リプレイ

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「とにかく、出口を探せ！」
「……えっ？　戦うんじゃないのか？」
「だったら、戦いながら、逃げる！」
「わ、分かった！　それで行こう！　つーか、行くしかねぇ！」
　突撃竜鱗兵達は、生き残るため、必死であった。
　ドラゴンが助けに来る可能性が低い以上、襲いかかってくる敵と戦いながら、森の中から脱出する必要があった。
　だが、途中で道に迷ってしまったため、自分達が何処にいるのかさえ分かっていないようだった。
「まず周囲の掃除からね。救助活動に水を差されるのも嫌だし……」
　そんな中、高遠・葉月（猫・g04390）が仲間達と共に突撃竜鱗兵達の前に立ち、【怪力無双】で近くの大木を引っこ抜き、手当たり次第にぶっ叩いた。
「ち、畜生ッ！」
「こんなところで……！」
「だから、やるしかねぇって！」
「でなきゃ、殺される！　俺達全員、確実に死ぬ！」
　その途端、突撃竜鱗兵達が身の危険を感じ、骨棍棒を構えたままジリジリと後ろに下がった。
「皆殺しにするつもりはないっすけど、邪魔をするなら容赦しないっすよ」
　すぐさま、山田・菜々（正義の味方の味方・g02130）が素早い身のこなしで間合いを詰め、先頭にいた突撃竜鱗兵を足払いで転ばせ、頸動脈に一撃を放って、容赦なく頭を潰した。
「マ、マジかよ」
「しゅ、瞬殺って……」
「やっぱ、無理だろ、これ！」
　それを目の当たりにした突撃竜鱗兵達が、気まずい様子で汗を流した。
「まあ、生き残るのに必死なのは分かるんだが、ドラゴンの勢力である以上見逃す可能性は低いんだよね。こちらは命がかかってる。邪魔をしないなら良し、立ちふさがるなら蹴散らすだけだ」
　それに合わせて、九条・雅（赫焉のパシオン・g03417）が警告しながら、突撃竜鱗兵達に攻撃を仕掛けていった。
「ち、畜生ッ！」
「や、やるしかねえのか！」
「行くぞ、オラオラオラァ！」
　次の瞬間、突撃竜鱗兵達が骨棍棒を掲げ、半ばヤケになりつつ、一心不乱に突進した。
「こ、この状況で戦うんすか！？　まあ、いいっすけど……」
　菜々が複雑な気持ちになりつつ、【戦場の経験（ヴェテラン）】を発動させ、歴戦の経験より突撃竜鱗兵の弱点を看破し、大岩を投げつけて、息の根を止めた。
「ち、畜生ッ！」
「ボルゴの仇だ！」
　突撃竜鱗兵達がドラゴンの悪意と呪詛を骨棍棒に籠め、強烈な一撃を叩きつけた。
「……たくっ！　アンタらに構ってる余裕は無いんだよ！！」
　即座に、雅がエアライドを駆使して、突撃竜鱗兵達の攻撃を避け、連撃と薙ぎ払いを併せた【破軍衝】を仕掛け、拳の一撃と共に強大な衝撃波を打ち出し、突撃竜鱗兵を仕留めた。
「うぐぐっ！　例え、俺ひとりになっても、やるしかねぇんだ！　やるしかなァ！」
　突撃竜鱗兵がケモノの如く叫び声を響かせながら、葉月の頭部を狙って骨棍棒を振るい抜こうとした。
「だったら、こっちも容赦をしないわ！」
　それよりも早く葉月が【潰（カイ）】で大木を力任せに振り下ろし、突撃竜鱗兵の頭蓋を叩き割った。
　そして、ディアボロス達はスタペリアケージに囚われた何者かを救うため、森の奥に突き進んでいくのであった。






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　スタペリアケージは体長７ｍほどの大きさがあり、周囲に異臭を放ちながら、ユラユラと黄花を揺らしていた。
　幸い、ディアボロス達の存在には気づいておらず、完全に油断しているようだった。
　いまのところ、ヴァインビースト達の姿はないものの、騒ぎを聞きつけて現れる可能性が高かった。
「生贄砲なんて、ふざけた代物作りやがって……！」
　そんな中、外道・歩（人外の道へと歩む女・g02219）が仲間達と共に、スタペリアケージを見上げた。
　スタペリアケージはドラゴン達が舞い戻ってきた時に備え、上空を警戒しているらしく、根元の注意が疎かになっていた。
「今回はエルフ達の救出が、最優先事項だ。その上で生贄砲の仕組みを解明し、俺達で使う事が出来るようになれば、強力な切り札になるのは間違いないのだが……」
　廻間・優磨（キルモンガー・g05186）が複雑な気持ちになりつつ、何処か遠くを見つめた。
　そのためには、誰かを生贄にする必要があるため、現時点では実用的と言えなかった。
「……難しい問題かも知れませんが、やはり私は犠牲などなければない方がいいに決まっていると思います。行きますよ、グラシア。私たちは私達の信念のままに！！」
　アイラザード・ゲヘナ（ディアボロスの自由騎士・g00138）が覚悟を決めた様子で、無双馬『グラシア』に飛び乗った。
　それと同時に、グラシアが最大スピードでダッシュすると、アイラザードが双刃刀『オルトリンデ』を構え、【魔封剣『一刀』（マフウジンイットウ）】を発動させ、スタペリアケージの根元に渾身の一撃を叩き込んだ。
「……！」
　次の瞬間、スタペリアケージがディアボロス達の存在に気づき、植物の蔓を狂ったように振り回した。
「あまり時間がありません。すぐに助け出しましょう！」
　優磨が頭部にカメラを付けたまま、【人道的武装群掃射（アイアンレイン）】を発動させ、スタペリアケージの頑丈な表皮を爆破した。
　ケミカルライトで照らされたスタペリアケージの体内は、粘液でヌルヌルになった植物のツルが幾重にも巻きついており、絡まったツルが筋肉繊維や血管のような生物的な脈動をしていた。
　だが、ダメージを受けた事で、肉体の再生が始まっているらしく、体内のツルを外側に押し出され、それが徐々に硬化して傷口を塞ごうとした。
「あぁ、もう！　再生が鬱陶しいっすね。……おりゃあ！」
　すぐさま、歩がオーラ操作で障壁を作り、再生を阻害しつつ、念動力を込めてデストロイガントレットで、【デストロイスマッシュ】を叩き込んだ。
　その拍子に、無数に絡まったツルの内部から、スタペリアケージの生贄になっていたエルフが姿を現した。
「いま助けるから、もう少しの辛抱だ！」
　それに合わせて、優磨がエルフを外に引っ張り出し、フレアガンを使って救出完了の合図を出した。
「グルルルルルルルルルッ！」
　次の瞬間、騒ぎを聞きつけてやってきたヴァインビーストが唸り声を響かせ、ディアボロス達に襲いかかってきた。


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「グルルルルルルッ！」
　ヴァインビースト達は、複雑に入り組んだ木々の間を駆け抜け、ディアボロス達に襲いかかってきた。
（……これだけ木々が入り組んでいたら、攻撃も仕掛けづらいな。まさに自然の防衛拠点って訳か）
　すぐさま、陣・頼人（武装騎士ヴィクトレオン・g00838）が、警戒した様子で間合いを取った。
「ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォン！」
　次の瞬間、ヴァインビーストがケモノのような咆哮を響かせ、全身から植物性のガスを噴出させた。
「……！」
　即座に、頼人が地形を利用して飛び上がり、植物性のガスを回避すると、罠使いと早業を駆使して、木々の間に蔓にカモフラージュしたロープを張り巡らせた。
「……！」
　それと同時に、ヴァインビーストがロープに絡まり、悲鳴にも似た鳴き声を響かせた。
「君に恨みはないけど、みんなが逃げるまでの時間を稼ぐ必要があるから……！」
　それに合わせて、頼人が周囲の木ごと貫通撃で破壊しながら、アームドフォートの砲撃と共に、【屠竜撃】を仕掛けて、ヴァインビーストを撃ち抜き、息の根を止めた。
「グルルルルルルッ！」
　だが、ヴァインビースト達はまったく怯んでおらず、殺気立っている様子で唸り声を上げていた。






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「エルフ達を救出した事ですし、後はヴァインビーストを排除して、脱出路を確保しましょうか」
　すぐさま、アイラザード・ゲヘナ（ディアボロスの自由騎士・g00138）が無双馬『グラシア』から飛び降り、ヴァインビースト達を迎え撃った。
　エルフを取り込んでいたスタペリアケージは未だに健在ではあるものの、アイラザード達を見つけ出す事が出来ず、見当違いの場所に茨の蔦を叩きつけていた。
「確かに、せっかく助けたエルフを、ここで失う訳にはいかないからね」
　九条・雅（赫焉のパシオン・g03417）が納得した様子で走り出し、ヴァインビーストの攻撃をジャンプで避け、斬撃を繰り出すようにして、【緋焔の一閃（ヒエンノイッセン）】を仕掛け、真っ二つに斬り裂いた。
「グルルルルルッ！」
　だが、ヴァインビースト達はまったく怯んでおらず、グルルルルルッと唸り声を響かせながら、木々の隙間を潜り抜けるようにして、一気に距離を縮めてきた。
「自分達にとって、都合のいい場所のようだけど、これでも同じように行動できるかな？」
　それを迎え撃つようにして、峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）が【幻惑のスコール（ゲンワクノスコール）】を発動させ、地形認識を狂わせる幻惑魔術を組み込んだ光弾の雨を降らせた。
「……！」
　その途端、ヴァインビースト達が一斉に動きを止め、警戒した様子で辺りを見回した。
　だが、先程の攻撃で地形認識が阻害されているため、まったく状況を把握する事が出来なくなっていた。
「グルルルルッ！」
　その事に危機感を覚えたヴァインビーストが、何かに取り憑かれた様子で、手当たり次第に体当たりを仕掛けてきた。
「……全く、本来の植物からの変貌が凄いね。まあ、害を及ぼすなら残らず伐採するだけだ」
　すぐさま、雅が残像を駆使して、ヴァインビーストの体当たりを回避し、反撃する機会を窺った。
「……そうだね。ヴァインビースト達が、元の感覚を取り戻す前に倒してしまおうか」
　それに合わせて、恵が呼吸法を使って、ヴァインビーストの体当たりを見切り、LUSTオーラシールドで身を守った。
「……突撃します！」
　その間に、アイラザードが飛翔しながら空中戦を仕掛け、グラシアが連携を取るようにして、ヴァインビーストを弾き飛ばした。
「ピギャア……！」
　その拍子にヴァインビーストの身体が宙を舞い、悲鳴にも似た鳴き声が響き渡った。
　それに合わせて、恵が倒木を踏み台にして飛び上がり、LUSTビームマシンガンを連射してヴァインビーストを撃ち抜き、着地と同時に闘気を乗せたLUSTクンフーブーツで蹴りを放った。
「この一撃。躱せるものなら躱してごらんなさい！！」
　それと同時に、アイラザードが【魔封槍『晴嵐』（マフウソウセイラン）】を発動させ、突撃槍『ゲイレルル』の穂先に風を宿らせ、自らの翅で飛翔し、ヴァインビーストを蹴散らした。
　まわりにいたヴァインビースト達も、仲間達によって次々と倒され、肉の塊となって辺りに転がった。
「ピキャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！」
　次の瞬間、スタペリアケージがディアボロスの居場所を特定し、不気味な鳴き声を響かせながら、狂ったように茨の蔦を振り回すのであった。








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「……流石、決戦兵器だね。漂う危険なオーラが尋常じゃない」
　九条・雅（赫焉のパシオン・g03417）は仲間達と共に、木々の隙間に隠れながら、スタペリアケージを見上げた。
「フシュルルルルルルルゥ！」
　スタペリアケージはディアボロス達の居場所を絞り込むため、茨の蔓を振り下ろし、周囲の木々を弾き飛ばしていた。
　そのため、徐々に隠れる場所が減っていき、倒れた木のせいで、逃げ道も塞がれた。
「もう生贄はない。ならドラゴンにやった対空砲も無い」
　そんな中、峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）が限界高度まで飛翔した後、【極光撃（オーロラアタック）】を発動させ、森羅万象の気とマナを集めて取り込むと、上空からスタペリアケージの花部分を狙って、LUSTビームマシンガンで、強力な一撃を炸裂させた。
「ピュルルルルルルゥ！」
　その拍子に、スタペリアケージが悲鳴にも似た鳴き声を響かせ、大量の花びらを散らせた。
「皆さん、急ぎましょう！　先程エルフの方を救出しましたが、だいぶ弱っているようですし、時間がありません……！　最悪の事態に陥る前に、決着をつけてしまいましょう！」
　すぐさま、アイラザード・ゲヘナ（ディアボロスの自由騎士・g00138）が無双馬『グラシア』に飛び乗り、スタペリアケージに突撃した。
「デカい奴にはデカいものをぶつけりゃいいんすよ！　うぉりゃあ！」
　それに合わせて、外道・歩（人外の道へと歩む女・g02219）が怪力無双を駆使して、手当たり次第に周辺の木や岩を投げつけ、念動力で回転させながら、スタペリアケージの表皮をガリガリと削り取った。
「オロロロロロロロン！」
　その途端、スタペリアケージが奇妙な鳴き声を響かせ、茨の蔓を瞬時に伸ばし、雅を取り囲んで一気に締め上げた。
　だが、それは雅が作り出した残像だった。
「……残念だったな。アタシを絞め殺す事が出来なくて……。そもそも、人の命を使った兵器なんて冗談じゃない！！　とっとと、この世界から消えな！！」
　その隙をつくようにして、雅がダッシュで素早く接近し、【緋焔の一閃（ヒエンノイッセン）】で覚悟を秘めた一閃と共に連撃を繰り出し、茨の蔓を一刀両断すると、強打とグラップルを駆使して、スタペリアケージを蹴り飛ばした。
「オロロロロロロン！」
　続けざまに攻撃を食らったスタペリアケージが激しくヨロめき、赤い光と共に不可視の強い赤外線を放射した。
　その光がガリガリと地面を削りながら、ディアボロス達に迫っていった。
「……てやっ！」
　即座に、恵がLUSTオーラシールドと魔闘気で耐え、フラフラとしながら地面に着地した。
「このまま一気に突っ込みますよ……！」
　アイラザードも守護盾『ランドグリーズ』を構え、グラシアに乗ったまま突っ込んでいった。
「それじゃ、行くよ！　せっかくエルフさんを助ける事が出来たんだから……！」
　その間に、恵が平手で自分の脚を叩いて意識を保ち、LUSTビームマシンガンを連射しながら、スタペリアケージの花びらを散らしていった。
「だから、これ以上……好き勝手にさせないっすよ！　ボッコボコにして、黙らせてやるっす！」
　続いて、歩が【デストロイスマッシュ】を放ち、再生途中であったスタペリアケージの表皮を完全に抉り取った。
　それでも、スタペリアケージは体内組織を硬化させ、傷ついた表皮を再生させようとした。
「もう、しつこいよっ！　いい加減にしないと怒るからね！」
　次の瞬間、恵が再び上空まで飛び上がり、真上から闘気を纏って急降下すると、竜骸剣を花の部分に突き刺し、近距離からLUSTビームマシンガンを乱射した。
「この一撃で貴様を討ちます……！」
　それに合わせて、アイラザードがグラシアに乗ったまま、【魔封剣『陽炎』（マフウケンカゲロウ）】を仕掛け、双刃刀『オルトリンデ』に光を纏わせ、スタペリアケージを斬り落とした。
「オロロロロロロロロロロロロロロロロロン！」
　それと同時に、スタペリアケージが断末魔にも似た鳴き声を響かせ、爆音を響かせながら地面に倒れ込んだ。
　そして、ディアボロス達は救出したエルフを連れ、森を脱出するのであった。

最終結果:成功
完成日	2021年11月02日