カンピーナス制圧作戦〜危険な色タイルの謎(作者 雷紋寺音弥
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#黄金海賊船エルドラード  #アマゾン植民地帝国、カンピーナス制圧作戦  #アマゾン植民地帝国  #エルドラードダンジョン  #カンピーナス 

●食料ダンジョン強襲!
 ウーウーウー!
 街中に突如として鳴り響く警報。それをきっかけに動き出すのは、配下を引き連れ食料ダンジョンへと向かう、屈強なワニのアビスローバー。
 あまりに時代にそぐわない警報システムは、他でもないクロノ・オブジェクト。警報を受けてダンジョンへと向かうワニは、配下に多数の巨大蟹を連れ、既に勝利を確信していた。
「フフフ……この仕掛けがあれば、侵入者など容易く撃退できるわ! 超常の力を使えぬ連中など、退けるのは我らの肉体だけで十分よ!」
 見れば、アビスローバー達の前には三色のカラフルなタイル張りの床が広がっており、そこに何らかの罠が仕掛けられているのは明白だった。彼らは予め定められたルールに従ってタイルを踏みながら、ダンジョンの最奥を目指して進んで行くのであった。

●特殊迷宮攻略指令
「貴殿らの活躍により、ここ最近でもかなりの規模の大地を奪還することができた。だが、敵の拠点は北半球だけではないことは、既に貴殿らも承知であろう」
 吸血ロマノフ王朝との決戦が終わって間もない時に申し訳ないが、今度は南半球へ向かって欲しいと蒼・勝峰(インセクティアの無双武人・g03511)はディアボロス達に告げた。
 今回の目的地は黄金海賊船エルドラードのディビジョンに存在する『カンピーナス・ヂ・マト・グロッソ』という街。史実でも南米探索の拠点となった場所だが、この街こそが南米植民地帝国の玄関口であり、南米各地に食料を供給している生産拠点。故に、カンピーナスのアビスローバーを撃破し、カンピーナスを制圧する事が出来れば、南米植民地帝国攻略の足掛かりとする事が可能になる。

「カンピーナスは、食料ダンジョンと、その食料ダンジョンを攻略する為の一般人が集まる牧歌的な都市だ。アビスローバーの防衛戦力は大したことは無いようであるが……」
 だが、ダンジョン内に存在する【宝】の効果なのか、敵の侵入を察知する警報が取り付けられているため、奇襲による攻略は不可能に近い。この警報を受けるとアビスローバー達は食料ダンジョン内に入り、籠城の構えを見せるようになる。
「籠城戦は、時間さえ掛ければ立て籠もった方が不利になるのが定石であるが……今回は、そのような常識が通用せぬ。これも全ては、ダンジョン内の持つ特殊な力と、内部に仕掛けられた仕掛けが原因のようだ」
 勝峰の話では、この食料ダンジョンは特殊な効果を持っており、内部では逆説連鎖戦が発動しない。そればかりか、クロノヴェーダもディアボロスも、身体能力などが一般人並に低下する。この状況で一方的にダンジョンの仕掛けを利用されてしまえば、ディアボロスといえども勝ち目は無い。
 唯一の幸いは、食料ダンジョン内には食料や物資を求めて一般人が探索を行っていることだ。彼らとうまく接触し、ダンジョンの仕掛けについての情報と対策を聞き出すことができれば、仕掛けを無効化……或いは逆利用することで、ダンジョン内の戦いを有利に進められる可能性もある。
「ダンジョン内で撃破された者は、ダンジョン付近に放逐されるようであるからな。上手い具合に敵を外部へ放逐し、外での戦いで逆説連鎖戦に持ち込めば勝機もある」
 もっとも、敵はワニのアビスローバーを筆頭に、蟹のアビスローバーが複数確認されている。相手も身体能力が一般人並に低下するとはいえ、元から硬い皮膚を持つ連中だ。強力な武器やパラドクスで一気にダメージを与えたいところだが、ダンジョン内ではパラドクスの威力が激減する上に、どれだけ優れた武器を持ち込んでも、一般的な刀剣やマスケット銃程度の威力に抑えられてしまう。魔法のような効果についても同様で、それらは発動と同時に無効化され、殆ど意味を成さないだろう。
「やはり、ここは一般人から情報を収集する他に勝機はなさそうであるな。しかし、ダンジョン内の食料は彼らにとっても貴重品故、無策で飛び込んで情報を渡してくれるような者は存在せぬ」
 何らかの方法で懐柔しなければ、情報を得ることは難しい。何しろ、彼らにとって余所者は全て貴重な食料を奪う敵であり、仲間を装うにしても彼らは決まった集団で行動しているので、後から仲間のフリをして潜り込むのも困難だ。

「最悪の場合は、こっそりと様子を伺うことで、ダンジョンの仕掛けに関する秘密を探るしかないかもしれぬ。だが、彼らとて好きで危険なダンジョンの探索を行っているわけではあるまい。彼らを助ける為にも、まずはカンピーナスの制圧を進めなければならぬ」
 ダンジョンの仕掛けで死ぬのは一般人だけなので、ディアボロスであれば多少の無茶な戦い方も可能。とはいえ、痛い目に遭わずに任務を果たすことができれば、それに越したことはない。
 仕掛けで死ぬことはないにしても、くれぐれも命を粗末にするような戦いはしないように。そう言って、勝峰はパラドクストレインに乗り込むディアボロス達を見送った。

●手順を間違えれば、その先は……
 危険な罠や獣が蔓延る食料ダンジョンだが、そこは一般人にとって貴重な食料や資源の採集地。今日も近くの集落から、総勢30名近い集団が、危険なダンジョンへ挑んで行く。
「おい、気をつけろよ。色タイルが見えたぞ」
「なぁに、心配は要らねぇよ。こちとら、何度もここには来ているからな」
 既に幾度目かの探索となる年長者達は、ダンジョン内の仕掛けも熟知しているのか、どことなく余裕の表情だった。だが、それはあくまでベテランだからこその話。今回の探索が初めての新参者にとって、ここは危険なダンジョンに他ならないわけで。
「あ〜あ……それにしても、なんでこんな場所で食料集めなきゃならんのかねぇ?」
「まったくだぜ。どうせなら、酒とか甘い物とか、そういった嗜好品も手に入ると嬉しいんだが……」
 無駄口を叩きながら進む若者二人は、足元への注意が疎かになっていたようだ。その結果、彼らは色タイルのエリアに入っていたにも関わらず、何も考えなしにタイルを足で踏んでしまい。
「……ッ! おわぁぁぁぁっ!」
「ぎゃぁぁぁぁっ! 熱ぃぃぃぃっ!!」
 突然、足元のタイルが崩壊し、彼らは煮え滾る油の中へ叩き落とされてしまった。彼らの悲鳴に気付いた何人かが慌てて駆け寄るも、もはや二人を助ける方法はない。そのまま油の中に沈み、帰らぬ人となるのを眺めるだけだ。
「ほら見ろ……だから言わんこっちゃない」
「ここのタイルは、決まった法則で踏まねぇと崩れるって、あれほど言っておいたのにな……」
 大きな溜息を吐くも、二人を助ける方法もない以上、彼らは大きく項垂れながらもダンジョンの奥へと進んで行くのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【平穏結界】
2
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【能力値アップ】LV7 / 【ダメージアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV2

●マスターより

雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 食料ダンジョンという、一風変わった場所での戦いになります。
 一部、従来のルールが通用しないところがありますので、詳細に目を通してからご参加ください。

●選択肢①:カンピーナス食料ダンジョンで情報収集
 カンピーナスの食料ダンジョンを探索する一般人の集団と接触して、ダンジョンの仕掛けに関する情報を得る選択肢です。
 パラドクスの力にはあまり頼れないので、それ以外の方法で、上手く情報を聞き出しましょう。

●選択肢②:カンピーナスダンジョンの戦い
 ダンジョンの仕掛けを利用して、ディアボロスを撃退しようと準備していたアビスローバーを撃破する選択肢です。
 この戦いでは逆説連鎖戦が発生せず、パラドクスや近代科学の力、魔法の力なども大幅に効果が激減するか、あるいは無効化されます。

●選択肢③:取り巻きトループス級(クラヴィアン)
 指揮官の取り巻きの集団敵です。
 数はそこまで多くはないので、少数のディアボロスでも撃退可能です。

●選択肢④:アヴァタール級との決戦(フランシスコ・デ・オレリャーナ)
 二足歩行をするワニの姿をしたアヴァタール級です。
 見た目同様に高いパワーを持ち、豪快に戦います。
53

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


一騎塚・喜一
久しぶりのエルドラード
街の名前は…カンピョウナス・ト・マト・グラッセでしたっけ?
美味しそうなお名前ですね
食料ダンジョンにピッタリです

さて、一般人に取り入って情報を聞き出すわけですよね
新人探索者を装って近付いてみましょう
もちろん手ぶらでは御座いません
確か嗜好品をお望みでしたね
お酒は未成年ゆえ調達不可能ですが甘い物なら当てが御座いまして
新宿島にて先月のハロウィンで余った焼き菓子などの日持ちのするお菓子を
おつとめ品価格で大量に買い取ってまいりましたのでお持ち致しましょう

現地の服に着替え下っ端風の演技でまいります
アニキ達~!妙な食いもんが入って来やしたぜー!
ここはひとつ、あっしが毒見を…
包みを開けて甘~い香りを確認
アニキ達にも嗅いで貰いやしょうか
先ずは一口……う、美味い…っ!
こんなに沢山あるんですからお疲れのアニキ達もおひとつどうです?
危ない仕掛けのある職場って聞きやしたぜ
これぐらい食ってもバチは当たらんでしょう
あ!お手伝い致しやす!ここのタイルを踏めばいいんで?
と、タイルへ誘導してみます


獅子谷・銀子
危険なダンジョンに食料取りに行かないといけないなんて。過酷すぎるよね。

ダンジョンエキスパートの一般人に協力して食料を集めようと持ちかけ、攻略情報を教えてもらおう。
ダンジョンから食料を集めうまくいっていないミスで失敗した男性がターゲット。自分は体力など身体能力には自信があるけれど、ダンジョン攻略下手のはらぺこ新人のふりをする。
彼らを助け出して、協力を申し出る。協力したらもっと多くの食料を手に入れらると思わないかと提案する。攻略下手な手助けをしてもらったお礼として自分の取り分も半分以上相手に渡す約束で攻略情報を教えてもらう。抵抗もあるかもしれないけれど、露出高めの服でグッと密着しながらお願いで色仕掛けで割と強引にでも押し切りたい。
必要な情報は、安全なルート、それから逆に敵を嵌められそうなトラップ。


クローディア・ベネット
食糧ダンジョンで出てくるのは飽くまで「食料」だけか
気の毒な話だが、付け入る隙になってるなら狙い目だな

新宿島から良い酒を持ち込もう
ブラジルならカシャッサなんかが口に合うのかね
ラム酒とは似て非なるサトウキビの蒸留酒さ

三下風で行く仲間を年長者としてフォローしよう
すまないな、うちの若いのには落ち着きがなくて……これは面倒を見る私の非だ
お詫びと言っちゃなんだが、この酒でもどうだい?
はは、毒なんか入ってないさ。何だったら一緒に飲もうじゃないか

酒を酌み交わしながら話を進めよう
地元には他にもいい酒がある。しかし食料が不足しちまってね
この辺りのダンジョンで戦利品を持ち帰らないと不味い状況だ

あぁ、一度地元に戻れたなら、次はもっと良い酒も持ってこれるんだが……
カンピーナスのダンジョンにはクソみたいな仕掛けがあるらしいよな
色付の床だったか。あれで失敗しちまうかもしれない
そうなったら残念だが「次」はないね
だが手ぶらで帰っても結局飢え死にする訳だし、どうしたものかなぁ

更に酒が欲しいと思わせ、攻略法を伝授してもらおう


●疑心暗鬼な探索者
 食料ダンジョン。それは、この南米の地にて、人々の糧となる食料が手に入る貴重な場所。
 だが、当然のことながらダンジョン内は危険な罠が仕掛けられているのがお約束。ディアボロスやクロノヴェーダなら罠に嵌まってもダンジョン外に排斥されるだけで済むが、一般人は問答無用で死んでしまう。
「危険なダンジョンに食料取りに行かないといけないなんて。過酷すぎるよね」
「しかも、出てくるものは『食料』だけ……嗜好品の類には恵まれていないようだな。気の毒な話だが、付け入る隙になってるなら狙い目か……」
 人々の置かれた苦境を想像しつつ、獅子谷・銀子(ドレッドノート・ガール・g03350)とクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)は薄暗いダンジョン内を進んで行く。だが、その一方で一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は、どこか視点がズレていた。
「街の名前は……カンピョウナス・ト・マト・グラッセでしたっけ? 美味しそうなお名前ですね。食料ダンジョンにピッタリです」
 微妙にどころか、かなり盛大に名前を間違えているが、それはそれ。ダンジョン内を進んで行くと、やがて三人の十数名はいるであろう集団が姿を現した。
「止まれ! 何者だ!」
「そこで何をしている! ここは俺達が探索を任されたダンジョンだぞ!」
 出会い頭に、いきなり好戦的な態度。どう見ても、話し合いができるような雰囲気ではない。
 食料ダンジョンの探索は、このカンピーナスに生きる者達にとって死活問題なのである。危険を犯して得た食料を誰かに分けるようなことなど考えられないし、探索は厳選されたメンバーによって行われるのが常だ。
「いやぁ、実はあっしら新人なんで、ちょいと迷っちまいやしてー!」
「そうそう! お腹空いたし、ここはみんなで食料を……」
 咄嗟に新人のフリをする喜一や銀子だったが、人々の視線は冷たかった。完全に疑いの眼差しを向けられている。彼らからしてみれば、余所者は食料を奪う賊にとしか思えないので、疑心暗鬼になるのも仕方がないのだが。
「すまないな、うちの若いのには落ち着きがなくて……これは面倒を見る私の非だ。お詫びと言っちゃなんだが、この酒でもどうだい?」
 流れが拙い方へと向いているのを察したクローディアが、間髪入れずに酒を取り出して見せた。それを見た若い者達が一瞬だけどよめいたが、年長者達は油断することなく彼らを諌めていた。
「はは、毒なんか入ってないさ。何だったら一緒に飲もうじゃないか」
 警戒心の強さに辟易しながらも、クローディアはそれを表情に出さず、自分から酒を口に含んで見せた。同様に、今度は喜一が懐から何かを取り出すと、包を開いて中の菓子を取り出した。
「アニキ達~! 妙な食いもんが入って来やしたぜー! ここはひとつ、あっしが毒見を……」
 甘い香りを周囲に広げつつ、喜一は躊躇うことなく甘味を一口。
「……う、美味い……っ! こんなに沢山あるんですからお疲れのアニキ達もおひとつどうです?」
 見せつけるようにして食べながら、どんどん人々へ勧めてゆく。ここは、危ない仕掛けが施されたダンジョンだ。これくらい食べてもバチは当たらないだろうと告げれば、さすがにダンジョンを探索していたグループも信用してくれたのだろうか。
「なるほど……確かに、泥棒ではなさそうだな」
「食料以上に貴重な品を無償で渡す、か……。信頼しても良さそうだな」
 休憩も兼ねて、彼らはディアボロス達と一緒に酒盛りを始めた。もっとも、30人近い人々で酒を飲み交わせば、あっという間に酒も菓子も尽きてしまったが。
「地元には他にもいい酒がある。しかし食料が不足しちまってね。この辺りのダンジョンで戦利品を持ち帰らないと不味い状況だ」
 一度、地元に戻ることができれば酒も持ってくることができるが、そもそもダンジョンから生きて帰れるかも怪しいと、クローディアは大げさに天を仰いだ。このまま逃げ出すのは容易いが、それでは村がまとめて飢え死にするだけ。どうしたものかと悩んでいると、なにやら探索者達の一人がふらふらとタイル張りの床へ向かって行くではないか!
「あ! お手伝い致しやす! ここのタイルを踏めばいいんで?」
「待て! そこは拙い!!」
 酔っ払った男の後に続いた喜一がタイルを踏みそうになったところで、別の男が喜一の腕を引いてタイルのない場所へ放り投げた。だが、先に進んでいた男は酒に酔っていたせいで足を踏み外し、タイルが崩れて奈落の底へ真っ逆さま……にはならなかった。
「……っ! 危ないところだったわね」
 男が落下しそうになった瞬間、銀子がしっかりと彼の腕を掴んでいたのだ。煮え滾る油の中へ叩き落されることだけは避けられ、男はなんとか落とし穴から引っ張り上げられていた。
「これは……思っていた以上に危険な罠だな」
「迂闊に歩くとフライにされるっすか!? 冗談じゃねぇっすよ!!」
 このままでは食料を手に入れるどころか全滅し兼ねないと、クローディアや喜一は探索者のリーダーに目配せした。この苦境を打破する方法を知っているからこそ、これまでもダンジョン探索を続けることができたのだろうと。
「ねぇ、お願い。一緒に食料を探してくれない?」
 協力して食料を集めれば、もっと多くの食料を手に入れられるだろうと、銀子もまた助けた男の腕を取って提案した。露出の高い服装で胸を押し当てる色仕掛け作戦だ。食料の取り分も半分以下で構わないと告げれば、さすがに破格の条件だったのか、集団のリーダーもディアボロス達を仲間に加えることを快諾してくれた。
「よし……そういうことなら、一時的とはいえ共同作戦だ。ただし、俺達の足を引っ張るなよ」
「ここのタイルは特別なタイルなんだ。決まった手順通りに踏まなかった場合、さっきのように崩れ落ちて、後は煮え滾る油の中へ真っ逆さまさ」
 男達の話では、タイルは赤、青、黄色の順に踏むのが正解なのだという。それ以外の順番で踏んだ場合、踏んだ場所のタイルが問答無用で崩落する。足元をしっかりと見て進めば問題なさそうだが、場所によっては同じ色のタイルばかりが固まって存在しているところもあり、何も考えずにタイルを踏んで進んで行っても、行き場を失ってしまうこともあるそうだ。
 探索ならまだしも、そんなタイルを足場に戦闘など果たして本当にできるのだろうか。どうにも先が思いやられる展開だったが、それでも罠の詳細を聞き出せたのは収穫に違いない。このタイルの性質を上手く利用すれば、あるいは敵の方を先に、高温油地獄へ叩き込むことができるだろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

●待ち構えるは蟹と鰐
 赤、青、黄色の三色タイルが敷き詰められた、比較的開けた洞窟内。そこでディアボロス達を待ち構えるは、蟹を従えた鰐のクロノヴェーダである。 
「フフフ……侵入者どもめ、今に思い知らせてくれる!」
 蟹を従えるフランシスコ・デ・オレリャーナは、他にも巨大な岩や巨木などを用意し、それら全てを使ってディアボロス達を排除しようと意気込んでいた。この場所では逆説連鎖戦が発動しないため、岩や木を転がされたらそれだけで面倒なことになる。
 彼らを洞窟の外へ追い出すには、彼らの方を罠に嵌めるしかない。なかなか難しい話ではあるが、それでも条件的には向こうも超常の力を使えないので似たようなもの。
 この戦いは、どちらが相手にタイルの踏み方を失敗させるかで決まるだろう。あらゆる手段を講じて、まずは洞窟内にいるクロノヴェーダを、外の世界へと追い出してしまおう!
一騎塚・喜一
先ずは先程助けて下さった男性に改めてお礼を
御恩をお返しする為にもここで頑張らないといけませんね

タイル地帯に踏み入る前に色の配置と自身の身体能力を可能な限り確認
踏む順番をシミュレート
行動の優先順位は
踏むタイルの順番の遵守>岩&木の回避>敵を油に叩き落とす、でまいりましょう
足元の色は都度確認

危険な足場に転がる岩や木
…沢山転がして貰ったらそれで足場や安全地帯が作れないかな…と一瞬思いましたが
今の身体能力では避ける一択で考えた方が良さそうですね

転がる岩&木対策としては出来るだけ鰐と蟹の直線上のタイルに留まる事
流石に味方の蟹を巻き込んでまで転がしてこないですよね…?
いや…やりそうな顔をしてますね…
もしそうなったら素早くタイルを移動して回避
危険は味方にも声で知らせます

敵を落とすには同じ色のタイルが固まった場所に誘導して無謀な行動を誘う
敵が次に踏むべきタイルをこちらが確保する等を狙ってみます

もし攻撃するとしたら移動を妨害する為に目…は小さっ!狙うのは現実的ではないですね
直立してる方の脚を狙いましょう


クローディア・ベネット
略奪一辺倒の連中と比べりゃ、罠の性質を見切る知恵があるらしい
面白いじゃないか、カンピーナスのくそったれ共は!

敵と対決する前に転がる岩や木の対策を立てておこう
抱えながら1タイル分ぐらいは跳べる程度の重さの土嚢を持ち込んで、岩や木が転がる直線上に配置
転がる勢いを削いだりあわよくば停止させる手段に使うよ
もしこの案が有効そうなら仲間にも追加の持ち込みを提案しよう
うまい事完全に止まれば、銃撃戦を行う時に遮蔽物にも出来る
そうしたら相手は最初の持ち場から動かざるを得ない
私達がハメてやるチャンスも増えるだろうさ

タイルの上を渡る時は遠くから全体像を把握して「2色以下が重なり詰み」にならないルートを見極める
視点の高さがもっと欲しいってんなら肩車でもしてやろう

戦闘時は≪船長のサーベル≫と≪ピストルセット≫の銃を手に戦おう
敵がパネル間を移動する時に撃って痛みで勢い余らせたり、近接戦では蹴りやタックルで見当違いのパネルに送る
自分は同じ目に合わないよう、背後のパネルに突き飛ばされても大丈夫かを意識しながら立ち回るよ


獅子谷・銀子
うわ、ほんとこのダンジョンは力なくなっちゃうんだね。
怖いと思うと同時にどこか以前の日常に戻れたようで懐かしいとも妙な感情になりながら、食料ダンジョンを進む。

一応武器は構えておくが、一般人と同じ力になってまで固そうなカニ怪人と正面から殴り会うわけにも行かない。敵を逆に罠に嵌めることで撃破したい。
そのためには、まず色タイルを把握。正解の踏む順番を覚えた上で、敵と自分の視界内の踏むべきタイルを2つ3つ先までできるだけ把握した上で行動。
不正解の色タイルの近くにいる敵の足元を青龍偃月刀の長柄の武器で払い、バランスを崩して手などをつかせたい。
敵が投げてくる岩を利用して、投げ返してもいいかもしれない。
見事敵が油へ落ちて茹で上がったら思わずガッツポーズ。次々落として敵をダンジョンの外へ追い出したい。
こちらが落ちるわけにはいかないので、味方同士で声を掛け合って、落下を防ぎ戦いたい。


●美味しく揚げました?
 食料ダンジョンの奥へと歩を進めると、突如として多数の岩がディアボロスや探検隊のメンバー達へと襲いかかった。
「な、なんだ、これは!?」
「こいつも罠か!? それとも落石か!?」
 予想していなかった事態に、困惑する一般人達。だが、一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は素早く彼らの間に割って入ると、岩に潰されそうになっていた男を間一髪で助け出した。
「これで先程の借りは返せましたね」
「え? あ、ああ、すまない……」
 男を下がらせ、喜一は改めてダンジョンの奥へと目をやった。見れば、二足歩行の蟹と、その後ろで指示を出す鰐男が、こちらに向かって岩やら丸太やらを転がしているようだった。
「よ〜し、そっちがそうなら、この岩を投げ返して……って、重っ!! ほんと、このダンジョンは力なくなっちゃうんだね……」
 目の前にある岩を抱えて投げ返そうとした獅子谷・銀子(ドレッドノート・ガール・g03350)が、その重さに驚きながらも岩から手を離した。
 食料ダンジョンの中では、ディアボロスもクロノヴェーダも身体能力が一般人と同等に低下する。当然、女性が身一つで岩を抱えて投げ返せるはずもなく、せいぜい押して転がすのが精一杯だ。
 では、何故に敵は岩をいくつも投げられているのかといえば……それは、予め用意していた道具を的確に使っていたからに他ならない。板と岩を組み合わせて作ったシーソーのような投石機を使ったり、あるいはそのまま斜面を利用して転がしたりと、地形や道具を余すところなく利用してくるのだ。
「略奪一辺倒の連中と比べりゃ、罠の性質を見切る知恵があるらしい。おまけに、道具まで利用するとか……面白いじゃないか、カンピーナスのくそったれ共は!」
 見た目とは反対に頭脳派な面を見せる鰐や蟹に、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)が思わず舌打ちした。そうしている間にも、岩や丸太がどんどんこちらへ迫ってくる。人々を退避させた上で攻撃を避けるのは問題ないが、これではこちらから攻めることもできない。
 このまま敵の岩や丸太が尽きるまで待つのは得策ではないと判断し、最初に動いたのはクローディアだった。彼女は土嚢を抱えると、それを持ったまま色タイルの上に飛ぶ。まずは赤色、次は青色と踏んだところで岩が目の前に転がってきたが、クローディアはそれに対して土嚢をぶつけることで停止させた。
「よし、まずは成功……と、言いたいところだけど、これじゃキリがないね」
 辛くも攻撃を防ぐことに成功したものの、岩や丸太は次々と転がってくる。土嚢一つで防ぎきれるものではないし、そもそもパラドクストレインにて持ち込める物資の量は手荷物程度までが限界なので、大量の土嚢を持ち込むこともできなかった。
「岩を利用して安全地帯は……この場合、作るのも難しそうですね」
 迫りくる岩を避けながら喜一も対抗策を考えていたが、やはり思ったようには行かないものだ。そもそも、岩や丸太で安全地帯を作ったとして、そこで敵と戦いになれば、互いに罠に落ちなくなるため泥試合だ。相手の身体能力も落ちているとはいえ、敵は蟹だけの腕がたくさんある。手数で考えれば圧倒的に相手の方が有利なので、今は避けることに専念した方が良さそうであり。
「やっぱり、罠を利用して外に追い出すしかなさそうね。だったら……」
 ここは相手を誘い出す他にないと、銀子が更に前へ出る。踏むタイルの色は把握しているため、どこを足場にするのかも考えながら。敵も、ここまで来るとさすがに投げるものがなくなってきたのか、鰐男の号令で蟹が色タイルのエリアへと降りてきた。
「小癪なディアボロスどもめ! お前たち、やってしまえ!」
「「「カニィィィィィ!!」」」
 ハサミをガチガチと鳴らしながら、巨大な蟹が三体ほどやって来る。どうやら、敵のトループス級はそこまで数が多くないらしい。数的には互角なため、ディアボロス達はそれぞれ散開し、敵を色タイルの種類が偏っている場所へと誘導して行く。
「ほらほら、こっちだよ。まさか、ビビってるんじゃないだろうね?」
 銃撃で足元を狙いながら、クローディアは蟹を牽制した。甲殻の硬さに自身のある巨大蟹とはいえ、今はその防御力も完全ではない。恐らく、甲殻の高度も普通の蟹に毛が生えた程度のため、銃弾の直撃を受ければ表面が砕け散ることだろう。
「んぎっ! あ、危ない!!」
 咄嗟に銃撃を裂けた蟹だったが、それこそがクローディアの狙いだった。彼女は予め、相手が踏んでいるのと同じ色のタイルを踏んだ上で、次に飛ぶタイルを相手が狙っているのと同じ物に決めていたのだ。
「甘いね! そのタイルは私がいただくよ!」
 敵がタイルを踏む瞬間を狙って体当たりを食らわせ、別の色のタイルへと押し出す。当然、蟹の踏んだタイルは盛大な音を立てて崩れ落ち、まずは一匹が煮え滾る油の中へと落ちていった。
「ガニィィィィ!! 熱ぃぃぃぃぃっ!!」
 蟹肉の焦げる臭いが一瞬だけ漂い、落ちた蟹はそのまま外へと転送された。仲間が落とされたことで動揺した他の二体だったが、その隙を逃さず、今度は銀子が青龍偃月刀で足払い。
「ほらほら、余所見しないの!」
「ぎゃぁっ! し、しまっ……あぁぁぁぁっ!!」
 続けて二体目も油で揚げられ、ダンジョンの外へ排出された。これで残るは鰐男と蟹が一体ずつだが……なんと、奥にいた鰐男は仲間がいるにも関わらず、残る岩と丸太を全て放り投げてきた。
「ひぃっ! フランシスコ様、お止めくださ……カニィィィィッ!!」
 哀れ、岩に吹っ飛ばされてハズレのタイルの上に落下し、最後の一匹も落下して行った。完全な自爆なのだが、それでも鰐男は何ら気にせず、巨大な槍を構えて今度は自ら飛び出してきた。
「ふん、情けないやつらよ! こうなれば、我が直々に相手をしてくれる!」
(「うわぁ……まさかとは思いましたけど、本当に仲間を巻き込んで来るなんて……」)
 嫌な予感が的中したことでドン引きする喜一だったが、どうやら休んでいる暇はなさそうだ。鰐男、フランシスコ・デ・オレリャーナの武器は柄の長い槍。これを高速で突き出すだけで、相手をハズレの色タイルに追い込むことができるのだ。
「……ひゃっ! こいつ……こっちを突き落とすつもり!?」
 青龍偃月刀で牽制しながら対抗する銀子だったが、パワーだけなら相手の方が上なので、ともすれば押し負けそうになってしまう。隙を見て喜一が横から仕掛けようとするも、フランシスコは槍を高速で回転させることで、ディアボロス達を近づけさせない。
「あのリーチに、サーベルじゃ不利だね。だったら……こいつは避けられるかい?」
 槍の防御が弱い場所、相手の足元を狙ってクローディアの銃が火を吹いた。フランシスコは、それさえも軽々と跳躍して避けようとするが、さすがに身体能力の低下した状態で3対1は厳しかったのかもしれない。
「そうはさせないわよ!」
 すかさず、銀子が青龍偃月刀を投げつけることで、フランシスコに更なる回避を強制させる。その上で、彼が次に跳ぶタイルを予測した喜一が先回り。
「ぬぉっ! 貴様、そこは我の場所だ! 退かぬか!」
「嫌ですよ。そっちこそ、さっさと穴に落ちてください」
 苦し紛れに繰り出された槍を避けつつ、喜一はフランシスコを蹴り飛ばした。多少、肩の部分を攻撃が掠めたが致命傷ではない。対するフランシスコも、蹴りのダメージは殆どなかったものの、ハズレのタイルを踏んでしまった時点でアウトである。
「ぐぁぁぁぁっ! し、しまったぁぁぁぁっ!」
 配下の蟹達同様、彼もまた高温の油で揚げられながら、ダンジョンの外へと排出された。これにて、敵は全て放逐され、食料ダンジョンの中にはどことなく美味そうな匂いが漂っているだけだ。
 そういえば、蟹だけでなく鰐も唐揚げにすると上手いらしい。さすがにクロノヴェーダを食べるわけにはいかないが、食料ダンジョンだけに、なんとも食欲を刺激される戦いだったことに違いはなかった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!

●本当の戦いはこれからだ!?
 自らの罠で自らがやられる。なんとも情けない形でダンジョン外へ放逐されたクロノヴェーダ達だったが、しかし彼らは全く反省などしていなかった。
「くそっ……! まさか、我々がここまでコケにされるとはな!」
 槍の柄を力強く握りしめたまま、フランシスコ・デ・オレリャーナは苦虫を噛み潰したような顔になっている。彼に付き従う蟹達もまた、ハサミの様子を確かめながらも、闘志は全く失っていない。
「おのれぇ……覚えているでカニ、ディアボロスども!」
「今度あったら、ハサミでバラバラにしてやるでカニ!」
 ダンジョン外へ出た以上、ここから先は一般法則は通用しない。超常の力が使えるようになれば勝機もあるため、次に出会ったら必ず復讐してやると誓う蟹と鰐。
 もっとも、それはこちらも同じこと。パラドクスの残留効果が使える以上、逆説連鎖戦になれば、ディアボロス側にもクロノヴェーダとの能力差を引っくり返すチャンスはある。
 こいつらを放置しておけば、また食料ダンジョンを利用して様々な悪事を働くに違いない。数の少ない今こそが好機。余計な仲間を呼ばれる前に、蟹も鰐もさっさと倒してしまった方が良さそうだ。
クローディア・ベネット
やぁ、ダンジョン博士の諸君。まだ生きてたのかい?
てっきり準備を整えて負けたのが恥ずかしくて、勝手に死んでるもんかと……

いいさ、未だやる気なら相手をしてやるよ
私は敵にも無意味な乱暴は働かない主義でね
油で茹でられるよりはマシな死に方をさせてやろうじゃないか

ダンジョン前で待ち伏せでもされたら困るんで、見張られてないか注意しよう
実際に見張りがいたら足下に小石でも投げ込んで、何だ?と思ってる隙に入り口から飛び出して攻撃開始だ
小細工じゃどうにもできなさそうなら……いっそダンジョン内で一度くたばってから、外で復活した直後に戦い始めよう

≪船長のサーベル≫と≪ピストルセット≫の1丁を手に取り、蟹野郎を襲撃
見事な『連殺の技巧』を見せてやろう
サーベルで近くの敵を斬り倒したかと思いきや振り向きざまに銃撃で次の奴を撃ち抜く
撃った銃は他の1丁や≪アフリカ投げナイフ≫にすぐ持ち替え、攻め手を絶やさないよ
タックルは≪聖遺の護符≫の力で勢いを弱め、近づいて来た所を素早く斬り返してやる

待たせたな、ワニ野郎!準備はいいかい?


獅子谷・銀子
「ダンジョンで揚げられゲームオーバーなんだから諦めたら?そうじゃないなら力づくだ」
クロノヴェータのカニ「クラヴィアン」たちをダンジョン外で迎撃。敵が罠にハマってショックを受けている間、体制を立て直してダンジョンへ再突入などする前に、こちらから出向いて迎撃する。
ダンジョンで勝った勢いのまま、”戦覇横掃”で薙ぎ払い戦いたい。
浮き足立っているだろう敵を言葉で挑発したり、敵の攻撃を飛び越えで交わすなど派手に立ち回る。
敵の動きをコントロールしつつ、仲間と協力して標的を合わせて青龍偃月刀で1体ずつ確実に仕留めていこう。


●蟹だけに硬い!
 洞窟の外へ出ると、そこは鬱蒼としたジャングルが広がっていた。
 湿地帯のような場所は、深度もそこまでないのだろうか。湧水が流れているものの、上を歩くことはできそうだ。河の浅瀬は洞窟の手前に広がっており、戦う場所としては障害物も少ないので申し分ない。
「ガニィィィィ! 出て来い、ディアボロスども!」
「洞窟から出て、正々堂々と勝負しろぉぉぉ!!」
 そんな洞窟の入り口付近で叫んでいるのは、トループス級の蟹男。クラヴィアンと呼ばれる彼らは、待ち伏せしているにしてはおかしな様子で、必死にディアボロス達を食料ダンジョンの外へ釣り出そうとしていた。
「やぁ、ダンジョン博士の諸君。まだ生きてたのかい? てっきり準備を整えて負けたのが恥ずかしくて、勝手に死んでるもんかと……」
「ダンジョンで揚げられゲームオーバーなんだから諦めたら? そうじゃないなら、力づくだ!」
 クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)と獅子谷・銀子(ドレッドノート・ガール・g03350)の二人が挑発するも、やはりクラヴィアン達は積極的に襲ってこない。入り口付近とはいえ、それでも食料ダンジョンの中では、身体能力は低下していても耐久性ではディアボロスの方が上だ。やられても外に排出されるだけだし、なにより迂闊に足を踏み入れてしまえば、クラヴィアン達にとっても泥試合しか待っていない。
 それを知っているからこそ、彼らは互いに洞窟の外へ出て勝負をつけようとしているのだ。洞窟の外へ一歩でも出れば、その先はお馴染みの逆説連鎖戦。距離も時間も無視して戦える上に、身体能力的な面では自分達に有利だと分かっているが故に。
 もっとも、クローディアや銀子にしても、いつまでもダンジョンに籠城しているわけにもいかなかった。彼女達の目的は、クロノヴェーダの殲滅だ。こうなれば、多少の不利は承知の上で、敢えて敵の策に乗る他にない。
「仕方ないね。さあ、掛かってきな!」
「カニィィィィ!! 突撃ィィィィ!!」
 洞窟から出た瞬間、クローディア目掛けてクラヴィアン達が一斉に爪を振り上げ突進して来た。数的には相手の方が有利だが、しかしクローディアは何ら動じることなくタックルを避けると、お返しとばかりに手にしたサーベルで斬り付けた。
「寄って集れば勝てるとでも思ったのかい? 甘いね!」
 まずは一匹、一刀両断……と、思われたが、返って来たのは鈍い感触。ダンジョンから出て本来の強さを取り戻したクラヴィアンの甲殻は、トループス級とはいえ想像以上に硬い。
 ならば、相手が体勢を整える前に銃撃を浴びせてやろうとするも、敵はこちらに横を向けているためか、被弾面積が最小限になっている。それに加えて、あの甲殻だ。咄嗟に、投げナイフに持ち替えて攻撃するも、銃弾含め、全て甲殻で受け止められてしまい、相手の筋肉まで到達しない。
「痛ェェェェ! このクソ女がぁ!」
「よくも、俺達の美しい甲殻を、傷物にしてくれやがったな!」
 それでも衝撃だけなら内部にも通るのか、クラヴィアン達は一丁前に痛がりながら、再び身体を横にして突撃して来る。見切るのは容易な攻撃だが、こうも相手の甲殻が固くては、なかなか決定打を与えられない。
「小癪な連中だね。だったら、こいつはどうだい?」
 聖遺の護符を投げつけて、クローディアはクラヴィアンを吹っ飛ばした。すかさず、残る二体が両サイドから突撃してくるも、そこは銀子がさせなかった。
「おっと! 足元がお留守よ!」
 青龍偃月刀の一閃で薙ぎ払い、足払いを食らわせて転倒させる。だが、逆説連鎖戦において、転倒や吹き飛ばしではダメージを与えられない。最後はパラドクスで仕留めねばならないため、いかにして甲殻を突破し内部にダメージを与えるかだが。
「そんな攻撃、通用しないでカニ!」
「こいつら全員、首チョンパして……カニッ!?」
 大勢を立て直そうと起き上がった瞬間、クラヴィアン達は自分の身体がおかしいことに気が付いた。脇腹から生えた脚が、何本か斬り落とされている。ドサクサに紛れて振るわれたクローディアのサーベルは、彼らの弱点を的確に捉え、そして切断していたのだ。
「なるほどね。外側は石のように固くても、関節は意外と脆いじゃないか」
 もはや完全に見切ったと、クローディアは更にクラヴィアン達へ距離を詰めて行く。その一方で、銀子も敵の弱点が露呈したことで、より積極的に関節目掛けて斬撃を繰り出し。
「弱点が分かれば怖い物なしよ! その脚、全部斬り落としてあげる!」
 青龍偃月刀を大上段から振り下ろし、クラヴィアンの鋏も脚もまとめて斬り捨てる。いかに強固な甲殻を持っていようとも、脆弱な部分を徹底的に攻められればひとたまりもない。
「ガニィィィ! た、助けてくれぇぇぇぇ!!」
「く、くそぉ……せめて、逃げ延びて脱皮さえできれば……」
 蟹の手足はもげやすいが、それは脱皮の際に再生する。この戦いを逃げ延び、ゆっくリ休めば、あるいは復活のチャンスもあったのだが……当然のことながらクローディアや銀子が彼らを逃すはずもない。
「往生際の悪い連中だね」
「残念だけど、ここで逃がしてあげるほど甘くないのよ!」
 逃げるクラヴィアン達の背後から、クローディアと銀子の斬撃が迫る。残る手足も斬り捨てられ、胴体だけになったクラヴィアン達は、全てジャングルの泥の中に沈み消えてしまった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【平穏結界】がLV2になった!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!

●本気の鰐男
 ダンジョン外での逆説連鎖戦に持ち込まれ、クラヴィアン達は全て討伐されてしまった。
 これにて、残るは部隊の指揮官であるフランシスコ・デ・オレリャーナのみ。地の利も数の利も失った以上、彼に残された勝機は決して多くはないはずだが、それでも彼は逃げる素振りさえ見せなかった。
「なるほど、確かに強い。どうやら貴様達を見くびっていたようだな。だが……」
 カッと目を見開き、槍を構える鰐男。ダンジョン内では罠を利用させてもらったが、そもそも罠を使って相手を嵌めるような戦い方は、フランシスコ・デ・オレリャーナの得意とするものではない。
 彼の得意とする戦い方は、鰐のパワーと特性を利用した、ダイナミックかつパワフルなもの。それに圧倒的な技量の槍術が加われば、正に一騎当千の鬼に金棒ならぬ鰐に長槍。全身の筋肉、強靭な顎。それら全てがフランシスコの武器だ。ようやくパワーファイターの本領発揮と言わんばかりに、フランシスコは槍を一回転させて間合いを測り。
「さあ、どこからでも来い、ディアボロス! 迂闊に近づく者から、我が槍と牙の餌食にしてくれるわ!」
 豪快に水飛沫を上げながら、見せつけるようにして筋肉を隆起させるのであった。
一騎塚・喜一
先程のお二人の鮮やかな戦いぶりを見ても一向に動じる気配すら無し…
相当な強敵とお見受けしました
それに目的の為には味方も切り捨て…いや、吹っ飛ばした以上なりふり構わず戦ってくるでしょう
どこかで有利を取らなければ苦戦は必須
真っ先に考えつくのは数の優位
敵は一人ですがこちらは複数
なればこそ重要なのは連携
皆様の足を引っ張らぬようネメシス形態で挑みます

先ず考えたのは懐に飛び込んで相手の得意な間合いを潰す作戦ですが
逆説連鎖戦で戦える状況が戻ってきた以上、有効な策とは言えないでしょう
ともかくパラドクスで挑むより他無しです

重ねた【能力値アップ】の恩恵も太刀に乗せて
放つは一閃【雷】
モブモブしい私には不相応な派手な技ででこちらに注意を引き連携の起点を作ること
そして連携が取りやすくなるように【パラドクス通信】を齎す狙いです

反撃にはこれまで摂取したカルシウムと私の背骨を信じて耐えましょう
耐えきれずとも、両手の自由をこの瞬間だけは奪えますからね
そこを見逃してくれるような甘い人はこの場にはおりませんよ
あとは頼みます…!


伏見・逸
(連携アドリブ歓迎)(仲間は苗字呼び)
必要に応じ、仲間をディフェンス

話は大体聞かせて貰った
罠にはめたりなんとかより、殴り合いの方が向いててな。手を貸すぜ

…そっちが鰐ならこっちは竜だ。どっちが強いか、決めようぜ?
(尻尾をびたん、と地面に打ち付け、翼を広げて威嚇)

周囲の仲間と声を掛け合い連携
味方同士、互いの隙や死角をできるだけ減らす立ち位置と動きを心掛ける
立ち位置は前衛。声掛けと動きで敵を挑発し、視野と行動の範囲・選択肢を狭める
出来るだけ鬱陶しく動いて、敵がこっちを先に始末しようと思ってくれれば僥倖
その間に仲間が攻撃をぶち込んでくれれば更に良し
(仲間に怪我をさせたくない、という意識もあるが口には出さない)

【禍竜の鋭刃】で攻撃。長ドスによるシンプルな斬撃
敵の攻撃は長ドスや尻尾で受け流すか、翼を盾代わりにして受け、直撃を避ける
怪我を避けようとするのはあくまでも「戦闘継続の為、動きが鈍らないように」で、動ける間はかすり傷
「敵の手早い撃破により、できるだけ仲間の消耗を抑える」を目標に、攻撃を優先する


●アマゾンの死闘!
 密林の中で対峙する、一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)とフランシスコ・デ・オレリャーナ。配下が全て倒されているにも関わらず、その態度には余裕さえも感じられることに、喜一は圧倒的な実力の差を感じていた。
「先程のお二人の鮮やかな戦いぶりを見ても一向に動じる気配すら無し……相当な強敵とお見受けしました」
「なんだ、貴様は? 敵に対しても敬意を払うというやつか? そんなもの、腹の足しにもならなければ、戦力差を引っ繰り返す策にもなるまい」
 言いたいことがあれば力で示せ。それが、フランシスコからの返答だった。武人であるからこそ、純粋な強さだけで物を語れということか。こういう手合いは脳筋に見えて、戦闘だけに限って見れば凄まじい技量を誇っていることもあるので厄介だ。
 せめて、もう一人くらいは仲間がいれば。そう、喜一が考えた矢先、彼の目の前に新たな人影が割り込んで来た。
「話は大体聞かせて貰った。罠にはめたりなんとかより、殴り合いの方が向いててな。手を貸すぜ」
 それは、長ドスを構えた伏見・逸(禍竜の生き先・g00248)だった。この状況では、正に渡りに船だ。フランシスコの強さから考えると、味方は少しでも多い方がいい。
「……そっちが鰐ならこっちは竜だ。どっちが強いか、決めようぜ?」
「フフフ……種族の差が強さの決定的な差ではあるまい。それを理解せぬまま仕掛ければ、痛い目に遭うのは貴様かもしれんぞ?」
 啖呵を切る逸を前にしても、やはりフランシスコは動じない。こういう手合いは、時間を掛けて睨み合ったところで優位を取れないのが常だ。下手に先制を許したが最後、ますます状況を不利にされたまま、一方的に押し切られてしまうかもしれないのだから。
(「まずはこちらから仕掛けます。その隙に、死角から攻撃を」)
(「うむ……だが、無理はするなよ」)
 パラドクス通信により互いに意思を確認しつつ、最初に動いたのは喜一だ。ディアボロスが戦力的には格上のクロノヴェーダ相手に優位を取れるのは、何もパラドクスの残留効果だけとは限らない。基本的に先手必勝が成立するため、敢えて後手に回らない限りは初見殺しで戦況を有利に運べるのだ。
「偶には派手に参りましょうか」
 稲妻を纏った刀を一閃。その華奢そうな見た目からは想像もできない程に激しい一撃。さすがに、これは避けられないと察したのか、フランシスコは敢えて喜一の攻撃を両腕を交差させる形で受け止めた。
「ほぅ……その膂力、見た目以上だな。だが、我はまだ倒れてはおらぬぞ!」
 両手の腕輪を吹き飛ばされながらも、フランシスコは反撃で喜一に掴みかかる。瞬く間に持ち上げられ、喜一は背骨を折られそうになるが、そこまでは彼も承知の上だ。
「くっ……! ですが、その状態では両腕は使えませんよ!」
 自分の身を犠牲にして敵の動きを封じれば、あるいはチャンスがあると考えたのだろう。だが、それを聞いてもフランシスコは不敵に笑い、躊躇うことなく喜一の身体を圧し折った。
「……がっ!?」
 瞬間、身体を真っ二つに裂かれたと錯覚する程の痛みが喜一を襲う。ネメシス形態になっていなければ、本当に身体が二つに裂けていたかもしれない。
「フン! それでこちらの動きを封じたつもりか? 笑止!」
 喜一の身体を放り捨て、フランシスコは逸の方へと振り返った。
 時間と距離を無視できる逆説連鎖戦において、誰かと誰かの攻撃中に別の誰かが横槍を入れたり、あるいは一方的に攻撃したりすることは不可能だ。攻撃を繰り出す瞬間だけは、1対1の真剣勝負。故に、複数の敵から攻撃された者は、全く同じタイミングで複数の相手に反撃することさえ可能となる。
 一般法則の通用しない戦闘においては、喜一の策でもフランシスコの動きを止めるには至らなかった。それでも、彼の方へ意識が向いた隙を突いて、逸が回り込めたのは幸いだ。
「小細工はなしだ! 真っ二つにしてやらあ!」
 逸が繰り出したのは、長ドスによるシンプルな斬撃だった。それがパラドクスである以上、意思の力だけでフランシスコの纏う黄金の鎧さえも断つことができる。だが、鎧を裂かれ、中の肉を斬られても、フランシスコは嬉々とした表情で大顎を開きながら逸の方へと向かって来た。
「なかなか良い攻撃だ! だが……耐えたぞ!」
 逸の動きが予想外に素早かったせいか、フランシスコは肉を切らせて骨を断つ策を選んだようだ。咄嗟に長ドスを繰り出すも、槍ではなく素手の攻撃だったせいか、攻撃を完全には逸らしきれない。ならばと、今度は尾で払って距離を取ろうとするが、フランシスコはそんな逸の尾を反対に掴むと、一気に引き寄せて彼の身体を高々と持ち上げた。
「フハハハハ! 槍ならともかく、投げを剣で捌けるか? 負傷さえ恐れねば、刃だろうと尻尾だろうと掴んだ者の勝ちよ!」
 このままでは身体を折られる。咄嗟に翼を丸めて防御の姿勢を取る逸だったが、フランシスコはお構いなしに彼の身体を怪力で挟み潰し、何かが砕けるような音がした。
「……っ! やってくれるじゃねぇか」
 水辺に放り投げられたところで、逸は翼を広げてフランシスコを睨み付けた。彼の本体こそ無事だったものの、代わりに翼は盛大に潰されてしまい、中の骨が何本か折れていた。
「その状態では、もはや翼の防御は使えまい。次に掴まれた時が、貴様の最後だ!」
「言ってくれるぜ。だが、そっちだって無傷じゃねぇ。本当の勝負はこれからさ」
 互いに負傷を物ともせず向かい合う猛者と猛者。血の匂いに誘われたのか、近くを流れる河の水面で、ピラニア達が盛大に跳ねていた。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

獅子谷・銀子
「ようやくボスのお出ましね」
ダンジョンの罠で絶叫してたから、どうにもギャグキャラみたいに思えていたが、こうして対峙するとまさに今回のラスボスだ。グッとこちらも長物の武器を構えて力を込める。

鰐男は見るからにパワーファイター。実のところ、自分もパワーファイター。力くらべしたい気持ちを抑えて。こちらは複数人だ。仲間と連携をとって攻めたい。
味方の攻撃の後を継ぐように攻撃し、敵の反撃をさせないように連携していく。
レッドミラージュで【浮遊】で背後や頭上から打ち下ろしたり、敵の死角からの攻撃を狙う。

敵の攻撃のバックブリーカーもトライデントも激痛に耐えて、悲鳴をあげつつもできる限り平気なふりして立ち上がって見せて挑発、焦らせたい。


クローディア・ベネット
はっ、ようやく本領発揮って訳か!
だが逆説連鎖戦はあんただけに有利な訳じゃない
くそったれのクロノヴェーダ共には真似できない戦いってやつを見せてやるよ

相手が1人になりゃ、容赦なく寄って集って叩くのが私達だ
仲間と敵を取り囲むように戦い、誰かがすぐ敵の死角に回ったり隙を突いて叩けるようにしとこう
卑怯?はっはっは、海賊が真っ向勝負する方がおかしいのさ!

鉛玉をぶち込んでやるのに良いタイミングが来たら、≪ピストルセット≫から抜いた拳銃を敵に向ける
――『私の弾とあんたの命、どちらが先に尽きるかな!』
一発撃ちこんでは次の一丁に持ち替えて単発式拳銃で連射を実現する技法と、荒波に揺らぐ甲板の上で敵に狙いをつける技術がパラドクスになれば、本来この時代の銃じゃあり得ない弾幕が作り出される
特に仲間が敵に隙を作ってくれた時なんかは、目一杯頭にぶち込んでやろう!
反撃に対しては≪聖遺の護符≫の力を使い、迫る腕を押しやって掴みの狙いを外させよう

よし、また一つ片付いたな
南米大陸は呆れるほどに広い。さっさと先に進みたいところだ


●アマゾンを赤く染めて
 戦いの果て、赤い血に染まったアマゾン川。クラヴィアン達を一掃し、ピラニア達の跳ねる川辺に辿り着いた獅子谷・銀子(ドレッドノート・ガール・g03350)とクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)だったが、首魁であるフランシスコは未だ健在だった。
「ようやくボスのお出ましね」
 ダンジョンで戦った時とは明らかに異なる雰囲気に、銀子は即座に自分の考えを改める。本領が発揮できない状態ではギャグキャラのように思っていたが、腐っても幹部を任されるだけはあるアヴァタール級。己の肉体が負傷することさえ恐れぬパワーファイター。真っ向勝負で戦うには、些か不利過ぎる相手である。
「フン……新手か。何人でも来るが良い。ダンジョンの枷がなければ、我の方が力では勝っているのだからな!」
 案の定、負傷しているにも関わらず、フランシスコは自分が負けると思っていないようだ。
「はっ、ようやく本領発揮って訳か! だが、逆説連鎖戦はあんただけに有利な訳じゃない。くそったれのクロノヴェーダ共には真似できない戦いってやつを見せてやるよ!」
 もはや、ここまで来たら互いには退けない。クローディアの言葉と共に、再び開かれる戦端。数の有利を生かして左右から挟み込むようにして囲み、最初に動いたのは銀子だ。
「ここは私の”揺らめく赤”が支配するわっ!」
 パワーファイターに対して悪手である正面攻撃……と、見せかけて、銀子が放ったのは分身しながらの拳のラッシュ。いや、正確には分身しているのではない。周囲の空間を歪ませることで、現実ではありえない移動を行ったり、相手の視界をも誤認させたりしているのだ。
「むぅ……手数では貴様の方が上か! だが、一度でも捕まえてしまえば……っ!?」
 それでも、接近戦には自信があったのか、フランシスコは強引に銀子のことを掴もうとした。しかし、空間の歪みは銀子の存在する位相自体をも歪ませている。相手から『いる』ように見えている場所に、銀子の本体は存在しない。
「残念だったわね! 私はここよ!」
 フランシスコの腕が宙を切るのを横目に、銀子は大きく横へ飛んだ。慌てて声のする方へと視線を向けるフランシスコだったが、そんな彼の反対側から、今度は無数の銃弾が飛んで来た。
「荒波に揺れる甲板の上でだって、私はど真ん中を撃ち抜いてきた。今日もそうさせて貰おうか!」
 それは、クローディアのパラドクスによる怒涛の連射。相手が肉弾戦を得意とするからといって、こちらがわざわざ接近戦で応じてやる必要もない。どの道、逆説連鎖戦では互いに得意な間合いでの攻撃が可能なのだ。ならば、相手の出方に関係なく、自分が最も得意とする戦い方に拘った方が効率が良い。
「ぬぅ……飛び道具とは卑怯な真似を!」
「卑怯? はっはっは、海賊が真っ向勝負する方がおかしいのさ!」
 これは互いの生存、互いの歴史を賭けた命のやり取り。故に、出せるカードは何でも出すし、勝たなければ意味がない。
 近づくことさえ許されない程の連射を前に、さすがのフランシスコも力業で突破しようとはして来なかった。これだけの銃弾の雨を浴びながら、距離を詰めることは難しい。ならば、逆説連鎖戦の性質を利用して、弾をすり抜ける形で距離そのものを飛ばしてしまえばと考えたようだが。
「残念だったね。そいつも承知の上なのさ!」
 これまでの戦いで、クローディアは敵の切り札が投げであることを見切っていた。そんな彼女は、自身の衣服の中に『聖遺の護符』を忍ばせていた。その効果は、対象を吹き飛ばすというシンプルなもの。しかし、今回に限っては、フランシスコが伸ばして来た腕を、彼の身体諸共に反対方向へと吹き飛ばすための防具となる。
「ぬぉっ! な、なんだと!?」
 何もしていないのに身体が後ろに吹き飛んだことで、フランシスコの反撃は失敗した。こうなれば、後は徹底的に攻めるだけだ。二度と再び立ち上がらないよう、ありったけの攻撃を叩き込むのみ!
「私の弾とあんたの命、どちらが先に尽きるかな!」
 弾の残り数など気にすることなく、クローディアはひたすら撃ちまくった。どれだけ強固な鎧と鱗に守られていても関係ない。一撃の軽さは手数でカバーし、ひたすらに攻撃を重ねて行き。
「これで……終わりよ!」
 最後は銃弾の嵐に紛れる形で飛び込んだ銀子が、銃弾で穿たれた鎧の隙間を狙い、限界まで連打を叩き込む。
「ぐぅっ! 我が……敗れるというのか! このような、矮小な人間風情に……!!」
 己の肉体に絶対の自信があったからこそ、フランシスコは結果を認められないままアマゾン川へと沈んで行く。死んだクロノヴェーダの身体は、もはや単なる肉でしかない。血の匂いを嗅ぎつけて現れたピラニアによって、彼の身体は瞬く間に骨だけにされて行く。
「よし、また一つ片付いたな。これで少しは、攻略の足掛かりになればいいんだが……」
 広大な南米大陸での冒険は、まだ始まったばかり。この先にも待っているであろう強敵との戦いを想像し、クローディアは静かに天を仰いだのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【浮遊】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年12月16日

アマゾン植民地帝国、カンピーナス制圧作戦

 サンパウロの決戦を制したディアボロスは、10月の攻略旅団の方針に従い「アマゾン植民地帝国」の攻略を進める為に北上し、南米大陸の内陸部へと向かう事となりました。
 南米大陸の内陸部は密林のジャングルが広がっている未開の地ですが、サンパウロから約100km内陸に入った『カンピーナス』に、アマゾン植民地帝国の拠点都市がある事が判明しました。
 カンピーナスには多数の食料ダンジョンがあり、南米各地への食料の供給元として活用されているようです。
 カンピーナスを守るアビスローバーは食料ダンジョンを利用してディアボロスを迎撃しようとしていますが、彼らを撃破して都市を制圧し、アマゾン植民地帝国攻略の足掛かりを掴んでください。


(1)ダンジョン内での戦闘について
 黄金海賊船エルドラードのダンジョン内では、逆説連鎖戦が発生しません(攻撃を受けて反撃を行う場合、普通に時間がかかります)。
 さらに攻撃の威力が「一般人が、黄金海賊船エルドラード内の一般的な武器(近接武器ならカトラスや槍、射撃武器なら弓やマスケット銃程度)で攻撃したとき程度」まで低下してしまいます。
 仮に秒間数十発を発射できる機関銃を持ち込んでも、攻撃速度がマスケット銃程度に低下し、与えるダメージも同様に低下します。
 また、直接的な物理攻撃以外の方法でダメージを与える事はできず、魔法などは発動せず、爆風や毒、炎などの影響はすぐに消失し、継続的なダメージを発生させる事もありません。
 さらにサーヴァントは侵入と同時に消えてしまい、内部では召喚できません。

 戦闘では、威力の低下したパラドクスで戦う事も出来ますが、サーベルやマスケット銃を装備し、パラドクスを使用しない海賊らしい戦い方で戦闘を行う方が、有利に戦えるかもしれません。

(2)ダンジョンの罠や仕掛けについて
 試練として用意される『罠や仕掛け』は、オープニングで指定した方法で突破しなければ『突破した』とは扱われず、再挑戦しなければなりません。

 例えば、崩壊する橋を駆け抜けて向こう岸に渡る……という仕掛けに対して、【飛翔】して向こう岸に渡ったり、崩壊後に【セルフクラフト】で丈夫な橋を作って渡るといった裏技を行うと、仕掛けをクリアした事にならず、崩壊する橋の前に戻されて、再挑戦となります。
 他にも、『謎を解き、解いた答えの数字を選んで宝箱を開ける』という試練で謎を解かずに総当たりで数字を入れたり、鍵開けツールで強引に宝箱を解錠すると、再挑戦になってしまうでしょう。
「自分が一般人になったという前提で、試練を正面から突破する為にどうするか」を工夫するのが、ダンジョンを突破する上で重要となるでしょう。

(3)ダンジョンからの排斥
 ダンジョン内での戦闘や試練で「一般人が死亡するようなダメージ」を受けた者は、ダンジョンの外に排斥されてしまいます。
 一般人なら排斥された段階で死体となっていますが、ディアボロスやクロノヴェーダは(HPが高いので)当然死にません。そのためダンジョンへの再挑戦が可能で、一般人に不可能な攻略も可能となっています。
 また、ダンジョンの試練の裏をつくために躍起になった場合なども、ダンジョンから排斥(不採用)される場合もあるようです。


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選択肢『カンピーナス食料ダンジョンで情報収集』のルール

 カンピーナスにある食料ダンジョンを探索し、食料や資材を集めている一般人と接触してください。
 彼らは、カンピーナスの食料ダンジョン探索のエキスパートである為、危なげなく食料や資材を手に入れているようです。
 ダンジョンの秘密は、彼らの飯の種である為、『親友』であろうと簡単に漏らしてはくれないでしょう。
 命の恩人になるように立ち回ったり、色仕掛けでメロメロにしたり、相応の取引を持ち掛けるなどして情報を引き出す必要があるかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『カンピーナスダンジョンの戦い』のルール

 食料ダンジョンに立てこもり、ダンジョンの仕掛けを利用してディアボロスを撃退しようとしているアビスローバー達に戦いを挑みます。
 一般人から得た情報を元に、ダンジョンの仕掛けを無効化、或いは逆利用する事で、有利に戦闘を行う事が出来るでしょう。
 ディアボロスもアビスローバーも互いに一般人並の戦闘力で戦う事になり、逆説連鎖戦も発生しないので、状況に合わせて、工夫して戦う必要があるでしょう。
 この戦いに勝利すれば、アビスローバーはダンジョンの外に放逐されるので、通常の戦闘で決着をつける事が可能になります。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『🔵が👑に達すると、選択肢の説明で指定された特別な効果が発生する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾取り巻きトループス級『クラヴィアン』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)の取り巻きのトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 取り巻きトループス級は、👿と常に一緒に行動していますが、戦闘時に👿を庇うような行動はとらず、👿が撃破すると、逃走していきます。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『フランシスコ・デ・オレリャーナ』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「零識・舞織」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。