リプレイ
宇佐美・アリス
アドリブOK
他の人達とも協力して進めるわよ
アメリカでグラビア雑誌の表紙でしょ?
バニーガールでいきましょうよ
この時期の労働者は男性社会
年代はもっと後らしいけど、アメリカのグラビア雑誌発祥だってことは、こっちの人も好きなんでしょ?
それに日本のアニメやゲームのグッズでも定番だし、需要はあると思うのよね〜
結婚前にやってた即売会とかでのコスプレの経験も活かせるし、普段の装備とあんまり変わらないから慣れたものよ
と言うか、つけ耳みたいな角のせいで風止まりだけど、まぁ、オリジナル発生前だから、細かい事は気にしない
基本的な黒のバニースーツに、燕尾服のあるなしとかでバリエーションを作っていくわ
撮影会の経験や実際のグラビアを参考に、セクシーな方向でポーズを作っていきましょう
露骨なエロ方向は趣味ではないので、健康的な大人の色気で攻めるわよ
バーとかカジノぽい大人な場所で撮影して、華楠さんとは、差別化を図っていくわよ
アングルとか気をつけて、身長の低さはカバーしてくわよ

音羽・華楠
今回も、雑誌の為のグラビア撮影、頑張りますよ!
……回数を重ねて段々と慣れてきた自分に若干の悲哀を覚えつつ――
私の今回のグラビアのテーマは『芸者』です!
衣装もそれに合わせた華やかな着物を用意しましょう。
和傘とかの小物もあると良いかもしれません。
撮影は、前半は日本の古都風の街並みの中で。
優雅に、可憐に立ち振る舞う姿を撮って頂きたく。
……後半は、褥で着物をはだけた妖艶な姿を。
流石に局部は晒さないように気を遣いますが、かなりぎりぎりを攻めますよ。
……やはり、読者は成人男性が多いでしょうからね……。
その心を掴むには、それなりに大胆に攻める必要があると感じます。
……なお、芸者を選んだ理由ですが――
たとえ、日本という国を知らなくても。
和服という衣類を知らなくても。
芸者という文化を存じなくても!
――アメリカ人男性なら、遺伝子以上の魂の領域でジャパニーズ・ゲイシャガールが大好きなはずですから!!
(↑偏見です)
まぁ、何にせよ。
『目新しさ』という意味ではアンカレジの労働者たちの興味を引けるかと思います。
黄下・泉
アドリブ・連携は歓迎
雑誌作成かー。同人誌扱いはちょっと笑うけど面白そうだよな。
グラビア。まあこの時代ならそっか。イラストより直球の写真。
……え、参加するならあたしもやった方がいい?マジで?
まずはチャイナドレス。スリットが超深いヤツ。
西部劇風の女性ガンマン。デニムのホットパンツにしたり、シャツを胸の下で結んでお腹出したり。
刺激が足りない?もう一声?
華楠やアリスと一緒に撮影してもいいけど……「着替え中」っぽいのはどうかな?
ビキニの水着は着るけどこの時代なら下着と大差ない認識だろうしさ。
カーテンみたいな目隠し布で胸から下隠しつつ、逆光で裸っぽいシルエット映すのもありか。その形だとシャワーシーンも行けるか?
将来的にプロパガンダやるならグラビア一本じゃなくてそれなりの記事も乗せないとな。
その方面で強いのはゴシップ誌か?ネタに合わせた衣装のグラビア付きで。
ネタ集めるのが大変そうなんだよな。初回はゴシップ無しで、二回目からのネタはギャングから買うとかありかな?
グルメ誌、ファッション誌もありだけど。
薬袋・明莉
アドリブ絡み歓迎
ほう、グラビアか。芸能事務所所属のアーティストの本領発揮、といったところだな
(女性陣からそっと目をそらしつつ)セクシー可愛い系は充分みたいだし、俺は別方向から攻めるぞ
テーマは『ダーティ・メカニック・ワイルド』
デニムやワークブーツ等のワーキングウェアファッションのグラビアを撮って貰おう
ロケ地やライティングなんかも工夫して、ヘアスタイルもオールバックでかっちり決めて
勿論お洒落アイテム懐中時計や煙草、オイルライターも忘れずに
機械化部位の武骨な格好よさを活かして全力でカッコつけ
漢のロマンを全面に押し出して購買意欲を刺激してくぜ
昔も今も、男って奴ァいくつになってもこういうのが好きなんだ。(断言)
●
それでは、最終人類史での撮影からスタートと参りましょう。
打ち合わせで集まった新宿島の喫茶店で、ストローを咥えた黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)が、椅子に座ったまま斜めに飛び退いた。
「えっ、あたしもやんの!?」
若干引き気味の彼女に、薬袋・明莉(情熱のアーティスト・g02002)が頷く。
「そりゃそうだ、せっかく集まったんだし」
「マジで?」
そびえ立つエベレストのように生クリームたっぷりのパフェを頬張りながら、宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)が楽しそうに続く。
「アメリカでグラビア雑誌の表紙でしょ? だったらバニーガールでいきましょうよ」
それを聞いた音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)が、動揺してクッキーを床に落としそうになる。
「ハ、ハードル高くないですか!?」
「この時期の労働者は男性社会よ? 年代はもっと後らしいけど、史実のアメリカがグラビア雑誌発祥だってことは、『こっち』の人も好きなんでしょ?」
『こっち』とは、無論これから行く過去の世界の話だ。
「まあ、えっちすぎるのはよくないと思います。ので、セクシー路線がいいんじゃないかしら」
「だよね……水着はいいけど、あたしもちょっとバニーは照れる」
布の面積というより、付加価値がそうさせるのだろう。泉も照れ笑いをして華楠に賛同する。
「あたしはギリギリ……チャイナドレスあたりでいこうかな。華楠どうする?」
「はい、実はもう決めてあるんです! 今回のグラビアのテーマは『芸者』にしようかと!」
「おおっ、異国文化攻め! いいね!」
1人『今回の?』と思った明莉であったが、そこには敢えてツッコミを入れず。
「明莉さんは? 私と一緒にバニーやらない?」
「むりだろ!?」
「できそうよ?」
「俺ももう決めてある」
「ナニナニ?」
身を乗り出す泉にニヤリと微笑み。
「セクシーとカワイイはもうあるんだ。俺は別方向から攻める」
「どっち方向?」
「まあお楽しみってことで」
華楠が聞いた。
「でも、みなさんバラバラですね? 撮影どうしましょう……」
「それは俺に任せてくれ。芸能事務所のコネを使って、いいところ確保するよ」
頼もしい人材が揃ったところで、打ち合わせが終了。
いよいよ撮影本番となった。
移動してきたのは最終人類史の京都。
明莉が案内してきたのは有名撮影所だ。
隣には時代劇のセットが大々的に作られている。
「きゃー、すごいですー!」
思わずはしゃいだ華楠が着物の裾を翻す。
カメラを構えた明莉がパシャリとシャッターを切った。
「じゃあどんどんいこうー。他の2人は向こうで着替えて用意しててくれ」
「りょうかーい」
アリスと泉が個室に向かうと、明莉は華楠をフレームに収め始めた。
華楠は雰囲気に心が躍り、凜と白塗りした首筋を伸ばす。
それから2人と合流し、撮影所内部へと向かう。
大きな倉庫の中に、いつくかパテで区切られた部屋があり、そこに該当のセットが組まれていた。
「こんな風になってたのねー」
アリスのセットは、真っ白な部屋で何もない。
「アリスのセット、まだ組まれてないみたい?」
泉の疑問に、アリスはウインクして見せる。
「いいのよこれで」
羽織っていたコートを脱ぎ捨てると、黒のバニースーツのお披露目である。
燕尾服の黒と背後の白がコントラストを見せ、堂々たるサキュバスの威厳を浮き上がらせた。
明莉がシャッターを切っていくと、その白い壁が柔らかく落とされ、バーのセットが現われる。
カウンターチェアに浅く腰掛け、大人らしい雰囲気を演出した。
泉が苦笑いをしている。
「ひー、サキュバスのお色気の後はプレッシャーかかるなあ」
スリットの深いチャイナドレスの足元をクロスして、まず1枚。
背景が変わり、西部劇の町並みへ。
女性ガンマンの彼女を見て、アリスのダメ出しが入る。
「もう一声」
「えっ」
シャッターを切る度に布面積が狭くなっていき、ホットパンツに腹出しシャツが最終形態となった。
「ちょっと待って、まだ水着がこの下に……」
背景が柔らかく落とされ、それが彼女を覆い隠す。
「わわわ」
スポットライトが立体を照らし、影となったボディラインがそこに露出する。
「いいじゃなーい! セクシーよ、着替え中っぽい」
「男性好きそうです」
一息ついた泉が汗だくで隣のセットに視線を送る。
そこにはお布団セット一式が。
「まさかと思うけど、これ、華楠の……?」
「えへへ……はい」
「ギリギリね」
アリスにすら言われている。
「……やはり、読者は成人男性が多いでしょうからね……。その心を掴むには、それなりに大胆に攻める必要があると感じまして!」
おお、と一同がその意気込みを受け取った。
カメラマンに徹していた明莉が口を開く。
「でもさ、芸者さんって、芸を売るのが仕事で、娼婦じゃないって……」
「分かってまあす!!」
カッと目を見開いた華楠に見つめられ。
「たとえ、日本という国を知らなくても」
知らずとも。
「和服という衣類を知らなくても」
知らずとも。
「芸者という文化を存じなくても!」
知らずとも?
「アメリカ人男性なら、一度は噂で聞いたことのある『ジャパニーズ・ゲイシャガール(空想上の産物)』が、遺伝子以上の魂の領域で大好きなはずですから!!」
「偏見じゃん!!」
全員にツッコまれ、布団の上に投げ出される華楠が、際どいショットを生んだ。
スシ・テンプラ・その後に続くのが架空のソレだ。あくまでも空想上の産物なので、誤解なきよう。
女子3名の撮影が終わり、明莉が1人、じっと見つめられる。
「……明莉のセットは?」
「まさか……カメラマンだけで終わりませんよね?」
「フッ……」
明莉はアリスの手に、そっと一眼レフを乗せた。
その瞬間、撮影所の電源が落ち、倉庫の中は真っ暗闇に包まれる。
「きゃっ……」
「な、なに!? どしたの!?」
次に光が周囲を開いた時、目の前にセットが置かれていた。
ドン!
乱雑に物が散乱した狭く寂れた車庫!
ドドン!
ボンネットから露出した脂まみれのエンジン!
バァァン!
どこから盗んだか分からないカラフルな英語標識の数々!
その中央に、オールバックでかっちり固めたヘアスタイルの明莉が、斜めに咥えた煙草に、オイルライターで火をつけて……。
一息吹いてから……。
デニムの胸ポケットから……懐中時計を……。
ワークブーツが床の小石を踏んで……ジャリと……音を……。
「ストップ! ストーップ!!」
女性陣が延々と続きそうな流れをそこで止めた。
「これ載っけるの!?」
「確かに別方向ですが……」
明莉がチチチと指を立てて首を振る。
彼を照らすスポットライトが、その範囲をセピアに染める。
「昔も今も、男って奴ァいくつになってもこういうのが好きなんだ」
「言い切った……」
こうして漢のロマンも加わり、セクシー有、間違えた異国文化もプラスされ、確かに面白そうな1冊が仕上がった。
ではさっそく売り込みに、過去へと参りましょう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV2が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV3が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

音羽・華楠
今回のグラビア撮影は、いつも以上に凄かった気がします……。
その分、雑誌も良いものが出来ました!
これをしっかりと売る為にも、地元ギャングとの交渉も頑張りますよ。
末端の構成員よりも、地元ギャングの中で確たる立場にある人物と話した方が早いでしょう。
若頭だという紫の柄物開襟シャツの男性を交渉相手とします。
裏マーケットで探せば接触出来るでしょうか?
【友達催眠】で旧知の間柄のように認識させつつ、完成した雑誌の現物を見せて交渉を。
売れる雑誌が出来た手応えはあります。
実際に見せれば、向こうも食い付いてくるかと。
その上で極秘情報と称し、他のギャングも雑誌販売を手掛け、大儲けしてると伝えます。
……嘘ではないですし。
そちらも私たちが関わってるだけで!
そして、遅れを取るわけにはいかないでしょうと、契約を促します。
買い付けでは、儲かってない貴金属屋で爆買いを。
……実は、この時代の本来の技術では作れない品とか、雑ざってませんかね?
合成宝石とか。
あ、グラビアと同一人物と気付かれないよう、男装・変装しておきます。
宇佐美・アリス
アドリブOK
他の人とも協力して、齟齬が出ないように話を進めていきましょう
撮った本人が売り込むって、本当に同人誌みたいね
売り先がギャングでも、ちょっとわくわくしてきたわ
若頭に接触で問題ないと思うわよ
私は男装しても、背が低いし子供扱いされそうなので、メガネを掛けて、スーツを着て出来る女秘書風の出で立ちで参加するわ
サンプルを見てもらって、決めてもらいましょう
創刊お試しって事で、年齢も衣装も幅広くなってるけど、次号からはそちらの意向も反映出来ますよ?
お店の広告載せるとか、グラビアに商品写すとか、若頭の商才次第ですよ
商談成立後は、露店でお買い物ね
貴金属の価値は置いといて、金とか銅とか現代に持って帰れば再利用出来ないかしら?
兎も角、見てもよく分からないし、持ち帰って調べてもらいましょう
素材を店主に聞きつつ、よく分かってなさそうな素材の物、純金と思ってる物、を優先で買ってみましょうか?
他の所の例もあるし、何が混ざってるか分からないわよね
黄下・泉
アドリブとか諸々OK
齟齬出てもアレだし、事前に軽く打ち合わせ。
若頭に凸でいいよ。相手は小規模ギャングだし。
敢えて【友達催眠】オフでチャイナで行こう。
悪い商談じゃないと思うよ。
安直って言えば安直だけど、こういうの売れるよね?
ネタ買い取ってゴシップ記事に、とか行けそうかは新宿島の有識者に聞いとこう。行けそうなら切り出す。
こっちは作る伝手はあるけど売り捌く伝手が今の所ね。
ただ、気に喰わないなら「ここは」諦めるしかないけど(他所に持ち込むかもと匂わせ)
ところでさ、コラボグッズとか興味ない?
毎号、モデルが着けてるのと同じ形のとか、モデルをイメージさせるアクセを期間か個数限定して売るんだ。
で、例えば1年分コンプしたら特別なブロマイドとか、グラビアのリクエスト権(抽選)とかプレゼントしたり。
なんだったらそっちから地金買い取って、程々の値で完成品卸してもいいけど。
特にこの辺(明莉の)は面倒でしょ?
露店では商品の出来とか見ながらなるべく多種類買う。
実は加工技術(加工道具や設備含めて)が高度だったりしない?
●
土地柄、まだ雪が残るアンカレジ。
ヒュッと通り抜けた風にぶるっと身体を震わせた宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)は、タイトなスカートから伸びる2本の足を内股にすり寄せた。
「3月なのに結構寒いのねえ」
足元は薄手のストッキングだが、スーツにして良かったと思いつつ、細淵のメガネを軽く持ち上げる。
「お待たせ!」
ハリのある声が寒さを吹き飛ばすようにやってくる。黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)だ。
光沢のあるシルクでできた金色のチャイナドレスが目に眩しい。
「あら? 撮影と同じ衣装?」
「モデル本人が売り込むのもアリかなとか思って」
「確かに、目の前に『現物』があるのは大きいかも」
「華楠は?」
「まだみたい」
「い、います~……!」
背後から音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)の声がして、2人は振り返る。
山高帽にサングラスとカイゼルヒゲで、灰色のストライプを着た小柄な紳士が、少し遠くの街灯からチラチラとこちらを窺っていた。
「男装!?」
「あんなあられもない格好をして……グラビアと同一人物だと分かったら、じろじろいやらしい目で見られるんじゃないかと思って……」
「なるほど、こっちは逆の理由なのね」
任務に全力投球すると、モノによって反動が大きいのも玉に瑕だ。
そんな半泣きではじらう華楠の前に、アリスが数冊のグラビア雑誌を持ち上げて見せる。
「じゃ~ん」
「あっ! 見本誌ね、見たい見たい~!」
手に取ろうとした泉より素早く、華楠がアリスの持っていた雑誌をかっさらっていく。
「だめええ~!」
ほぼ『ギ』に近いキャアを当てられ、アリスと泉は耳を覆う。
「そんなこと言っても、これからこれを売り込みに行くのよ?」
「う……うう……ぶっつけ本番でお願いします……」
刷り終えた見本誌を始めて開くドキドキ感は、オタクなら……否! 物作りをしたことがあれば分かるだろう。
自分がモデルのグラビアなので、余計に開く勇気が必要なのは確かだが。
さっそく雑誌を手に、裏マーケットに入る。
アンカレジの地元ギャングは目星をつけてある。
相手は紫の柄物開襟シャツを着ているのだ、ハデで目を引くに違いない。
予想通り、みかじめ料を徴収して歩いている分かりやすい男性を発見した。
「い、いましたっ、どうしましょう」
華楠の前にアリスが出た。
「まかせて」
ヒールがカツカツと床を鳴らし、その音で紫の柄物開襟シャツを着た若頭が振り返る。
「あなたと取引したいとおっしゃってる方が」
アリスが視線で華楠の方を促すと、若頭はその視線を追った。
「……彼は?」
「芸能関係者、とだけ申し上げておきましょう」
華楠は慌てて、精一杯の偉そうな態度を取ってみせる。
アリスが持ってきた見本誌を若頭の前に提示した。表紙は見て分かりやすく、ボディラインがくっきりしたバニーガール。
「へえ、グラビアか」
興味を持ったらしい。彼はそれを手に取って、中を開く。
「こんな町だ、男どもは女っけがなくて鬱憤がたまってるからな、紙でもマシっちゃマシなんだろうが」
めくったページに指を置いたのは、泉だ。
若頭と目が合う。
「悪い商談じゃないと思うよ。安直って言えば安直だけど、こういうの売れるよね?」
着替え中のモデルがそこにいるのに気づいた若頭は、口元を緩めた。
「お姉ちゃんコミの雑誌かい?」
「さすがに人間は足がつくでしょ」
泉の後に、アリスがすかさず付け加える。
「今回は年齢も衣装も幅広く扱ってますが、次号からはそちらの意向も反映出来ます」
「例えば?」
「お店の広告を載せるとか、グラビアに商品を写すとか、若頭の商才次第で、何とでも」
泉も加わる。
「ネタを買い取ってゴシップ記事に、とかもね。こっちは作る伝手はあるけど、売り捌く伝手が今の所ないのよ。気に喰わないなら『ここは』諦めるしかないけど」
「いや待て」
他に持って行かれるのも困るのだろう。若頭は話を止めて華楠に聞いた。
「どうしてウチに持ってきた?」
「……極秘情報を仕入れてるのは、ウチだけじゃない。他のギャングも雑誌販売を手掛け、大儲けしているのを知らないのか?」
「なに?」
「後れを取るわけにはいかないでしょうな」
力のある勢力が拡大してきて、みかじめが減っているのは確かだ。
ここで【友達催眠】が大きく効果を見せた。
「ああ……ありがたいな、どこを差し置いてもまず先にウチに持ってきてくれるなんて。今すぐ契約するぜ」
(「やった!」)
と、3人が心の内でガッツポーズを決めているのに付け加え、泉がもう一押しをかける。
「ところでさ、コラボグッズとか興味ない?」
「なんだそりゃ」
「毎号、モデルが着けてるのと同じ形のとか、モデルをイメージさせるアクセを期間か個数限定して売るんだ。で、例えば1年分コンプしたら特別なブロマイドとか、グラビアのリクエスト権(抽選)とかプレゼントしたり。なんだったらそっちから地金買い取って、程々の値で完成品卸してもいいけど」
「ほお、手間はかかるが、おもしろい話だな? ウチのシマにその辺り詳しい奴がいるから、そっちに回してやれるか。あいつらにも一儲けさせてやんないと、こっちの流れが悪くなる」
そう紹介されてやって来たのは、儲かっていない貴金属屋だ。
客の顔を見た店主が明るく出迎えた。
「いらっしゃいませ! どんなものをお探しでしょうか?」
店内をぐるりと見回すと、ちらほら目につく、怪しいものが……。
華楠が顔を近づけてそれを見ていると、店主が横滑りで寄ってきた。
「お目が高い! これは有名な工芸職人が加工したネックレスですよ!」
(「細部の技術力が高すぎる……」)
泉もそれに気が付いており、店主がにじり寄ってきた時に聞いた。
「ずいぶん手の込んだ装飾だね、どこで作らせてるの?」
「ん? あー……ウチのお抱え職人ですよ。仕事は確かでしょう?」
(「この時代のレベルに落としてるみたいだけど、あたしたちの目は誤魔化せないわよ」)
アリスが何個か手に取って、重さを確認している。
(「貴金属の価値は見てもよく分からないし、持ち帰って調べてもらいましょう」)
店主が揉み手で笑顔を振りまいてきた。
「で? 何かお気に召すものはありましたでしょうか」
言うや目の前に高額商品がぽいぽい積まれていく。
そしてドン、ドン、ドンと3人から差し出された札束を目にするや、店主は歓喜の悲鳴を張り上げた。
「お買い上げ、ありがとうございます女神さまぁああああ!!!」
偽札とも知らずに、哀れなことだ。
3人の女神は顔を見合わせて、悪戯に微笑みあうのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV3になった!
【水中適応】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV5になった!
路地に長く影が伸び、6体のシルエットが浮かび上がる。
シルクハットを被った影から、チラつく炎が不気味な笑みを映し出す。
「おやおや、困りますね。何やら派手なことをしていらっしゃるようで」
杖かと思ったそれは、大きな斧。
床を突いた金属音が響くと、白いスーツの5体がこちらに向かってきた。

三間・勲
(トレインチケット)
廿楽・歌舞伎
(トレインチケット)
●
トループス級『FRBエージェント』は5体。
白いスーツでこちらに歩み寄ってはきたが、うつむき加減に山高帽でコインの顔を隠していた。
貴金属屋の前、ドアごと破壊すべく伸ばした手を2つの影に遮られ、彼らは飛び退いて距離をとる。
「お待ちなさい!」
三間・勲(漁火・g10186)と廿楽・歌舞伎(舞えぬ楽師・g04895)が、年若い瞳を敵に向けた。
「そなたらの悪巧みなど、先刻承知です」
2人は背あわせに構え、相手の出方を様子見る。
FRBエージェントは彼らを見るなり山高帽を脱いで胸につけ、深く深くコインの頭を下げた。
「申し訳ありませんお客様……当店の従業員が何か粗相をしたようで」
「え……?」
不意打ちとも言える腰の低さは、逆に不気味さすら感じてしまう。
「あちらの者は担当からはずさせていただきます。お詫びに、こちらの者が」
「よろしくお願いします」
「ただいまから戦闘態勢に入らせていただきますが、ご希望がございましたらお申し付けください」
勲と歌舞伎はやりにくそうにお互い顔を見合わせ、もう一度構えを直す。
「と、とっととかかってきなさい!」
「さようでございますか……それでは」
キラリとコインヘッドが光った瞬間、複数の山高帽が宙を舞う。
勲は間合いを縮め、隙間を縫って軍刀を一振り。火刑聖葬が聖なる炎が吹き上がり、渦を巻いて周囲に広がった。
「あー、お客様困ります、当店は火気厳禁とさせていただいております」
FRBエージェントが両手で煽れば、コーサノストラ紙幣が竜巻となって勲を襲ってきた。
「くっ!」
お互いがせめぎ合い、服が風に切り刻まれていく最中、歌舞伎が追撃に入る。
「レン!!」
その一声に管から細長い狐がするりと抜け落ち、歌舞伎の前へ現われ出た。
「管狐影縛法! 影を縫っておやりなさい!」
即座に応えて狐の尻尾が振られると、勲に斬りかかってこようとしていたFRBエージェントがその場で動きを止める。
「あー、お客様困ります、お客様困ります……」
双方の嵐が抜けた先、どさりと倒れたのはFRBエージェントが2体。
レンが威嚇し、駆け寄ろうとする歌舞伎を制した勲が構え直す。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
黄下・泉
アドリブ・連携は歓迎
あれーぇ?
別段悪いことをしてるつもりはないけどなぁ。
この辺のが稼ぐようになったっても、どうせ巡り巡ってそっちも潤うでしょ?
もしかしてアレかな、いい感じのシノギを他所が始めたから事業ごと奪っちゃえってヤツ?
見え見えでもいいから惚けながら、念のために周囲に視線を投げて巻き込まれそうな一般人がいないか確認。
ま、どっちにしろ握手して「それじゃ」で終わる訳は無いよな。
降りかかった火の粉だ、遠慮なく払わせてもらうよ。
全身の符で自身を強化しつつ、周囲の空気や散らかった物、壁や地面から結界爆弾を創り出して攻撃しよう。
突出して来そうな奴をメインに、出鼻を挫くように。
反撃に対しては紙幣を分解したり爆破したりして隙間を作って、捉えられ切る前に脱出かな。
にしても、派手に金をバラ撒くこと。それどっかから呼び寄せてるの?
それとも「俺が歩く造幣局だ」ってノリ?
ドアの向こうで戦闘が始まったのに気づいた黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)は、咄嗟に外に飛び出した。
「困ります困ります騒々しいから、何のことかと思ったら……」
FRBエージェントが彼女に視線を移す。
その後ろにシルクハットを被ったアヴァタール級が見える。大人しく立って様子を見ているが、その威圧感は計り知れず不気味だ。
FRBエージェントが泉の視線を遮った。
「お客様、割り込みは困ります」
「あれーぇ? 別段悪いことをしてるつもりはないけどなぁ」
軽いノリで顔を背け、周囲に目をやりながら綴る。
「この辺の店が稼ぐようになっても、どうせ巡り巡ってそっちも潤うでしょ? もしかしてアレかな、いい感じのシノギを他所が始めたから事業ごと奪っちゃえってヤツ?」
裏マーケット周辺は人通りが多い。何事だと人が寄ってきている。
(「ちょっとお~、一般人の野次馬多すぎ!」)
FRBエージェントは残り3体。内2体は手負い。1発で仕留められればそこまで被害は広がらずに済むだろう。
(「一般人が一番巻き込まれにくい方法……」)
泉は人差し指と中指に挟んだ呪符を取り出し、くるりと印を結ぶと早口で呪文を唱えた。
グンと身体が揺れ、全身の筋肉が強化されたのが合図、即座にその手を周囲に広げる。
ボボボと鈍い音がして、目につく範囲にある障害物に結界爆弾が張り付いた。
「あー、お客様困ります、爆発物の持ち込みは禁止されて……」
「界水則止――止め、満たす!」
爆破されたそれはFRBエージェントに飛び散り、そしてFRBエージェントについた爆弾も彼らの身体を粉々に砕いた。
封爆術式<暴河紅竜・銭塘君>、水の結界はその場で勢いを留め、周囲に広がることなく見物人達の目の前で見えなくなる。
その一瞬の出来事に唖然とした人々を残し、ディアボロスたちは背後で待つアヴァタール級に視線を移す。
ジェントルマサカーは手を叩き、背を伸ばした。
「素晴らしい対応です」
更に一般人が集まり始めた。マーケットは人が多すぎて、この場で闘っては確実に被害が出てしまうだろう。
「客人が多くなってしまいました。私としては、全ての人をもてなすことは不可能なので、やむを得ない状況となってしまうのは不本意なのですが……そうですね、そちら次第ということで如何でしょう」
紳士的にも程がある。
さあ、どうこの場を切り抜けよう?
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】がLV3になった!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!
宇佐美・アリス
アドリブOK
他の人とも積極的に連携してくわよ
雑誌より先にお披露目とはね
装備はステ参照(要はバニーぽい)
一般人が集まり過ぎてるわね
もう少し、広い所に移らない?
お互い、大事なお客様でしょ?
と、ジェントルに提案
併せて【友人催眠】を使いつつ、一般人人には離れて貰うようにお願い
周りの人達は未来のお客様かもしれない、雑誌の売上に繋がるかもしれないので、ウィンクとかで、ちょっと可愛くアピールも忘れずに
兎行進曲使用!
周囲に兎ポイものを召喚
それらに隠れながら、残像も混ぜて撹乱しつつ、一撃離脱を重ねて行くわよ
味方の攻撃の隙を埋めたり、敵の隙を逃さぬよう、うまく連携に絡めて行きたいわね
次回があったら、今度は白で行こうかしら?
敵の攻撃は、念動隔壁のピーター君、概念障壁、シールドの3枚で威力を削いだ上で、剣で防御していくわよ
あらあら、口調の割に荒々しいのね
●
消えた水蒸気が霧となり風に流れて糸を引く。
店の奥にいて少し出遅れた宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)が、ドアを開けて真正面で構える泉の後ろ姿を目に入れた。
その向こうにはアヴァタール級であるジェントルマサカーがいて、取り囲むように一般人の野次馬が遠目からこちらの様子を覗いている。
(「一般人が集まり過ぎてるわね……」)
彼女に気づいたジェントルマサカーが少し顔を傾けた。
「お美しいお嬢様、お初にお目に掛かります。私はジェントルマサカー、紳士の中の紳士。あなたをエスコートさせていただきます」
長い手が優雅に半円を画き、ボウ・アンド・スクレープが見栄え良くまとまる。
アリスはその雰囲気を軽く笑い飛ばしながら、それを利用した。
「もう少し、広い所に移らない? お互い、大事なお客様でしょ?」
その提案は紳士のお気に召したようで、上弦の月のような口角を更に吊り上げる。
「淑女の申し出、お受けいたしましょう。この先を行くと、最期の舞台にふさわしいステージがある。そちらでお待ちしております」
ジェントルマサカーがマントを翻すと、ヒラリと空からサーカスのチラシが舞い降りた。
敵が道を歩けば人混みが別れていく。アリスを含め、先にいた者は急いで一般人の避難に入った。
アリスはバニースーツによく似たアーマーを着ていたので、友達催眠に乗せてそれを活用する。
「サーカスの練習のため、一般人のお客様はここより先、立ち入り禁止とさせていただきます」
不服を言いたくなった人々は、彼女の声を聞いた途端に納得してしまう。
「なお、雑誌に掲載されますグラビアで、私どもモデルがアクロバットを楽しんでおりますので、そちらの方もぜひ楽しみに……ネ!」
雑誌の売り上げに繋がるかもしれないと、その機転も忘れない。可愛らしく彼女がウィンク1つ飛ばせば、勝手にアクロバットポーズを考えた男性諸君が大盛り上がり。
拍手で見送られて愛想を振りまいた後は、広い土地に建ててあるサーカスの大テントの中へ姿を消した。
「さあ、行くわよ」
布を閉じた瞬間、キュッと顔つきが変わる。
円の中心で待つジェントルマサカーに全てを集中し、両手を後ろに広げてから、クロスしてパラドクスを発動する。
「サーカスなら、おあつらえ向きよね!」
ポポポポと軽い音と共に兎の群れが召喚され、彼女の姿を埋め尽くす。崩れて走り出す脱兎達を見て、ジェントルマサカーは身構えた。
「おっと、これは楽しそうだ」
彼の巨大斧が間合いから飛び込むアリスに向いたが、彼女は髪1本犠牲にしてその隙間を突いた。
ジェントルマサカーが反撃したが、白い煙と共に現われた兎(彼女がピーターと呼んでいるらしい1匹)が3枚の巨大カードでそれを防いで、お互い弾き飛ばされて距離が開く。
ジェントルマサカーが斧の重力で体制を整えた。
「何と美しい、さながらダンスのようなショーです」
アリスはヒールを立てて豊満なボディを上へ引き上げる。
「さあ、次はどうするの?」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
音羽・華楠
……まさかここまで出遅れるとは……!
トループス級を片付けてくれた皆さん、そして一般人を巻き込まないように対応してくれた宇佐美さんには最大級の感謝を。
救援機動力で駆け付け、即、私もアヴァタール級との戦闘に入ります。
……ショーのような戦闘がお好みなら、私もそれに倣いましょう。
まぁ、私の場合、『天体ショー』ですが――
――《雷幻想・墜星》!
術師の浪漫、隕石落としをジェントルマサカーに炸裂させます。
さぁ、そちらもご自慢の《アルコバレーノ》、見せて下さいな。
星と虹の共演といきましょう!
そう嘯いて自身を鼓舞しつつ、パラドクスに力を注ぎます。
敵の攻撃の威力は、重ねてきた【ガードアップ】で大分削げるはず。
攻撃は最大の防御の心持ちで攻撃に集中し、迅速な敵の撃破を目指しますよ!
……流石に、使ってるパラドクスが派手過ぎる自覚はありますし。
新たな一般人の野次馬や、さらなるギャングの殺し屋の気を引かない内に退散しましょう。
共に戦う味方の位置取りを把握出来る位置取りを意識し、何かあれば援護出来るように留意を。
黄下・泉
アドリブ・連携は歓迎
さてっと。念のためこっそり様子見ておいたけど、一般人が入ってくるような事もなさそうだし。
そろそろあたしも混ぜてもらおうか。
全身の符で身体強化し、四肢の符に術式を宿す。
両手は牽制や守りをメインに。足も使ってよく動いて撹乱。
敵の攻撃には【ガードアップ】の力も借りつつ受け、弾き、逸らして直撃はなるべく避けるよ。
そうしながら隙を狙って、本命の足技を繰り出そう。
あいにくショーらしい出し物は品切れなんだ、あたしの得意はこっちでさ。
ちょっとばかり野蛮なスタイルにも付き合ってもらおうか。
(とは言ってるものの、派手なチャイナ服での高速格闘戦はある意味では見栄えはするかもしれない)
ったく、カッコいい斧使ってくれちゃって。ちょっとヒヤッとしたよ。
でもまぁ。「当たらなければどうという事はない」ってね。
一般人の避難を済ませ、先に闘っているアリスの元へ走り込む音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)と黄下・泉(リターナーの符術士・g08097)。
入り口から入るなり、テントの中央から外へ逃げる風圧を受けて足に力を入れる。
「周辺はもう平気だよ、思いっきりやらせてもらおうじゃないの」
男装のスーツをきっちり着込んだ中性的な華楠に、スリッドの深い黄金のチャイナを着た泉が、アリスを庇うように前に並び、逆三角の構図を作る。
ジェントルマサカーは心なし楽しそうだ。
「まるでグラビアの表紙のようだ。私のエスコートで、3人の華やかな淑女を血の海に沈めることができるなんて……光栄の至りというものです」
緩くボウ・アンド・スクレープが軌道を示した後、ジェントルマサカーは顔を上げる。
「お別れするのが惜しい」
言って大きな斧を軽々と回し、凜と背を伸ばす。
華楠が調った口元を開き、宣戦布告を受け取ってみせる。
「ショーのような戦闘がお好みなら、私もそれに倣いましょう」
細いしなやかな腕が天に向かい、呪符がそれを追ってテントに天幕を作り上げる。中心から一気に星空で染め上げられた空間に、稲光が走った。
「さぁ、そちらもご自慢の《アルコバレーノ》、見せて下さいな。星と虹の共演といきましょう!」
彼女が起こした雷の渦は隕石を引き寄せ、ジェントルマサカーの頭上に迫り来る。
ジェントルマサカーは斧と共に己を半回転し、勢いよく残りの半回転を振るって華楠に振り抜いた。
「その情熱を……私の炎で焼き尽くして見せましょう!」
七色の光が炎となり、華楠に向かうが、彼女はそれをはねのける。
「おおっ
……!!」
隕石が炸裂し、散った虹が四方を染めたのと同時、泉が追撃に飛び込む。
素早く符を取り出し、人差し指と中指の2本で術式を宿した後、慣れた手つきで肩と股関節に符を当て、再編術式〈有為転変〉で身体を戦闘強化。そして……。
「あいにくショーらしい出し物は品切れなんだ、あたしの得意はこっちでさ」
隕石を受け止めたジェントルマサカーがふらつく頭を泉に向けた時、すでに彼女は手の届く位置に滑り込んでいた。
「くっ!」
「ちょっとばかり野蛮なスタイルにも付き合ってもらおうか!」
金の瞳が間近で己を捉え、命を奪おうとしているその光景は、ジェントルマサカーの興を激しく震わせた。
泉の強化した足は目にとまらず、かつしなやかに曲がると、ジェントルマサカーの首に絡みつく。質の良い筋肉が己の息を止めようと力を入れてくるのを感じながら、美しい彼女の輝きを最期まで目に焼き付けていた。
ゴキ、という鈍い音が響き、ジェントルマサカーが地に崩れ劣ると、泉は片足でヒールを立ててその場に足をつく。
「ったく、カッコいい斧使ってくれちゃって。ちょっとヒヤッとしたよ」
でもまぁ、と続き。
「当たらなければどうという事はない、ってね」
一息つこうとすると、背後から華楠の慌てた声が。
「は、早く退散しましょう! ここの人達、野次馬根性がすごくて……サーカスのテント内でこんな大騒ぎしてたら、また来ちゃいそうです!」
ギャングの追っ手が来ないとも限らない。一同は足早に抜け出し、帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!