【吸血ロマノフ王朝奪還戦】ウラル山脈のアルタン・ウルク(作者 ライ麦 )
#吸血ロマノフ王朝
#【吸血ロマノフ王朝奪還戦】㉓アルタン・ウルク逆侵攻
#吸血ロマノフ王朝奪還戦
#融合世界戦アルタン・ウルク
#㉓融合決戦型アルタン・ウルク(亜人形態)
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それは、遠目に見れば槍と盾を構え、山脈を行進する戦士の群れに見えた。しかし、近づいたところでそれは黒い影のまま。さらに近づけば、黒い影ではなく、黒い触手のようなものが集まって戦士の形を成していることに気付くだろう。黒い触手の中にぎょろぎょろとうごめく赤い目玉、牙を備えた口がいくつもあるその姿は、おぞましいとしか言いようがない。加えてその後ろ、行軍する彼らの後方では、不気味な山のような塊が蠢いていた。
「皆様、お集まりいただきありがとうございます」
新宿駅グランドターミナルで、サフィール・セレニテ(見習い少年執事・g08576)が手帳片手に礼をする。挨拶もそこそこに、執事服の少年は真剣な表情で話し出した。
「【吸血ロマノフ王朝奪還戦】発生を示す断層碑文が出現したことは、皆様ももうご存知ですね? まさに攻撃を仕掛け、吸血ロマノフ王朝の大地を奪還する絶好の機会ですが……」
ヴァンパイアノーブルの主力はサンクトペテルブルクに集結している。勢力を保っている竜血卿ドラキュラの軍勢もウクライナを拠点として、それ以外の地域の戦力はシベリアに冬将軍がいる程度だ。だが。
「奪還戦当日はシベリアでの排斥力が一気に下がるため、奪還戦時にはアルタン・ウルクの侵攻が発生することはほぼ確実です。シベリアにアルタン・ウルクを招き寄せる事で、ディアボロスに二正面作戦を強いるという作戦なのでしょう」
業腹だが、さりとてアルタン・ウルクは無視できない。当日は相手の狙い通り、アルタン・ウルクとも戦わざるを得ないだろう。
「せめて、事前に少しでも数を減らしておきたいところですが……シベリアへの侵攻が予測されているアルタン・ウルクについては、現時点では、吸血ロマノフ王朝に現れておりません。そのため、先制攻撃時にはこちらから攻め込む形となります」
現れるのはアルタン・ウルク亜人形態。大柄な亜人程の大きさで、基本形態に比べ小さくはなったものの、集団戦術に長け、連携行動を取るようになっており、総合戦闘力に関しては基本形態と同等以上とも目されている。
「『鮮血の革命術式』の発動を阻止することを考えると、襲来するアルタン・ウルク全てを倒し切るのはおそらく困難でしょう。しかし、可能な限り、シベリア方面を奪還するためにも、少しでも戦力を削っておくのは重要かと」
なお、シベリアの冬将軍は、アルタン・ウルクへの防波堤となる為、ファーストアタックでは攻撃対象とはしない。冬将軍との決着は、奪還戦時につける事になるだろう。
「ヴァンパイアノーブルのみならず、アルタン・ウルクとも戦うことになり大変ではありますが……少しでも大地を多く取り戻すため。頑張っていきましょう」
そう激励し、執事を名乗る少年はディアボロス達を送り出した。
リプレイ
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
九十九・静梨
狙いはロマノフ王朝といえど、大地をできるだけ奪還する為にも少しでも進行の手は削がなくてはいけませんわね
我が筋肉でその蹂躙、される前に削らせて頂きますわ!
【狼変身】で狼になり、身軽に山脈の足場のある所を昇り、時には隠れるために身を伏せてできるだけ上の方に陣取るように移動
敵集団が接近してきたら変身を解除
パラドクスを発動し飛行可能な疑似亜人を中心にした筋肉部隊を召喚
上方から自分も一緒に攻撃を仕掛け
赤い目玉を狙い亜人同士で連携しての肉弾戦で攻撃
そちらも亜人を吸収したようですがこちらも筋肉を愛する亜人と築いた筋肉愛による力がありますわ
蹂躙はこちらもできましてよ
派手に大きく攻める事で陣形を乱し他の味方も攻撃しやすくする
反撃には魔力障壁を纏ったガントレットで毒の槍を重点的に弾くようにし
手足による筋肉を使っての強打での迎撃で弾き
急所を攻撃されないようにしますわ
囲まれすぎないようできるだけ動き味方と連携・援護
指揮官個体が出てくるか戦闘継続困難なら撤退
巨大槍テュンファイアを鎖で振り回したり投げたりで追撃阻止
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
アルタン・ウルク退治と行こうか
あんまり戦争には合流してほしくないんでね。頭数だけ減らさせてもらおう
見た目は玩具だが侮ると後悔するぞ!
【行動】
仲間とは声を掛け合い積極的に連携していく
使用できる残留効果は全て使用する
まずはパラドクスを発動
銃型のバブルメーカーを製作
空気中ではシャボン玉を放出する
どちらも味方や地形にはただのシャボン玉や泡だが敵に触れると爆発する仕組みになっている
乱戦になっても問題なく使えるだろう
逸れた敵を狙い行動
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンで受けて防ぐ
真正面から受けるときついだけだから
攻撃と同じ方向に跳んで威力を殺したり受け流したりできるようにしたい
ある程度倒せたら即時撤退
盾をジェットボードの形態にして素早く逃走しよう
必要なら臨機応変に対処する
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
ツェニトハルム・メーベルナッハ
改めて見ても不気味としか言いようがありませんね!
何というかこれ、敵というより災害じゃないかって気もしてきますけれども…
何にしても、今後のコト考えますと少しでも食い止めなければなりませんよね!
というコトで手頃な数の小集団に狙いを定めて攻撃を仕掛けます。
ご同行のディアボロスさんが多ければもう少し多くてもいけそうでしょうか。
【冷気の支配者】が発動してればこれを使って敵の動きを鈍らせつつ探しましょう。
発見次第パラドクスで攻撃を。
手近なヤツから狙って纏めて吹き飛ばしちゃいますよ!
反撃に対してはグランツ・シュトゥルムで《弾幕》張って迎撃して盾の飛翔の勢いを殺ぐコトでダメージ軽減を狙えればと。
しかし敵の数は圧倒的でしょうから、いつのまにか囲まれてるってコトも有り得ます。
周りの状況はこまめに確認して、囲まれそうになったらすぐ撤退しましょう。
触手の塊とかちょっと興味はありますけど、戻れなくなっちゃうのは御免ですしね!
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
瀬鍔・頼門
あの数…まさに雲霞の如くと言ったところか。奪還戦含め、アルタンウルクには今後も対処が必要になることも多くなるだろう。
一戦でも多く、奴らと戦い慣れておきたいものだ。
仲間との連携協力は積極的に。
【通信障害】を使いその情報伝達の阻害を試す。敵の隊列へ無双馬で駆け【春日ノ御太刀】で突撃をかける
無双馬での機動力を活かして隊列の端や側面、そのほか綻びを狙って突撃強襲をかけよう
突撃して敵勢を崩しては馬を味方側へ返すように動き、一箇所に留まらず敵勢に飲まれないように機動する。
できるだけ仲間との連携による波状攻撃で敵の勢いを削いでいきたい
敵の毒槍に対しては太刀で薙ぎ払うように受け流してくぐり抜け、その敵槍より散る毒は太刀に纏う御雷で焼き飛ばしたいものだ
やむを得ず受ける攻撃は鎧の大袖を盾代わりに受けて耐えていきたい。
超大型個体は見かけることはできるだろうか?少しでも情報として持ち帰りたいものだ。
退く機会は味方の動きと合わせて。
奪還戦の日はより多く仕留めさせてもらおう…!
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
湯上・雪華
アドリブ連携歓迎
奪還戦に横やりを入れられたくはないんですけど、無理ですもんね
あと、同じ悪食として見逃せないですし、いい迷惑です
少しでも数を減らして、ロマノフの大地を守らないと、ですね!
渇望抱く伽藍、参ります
突出せず、連携を取りながら各個撃破を狙いたいところです
【泥濘の地】で進行速度を落としたいですね
動きを鈍らせれば相手の連携も崩せると思うんです
弱っている敵を優先して攻撃したいところ
できるだけ手早く確実に、です
数が多すぎるからこそ手堅く行きたいですね
反撃には刀で逸らすか、腕で庇いましょう
足を潰されたり、致命傷となれば足手まといになりますからね
そうならないよう気をつけたいところ
深追いはせずに引き上げますよ
下手に深追いしたら奪還戦どころじゃないですからね
大型の指揮官クラスに出合ったら一撃だけ入れて、即撤退です
相手の力量を知るチャンスだけど無理はしませんよ
①👾奪還戦ファーストアタック『アルタン・ウルク亜人形態』
ゼニースキー・ロートケップヒェン
※アドリブ描写、連携歓迎です
Ho Ho Ho!
寒中のシベリアを行軍しているアルタン・ウルクにATMサンタクロース(今世初めて名乗った)からプレゼントのお届けですよ!
現在11月?
もしや私…あわてんぼうのサンタクロースなのでは…?童謡に親近感を覚えますね
サンタクロース感がない?
私は70代の老人設定ですし、全長3mで大きいですし、頭部は概ね白いですし、プレゼントも持ってますから概ねサンタクロースですよ
薄目で見てみましょう
サンタクロースに見えてきましたね!
ハッピーハッピープレゼント!(プレゼントを投げる)
アルタン・ウルクにとっての幸福とはなんでしょうか
私としては賭博で遊ぶのをおすすめしたいですが…
幸福は当人が決めるものですからね
幸福な幻想を見て、足が止まれば私の目的は達成です
行軍ということは、集団で歩いているということ
前が突然止まれば健全な軍隊でも滞ります
Ho Ho Ho!
プレゼントはまだまだありますよ
皆様にお届けしましょう!
この後は素晴らしい火力をお持ちのディアボロス様方にお任せします
「あの数……まさに雲霞の如くと言ったところか」
遠目に見えるアルタン・ウルクの群れに目を細め、瀬鍔・頼門(あかとき闢く忌刀舎人・g07120)は呟く。あまり雪の積もっていない山肌に黒く蠢く彼らの姿は、何度見ても慣れる気がしない。ぶるっと身震いして、ツェニトハルム・メーベルナッハ(天頂より伸べたる腕・g10816)も言う。
「改めて見ても不気味としか言いようがありませんね! 何というかこれ、敵というより災害じゃないかって気もしてきますけれども……何にしても、今後のコト考えますと少しでも食い止めなければなりませんよね!」
「ああ、奪還戦含め、アルタン・ウルクには今後も対処が必要になることも多くなるだろう。一戦でも多く、奴らと戦い慣れておきたいものだ」
ツェニトハルムの言葉に、頼門も頷いた。アルタン・ウルク自体、まだまだ謎が多い存在だ。彼らとは長い付き合いになるだろう。あまり喜ばしくはないことだが。
「あんまり戦争には合流してほしくないんでね。頭数だけ減らさせてもらおう」
解析能力補助ゴーグル越しに、アルタン・ウルクの群れを鋭く見やる荒田・誠司(雑草・g00115)に、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)も同意する。
「奪還戦に横やりを入れられたくはないんですけど、無理ですもんね。あと、同じ悪食として見逃せないですし、いい迷惑です。少しでも数を減らして、ロマノフの大地を守らないと、ですね!」
グッと拳を握る雪華に、九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)も自慢の筋肉を見せ付けるように力こぶを作った。
「ええ、狙いはロマノフ王朝といえど、大地をできるだけ奪還する為にも少しでも進行の手は削がなくてはいけませんわね」
言うが早いか、静梨は狼へと姿を変え、身軽に山脈の足場のある所を昇っていく。時折隠れるために身を伏せつつ、できるだけ上の方に陣取るように移動した静梨は、敵集団が近づいてきたタイミングを見計らって変身を解除した。
「我が筋肉でその蹂躙、される前に削らせて頂きますわ!」
彼女のその姿が、ゴブリン型の筋肉女亜人へと変わる。さらにマッスルポーズを決めた途端、そこには筋肉に溢れる疑似亜人の軍勢が出現した。上から疑似亜人の軍勢と共に飛び降りた静梨は、彼らと連携してアルタン・ウルクの赤い目玉目掛けて鋭い拳や蹴りを繰り出し、その自慢の筋肉で着実にダメージを与えていく。
「そちらも亜人を吸収したようですが、こちらも筋肉を愛する亜人と築いた筋肉愛による力がありますわ。蹂躙はこちらもできましてよ!」
疑似亜人の軍勢と共に肉弾戦を仕掛け、敵を屠っていく様はまさに「蹂躙」という言葉がふさわしい。しかし連携ならこちらも負けていないとばかりに、アルタン・ウルク亜人形態達は彼女に群がり、一斉に毒を帯びた槍を突き出す。負けじと静梨は魔力障壁を纏ったガントレットで毒の槍を弾き、さらに手足による筋肉を使っての強打での迎撃で弾き、急所への攻撃を許さない。初手で彼女が派手に大きく攻めてくれた事で、敵集団の陣形は乱れた。その隙に、ツェニトハルムは手近なヤツを狙ってパラドクスを仕掛ける。
『それでは参りましょう、輝き満ちたる煌めき星舞台! 爆ぜ飛び輝く星花の競演、どうぞ心ゆくまでご堪能くださいませ! 逃がしはしませんよ?』
補足されたアルタン・ウルクの周囲で無数の星々が煌めく。不審そうにぎょろぎょろ目玉を動かして見ている彼らの目の前で、突如星々は爆発した。まるで花火のように火花を散らし、星々は息つかせる間もなく連続で爆発していく。眩しさと熱さに盾をかざしたアルタン・ウルクは、反撃とばかりにその盾を巨大化させ、投げつけてくる。咄嗟にツェニトハルムは「輝きの嵐」の名を持つ輝天銃「グランツ・シュトゥルム」で星々の煌めきめいた魔力弾を上空に向かってばら撒き、盾の勢いを削ぐ。その星々のような煌めきの間から、突然頭部がATMになったサイボーグが飛び出してきた。ゼニースキー・ロートケップヒェン(A・T・M・g10603)その人である。
「Ho Ho Ho! 寒中のシベリアを行軍しているアルタン・ウルクにATMサンタクロースからプレゼントのお届けですよ!」
ATMサンタクロースとは今世初めて名乗った名前だが。敵のみならず味方も呆気にとられている中で、ゼニースキーはハッとしたように頭部のATMを叩いた。
「現在11月? もしや私……あわてんぼうのサンタクロースなのでは……? 童謡に親近感を覚えますね」
そこじゃない。ツッコミたいのはそこじゃないんだけど、ゼニースキーは気にせず続ける。
「えっサンタクロース感がない? 私は70代の老人設定ですし、全長3mで大きいですし、頭部は概ね白いですし、プレゼントも持ってますから概ねサンタクロースですよ。薄目で見てみましょう。サンタクロースに見えてきましたね!」
そうだろうか。星々のような煌めきの間からの登場は確かに若干サンタクロースっぽくはあるが。怪訝そうな顔をしている味方の前で、ゼニースキーはプレゼント袋を掲げた。
「ハッピーハッピープレゼント!」
アルタン・ウルクに向かって放り投げたプレゼント袋から溢れ出すそれは、「幸福な幻想」という名のプレゼント。ゼニースキーは呟く。
「アルタン・ウルクにとっての幸福とはなんでしょうか。私としては賭博で遊ぶのをおすすめしたいですが……幸福は当人が決めるものですからね」
放り投げられたプレゼントを追ってギョロギョロと動くその目玉に、どんな光景が映っているのかは窺い知れない。そもそも、個としての意識があるのかどうかすら判然としない相手だ。幸福という概念があるのかも分からない。ただ、確かなのはそれで足を止めることはできないという事実だ。幸福な幻想を見せられてなお、アルタン・ウルクの進行は止まらない。止まらないが、足取りは確かに鈍くなった……幸福な幻想によるものというよりは、雪華の放ったツールインパクトによる効果が大きいが。
「渇望抱く伽藍、参ります!」
仲間の攻撃で弱っている個体を見定め、的確に放った一撃は着実にトドメを刺し、何体かの敵が倒れる。しかし、泥濘に足を取られながらも残った敵は集団で雪華、及びゼニースキーを取り囲み、一斉に毒槍を突き出してきた。足を潰されたりせぬよう、毒槍を刀で逸らしたり腕で庇ったりしている雪華とは裏腹に、ゼニースキーは敵の隙間からどうにか抜け出すと、一足先に戦場を離脱する。
「私の目的は一応達成? できたようですからね。プレゼントはまだまだありますから、皆様にお届けしましょう! この後は素晴らしい火力をお持ちのディアボロス様方にお任せします」
「ああ、任せろ!」
ゼニースキーの言葉に、誠司は力強く頷いた。仲間を信じて後を託すのも立派な戦術だ。トラップメーカーとゴーグルを接続し、銃の形をしたバブルメーカーを製作した誠司はそれをアルタン・ウルクに向かって構えた。
「見た目は玩具だが侮ると後悔するぞ!」
敵目掛けて発射されたそれは、どう見てもシャボン玉だった。事実、味方や地形にぶつかって弾けたそれは無害なシャボン玉のまま。だが、アルタン・ウルクにぶつかった途端、爆発して弾けた。爆発に左腕の盾をかざしたアルタン・ウルクは赤い目玉を歪ませ、誠司に向かって巨大化させた盾を射出してくる。その盾に向かって、誠司はフェイク・プリドゥエンを構え、同時に攻撃と同じ方向に跳ぶ。真正面から受けるときついだけだ。これで少しでも威力を殺したい。誠司が飛び退いた、その横から無双馬『綾目草』に跨った頼門が、雷電を纏わせた太刀を手に勇猛果敢に飛び出す。
『駆け参る……!』
無双馬での機動力を活かし、仲間の攻撃によって生じた敵隊列の綻び目掛けて繰り出される斬り払いは、まるで神鹿の駆け跳ねるがの如く。敵勢を崩しては馬を味方側へ返すように動き、留まることはない。しかし追いすがってくる敵はなおも毒槍を突き出してくる。太刀で薙ぎ払うように受け流してくぐり抜け、槍より散る毒は太刀に纏う御雷で焼き飛ばし、それでも肉を食いちぎろうと伸びてくる口は止む無く鎧の大袖を盾代わりにして耐える。幸い、その口に鎧の大袖が食い破られることはなく、牙を弾いただけだった。そこに間髪入れず、静梨が疑似亜人の軍勢と共に襲い掛かる。敵は連携してくるもの。しかしそれを上回るディアボロス達の連携は、順調に敵の数を減らしていく。それでも、敵の数は圧倒的だった。
「うわあ、なんか集まってきてません? このままだと囲まれるかも」
【轟然!華やぎ爆星花!(イクスプロディレンダー・シュテルン)】で纏めて吹き飛ばしつつ、こまめに周りの状況を確認していたツェニトハルムが声を上げる。減ったところで元の数が多いアルタン・ウルクのこと。戦いの気配を察知した彼らは、ディアボロス達を囲むように集結しつつあった。
「【通信障害】も試してみてはいるが……同じ戦場内だと、効果は薄いようだな」
雷電を纏った太刀を振るいつつ、頼門はひとりごちる。【通信障害】には強化によって、アルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達を阻害する効果が確認されている。しかし同じ戦場内だと遠距離とは呼べない。ここだと効果はあまり見込めないようだ。
「やむを得ませんわね。ここは一時撤退いたしましょう。仲間に手出しはさせませんわよ!」
アルタン・ウルク相手に威嚇になるかは分からないが、とりあえず鎖で巨大槍テュンファイアを振り回しつつ退く静梨に、
「そうですね。触手の塊とかちょっと興味はありますけど、戻れなくなっちゃうのは御免ですしね!」
ツェニトハルムも頷いて続く。
「下手に深追いしたら奪還戦どころじゃないですからね」
「ああ、俺達の本番はまだこれからだからな」
盾をジェットボードの形態にして素早く逃走する誠司と、その後に続く雪華の背を追って『綾目草』で駆ける頼門が、ふっと敵の方に振り向いた。未だ雲霞の如く蠢いている彼らに向かって、
「奪還戦の日はより多く仕留めさせてもらおう……!」
そう、決意を述べた頼門は無双馬を走らせる。奪還戦の、その日に向かって。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1 【狼変身】LV1が発生! 【水中適応】LV1が発生! 【土壌改良】LV1が発生! 【通信障害】LV1が発生! 【泥濘の地】LV1が発生! 【強運の加護】LV1が発生! 効果2 【命中アップ】LV1が発生! 【ガードアップ】LV1が発生! 【能力値アップ】LV2が発生! 【グロリアス】LV1が発生! 【ダブル】LV1が発生!