆きね(スンッ)」
なんか電波の異常があったみたいですね。うーん【通信障害】じゃしょうがねえなあ!!(プレイングの悪用)
『ヒヒヒ……お姉ちゃん……』
「ひっ!? 今度は何!?」
『ヒヒヒ……最近調子はどう……? 学校とか……』
「あっこれただの娘とのコミュニケーションに苦慮してるお父さんね(スンッ)」
電波の異常以下略!
「あれぇ!? もっとこう薄い本みたいな展開にしないと! それが報道の使命なんだ!!!」
竜はなんか変なスイッチが入っていた。んっこいつもしかしてかなりネジ曲がった変態では?
「あなた」
「!?」
だが、今度の声は幻ではない。
「――性的な目で、見られてますよ」
「は!?!?」
聖のASMRボイスがクソみてえなこと言い出した!
「いやあ、球体関節モノは人を惹きつけますからねえ。それにあなたの美貌はさすがのものですから」
「ふ、ふふーん! まあそれはあるかもしれないけど!」
褒められて図に乗るこいつもなんなんだよ。
「と喜んでるそこにドーン!!」
「グワーッ!?」
またしても頭部狙いパンチ! もう少し優しい攻撃してあげろよ!!
「こ、こいつら、最低すぎる……!!」
「いやあ、これ幻なんで誰も知らないんですよ。ね、竜さん」
「ぼくらこれ一人でも知り合いに知られたら学校で"終わり"ません?」
「僕はそれも善きですね」
「無敵かあんた!!!!」
いっそバレてしまえばいいのかもしれない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV2になった!
樹・春一
【神よ!】
聞こえますか荊さん。助けを求める声が
これは神の慈悲の出番! 如何なるものにも救いの手を差し伸べよと神もおっしゃっております!
救いの手って拳でいいですよね
荊さんにも後で救いの手ですからね
しかし油断してはなりません
無暗に近付いたらその物騒なものでひどいこと(首を刎ねたり)されるんです!
その手には乗りませんよ! 僕が可愛いサキュバスだからって易々と無体(内蔵抉られたり)させないんですから!
ああいうタイプは大人しそうに見えて(攻撃が)積極的で激しいんです!
しっかりと隙を伺って
聞こえてるんですよ荊さん!
しかし(拳を)キメればスッキリすることは確か
貴女方! 覚悟するのです!
ふたりともですよ!!!
舞剣・荊
【神よ!】
だははは!
クロノヴェーダが泣いてやんの!
あ?うん聞こえた聞こえた
拳って握ってるから固くて大きいじゃん?つまり救いじゃん
アタシも?なんでよ!別にエロくないでしょ!
☆戦闘
はるーちが救いパンチ……略してスクパンしてるし
邪魔になんないよう、そこら辺の春画をそっと【投げつける】
エロフォンスの力作でも見て元気出せよエロザンド
春画じゃムリ?ならはるーちだ!
17歳オス!
身長150cm弱!
割と高そうな声(たぶん)!
ほらあの……おねショタ?ってヤツ?
アンタもクロノヴェーダの端くれならイッパツ(攻撃を)キメて
(散々な精神を)スッキリさせた方が良いんじゃね?
安くしとくよお姉さん
お代はカミサマに渡しとしてね
●このあとめちゃくちゃ救済した
「うう……私こんなキャラじゃないのにぃ……!」
一時はシリアスな戦いが出来て喜んでいたメリザンドも、またメソメソモードに入っていた。
だが涙は流れない。自動人形だから。クロノヴェーダだから!
「……聞こえますか荊さん、助けを求める声が」
キリッ。樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)はキャラを取り戻した感じの顔で振り返った。
「だははは! クロノヴェーダが泣いてやんの!!!」
舞剣・荊(Thorm.・g02226)はゲラゲラ笑っていた。この人メンタルがいじめっ子すぎませんか??
「……え? あ、うん、聞こえた聞こえた」
「いまさら我に返っても遅いですよ! ほらあの自動人形ショックすぎて愕然としてるじゃないですか!!」
いくら春一でもツッコミに回らざるを得なかった? え? 前のリプレイからそう? うんまあそれはそうですね。
「いいですか、神はおっしゃっています。いかなるものにも救いの手をさしのべよ、と!」
「うんうん(マニキュア塗ってる時の相槌みたいな適当な返事)」
「ほんとに聞いてますか? 神の慈悲の出番っていう話なんですけど。救いの手って拳でいいですよねって話で」
「あーうんわかるわかる。拳って握ると固くて大きいから救いだよね」
「荊さんにもあとで救いの手ですからね」
「アタシも? なんでよ! 別にエロくないでしょ!!」
「そういうところですよ!!」
特に真面目に聞いている者はもうこの場に誰も居なかったが、居たとしたら全会一致を見たと思われる。
しかし、春一に油断はなかった。
「慈悲深いメリザンド……あなたの処刑人としての技量は、こうして相対しているだけでわかりますよ」
「……真面目に戦ってくれるの?」
「最初からそのつもりですよ!?」
メリザンド、ぱあっと笑顔になって立ち上がった。そしてクールに笑う。
「敵を褒めている場合かしら? けれどそうね……それはこちらも同じ。油断ならない相手だ、神の使徒」
両者の間の空気が、緊張と殺気のぶつかりあいでぐにゃりと歪んだように見えた。
舞い散る葉が、見えない圧力でパチンパチンと空中で散っていく! 極限の張り詰めたプレッシャー!
「荊さんも油断しないでください。無闇に近づいたら、あの物騒なもので斬首(ひどいこと)されるんですから!」
「あのちょっと待ってあなた言葉のルビがひどいことになってない??」
「はるーちだいぶ毒されてるね??」
「いいえその手にはノリません! 僕が可愛いサキュバスだからって、やすやすと無体(内臓抉り)させないんですから!」
「真面目に戦ってくれるのよね?? そうなのよね???」
「はるーちアタシのこと怒れる立場???」
「ああいうタイプはおとなしそうに見えて(攻撃が)積極的で激しいんです!」
「あなたわかっててやってるわよね絶対!!!」
「はるーちアタシよりひどくね???」
なんかもうどがちゃかだった。
「と隙を見せたところで救いの手ズドーン!!」
「ぐえー!?」
そして近づいてパンチ! やはり暴力……暴力はあらゆる物事を解決する……!!
「うわー、はるーちのスクパン(※救いパンチの略)えぐー」
荊はというと、特に援護したりせずにだらだら春画を漁っていた。
「あっ、今描きあげたばかりの強気娘春画!」
「いや描くの早くない? まあいいやエロフォンスの力作だぞ元気出せよエロザンド!」
「誰がエロザンドだグワーッ!?」
SMASH!! そっと(※パラドクス比)投げつけられた春画の角がヒット! メリザンドは涙目だ!
「アアーッ!!」
エロフォンスも涙目だ! かわいそう。いやかわいそうではない。
「こ、こんな……こんなもので! 私の傷心が癒せるかァッ!!」
「「「アアーッ!?」」」
春画無残! 男達は膝から崩れ落ちる! かわいそう。いやかわいそうではない。
「えームリ? ならはるーちだ!」
「は? え、荊さん何を??」
「17歳オス身長150cm弱! そんでもって割と高い声!」
「あの何をおっしゃって???」
「ほらあの……おねショタ? ってヤツ? 好きでしょアンタ」
「ねえこいつどこまで私に喧嘩売ってくるの!!!」
「じゃあやっぱ春画喰らえよオラァ!!」
「ギャーッ!!」
「俺の新作ー!!」
悲鳴が上がるなかで荊だけが自由だった。無敵かな?
「いいからもう攻撃(イッパツ)キメてスッキリしちまえよ!」
「いかがわしい言い方やめなさいよお前達!!」
「いいえ! たしかに攻撃はスッキリします!」
「そこに乗るのあなた!?」
「当然です! いいですかあなたがた、覚悟するのですよ!」
「そうだそうだー! ってえっアタシも!?」
「ふたりともですよオラァ!!」
「グワーッ!!」
とりあえず今はメリザンドをパンチ! 理不尽だ! 理不尽ではない(クロノヴェーダだから)
「いやーアタシはいいよアタシは。安くしとくからお姉さん、ほらそっちにね」
「いえあなたもです」
「なんで!?」
荊も救済確定した。理不尽ではなかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
ぐああああーーッ!!!
ゆ、油断したつもりは無かったがこの俺が全身滅多切りにされるとは…
もはや虫の息だぜ…
だが俺には…俺には――勝算がある!(どちゃくそかっこいい処刑用BGM)
借りるぜエロフォンスお前の魂ッ!
これがわかるかメリザンド…そう、『自動人形本』だ。
んん??おやおやァ?
この表紙の人形は誰かに似てるなァ?誰だろうなァ!?(表紙とメリザンドを交互に見て気持ち悪い笑顔)
そしてその内容はこうだ!『(検閲)』!
さしものメリザンドとてこの朗読精神攻撃には耐えられまい!
最後に一つ良い事を教えてやる。
俺も球体関節はイケる口だ
そして!網タイツ黒バニーさんが大好きだ!!(捨て身タックル)
荻原・仁
メリザンドが泣いてるな。敵とはいえ女の子が泣いてる姿を見るには忍びない。
「あー、その、大丈夫か?」
エロフォンスの春画にダメージ食らってるだろうことは予測がつくが、冤罪で処刑されてしまおうとしてるのはやはり良くない。
「エロフォンスは悪くない。冤罪で処刑されるのは良くないことだ。」
メリザンドが反論してくるならこちらも対抗しよう。エロフォンスは私利私欲で春画を売り捌こうとしたりした訳じゃない。皆の為を思ってやったことに違いない。
あ、罪を認める方向に行ってるな。いかんな。
エロフォンスは悪くない。処刑される筋合いはないということを主張しよう。恥ずかしがってるメリザンドも、本当は好きなんだろ?と主張する。
空城・優人
アレンジ、共闘可
うるせええー!
どうせお前もエロのエの字を聞いただけできゃー、とかいやー、とか不潔ーとか言うんだろうが!というかそもそもお前が諸悪の根源じゃねえか!
いいさ!やってやらあ!
所詮クロノヴェーダだ!俺達はわかりあえねえ!ブッ倒してやる!
(それっぽいディアボロスの台詞)
おとこはおこだった
諸悪の根源メリザンドがひきおこした悪逆たる冤罪、圧政に対して義憤にかられた
決して変にエロフォンスに同情した矢先、某時先案内人とか村の女性たちに言われなき風評被害からの傷心、逆ギレからとかではない
ほんとうだよ
全ての怒り(逆ギレ)を脚に込めて高空からパラドクスで蹴りをかます
………電子書籍がねえ時代は不便だよな
逆叉・オルカ
アドリブ歓迎
…人間の急所に詳しい敵、ね
嫌な予感がするのは俺だけかな?
しかし、流石にメリザンドが可哀想だな。涙流しているじゃないか。
こんな異様な熱気の中で孤軍奮闘なんて俺でも嫌だ。
だからこれ以上、精神的に痛ぶるようなことはしなくてもいいと思ってるんだ。
ほら、涙拭けよ。
…まぁ、物理的には撃つけどな(音響弾を無慈悲に放つ男)
敵同士だから仕方ないね
敵を倒したらあっさり帰ろう
俺は春画は要らないしな
盛り上がってる男どもとは離れて歩こう
頑張ってるなー、青春だね
良いんじゃないか?自分に素直でいることは
もっとも
もし自分の娘や孫がこの荒ぶってる男達を婚約者ですって連れてきたら絶対に嫁にはやらんがな!
そんな立ち位置
●男の浪漫
「ぐあああーーッ!!」
『菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は重傷を負った』。んでどこぞの漫画みたいに空中高く飛ばされて落ちた。
「「「な、何ィーッ!?」」」
男達は……具体的に言うと荻原・仁(闇の中の光・g03118)、空城・優人(迅雷・g04393)、逆叉・オルカ(オルキヌスの語り部・g00294)は驚愕した。
桐梧とメリザンドの繰り広げていた、あまりにもシリアスなバトル(シリアスすぎてもはやここには書けない。とてもとても残念だ)の決着が、こんなことになろうとは!
「ゆ、油断したつもりはなかった……だがこの俺が、全身めった切りにされるとは……!」
桐梧は虫の息だ。だってプレイングにそう書いてあんだからそうなのである。絶体絶命だ!
「お前はこれまで戦った中で最強の戦士だったかもしれん」
完全にシリアスを取り戻したメリザンドは、敬意を払った声音で言った。
「しかし、まずは一人。これで終わりだ」
「くっ……!」
桐梧は砂を掴んだ。自慢の筋肉は切り刻まれ、もはや血に塗れていない場所はないほどだ。
すさまじいバトルがあったのだ。いやホントマジで。
「さあ、次は貴様らだ、罪人ども!」
「罪人だと?」
「俺達が……?」
オルカ、そして仁は顔を見合わせた。
「ちょっと待て。裁こうとしてたのはエロフォンスだろ! つまり俺らは一緒ってことか? ふざけんな!!」
仁、キレた! さすがにあのスケベ野郎と同列扱い(しかもクロノヴェーダに、である)は堪忍袋の緒が切れる!
「それはいくらなんでも俺だって反論するよ! 不名誉甚だしいよ!」
「黙れ黙れ! 貴様らに私の気持ちが……私の、気持ちがぁ……」
メリザンドはテンションぐっちゃぐちゃになり、またメソメソモードに入ってしまった。心が弱すぎる。
「ぐすっ、わ、私こそ悪くないのにぃ……!」
仁とオルカはまた顔を見合わせる。振り上げた拳の降ろす先を見失ってしまった。
「いや、まあ……その、大丈夫か?」
一度はエロ扱いにブチギレた仁だが、さすがに女の子が泣き出すのは忍びない。自分が泣かせてしまったようでもある。
「こんな異様な熱気の中で孤軍奮闘なんて、俺でも嫌だもんなあ……ほら、涙拭けよ」
「むしろそこで「これはこれで」とか言い出したら、さすがの俺でもオルカさんとの付き合い方を考えないといかん」
「まあうん……いや俺のことはいいんだ。別にメリザンド、俺らはあんたを精神的に甚振るつもりはないんだよ」
「え?」
メリザンドは顔を上げた。
「そうだ。俺達がここへ来たのは、あくまでアンタがエロフォンスを冤罪で処刑しようとしているからなんだぜ」
「じゃ、じゃああいつは悪くないとでも言うの!?」
「悪くな……悪くない! エロフォンスは悪くない!」
「今一瞬言い淀んだよね? 気持ちはわかるけどさ」
オルカは深い同意の頷きを見せた。
「エロフォンスは、私利私欲で春画を売りさばこうとしたりしたわけじゃない。みんなのためを思ってやったことに違いはないんだ」
「いや待った、それ罪を認める方向に行ってないか??」
オルカの指摘、あっヤバいという顔になる仁。
「やっぱり罪人じゃないの!」
「違う! というかメリザンド、実はアンタも本当は好きなんだろ? 春画」
「この流れでそう思う理由ある!!?」
メリザンド、キレた! 何回目ぐらいだろう(他人事)
「やっぱり貴様らも同じ罪人だ! このエロ! エーロ!!」
挙げ句に小学生みたいなこと言い始めた。精神が崩壊してる。
「……せえ」
「「「え?」」」
「うるせえェーッ!!」
「「「!?」」」
それまで俯いて押し黙っていた優人の突然の激昂に、メリザンドはもちろん仁とオルカもびっくりした!
「なにがエロだ、何が罪人だ! 何度も何度も俺のことをあざ笑いやがって!!」
「ど、どうした? 何か嫌なことあったのか?(むちゃくちゃキレてる優人を気遣う仁)」
「あー、もしかしてあれじゃないかな、出発前の……(察するオルカ)」
「どうせお前もエロのエの字を聞いただけで「きゃー!」とか「いやー!」とか「フケツー!」とか言うんだろうが!!」
「「ああ……」」
やっぱりそれか、と深く納得し、味わい深い顔になる仁とオルカ。
「待てよ……!」
ここでずっと立ち上がろうとしていた桐梧が、声を絞り出した。
「おい、無茶するな! こんなトンチキな状況と思えない怪我なんだぞ!」
「少なくともクロノヴェーダと4日ぐらいは戦えなさそうな傷なのに!」
そんな彼をも、仁とオルカは気遣う。だが桐梧は言った。
「俺は……そういう白眼視もそれはそれでアリだと思う!!!」
「「よし、こいつはほっとこう」」
そして秒で見放した。
「知らねえよ変態!! というかそもそもお前が諸悪の根源じゃねえかメリザンド!!」
「な、なんで!? 私はただ冤罪を着せて適当に選んだスケベ野郎を処刑しようとしただけだぞ!」
「それが問題だっつってんだよテメェ!!」
「しかもさりげなく冤罪だって認めたなこいつ!」
仁、またしてもキレた! テンションの乱高下が激しいから! オルカは呆れた。
とにかく、優人はおこだったのだ。
「俺は……俺は許せねえ。諸悪の根源、メリザンド! お前が引き起こしたこの悪逆! その圧政が、許せねえんだ!!」
優人はメリザンドを指差した。
「なあ、そうだろう? あんたもそう思うだろ! クロノヴェーダとはわかりあえねえって!」
「……ま、まあそうだな。でもなんでそんな妙に勢いで言い切ろうとするんだ?」
急に同意を求められた仁は、優人の怒りっぷりを訝しんだ。
ディアボロスの原動力は怒りにこそある。しかし何かおかしいような……。
「あんたはどうなんだ!? 俺と同じ思いだろ! クロノヴェーダはブッ倒すしかねえんだ!!」
「うん、そこは別に否定しないんだけどさ……あの、もしかしてなんだけど」
オルカは恐る恐る言った。
「……実は逆ギレしてない?」
「してない!!!」
してた。
エロフォンスに同情した矢先、どこぞの時先案内人にジト目で睨まれたり、村の女性に風評被害されたりでキレてた。
ほんとうだよ、ってプレイングに書いてあるけどその直後に(逆ギレ)って書いちゃってるもん!
「おいおい、俺を仲間はずれにするなよ……!」
桐梧は血を吐きつつ立ち上がる。
「アンタまだ寝言吐く力があったのか」
「絶対ろくでもないことまた言う流れじゃんこれ」
「違う! 俺も、同じ怒りを抱えているんだ!!」
「えっマジで言ってんの?(ドン引きで一瞬怒りが消える優人)」
桐梧は拳を握りしめた。
「そして……そしてこの怒りこそが! 俺の、いや、俺達の勝算なんだ!!」
「「「一緒にしないでくれ!」」」
「さあ、ともに戦おうぜ。俺達の力と、そしてエロフォンスの魂を、奴に叩きつけるんだ!」
「「「こいつ話聞いてねえ!!」」」
物理的ダメージを限界まで受けた桐梧は無敵だった。
もう完全にゴリ押しだが、桐梧が立ち上がった瞬間から、ドチャクソかっこいい処刑用BGMが流れ始めた。
でもね、【勝利の凱歌】ないし、別に桐梧のパラドクスは音楽発生させないんだよね。
なので各自、お手元の再生機器でなんかいい感じのBGM流してもらえますか? じゃあ進めますね。
「これがわかるかメリザンド……!」
「そ、それは!?」
メリザンドは愕然とした。桐梧が突き出したものは!
「え、エロ本だ!(驚愕する仁)」
「しかも自動人形モノの!(中身が気になる優人)」
「もはや春画ですらない……(呆れるオルカ)」
桐梧はにやりと笑う。
「んん? おやおやァ? この表紙の人形、誰かに似てるなァ?」
「や、やめろ」
「誰だろうなァ!?」
「やめろーッ!!」
そう、にやりと笑った。気持ち悪い笑顔で。にやりっつーかニチャア……って。
メリザンドは泣きそうだ。仁もオルカも優人も、心の底からヒいていた。
「そしてその内容を、音読してやるぜ……!」
「いやもうやめてやれよ!?」
さすがに止めに入る仁!
「うるさい! 俺は球体関節モノも行けるんだ!!」
「性癖開陳されても知らないよ!? 精神的に甚振るのもういいだろ! というわけで音響弾ズドン」
「グワーッ!?」
メリザンドを普通に撃つオルカ! 戦闘なんだから当然だぜ!
「もう、もうたくさんだ! もう懲り懲りだ! 戦いは何も生まねえ! そしてそれはそれとしてお前はブッ殺す!!」
嫌気が差した優人、高く高く跳躍! 必殺の構えだ!
「あ、うんそうだな。終わらせればもうツッコミ要らないなこれ」
真理に気付いた仁も、復讐の刃で武器を生成する!
「そうだ、俺達の怒りをひとつにするんだ! そして最後に、聞いてくれ!」
「「「まだそのノリ続けるのかよこいつ!」」」
「俺は……俺は、網タイツ黒バニーさんが大好きだぁあああ!!」
「「「だから知らねえよ!!」」」
「グワーッ!?」
桐梧、重傷の身で突貫! 捨て身のタックルでメリザンドに隙を生む!
「よしもう終わらせよう秒で終わらせよう。メリザンド、お前の隠れ趣味だけは忘れないぜ」
「だから私を変態にするな!?」
「うおおお死ねーッ!!」
「もう楽になっちまえよ……!」
復讐の刃、超音波攻撃、そして雷を纏った優人の蹴撃!
それらを受け、メリザンドは後ずさり……!
「た、大陸軍に、栄光あれーッ!」
爆発四散した。爆発を背景に、カッコよくキメる3人!
桐梧? 桐梧は爆発に巻き込まれた。誰も心配してなかった。
そして、風が吹く。
「……電子書籍がねえ時代は、不便だよな」
「なんだかんだ、青春だね。あそこの盛り上がってる男どもには近づかないけどね」
遠くを見て呟く優人に、オルカは言う。
「オルカさん、その程度で済ますのは優しいな」
「いいじゃないか。自分に素直でいることは」
仁にオルカは微笑む。
「まあ、もし俺の娘や孫がこいつら婚約者ですとか言ってきたら、絶対拒否するけどな――」
3人は空を見上げた。
「お、おい、誰か、俺をトレインまで連れてってくれ……!」
空に、桐梧の爽やかな顔が浮かぶ。
「誰か……!」
さらば、勇ましき変態。春画とともに、永遠に――。
「誰かーッ!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】がLV2になった!
【操作会得】がLV2になった!
【落下耐性】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV8になった!