リプレイ
エイレーネ・エピケフィシア
亜人どもの視線に晒されるのは、作戦とはいえ心地よいことではありませんね
ですが、これも都市と人々を災厄から護るための策……粛々とこなしましょう
イスカンダルにおいて、亜人がウェアキャットに情欲を催す例は殆どありませんでした
今は種族などどうでもいいと思うほどに飢えているかもしれないですが、念のため耳と尾を帽子や服の内側に隠しておきます
一見すると人間のように見える姿で、亜人達の前に現れて挑発
普段の格好でも顔や肩は見えているので、興味を惹き付けるには十分でしょう
過剰に肌を晒すよりも言葉での挑発を重視します
おや、亜人どもが一糸乱れぬ整然とした隊列を組んでいるとは、珍しいこともあるものですね
ですが、わたしにはあなた達の本心が分かりますよ
鍛え上げた肉体を、つまらぬ戦いではなく歓楽に用いたいと……そう思っているでしょう?
遠慮することはありません
ただ、わたしに追い付きさえすればその望みは叶います
尤も、亜人の本能を失ったあなた達に出来るとは思いませんが……
亜人から逃げ、指揮官から離れた場所まで誘き出しましょう
亜人にとって、女性というものは蹂躙すべきものである。
欲望のままに振る舞うことで、感情エネルギーを得られるのならば、それをしない理由などない。
漂着した亜人たちを厳しい訓練によって一端の軍人然とした振る舞いができるまでに鍛え上げたジェネラル級『妄執の阿修羅王』の手腕は見事と言わざるを得ない。
「亜人がウェアキャットに情欲を催す例は殆どありませんでした。ですが、今や種族などどうでもいいと思うほどに飢えているかも知れないのならば」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)はウェキャットである己の種族的な特徴である耳と尾を覆い着衣の内へと隠す。
作戦とは言え、亜人の視線にさらされるのは彼女の心情を考えれば、あまり気持ちの良いことではなかった。
だが、彼女がこの作戦に赴いたのは、全ては都市と人々を災厄から護るためである。
であるのならば、彼女は己が肌を亜人の視線の元に晒すことになろうと粛々と事を運ぶのだ
彼女は普段の装いであるが亜人の軍勢が規律正しく行軍する端へと姿を晒す。
一見すれば、人の女性で在るように思えただろう。
「マッスル!」
「マッスル! ナイスバルク!」
だがトループス級亜人『マッスルゴブリンズ』たちは、己たちが体躯に刻まれた筋肉の躍動を持って、道すがらに現れた女人たるエイレーネから視線を外していたのだ。
なんたる脳筋か。
乙女の柔肌よりも己が筋肉。
『マッスルゴブリンズ』にとって、確かに人間の女性はこらえがたいほどに魅力的な存在である。
それも見目麗しいディアボロスたちであれば、尚更である。
が!
彼らは行軍によって己たちの鍛え上げられた肉体が躍動することに集中していたのだ。
目に入らなければ、女性などいないのと同じ。故に。
「マッスル! ふんふんふんふん!!」
行軍すらも自重トレーニングに取り入れていたのだ。
もう一度言う。
なんたる脳筋か。
しかし、エイレーネは余裕を崩さぬ。
「おや、亜人共が逸し乱れぬ整然とした隊列を組んでいるとは、珍しいこともあるものですね」
その声はどこか嘲るような色が含まれていただろう。
己を見ないように筋肉にかけられた負荷を確認する『マッスルゴブリンズ』たちのこめかみがピクリと動く。
「……フンフンフン!」
「誤魔化しましたね。ですが、わたしにはあなたたちの本心がわかりますよ?」
ゆっくりと歩むエイレーネ。
肩の白い肌が光に照らされて眩しい。
滑らかな肌。
きめ細やかな肌。
いずれもが手入れのされたものであり、美しさを誇るようであった。
「鍛え上げた肉体を、つまらぬ戦いではなく歓楽に用いたいと……そう思っているでしょう?」
普段ならば、その言葉は挑発と受け流すこともできたはずだ。
だが、エイレーネの普段の装いであっても肩の露出した着衣が揺れる。
衣擦れの音すら、彼らの耳は拾っただろう。
「遠慮することはありません」
何を!?
「ただ、わたしに追いつきさえすれば、その望みは叶います」
なんてことないセリフであるはずだ。
だがしかし!
筋肉のキンは禁欲のキン!
すでに『マッスルゴブリンズ』たちはギンギンであった。
目がね。バキバキでギンギンなのである。
「尤も、亜人の本能を失ったあなた達にできるとは思いませんが」
嘲笑すらも蠱惑的に思えてならない。
澄ましたエイレーネの表情が殊更に『マッスルゴブリンズ』たちの劣情を擽るだろう。
その顔を歪めたいと鬱屈たる情欲が筋肉という鎧の内側で鳴動するようだった。
「意気地を見せたいというのなら」
エイレーネはそう言って、背を向ける。
銀髪が揺れる無防備な背中。
その光景に堪らず『マッスルゴブリンズ』たちは隊列を崩すように容易く彼女を組み敷くために駆け出したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
大澄・蓮
あー…なんか今回の敵
暑苦しいし、見苦しいなぁ
誘惑は大成功だね、お疲れ様
だけど、エイレーネさんが囲まれたら大変
エターナルスリープで攻撃して敵を眠らせよう
筋肉による平和的対話って何!?
いやだよ、こんな奴らと筋肉で語らいたくないよ!
「ふんぬ」しか言ってないじゃん
迫り来る筋肉におののきながらも、攻撃し続けるよ
だって止めたらもっと来ちゃうじゃん
【泥濘の地】も発動させてとにかく奴らを止めることに集中しよう
流石にこれだけ相手すると身も心も疲弊するけど。
ドレイン(するのもなんか嫌だけど)でなんとかのりきれるかな?
のりきれるといいなぁ…
※アドリブや連携歓迎
なんとも緊張感に欠ける現代人
エイレーネ・エピケフィシア
愛するクロエ様(g08917)をディフェンスし共闘
クロエ様!必ずや思い上がった求婚者どもを討ち滅ぼしに現れると信じておりました!
此度はあなたがわたしの英雄です。どうか存分に、漲る力を揮ってください
勿論、わたしも守られるばかりの女ではありませんが……!
クロエ様をはじめ共に戦う仲間の援護と、【泥濘の地】による敵の減速を合わせ援軍と合流
ただ一人愛する恋人から≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を受け取り、盾で彼女を護って戦います
……あら、身を委ねる心算でしたのに、つい何時もの立ち位置に戻ってしまいましたね
槍で地を叩き『大地の激震』を引き起こして、衝撃波で迫る敵を吹き飛ばします
肉と骨を粉砕してそのまま斃せれば重畳
仕留めきれずとも距離を遠ざけ、再び近寄られる前にクロエ様が追い討ちを浴びせます
敵が筋肉に任せて攻撃してきたら盾で防御
打撃を受け流したり、腕が伸び切る前に盾をぶつけ抑え込むことで威力を減じます
身も心もクロエ様に捧げるものと決めています
彼女の愛と怒りがある限り、下卑た欲望など寄せ付けるものですか!
クロエ・アルニティコス
愛するエイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います。
今、私の恋人を欲の滾った眼で見ましたか?
英雄オデュッセウスもきっとこのような気持ちだったのでしょう。
えぇ、かの英雄がそうしたように……不埒な輩どもは皆殺しにしましょう。
囮を行ったエイレーネに槍と盾を渡した後に戦闘開始。
【ゲーリュオーン・エッジワーシア】を使用。ゲーリュオーンを象った植物の怪物を作り出し、マッスルゴブリンズたちを迎え撃ちます。
ふふ、一方的に守り守られるのではなく、こうして肩を並べ、お互いに守り守られるのが私たちらしい、ということでしょう。
エイレーネの放つ衝撃波で足が止まった敵をゲーリュオーンの六つの腕の力任せの一撃で叩き潰し、エイレーネよりも先に動く場合はゲーリュオーンには六つの腕を横薙ぎに払うように攻撃させ、体勢を崩したり足を止めたりすることで次の攻撃に繋げます。
反撃に対しては「守護の赤薔薇」の茨の防壁で殴打や掴みなどがしづらいようにし身を守ります。
エイレーネの隣に在るのは私です。
指の一本も触れさせはしません。
トループス級亜人『マッスルゴブリンズ』たちは、精強なる兵士であった。
であった、と語るしかないのは最早その姿に精悍なる佇まいは見る影もなかったからだ。
むくつけき亜人たち。
彼らはディアボロスの色香に惑わされ、一人の女性――エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)を組み伏せんと、その背中を追って走り出していた。
「フンフンフンフン!」
もはや、頭の中にはそれしかない。
銀色の髪が揺れる背中。
必ずや追いつき、狼藉を働かんとする彼らが伸ばした手を、巨大なる異形がただの一歩で踏みつけ大地に釘打つようにして押さえつけたのだ。
「フンヌ!?」
驚愕に目を見開く『マッスルゴブリンズ』。
しかし、その瞳は即座に影に塗りつぶされる。
異形が振るう腕。
蔦が絡まりあったような体躯。
その巨腕の一撃が『マッスルゴブリンズ』の顔面に打ち据えられ、その体躯を大地へとめり込ませたのだ。
「今、私の恋人を欲滾った眼で見ましたか?」
それは、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)の恐るべき重圧を伴った視線であったし、言葉でありパラドクスであった。
彼女のパラドクスによって生み出されたゲーリュオーン・エッジワーシア……蔦の絡まりあった異形の巨人たる怪物は彼女の内に荒れ狂う怒りを表現するように『マッスルゴブリンズ』を打ち据えていた。
「英雄オデュッセウスもきっとこのような気持ちだったのでしょう」
歯止めの効かぬ怒り。
「クロエ様!」
そんなクロエの姿にエイレーネは手を伸ばす。
伸ばした手を取りクロエは憤怒の眼差しを僅かに和らげた。
「必ずや思い上がった求婚者どもを討ち滅ぼしに現れると信じておりました! 此度はあなたがわたしの英雄です。どうか存分に、みなぎる力を揮ってください」
「えぇ、かの英雄がそうしたように……不埒な輩どもは皆殺しにしましょう」
しかし、その言葉を否定するように『マッスルゴブリンズ』達は二人を取り囲む。
「フンフンフン!」
むしろ、己たちの蓋された獣欲を解消すべき女性が二人もいることに興奮が高まるようでもあった。
なんとも下衆なる声であろうか。
しかし、そんな彼らを大澄・蓮(諸行無常・g09335)は、パラドクスである眠り誘う歌でもって、意識を刈り取るのだ。
「あー……なんか暑苦しいし、見苦しいなぁ」
蓮にとって、『マッスルゴブリンズ』たちは軍人でもなんでもない。
ただの亜人だ。
だが、『妄執の阿修羅王』によって軍人のように練兵されるのならば、話は別だ。そして、己が身は男性である。
ならばこそ、彼らを誘惑することはできない。
そこでエイレーネが己が身を顧みず危険な作戦をかって出たのだ。
彼女のがんばりを無駄にはできない。
並び立つクロエもまた同様だ。囲まれてしまえば、パラドクスの集中攻撃を受けてしまう。
蓮のパラドクスは、そうした囲いの一角を突き崩すのだ
「ふんぬ! フンフンフン!!!」
「対話のつもりかよ! いやだよ、こんな奴らと筋肉で語らいたくないよ! というか、ふんぬしか言ってないじゃん! 何言ってるかわからない!」
『マッスルゴブリンズ』たちは躍動する筋肉と共に蓮に迫る。
滾る獣欲のままに邪魔立てする己を排除せんとしているのだろう。
迫る筋肉は、城壁のようだった。
城壁と違うのは自走するっていうことと、暑苦しいってことだ。
「やれるか? やりきれるのか、俺……! いや、やらないと、もっと来ちゃうじゃん!」
手繰り寄せた残留効果でもって蓮は『マッスルゴブリンズ』を足止めしようとするが、しかしパラドクスは距離を無意味なものにする。
時空を歪めて『マッスルゴブリンズ』の筋肉が迫ってくるのだ。
「い、いやだー! なんか身も心も疲弊してしまう!」
蓮は歌い続ける。
眠りに敵を落とせば、落とすだけ共に戦うエイレーネたちが攻撃を叩き込みやすくなる。
どうにか、どうにか早く『マッスルゴブリンズ』を排除してほしいと蓮は願うのだ。
そんな蓮とは裏腹にクロエは誘惑作戦のためにおいてきていたエイレーネの槍と盾を彼女に手渡し、触れた指先の感触に笑む。
迫る筋肉である『マッスルゴブリンズ』とは温度差があった。
あっちがムシムシした暑苦しさであるのならば、こちらはしっとりしていた。あくまで。
「こちらを」
「ありがとうございます。わたしも守られるばかりの女ではありません……!」
「ふふ、一方的に守られるのではなく、こうして肩を並べ、お互い守り守られるのが私達らしい、ということでしょう」
「……あら、身を委ねる心算でしたのに、ついいつもの立ち位置に戻ってしまいましたね」
エイレーネは、いつもの癖だと笑むだろう。
クロエのパラドクスによって生み出された蔦の怪物、ゲーリュオーンの6つの腕が『マッスルゴブリンズ』を叩きのめす様を見やりながらエイレーネは、その瞳をパラドクスに輝かせる。
「であれば、大地よ、不敬なる者どもの歩みを拒みたまえ!」
手にした槍の石づきが大地へと叩きつけられ、衝撃波を生み出す。
蓮のパラドクスによって眠りに落ちた『マッスルゴブリンズ』にとっては寝耳に水のような衝撃であったことだろう。
鍛え上げられた体躯であっても粉砕するかのような衝撃に彼らは血反吐を撒き散らしながら絶命するしかなかった。
「流石……これが愛の力ってやつなのかな」
蓮は二人の奮戦を見やりながら、頷く。
「エイレーネの隣に在るのは私です。指の一本も触れさせはしません」
その言葉通り『マッスルゴブリンズ』は、彼女たちに近づくことすらできなかっただろう。無論、間に挟まろうなどという考えも起こらないほどに見事に粉砕されていたのだ。
「身も心もクロエ様に捧げるものと決めています。彼女の愛と怒りがある限り、下卑た欲望など寄せ付けるものですか!」
その言葉と力に『マッスルゴブリンズ』たちは近づくことすらできなかった。
そして、戦列を離れた亜人がいると報告を受けてアヴァタール級『金剛力士「阿行」』が漸くにして、ディアボロスが誘引した場へとやってくる。
全ては遅きに失する。
すでにディアボロスによって亜人の戦力の尽くが討ち滅ぼされている。
その惨状を認め、『金剛力士「阿行」』は愕然とする他なかった。
「な、んだと……? 亜人共が勝手な行動をしたと思えば、ディアボロスが? それも精強なる兵であった者たちを殲滅している……? 一体何が起こったというのだ」
だが、この場を収めねばならない。
彼は困惑しながらも、この状況を生み出したディアボロスへと対峙するのだった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
大澄・蓮
おぉう…思わず愛のパワーをまざまざと見せつけられてしまった…
こーゆーとき
「リア充ばくはつしろください」な人達の気持ちが、少しだけわかるなぁ
これだけ綺麗な二人組なら「見守りたい勢」も多そうだけど
どっちにしろ、挟まったらいろんな意味で死が待ってると思う、うん。
というわけで『金剛力士「阿行」』サンも、野暮なコトしない方が身のためだとおもうよ!
それはおいといて
この金剛力士。ぜったい「吽行」もいるじゃん!
さすがに両方同時に相手にすることは無いと思うけど
同時に相手したらめちゃくちゃ連携取ってきそうだよね
阿吽の呼吸で
…ま、いいや
アヴァタール級っていったら気が抜けない相手だし
ツッコミしてる場合じゃない、真面目に戦おう
獄炎斬で攻撃、相手の反撃は金剛怒髪炎
くしくも炎対炎だけど
相手の纏う炎も【熱波の支配者】の効果で熱さを軽減して対抗するよ
【反撃アップ】の効果も使って直撃を避けてすこしでもダメージを減らしながら戦うよ
止めは、きっと仲間が刺してくれるだろ
※アドリブ連携歓迎
やっぱり緊張感に欠ける現代人
エイレーネ・エピケフィシア
愛するクロエ様(g08917)をディフェンスし共闘
阿修羅王は何やら見当違いの期待を抱いていますが……
幾ら肉体を鍛え、規律を強いた所で、亜人の心根が変わる筈もありません
そして我らにとって、亜人の利用を目論む凶賊はもはや亜人も同じ!
護法の神を騙る忌まわしき者よ――覚悟なさい!
≪神護の長槍≫と≪神護の輝盾≫を手に引き続き前衛を担当
後ろのクロエ様が怪物の召喚と操作に集中しやすく、動きが敵から見えづらいよう、怪力を揮う偽神の向こうを張ります
『先陣駆ける女神の聖槍』を敵に突き立てます
筋骨隆々の肉体は槍を食い止めるかもしれませんが、本命は至近距離で穂先から放つ破壊光線
この類の攻撃は初撃が最も意表を突けるでしょう
クロエ様より先に動くなら光が溢れた直後に追撃を加えて頂き、後に動くなら敵と怪物の戦いに横槍を入れ痛打を
反撃は伸び来る手を盾で横殴りに振り払い、掴みを妨げます
ふう……故郷の奪還を果たしても、逢瀬の舞台は専ら戦場です
世の恋人達はどこで過ごしているのやら
あなたの隣なら、わたしはどこでも満足ですけれどね
クロエ・アルニティコス
愛するエイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います
所詮は蹂躙することでしか生きてはいけず、生まれることすらできない者たち。
それはなんら変わっていないと、それだけのことです。
ここで私たちがそれを暴かずとも、いずれ女を見れば同じ反応をしていたでしょう。
災禍しか生まぬ輩を匿ったこと、お前も同罪です。
エイレーネの守りを受けながら魔術を詠唱、【ヒュドラ・アマランサス】を使用し、ヒュドラを象った植物の怪物を作り出します。
ヒュドラの多頭を活かし、両腕では捌ききれぬほど多くの方向から一度に襲い掛からせ、金剛力士「阿形」へとヒュドラの毒の牙を突き立てさせます。
雷撃……というよりもそれの齎す熱はヒュドラにとって弱点ですが、それでこちらに意識が向けばエイレーネが攻撃しやすくなります。
エイレーネより後に動けば槍が放つ光線で阿形が怯めばその隙に頭部を狙って齧り喰らい、先に動くなら長い首で絡み、縛り上げて攻撃のチャンスを作ります。
こちらに独鈷の攻撃を行ってくる場合は「守護の赤薔薇」の茨の防壁で防ぎましょう
アヴァタール級『金剛力士「阿行」」は一体何がおこったのかと、亜人の軍勢が霧散霧消した光景に動揺を隠せない様子だった。
「ディアボロスが以下に精強であるとしても、この有り様……如何なるか」
その言葉に大澄・蓮(諸行無常・g09335)は短く答えた。
「いうなれば、愛のパワーってやつかな」
様々と見せつけられてしまった、と彼は思った。
このときの彼の心情を述べよ、というのならば、きっと今まで彼がなんとなく理解しきれていなかった12月とか2月とかに湧き出すリアルが充実しているものたちを『ばくはつしろください』という連中の心が少しだけわかったような、とかそんな感じであった。
でもまあ、と蓮は思う。
彼が愛のパワーだと言ったのは、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)とクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)が並び立つ光景を見ればわかるはずだった。
二人の仲睦まじさは、恋人同士以上のものに思えたからだ。
そのあり方が美しい。
寄り添うだけではない。並び立つために自活を以て互いを支えようとしている。
その様が甘やかなだけではないことを示すものであったからこそ、一種の尊さを覚えてしまうのも無理なからぬことであった。
一瞬、ちょっと間に挟まりかけたのでは、と蓮は思ったが、セーフであった。
むしろ、事故でも挟まったりしようものなら、色んな意味で死が待っている。たぶん。主に社会的な死とか、物理的な死とか、そんな感じのやつ。
「愛? 愛だと? そんな不確かなもので、我が亜人の軍勢が、あの屈強なるものたちが敗れたとでもいうのか?」
「そうだよ。結果は推して測るべしってやつだ。『金剛力士「阿行」』サンよ。あんたも野暮なコトしないほうが身のためだと思うよ!」
「ぬかせ!」
噴出する炎。
『金剛力士「阿行」』の全身から炎のごときオーラが噴出し、蓮へと飛ぶ。
飛翔による突撃。
その凄まじさは言うまでもない。
「『吽行』が居ないわけないけど、二体同時に相手しなくて済んで良かったって思うかな!」
突進の一撃を受け止めながら、獄炎斬の一撃を以て蓮は弾く。
奇しくも炎と炎。
吹き荒れる炎は、周囲の空気を熱して膨れ上がっていく。
「貴様らディアボロスなど、我一体で十分ということよ! 我が軍勢を鏖殺した罪、その穢れ、煉獄の炎にて濯がせてやろうではないか!」
互いに弾かれながら距離を取る。
瞬間、そこに飛び込んできたのは、エイレーネであった。
手にした盾を構え、膨れ上がる熱波を押しのけながら前に、前に踏み出す。
「何やら見当違いの期待を抱いているようですね……いくら肉体を鍛え、規律を強いた所で、亜人の心根が変わるはずもありません」
「所詮は蹂躙することでしか生きて行けず、生まれることすらできない者たちです。それは異なるディヴィジョンに漂着するのだとしても、何ら変わっていないと、それだけのことです」
エイレーネの盾の後ろに並び立つようにクロエは瞳をパラドクスに輝かせる。
蓮のパラドクスと『金剛力士「阿行」』のパラドクス。
炎と炎のぶつかりによって生まれた熱波が風となって二人の髪をなびかせた。
煌めくパラドクスの輝きが銀髪を照らし、そして同時に魔女は己が魔力を込めた種子を大地に落とす。
「ここで私達がそれを暴かずとも、いずれ女を見れば同じ反応をしていたことでしょう」
「その都度律すればよいだけのことよ。貴様らディアボロスにとって、数とは脅威。どれだけ語るのだとしてもなぁ!!」
手にした独鈷杵が雷撃をほとばしらせる。
同時にクロエのパラドクスの光を受けて、大地においた種子が急速に成長を遂げる。
「災禍しか生まぬ輩を匿ったこと、お前も同罪です」
ヒュドラ・アマランサス。
それは神話の怪物をもした植物の異形。
もたげる首が走り、雷撃を吸収しながら『金剛力士「阿行」』の体躯を打ち据える。
手にした独鈷杵から放たれる雷撃は凄まじいものであったし、強烈であった。植物の怪物にとっては天敵と言ってもいいだろう。
事実、雷撃は植物の体躯を焼き滅ぼす勢いであった。
クロエの瞳に恐れはなかった。
何故なら、己の隣にはエイレーネがいる。
その金色の瞳がきらめいている。
最も近くで、その輝きを見ることができている。並び立つ者にだけ許された光景だ。
赤薔薇が周囲に満ちる。
防壁のように雷撃を防ぎながら、頷く。
「我らにとって亜人の利用を目論む凶賊は、最早亜人も同じ!」
「我らを亜人と謗るか! 万死に値する! その不遜、その不敬! その素っ首ねじりきってもなお、許せぬ!」
憤怒の表情。
『金剛力士「阿行」』の形相は恐ろしいものであった。
身が竦む。
金縛りにあったかのような感触にエイレーネは身を固くしただろう。
けれど、踏み出す。
この一撃を打ち出すために、蓮が、クロエが先んじて仕掛けてくれていたのだ。
敵は冷静さを失っている。
ならばこそ、一撃に全てを掛けなければならない。報いなければならない。
道を拓き、示す者がいるのならば。
己の背に触れる温かな掌の感触を伝え、感情を教えてくれる者がいるのならば。
「護法の神を騙る忌まわしき者よ――覚悟なさい!」
如何なる憤怒も、己の心を惑わすに値せず。
名を奪い、騙る。
それがクロノヴェーダだ。
故に、先陣駆ける女神の聖槍(アテーナー・プロマコス)は迸るように走る。
「ぐっ、おおおおっ!?」
「神の名を騙り、踏みつけ罰を与えるべき者を囲う者よ! 見るがいい! これが真の信仰!」
信仰の光は、パラドクスの光へと変貌し突き立てられた槍の穂先に集約する。
「エイレーネ!」
「アテーナー様! 大神ゼウス様の姫神にして、戦の先駆けたる女神よ! どうかこの槍に、人々の敵を貫く力をお与えください!」
膨れ上がる光が『金剛力士「阿行」』の上半身を吹き飛ばす。
それは強烈な光だった。
あとに残るのは、消し飛んだ上半身ばかりだった。
「トドメは、きっとと思っていたよ」
蓮はクロエとエイレーネを見やる。
二人の寄り添う姿を見ていればわかる。復讐の炎を胸に宿すのがディアボロスだ。
けれど、それだけじゃない。
愛という力が、復讐の炎よりも燃え盛るのなら、きっとただ一つの力だけに頼らなくても良いのではないかと思ったのだ。
「ありがとうございます……故郷の奪還を果たしても」
逢瀬の舞台はエイレーネとクロエにとっては戦場ばかり。
「世の恋人たちはどこで過ごしているのやら」
いや、それは新宿島とか、色々あるでしょ、と蓮は思ったかも知れないが、口に出さなかった。
雉も鳴かずば撃たれまい。そういうことである。
そこら辺は鳴いても撃たれない者に任せるべきであった。戦いが終わっても緊張感はない、と蓮は思った。
どこか和やかな終わりを迎えた戦い。
クロエはエイレーネの隣に立ち息を吐き出す。
「戦いはまだ続きます。であれば」
「ええ、あなたの隣なら、わたしはどこでも満足ですけれどね」
互いに同じ気持ちだといい。
風が、戦いの気配を連れ去っていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!