港区・品川・守護者の領域(作者 ふじもりみきや
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#TOKYOエゼキエル戦争  #品川区の大天使による港区侵攻作戦  #品川区 

 少女は走った。どこに逃げればいいのかすらも分からなかったが、とにかく走った。
 背後から、凄まじい勢いで書けてくる何かの音がする。アークデーモンだというのはわかるけれど、剣の翼をまき散らしながら走る異形を、少女は振り返ってしっかりと確認する余裕すらなかった。
「お母さん……!」
 傍らを走る母を呼ぶ。徐々に母の走る速度は落ちて行って、だからこそ悲鳴じみた声を少女は上げるのだが、どうしようもなかった。
 見れば周囲にいた人間たちも同じように……或いはもはや力尽き足を止める者もいて、
 そんな彼らに向かって無数の剣の翼が放たれた。……その時、
「……!」
 何かが、剣の翼をもつアークデーモンたちの前に立ち塞がった。
「あれは……!」
 強靭な肉体を持つ大天使が、剣の翼をもつアークデーモンに向かって拳を振り上げる。単純に振り下ろす。その一撃だけで、アークデーモンたちはたやすく粉砕された。
「ああ……!」
 感激するような周囲の声を聴きながら、少女もまた倒れた母親に肩を貸し立ち上がらせる。その間にもその大天使と、天使を護衛するかのように現れた鉱石の肉体を持つアークデーモンが一斉に剣の翼をもつアークデーモンに襲い掛かり、次々に粉砕していった。
「ありがとう……助けてくれてありがとう!」
「これで……助かったのね……」
 剣の翼をもつアークデーモンたちが全滅するのに、そう時間はかからなかった。周囲の人々から歓声が上がる。突然現れた大天使をたたえる声に、大天使は僅かに頷いた、ような気がした。


「港区って、少し特殊な状況になっているのよね」
 東城・リリカ(デーモンのレジェンドウィザード・g01222)はそう言って話を始めた。
 曰く、港区はTOKYOエゼキエル戦争において、過去の歴史のディアボロスたちが制圧していたことにより区民たちのディアボロスに対する畏怖や信仰が非常に低いのだ。
「だから、港区を支配するアークデーモンに従わずに抵抗活動を続ける区民も結構多いみたいなのよね。そこから、隣接する品川区の大天使がその混乱に付け込んで、港区への侵攻を画策してるってわけ」
 抵抗活動を行う港区の住民達の前で、アークデーモンを撃破する事で、自分達が救世主であるように振舞い、信仰を集め、ゆくゆくは、港区全域を品川区に併合しようとしている、というのが品川区の大天使たちの目論見なのであろう。
 アークデーモンというクロノヴェーダに抵抗していた港区の住民達も、自分たちを助けてくれた品川区の大天使を信仰してしまえば……。
「クロノヴェーダへ抵抗する心を失ってしまう……。もっと言うと、品川区の大天使が港区を制圧する事になれば、TOKYOエゼキエル戦争の戦いに大きな影響を与えることも間違いないわ。これを放っておくことはできないの」
 そのために、とそこでリリカは一度、息をついて、
「ディアボロスの手で港区のアークデーモンを撃破して、その後すぐにやってくる品川区の大天使も撃破しなきゃいけない……。ちょっと忙しいことになるけれども、頑張るしかないわね!」
 因みに、港区のアークデーモンは剣の翼で攻撃してくる機動力の高いタイプ。品川区の大天使は強靭な肉体を持つ格闘タイプの大天使で、鉱石を体にする、銃を持った護衛に適したアークデーモンを配下に従えているという。

 と、言うのであった。
「で、詳細なんだけれども……。このままみんなが駆けつけても、港区のアークデーモンを撃破する前に、品川区の大天使が戦場に乱入してくる事を防ぐ事はできないのよね……」
 何かしら、品川区の大天使が戦場に現れるのを遅らせる必要があるのだとリリカは言う。
「例えば港区のアークデーモンをディアボロスが先に撃破していたとしても、「品川区の大天使たちは間に合わなかったとしても自分たちを守るために駆け付けてくれた」と、思われる可能性があるわ。だから、そう思われないぐらいには時間を稼いでほしいの」
 そしてその後に、攻めてくる品川区の大天使を撃破する、という方向にもっていくことができれば一番いいのだとリリカは言った。
「ちょうど戦場はオフィス街だから、死角はあちこちにあると思う。罠を仕掛けて足止めしたり、襲撃があると思わせたりして、少しでも足を鈍らせてくれたら嬉しいわ」

 敵の思い通りになんてさせない、と、リリカは言って。それからほんの少し表情を緩めた。
「……勿論、どの敵も油断ならない相手だから、気を付けて行ってきてね。無理せず確実に、頑張っていきましょう」


 鉱石の体を持つアークデーモンたちが散開している、銃を持つ彼らは、規律正しく、周囲を気にしながらもオフィス街を縫うように駆けていた。
「いっそのこと、この建物を破壊出来たら楽なのですが」
 丁度進軍している場所は建物と細い路地が多数あり、死角が多く、移動も制限されるのである。ぼやくように言う品川区のアークデーモンたちに大天使が重々しく答える。
「自分たちが味方と思わせることが重要だ。野蛮な行動は控え、戦闘の音を聞きつけたらまず人間たちを護れ。そうすることが我々の力になる」
 了解の声があちこちから上がる。それに大天使は一つ頷いて、
「人間たちが追われている方向……大体の位置は把握しているが、常に移動しているが故にはっきりとした場所は近くに来るまでわからないか……。音を頼りにするにしても……厄介なことだな」
 なるべく早く、駆け付けなければいけない。忌々しげに大天使は呟き、進軍を開始するのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【悲劇感知】
2
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【強運の加護】
4
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【避難勧告】
2
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【活性治癒】
3
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV5 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV3 / 【アヴォイド】LV4 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

ふじもりみきや
初めまして、ふじもりみきやと申します。

状況はOPで述べた通り。お好きにプレイングをかけていただけたらと思います。

それでは、よろしくお願いします
84

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


平楽・泰良
ワイファイスパークを使用。
電撃は大天使たちに当てずに発生させるだけに留めて、音や光で「戦闘か何か起きてる」感を出し、興味を惹かせて(できれば見つからないようにしつつ)こちらに誘導する。
大雑把な地図と、入ったら行き止まりの袋小路だけは避けるために頭に入れておく。
あとエフェクトのパラドクス通信で状況確認や相互サポートに動けるようにする。

はー、マジ面倒な事になってんのな。
や、新宿がああなった時点で知ってましたけど。

とりあえずガチで戦うとか痛いの勘弁してほしいんで、
そういうのはあらごと慣れてそうな人に任せてこっちはできる事やっときますよ。
はー(溜息、何なら咽る)、全力で走るとかいつぶりだろうな。


天音・梓
・心情
 詐欺師は天使の顔をしてやってくるということですね、私も天使ですが。
まずは、私は私にできることをやってみましょう。

・方針
《イグジストハッキング》
①大天使たちが進軍する建物や道及び風景を事前の情報と少し違う状態に書き換えて混乱させます。
②同時に敵の感覚にハッキングをかけてみましょう。これで方向感覚を狂わせたり、本来の位置とは別の方向で戦闘らしき爆発音や射撃音、何かが破壊される音等が響いているように誤解させることができるか試してみましょう。

・その他
ディアボロスとして味方の存在を探知した際には周囲の味方のサポートするように動きます。味方の周囲の敵の行動をハッキングで歪めてディレイさせてみます。


「……はー」
 平楽・泰良(平々凡々・g03637)は息をついた。息をついただけで盛大に咽た。全力疾走は社会人だった泰良にはなかなか、きつい。
 ひとまず敵の目をかいくぐり、作戦によさそうな路地裏を探る。見つけたのは木々が多く、通路が狭い路地。戦闘になれば障害物が多いが、彼らがこれから行う作戦にはこれぐらいがちょうどいいだろう。
「はー、マジ面倒な事になってんのな。……や、新宿がああなった時点で知ってましたけど」
「詐欺師は天使の顔をしてやってくるということですね、私も天使ですが」
 泰良の言葉に冷静に返したのは、共にいた天音・梓(雨音・g03821)であった。冷静にハッキングツールを操る。かし、と泰良は軽く頭を掻いた。
「あー。じゃあつまり、お嬢さんも詐欺師ってことですか」
「ある程度は。……それでは作戦を開始しましょうか」
「はいはい。まさかこの年になって全力疾走するとは思いませんでした」
 言って、二人は曲がった角から大通りに飛び出した。
「!」
「こっちですよ……っと」
 進軍中の鉱石の体を持つガーゴイルガンナーがその人影をとらえる。探していた要救助者だろうかとこちらを伺った瞬間に、泰良はモーラット・コミュの『けだま』を飛ばせた。けだまは敵の目の前ではなく、僅かに離れたところに向かって電撃を放つ。まるでどこか流れ弾のように装って、
「こちらも、任せてください」
 準備、完了しました、と梓がイグジストハッキングを起動させる。どこか遠くで戦闘が行われているように存在を書き換えて。多少なりとも戦闘音も出し、二人合わせて「ここから先、戦闘か何か起きていますよ」感を醸し出している。
 遠くでガーゴイルガンナーたちが話し合っているような気配がする。それから、何体かがこちらに向かってくるのが見えた。
「……よし、けだま」
 泰良が名を呼ぶと、けだまは若干不本意そうな……名前が気に入らないのだろうか?……気配を見せ、しかしながら反対することなくけだまは駆ける。同時に泰良も走る。
「やっぱり。人の気配だ!」
「おい、足音だぞ」
「……はい。戦闘です。早くいかないと人間が死んじゃいますよ……ほら」
 音や光が大通りから遠ざかっていく。誘導するような動きにつられたようにガーゴイルガンナーたちが路地裏に足を踏み入れる。それを後押しするかのように、物陰に隠れていた梓が戦闘らしき爆発音や射撃音、何かが破壊される音等を流してその移動を後押しした。
「それから……閉じます」
「おい。あいつらどこ行った?」
「勝手な行動を……」
「探しに言った方が……」
 遠くで仲間が消えたガーゴイルガンナーたちが右往左往しているのが見える。それを遠目で見てやって、梓は一つ頷いた。今、この路地の存在は歪められていて認識されづらくなっている。
「あとは……こっち、ですね!」
 その成功を泰良の方は大丈夫だろうと信じているが、確認するようなことはできない。なぜならいま彼はけだまと全力疾走中だからだ。行き止まりの袋小路にはいかないよう注意しながら、火花と音で戦闘が目まぐるしく動いている様子を作り出し、ひたすら移動し続ける。
「とりあえずガチで戦うとか痛いの勘弁してほしいんで、そういうのはあらごと慣れてそうな人に任せてこっちはできる事やっときますよ。……はー」
 それにしてもきつい。痛いのは勘弁だが肺が痛い。そう思いながらも泰良の足が緩むことはない。これもまた、大切な行動だとわかっているのだ。
 出来ることをして、苦手なことは仲間たちに託す。あとは頼みましたよ。なんてぼやく泰良の声が聞こえてはいなかっただろうけれど、
「まずは、私は私にできることをやってみましょう……」
 同じことを思って、梓もまた、天を仰いでいた……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

セルマ・クロウリー
勢力間での争いが結果的に反抗勢力の力も削ぐなんて…
思った以上にこの世界の争いは複雑なのかもしれません、よく考えて行動しなければいけませんね

一般人の襲撃とはなるべく別方向から
助けてください!アークデーモンが!
といった声を上げながら路地を移動
相手が釣られてくれれば良しです
此方を見てディアボロスと判らないようなら
アークデーモンはあっちに…
とさらに遠回りを選択させられるかも

通じないか同じ手は通用しない段階から
サーヴァントのシトリーちゃんと共に、
双翼魔弾による飛翔しつつの誘導攻撃
相手は破壊を避けるので物陰を盾にはし辛いはず
必要以上に攻撃は仕掛けず、妨害に徹します

一緒に時間稼ぎを行う方が居れば協力します


天羽・花菜
うーん、とりあえず相手がこっちを見に来なきゃならない状況を作ればいいのよね?

わざと違う場所で破壊音出して助けを求めたりしたらいいんじゃないかなあ。

トンカチ、よーし!
飴ちゃん、よーし!
さあ大騒ぎしよっかあ!

「やだあ!お母さーん!」
ゴミ箱とか蹴散らしながらばたばた逃げるよ
ついでにトンカチでドカドカ戦闘音も装っちゃう
敵が来そうだと思ったら羽音も立ててビルの上階に逃げ込んで、そぉっと様子見
敵が1体しか来なかったら、ついでに【お命チョーダイ】で屠っちゃおう
複数来たら、しばらく隠れて敵が行きすぎたら別方向に移動してまたおんなじように大騒ぎ

あははは、私の後をついて無駄なフルマラソンするといい!
(何故か元気)


「勢力間での争いが結果的に反抗勢力の力も削ぐなんて……思った以上にこの世界の争いは複雑なのかもしれません、よく考えて行動しなければいけませんね」
「んー……。んーんーんー」
 セルマ・クロウリー(Demon's Jail・g02861)が穏やかに言う隣で、天羽・花菜(天使のワールドハッカー・g02034)はみゅいみゅいみゅい、と頭に軽く手をやって難しい顔をしていた。
「面倒くさいなあ。全部殺っちゃえばいいんじゃね? だめかー。だめなんだよねー。うん知ってた。うーん、とりあえず相手がこっちを見に来なきゃならない状況を作ればいいのよね?」
「はい、その通りです」
 花菜の言葉を若干心配そうに見ていたセルマであったが、彼女がその結論に達したので、少しほっとしたように小さく頷く。
「だったら、わざと違う場所で破壊音出して助けを求めたりしたらいいんじゃないかなあ……?」
「そうですね……」
 そして花菜の結論にもセルマは同意する。同意しながらも、僅かに上品に眉を寄せていた。
「ですが、同じ手は次第に通じにくくなる可能性もあります。ですので、作戦は二段構えにしておきましょう。……シトリーちゃん」
 スフィンクスの『シトリーちゃん』が任せろ、とばかりに羽を震わせる。それを見てセルマの表情がわずかに和らいだ。そしてそんなセルマの顔を見て、うんうん、と花菜も頷く。
「じゃあ、そういう感じで行こう! トンカチ、よーし! 飴ちゃん、よーし! さあ大騒ぎしよっかあ!」
 トンカチを振り、飴ちゃん(ジャンクな大袋入りっぽいの)の入ったポケットを叩き。花菜は元気に走り出す。
「ええ。それでは……行きましょう」
 その明るい背中を追いかける形で、セルマとシトリーちゃんも走り出した。

「やだあ! お母さーん!」
「助けてください! アークデーモンが!」
 声をあげて二人は走る。走りながらセルマははっとする。
「この流れ、私がお母さんみたいですね??」
「わー。お母さーん!! たすけてー!」
「えっ。お、おお、可愛い娘よー。どうかご無事で……!」
 セルマのつぶやきに花菜が全力で(ものすごく楽しそうに)乗ったので、セルマはぎこちない口調で対応した。「まだお母さんなんて年でもない」と冷静に突っ込むべきか一瞬だけ悩み、人付き合いの苦手さから否定することができずに返した言葉は悲しいぐらい棒読みであった。
「! あっちに人の声がするぞ! 親子か?」
 遠くからガーゴイルガンナーの声がする。
「あっちに……。あっちから来ます! 逃げて……」
 顔を突き合わせたら危険かもしれない。セルマはそう判断して、声を上げる。察して花菜も頷いた。
「あっちから来るんだね!! じゃあ、こっちに逃げよう……!」
 と、言いながらも花菜はトンカチで壁を叩き、そうしてごみ箱やカフェの看板を蹴り飛ばす。「あっち」の戦闘を演出する花菜に、あそこか、などとガーゴイルガンナーたちがつられている。
「セルマさんこっち」
「はいっ」
 ある程度引き離せば、二人して物陰に隠れた。わざと羽音を立てながら、花菜はビルの上階へと移動しセルマは階下で様子をうかがう。
「?」
 音を聞き、怪訝そうにビルの中に入ってくるガーゴイルガンナー。それが一体であることを確認し、セルマはそれを素通しする。
「お命頂戴!」
 ガーゴイルガンナーが完全に分断された時、花菜が飛び出した。ぶん投げたのは血まみれのトンカチ。彼女が昔から使用していたものだ。
「どっせーい!」
「!」
 なぜか神々しいエフェクトを発生しながら敵の顔面を粉々に粉砕するトンカチ。その次の瞬間にはトンカチは手の中に戻っている。完全な不意打ちで砕かれるガーゴイルガンナーに、
「ふふーん!」
 と、花菜が得意げにしている一方……、
「シトリーちゃん、私たちも」
 ふわり、と物陰からシトリーが飛び出した。悪魔の翼で飛翔しながら、固まって人間を探しているガーゴイルガンナーたちを向かい打つ。
「! 敵か。……あそこにいるぞ!」
「ええ。こちらにいますよ!」
 敵がこちらに気付いた。シトリーは逃げる。時折攻撃するのを忘れず、しかし攻撃はしすぎず妨害に徹して速度を上げて遠ざかっていく。
 飛び去る瞬間、シトリーが花菜に目配せした。それに花菜は頷く。
「じゃ、私はこっちだ! あははは、私の後をついて無駄なフルマラソンするといい!」
「!? あっちからも音が……!」
 敵がシトリーを追いかける。その別の方向へ向かって花菜は走る。同じように派手な音を立てて移動する二人に、ガーゴイルガンナーたちは右往左往するのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

本郷・夏深
何とも回りくどい策を取ってきますねえ
とにかく信仰されたいのでしょうが
恵まれまくりなこの私が生きてる限りは難しいでしょうね!

上空に地上にと、様々な死角に身を隠しながら
【双翼魔弾】を敵とは違う明後日の方向へと放ちます
魔力の弾丸は追い掛けていく仕組みゆえに旋回して敵へと飛んでいくので
いったい何処から放たれているのか、敵はすぐには判別できないでしょう
そうして徐々に警戒と苛立ちを強めて差し上げる事ができれば御の字です

別に攻撃が命中しなくてもいいですけども、命中すれば最高に気持ちがいいですね!
追い掛けていく攻撃なので当たるのは若干必然みたいな面がありますが
まぁそれはそれとしてカフカはやはり恵まれています!


イクサ・スメラギ
他の仲間と協力、声掛けしつつ
空飛ぶ相手もひっかかってくれる事を願って
ワイヤーを建物と建物の間に縦横無尽に張り巡らせて罠に

あとは、ワイヤーを張った所や
死角を利用してる仲間の攻撃範囲内へ
相手を誘き寄せるように
パラドクスを仕掛けて、襲撃と見せかけつつ移動するよ
移動時は怪しまれないよう劣勢を装って
「くっ、このままじゃあ…」なんて言ったりして

罠にかかった相手にはパラドクスを仕掛けて
ダメージ付与も狙っていきたい所

もし弱ってる相手がいるようだったら
そいつを狙って、できるだけ数を減らすようにすんね
そん時は仲間との連携を常に意識して声掛け・行動するね

仲間の迷惑・行動の妨げになる行為だけはしないように気をつけるよ


「何とも回りくどい策を取ってきますねえ。とにかく信仰されたいのでしょうが……」
 本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)の言葉に、イクサ・スメラギ(かっとび特攻・g00251)もうんうん、と頷いた。
「しんこーって、なんかよくわっかんねーんだけど」
「恵まれまくりなこの私が生きてる限りは難しいでしょうね!」
「なるほど、そういうものなんだな!」
 そして息を吸うかのようにナチュラルに放たれた夏深の言葉に、なるほど! とイクサは感心したような声を上げるのであった。難しいことはわかんないけれども、あんまりにも自信満々に夏深が言うならきっとそうなのだろう、と元気に素直にそれを受け取ってイクサは天に指をさす。
「それじゃあ、この辺ワイヤー張ったから、気を付けてくれな」
「ええ。勿論注意しますとも。事前に声をかけてくださりありがとうございます! では行きましょう。イクサさんもお気を付けて!」
 任せろ、とばかりにイクサは走り出す。かっとんでいく。同時に夏深も移動を開始する。翼を広げて上空の身を隠せる場所へと移動した。
「それにしても早速この私の素晴らしさを知らしめる機会に恵まれるなんて、カフカは実に恵まれている!」
 身を隠しながらも何やら準備を始める夏深。その呟きを聞く者はいなかった……。

 イクサは走った。
「あっちか!?」
「ああ。あっちの方に走って行ったぞ」
 背後でイクサを追いかける声が聞こえる。ぎりぎり敵か、一般人か判別つかないぐらいの距離を保ってわざと細い路地へと飛び込む。事前にワイヤーを建物と建物の間に張り巡らせていた場所だ。
(無事に引っかかってくれたらいいけど……)
 イクサが若干心配したところで、背後から声が上がった。断片的に聞こえてくる声からは、ワイヤーが、とか敵か、とか聞こえてくるので、どうやら成功したらしい。
「だったらあれは敵か……!」
「いや、人間に見えたぞ……」
 逃げたイクサの気配を追って、ガーゴイルガンナーたちがイクサを追いかけてくる。足止めに貼られたワイヤーに何度もひっかけながら追いかけて来るので、イクサも声を上げた。
「くっ、このままじゃあ……!」
 若干分かりやすく、声が大きくなったのはご愛敬だ。あくまで無力な人間を装って、罠がある方向へ方向へとイクサは進んでいく。それに気付いて、ガーゴイルガンナーたちは追いかける速度をあげよう……とするが、ワイヤーに阻まれて、足の速い個体と遅い個体が現れ始めていた。……そして、
「はい、こちらからも行きますよ!」
 イクサが視線を向けた先、夏深の声は聞こえなかったが弾丸が放たれるのが見えた。弾丸はイクサのワイヤートラップにより、徐々にバラバラになって移動していたガーゴイルガンナーたちに襲い掛かる。
「!?」

「ふはははは。完璧! カフカの身の隠し具合は完璧ですよ! わからないでしょう。どこから飛んで来るのか!!」
 慌てふためくガーゴイルガンナーたちを、隠れた場所から夏深はご機嫌で見ていた。魔力の弾丸は敵を追いかけて行く仕組みなので、最初に敵を確認さえすれば夏深が隠れていても命中してくれる。
「いったい何処から放たれているのか……、敵はすぐには判別できないでしょう! そうして徐々に警戒と苛立ちを強めて差し上げる事ができれば御の字です!」
 まさにご機嫌である。完璧である。隠れているのだから襲われることもないし必ず当たるのだから心配する必要もない。
「別に攻撃が命中しなくてもいいですけども、命中すれば最高に気持ちがいいですね! 追い掛けていく攻撃なので当たるのは若干必然みたいな面がありますが……まぁそれはそれとしてカフカはやはり恵まれています!」
 うはははは。とご機嫌な夏深である。夏深である……が、
 問題点が一つ。
「ところでこの完璧な私に会えるという幸運を享受することができないという事は、ガーゴイルガンナーとやらにとっては不幸なことですが……」
 そう、彼は完璧に隠れていたので、
 ぼっちだったのだ。

「くそ、敵の襲撃か。どこから……」
「ええい忌々しい。まずはあの一般人の確保からだ!」
「なんかよくわかんねーけど、援護はすごい、うれしいなー」
 敵の焦る声もイクサののんびりした声も全く聞こえないところにいる夏深は一人ポジティブで回っている。そして背後から追いかけてくるガーゴイルガンナーが徐々に孤立していき、小さくてもダメージを受けてきているのを、イクサは肩越しに確認した。
「けど、俺だってそろそろカッとんでいくか」
 逃げるばかりでは性に合わない。イクサは追いかけてきているのが一体だけだと確認する。他と大きく離れてしまったのだろうが……、
「っし、いっくぜー!」
 立ち止まったイクサが、即座に竜骸剣を振るう。
「!!」
 驚いたような敵の叩き伏せ、そうして少しずつ、敵の勢力を彼らは削っていくのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!

紘冊・悠莉果
ここがTOKYOエゼキエル……私がいた世界、なんだね
ランちゃん(g00580)と一緒に行動し
彼女が鉄槌で暴れてる内に敵に見つかり難い射撃地点へ移動
空から襲って来る所を……サモン・バーバ!
こっちから奇襲するよ!

『フン! 魔女使いの荒い小娘だねぇ!』
魔女降臨で召喚し対空戦闘
冷気の支配者で大気圧を変化させて
敵の飛行に悪影響を与えるよ

更に冷気と瘴気で包む様に攻撃し不意打ち防止を狙い
武器改造したM1895の天使の心臓から炸裂弾を発明――生成し、発射!
皆、早く逃げて!
アタシ達ディアボロスが絶対守る!

『おっと、忘れなさんな』
槍と槌を振り回すバーバも残りを迎撃
着実に一体ずつやっつけるよ!

アレンジアドリブ歓迎!


伊斗浜・蘭華
紘冊・悠莉果(g01504)と行動します
信仰も知らない愚か者が暴れまわって世も末ですね。
さあ、逃げ惑う哀れな子らよ。神様の偉大さを、神様の魅力をとくと見るのですよ。
あ、逃げるのに必死ですね。そうですか。
では力を持って信仰の偉大さをしるしましょう。
とりあえず車等に身を潜め銃弾を回避しつつ、そのまま車等をパラドクスにて愚かで蒙昧な存在(敵さん)にぶつけるとしましょう。
そのまま飛んでいった物が引き裂かれそうなので、こちらも引き裂かれた瞬間カラミティ(ショットガン)で打ち抜きます。ですがここまではあくまでこちらに注意を向ける目眩ましです。本命は少女ユリカにお任せ致します。

(アレンジアドリブ大歓迎!)


 一方。
 それなりの数がいたはずなのに、いつの間にかあちらこちらに散らばり徐々に数を減らすガーゴイルガンナーたちは、ようやくその以上に気付きつつあった。
「仕方ない。はぐれた者たちは後で合流することにして、今戦える者たちを……」
 敵の親玉のようなものが声をかけ、頷いたガーゴイルガンナーたちが適宜散開しようとしている。
 それを、紘冊・悠莉果(復讐するは我等にあり・g01504)が静かに、見ていた。
「ここがTOKYOエゼキエル……私がいた世界、なんだね」
 何かを堪えるように呟いた彼女に、傍らにいた伊斗浜・蘭華(悪霊憑きの聖女・g00580)がこくりと頷く。
「信仰も知らない愚か者が暴れまわって世も末ですね。ですが、神様が正しい世界に導いてくれます。今は耐えるときですよ、悠莉果……」
「ランちゃん……」
「さあ、少女ユリカも共に神へ祈りましょう」
「ランちゃん……それはちょっと今はやめておくね」
 真面目な顔をしていった蘭華に、悠莉果は軽く頬を掻いてやんわりと断る。そうですか、とこだわりなく蘭華は頷いて、
「ではこれが終わったらともに祈り踊りましょう」
「!? 踊りも入るの??」
 どこまでが本気かわからない蘭華の言葉にそう返しながらも、悠莉果はガーゴイルガンナーの方を見る。蘭華の方もそれ以上は言わずに敵の方を見た。
「じゃ」
「はい、お気をつけて」
 そうして、さっと悠莉果はその場を離れる。そして蘭華は……、
「さあ、逃げ惑う哀れな子らよ。神様の偉大さを、神様の魅力をとくと見るのですよ」
 悠莉果が戦いを開始するのを見計らって、戦闘を開始するのであった。

「!?」
「何だ、あれは。人間……いや」
「敵か!?」
「刮目して下さい。これが神様の御業です!」
 どっせい!
 唐突に現れた蘭華の声とともに、徐にあちこちに放置されていた車が浮き上がった、
「どこまでも浅ましく恥知らずな者どもよ……ひれ伏し、恐れ、滅びるのです。今ここで!!」
 無茶苦茶に浮き上がり、ものすごい速度でガーゴイルガンナーに襲い掛かる車たち。そのあまりにも不意打ちすぎる不意打ちに、敵の方も一泊、間を置いた。その後で、
「と、兎に角襲撃! 上空から対処だ!」
「おう!」
「あ、逃げるのに必死ですね。そうですか。では……更なる力を持って信仰の偉大さをしるしましょう。ふん!!」
 上空に舞い上がり突撃の体勢を取る敵に、蘭華の方は車を遮蔽に迎え撃つ。
「蒙昧な存在よ……あくまで神に逆らうのであれば、容赦はしません!」
 上空にも車は追いかけてくる。神様すごい。そのままがすがす体当たりを繰り出す車たちを、まずは叩き落とそうと敵もまた攻撃を加えるが……、
「さすがに愚かなる虫けらの如き存在! 私ははあくまでこちらに注意を向ける目眩まし……。本命は少女ユリカにお任せ致しますよ!」
 それをまた蘭華のショットガンが撃ち抜いた。致命傷を与えられずともかまわない。あくまで彼女の仕事は派手に立ち回り神の存在を知らしめることなのである。あとは……、

「ランちゃん……頑張ってる! なんだかすっごい怖い笑顔してるけど……!」
 ある意味いつものコトかもしれない。
 そんなことを確認しながらも、悠莉果は敵に見つかりにくい射撃地点、ビルの中へと移動した。ごめんなさい、と思わずつぶやいて、音を立てないようにビルの開かない窓ガラスを破る。……これで良し。
「……サモン・バーバ! こっちから奇襲するよ!」
 丁度蘭華がご機嫌で上空の敵に向かってショットガンを撃ち込んでいるところであった、悠莉果の声にこたえるように、召喚されたのは……、
『フン! 魔女使いの荒い小娘だねぇ!』
『うん! さあバーバ、やっつけて!』
『ハッ! なにがうん! だい。老体に無理を言うわい!』
 いつものように毒づいて、黒の弾丸から召喚されたのは魔女の様な悪魔、『バーバ・ヤガー』だ。黒衣を纏った皺枯れた老女の姿で現れたそれは、妙に機械的な臼に乗り宙を浮かんでいた。それぞれの手に鉄槌と槍。そのまま老婆は鼻を鳴らして敵を見据える。
「まずは……冷気を!」
『はいはい』
 悠莉果の言葉に応えるように、老婆が強烈な冷気の場を作り出す。
「何だ??」
「どこから……」
「ほら、目の前がお留守ですよ!」
 飛行に悪影響を与えるほどのその力に、怪訝そうにする敵を蘭華がすかさず攻撃している音が聞こえる。
「皆、早く逃げてね……! アタシ達ディアボロスが絶対守るから!」
 ここにはいない、けれどもどこかで逃げまどっている一般人に、悠莉果は思いを寄せてそしてリベルタM1895を構える。この戦いが、彼らの助けになる。それを思いひとつ呼吸を整え、召喚弾ではなく通常弾へ。そのまま「天使の心臓」より炸裂弾を作り出し……、
「そしていつか……この世界を、皆で楽しく暮らせる世界にするから!」
 そうして、撃った。無防備だった敵を、撃ち抜いていく。
『おっと、忘れなさんな』
 槍と槌を振り回す老婆も即座に飛び出して追撃した。蘭華にかかりきりだった敵たちは、思わぬ不意を突かれ、
「着実に一体ずつやっつけるよ!」
 悠莉果の攻撃により、その数を減らしていくことになるのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【避難勧告】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

ディゼラータ・ネイディアラ
アドリブ歓迎

中々迂遠な戦略でアドバンテージを取ろうとしてくる連中だな…
だがまぁ、そうやって面倒な戦略をとってくる相手は戦っていて愉しいのでな…興は乗る…面倒ではあるが…
一先ず、逃すわけにはいかないだろうな

虧月を構え、戦闘開始
銃撃のメリットを生かされぬように、しかし槍の間合いは生かすために中・近距離を保ちながら、攻め気を出し過ぎず、妨害のための呪術と共にゆっくりと削っていく
崩れた相手を見つけたら、他へは防衛妨害行動だけに移行して
【呪妖:悉葬】展開
波状へと変えた呪いで以て攻撃し、確実に落としていく


奉利・聖
大きなゴミを掃除する前に、まずは小さいゴミから着手しましょうか!
その大きな体で銃まで持って、強いとお思いになられてます?
申し訳ないのですが…たとえゴミが何を持ち、何を行使しようと
──綺麗に掃除するのが、掃除屋というものでして

まずはその銃、いただきます
周囲にあるもの、あるいは自前の掃除用具を<投擲>します
狙いはその両手…銃を落とさせるのが狙いです
首尾よくいったなら、接近に対してすれ違うように前に出て銃を回収
振り向きざまに射撃、もう一人おまけに射撃です
弾切れを起こしたら銃を<投擲>
接近して落ちた銃を回収、殴りつけます

『掃除に必要なのは身一つのみ』
体現させて頂きました
お題は結構です どうせ払えません


 ディゼラータ・ネイディアラ(揺らめく星を喰らうモノ・g00054)はちらりと大通りに陣取る敵、ガーゴイルガンナーたちに目をやった。
「中々迂遠な戦略でアドバンテージを取ろうとしてくる連中だな……」
 すでに戦端は開かれている。他の仲間たちによってちりじりにされたガーゴイルガンナーたちは、思うように進めない有様にようやく自分たちを妨害するものがいることに気付いたようだ。反撃の指示を出すひときわ強そうな敵はまずは置いておく。何か支持のようなものをして、その強敵がそこから離れたところで、
「だがまぁ、そうやって面倒な戦略をとってくる相手は戦っていて愉しいのでな……興は乗る……面倒ではあるが……。一先ず、逃すわけにはいかないだろうな」
「まあ、そうですね。大きなゴミを掃除する前に、まずは小さいゴミから着手しましょうか! 掃除のコツは順番に片付けていくことです!」
 あれこれ手を出そうとするの、だめ、ぜったい。ディゼラータの言葉にうん、と頷いたのは奉利・聖(クリーナー・g00243)であった。
「掃除残しも行けませんから。きっちり! 綺麗に! 端から端まで!」
「それもそうだな。では……」
 片っ端から潰そうか。と、言うなりディゼラータは駆けた。聖もそのまま武器を持たずに共に突入する。
「!」
「何者……!」
「語るに値せぬ」
 怨念と共に命を喰らい続ける大槍を振るう。その穂先が鉱石の体をとらえた。がっ、と硬い体に刃が食い込む。
「……っ!」
 ぶん、と全力で槍を回して体勢を崩させた。一撃で切り裂けるとは思っていない。銃のメリットを生かされないように間合いを詰め、そして徐々に削って体勢を崩していければ十分だ。
「敵だ。総員構え……!」
「その大きな体で銃まで持って、強いとお思いになられてます?」
 襲撃者と相対している仲間のために銃を構えるガーゴイルガンナーたち。その一瞬を今度は突入した聖が逃さなかった。一見すると生活態度の悪そうな若者は、見かけ以上にことさら丁寧な口調でお辞儀をする。
「申し訳ないのですが……たとえゴミが何を持ち、何を行使しようと──綺麗に掃除するのが、掃除屋というものでして」
 ふ、とそれから聖が何かを投げて……。
「掃除道具ならそこら中にあるではないですか」
 いつの間にか聖はガーゴイルガンナーたちの武器を手にしていた。
「あいつ、いつの間に……!」
「まずはその銃、いただきます!」
 周囲にあった石を適当に投げつけて、聖は走っていたのだ。別に倒さなくともよい。少しその手が緩めば叙情だ。銃を落とした敵から、即座に聖は銃を回収する。
「ディゼラータさん! ちょっと派手に撃ちますが、援護入りますか?」
「必要ない。私の目の前の敵は対処できる」
「了解しました!」
 軽い口調で会話して、聖は奪った銃を撃ちこんでいく。振り向きざまに。そこまで狙いをつけずにどんどん撃っていく。
「『掃除に必要なのは身一つのみ』……。体現させて頂きました。お題は結構です。……どうせ払えませんからね!」
 撃ち込み、殲滅して行く聖。勿論敵も反撃はする。そのたびに武器を盾にしたりしてしのぐ。撃てなくなれば銃で殴り、敵の武器を奪うを繰り返していく。
「……さて、私の掃除は聊か乱暴だぞ」
 それを横目で見やって、ディゼラータもまた槍を振るった。薙ぎ払い、体制を崩れた敵に目を向ける。それ以外の敵を牽制しながら、
「【呪妖:悉葬】、展開……。Calamitas virtutis occasio est」
 己の魂と共にある呪いを開放する。波場へと変えた呪いが、体勢を崩した敵を押しつぶしていく。
「な……」
「もう、喋らなくていい」
 一体ずつ確実に。呪いは敵を飲み込んでいく。そのまま敵を喰らいつくすのを横目で見ながら、すでにディゼラータの目は次の敵をとらえていた。
「すぐに……皆飲まれるだろう」
 掃除というにはいささか暗いな、なんて。飲み込まれて行く敵を見送り思わずディゼラータは呟いて。微かに口の端を上げた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!

四五六・ナナコ
ルクスメイト(g00609)呼び名:メイちゃんと一緒に参加
アタイの秘書でありいつも一緒の頼れるパートナー、それは戦闘でも同じ

「相手の敵は、天使…か。」
戦闘前の敵の姿を見て、ふと同じ天使であるメイちゃんの方に視線を投げかける
返ってきたのはいつも通り無言だがその視線では気遣う必要もなさそうだな
「メイちゃんはメイちゃんだし、敵は敵だ!よぉし、いくぜぇメイちゃん!」
覚悟完了!ぶっ潰す!

顕現せよ、黄金果実の極彩世界(ロード・バナナワールド)で敵を攻撃。
メイちゃんが前に出てくれるのでその後ろからバナティック・シリンダーを黄色多めにセット、敵はバナナ色に染まる!
「その天使の羽根をバナナにしてやんよぉ!」


ルクスメイト・ケーニッシュ
四五六・ナナコ(g00005)と行動
ナナコと呼びます
戦闘面では共に戦うパートナー
私生活では秘書とか家事手伝いみたいなことをしています

戦闘前にこちらを見るナナコに疑問符で返します
思っていることは(「悪魔の方が食べやすそうなのですが」)くらい

魔骸連刃で作り出した剣を持って前衛に出ます
ナナコには傷一つつけさせません
空中戦ならこちらもやれますよ
武器は幾らでも作れるので使い潰していく戦法で戦います

羽根をバナナに……?
我がパートナーながら恐ろしいことを言いますね


 オフィスビル街で品川勢力のクロノヴェーダたちへの妨害や戦いが繰り広げられているころ……、
「相手の敵は、天使……か」
 四五六・ナナコ(ドクトル・バナナユーザー・g00005)は物陰に隠れながら、そっと隣にいるルクスメイト・ケーニッシュ(銀の湖面・g00609)を伺った。ナナコ曰く「アタイの秘書でありいつも一緒の頼れるパートナー!」なルクスメイトの様子が少し、気になったからである。
 二人の視線の先には、剣のような翼をもち、移動するソードメイデンの姿が見られる。それが彼女らのこのたびの敵だ。幸いにも、二人の伺っているソードメイデンは少し離れたところにおり、襲う予定の一般人の姿を見つけられてはいない。ゆえにこうして一度、様子をうかがうことができるのだ。とはいえそれも時間の問題だが……、
(でも……同じ天使、だから……)
 戦う前、ほんの少しナナコは心配していた。だからルクスメイトに視線を向けたのだ。……それで当のルクスメイトはと言えば、
(悪魔の方が食べやすそうなのですが……。おや、ナナコ。どうしましたか。お腹がすきましたか?)
 はて? と無言で、蹴れども不思議そうな視線をナナコに返すのであった。私生活では秘書とか家事手伝いみたいなことをしている身としては、お弁当位作ってきた方がよかったでしょうか。と思うルクスメイトに、ナナコは目元を和らげる。
(あ、なんか、大丈夫みたいだ。気遣う必要もなさそうだな……)
 やけに呑気な視線に、ナナコはうん、と頷いて。そして軽く両手で己の頬を叩いた。
「メイちゃんはメイちゃんだし、敵は敵だ! よぉし、いくぜぇメイちゃん!」
「はい、お任せください」
「覚悟完了! ぶっ潰す!」
「ぶっ潰す……了解です。潰します!」
「あ!! 潰すは言葉の綾だかんな! いい感じに倒す! オーケー?
「はっ。了解しました」
 放っておけばそのまま受け取って潰すにこだわりかねないので、一応言っておくナナコに、ルクスメイトは丁寧にお辞儀をして了解の意を示す。そのまま前に出たのはルクスメイトだ。
「!?」
「ナナコには傷一つつけさせません」
 敵もまた、二人の存在を感知する。即座に剣の翼を広げて、数体。二人へ向かって突撃した。
「……行きます!」
 ルクスメイトは即座に刃を作り出す。刃と刃の合わさる音がする。て数多く舞うように攻撃してくるソードメイデンに、ルクスメイトも零世に刃を返す。戦い、刃こぼれすればまた次の刃を作り出し、
「空中戦なら……こちらもやれますよ」
 武器は使い潰す! 斬りおろしを防ぎ、砕けた武器に即座に新たな武器を作り出しながら対処するルクスメイトに、
「ふっふっふ。油断したなー! 染まりな、アタイ色の世界にな! バナナの世界に頂点はクイーンだけ!」
 ナナコが動く。ナナコは各種極彩色のペイント塗料を詰め込んだ戦闘中でも扱い易い試験管……の中に、基本黄色味多めを選んでセットしていた。
「そいや!! その天使の羽根をバナナにしてやんよぉ!」
 命名バナティック・シリンダー。それをナナコは天使の羽に投げつける。
「敵はバナナ色に染まる!」
「羽根をバナナに……? 我がパートナーながら恐ろしいことを言いますね」
 思わず感心したように言うルクスメイト。なんだか冗談っぽくなっているが、勿論ちゃんとした攻撃法である。色付きの攻撃によろめきながらもその剣を敵がナナコに向けるので、
「先ほども言いましたが……ナナコには傷一つつけさせません」
 ルクスメイトがすかさずそれを斬り防いだ。その間にもナナコはもう一撃の準備をしていて、
「よぉし、もう一回!」
 すかさず試験管を投げつけて、敵の数を徐々に減らしていくのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!

成田・蒼空
心情
新宿駅からの初出勤で興奮気味
今日も元気に敵を殴ろう
人を傷つけることは酷いので暴力でわからせたい

行動
聞こえてくる人の声をたよりにターゲットを見つける
派手に登場して注目を集めつつディアボロスが助けにきましたよアピール
ストリートストライクで、路地で拾った自転車を両手でもって振り回して敵に攻撃する
壊れた自転車を敵に投げつけて「あー、チャリ壊したー!いけないんだー!ちゃんと持ち主に謝りに行けよなー!」と言って敵を煽る

セリフ
「ウェーイ!蒼空ちゃんの初出勤記念日でーす!今日もお仕事ガンバルぞー!」
「今日のテーマは悪・即・斬!でいきたいと思いまーす!悪い子はどんどん殴っちゃおうね♪」


アリア・パーハーツ
◆目的
一般人を保護しつつ大暴れがしたい

◆行動
単独で参加だが周囲の参加者との連携はする
好き勝手やるが、邪魔になるような行為はしない

必要があればちょこっとくらい街も破壊して武器とする
意識を此方に向けさせる
「はァい、ボクと遊びましょ!」

人のいなそうなオフィスに忍び込んで、机や椅子を利用
うまく見つからなければ、自らの魔晶剣をぶん回す
ストリートストライクで敵の意表をつくようにする

一般人に被害が及びそうなら迷わず助けるが優しくはない
「はいはい、邪魔」
同じディアボロスを庇う時は優しめ
「だいじょーぶ? んじゃあ頑張れ!」

高いヒールの音を鳴らして、戦場を駆け巡る
混戦するほど楽しいと思いながら


「わーわー初出勤! 今日も元気に敵を殴ろう! 人を傷つけることは酷いので暴力でわからせたい」
 若干矛盾したことを言いながら駆けて行ったのは成田・蒼空(✨💃パリピ💅✨・g00751)だ。
「なるほど。今日は大暴れの日だね」
 そんな蒼空の言葉を訂正せずにひとつ大きく頷いたのはアリア・パーハーツ(狂酔・g00278)だ。
「ああ保護。そういえば一般人の保護もするんだね……。まあ、お互い好き勝手やろうじゃないか」
「おうよ!」
 どちらかというと大暴れしたいアリアの言葉に、蒼空も気にせず走って行く。
 丁度走って行く方向に……数人の一般人と、それを追いかけるソードメイデンたちの姿が見えた。

「ウェーイ! 蒼空ちゃんの初出勤記念日でーす! 今日もお仕事ガンバルぞー! そぉれ!」
 蒼空が放置されていた自転車をむんずと手に取る。そうしてそのままぶんっ! とソードメイデンたちの背中に投げつけた。
「あー、チャリ壊したー! いけないんだー! ちゃんと持ち主に謝りに行けよなー!」
 言いながらも、瞬く間に接近する。もう一個確保していた自転車を手に取り、そのままそれで敵が振り向いた瞬間を狙い、その体をぶん殴った。
「な……!?」
 驚いたような声は一般人から。ソードメイデンはキチキチキチキチキチ、と奇妙な金属音を立てて振り返る。即座に剣の翼を広げるあたり、対応が早い。
「はいはい、邪魔」
 良いせ、と後から追いついたアリアが腰を抜かしそうになっていた一般人をぶん投げた。勿論、怪我しないように加減はしているが基本優しくはない。容赦なく敵から離すようにぽぽいと投げていく。
「はーい! 助けに来ましたよー!! っと。そーして、今日のテーマは悪・即・斬! でいきたいと思いまーす! 悪い子はどんどん殴っちゃおうね♪」
 助けに来たといいながら物騒なことを宣い続ける蒼空はそのまま振り下ろされた刃を自転車で受ける。みし、と歪む自転車に気にせず、蒼空はそれを盾のように押し込んでそのままぶっ叩く。
「だーから。自転車壊しちゃだめだって!」
 なんて言いながらも、敵を殴り続ける蒼空。囲めと、言葉にはならないが言うように動くソードメイデンたちを、
「はァい、ボクと遊びましょ!」
 アリアが阻んだ。手にしていたのはカフェのテラス席に設置されていた傘だった。それで視界をふさぐようにアリアは傘を突きつけて、
「混戦するほど楽しいんだよ! ほら、たっくさん遊ぼう?」
 手を離し、即座に机に持ち替え剣の翼を殴りつける。
 金属が擦れる甲高い音を立てながら、ソードメイデンが吹っ飛んだ。
 もちろん、敵たちもやられているばかりではない。
 翼の剣を広げ、一斉に二人と、そして逃げ出す一般人へと襲い掛かっていく。
「あー! 弱い者いじめカッコワルイ!」
 一般人に向かった方に、すかさず蒼空が自転車二号を投げる。そのまま今度は拳をぐりんと固めて、
「ご注文はグーパンですね! かしこまりー」
 一般人を追いかけるソードメイデンを追いすがり、ぶん殴った。助けたいという気持ちよりは、単に自分から逃げるのが気に入らなかったのかもしれない。
「!」
 きちきちと声をあげて、蒼空に向かおうとしていたソードメイデンが襲い掛かる。それを今度は庇うようにアリアが魔晶剣をぶん回して止めた。
「だいじょーぶ? んじゃあ頑張れ!」
「はいはーい。頑張っちゃいますよー!」
 あくまで明るく、しかし助ける気が微塵もない二人の戦いは、周囲から敵の影が消えるまで続いた……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【強運の加護】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!

小比良・恋子
触れるな。

真っ先にすべきは護ることです。生かす、ことです。
駆けて、翔んで、襲われる人の背後に、
敵の眼前へ向かいましょう。

無双馬をひとの盾に、刃は握った剣で受け止める
…いいえ、受けきれなくても、せめて流しきります

この剣も、翼も、クロノヴェーダのもの
けれどこの心は私のもの!
私たちは私たちの意志で、力で、生き延びて取り戻すの…!
あんなやつらを信じたりしないで!
逆手に握りしめた手が痛いくらい
籠る力を、敵を貫く力に

剣を交えれば、その分襲いに行ける手も減らせる
立ち塞がるの

綺麗事でいのちが繋げるのなら、えぇ、いくらでも
そうではないので、この身、この力で
他のひとにも翼の力を分けて、きっと、みんなでなら、もっと


宇佐見・莉子
天使だか悪魔だか知りませんけど、どっちもクロノヴェーダとやらならボコるまでです!

といっても私、飛行ユニットで突っ込んで撃ちまくるか突っ込んで爆撃鎚叩き込むかしか出来ないっぽいんですよね。
なのでまずは空中戦に持ち込み、散発的な銃撃や挑発で市民や他のディアボロスから目を逸らさせつつ機動力で敵の群れを撹乱。
少しでも全体が有利になるように立ち回ります。

敵の陣形に穴が空いたら【ヴォーパルエアレイド】を敢行。
リスクは承知で一気に削りにかかります。


私がこうして先行して撹乱出来ればみんなも動きやすくなるはず、
正直めちゃくちゃに怖いですけど頑張ります……!


 少女が走っている。隣でともに走っていた母親の足がもつれて……倒れた。
 その隙を、翼が剣となっているソードメイデンが逃しはしない。翼を展開させ、その数多の刃を女性に突き立てようとして……、
「触れるな」
 ばっ、とたくましい馬が女性と敵の間に割って入った。それと同時に、剣が翻る。いくつかの剣はその馬の体を傷つけ、いくつかの剣は小比良・恋子(花筺・g02247)が魔晶剣で薙ぎ払った。
「ごめんね。少しの間……お願いよ」
 囁くように恋子が言うと、馬は任せろとばかりに日詰を鳴らして敵の前へと立ち塞がる。
「……」
 ソードメイデンは、無言。無言であまたある翼を再び広げ、そして剣を叩きつけた。
「……っ、これ以上は……受けきれなくても、せめて流しきります……!」
 対抗するように声をあげ、恋子は剣を振るい続ける。敵は一体ではない。複数が恋子に向かってきていた。それでも、守り切ると。濃い子が真剣に前を見据える……その時、
「うっひゃあ無理無理死にますって、これは純然たる弱音ですー!!! ああああ突貫────!」
 凄まじい叫び声とともに、上空から飛行能力を生かして突進してくる存在がある。宇佐見・莉子(エアレイド・ラビット・g02290)であった。莉子は全力で交戦中のたくさんいるソードメイデンの中へと銃を撃ちながら突進してくる。半ばやけくそである。
「こ、ここここここっちです!! 天使だか悪魔だか知りませんけど、どっちもクロノヴェーダとやらならボコるまでです!」
 ついてきなさーい!! と、半ばやけくそで再び宙に舞い上がる莉子。
 即座に対応に動き出すソードメイデン。反芻が莉子を応用に舞い上がっていく。もう半数も、一度上空を気にするように伺った・・…ところで、
「助かりました。あなた様もお気を付けて」
「はあああああい。そっちも気を付けてくださーい!」
 言葉を交わしたのは一瞬だけ。半分を受け持って飛んでいく莉子。しっかりソードメイデンがついてきているのを確認すると、半泣きになりながら急停止する。
「ちょっともう、いっぱいいっぱいなんですけど……っ!!」
 次はそのまま爆撃槌に握り替える。追いかけるように突っ込んできたソードメイデンを握りこみ、莉子はそのまま敵をぶん殴った。めいめいビックサンダーであるが、特に雷の効果があるわけでもない。ぶん殴って、ぶん殴って、そして軽機関銃に持ち替えて撃つ。
「ううう私、これしか出来ないっぽいんですよね……!! でも、少しでも有利になるなら……!」
 怖い。けれども泣きそうになりながらも莉子は槌を振るう。破壊されて地に落ちるソードメイデンに目を向ける暇もない。次から次へと襲い掛かる攻撃を受け流し、そして叩き伏せる。
「私がこうして先行して撹乱出来ればみんなも動きやすくなるはず……!」
 その声に応じるように、ギンと放たれた刃が莉子の頬を裂いて、
「うぅぅ正直めちゃくちゃに怖いですけど頑張ります……!」
 泣きそうになりながら、莉子は腕を振り回すのであった。

 一方。
 恋子の方も、ただひたすらに刃を振るい続けてきた。
 同時に魔力の弾丸を敵へと叩きつける。
 空が飛べれば、もっと恋子も楽に戦えただろう。
 けれども、彼女の背には守るべき人がいる。
「お母さん……お母さん」
「ああ……よかった」
 ほっとしたような、心からの声を聴いて、恋子は強く、強く己の獲物を握りしめる。逆手に握りしめた手が痛いくらいに。
「……この剣も、翼も、クロノヴェーダのもの。けれど……この心は私のもの!」
 叫ぶ。目の前の敵に宣言するように。背後の人々に語り掛けるように。
 おい、大丈夫か、と、誰かが走ってくる声がする。この声もきっと一般人だ。背に庇っている恋子には見えない。ソードメイデンと戦う恋子を、集まった人々が信じられないものを見る目で見つめていた。
「私たちは私たちの意志で、力で、生き延びて取り戻すの……! あんなやつらを信じたりしないで!」
 ああ……と、感動したような声が聞こえる。その希望が、もしかしたら重く感じたかもしれない。品川の大天使の代わりに、彼らは恋子を信じたのだ。……それは、
「……綺麗事でいのちが繋げるのなら、えぇ、いくらでも。けれどもこの世界はそうではないので、この身、この力で切り開くの。……ええ。きっと、みんなでなら、もっと!」
 声を上げる。たくさんの人が今戦っているから、その人たちにもどうか想いが届くようにと声をあげて。
 力を込めて、その思いをのせて敵を貫いた。破壊される敵を前に、恋子は天を見上げ深呼吸するのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

 そして、残るはアヴァタール級の悪魔を残すのみとなった。
 護衛のようにつかず離れずにいたガーゴイルガンナーが数体あるが、そこはさほどの脅威ではないだろう。
 場所はオフィス街のど真ん中。左右には高層ビルが立ち並んでいる。
 敵もさすがに警戒しているので、奇襲は難しいかもしれないがどこからでも攻撃は可能だろう。
 さあ……此度の戦いにおいて、最後の戦闘が今、始まろうとしていた。
夜久野・螢
心情:
流石にボスのアヴァタール級の
悪魔は手強そうだな
仲間のディアボロスとも
連携して数の利を活かそう
積み重ねた先に勝ちがあれば良い

行動:
予想される敵の攻撃は
眼光からの近接攻撃らしいので、
自分も飛翔してビルの合間を移動
吹雪で視界を覆うよう攻撃を仕掛ける
足元でも凍らせて動きを
鈍らせられたら御の字だけれど
あくまで倒す為の布石として
足止め役に徹しよう

近接が得意でもないのは
直ぐに見抜かれるだろうけど一撃くらいは
魔力を宿した鍵の杖で受け止める
至近距離で暴発させる魔力でも喰らっとけ

アドリブ歓迎


ディゼラータ・ネイディアラ
アドリブ歓迎

さてさて…しっかりと首魁は潰しておかないと…此処まで進めた意味も無くなってしまうからな…油断は良くないが…殺すために立ち止まってはいかんからな…
其れじゃあ、決戦といこうじゃないか…

黒々しい・呪詛を込めた虧月を構えて戦闘開始
槍の間合いは取りながら、防御主体に立ち回り、呪いと槍によって端から・破壊して削っていく
受け流しと先んじての攻撃妨害も絡めて、周囲に味方がいるのなら其方が攻撃を集中できるように
隙が出来た処で「呪妖:悉葬」を展開
球状にして展開し、立ち回りの妨害と共に徐々に接近させて攻撃
その間も只管間合いを図って攻撃を繰り返す

(能力アップ・ダメージアップ・命中アップ)


 最後の戦い、剛体の悪魔との戦闘は、
「さてさて……しっかりと首魁は潰しておかないと……。此処まで進めた意味も無くなってしまうからな……」
 ディゼラータ・ネイディアラ(揺らめく星を喰らうモノ・g00054)のそんな言葉から始まった。
「油断は良くないが……殺すために立ち止まってはいかんからな……」
 言いながら、再び彼女は大槍を構える。その槍はすでに呪詛がこめられ黒黒しく輝いていた。
「其れじゃあ、決戦といこうじゃないか……!」
 走る。敵がそちらの方を向く。走った瞬間、夜久野・螢(青の鍵・g02441)もまた空を駆けていた。
 敵がディゼラータに気付く。その拳を固めひとつ、方向のようなものを上げた。
 攻撃ではない。だが、空気が震える。
「流石にボスのアヴァタール級の悪魔は手強そうだな……っ」
 思わず、飛翔しながらも螢はそう口の中で呟いた。
(のんびりしていて勝てる相手じゃない……連携して、地の利を生かして……)
 考えろ。螢は奴のような近接攻撃は苦手だ。ならば距離を取り……ビルの合間を移動する。
(空から……少しでも動きを鈍らせられたら御の字だけれど……!)
 魔術を紡ぎ出す。螢が作り出すのは敵を凍てつかせる吹雪。
 敵がこちらに気付く。ひるまず螢は声をかけた。
「足止めは任せろ。攻撃も、一撃くらいは……」
「ああ……助力に感謝する」
 あくまで倒す為の布石として。そういう螢にディゼラータは頷いた。
 吹雪はディゼラータを凍らせはしない。拘束でディゼラータに接近する敵の動きが弱まった。周囲のガーゴイルガンナーたちも、銃を構える手が鈍る。
「……遅い」
 まずはガーゴイルガンナーを渾身の力で槍を叩きつけ、破壊する。それからぐるりと槍の穂先を最後のボスへと向けた。敵はディゼラータの槍を拳で受ける。
「Calamitas virtutis occasio est……」
 敵の手が塞がった。その隙を見て、ディゼラータは再び星を呑む呪いを溢れさせる。球体をいくつも作り出し、展開していくと、
「……っ」
 方向。それとともに鋭い眼光が螢をとらえた。気付けば螢の顔面に拳が伸びていて、思わず螢は魔鍵で受ける。
「大丈夫……か」
「ああ……!」
 大丈夫。と答えるや否や、ディゼラータが球体を敵の腕にぶち当てる。どうやら腕を長く伸ばしたらしいが、それで敵の拳は消えた。
「侮るな……よそ見をしている余裕はないはずだぞ……」
 槍を振るいながらディゼラータが声を上げる。球体が徐々にその範囲を減らし、行動を圧迫していく。睨むようなディゼラータの言葉に、そうか。と、何やら得心が言ったように悪魔が頷いた。
「此度の戦い、邪魔をしていたのは貴様らだったか……」
「何だ。今更気付いたのかよ」
 螢が言う。その言葉にディゼラータも肩をすくめる。
「ずいぶん悠長なことを……言っているな……。お前はもう、呪いの中だ……」
「そうか。ならば」
 力強く、拳が降られた。思わずディゼラータは後退する。腕が掠る。掠っただけで嫌な音が、した。
「大丈夫か!」
 螢が冷気を振らせながら思わず声をかける。ディゼラータは嫌な方向に曲がった腕を一度。見て。
「ああ……。歯ごたえがないと思っていたところだ……。これくらいでちょうどいい……!」
 そのまま、槍を握りこんで強く、強く振るった。
 攻撃を受けながらも、二人は着実に敵にダメージを与えていく。
 そして……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【悲劇感知】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!

平楽・泰良
俺が戦わずに済むならそれはそれで助かるんですけど
そうも言ってられないですかね。
(ボスが視界に入る位置に出てしまい)

復讐の刃で「スマートフォン」を出現させては投げつける。
まあ鈍器?らしいですから。
隙作るなり一撃入れられれば良しの精神。

敵の攻撃?
そんなの躱すか武器で受け止めるかでしょう。スマホですけど。
…はは、頑丈で良かった(復讐者となった身体orスマホを指して
/とはいえ今迄の感覚で痛いもんはやっぱ辛いし痛い)。
こっち来る前に攻撃とかで逸してくれると助かります。

助かりました、と一息ついて。
って、あれ、俺スマホどこやった?
(入れてたつもりのアイテムの方も投げていたらしく青ざめ)
はー、頑丈で良かった。


本郷・夏深
やっと堂々と暴れても許される時が来ましたか
いやはや恵まれてて良かったです!
それでは小賢しい愚か者を切り刻むとしましょう

『涼暮』に【ダメージアップ】
この鬱憤を晴らす為にも存分にズタボロにさせて頂きます
広げた扇で切り裂き、蹴飛ばし、舞って躱して翼で飛んで、全力で倒しにかかりたく
あ、目は片方だけでも潰しておいて損はないですよね
折を見て閉じた扇で刺し貫いておきますか
今の私は非常に気分が良いのでね、オマケの大サービスですよ

おやおや、【強運の加護】による黄金の輝きを前にして
その程度の輝きで私の精神を折れるとお思いでしたら心外です
そんな浅はかな考え方しか出来ないから、何も得られず此処で死んでいくのでしょうね


 平楽・泰良(平々凡々・g03637)は若干後悔をしていた。
 何を、と言われると少し難しい。しいて言うならば人生……かもしれない。
「俺が戦わずに済むならそれはそれで助かるんですけど……」
 思わず口の中で呟く。途方に暮れたように泰良は立ち尽くす。
「そうも言ってられないですかね……」
 目の前には強大な最後の敵がいる。どうしてこうなった、と泰良は思うのであった。
 そっと後は物陰からうかがうはずだったのに、うっかり目の前に出てしまったのだ。何の呪いだろうか。そして、
「やっと堂々と暴れても許される時が来ましたか! いやはや恵まれてて良かったです!」
 物凄いご機嫌な口調で泰良の隣には本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)が立っていたのだ。一人ぼっちで魔力の弾を撃ち込んでいた夏深なので、今、人のいるところで敵を目の前に相対している状態が楽しくて仕方がない。
「それでは我々で小賢しい愚か者を切り刻むとしましょう! ほら、こっちですよ! この雑魚が!」
「なんで! そんな! 挑発するようなこと言うんですか!」
 さよなら平穏。堂々と指を突きつける夏深に全力で逃げ出したい気持ちで思わず泰良は突っ込むが勿論逃げられるはずがない。敵がこちらを向く。こちらを向いたその瞬間、
「切り刻む……か。面白い!」
 敵が目の前に、いた。
「うわあこっち来た。こっち来ないでください」
 すかさず泰良はスマートフォンを投げつける。何がって「己の復讐の意思を具現化した「人類史に実在した武器」を出現させ、敵へと投げつけます」という技でスマートフォンを使って投げつけまくる。
「何ですかそれ、面白いですね」
「面白くないですけど、まあ鈍器? らしいですからっ」
 夏深の言葉に応じながら泰良は次から次へとスマートホンを創造して投げつけていく。
「とにかく、こんなんですが、好きでも作れたら。援護します……たっ」
 敵の蹴りが泰良のみぞおちを直撃する。思わずスマホを盾にするが勿論のこと粉砕される。
「はは……、頑丈で良かった。でも物凄く、痛いです」
「下がってください! ここはカフカがなんとかします」
「助かります。ちょっと距離を取りますよ」
 夏深が前に出て、慌てて泰良は一歩下がる。勿論ダメージは受けた。痛いものは痛い。苦しいものは苦しい。けれどもそれと同じぐらい、あの攻撃を喰らって「痛いものは痛い」程度で済んだ自分に対して思うことがないといえば嘘になる。
「兎に角、もう一度こっち来る前に……!」
 後退しながらも、泰良はスマホを投げつけた。
 それを目にやりながらも、追いかけようとした敵の目の前に夏深が立ちふさがる。
「おや。このカフカを置いてどこに行くつもりで? さっきのぼっちの鬱憤、晴らさせていただきますよ!」
 別にぼっちだったのは敵のせいではないのだけれども、高らかに夏深はそう宣言して扇を広げる。
「何を……!」
「ふん!!」
 鋭い眼光を夏深は回避する。逃れられたのは完全に運である。周囲が黄金に輝き、幸運の籠を夏深たちに与えているのだ。
「ふ……っ。この黄金に輝く私を前にして、その程度の輝きで私の精神を折れるとお思いでしたら心外です。そんな浅はかな考え方しか出来ないから、何も得られず此処で死んでいくのでしょうね!」
「あの。拳、来てますけど」
「おうふっ」
 どこで突っ込もうか悩んでいた泰良の言葉に、夏深がすかさず自分に迫りくる拳を回避しようとしてもしきれずにとらえられる。吹き飛ばされる夏深に、
「うわ……。こっち、です、よ」
 慌てて気をそらせるように、泰良はスマホを投げ続けた。できればこっち来てほしくないなあ、なんて思いながら。
 敵が夏深の方を向く。しかしそちらに向かって歩き出そうとした瞬間、
「しかーし、カフカの輝きはそんなことでは消えません!」
 貪欲と名のつく扇を手に、夏房は泰良の前へと立ち、
「蝶のように舞い、蜂のように刺す! カフカの舞を見られるあなたは恵まれてますよ」
 扇を広げ、切り裂き、舞う。全力で倒しに行く夏深は、
「あ、目は片方だけでも潰しておいて損はないですよね。折を見て閉じた扇で刺し貫いておきますか!!」
 なんて言いながらも始終ご機嫌で攻撃を続けているので、
「助かりました……あっ!!」
「はい!?」
「えっ、あれ、俺スマホどこやった? まさか……まさか!」
「ちょ、私の勇姿を見ていてくださいよ!! どこいくんですか! ぼっちにしないでください!」
 急に走り出す泰良。今まで敵を恐れていたのもなんのその。物凄い勢いで敵に接近し、敵を素通りし、その背後に回り込み、
「はー、頑丈で良かった……」
 一緒に投げつけて閉まっていた、自分のスマホを手に取り画面を確認してほっとするのであった。
「あの、敵を……!」
「はい、大丈夫です」
 丁度いい感じに目つぶし出来たのに。と声を上げる夏深に、泰良も敵へと向き直る。
 そんなこんなしながらも、ダメージは着実に重なっているのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【強運の加護】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV4になった!

天音・梓
◎心情
周りの敵は消えました、復讐者の技は共鳴し合って、弓はいっぱいまで引き絞られました。であれば私のやるべきことはその弓を放つことだけです。

◎行動
パラドクス《銀箭》により水の矢を連射して攻撃します。
集中豪雨と行きましょう、別に私だけであなたを倒せるなんて自惚れてはいませんよ、豪雨で視界を少しでも奪えさえすれば良いのです。(訳:命中アップで味方を援護します)

攻撃が終わったら視覚を少しでも奪いつつ周囲の建物を利用して隠れながら牽制の弓を射て、集中力を奪うことに専念しましょう。後は他の人が決めてくれるでしょうから。

◎味方をディフェンスします
もし私が射ち落とせる攻撃と余裕があれば敵の攻撃を射抜きます。


セルマ・クロウリー
ひとしきり翻弄して
時間稼ぎはこのくらいで十分でしょうか

私だって我慢していました。彼らへの怒りは常に燃えているので…
共闘した人たちと共にこれまでとは異なり正面切っての戦闘態勢を取ります

サーヴァントには周辺警戒をお願いします

護衛も無き今、あとは貴方を片付けるだけです

残留効果も積極的に活用
私一人では敵わないかもしれない相手でも、共に戦う仲間となら!

剣を抜き放ち、魔骸連刃でそこにデーモンの刃を付加して切り結びます
近接戦闘中心、受けるよりいなして次の手につなげるスタイル
相手の攻撃に自分の精神が折れることはないという強い意思で立ち向かいます

かつて喰らった悪魔同様、ここで消えて下さい


「周りの敵は消えました、復讐者の技は共鳴し合って、弓はいっぱいまで引き絞られました。であれば私のやるべきことはその弓を放つことだけです」
 天音・梓(雨音・g03821)はすっと前を見据える。梓は建物の陰に隠れながら、それでも確かに正面を向いていた。
「ご自身の意思で前に立つのでしたら、石でも穿ちます」
 引き絞る弓はない。僅かに口の中で梓は呟く。呟くと同時に水の矢が周囲に展開された。
 視界の先で、セルマ・クロウリー(Demon's Jail・g02861)が走っているのがわかる。それを見ながら、
「集中豪雨と行きましょう、別に私だけであなたを倒せるなんて自惚れてはいませんよ、豪雨で視界を少しでも奪えさえすれば良いのです。……私は、あなたを倒すことにこだわらない」
 水の矢が放たれた。雨あられと。それこそ豪雨のように水の矢が圧倒的な量で持って敵へと放たれる。光を浴びて輝く様は銀の矢の如く見え、そして敵へと殺到した。
 セルマも、梓の放つ水の矢には気付いていた。援護を受けて、彼女は駆ける。
「時間稼ぎはもう十分。私だって我慢していました。彼らへの怒りは常に燃えているので……!」
 正面を切って、迫る。すでに護衛は仲間たちが片付けてくれていた。セルマは杖のようにも見える剣を握りしめる。サーヴァントのシトリーちゃんは周囲を警戒するために空を舞っていた。
「何だ、これは……!」
「護衛も無き今、あとは貴方を片付けるだけです!!」
 突然の水野谷に思わず声を上げる敵の体に、真っ向から退治してセルマは剣を突き立てる。
「私一人では敵わないかもしれない相手でも、共に戦う仲間となら!」
「小癪な……。敗者はいくら群れても、敗者なのだ!」
「その台詞、負け惜しみにしか聞こえませんよ!」
 もはや遠慮をする必要もない。剣にデーモンの刃を付与し、そのままセルマは殴りつける。
「ぐ……っ!!」
 反撃の目が開く。魔力の輝きで敵はセルマを圧倒しようとして、
「させない……。私、そういう生意気な目は嫌いです」
 冷静に。梓が水の矢を連続して敵へと叩きつけた。集中力を奪い、牽制する。拳を水の矢で射貫く。そうやってじっくりと、着実に。梓は敵を射抜き援護していく。
「……」
 セルマと梓。互いに顔も見えないほどの距離だが、
「私は……信じでいます! 今、私を守ってくれる仲間がいると。そして……私の心は、決して折れることはありません!」
「……」
 こそばゆい。遠いけど声だけは聞こえるので梓はむぅ、とわずかに口元を歪めた。歪めると同時に水の矢の物量が増す。セルマへの攻撃を押し返し、敵の動きを妨害する、水の矢。
「くそ……っ。こんな相手に……!」
「かつて喰らった悪魔同様、ここで消えて下さい……!」
 援護を受けて、セルマの刃が走る。強く握りこんで、そうして叩きつけるように敵の体を突き刺した。
「が……!」
 短い悲鳴。悲鳴とともに敵の体がどうと倒れる。
「油断、してはいけません」
「はい!」
 すかさず梓が言う。その言葉にうなずいて、セルマが的確にとどめを刺した。
 断末魔の。言葉にならないすさまじい悲鳴が周囲に響き渡る。
「……っ、敗者でも……最後には勝ちます。必ず……!」
 その声を聴きながら、セルマはそっと、己の手にしていた剣を、強く強く握りしめた。
「そうですね。まあ……」
 梓が、いつの間にかセルマの後ろに来ていた。実のところ倒した瞬間セルマに駆け寄ったのだが、直前に踏みとどまったのは意地っ張りなところ。僅かに嬉しそうな顔をにじませて、梓は小さく呟いた。
「私は私にできることをするだけですよ」
「……はい。この外の世界で、私たちにできることを……」
 梓の言葉を、かみしめるようにセルマは聞いて、
「……頑張りましょう」
 ほんの少しだけ、穏やかな表情で、微笑むのであった……。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【書物解読】LV1が発生!
【活性治癒】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2021年08月25日

品川区の大天使による港区侵攻作戦

 アークデーモンによる残虐な作戦が行われている港区に対して、隣接する品川区の大天使が、侵略を開始しています。
 品川区の大天使は、アークデーモンの残虐行為を阻止し、港区の人々を自らの信者とし、ゆくゆくは港区を併合して、TOKYOエゼキエル戦争の覇者となろうとしているのです。

 品川区の天使よりも先に、残虐行為をするアークデーモンを撃破し、侵攻してきた港区の大天使の撃破し、その野望を食い止めてください。

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🔒
#TOKYOエゼキエル戦争
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#品川区の大天使による港区侵攻作戦
🔒
#品川区


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選択肢『遅滞戦術』のルール

 移動しようとする敵に対して、散発的な攻撃を仕掛けるなどして、敵の移動を遅らせます。
 敵を警戒させたり、虚偽の情報を与えて敵を欺くといった作戦も可能しょうす。
 進軍してくる敵の情報や、周囲の状況、可能な遅滞戦術の種類などは、オープニングやリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】👿のリプレイが一度でも執筆されると、マスターはこの選択肢のリプレイを執筆できなくなる。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾一般人を襲うトループス級『ソードメイデン』のルール

 周囲の一般人を襲撃するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 放置すると村や町を破壊したり一般人を虐殺してしまうので、被害が拡大する恐れがあるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『ガーゴイルガンナー』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『剛体の悪魔』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。