コーサノストラ、ハワイ沖の海戦

 冥海機ヤ・ウマトのイースター島から出撃したハワイ攻略艦隊は、大本営のあるハワイに接近していましたが、大地の奪還に伴い状況は大きく変化しました。
 ハワイ大本営と周辺海域は、冥海機ヤ・ウマトと空想科学コーサノストラの協定により、コーサノストラの領域となったのです。
 大本営に残留していたジェネラル級冥海機は、空想科学コーサノストラの傘下に加わり、防衛態勢を再構築したようです。

 ですが、ハワイに接近していた攻略艦隊の艦艇『あらかわ』『えどがわ』もまた、空想科学コーサノストラのハワイ沖で健在です。
 パラドクストレインを使って2艦へ移動し、再びハワイへ進軍。迎撃に出て来る冥海機の軍勢を蹴散らし、真珠湾への道を切り開いてい下さい。

コーサノストラに編入された冥海機たち(作者 大丁
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#空想科学コーサノストラ  #コーサノストラ、ハワイ沖の海戦  #冥海機ヤ・ウマト  #冥海機  #ハワイ 


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 真珠湾の海軍司令部では、ジェネラル級冥海機『戦艦長門』が今後の方針を伝達していた。
「皆、理解していると思うが、冥海機ヤ・ウマトは滅亡した」
 別のジェネラル級が黙って頷く。
 彼女の眼は見開かれ、青い瞳が冷たい熱を放っているかのようだ。
 長門は説明を続ける。
「だが、ディヴィジョンが滅ぼうとも、冥海機は滅んでいない。超大和様の取引により、ハワイ鎮守府は、我等冥海機の手に残されたのだ」
 海戦装と一体化した席で、ひじ掛けに寄りかかった。ふたりのジェネラル級も、自身ありげに各々の装備を誇示する。
 ひとりは、航空甲板を。
 もうひとりは、三連砲塔を。
「このハワイ鎮守府で、ディアボロスを撃退し、我ら冥海機の有用性を示せば、ハワイ周辺海域の自治が約束されている」
 頬杖をつき、悠然と構える長門。
 同じく海戦装に座る、ツリ目のジェネラル級が口元を引き締めた。
 真珠湾と強い縁のある戦艦名をもつジェネラル級は金属の爪をガチャガチャと鳴らす。
 長門を含めて、6人のジェネラル級による同意が確かめられ、ハワイ沖の哨戒を強化することが決まった。
「敵は、超大和様をも滅ぼした怨敵、ディアボロスである。ディヴィジョンを強奪したディアボロスに復讐を果たし、超大和様の最後の命令を果たすのだ!」

 新宿駅グランドターミナルには、新たに『空想科学コーサノストラ』行きのパラドクストレインが出現していた。
 依頼参加者が車内のロングシートに腰掛けているなか、背の低い女性が乗り込んでくる。
「はじめまシテ。ミーは、今回から時先案内を務めさせていただくことになった、パルピィ・フィクソン、デス」
 ぺこりと頭を下げると、『空飛ぶ円盤』風の帽子がパルピィ・フィクソン(人間の発明家・g11684)の体をすっかり隠してしまいそうだ。
「ミッドウェー海戦に見事勝利し、冥海機ヤ・ウマトを奪還する事が出来まシタ。歴史の奪還戦を行わずに、ディヴィジョンを奪還できたのは、海戦に参加したユーたちの活躍のおかげだったと聞いてマス。ミーはコーサノストラから新宿島に流れついたばかりのディアボロス。とても希望がもてるニュース!」
 パルピィは、先輩から貸してもらったという資料を掲出する。
「ユー、手伝ってほしいピィ♪」
 背が低くてチラシホルダーに届かないので、海図や画像は、ほかのディアボロスに持ってもらった。
「ハワイなど、コーサノストラに強奪された海域もありマス。しかしながら、イースター島方面からハワイ攻略に向けた作戦を展開していた事で、ハワイ以南の海域の多くも、最終人類史に奪還できまシタ。コーサノストラに強奪されたのは、ハワイ沖から北米大陸の西海岸に至る海域といった所デスネ」
 メモ帳をペロッとめくる。
「幻想竜域キングアーサーで行われたような海底探査はしていないので、海の支配領域の正確なところはよくわからない、というコメントももらってマス。ともあれ、ヤ・ウマトで建造した『あらかわ』『えどがわ』の2艦艇が、コーサノストラのハワイ近海で漂流していることが分かりまシタ。これも、奪還直前、ハワイに接近していた影響が大きいと分析されていマス。ナイスッ!」
 海図が示され、この2艦艇を目標にパラドクストレインでの移動も行え、このままコーサノストラのハワイに向けて進軍を続ける事が可能と説明される。
「ハワイ沖に近づけば、敵の哨戒部隊と接触する事にまりマス。この敵戦力を排除して、ハワイへ向かってほしいピィ」

 また、メモ帳がめくられる。
「ハワイには、コーサノストラのワイズガイも駐留しているはずデス。しかし、哨戒部隊は全て冥海機のようで、指揮系統もしっかりしているようなのデス。これは、ハワイのジェネラル級を含めて、指揮系統ごと、コーサノストラに加わったと考えるのが妥当、と分析されまシタ。ハワイ周辺海域は、冥海機の庭のようなものなので、敵に奇襲されないように哨戒をしっかり行ってくだサイ。ユーたちから先に見つけて奇襲を仕掛けるのは、難しそうデスネ」
 接触する相手は、アヴァタール級『カサブランカ級航空母艦』とその護衛トループス級『コンクエストデストロイヤー』だ。
「コーサノストラと冥海機の関係など、情報を得る為に会話を仕掛ける必要があるかもしれまセン。会話後に、敵を全滅させずに敢えて逃がす事で、ディアボロスの言葉を伝えるメッセンジャーとする事も可能なので、何か考えがあるならば試してほしいピィ」

 パルピィは、車内に資料を残して、プラットホームへと降りる。
「ハワイはコーサノストラにとっても重要な拠点ピィ。そのうち増援が行われる時期。空想科学によって拠点が強化されると厄介かもしれない危機。出来るだけ早く、ハワイに到達するのが吉!」

 冥海機側では、哨戒部隊が出発するところであった。
「諸君らの活躍に期待する。特に、『コンクエストデストロイヤー』は私の護衛任務だけでなく、長距離通信の中継地としても機能するクラゲ型艦装を備えている。憎きディアボロスを見つけだし、全員で粉みじんになるまで攻撃するのだ!」
「おおぉー!」
 アヴァタール級『カサブランカ級航空母艦』の演説は、部隊全体にやる気を伝播させた。
 ディヴィジョンを失ったことは悔しいが、それでしょげている者はひとりもいない。復讐者への復讐のため、意気揚々と海原へ出ていく。



 事件の首魁であるアヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と会話を行います(状況によっては、トループス級(👾)との会話も可能です)。
 戦闘を行わず会話に専念する事になりますが、必要な情報が得られるなど、後の行動が有利になる場合があります。
 問答無用で戦闘を行う場合は、この選択肢を無視しても問題ありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。


特殊ルール 👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。
👑5 🔵​🔵​🔵​🔵​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【建物復元】
2
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、冥海機ヤ・ウマトにて、哨戒活動をしながら戦闘するシナリオとなっております。

 選択肢の最初は哨戒任務で固定です。
 判定により、両軍が同時に相手に気がつくか、ディアボロスが不利な状況で戦闘にはいるかの分岐が起こります。
 護衛するトループス級『コンクエストデストロイヤー』、そしてアヴァタール級『カサブランカ級航空母艦』は、いずれもディアボロスと戦闘を行います。
 今回は『イースター島発、ハワイ攻略艦隊の出撃』の時と違い、『あらかわ』『えどがわ』の安全は守られています。防衛のためのプレイングは必要ありません。
 『クロノヴェーダとの対話』選択肢の相手はカサブランカ級となり、必ず戦闘中です。
 どの選択肢のあいだにでも起こりえます。
 あえて、トループス級を撃破しないでハワイに返し、情報を流すこともできます。その場合は、会話選択肢中にいずれかのプレイングでご指定ください。以後は、トループス級の選択肢は執筆されなくなります。

 アヴァタール級の撃破により、シナリオは成功で完結します。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
58

このシナリオは完結しました。

💌相談所は、2月6日(木)朝8:30まで使えます。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


システムメッセージ  1月15日21時
ラキア・ムーン(g00195)が、②敵部隊哨戒任務に参加しました。

システムメッセージ  1月16日08時
月鏡・サヨコ(g09883)が、②敵部隊哨戒任務に参加しました。

システムメッセージ  1月16日08時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  1月16日12時
マスターが、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  1月16日12時
マスターが、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  1月16日17時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)が登場する、②敵部隊哨戒任務のリプレイが公開されました。
②敵部隊哨戒任務をクリアしました。

システムメッセージ  1月19日18時
④👿アヴァタール級との決戦『カサブランカ級航空母艦』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  1月21日09時
ラキア・ムーン(g00195)が、③👾護衛するトループス級『コンクエストデストロイヤー』に参加しました。

システムメッセージ  1月21日17時
月鏡・サヨコ(g09883)が、③👾護衛するトループス級『コンクエストデストロイヤー』に参加しました。

システムメッセージ  1月22日08時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  1月22日11時
マスターが、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  1月22日11時
マスターが、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  1月29日17時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)が登場する、③👾護衛するトループス級『コンクエストデストロイヤー』のリプレイが公開されました。
③👾護衛するトループス級『コンクエストデストロイヤー』をクリアしました。

システムメッセージ  1月31日14時
ラキア・ムーン(g00195)が、④👿アヴァタール級との決戦『カサブランカ級航空母艦』に参加しました。

システムメッセージ  1月31日17時
月鏡・サヨコ(g09883)が、①クロノヴェーダとの対話に参加しました。

システムメッセージ  2月1日08時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  2月1日15時
マスターが、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  2月1日15時
マスターが、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  2月1日18時
月鏡・サヨコ(g09883)が登場する、①クロノヴェーダとの対話のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  2月3日08時
月鏡・サヨコ(g09883)が、④👿アヴァタール級との決戦『カサブランカ級航空母艦』に参加しました。

システムメッセージ  2月3日08時
月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  2月3日10時
マスターが、月鏡・サヨコ(g09883)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  2月3日16時
ラキア・ムーン(g00195)、月鏡・サヨコ(g09883)が登場する、④👿アヴァタール級との決戦『カサブランカ級航空母艦』のリプレイが公開されました。
④👿アヴァタール級との決戦『カサブランカ級航空母艦』をクリアしました。

システムメッセージ  2月3日16時
シナリオは成功しました! この相談所は2月6日08時30分まで発言可能です。


リプレイ


ラキア・ムーン
……ふむ、様子を見るに完全に再改竄された感じではないか
確かにある程度の数の冥海機を編入しようとするならば、そのままの施設が使えた方が戦略的には有用だろう
このまま放置すれば、敵の体制は盤石になる
そうはさせんさ、笛が体制を整える前にハワイに仕掛ける

『あらかわ』『えどがわ』付近に転移したら、簡単に両艦の状態をチェック
航行には問題無さそうか、漂着出来たのも量産品ながらクロノオブジェクト艦であったから……か?

チェック完了後水中適応を使用し、敵の捜索を開始
念の為艦からは距離を取り、戦闘に巻き込まれないように注意
水中を泳ぎつつハワイ方面へと進んでいこう

途中適度に海面へと顔だけ出して周囲を索敵
双眼鏡でハワイ方面を重点的に観察し、敵の哨戒部隊やその移動痕跡を探していこう
双眼鏡は反射には注意し、敵に勘付かれないように出来る限り慎重に使用
周囲に敵の痕跡が見えなければ、再度潜ってハワイ方面へと移動
場所を移動しつつ、敵の姿を捉えにいこう

冥海機の体制が整えば、コーサノストラは海にも更に強くなる
それはさせんさ


月鏡・サヨコ
超大和はヤ・ウマトとしての勝算や復讐者への報復ではなく、冥海機の生存を重視していた
だけど、身を案じられていた娘たちにとっては仇討ちこそが本望らしい
……ままならないな

【水中適応】を借りて潜水状態で哨戒を行う
海上に出て望遠鏡で遠くを探すときはなるべく白波の中に身を隠し、敵から見えづらいように心がけよう

今回の哨戒で気になるのは、敵の「クラゲ型艦装」の存在だ
これに対処すべきか、放置するべきか……
単に通信を中継するだけだと、それを妨害したら却って私達の存在が露見しやすくなってしまうかもしれない
その場合は特に干渉せず正攻法で哨戒を続けよう

ただ、独自のカメラやその他のセンサー類を備えて、索敵と冥海機への報告を行うなら放置できない
もしそういった様子が見られたなら【通信障害】を発動
直接の情報伝達を封じた上で、クラゲとの通信途絶を受けて状況を確認しに来た所を迎え撃つ
今回は一方的発見が出来ない以上、「正面衝突しやすい状況」を作る手も一考に値するかもしれない

……新たな海においても、私が果たすべき任務は変わらない


 パラドクストレインが『あらかわ』と『えどがわ』の二艦に到着する。
「……ふむ、時先案内を聞くに完全な再改竄をうけた感じではないか。確かにある程度の数の冥海機を編入しようとするならば、そのままの施設が使えた方が戦略的には有用だろう」
 ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)はヤ・ウマト関連の考察を続けている。
 列車の戸口から、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)も話しながら出てきた。
「ワイズガイから見ればな、ラキア。超大和はヤ・ウマトとしての勝算や復讐者への報復ではなく、冥海機の生存を重視していた。だけど、身を案じられていた娘たちにとっては仇討ちこそが本望らしい」
 そこまで言ってうつむく。
「……ままならないな」
 つぶやきの部分まで届いたかどうか。ラキアは甲板に降りてすぐ、両艦の状態をみはじめたからだ。
「航行には問題無さそうだ」
 簡単なチェックではあるものの、無事には違いない。
「漂着出来たのも量産品ながらクロノオブジェクト艦であったから……か?」
 ほんの少し前のことなのに、出撃のたびに乗り越えていた舷側が妙に懐かしくなって指で触れる。
「うれしそう……」
「え?!」
 言われてひっこめた手を、ラキアはまたしっかりと置いた。
 サヨコも自分の場所に手を置き、考えを伝える。
「クロノオブジェクトである事に加えて、この漂着にはディアボロスの思いの力もあるのかもしれない、ラキア」
「サヨコ……。ああ、そうさ。かわらずハワイへと仕掛けていく。敵の体制が盤石になる前に!」
 同時に舷側から飛び降りるふたり。
 『水中適応』を貸し借りし、海中へと潜った。
 随伴艦を戦闘に巻き込まないというセオリーも今まで通りだ。哨戒任務を受けた者たちは真珠湾のある方向へと距離をとっていった。
 時に海面に顔をだし、白波の中に身を隠しながら、双眼鏡や望遠鏡を使う。
 敵の哨戒部隊は、『クラゲ型艦装』による通信中継と、シャチ型の艦載ユニットを従えている。いつかのネコ編隊のように、空から偵察して、観測結果を連絡する仕組みかもしれない。
 移動痕跡の探知には、海だけでなく空も加えた。
(「単に通信を中継するだけだと、それを妨害したら却って私達の存在が露見しやすくなってしまうかもしれない。対処すべきか、放置するべきか……」)
 サヨコの思案は、ある程度当たっていた。
 クラゲではなく、シャチのほうが、けっこうな数で飛んできたのである。『カサブランカ級航空母艦』から発艦してきたものだろう。ラキアと頷きあってから、『コンクエストデストロイヤー』が中継するまえにと、『通信障害』を起こす。
 通信途絶を受けて状況を確認しに来た所を迎え撃つのだ。
 一方的発見が難しい以上、『正面衝突しやすい状況』を作ったのである。
「……新たな海においても、私が果たすべき任務は変わらない」
「冥海機の体制が整えば、コーサノストラは海にも更に強くなる。それはさせんさ」
 ラキアはすでに武器を構えている。
 敵の哨戒部隊が姿を現す。上空のシャチ型爆撃機が、攻撃してきた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

沖島・雫 (トレインチケット)



シェトワユワメティ・カサンテナーダ (トレインチケット)



鈴木・皓馬 (トレインチケット)



 あの艦載機は機銃を備えており、本体のアヴァタール級『カサブランカ級航空母艦』が後方で構えていても戦える。加えて、護衛のトループス級だ。
 『コンクエストデストロイヤー』のクラゲ型兵装には円形に並んだ砲塔があり、うかつな接近には猛然と砲撃してくるだろう。
「ゾクゾクするね、実に興味深い機能だよ」
 と、分析した沖島・雫(人間のガジェッティア・g03499)は、機銃掃射を回避しながら楽しそうにしている。
 敵指揮官の真似ではないだろうが、自身もディアボロス側の後方に陣取っていた。もうひとり、シェトワユワメティ・カサンテナーダ(リターナーのレジスタンス諜報員・g01123)も爆撃機とクラゲ兵装の取り合わせを受けながら。
「ねぇねぇ。あのクロノヴェーダに、罠を張ったり、ブラフを仕掛けたりする作戦なのよね?」
 ゆっくりめで喋る。
 敵にディアボロスの言葉を伝え、全滅させずに敢えて逃がすという選択だ。
「時先案内人が言ってたな。……やるのは必要だったらじゃなかったかな?」
 鈴木・皓馬(我流陰陽道・g04103)が、大気中の微成分収集の片手間に、話に加わってきた。
「俺だって、目的のためには手段を選ばないつもり。けど現状、これといった策はないよ」
「敵を混乱させるようなアイデアでいいならボクが出すし、情報収集にも興味はあるケド……」
 雫はしばし考える。
「とりあえず爆撃機を墜として、『カサブランカ級航空母艦』を削っておこう。冥海機と会話をしてもしなくても、役にはたつ」
 寄り集まったディアボロスたちはその案に首肯する。
 いいかげん、飛び回っているシャチ型にも、砲撃してくるクラゲ型にも、うんざりしてきたのだ。
「ボクは後方支援に徹するから、キミ達は心ゆくまで暴れてくるといいよ」
 肩に装着した、『ハイパービームキャノン』のリミッターを解除する雫。
「わかったよ。……カリ、行動開始なの」
 シェトワユワメティは、メーラーデーモンに命じた。自分では切り込まないので、やっぱり雫のとなりに居座る。
「じゃあ、相談は以上だね。今日は海鮮の気分になってきたな」
 皓馬は集めた成分からオリジナルの式神、あるいは一般人の肉眼では視認出来ない程の微生物を使役、培養する段階に移った。
 雫のエネルギー充填もいっぱいになる。
「さあ、吹き飛ばすよ! 『限界突破(オーバーロード)・ハイパービームキャノン』!!」
 砲身が壊れそうなほどのまばゆい光が照射される。
 わずかでも触れた爆撃機は、粉々に分解された。
 編隊にあいた空白を、シャチ型各機が横滑りの機動で埋めようとするが、翼や胴体が接触してうまくいかない。
「汝、磁の茵、万を歪めし、万の蟲。……『式神・磁胎菌(シキガミジタイキン)』!」
 皓馬の使役により、微生物が強い磁力を発する。
 アヴァタール級の艦載機たちはその干渉を受け、コントロールから外れているのだ。さらに、電磁波を帯びた槍を手に、シェトワユワメティのメーラーデーモン、カリが襲い掛かった。
「『雷槍乱れ突き』って、パラドクスのはずよ」
 機体から機体へと跳ねまわる、サーヴァントの激しい槍術を受け、多くのシャチ型爆撃機が墜落していく。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

ラキア・ムーン
敵の戦力を生かして帰す訳にはいかん
トループス級も逃さず倒す
ハワイの戦力は、此処で可能な限り削っておくさ

水上へと浮上し、水面走行へと切り替える
コンクエストデストロイヤーへと強襲を仕掛け、一気にダメージを与えていこう
【Call:Wing_Edge】起動
風の刃を展開し、敵を狙う
ギリギリまで敵に攻撃を視認されないように、海面スレスレを飛ばし足下から上るように刃の軌道を調整
下から上に向かって裂く様に風の刃で攻撃し、敵を叩く

《RE》Incarnationを構え、敵の攻撃を捌く
敵の砲戦兵装の動きを観察し、砲撃範囲を予測
槍を前面に構え砲撃を迎撃
直撃コースの砲撃を重点的に槍で払い、正面から受ける砲撃の数を減らして防御を固め敵の攻撃を受けきる



冥海機の発生方法を考えれば、此処から劇的に数が増える事は考え辛い
ならばハワイに着く前に少しでも戦力を削る
これが最良だ
それに、そちらもやる気だろう?
ならば滅ぼし合いだ
ハワイを賭けた戦い……負けるつもりは無い

アドリブ連携等歓迎


月鏡・サヨコ
この状況でトループス級を撤退させたとして、6体のジェネラル級がこちらの動きをどう判断するかは読み難い
増援の予測もあることだし、今は速やかに戦線を進めると共に、既存の兵力への対処を優先して良いだろう
……戴冠の戦まで敵の一大海上拠点を残しておきたくはない

仲間達がアヴァタール級に向かい、トループス級の戦いに目を配る余裕を奪ってくれた今が好機
【水面走行】を借りて『人狗一心・散兵戦術』で仕掛ける
≪巡洋戦艦海戦装『黒姫』≫から砲撃を放ち、海上で砲弾を炸裂させて居並ぶ敵を焼き払おう
砲弾の爆発半径の隙間に潜り込んだ敵は桂の≪怪力光線砲『狗號』≫で撃ち抜かせ、離脱や突破の隙を与えない
思い切って接近して来る者がいれば≪対艦軍刀『銀鉤』≫を抜刀して切り伏せる
反撃の砲撃には≪海戦装用増設防盾≫を構えて、爆風や弾片から身を護る
攻撃に集中するあまりに流れ弾が急所に入ってしまった、ということがないように注意を払いながら戦おう

冥海機の全滅によってのみ、太平洋の平和は実現する。そのために私は戦い続ける
……悪く思わないで


 作戦についての結論が出た。
 月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)、曰く。
「この状況でトループス級を撤退させたとして、6体のジェネラル級がこちらの動きをどう判断するかは読み難い。増援の予測もあることだし、今は速やかに戦線を進めると共に、既存の兵力への対処を優先して良いだろう。……戴冠の戦まで敵の一大海上拠点を残しておきたくはない」
 案に対して、身振りや頷きで了解を伝えるディアボロスたち。
「敵の戦力を生かして帰す訳にはいかん。配下も逃さず倒す。ハワイの戦力は、此処で可能な限り削っておくさ」
 ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は水上へと浮上し、サヨコとともに『水面走行』へと切り替える。
 目標はクラゲ型兵装の冥海機、『コンクエストデストロイヤー』だ。
 仲間たちがアヴァタール級に向かい、トループス級の戦いに目を配る余裕を奪ってくれた今が好機である。一気に大ダメージを与えるため、ふたりは迅速に接近した。
「『Call:Wind_Edge(コール・ウィングエッジ)』、起動」
 風の刃を展開し、自身のそばに滞空させる、ラキア。
「──往こう、桂!」
 パンツァーハウンドの『桂』を伴い、サヨコは砲と刀を同時に構える。
 指示可能なギリギリの距離で、風の刃と猟犬が放たれた。先行するのはラキアの『Wind_Edge』。海面スレスレを飛ばし、冥海機の足下から上るように軌道を調整する。
 敵の兵装は頭部に集中している。
 下から上に向かって裂く様な刃の動きは、遠目にクラゲの足を寸断して見えた。
 続いて斜めに切れられる軸がもう二本、支えを失った大きな頭がみっつ、バシャン、ドボンと海に落ちる。それが先制で撃破した『コンクエストデストロイヤー』たちの姿だった。
 周囲のトループス級が砲戦兵装を回転させ、奇襲してきた相手を捉えようとする。
 もちろんラキアたちは、自分たちの侵入経路とはいくぶんズレが生じるように攻撃を放っていた。風の刃の飛来方向に『海月連装砲』が放たれる隙に、サヨコのハウンドが怪力光線砲『狗號』を順番に当てていく。
 敵が見せたクラゲ兵装の使い方から、砲撃範囲の予測もたつ。
 もともとは拠点攻撃用のパラドクスのように思えた。広域に降ってくる砲弾は、動く相手を精密に狙うものではない。ラキアは突撃槍『《RE》Incarnation』を、サヨコは『海戦装用増設防盾』を構えて、攻撃を捌く。
 直撃コースは槍が払う。
 爆風や弾片による間接的な被害は盾が防ぐ。
 ふたつの防御の組み合わせで正面を確保し、砲撃を受けきりながらの接近を果たす。
 ラキアは言う。
「冥海機の発生方法を考えれば、此処から劇的に数が増える事は考え辛い。ならばハワイに着く前に少しでも戦力を削る。これが最良だ。それに……」
 クラゲ兵装のすぐ下で、驚愕している顔が見えるほどの近さ。
「そちらもやる気だろう?」
「も、もちろんだとも! ディアボロスこそ、粉みじんに!」
 冥海機の一体が、やっと声を絞りだした。
 超大和らの敵討ちのため、意気揚々と出撃してきたはずの生き残りだ。サヨコは引っかかりを感じつつも、対艦軍刀『銀鉤』で斬りつける。
「冥海機の全滅によってのみ、太平洋の平和は実現する。そのために私は戦い続ける。……悪く思わないで」
「憎い相手が、目の前にいるのにぃ!」
「もう、滅ぼし合いだ。ハワイを賭けた戦い……負けるつもりは無い」
 とどめにラキアの槍を受け、歯を食いしばったまま爆発四散する。
「カサブランカ様の護衛につけ!」
 残ったトループス級は距離をとるようにした。
 サヨコにとっては浮いたマトだ。
「『人狗一心・散兵戦術(ジンクイッシン・サンペイセンジュツ)』――」
 巡洋戦艦海戦装『黒姫』から砲撃を放ち、海上で砲弾を炸裂させて後退する敵を焼き払う。三つほどのドーム状火炎が膨らみ、クラゲの頭がその中へと消える。
 砲弾の爆発半径の隙間に潜り込んだ敵もいたが、指揮官との合流はかなわなかった。『桂』が、背負った光線砲で狙撃したからである。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

月鏡・サヨコ
……今のトループス級は様子が妙だったな
予知された時点では士気が高揚している様子だったけれど、相対してみれば妙に弱気だった
先手を打たれて怯えただけならいいけれど……なら「憎い相手が、目の前にいるのに」とはどういう意味だ?

意味が分からない以上、今回の対話は真実を知る材料集めの段階
推論を真実かの如く強気に主張し、返答から真相の断片を探ろう

【水面走行】状態で、戦いの中で配下を失い傷ついた敵指揮官に近づき声をかける
あなたが率いる部隊は明らかに精彩を欠いていた
超大和の仇を討つべく奮い起こしたはずの闘志が、私達を前にした途端全て挫けてしまったかのようだ
コーサノストラの支配下に堕ちた心理的影響だけではあるまい
あなた達は既に、彼らの空想科学で肉体にまで細工を施されているのだろう
恐らくは……「冥海機の因子」を抜き取るために

「有用性を示せば、ハワイ周辺海域の自治が約束されている」というのも、方便に過ぎない
コーサノストラにとって冥海機は時間稼ぎの囮でしかないはずだ
……あなた達から見た人間がそうであったようにな


「……今のトループス級の態度は妙だったな」
 月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は、斬るのに使った軍刀を一瞥した。
「予知された時点では士気が高揚している様子だったけれど、相対してみれば意外に弱気だった。先手を打たれて怯えただけならいいけれど……なら『憎い相手が、目の前にいるのに』とはどういう意味だ?」
 同じ冥海機にトドメを刺したラキアは、その槍をかかえてアヴァタール戦に向かっている。
 もちろん、サヨコはすぐに追う。加えて、『カサブランカ級航空母艦』との会話が、真実を知る材料にも思えてきた。
「推論を真実かの如く強気に主張し、返答から真相の断片を探ろう」
 水面走行で、敵指揮官に近づく。
 味方のディアボロスは距離をおいて戦っていた。皓馬の式神とシェトワユワメティのメーラーデーモンが、敵の艦載機を磁場と電磁波で狂わせ、雫のビームキャノンで撃墜している。
 それらの損害はすべて、発艦させていた空母が払うのだ。
 サヨコが本体を目視した時には、シャチ型の海戦装はボロボロになり、女性型がそれに寄りかかっているような状態だった。それでもカサブランカ級の眼差しは、鋭く見返してくる。
「あなたが率いる部隊は明らかに精彩を欠いていた」
 配下を倒したサヨコ自身からの言葉だ。
「超大和の仇を討つべく奮い起こしたはずの闘志が、私達を前にした途端全て挫けてしまったかのようだ。コーサノストラの支配下に堕ちた心理的影響だけではあるまい」
「な、なにを……」
 カサブランカ級の表情は、いっそう険しいものとなる。
「あなた達は既に、彼らの空想科学で肉体にまで細工を施されているのだろう。恐らくは……『冥海機の因子』を抜き取るために」
 これが、サヨコの推論だ。
 敵指揮官はしばし黙っており、やっと声を絞りだした。
「……ありえない」
 否定の一言。けれども、そこにある感情に、見覚えがある。
 あのトループス級の個体に似ている気がする。悔しさ、のような。
 もしその悔しさが、コーサノストラに向くものなら、とサヨコは推論を重ねた。
「因子回収のために利用されているのだ。『有用性を示せば、ハワイ周辺海域の自治が約束されている』というのも、方便に過ぎない。コーサノストラにとって冥海機は時間稼ぎの囮でしかないはずだ。……あなた達から見た人間がそうであったようにな」
「人間……? ヤ・ウマトの一般人を、漂流や置き去りにした作戦のことを言っているのか?」
 『カサブランカ級航空母艦』は話しはじめる。
「『ハワイ自治の約束』と『時間稼ぎの囮』は矛盾していない。どちらも冥海機とコーサノストラ共に了解している。人間の扱いもふくめて、どれもすべて同じこと」
 だんだんと語気が荒くなってきた。
「肉体に細工? 因子を抜き取る? そんな事はありえないのだ。我々はすでに利害が一致している。ワイズガイがほかに要求しているものはない」
 声を張るごとに、アヴァタール級の傷にさわるのか。
 海戦装にしがみつく手は震え、やっと身体を支えているような姿勢でいる。
「私が……! 私が悔しいのは、ディアボロスの強さと、おまえたち自身がその強さに無自覚なことだ。憎い相手が、目の前にいるのに我々は勝てない。なぜ、そんなに強いのか、おまえたちは判っているのか?!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

ラキア・ムーン
護衛も排除した
残りは指揮官の貴様だけだ
貴様を倒せばまた一歩、ハワイへと近付く
貴様等に安住の地等無い、ハワイも此方に返して貰うぞ

限定解除、形状変換
再誕の槍よ更なる先へ……《RE》Incarnation:Extend、顕現

水面走行を引き続き使用してカサブランカ級航空母艦を攻める
槍を構え前傾姿勢で接近
距離を詰めつつ攻撃準備
敵も既に手傷を負っている、損傷部分を観察しそこを攻めよう
【Call:Breaker_Lance】起動
魔力を練り、炎と風の穂先を形成
長大化した魔力の槍を構え、一気に『突撃』
槍を突き出し先程観察した損傷部へと突き立てる
命中と同時に水平方向へ飛翔加速
槍先を深く突き立て、敵を穿つ!

魔力の穂先との接続を解除し、一旦バックステップ
敵の攻撃に備える為に、槍を盾代わりに前面へと構える
Emu【E.S】も展開
エネルギー群による爆撃を防御
魔術障壁を爆撃に当てて、落下方向をズラし直撃を回避
それを抜けてくるものは槍で弾く
武装制服で爆風を受けてダメージを抑えよう

アドリブ連携等歓迎


月鏡・サヨコ
そうだな。あなたが言うとおり私達に強者の自覚はない
なぜなら、復讐者は歴史改竄の過程での敗北や、大地の避け得ない喪失を経験しているからだ
太刀打ちすら許されずに全てを奪われた現実を前にしては、誰も己は強者だと驕れはしない
敵は強大だ……そう痛感するからこそ、油断を排して此処まで辿り着けた

【水面走行】状態で戦闘
槍を手に突撃する仲間を支援するために後衛からの砲撃を行う
こちらの手数に相手が対処しきれなくなった所を、的確に突いてもらおう

――『全砲門解放・火弾驟雨』
《巡洋戦艦海戦装『黒姫』》から放つ無数の機銃弾と立て続けの砲撃、その全てをカサブランカ級に注ぐ
敵の海戦装や銃から放たれる艦載機を弾雨に巻き込んで破壊し、接近を狙う仲間に邪魔が入りづらいように

反撃で私に艦載機が飛んできたら、海戦装の対空砲で迎撃を試みる
落としきれなかった分の攻撃は、《海戦装用増設防盾》を構えながら爆撃の隙間を縫うように移動して、ダメージを抑制しよう

納得できるかどうかはわからないけれど……私達は今日まで、こうやって勝利を掴んできた


「そうだな。あなたが言うとおり私達に強者の自覚はない」
 月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)の言葉は静かだった。
「なぜなら、復讐者は歴史改竄の過程での敗北や、大地の避け得ない喪失を経験しているからだ」
「歴史、かい……ざん?」
 アヴァタール級『カサブランカ級航空母艦』は戸惑う。
 頬に涙のあとを残したまま。
 最終人類史がなんなのか、クロノヴェーダの理解は不十分なものだ。それでもサヨコは続ける。
「太刀打ちすら許されずに全てを奪われた現実を前にしては、誰も己は強者だと驕れはしない。敵は強大だ……そう痛感するからこそ、油断を排して此処まで辿り着けた」
「そして、貴様を倒せばまた一歩、ハワイへと近付く!」
 空を覆い尽くすほどだった爆撃機型のエネルギー群を排除し、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)が迫る。
 魔術障壁『Emu【E.S】』は消え、盾代わりに前面へと構えた突撃槍と、爆風を受けて少し荒れた武装制服が露わになった。
「貴様等に安住の地など無い、ハワイも此方に返して貰うぞ!」
「自分たちのもののように……! たとえ、コーサノストラの支配を受けようとも、この命をもって守り抜くッ!」
 カサブランカの寄りかかっていたシャチ型海戦装が、彼女ごと高度を上げた。
 ディアボロスたちはいったん退いたが、海戦装に備えられた航空甲板から出撃してきた爆撃機はわずかなものだ。
 加えて、女性型の両脚はブランと垂れ下がっており、上体は甲板に伏せたように見える。
「既に手傷を負っていた。最後のエネルギー群かもしれない」
 ラキアは槍を構え、水面走行のまま前傾姿勢をとる。サヨコは巡洋戦艦海戦装『黒姫』の各砲門を、敵のシャチ型や爆撃機へと向けた。
「私が後衛から支援しよう。こちらの手数に相手が対処しきれなくなった所を……」
「ああ、穿つ!」
 助走から踏み切ると、ラキアの身体は水平に飛翔した。
 敵パラドクス、『ガンビア・ベイ』から降ってくる爆弾を、サヨコの対空砲が撃ち落していく。
「――『全砲門解放・火弾驟雨(ゼンホウモンカイホウ・カダンシュウウ)』」
 ひとしきり爆撃を防いだあとは、浮遊するシャチ型へと、全ての砲門を集中させる。
 無数の機銃弾と立て続けの砲撃を注ぎ込んだ。
 接近を狙うラキアに、邪魔が入りづらいように。
「廻り紡ぐは破壊者の槍……。『Call:Breaker_Lance(コール・ブレイカーランス)』、起動!」
 練られた魔力が、炎と風の二重螺旋状に回転し、長大な穂先を形成する。
 巨大槍を構えてラキアは、水平から垂直上昇。
 敵海戦装の上へと出た。
「やはり……」
 顔までつっぷしているアヴァタール級、『カサブランカ級航空母艦』の姿。
 もはや、彼女自身が弱点だ。
 ラキアは一気に突撃し、槍の穂先を冥海機本体から航空甲板へと貫きとおす。加速は維持したまま、海面に触れる直前まで斜めに下降した。
 槍が、より深く穿つように。
 『黒姫』の各砲門も狙いを付けていたが、やがて水しぶきが大きく上がり、警戒を解いた。
 サヨコは、敵を葬ったディアボロスの着水を確認する。遠方の仲間にも合図を送り、『あらかわ』『えどがわ』の両艦に、進んできてもらうよう頼んだ。
「納得できるかどうかはわからないけれど……私達は今日まで、こうやって勝利を掴んできた」
 つかの間、冥海機の没した海面を眺める。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【建物復元】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2025年02月03日