リプレイ
嵐柴・暁翔
……まあ、ラクシュミからすれば忘恩の輩を許す訳がないわな…
こうなりそうだったからあんなやり方は嫌だった…とかうだうだいっても何一つ解決しないし、そもそも関わろうとしなかった俺が何か言うのは筋違いだしな…
敢えて目立つように立ち回ります
相手方にしても住民達の前で復讐者を派手に仕留められれば都合がいいけど、そこで人質だのを取るのは自分達が正面から戦っても勝てないと喧伝するようなものだから避けたい筈
危うい均衡ではあるけど、崩れる前に全部終わらせるまでだ
高い所に登ったり堂々と名乗り上げたりしてクロノヴェーダ達の注意を引き付けて、少しでも住民達が逃げる時間を稼ぎます
啖呵を切るのに合わせて《覚悟完了》を発動
……シュリーナガルの住民達の都合や生活なんて気にせず騙して利用する…
要するに改竄世界史の人間にとってはクロノヴェーダも復讐者も大した違いはないと自分達で実証した訳だ
……愉快だねぇ…
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
意図はともあれ、宗教戦争は難しいのであります。信者の奪い合いとなると、自分ですら眉を顰めるような話が普通に出てくるのです。
落とし所が面倒なので、任務とは言え兵士としては出来れば参加したくないのですよ。
人々の命がかかっているのですから、どうこう言っている場合ではありませんね。真っ当に作戦を遂行するであります。
無双馬に騎乗して突入します。
【パラドクス通信】で仲間と連携します。
嵐柴さんが大勢の敵の気を引くなら、それに合わせて先行してきた敵を仕留めましょう。
【突槍陣】で槍と盾の複製を無数に具現化して、ファランクス陣形を形成します。
一直線に騎馬突撃を仕掛けて、何かをする前に盾を叩きつけ、体勢を崩して槍衾で刺し貫きます。無言速攻で一人を血祭りに上げて、他多数の気を引くのであります。猪武者に人質や駆け引きは通じないのでありますよ。命が惜しかったら、民に手を出す前にまず自分にかかってくるであります。
攻撃や反撃を展開した盾で受け流し耐えながら、戦場を駆け巡って敵を殲滅します。
(「……まあ、ラクシュミからすれば忘恩の輩を許す訳がないわな…こうなりそうだったからあんなやり方は嫌だった…とか今更うだうだいっても何一つ解決しないし、そもそも関わろうとしなかった俺が何か言うのも筋違いだしな…シュリーナガルの住民達の都合や生活なんて気にせず騙して利用する…要するに改竄世界史の人間にとってはクロノヴェーダも復讐者も大した違いはないと自分達で実証した訳だ……愉快だねぇ…」)
内心に相当にぐちゃぐちゃな想いを抱えつつ、その想いを言葉はもちろん表情や外面に一切出すことなく、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)が豊穣都市シュリーナガルへと突入する。今しも、ジェネラル級アーディティヤ『吉祥天ラクシュミ』のシュリーナガル破滅宣告が響き渡り、凶暴なトループス級アーディティヤ『ラークシャーシー・ランカー』を乗せた小型飛行船が次々と降下してくる。暁翔はディアボロスの身体能力をフル活用して、最も早く降下してくる小型飛行船の着陸点へと疾走し、同時にパラドクス「覚悟完了(オオミエ)」を発動する。
「悪神と化したラクシュミの敵、悪神ディアボロスはここにいるぞ! 悪神ラクシュミの手先どもよ、無力な民に見苦しく八つ当たりなんぞするより先に、悪神の手先らしく俺達と戦え! それとも、俄悪神にすぎないラクシュミの手先如きでは、俺達強大な悪神ディアボロスには怖くて手も足も出せないのか?」
「ほざけ!」
着陸した小型飛行船から飛び出してきた『ラークシャーシー・ランカー』がパラドクス「羅刹相」を発動させながら、周囲の民など見もせずに暁翔へと襲いかかる。無茶苦茶に振るわれる蕃刀を暁翔は紙一重で見切り、皮を切らせて骨を断つの要領で、敢えて小ダメージを受けながら一刀両断する。
「ディアボロスだ! ディアボロスが出たぞ!」
「おおおお! ディアボロス様が来てくださった!」
小型飛行船を降下させる後続の『ラークシャーシー・ランカー』の叫びと、街路に出ている一般人の叫びが交錯する。
そこへ、門から無双馬『青縞(プレリゲ)』に騎乗したバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)が走り込んでくる。
(「意図はともあれ、宗教戦争は難しいのであります。信者の奪い合いとなると、自分ですら眉を顰めるような話が普通に出てくるのです。落とし所が面倒なので、任務とは言え兵士としては出来れば参加したくないのですが……人々の命がかかっているのですから、どうこう言っている場合ではありませんね。真っ当に作戦を遂行するであります」)
声には出さずに呟くと、バトラは混乱状態の民衆に向かって声を張る。
「ラクシュミは狂った! もはや悪神ではなく狂神だ! 狂神の暴走に巻き込まれたくなければ、都市から逃げろ! 外へ出ろ! 脱出の邪魔をする者は、誰であろうと、このディアボロスが相手をする!」
「ななな、なんとぉ!」
以前、悪神を名乗るディアボロスがシュリーナガルに突入してラクシュミ配下のアーディティヤを倒した時のように、突入してきたディアボロス…暁翔が『ラークシャーシー・ランカー』を倒して平穏が戻るのでは、と淡い期待をしていた者たちが驚愕の叫びをあげる。
そして同時に、都市外に民を逃がそうとするバトラの存在に気づき、何体かの『ラークシャーシー・ランカー』が迫ってくる。
「逃げろ! 皆、逃げろ!」
「そうはさせるか……うわっ!」
民を促しながらバトラはパラドクス「突槍陣(ファランクス)」を発動。自身の槍と盾の複製を空中に無数に具現化する。
「ファランクス、プロスボレー!」
「ぐわあっ!」
唐突に空中に現れた盾に阻まれ槍に突き伏せられ『ラークシャーシー・ランカー』たちは門に近寄ることもできずに倒れる。それでも何体かは反撃のパラドクス「羅刹相」を発動させ、無茶苦茶に暴れて突破しようとするが、バトラは巧みに盾を操って封じ込める。いくつかの盾がトループス級の攻撃を受けて破られ、跳ね返りのダメージがバトラに及ぶが深刻なものではない。
そして間もなく、小型飛行船の降下が途切れる。どうやらラクシュミ側の作戦(?)としてはディアボロスの出現と虐殺隊の消耗は想定されていなかったらしく、混乱が起きているらしい。まだトループス級が全滅したわけではないし警戒を怠るわけにもいかないが、この隙に、建物の中ですくんでいる民を促して都市外へ避難させることができそうだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
嵐柴・暁翔
別にセイギノミカタなんてものになれると思ってるわけじゃない
歴史を取り戻したいという復讐者としての怒りは俺の中にもある
なにもかもを取り零さないなんて土台無理だと分かってはいるさ
……だけど、後で消えるんだろうとなんだろうと、今確かにこの改竄世界史で生きている方々を見殺しになんてできるもんか
マッチポンプで偽善で馬鹿な自己満足でしかなかろうとも、たとえ後ろから刺されたとしてもシュリーナガルの住民達の安全を優先して動きます
混乱の中で怪我をしたり病気やらで動けない方もいるかもしれないので【活性治癒】は常時発動します
『長剣』を構えて《悪魔合体》を発動
戦闘の余波で被害を出したくないし、正確に対象だけを仕留められる類の魔法か剣技で応戦します
ダメージを受けても平然とした態度を取り続けます
慌てたりすれば住民達を動揺させるだけだしな
偶々だろうけど、羅刹相を信仰を得たい住民達の前で使うのはどうなんだ…?
戦闘中に姿が変わるというのは住民達にいかにもそれっぽく見えるだろうし、戦いながら改めて住民達に避難を呼びかけます
(「別にセイギノミカタなんてものになれると思ってるわけじゃない。自分自身に繋がる歴史を取り戻したいという復讐者としての怒りは俺の中にもある。なにもかもを取り零さないなんて土台無理だと分かってはいるさ……だけど、後で消えるんだろうとなんだろうと、今確かにこの改竄世界史で生きている方々を見殺しになんてできるもんか」)
嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は胸の中で呟く。
声に出さないのは、想いを誰かに伝えようとは思わないから。自分の信念は自分だけのもの。誰が何をどう思ったところで、それは思う誰かの勝手以上のものではなく、自分の行動には関係しない。
そして暁翔は、上空で動きを止めている小型飛行船を睨み上げる。今は様子を窺っているようだが、暁翔…ディアボロスが動いたら、すぐに対応してきそうな感じだ。
(「ここは敵の拠点、時間と情報を与えたらどんな手を繰り出してくるか知れたものじゃない。敵が動くまで動かず待つのは得策じゃない」)
声には出さずに呟くと、暁翔はパラドクス「悪魔合体(フュージョン)」を発動。契約した大天使の姉妹、セレスティアとアリスティアの二人と一時的に合体し、魔法攻撃を放って小型飛行船にぶつける。すると空中爆発の中から『ラークシャーシー・ランカー』が飛び出してきて、反撃のパラドクス「羅刹相」を発動。無茶苦茶に暴れながら暁翔めがけて降下…いや、落下してくる。
(「地上まで降りられると面倒だ。空中でケリをつけよう」)
合体で得た大天使の羽を敢えて広げて自力飛行し、暁翔は墜ちてくる『ラークシャーシー・ランカー』に接近。振り回される蕃刀を敢えて斜めに受け、浅手を負いながら間合いに踏み込んで躊躇なく(とはいえ、顔面だけは避けて)一刀両断する。
「ディ……ディアボロス!」
怨みの籠もった断末魔の叫びをあげた『ラークシャーシー・ランカー』が人のいない(ように見える)エリアへ墜ちるのを見定めた上で、暁翔は周囲へ呼ばわる。
「ひとまずは片付けたが、ラクシュミの手先は、まだ来る! 皆、この間に都市から出て、離れて、逃げろ! この都市の中にいたら、ラクシュミの狂気に捕まるぞ!」
怪我をして動けない者はいないか、と、暁翔は【活性治癒】を発動させながら上空から周囲を見回す。街路に出た人々は、一斉に門に向かって動いており、転んだりして動けなくなっている者はいないようだが、建物の中に残っている者がいるかどうかはわからない。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
嵐柴・暁翔
都市外へ向かおうとする人の流れは下手に干渉するとかえって危ないし、時間も惜しいので明らかな騒動でもなければそのままにしておきます
必要があれば《贋作者》で爆弾でも作り出して城壁の一部を破壊して門を広げるか他の脱出口を作ります
これだけの騒ぎだし動ける方は大体逃げ出したとは思うけど、何かの理由で建物に籠っている可能性はある
妙な覚悟を決めて残ったというのも困るけど、怪我や病気で動けずに取り残されたというのも厄介だしな
どこに怪我人や病人がいるか分からないし【活性治癒】は常時発動
住民達の避難の邪魔にならないように【飛翔】で数m程度の高度を飛んで、逃げ遅れがいないか声をかけながら建物の中を確認していきます
逃げ遅れがいた場合、自力で動けない方なら抱えて【飛翔】で飛んで、避難している方々を追いかけて一緒に連れて逃げるようにお願いします
妙な覚悟の方だったなら【プラチナチケット】を併用して説得します
なんの関係者になるのか知らないけど、無関係よりはましだろう
必要があれば全力で頭を下げて避難するようにお願いします
(「これだけの騒ぎだし動ける方は大体逃げ出したとは思うけど、何かの理由で建物に籠っている可能性はある。妙な覚悟を決めて残ったというのも困るけど、怪我や病気で動けずに取り残されたというのも厄介だしな」)
内心で呟きながら嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)は低空を飛翔して街区を回る。門に近い通りに面したあたりは天幕が多く、無人になっているのがわかるが、少し奥まった石造りの建造物の中に人が残っているかどうかはわからない。
「誰かいるか? ここに残っていては、ラクシュミの暴走に巻き込まれるぞ! 助けが必要なら言ってくれ!」
呼ばわりながら、暁翔は建物を巡る。すると、ある建物の奥から女性の叫びが聞こえてきた。
「誰か! 誰か助けて! うちにあるものなら何でもあげるから! どうか旦那様を運ぶのに手を貸して!」
「よし、今行く」
応じて、暁翔は建物の奥へ入る。すると贅沢に飾られた寝台の上に豪華な衣装をまとったとても太った男性の老人が横たわっており、その横で、やはり綺羅びやかな服を着た老いた女性…彼女も寝台の男性ほどではないがかなりふくよかな体型をしている…が泣きながら叫んでいる。
そして暁翔が入っていくと、老いた女性は目を見張って叫んだ。
「あ、あなたは、ディアボロス……様?」
「な、なんだと? ラクシュミ様の敵が?」
寝台の老人が驚いた声を出し、暁翔は努めて冷静に告げる。
「いろいろ思うところはあるのかもしれないが、ここから逃げたいなら俺が手を貸す。あんたがラクシュミの忠実な信徒でも、このままここにいたら災いを免れることはできないし、俺はどんな立場の者だろうが、人間に死んでほしくないんだ」
「お願いします! お願いします! どうか、旦那様を助けて!」
寝台の男性より先に傍らの女性が泣き叫び、暁翔はうなずく。
「大丈夫だ。この人は俺が運ぶ。あんたは自力で走れるか?」
「はい!」
女性がうなずき、暁翔は当惑と狼狽で硬直している男性を寝台から抱え上げる。常人では十分な体力と介助の心得のある者でも最低二人、そうでなければ丈夫な担架を使って四人がかりで動かせるかどうかというレベルの大変に太って重い老人だが、ディアボロスの体力なら【怪力無双】がなくてもどうにかなる。
(「……しかしまあ、近現代ならいざ知らず、よくまあ古代インドで、ここまで太った年寄りが今まで無事に生活できたもんだ。たぶんラクシュミの特別な加護を得て、財産も山ほどあって、世話をする使用人も大勢いたんだろう……どうやら使用人たちは主人夫妻を見捨てて逃げたようだが」)
声には出さずに呟き、暁翔は老人を建物の外へと運び、そのまま女性の足に合わせて低空を低速で飛んで門へと向かう。都市外に避難した後、自力で動けない老人がどこまで生きのびられるかはわからないが、さすがにそこまで面倒は見られない。
(「…まあ、古代人はしぶといからな。あとは奥さんに任せるさ」)
少なくとも奥さんは元気そうだ、と、暁翔は意外なほどの歩速で走る老夫人を見やって呟いた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
どれだけ時間の猶予があるのか分かりませんが、出来るだけ急いで避難を進めるであります。
【パラドクス通信】で仲間と交信して分担して、広範囲を迅速に回って避難を呼びかけます。既に避難は開始している様子ですから、逃げ遅れている人がいないかを確認していきます。
無双馬に騎乗して機動力を上げます。動けない人がいるなら後ろに乗せて避難を手伝います。
市民の方々にも、自力で逃げられない人を手伝う様に呼びかけてお願いしておきます。
【避難勧告】の使い所をどうしましょうか。事情があって建物内にいる人達を強引に避難させる保険として用意はしておきます。迅速な避難をさせるのも効果の内ですから、使用する事で混乱を招く事はないと思うのですが。
せっかく信仰して貰っているのです。自分達を信じて、落ち着いて避難する様に呼びかけるのを主とするであります。
アニル・スカンダ
今の俺に出来る事なんてたかが知れてるよな
じゃ、やれることをやりますか
嫌なモンが見えたんじゃしかたないねぇ
今回は人助けしてやるか
お、いいもん付いてんじゃん
先に来た連中がつけてくれた残存効果は活用させて貰う
【プラチナチケット】の力で街のヤツらには神サマ関係者だと思わせて
「こっからは神サマ同士の戦いなンだ。巻き込まれたくなきゃ、街の外にでてな」って納得させるぜ
【活性治癒】が効いてんなら、軽い傷なら動けるだろ?さっさと行け
それでも動けねぇヤツは、俺が呼び出した【フライトドローン】で運んでやるよ
【パラドクス通信】で先に来た奴らと情報交換しながら
取りこぼしがないように助けていくぜ
「む…門に通じる街路は相当にごった返しているようですね。低空を飛翔して見回りますか」
まあ、ごった返しているということは、多くの人が自力で逃げているということで良いことなのでしょうが、と、無双馬『青縞(プレリゲ)』に騎乗したバトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)は、文字通り空を駆けながら呟く。
自力で避難していく民たちを見ると、個々人、あるいは家族単位で逃げている者は稀で、老若男女が混ざったそれなりに大きな集団を作っている者が多い。あれはおそらく血族集団ですね、と、自分も古代出身のバトラは見当をつける。小さな村などでは村民全員が血族というのも珍しくないが、これだけ大きな規模の都市ではいくつもの血族が混在しているのだろう。
(「……だとすると、血族以外の人の避難を手助けしてくださいと頼んでも無駄ですね。別の血族と諍いを始めなければマシ、ぐらいに考えないと」)
まあ、血族で団結して動いている人たちに対しては、よほど酷い諍いでも始めない限り手出し無用ですね、と、バトラは割り切り、血族の手助け等が得られず逃げ遅れている人たちを探す。
(「…先行した人からは、使用人に逃げられて動けなくなってしまった金持ちの老夫妻を助けたと聞きました。確かに、あまり裕福ではない人は日頃から血縁や地縁を大切にしないと生きていけないするので、いざという時にも助けが得られますが、お金や地位にものをいわせていた人は、秩序が崩れると見捨てられてしまうのかもしれませんね」)
声には出さずに呟きながら、バトラは立派な邸宅の中に置き去りにされている老人や病人がいないか重点的に見て回る。そこへ、後からシュリーナガルに駆けつけてきたアニル・スカンダ(韋駄天・g11719)から【パラドクス通信】が入る。
「今は、敵は来てないみたいだな。やることは、民の避難援助か?」
「そうです。ほとんどの人は自力で逃げているようですが、自力で動けない老人や病人なのに、連れて逃げてくれる人がいない人が、街路から奥まった邸宅街に残されている可能性があります」
バトラの返答に、アニルは怪訝そうに訊ね返す?
「邸宅街? 貧民窟とかじゃなくてか?」
「豊穣都市に貧民窟はないようです。それでも普通の人たちは血縁や地縁にすがって生きているので、いざという時にはその助けが得られるようです。逆に、ラクシュミの恩寵を受けて財産を得て傲慢になった人が、お金で雇った使用人にさっさと逃げられて見捨てられた状態になっている例があるようです」
訥々と説明するバトラに、アニルは少々呆れた声を出す。
「それって、自業自得とか言わないか?」
「まあ、そうも言えますけど、酷い悪人というわけでもないようですし、見捨ててしまうのも哀れではないかと思います。心底困っている時に助けてあげれば、ディアボロスは慈悲深いと感謝してくれるかもしれないですし」
ある意味身も蓋もなくバトラが告げ、アニルは苦笑交じりに応じる。
「了解、わかった。今、そっちはどのへんにいるんだ?」
「街路の東側を順次見ています。先行したディアボロスの人が街路の西側を見ていましたが、運び出さなくてはならない人に当たって、途中までになっているそうです」
そう言ってバトラはアニルと情報を共有する。そして二人はそれぞれ手分けして邸宅街を探索し、取り残されている金持ちの老人を一人ずつ見つけた。
アニルが見つけた老人は足が不自由で、移動の時には豪奢な輿に乗っていたのだが、輿の担ぎ手が逃げてしまい動けなくなっていた。萎えきった足は【活性治癒】でどうにかなるものでもなく、アニルはフライトドローンを召喚して老人を乗せ、避難させてやった。
バトラが見つけた老人も足が不自由だったが、それ以上にラクシュミの熱烈な信者で、災厄が下されることを信じようとしない…というか、信じたくない様子で、使用人たちは呆れて彼を見捨ててしまったらしい。そこでバトラは、淡々と告げる。
「ラクシュミが信仰を失ったシュリーナガルを滅ぼすと宣言したのは聞いたと思います。そして、その際に信仰を守っている者は滅びをまぬがれる、という話はありませんでした。お気の毒ですが、ラクシュミの目に貴方がたは入っていないのです」
「そ、そんな馬鹿な……」
呻く老人に、バトラは更に淡々と続ける。
「私は、ラクシュミは悪神になったのではなく狂神になったと判断しています。この狂気が晴れることがあるかどうかはわかりませんが、もしも正気に戻ったら、ラクシュミは自分への信仰を守っていた者まで殺してしまったことを後悔するでしょう。ですから私は貴方にラクシュミへの信仰を捨てろとは言いません。ただ、座して死することなく生きていてほしいのです」
「…なぜだ」
顔を歪ませて老人は訊ねる。そしてバトラはあっさり答える。
「生きてさえいれば、いつかディアボロスを信じてもらえるかもしれないですから。死んでしまった人は、どの神を信じることもできません。命あっての信仰です」
「……あんたの話に納得したわけではないが、ワシがここで死んでもラクシュミ様にとっては何のタシにもならないことだけはわかった。ならば、生きる方へ動いてみよう」
唸る老人に、バトラはうなずき、淡々と告げる。
「では、手を貸しますので、この馬に乗ってください。跨らなくていいので、座って…はい、結構です」
さて、避難しましょうか、と、バトラは老人を乗せた『青縞』とともに街路に出る。先刻までは人が溢れていた街路には、皆、既に門から外へ出たのか、もう人影がなくなっていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
「おやおや、やけに静かなんで様子を見に来てみれば、誰もいなくなっちまったのかい?」
人の気配がなくなった豊穣都市シュリーナガルの街路に、アヴァタール級アーディティヤ『カドゥルー』のしわがれた声が響く。
「ふん。誰もいないが、血の匂いはするね。それも人間どもの血じゃない。アーディティヤの血だ。すると、ナニかい? 役立たずの羅刹女どもは、一人残らず殺られちまったってわけかい?」
人間どもに天罰を下すはずが、自分たちが殺られちまうたぁ呆れた話だねぇ、と、唐突に姿を現した『カドゥルー』は面白くもなさそうに唸る。
「しかしまあ、いくら羅刹女どもが間抜けでも、まさか人間どもに殺されちまうわけはあるまい……こいつは悪神ディアボロスの仕業だね」
ラクシュミの間抜けはディアボロスは神ではないとかキーキーほざいてるが、神でもない者にアーディティヤが殺せるわけねぇよなぁ、と『カドゥルー』は瞳のない紅の目で左右をギロギロと見回す。
「出てこいよ、ディアボロス。悪神同士の戦いってヤツを、ラクシュミの間抜けに見せてやろうじゃないか」
「ガッハッハッハッハッハ! こいつぁいい! こいつぁおもしれー女だぜ! お空でお高くとまってるラクなんちゃらなんぞ、比べものにならねーおもしろさだ!」
豊穣都市シュリーナガルの人の気配がなくなった街路に佇むアヴァタール級アーディティヤ『カドゥルー』に向かって、都市の外に出る門の上に仁王立ちになったラモン・パルラモン(呪われ船長・g10811)が豪胆と言うか無謀と言うか、むしろ狂気じみた哄笑を浴びせる。
それに対して『カドゥルー』は、口元ににやりと笑みを浮かべる。
「ふん、誰もが恐れた古き蛇魔、千のナーガの母に向かって、おもしれー女呼ばわりかい。まあ、褒め言葉と受け取っておくよ」
「もちろん褒め言葉さぁね! こいつぁ是が非でもハートをいただかねぇとな!」
言い放つと、ラモンはパラドクス「狂人の発想力(スゲー・パイレーツノ・ダイナミック・リンケージ)」を発動。数多の呪いを意図的にオーバーフローさせ、一時的に正気を喪失。愛用のフリントロック・ピストルで『カドゥルー』の心臓に弾丸を撃ち込む。
「クククク……やるじゃあないか。だけど、カドゥルーのハートは一撃で奪えるほど安かぁないよ!」
こちらもまた狂気じみた含み笑いを発し、心臓に弾丸を撃ち込まれた『カドゥルー』は倒れることなく反撃のパラドクス「天馬の黒尾」を放つ。放たれた呪いはラモンの心臓を貫き大ダメージを与えるが、ラモンも倒れることなく哄笑をあげる。
「ガッハッハ、こいつぁ、効くぜぇ……なんとも特上の呪いじゃねぇか!」
「おやおや。天馬の黒尾の呪いで即死しないたぁ、相当なもんだね」
これは本気を出さないといけないかね、と『カドゥルー』は口元の笑みを消す。
しかし、そこへ都市外から、民を避難させていたディアボロスたちが救援機動力を駆使して駆けつけてきた。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【影忍び】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
アニル・スカンダ
荒事って苦手なんだけど
ちっとはやってみるか
へェ、ジェネラルのラクシュミを間抜けよばわりなんて
随分高圧的なアヴァタールなんだな?
うーん…まぁ、俺じゃぁたいした戦力にならんだろーから
せめて仲間の攻撃が通りやすいように攪乱しよう
「霊猿分身撃」で攻撃
分身を作り出して敵の「1000の偉大な蛇の王」の人形達にも対抗
もちろん、自身も簡単に捕まらないよう
【壁歩き】【フライトドローン】【飛翔】を活用して
臨機応変に攻撃を躱しながら逃げまくるぜ
戦士としては自慢にならねーけど。逃げ足には自信あり、ってな!
なんだろうなァ、この乱戦状態
ともあれ、こちらに意識が向いた隙に
ゴッツい攻撃をたのむぜ、兄弟!
アドリブや連携は歓迎
バトラ・ヘロス
アドリブ、連携歓迎であります。
堂々と姿を現してくれたでありますね。
避難した人達を追われても困りますし、時間をかけてもいられません。
此方も小細工はせず、真っ向から対峙するであります。
この世界の神はよく知りませんが、自分達にとって神とは、超越した力を持ってただそこに在るもの。恵みも災厄も善も悪も、崇める人の受け取り方次第。なるほど、自分達はまさしく神なのかもしれません。
でしたら、戦って勝った方がより神として相応しい道理でありますね。
仲間とパラドクス通信で交信し、連携攻撃。無双馬に騎乗して、長槍と魔力盾を構えて立ち向かいます。
【百槍陣】を使用し、槍と盾の複製を無数に具現化。
自身の周囲を亀の甲羅の様に盾で覆うテストゥド陣形を組み、騎馬突撃を仕掛けます。
重ねた盾を叩き付けるシールドバッシュで体勢を崩しつつ、盾の隙間から繰り出す槍衾で刺し貫くであります。
反撃は、騎馬で駆け抜けて包囲を防ぎながら、展開した槍と盾で人形を退け防御します。
嵐柴・暁翔
そりゃディアボロスは神ではないわな
とはいえラクシュミだろうがたとえ断片の王だろうがクロノヴェーダでしかないんだから神を騙るという意味では大した違いはないだろう
もっとも、昔から人間は訳の分からない自分たちの手には負えないようなものを神と称したりしたんだし、蛇亀宇宙リグ・ヴェーダの住民達にしても神というのは物騒で傍迷惑なナニか、という程度の認識なのかもしれないけどな
妙な能力を持つ相手とやるなら力業で押し切った方が早そうだ
某作品では力には技、技には魔法、そして魔法には力、と言っていたしな
このまま隠れていてシュリーナガルを破壊されても迷惑なだけなのでさっさと《無謀撃》を発動してアクスォードを手にして、蛇型のヴァル…もといカドゥルーを両断すべく正面から突っ込みます
呪詛なら耳を塞いで歌でも歌えば大丈夫…とはいかないだろうな…
パラドクスなら聞こえなかろうが効果はあるだろうし、凍らされても相手に近づいていったどこかの無謀戦士のように炎に包まれてもそのまま突っ込みます
(「神か…こっちの認識としてはディアボロスもクロノヴェーダも全然神じゃないんだが。とはいえ、昔から人間は訳の分からない自分たちの手には負えないようなものを神と称してたわけで。そういう意味ではディアボロスもクロノヴェーダも神かもしれないよな。まあ、唯一絶対神とか言い出すと話がややこしくなるが、それこそインドとかの多神教で互いに争ったりなんだりで人間に大迷惑をかけてる連中なら、おおむね似たようなもんかもしれない、なんてな」)
声には出さずに呟きながら、嵐柴・暁翔(ニュートラルヒーロー・g00931)はアヴァタール級アーディティヤ『カドゥルー』に立ち向かう。
(「神かどうかはさておいて、呪いだの何だのと妙な能力を持つ相手とやるなら力業で押し切った方が早そうだ。某作品では力には技、技には魔法、そして魔法には力、と言っていたしな」)
そして力業ならコレだな、と、暁翔はパラドクス「無謀撃(ロビス・スマッシュ)」を発動。剣の鍔から柄の部分にかけて斧の刃が付いているという、剣と斧とを組み合わせたような奇妙な武器「斧剣(アクスォード)」を手にして真っ向突撃を敢行する。
「気合一発!」
「おのれ、舐めるなあっ!」
突撃してくる暁翔に対し『カドゥルー』はパラドクス「ジャナメージャナの火」を先手で発動。呪詛を放って暁翔を猛火で包むが、暁翔はダメージを受けつつも「無謀撃」の効果(?)によって猛火を無視。そのまま『カドゥルー』に「斧剣」を叩きつける。
「気合だ! 気合が違うのだ!」
「それを言ったら、こっちは積んできた年期が違うんだよ!」
渾身の一撃は『カドゥルー』の人体と蛇体を完全に切断したが、その瞬間『カドゥルー』の体内から無数の蛇が飛び出し、互いに絡みついて人体と蛇体を繋ぎ止める。しかし、そんな無茶苦茶をやったために、先行したディアボロスが『カドゥルー』の心臓に撃ち込んでいた弾丸が破裂したらしく、胸元が裂けて鮮血ならぬ小蛇が溢れ出す。
「ぐわあああああ!」
「仕留めます! ファランクス、アポクリズモス!」
飛び抜けた暁翔を追うこともできずに身悶える『カドゥルー』に、バトラ・ヘロス(沼蛙・g09382)がパラドクス「百盾槍(ファランクス)」を発動して突撃を仕掛ける。空中に無数に具現化された盾が『カドゥルー』を抑え込もうとするが、アヴァタール級はパラドクス「1000の偉大な蛇の王」を発動。千体の人形を召喚して盾を撥ね退けようとする。
すると、その瞬間。
「ここだぁっ!」
アニル・スカンダ(韋駄天・g11719)が叫び、パラドクス「魔影分身術」を発動。影法師の分身を繰り出して、千体の人形を妨害、破壊する。その隙にバトラは人形を振り切って『カドゥルー』を盾で叩きのめし抑えつける。
「今だ! ゴッツい攻撃をたのむぜ、兄弟!」
「任せてください! 援護、感謝です!」
アニルの激励に応じ、バトラは盾で抑えつけた『カドゥルー』を無数の槍で容赦なく串刺しにする。アヴァタール級の全身が裂け、傷口から小蛇が溢れ出るが、溢れた小蛇も『カドゥルー』の身体の上を這い回るばかりで逃げだすほどの力はないようだ。
「くそっ、ダメか……しょせん分身のアタシじゃ、本物の悪神が、しかも数を揃えて攻めてきたら、抗しきれないってことか……」
悔しげに呻く瀕死の『カドゥルー』を見据え、『青縞(プレリゲ)』に騎乗したバトラは声には出さずに呟く。
(「この世界の神はよく知りませんが、自分達にとって神とは、超越した力を持ってただそこに在るもの。恵みも災厄も善も悪も、崇める人の受け取り方次第。一方で、強大な王は神の使い、神の子、神そのものと称し、王が負ければ王が奉じていた神の神殿も壊される。なるほど、そう考えると、自分達はまさしく神なのかもしれませんし、戦って勝った方がより神として相応しい道理でありますね」)
そういう意味では自力で戦おうとせずに、ただ配下を遣わして一方的に罰を下そうとするラクシュミは、神として不覚悟なのかもしれません、と、バトラはかなり低空まで降りてきている天空寺院を見上げる。
すると、身悶えていた『カドゥルー』の動きが止まり、溢れていた小蛇も、使役されていた人形も、一斉に崩れるような感じで動かなくなる。そして、アヴァタール級の死によって強い排斥力が発動し、作戦に参加したディアボロス全員を新宿島へ帰還するパラドクストレインへと強制移送した。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!