【吸血ロマノフ王朝奪還戦】赤い冬が来る(作者 鏡水面)
#吸血ロマノフ王朝
#【吸血ロマノフ王朝奪還戦】④エルミタージュ美術館
#吸血ロマノフ王朝奪還戦
#サンクトペテルブルク
#④『大元帥』アレクサンドル・スヴォーロフ
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●冬宮殿にて
軍部の司令塔として整備された『冬宮殿』内で、『大元帥』アレクサンドル・スヴォーロフは地図を広げる。
地図上にはロシア全土及びサンクトペテルブルクの様相が記されているが、それを見つめる表情は重く険しい。
「ディアボロスのディヴィジョンに攻め入ったマンネルヘイム達は、おそらく全滅したのだろう」
アレクサンドルが言う。
「まだ希望は残っております。なんらかの理由で、連絡ができないだけで……」
配下がそう口にするが、アレクサンドルはそれを制した。
「希望的観測に縋るのは戦とは言えない。生き残っていたならば、望外の幸運と思えば良い。まずは、全滅したという前提で策を練らねばならぬ」
「はっ、申し訳ありません。……アレクサンドル様。やはり我々では力不足です。参謀長様を是非……」
その言葉も、アレクサンドルが途中で止めた。
「内政が出来るものが軒並み消えた今、奴には内政面を取り仕切ってもらわねば困る。そうしなければ、戦う前に、サンクトペテルブルクはバラバラになってしまう」
アレクサンドルの言葉に、配下たちは黙り込むしかない。
状況は最悪に近い。だが、その中で最善を尽くさねばなるまいと、彼らは心を決めるしかなかった。
●幕開け
「『鮮血の革命術式』によって、最終人類史に現れたジェネラル級ヴァンパイアノーブルは見事全滅させることができた」
フロラン・フォンテーヌ(水底の天使・g03446)は集まったディアボロスたちを笑顔で迎える。
最終人類史の一般人に被害を全く出さず、ジェネラル級ヴァンパイアノーブルたちを撃破できたのは素晴らしい戦果だ。
「作戦の失敗によって、吸血ロマノフ王朝のジェネラル級は大きく数を減らした。その上、最終人類史に攻め込んだことで、ディヴィジョンの排斥力も大きく揺らいでる。この影響のせいだろうね、【吸血ロマノフ王朝奪還戦】発生を示す断層碑文が出現したよ。今こそ攻撃を仕掛け、吸血ロマノフ王朝の大地を奪還する絶好の機会だ」
ヴァンパイアノーブルの主力はサンクトペテルブルクに集結している。
勢力を保っている竜血卿ドラキュラの軍勢はウクライナを拠点としており、それ以外の地域の戦力はシベリアに冬将軍がいる程度だ。だが、シベリアでの排斥力が一気に下がり、奪還戦時にはアルタン・ウルクの侵攻がほぼ確実に発生する。
「シベリアにアルタン・ウルクを招き寄せることで、ディアボロスに二正面作戦を強いるつもりなんだろうね。……ここまで追い詰めてもなお、『吸血皇帝ニコライ2世』は起死回生の策を諦めていない。油断せず徹底的に叩いて、吸血ロマノフ王朝との決着をつけよう」
今回の前哨戦で向かってもらうのは、エルミタージュ美術館……『冬宮殿』である。宮殿広場にて、戦争の準備をしている『ブラッドメイガス』の軍勢を襲撃することになる。
敵は数が多く全滅させるのは不可能だ。戦闘を行い、頃合いを見て撤退してきてほしい。
「完全な『鮮血の革命術式』は、敵が広大なロシアの大地制圧の為に退去して攻め込んで来たタイミングで、集結した自軍の戦力を首都ごと敵本拠地に転移させ、敵本拠地の制圧及び断片の王を撃破して速攻で勝利するというカウンターを可能とする秘術のようだね。……一度は完全な発動を阻止できたけど、敵は再び『鮮血の革命術式』の発動を狙ってる。もし発動すれば、ディヴィジョンの人々は死に絶え、新宿島も甚大な打撃を受けることになる。迅速に決着を付けないとね」
リプレイ
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
諦めが悪いのも困りものね……
さくっと数を減らして撤退できればいいけど……
はぐれている敵や少数の無理なく狩れそうな敵を中心に狙いを定め剣に光を集めて目くらましさせながら次々と斬りつけて倒していく。
多い敵には無理だけど効率的に少ない敵を狙っていけば自然と数は削れるはず!
油断はせずに【ダメージアップ】で火力を増しながら確実に敵の息の根を止めていく
ある程度数を削るか少し不利になり始めたところで深追いはせずにさっさと撤退をする
本番は24日までお預けってね?
大崎・朔太郎
アドリブ連携可
まだこんな離れ業を用意してたとは、やっぱりハチャメチャな連中ですね。
でも逆に一気に倒すチャンスなので利用しましょう。
狙いは確実に量を減らす事に変わりなし、
【光学迷彩】で少しでも見つかりにくくして
音の無き歌の【極光歌】で先手を取りますか。
何よりも先手で先に倒してしまえば究極無傷、
応酬になっても少なくとも一手分はダメージを余計に喰らわないですし。
他にも光に関わるパラドクスの人も居るようなので
その時は僕を囮に利用したり、
極光歌の光の中に紛れたりしても攻めやすいかもですね。
ムリに敵を探さず追わず、
着実に倒した数だけ積み上げながら撤退できる
皆が余力のある内に撤退が理想。相手の大元帥が来たら話は別ですが。
万が一が大元帥が来たらか、
数減らしをやり切って撤退ラインになった時の去り際に…
「まずは前哨戦、取らせて貰いましたよ。またお会いしましょう」
と芝居口調で敢えて言い切って逃げる。
ワシリーサ・ヴォレシア
アレンジ連携歓迎
心情
さて、と故郷を取り戻す為にも頑張っていかないと、ね
特に此の戦場は大元帥の名を騙る相手の采配する戦場
全力で削っていくよ!
〇ヴォストークの航海を発動
其の〇戦闘知識を以って〇陣形の薄い、敵が少なかったり油断している様な所に攻撃、即座に離脱
再度他の箇所の敵に攻撃というヒットアンドアウェイ戦法を仕掛け敵を削っていく
攻撃に対する対応として囲まれない事を重視し自身に迫る吸血蝙蝠に対しては氷結輪や天使の輪による迎撃、鎖舵輪を振り回す事による駆除等で対応
兎に角敵を多く倒す事よりも長く戦い敵の戦力を削る事を重視する
こっちは死んだお爺ちゃんが大元帥の名を冠した船、ヴォストークの船員だったからね
ロシアの誇りたる大元帥の名を騙る奴なんて許す訳にはいかないよ!
蝶の様に舞い蜂の様に刺す、だっけ?
まあ、とにかく削りつづけていくよ!
残念、捕まってはあげないよ
貴方達は戦争に出る事も出来ず此処で倒されて貰うね?
さて、次の相手を倒しに行かないと
より多くの敵を倒して戦争を有利に進めないとだもん
龍胆・茜
アドリブ・連携可
相変わらずクロノヴェーダって諦めが悪いよね
あと一ヶ月半で新年だって言うのに面倒事を起こしてくれちゃって…
気が早いけれど新年を憂い無く迎える為にもお掃除はしっかりしないとね
まずは【トラップ生成】で広場を罠地帯に変化させるよ
罠は強力な接着剤にしようかな
これで敵の動きを少しでも鈍らせる事が出来れば良し
駄目でも隙を作る事は出来るかもだしね
【赤嵐刃】で赤き嵐を引き起こして固まってる敵に攻撃
竜胆の髪飾りを複数の投げナイフに変えて一撃離脱を意識して行動するよ
狙うは倒しきれなかった敵や仲間の死角を狙う敵かな
無理に敵を追わず、目の前に居る敵を倒す事に集中!
出来るだけ仲間と連携して着実に敵の数を減らしたいね
ある程度敵の数を減らすか、仲間のダメージが大きくなったら撤退を進言するよ
ここはあくまで前哨戦
無理して本番に影響が出たら嫌だしね
●赤く染まる
エルミタージュ美術館――『冬宮殿』は戦争前特有の緊張に包まれていた。
宮殿を正面に捉える広場では、ブラッドメイガスたちが戦闘訓練を行っているようだ。そんな彼女らへと、密かに接近する影が四人。
「まだこんな離れ業を用意してたとは、やっぱりハチャメチャな連中ですね」
大崎・朔太郎(若返りサキュバスアイドル・g04652)が小さな声で言い、静かに溜息を吐いた。
発動を許せば大勢の人々が死に絶える――鮮血の革命術式とは実に厄介なものだ。発動は必ず阻止しなければ。
ヴァンパイアノーブルの計画を阻止すべく、龍胆・茜(祈りのペンタス・g10438)もロマノフの大地へと訪れていた。
「相変わらずクロノヴェーダって諦めが悪いよね。あと一ヶ月半で新年だって言うのに面倒事を起こしてくれちゃって……」
これ以上、人々を犠牲になどさせはしない。
桜・姫恋(苺姫・g03043)は宮殿広場のブラッドメイガスたちを遠く視界に捉え、表情を凛と引き締める。
「さくっと数を減らして撤退しましょう。ヴァンパイアノーブルたちには、諦めることを知ってもらわないとね」
敵の軍勢はまだこちらに気付いていない。もっとも、戦闘が始まれば嫌でも気付くに違いない。
敵軍を鋭く見据え、ワシリーサ・ヴォレシア(船好き少女・g09690)は武器を堅く握った。
「故郷を取り戻す為にも頑張っていかないと、ね。特に此の戦場は大元帥の名を騙る相手の采配する戦場、全力で削っていくよ!」
ディアボロスたちはついに広場へと飛び込んだ。敵が彼らの存在を把握する直前に、朔太郎が先手を打つ。
(「歌声よ、光になって……届けっ!」)
心の中で強く願い、極光歌を紡ぎあげる。その歌声が響き渡ることはない。パラドクスの力によって、瞬時に光の弾へと形を変えたからだ。
高速で撃ち放たれる光弾が、敵群へと雨のように降り注いだ。光の雨に撃ち抜かれながらも、ブラッドメイガスたちが鋭く叫ぶ。
「敵襲! ディアボロスよ!」
「皆、応戦なさい!」
落ち着いて対処しようとする彼女らへと、姫恋は剣を構える。
ダブルフラッシュによって生じた眩い光を剣に纏い、敵陣へと肉薄した。
「動揺してはいないようね。けれどそれも当然よね、戦争だもの。相応に覚悟はしているわよね」
ヴァンパイアノーブルたちも、ディアボロスからの襲撃を視野に入れていないはずがないだろう。
剣を握る手に力を込め、姫恋は敵陣の薄い層へと狙いを定めた。薄い層――すなわち、比較的少数の敵が陣取る地点へと。
必ず敵の息の根を止める。烈火の如き意志と共に、彼女は己の武器へとエネルギーを注ぎ込んだ。
「――包み込め!」
剣撃を閃かせる。目を焼くほどの光が解き放たれ、敵の視界を眩ませた。
膨大な光の奔流と剣による斬撃が、ブラッドメイガスたちを容赦なく斬り捨てる。
姫恋が生み出す光に呑まれる敵へと、朔太郎も極光歌を放ち続けた。
「一気に倒すこのチャンス、利用させてもらいますよ」
視界を染め上げる極光歌の光に身を躍らせれば、光を突き抜けるように反撃のレッドスクイーズが迫った。
コウモリの姿をしたオーラが朔太郎の体を切り裂くが、僅かに痛むだけでそれ以上のダメージはない。
彼は一切動じることなく、視線の先に居る敵をしかと見据えた。
「光に目を奪われて、僕の姿をしっかりと捉えられてはいないようですね」
「チッ……!」
「この刃で、お前の首を斬り落としてあげる!」
体の一部を斬り落とされながらも、ブラッドメイガスが姫恋へと呪詛を放った。
血の呪言により体内の血液が不穏に沸き立つも、姫恋は決して臆することなく剣を振るう。
「お生憎様、首を斬り落とされるのはあなたの方よ」
血液がギロチンの刃となる前に、姫恋の攻撃が敵の首を刎ねた。ロマノフの白い大地に鮮血が舞い、宮殿広場を紅く染め上げてゆく。
その色は、決して綺麗なものではない――だが、この地を文字通り綺麗にするためには必要な行為だ。
茜はトラップ生成を展開し、ブラッドメイガスたちの足元を接着剤で満たす。
「気が早いけれど、新年を憂い無く迎える為にもお掃除はしっかりしないとね」
強力な接着剤が敵の靴やドレスへと貼りつき、彼女たちの装いをベトベトにする。
白く粘つく接着剤に、ブラッドメイガスの一人が怒りのままに叫んだ。
「何よこれ! ドレスが汚れちゃったじゃない!」
貴婦人のような姿をしてはいるが、敵も兵士である。だというのに何を言っているのだろう。
激高する敵に茜は首を傾げるが、すぐに思考を切り替える。
「戦えばどのみち汚れると思うんだけど……まあいいや。お掃除お掃除っと」
紅色のケペシュを無数に出現させる。紅き刃は茜に従うように周囲を取り巻き、その切っ先を敵の軍勢へと向けた。
刃は高速回転し、赤き嵐を引き起こす。赤き刃の嵐――赤嵐刃が、ブラッドメイガスたちの体を次々に引き裂いた。
仲間の攻撃とタイミングを合わせ、ワシリーサも敵陣へとパラドクスを発動する。
「さあ、とっておきの航海術を見せてあげるね! ベリングスハウゼン提督が南極を見出した様に……勝利の道を見つけ出すよ!」
彼女が持ち得る戦闘知識、海の天候をも見抜く眼力によって、敵陣の弱点を見極める。
狙いは、他のディアボロスの攻撃を受け、陣形を崩している部分。かつ、敵が少数の場所だ。
より効果的に戦力を削る。ワシリーサはあらゆる武器を展開し、敵陣へと肉薄する。
「貴方達の脆い所! 全部、視えてるんだから!」
氷結輪、鎖舵輪、所持するすべての武器を、敵陣の弱い箇所へと全力で叩き込んだ。凄まじい衝撃に、敵の何体かが吹き飛ばされる。
「ぐうっ……本当に、忌々しいわね! ディアボロスッ!」
「血祭りにしてあげるわ!」
ブラッドメイガスたちが二手に別れ、ワシリーサにはレッドスクイーズを、茜にブラッドギロチンの呪詛を飛ばす。
迫る吸血コウモリの群れに対し、ワシリーサは後方へと飛び退きながら鎖舵輪を構えた。
鎖舵輪を力強く振り回し、噛み付こうとするコウモリたちを蹴散らす。
「こっちは死んだお爺ちゃんが大元帥の名を冠した船、ヴォストークの船員だったからね。ロシアの誇りたる大元帥の名を騙る奴なんて許す訳にはいかないよ!」
許さないという強い想いが、ワシリーサを過酷な戦場へと駆り立てるのだ。
固い意志を以て闘争に身を投じているのは茜も同じだ。敵が注いだ呪言の影響により、灼熱の如き痛みを覚える。
だが、その痛みによって茜が足を止めることはない。
「血の呪言、ね。それがどうしたっていうの。もっと苦しくて辛い痛みを、私は知ってる」
過去の経験を想えば、この程度の痛みなど耐えられる。竜胆の髪飾りをナイフへと転じ、呪文を唱える敵へと投げ放った。
すぐ横を過ぎるナイフに、ブラッドメイガスはギリ、と唇を噛み締める。
「呪言を受けて、そんな風に動けるなんて……!」
「動揺しないで。数は圧倒的にこちらが有利よ!」
別の敵が焦る仲間へと必死に言い聞かせた。――知ってのとおり、此処は敵地だ。彼女の言うことは間違ってはいない。
だが、その程度のことは、ディアボロスも想定済みである。
次々と攻め寄せるブラッドメイガスたちを、朔太郎は落ち着き払った表情で視界に捉えていた。
「こうなるだろうと知ってはいましたが、次から次へと湧いてきますね」
眼前の敵群から目を逸らさぬまま、茜が仲間たちへと問う。
「みんな、まだ体力は大丈夫?」
茜の問いかけに、姫恋が躊躇なく頷いた。携えた剣の刀身に敵の姿を捉え、強気な微笑みを浮かべてみせる。
「やれるわ。一匹でも多く、敵の数を削っていきましょう」
「蝶の様に舞い蜂の様に刺す、だっけ? まあ、とにかく削りつづけていくよ!」
この手が及ぶ範囲にいる敵には、此処で倒されて貰う。ワシリーサは気合を入れ直し、武器を凛と構えた。
「死になさい! ディアボロス!」
ブラッドメイガスの猛反撃に対し、ディアボロスたちは勇敢に立ち向かう。
心を強く保ち、呪言による呪縛を姫恋は振り払った。
(「少数ずつ確実に捌くわ。光で完全に包み込むことはできないけれど、今はそれで充分」)
煌めく剣撃を敵へと打ち込み続ける。斬り捨てる度に、赤い血が花弁のように舞った。
怒り狂ったブラッドメイガスが再び呪文を唱えようとするも、それは叶わない。
頭上を覆うように光弾が降り、頭部を撃ち砕いたのだ。
想いだけが色濃く刻まれた『聞こえない歌』。朔太郎の極光歌が、敵群を蹂躙する。
「皆さん、もっと僕を見てくれてもいいんですよ?」
敵を挑発し、自分に注目させるように、朔太郎は言葉を紡いだ。
敵をより多く倒せるならば、囮になっても構わない。余計なダメージを喰らうつもりはないが、痛みを恐れない覚悟はある。
強い意志と共に、朔太郎は光弾を弾幕のように広げ、敵へと注ぎ続ける。
光の雨と共に、吹き荒れる赤が敵陣を搔き乱した。茜の赤嵐刃が、ブラッドメイガスの肉体を断ち切る。
「さらに2体撃破完了。――次は、あなた達」
雪上に崩れる体には目もくれず、その視線は既に新たな敵へと向いている。
焦った様子で敵がパラドクスを放つ。ワシリーサはコウモリを武器で弾きながら、彼女らへと距離を詰めた。
「残念、捕まってはあげないよ。捕まるのは、貴方達!」
繰り出される武具に圧し潰され、ブラッドメイガスたちは雪の中に沈む。
ディアボロスたちは、着実に敵の軍勢を葬り去っていった。出来得るかぎりの敵は倒した。そろそろ撤退の頃合いか。
「こっちの消耗も激しくなってきてるね。そろそろ撤退しよう」
仲間たちの状態を見て、茜が進言する。
異議を唱える者はいない。別拠点の敵も減らす必要がある以上、長居はできない。
「より多くの敵を倒して戦争を有利に進めないとだもんね」
ワシリーサが同意する。朔太郎も、じきにこの場は限界を迎えるだろうことを察していた。
「大元帥は来ませんでしたか。奪還戦の時に、是非お会いしたいものです」
万が一の事態を考えてはいたが、来ないならばそれで良しだ。大元帥と言葉を交わす機会は後に取っておこうと、朔太郎は思うのであった。
ここは一度撤退し、本戦に備える。未だ残存する敵を残し、ディアボロスたちは戦場から離脱する。
本戦前ゆえ、ブラッドメイガスが追って来ることはない。それでも悔しげな彼女らへと、姫恋はゆったりと口を開く。
声色は花弁のように柔らかに、それでいて、見つめる眼差しには明確な敵意を宿して。
「本番は24日までお預けってね? 楽しみに待っているといいわ」
遠退いてゆく冬宮殿。美しいその建造物は、離れゆくディアボロスたちを静かに見送っているかのようであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防空体制】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!