リプレイ
朔・彗藍
【桜梅】
2024南瓜:白猫ナース仮装
はっぴーはろ……弥尋がわるやひろなのです
ふふ、でもお似合いですよう。
絶叫系……ジェットコースター…
も、もちろん!行きましょうか…!
何より弥尋が楽しそうですし
安全バーが下がればぴい!と変な声が出て
あっ、どんどん上がって……落ち…
あ、あ、んにゃああああああっ
断末魔を上げる猫ナースはやはり絶叫系駄目なのでした
うっ…不甲斐ないのです…べそべそ
耳と尻尾がしょげながら気を取り直して
かわいいやつ……
んむ、そうですねえ。
ではメリーゴーランドにしましょう!マフィアさん!
可愛くハロウィン仕様に飾り付けられた
メルヘン木馬に颯爽と跨るマフィアな彼と共に相乗りをして
ふ、ふふ、弥尋、そのままこっち向いて!
要望に何でもこたえてくれる、って言ってくれたので
ぴーすですよう!はい、ちーず!です!
記念に自撮りでお写真ぱしゃり
私は悪戯っ子な笑みを浮かべて
ちょっと困った顔の貴方が映ってるかも
ライトアップされた園内で
のんびりお散歩へ
弥尋、手を出して?
南瓜マフィンをそっと乗せ
楽しい夜に感謝を込めて
沓水・弥尋
【桜梅】
マフィアの仮装
ハッピーハロウィン!
衣装とテンションがちぐはぐ?気にしないない
彗藍はナースだ!耳と尻尾も似合って可愛い~!
ジェットコースターとか絶叫系は乗っときたいな~!
テンション上げていざ!
最初はゆっくり…これがドキドキ感あるんだよね
そして天辺からの急降下
わー!たっのしー!
ねっ、すいら……
聞こえた断末魔、隣には涙目しょげ猫ナース
あっ…絶叫系ダメ、だった…
つ、次はおとなしいのにしよ!怖くないやつ!
そう、かわいいやつ、ね、ね!
涙目な彗藍見て動揺するマフィアの図が出来上がる
そして辿り着いたメリーゴーランド
ハロウィン装飾も相まってメルヘン度高いな…
この仮装で乗るものではない気はするけど
それも気にしたら負け
彗藍のご要望にも何でもこたえるよ!
ぴ、ピース?これでだいじょぶ?
言われるままにぱしゃりと
ライトアップを楽しみながら散策
掛けられた声に手を出せば
手のひらにちょこん
わ、マフィンだ!美味しそう!
これじゃ悪戯出来ないや
だから、トリートオアトリート
お魚型のキャンディをお返しに
楽しい夜に笑顔も添えて
●ナースとマフィアの綺想曲
「ハッピーハロウィン!」
ハロウィン仕様の遊園地、テンションが上がらないわけがないとばかりに沓水・弥尋(継朱鳥・g08834)が朔・彗藍(ベガ・g00192)に向かって高らかに叫ぶ。その知った声に、白猫の耳と尻尾を付け、可愛らしい黒のミニスカートワンピースに白のフリルエプロンというナース姿の彗藍がくるりと振り向き、笑顔を向け――。
「はっぴーはろ……弥尋がわるやひろなのです」
その笑顔を驚いたような表情に変え、瞳をぱちりと瞬いた。
弥尋の仮装は少し悪そうな中国マフィアで、中華風の飾りボタンが付いた長袍にチャイナローブを羽織ったもの。いつもと違う雰囲気なのに、テンションはいつものままで思わず彗藍がくすりと笑う。
「なんで笑ってんだ?」
「あ、ごめんなさい、だって衣装と弥尋のテンションが」
あんまりにも違っていて、でも弥尋だなと安心もできたりして。
「衣装とテンションがちぐはぐ? 気にしないない!」
「ふふ、でもお似合いですよう」
「ありがと! 彗藍はナースだ! 耳と尻尾も似合って可愛い~!」
本当ですか? ああ、すごく! と二人で笑い合うと、弥尋と彗藍が遊園地を楽しむべく歩きだす。
「乗り物がいっぱいです! どれから乗るか迷ってしまいます! 弥尋はなにか乗りたいもの、ありますか?」
「そうだなー、やっぱジェットコースターとか絶叫系は乗っときたいな~!」
「絶叫系……ジェットコースター……」
ジェットコースター、と言われて彗藍がごくりと喉を上下させる。それには気が付かないまま、弥尋がどのジェットコースターがいいかと吟味を始め、あちこちとライトアップされたジェットコースターを眺める。
「やっぱ高い所から落ちるやつか……一回転するやつもいいな!」
「高い所……一回転……」
心なしか血の気が引いたような彗藍が弥尋を見上げる。
「彗藍はどのジェットコースターがいいんだ?」
「わ、私は弥尋のおすすめで」
「おすすめか~、それならやっぱあれかな!」
あれ、と弥尋が指さしたのはこの遊園地の絶叫系の中でも屈指の高度を誇るジェットコースター、折しも頂点からコースターが下りてくる瞬間。人々の楽しそうな悲鳴が聞こえてくる。
「楽しそうだよなー! よし、俺達も行こう!」
「も、もちろん! 行きましょうか……!」
怖い気持ちはあったものの、何より弥尋が楽しそうで水を差すのは躊躇われた彗藍が意を決してこくりと頷いた。
「テンション上がるなー!」
「は、はい……!」
すぐそこにまできたコースターが目の前で止まると、二人で乗り込む。隣あった座席に座ると安全バーが下りてきて、彗藍が思わず――。
「ぴい!」
と、変な声を上げてしまったりしたけれど、コースターは無慈悲にも発車ベルと共に出発したのである。平らなレールが徐々に上に向き、ゆっくりとコースターが頂点に向かって登っていく。
「あっ、どんどん上がって……」
「最初はゆっくり……これがドキドキ感あるんだよね。眺めも絶景だし、最高だよなー! もうちょっとしたら天辺からの急降下だからな!」
「あ、わ、落ち、落ち……」
いい眺めなのだけれど、いい眺め過ぎて彗藍は既に涙目。
「あ、あ」
あ、と言っている間に、コースターは頂点から真っ逆さまに向いたレールを駆け下りていく。
「わー! たっのしー!! ねっ、すいら……」
「んにゃああああああっ」
「あっ」
楽しさ最高潮の弥尋の隣から聞こえた断末魔のような悲鳴に思わず視線を向ければ、涙目で叫び続ける彗藍の姿が!!
「ぴにゃああああああ」
その後も、続く急カーブや最高速度のまま駆け抜けていくコースターに、彗藍の悲鳴が響き続けていた。
「うっ、うう、う」
「だ、大丈夫か……?」
しょげてべそべそになった彗藍を覗き込み、絶叫系ダメだったかー……と弥尋が背中を撫でている。
「うっ……不甲斐ないのです……」
「誰にだって得手不得手ってのがあるから! そうだ、つ、次はおとなしいのにしよ! 怖くないやつ!」
「怖くないやつ、です?」
しょげしょげ猫ナースが顔を上げ、涙目のまま弥尋を見上げた。
「彗藍が好きなやつでいいから!」
「好きな……かわいいやつがいいです……」
「そうそう、かわいいやつ、ね、ね!」
弥尋が動揺しつつも必死で彗藍の気分を上げようと頷くと、彗藍がきょろきょろと辺りを見回す。
「んむ、そうですねえ……ではメリーゴーランドにしましょう! マフィアさん!」
マフィアとて泣く子には勝てぬので、一も二もなく行こう! と白猫ナースの手を引いた。
キラキラとライトアップされたメリーゴーランドはハロウィン仕様に飾り付けられていて、普段よりも一層メルヘン度が上がっているなと弥尋は思う。それから、この仮装で乗るものでもない、とも。
「まぁ気にしたら負けだよな」
「弥尋、一緒に乗りましょう! この木馬がいいです!」
これ、と楽しそうに笑う彗藍を木馬に乗せてやり、それから弥尋もその後ろに乗ると、メリーゴーランドが動き出した。
「ふ、ふふ、弥尋、そのままこっち向いて!」
「仰せのままに、彗藍のご要望に何でもこたえるよ!」
「なんでも、ですか?」
「なんでも!」
「じゃあ、ぴーすですよう!」
「ぴ、ピース? これでだいじょぶ?」
「はい、ちーず! です!」
言われるままにピースをすれば、彗藍が自撮りで二人を写す。撮れた写真を見れば、自分は悪戯っ子な笑みを浮かべていたし、弥尋はちょっと困った顔で笑っていたから、たのしくなって笑ってしまう。メリーゴーランドが止まるまでに何枚か撮って、降りた後はライトアップされた園内をきままに散策だ。
「綺麗だなー」
「はい! どこを歩いても楽しいです」
奥の方、ちょっと怖いゾーンは避けつつ歩いていると彗藍が弥尋を呼んだ。
「弥尋、手を出して?」
「ん?」
言われるままに手を出せば、ちょこんとのせられたのは南瓜のマフィン。
「わ、マフィンだ! 美味しそう!」
「お口に合えばいいのですが」
「絶対美味しいよ、大丈夫! でも、これじゃ悪戯はできないや」
なんて、最初から悪戯する気なんてなかったけれど、そう嘯いて弥尋が彗藍に笑う。
「はい、トリートオアトリート!」
お礼にと、魚型のキャンディを彗藍の手の上にのせた。
「ハッピーハロウィン、彗藍」
楽しい夜に、笑顔を添えて。
「ハッピーハロウィン、弥尋」
楽しい夜に感謝を込めて。
まだまだ続くハロウィンの夜に、二人の笑い声が響いていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【猫変身】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
捌碁・秋果
【秋逸】
クルーの方から風船をいただきました
伏見さんにプレゼントするので、動かないでくださいね
(尻尾に風船のひもをくくりつける)
あら~!なんてゴキゲンな伏見っぽでしょう!
もっと貰ってきますね!風船をいっぱいつけたらきっと尻尾も軽くなりますよ!
(かわいい伏見っぽを携帯端末でぱちぱち撮る)
あんなところにアレがありますよ、ハロウィン仕様の顔出しパネル
シーツを被ったようなオバケとジャックオランタン…良いですねえ!
伏見さん、1枚!1枚とりましょ!?ダメ?
もしダメでしたら撮る方をお願いしますね
ええ。この二人用の顔出しパネルを一人で使う私の悲哀を遺憾なく映し出した、そんな一枚を撮ってください
腕の見せ所ですよ、伏見さん!
…それとも、やっぱり一緒に撮られます?
ふふっ。これでアルバムも充実するというものです
伏見さんは何か気になるアトラクションはありますか?
…コーヒーカップですね!私も乗りたいと思っていました
では行きましょう。思いっきりぐるぐる回して…マシンから降りてまっすぐ歩けなくなった方が負けですよ!
伏見・逸
【秋逸】(アドリブ歓迎)
遊園地か…馴染みがねえなあ。
ガキの頃に行ったかもしれんが、憶えてねえ
(尻尾に風船を括りつけられる。写真を撮られるのも基本的にされるがまま)
そんな風船ぐらいで、尻尾がほいほい軽くなるわけねえだろうが。何キロあると思ってんだ。…俺も知らねえが。
(渋い顔をしているが、風船が外れそうになったらそっと直すなど、さりげなく気にする)
お前なあ…ヤクザ者を脅すとか、どんだけ肝据わってんだよ…(呆れ顔)
(面白いので、一人で顔出しパネルを使う捌碁を撮影。その後「仕方ねえなあ」と渋々顔出しパネルへ)
……で?顔を出したまではいいがよ、誰が撮るんだ、これ?
気になるアトラクション、なあ。
なんかカップをぐるぐる回すとか言ってなかったか。…アレか?
勝負?そういうもんなのか?
(真っ直ぐ歩けないとかないない…と高をくくり、行った。回した。言われるがまま、思いっきり)
(…えらい事になった。何だあの乗物。復讐者でなければ無事に戻れなかったかもしれない。
あいつ、なんであんなにピンピンしていやがるんだ…?)
●いつもの二人とハロウィンと
煌びやかにライトアップされた遊園地、それを見上げる伏見・逸(禍竜の生き先・g00248)の顔はどこか苦々しく、それでいて場違いな場所に置いていかれた子どものようでもあり。
「遊園地か……馴染みがねえなあ」
そんな言葉がぽろりと零れるくらい、逸は自分がこの場にそぐわないのではないかと共にやってきた捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)が遊園地の仮装したクルーからハロウィン仕様の風船を渡されているのを見遣った。
風船を受け取って笑う秋果を見て、なんとなく幼い頃にきたかもしれないとも思うけれど。
「憶えてねえ」
そんな男が何故この遊園地に来たかと言えば、風船を手にして笑顔で駆けよってくるたからものに誘われたから。
「伏見さん、伏見さん、クルーの方から風船をいただきました」
「ああ、見てた」
「そうですか、ではこれを伏見さんにプレゼントするので、動かないでくださいね」
その言葉には答えず、けれど嫌がる素振りも見せず、逸は秋果がせっせと逸のドラゴニアンの尻尾に風船を括り付けるのを黙って見ていた。
「あら~! なんてゴキゲンな伏見っぽでしょう!」
にこにことご機嫌で笑いながら写真を撮る秋果に、そうかよと逸が答える。
「このままでも充分に可愛い伏見っぽですけど、もっと貰ってきますね!」
「もっと?」
「はい、風船をいっぱいつけたらきっと尻尾も軽くなりますよ!」
そんなわけあるか、と逸が秋果を見遣る。
「そんな風船ぐらいで、尻尾がほいほい軽くなるわけねえだろうが。何キロあると思ってんだ」
「何キロあるんですか?」
「……いや、俺も知らねえが」
「そうですかそうですか、では試しましょうね!」
逸が止めるよりも早く秋果が風船を貰いに向かい、すぐにカラフルな風船の紐を幾つか手にして戻ってくる。そして再び、逸の尻尾に風船を括り付けた。
「完成です! やっぱり沢山つけて正解ですね、さっきより可愛くてゴキゲンな伏見っぽの完成です! ハイパーキュート伏見っぽとでも名付けるべきでしょうか?」
「……好きにしろ」
「ふふ、では参りましょう!」
渋い顔を更に渋くして、逸が秋果に引っ張られるまま付いていく。それでも、風船が外れそうになったらそっと直したりして、さり気なく風船を気にしている。その優しさに秋果が笑みを深めつつ、ハロウィン仕様の遊園地をそぞろ歩いた。
「あ! 伏見さん、伏見さん」
「どうした」
秋果が立ち止まり、逸の服の裾を引っ張って呼び止める。
「あんなところにアレがありますよ、ハロウィン仕様の顔出しパネル」
「観光地とかにあるアレか」
「そうです、アレです! シーツを被ったようなオバケとジャックオランタン……良いですねえ!」
コミカルな可愛い顔出しパネルは子ども向けなのだろう、顔の位置がやや低めだ。
「伏見さん! 一枚! 一枚とりましょ! ダメ?」
「ダメも何も……」
「もしダメでしたら撮る方をお願いしますね」
「わかった、撮ってやるから顔出してこい」
「ええ。この二人用の顔出しパネルを一人で使う私の悲哀を遺憾なく映し出した、そんな一枚を撮ってください。腕の見せ所ですよ、伏見さん!」
「お前なあ……ヤクザ者を脅すとか、どんだけ肝据わってんだよ……」
しかも脅す内容がコレである、さすがというか、なんというか。呆れた顔をしつつ、それでもパネルから一人顔を出す秋果は面白かったので、パチリと一枚シャッターを切ってやる。
「どうですか、ばっちり悲哀に満ちた私が撮れましたか、伏見さん!」
「面白いのにだんだん可哀想になってくるのがすごいな、お前」
「ふふ……伏見さん、顔出しパネルの穴はもうひとつあるんです。つまり、別バーションも撮れるのです」
「まだひとりで撮るのか……」
「はい! ……それとも、やっぱり一緒に撮られます?」
遠回しな、それでいて一緒に撮りたいという秋果の言葉に逸が頭を掻く。
「仕方ねえなあ」
渋々、本当に渋々だったが、秋果の隣に立ってパネルから顔を出す。
「……で? 顔を出したまではいいがよ、誰が撮るんだ、これ?」
「そこはほら、あちらにいらっしゃるクルーの方に!」
すいませーん! と声を上げれば、ピエロの仮装をしたクルーが快く引き受けてくれて、無事に秋果の手元にはパネルから顔を出した二人の写真が手に入ったのである。
「ふふっ。これでアルバムも充実するというものです」
「そらよかったな」
「はい!」
にこにことご機嫌な秋果を横目で見つつ、尻尾の風船がずれたのを直していると秋果が逸を見上げて問う。
「伏見さんは何か気になるアトラクションはありますか?」
「気になるアトラクション、なあ」
ふむ、と考えて思い出したことを口にする。
「なんかカップをぐるぐる回すとか言ってなかったか。……アレか?」
ぐるぐると回るカップ、と目に付いたアトラクションを逸が指さす。
「……コーヒーカップですね! 私も乗りたいと思っていました」
秋果がコーヒーカップの方へと進路を変更し、逸を引っ張っていく。勿論コーヒーカップもハロウィン仕様になっていて、オレンジと紫、黒に赤と彩られている。
「どのカップがいいですか?」
「どれでもいいが……」
なら、目の前のそれ、と逸が言うと秋果がいそいそとオレンジと黒の縞模様をしたカップに乗り込んだ。その対面に逸も座り、中央にあるハンドルは何かと問う。
「これはですね、ここを思いっきりぐるぐると回すんです。そうするとカップがぐるぐると回るので……マシンから降りてまっすぐ歩けなくなった方が負けですよ!」
「勝負? そういうもんなのか?」
説明を受けていたはずなのに、突然の勝負を挑まれ逸が目を瞬く。が、真っ直ぐ歩けなくなるとかないない、と軽い気持ちで勝負を受けたのである。
そして、逸は思いっきり回したのだ、コーヒーカップを。あの、三半規管を思いっきり試してくるコーヒーカップを――!
「う……っ」
「大丈夫ですか? さあさあ私につかまって!」
心配そうな、それでいて私の勝ちですね! という顔で秋果が逸を覗き込みながら腕を取りしっかりした足取りで歩く。不本意ながらも逸は彼女にエスコートされるままにコーヒーカップを離れ、ベンチへと座った。
飲み物を買ってくるという秋果に気を付けていけよとだけ声をかけ、逸が夜空を仰ぐ。
「……なんだあの乗り物」
復讐者でなければ無事に戻れなかったかもしれない、復讐者で良かった……などと思いながら、逸は飲み物を手にして戻ってくる秋果を見遣る。
あいつ、なんであんなにピンピンしていやがるんだ……? コツとかあるのか? と、やや青い顔のまま秋果から渡された飲み物を受け取った。
「楽しかったですね! あんなにスピードの出るとは思ってもなかったです。さすが伏見さんですね」
返事をする気力もないまま、逸は飲み物を口にして――二度と乗らねえと心に決めたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
リリアム・ベガ
壱(g05536)と参加するのよ。
ハロウィンも遊園地も初めてだからわくわくするのよ♪
綺麗で不気味でとっても楽しそう!
ハロウィンイメージのお料理、いっぱい食べたい…!
えっとね、リリィはお肉が食べたいし、でもお魚も食べたいの。
ちょっと欲張りかな?って思うけど
指に見立てたバンガーズ&マッシュに、ハロウィンモチーフに型抜きしたポテトチップスになってるフィッシュ&チップスも美味しそうなの。
あ、壱いいなぁ。来年はリリィもカクテル飲みたいのよ。
うん、来年!約束ね?
窓側のお席でライトアップされてる遊園地を見ながらのお食事。
壱が見てるほうを見たら暗い海に遊園地の明かりが映っていて、わぁって歓声をあげちゃうの。
本当に幻想的でとっても綺麗…!
全部がおしゃれでデートっぽくて、どきどきしてきちゃうのよ。
ふふ、リリィも壱と過ごせてよかったのよ♪
でもハロウィンの夜はまだこれからなの!
屋台でデザートも食べたいし、乗り物にも乗ってみたいのよ?
壱とまだまだたくさん楽しみたくて、お食事を終えたら手を取り駆け出すの!
石垣原・壱
リリィ(g11309)と参加するよ。
ハロウィンナイトパーティ、楽しそうだね。
リリィはハロウィンも遊園地も初めて?楽しんでいこうね。
遊園地全体がハロウィン仕様になっていて楽しげでいいね。
レストランでハロウィンイメージの料理を食べようか。
リリィは何食べる?
オーストラリアだし肉料理がいいかなあ。
牛肉も羊肉もいいね……どちらにしようか。
あとは料理に合うお酒もあるといいな。
ハロウィンイメージイメージのカクテルとかあるのかな?
リリィはお酒はまた来年だねえ。
来年一緒にハロウィンのカクテルを飲むのを楽しみにしておくよ。
席は窓側の席で、外の遊園地の様子を見ながら食事しよう。
ライトアップされた遊園地を見ながら食事をするのもお洒落でいいよね。
海に面していて、夜の海が見えるというのも幻想的な感じがするねえ。
おしゃれなデートにふさわしい眺めでとてもどきどきするよ
リリィとこんなハロウィンを過ごせてよかったよ。
屋台でデザートや、乗り物も色々乗ってみたりする?
じゃあ、もっと遊んで回ろうか。
まだまだ目いっぱい楽しもうね。
●初めてハロウィン、ご一緒に
「ハロウィンナイトパーティ、楽しそうだね」
ハロウィンも夜の遊園地も楽しいものだ、ならばその二つが合わさったならばきっと、とても楽しいのだろうと石垣原・壱(人間のワールドハッカー・g05536)がハロウィン仕様に飾り付けられた遊園地のエントランスを見上げ、目を輝かせているリリアム・ベガ(Diva a bordo・g11309)に囁いた。
「あのね、壱。リリィはハロウィンも遊園地も初めてなの」
「初めて?」
「そうなの! だからとっても、とってもわくわくするのよ♪」
「そうか、リリィはハロウィンも遊園地も初めてなんだね。それじゃあ、楽しんでいこうね」
それならば、しっかりと自分がリードしなくてはと壱が密かに気合を入れる。迷子にならぬようにと手を差し出せば、リリアムが嬉しそうな笑顔でその手を取ってくれたので優しくエスコートするように園内へと足を踏み入れた。
「遊園地全体がハロウィン仕様になっていて楽しげでいいね」
「わぁ……! 綺麗で不気味で、とっても楽しそう!」
ハロウィン仕様なのはエントランスだけではなく、園内の何処を見てもハロウィン仕様。南瓜の置物やハロウィンカラーのリボン、バルーンなどで飾り付けられている。それは訪れた人々の心を弾ませる魔法でもかかっているかのように、園内をいく人々は笑顔で満ち溢れていた。勿論、それはリリアムと壱も例外ではなく、だ。
「じゃあ……まずはレストランでハロウィンイメージの料理を食べようか」
「ハロウィンイメージのお料理、いっぱい食べたい……!」
ジャックオーランタンのミートパイ、お化けが飾られたステーキ、きっとなんだってあるはずだ。丁度お腹が空く時間、腹が減っては戦は出来ぬ――なんて笑いながら、二人がフードゾーンを目指して歩く。
「リリィは何食べる?」
「えっとね、リリィはお肉が食べたいし、でもお魚も食べたいの」
ちょっと欲張りかな? なんて壱を見上げれば、どっちも食べようと笑顔が返ってきたのでリリアムが嬉しそうに微笑んだ。
「僕はどうしようかな……オーストラリアだし肉料理がいいかなあ」
後はメニューを見て決めようかと、壱が大きめのレストランを選んで中へと入った。
通された席はライトアップされた遊園地がよく見える場所で、メニューを眺めつつその楽し気な光景に二人が笑い合う。
「リリィ、好きなものを頼むといい。気になるものはあるかな?」
「えっと……リリィはね、これとこれが気になるの」
リリアムが指さしたのはソーセージを人の指に見立てたバンガーズ&マッシュと蝙蝠やお化けの形に型抜きしたポテトチップスになってるフィッシュ&チップスだ。
「美味しそうだね、僕はそうだな……」
肉料理、と開いた先には牛肉に羊肉が並んでおり、子羊や子牛なども選べるとあって種類も豊富。
「せっかくだからラムにしようかな」
羊肉を選び、更には羊肉に合うお酒も、とメニューを捲る。
「ハロウィンイメージのカクテルとかもあるみたいだね」
「あ、壱いいなぁ。来年はリリィもカクテル飲みたいのよ」
リリアムの誕生日は生憎とハロウィンより数日後で、今はまだ我慢なのと綺麗なカクテルの写真を眺めるばかりだ。
「リリィはまた来年だねえ。じゃあ、来年一緒にハロウィンのカクテルを飲むとしようか」
なら、それまでは僕もカクテルはお預けにして、ワインにしようかなと壱が笑う。
「うん、来年! 約束ね?」
絶対よ、とねだるリリアムと指切りをして、壱が来年必ずと頷いた。
頼んだ料理が届き、テーブルの上で美味しそうに湯気を立てている。少し視線を窓側に向ければハロウィンカラーに煌めく遊園地、なんだか夢のような空間だと思いつつ、取り分けられた料理をリリアムが口に運んだ。
「んん、とっても美味しいの!」
「美味しいね、このラム肉も柔らかくて癖がない」
暫し料理を楽しんで、ふっと壱が遠くに視線を向けたのでリリアムもそれを追うように花の瞳を向ける。
「わぁ……っ!」
リリアムの瞳に映ったのは、暗い海に遊園地の灯りが映って幻想的な光を放つ姿。
「なんだか幻想的な感じがするねえ」
「ええ、とっても! 本当に幻想的でとっても綺麗……!」
リリアムの瞳に光が揺れているのも、とても綺麗だと壱が思う。
「なんだか全部がおしゃれでデートっぽくて、リリィ、どきどきしてきちゃうのよ」
「僕もおしゃれなデートに相応しい眺めでとてもどきどきするよ」
「壱も?」
「ああ」
そう、じゃあリリィ達お揃いね、と煌めく灯りよりもキラキラとした笑みを向けてくれるものだから、壱はなんて贅沢なハロウィンなんだろうねと笑った。
「リリィとこんなに楽しいハロウィンを過ごせてよかったよ」
「ふふ、リリィも壱と過ごせてよかったのよ♪」
お料理は美味しかったし、ライトアップされた遊園地はとても綺麗だし。
「でも、ハロウィンの夜はまだこれからなの!」
だって、夜はこれからだとリリアムが意気込む。
「屋台でデザートも食べたいし、乗り物にも乗ってみたいのよ?」
「そうだね、屋台でデザートを食べて乗り物も色々乗ってみたりしよう」
もっと遊んで回ろう、リリアムのしたいこと全部しようねと壱が笑う。
「まだまだ目いっぱい楽しもうね」
「本当? 嬉しい!」
善は急げとばかりに食事を終えた二人がレストランを出ると、リリアムが壱の手を取って引っ張るように駆けだして。
「壱、乗り物全制覇しようね」
「全部乗るのかい?」
「そうよ、リリィと一緒に、全部よ!」
日付が変わるまでに全部! と、リリアムが楽しそうに笑うので、彼女が望むなら頑張ってみようかと壱は握った手が解かぬように握り返したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
イツカ・ユメ
【ガレージ】
普段は気ままな野良猫だけれど、今年の仮装は腹ペコ狼!
しぃちゃん(子火)、わかるよ!
まずはわたしも美味しいもの食べたーい!(ぐるるると鳴るお腹)
ハロウィン限定の南瓜と紫芋のチュロスが気になっていたのだよね。
皆は何にした?
もし食べ切れなかったら狼さんに任せて!
ん?銃?……え?ゾンビ!?
そう言うアトラクションだとわかっていても、結構しっかりとしたゾンビでガチで泣きそう。
めぐくん(めぐる)頑張れー!今こそゲーマーの華麗なテクニックで……みゃー!囲まれた!怖い!なごくん(和月)、たーすーけーてーっ!
おたおたしている間に、今度は兄貴(クーガ)が大ピンチ!?
おのれゾンビ!これでもくらえーぃ!(銃をぶん投げる)
皆でわちゃわちゃ、ゾンビの群れも切り抜けて一安心。
もう少ししたらパレードの時間だけれども……舟に乗ってパレードが見られるの?素敵!ロマンティック!乗りたーい!
キラキラのハロウィンの魔法が解けるまで。
まだまだ皆と遊び倒すよ♪
ねぇねぇ、次はどこに行く?
クーガ・ゾハル
【ガレージ】
仮装はおととしのサイバーネコマタだぞ
はらがへってはイクサはできぬ、ってやつだな
わかるぞシィ(ダッシュでついていく)
おれはこのちーずどっぐ、ってやつ
チーズが、あかい、からい……うまい!
ゾンビを、たおすゲーム、だと
おまえたち……いきてないやつは、
ゆっくりねむらないと、ダメなのに……(つい悲しげになる墓守)
しかたない、おれたちにまかせろ
二丁持ちでばんばんいくぞ
たくさんうてば、たぶん、どれかあたる
まってろイッカ、いまいくからな
めぐる、うしろにもいるぞー
あわわ、おれがかこまれた
しかたない、なご、おれごと、うつんだ……!
みんなをゲームオーバーには、させないからな
へへへ
たたかったら、また何か、たべたくなってきたな
……なあ、みんなで、あそこから
パレードをみるのはどうかな
きらきらひかる運河ふうの川を
ぷかぷか、ゆらゆら流れるオバケ舟
パレードにまけないくらい、にぎやかなみんなと
ハロウィンの夜がふけるまで
今日はあそぼう

霧崎・和月
【ガレージ】
仮装:'24南瓜行列 銀猫の魔術師
ハロウィン仕様、なんだか面白い、ですね
色んな顔の南瓜が…
遊園地に来て、早速…!?
駆け出したしぃ(子火)さんとクゥ(クーガ)さんに吃驚
でも、確かに…面白そうなもの、沢山…
なら俺は、目玉のキャンディを…りんご味だ…!
めぐ(めぐる)さん、俺もポップコーン、食べたい、です
……?銃…?撃てば、いいんですか……?
……っ!?(驚かされる度に声にならない叫びと共に反射で撃つ)
え、お化け?ゾンビ…?イッカ(イツカ)さん、大丈夫、ですか!?
えっ…クゥさんごと撃つのは…!
めぐさん、手分けして倒しましょう…!
しぃさんはイッカさんとクゥさんの安全確保を…!
びっ…くりしま、した…
でも、楽しかった…です
確かにオバケ舟からなら、パレード、ゆっくり見られます…ね
パレード見終わったら、屋台でしっかりご飯、食べましょうか
まだまだ、遊び足りませんし、ね
篝・子火
【ガレージ】5名
仮装は今年のもの。曲芸師だ。
まずは腹ごしらえたい、と屋台へダッシュ。
すまんな。腹の中に化け物がいるんだ。(すごい音で鳴るお腹)
子火はコレにしよう。緑と紫の……恐らくクレープ。
甘いの食べたら辛いのも食べたくなるよな、兄貴。(クーガの食べ物眺め)
腹も満足に探索。この辺り、より暗くないか?
よく分からんままに、係の者から銃もどきを受け取る。お化けを撃つゲームが始まるらしい。
あ、なご(和月)。後ろ。ものすごく顔色の悪い人間がいるぞ。
ゾンビ!これがゾンビか!撃てば良いんだな?
………めぐ(めぐる)助けてくれ。全然当たらないんだが!
子火はもう打つ手がない。なごの指示に従ってイッカ(イツカ)と兄貴を頑張って守ろう。お、銃ごと投げるか。ナイスシュート!
さて、パレードの時間が近いが。オバケ舟いいな。
舟から眺めるパレード。特等席だな。
皆とたくさん遊べて大満足だ。……降りたら屋台寄っていいか?
唯木・めぐる
【ガレージ】
夜の遊園地なんて超ワクワクだねー!
俺はサイバーチックなチェシャ猫仮装で参加
ハロウィンモチーフなフード、雰囲気ある~!
しぃちゃん待って待ってー!
俺はポップコーン…めっちゃ黒!ん!カレー味だうまーっ!
みんなも食べる~?
お、シューティングのアトラクション?いいねいいねー!
俺こういうの得意よ?(シャキーン)※ゲーマーの血
顔色の悪い…うん、ゾンビだねぇ
ふっふっふ!イッカちゃん、なご!俺に任せなー!
クゥ兄、サンキュー!…と思ったら囲まれてるー!?
俺も今行くっ…!
ふー、なかなか手に汗握ったねぇ~!みんな大丈夫?
パレード見ながらゆっくり休憩しよー!
…お!オバケ舟とはオツだねぇ~
◎アドリブ絡み大歓迎
●ハロウィンナイトは大騒ぎ!
賑やかなハロウィン仕様の遊園地を楽し気に歩くのは、遊園地に負けないくらい賑やかな五人組。
「ハロウィン仕様の遊園地、なんだかおもしろい、ですね」
髪色に合わせた銀色の猫耳と猫尻尾を揺らし、銀猫の魔術師の仮装をした霧崎・和月(彷徨う器・g06070)が物珍し気にきょろきょろとあちこちを見遣る。色々な顔をした南瓜がいるのが気になって仕方ないのだ、何せ同じ表情をした南瓜がいないのだから!
「皆さんは、何が、気になります……か?」
和月が何気なく問うと、真っ先に手を上げたのは曲芸師の仮装をした篝・子火(天高し・g02594)。たっぷりの布で作られたフリルとドレープを楽し気に揺らしながら、迷いなく答える。
「まずは腹ごしらえしたい」
「遊園地に来て、早速
……!?」
普通はアトラクションを楽しむものなのではないだろうかと思ったけれど、子火の意見に飛びついたのはふわふわの狼耳カチューシャをして、ふわふわのビキニめいた衣装で腹ペコ狼の仮装をしたイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)だ。
「しぃちゃん、わかるよ! まずはわたしも美味しいもの食べたーい!」
腹ペコ狼の仮装に違わずイツカもお腹を空かせていたようで、きゅるるとお腹が鳴っている。
「はらがへってはイクサはできぬ、ってやつだな。わかるぞ、シィ」
サイバーチックなネコマタの仮装をしたクーガ・ゾハル(墓守・g05079)が、幾何学模様を描きながら蛍光色に光る二股の尻尾を揺らしてこくり、と頷いた。
「その通りだ、兄貴」
頷き返した子火がこれ以上は我慢ができないとばかりに屋台に向かってスタートダッシュを決めると、クーガが俊敏な動きでその後を追いかけだした。
「しぃちゃん、クゥ兄、待って待ってー!」
ほんの一瞬、あっけにとられたものの、こちらもサイバーチックなチェシャ猫の仮装をした唯木・めぐる(ガレージの野良猫・g05855)が慌てて後を追う。縞模様の大きな尻尾が僅かに光って揺れる姿に、イツカがぱちりと目を瞬いた。
「なごくん、追い掛けよう!」
「は、はい、追い掛け、ましょう」
イツカの言葉に、驚いたまま固まっていた和月が頷いて共に追い掛ければ、既に子火が緑と紫の毒々しい色をしたハロウィン仕様のクレープを手にしているではないか。
「すまんな。腹の中に化け物がいるんだ」
そう言った途端、子火のお腹から物凄い音がして、イツカが鳴らしたお腹の音なんて可愛らしいものだったのだと思わせる程。
「ふ、あは、あはは!」
その音に思わずめぐるが笑い、その笑い声はイツカと和月、クーガにも伝染したかのように皆で笑って。
「いいね! ハロウィンモチーフなフード、雰囲気あるしうまそ~!」
「ふ、ふふ、でも、確かに……面白そうなもの、沢山……」
「だろう? このクレープ、緑と紫色ですごいんだが、すごく美味しい、甘い、美味しい」
甘いと美味しいを繰り返す子火にまた笑い、何にしようかと和月が屋台を見回す。
「なら俺は、目玉のキャンディを……」
ポップな色だけれど目玉を模したキャンディーは可愛らしくも不気味で、まじまじと眺めた後に和月が思い切って口にする。
「……りんご味だ……!」
「見た目だけだと味がわからなくて面白いね! わたしは……ハロウィン限定の南瓜と紫芋のチュロスが気になっていたのだよね」
黄色いチュロスに紫色と黒のチョコレートがデコレーションされていて、蝙蝠のチョコチップが飾られているチュロスを手にしたイツカがぱくり。
「んー、美味しい! めぐくんと兄貴は何にした?」
イツカの問いに、子火と共に先にきていたクーガが手にしたものを見せる。
「おれはこのちーずどっぐ、ってやつ」
通常であればきつね色の生地を黒にしたチーズドッグに、クーガがかぶりつく。びよーん、と伸びたチーズの色は赤で、クーガが目を丸くしながら飲み込んだ。
「チーズが、あかい、からい……うまい!」
「甘いの食べたら辛いのも食べたくなるよな、兄貴」
ぺろりとクレープを食べきった子火がクーガを眺める。正確に言うと、クーガが食べているチーズドッグを眺めている。
「シィ、食べるか?」
「いや、子火も同じものを買おう」
だって一口とか、絶対に足らないから。チーズドッグを買うべく屋台に向かう子火の後ろ姿に笑いながら、めぐるがイツカの問いに答える。
「俺はポップコーン……めっちゃ黒! ん! カレー味だうまーっ! みんなも食べる~?」
「めぐさん、俺もポップコーン、食べたい、です」
「おれも、ひとつ欲しい」
「わたしも~!」
それぞれがめぐるのポップコーンを摘まみ、美味しいと笑う。
「めぐ、子火も食べたい」
戻ってきた子火がチーズドッグを片手に言うものだから、めぐるがもう一つ買ってあげたりとしながら胃袋を満たしていく。
「もし食べきれなかったらこの狼さんに任せて! って思ってたけど、そんな心配必要なかったかな?」
イツカがチュロスを食べきって、次はお化けを模したジェラート! と手にして笑った。
お腹を満たしたら次は遊園地の中を探検しようと、五人が再び歩き出す。
「この辺り、より暗くないか?」
何だか他の場所よりも、意図的に暗くしているような? と、子火が辺りを見回していると遊園地のクルーがやってきて『ホラーゾーンへようこそ!』と、声を上げる。
「ホラーゾーン、ですか……?」
そういえば、ここへのパラドクストレインを出してくれた案内人が言っていたような、と和月が思い出していると、あれよあれよというまにクルーがホラーゾーンにいるお客さん達にデフォルメされた造形の光線銃を渡していく。勿論、和月達五人にも、だ。
「ん? 銃?」
「なるほど、よくわからんがお化けを撃つゲームが始まるらしい」
「お、シューティングのアトラクション? いいねいいねー! 俺こういうの得意よ?」
ゲーム、と聞いてゲーマーの血が騒いだのか、めぐるが迷いなく銃を構える。
「……? 銃…? 撃てば、いいんですか……?」
めぐるとは反対に、ゲーム? と首を傾げながら和月が銃を手にして目を瞬いた、その瞬間――『ゾンビが来たぞ! 気を付けろ!』というクルーのアナウンスが響いた。
「……え? ゾンビ!?」
「え、お化けじゃなく? ゾンビ……?」
お化けとゾンビじゃ話がちょっと違ってくるのではないだろうか? だがしかし、そんな事を言う暇はないようで。
「ゾンビを、たおすゲーム、だと」
ゾンビと言う言葉に反応したのは墓守たるクーガで、来るぞ! という声がする方を見遣ってゾンビの姿を確認すると、どこか悲し気な顔をして呟く。
「おまえたち……いきてないやつは、ゆっくりねむらないと、ダメなのに……」
「だいじょーぶ! クゥ兄、これはゲーム! 眠らせてやろうよ、俺達の手で!」
なるほどそれなら、とクーガが顔を上げるとゾンビはすぐそこまで迫っていた。
「あ、なご。後ろ」
「え?」
「ものすごく顔色の悪い人間がいるぞ」
子火にそう言われて振り向くと、それはもう人類にカウントしてはいけないような姿のゾンビがいて、和月は声にならない悲鳴を上げながら反射的に引き金を引く。
「それゾンビだよ、しぃちゃん! なごくん!」
「顔色の悪い……うん、ゾンビだねぇ」
「ゾンビ! これがゾンビか! 撃てば良いんだな?」
和月が倒したゾンビの後ろから更にゾンビがやってきて、子火が引き金を引くが――。
「…………めぐ、助けてくれ。全然当たらないんだが!」
「みゃー! こっちに来るよ!」
そういうアトラクションだとはわかってはいるけれど、結構しっかりとしたゾンビの姿にイツカが泣きそうになりながら逃げ惑う。
「ふっふっふ! イッカちゃん、しぃちゃん! 俺に任せなー!」
さすがゲーマーである、手慣れた動きでゾンビに照準を合わせて撃ち、めぐるが次々とゾンビを片付けていく。
「めぐくん頑張れー! 今こそゲーマーの華麗なテクニックで……みゃー! 囲まれた! 怖い! なごくん、たーすーけーてーっ!」
「イッカさん、大丈夫、ですか!?」
ゾンビは怖いし、驚かされるのは吃驚してしまうけど、仲間を助ける為ならそんな気持ちもどこかへ飛んで、和月がイツカのフォローに入る。
「しかたない、おれたちにまかせろ」
クーガが二丁持ちでゾンビに囲まれたイツカ達を助ける為に切り込んでいく。
「たくさんうてば、たぶん、どれかあたる。まってろイッカ、いまいくからな」
数うちゃ当たる戦法でゾンビを倒していると、めぐるが合流して更にゾンビを撃ち倒して、もう少しでイツカ達を救出できる――その寸前、ゾンビの増援が入るぞ! というアナウンスが響いた。
「めぐる、うしろからもきたぞー」
「クゥ兄、サンキュー! ……って、クゥ兄、囲まれてるー!?」
「あわわ、おれがかこまれた。しかたない、なご、おれごと、うつんだ……!」
「えっ、クゥさんごと撃つのは……!」
「そうだよ、兄貴ごと撃つなんて!」
そんな事は出来ないと、和月とイツカが首を横に振る。
「こうなったら……めぐさん、手分けして倒しましょう……! しぃさんはイッカさんとクゥさんの安全確保を……!」
「わかった」
打つ手がないと思われたが、子火が迅速な動きでイツカとクーガを守るべく銃を構え、数打ちゃ当たる戦法に切り替えた。
「俺も今行くっ……!」
「兄貴の大ピンチ、ここで動かなきゃ女が廃る! おのれゾンビ、これでもくらえーぃ!」
イツカが銃をぶん投げると、それはゾンビに当たってクーガの手の中に。
「お、銃ごと投げるか。ナイスシュート!」
「三丁もち、そういうことだな! みんなをゲームオーバーには、させないからな」
光線銃を持ち替えて、クーガがゾンビを撃ち倒せば、めぐるが合流し和月ともタイミングを合わせながらゾンビを撃ちまくる。白熱するゾンビバトル、ドラマチックな展開――! ゾンビバトルを制したのは、チームワークの勝利ともいえるだろうガレージの五人であった。
「ふー、なかなか手に汗握ったねぇ~! みんな大丈夫?」
「びっ……くりしま、した……でも、楽しかった……です」
興奮も冷めやらぬまま、五人は再び園内を歩きながら楽し気に言葉を交わす。
「へへへ 。たたかったら、また何か、たべたくなってきたな」
「わかる、わかるぞ兄貴」
すかさず子火が同意を示し、それから時計を見遣って。
「さて、そろそろパレードの時間が近いが」
「いいねぇ、パレード! 見ながらゆっくり休憩しよー!」
どこで見ようか? とベストポジションを探していると、クーガがちらりと運河風の川に視線を向けて、思い付いたことを口にする。
「……なあ、みんなで、あそこからパレードをみるのはどうかな」
あそこ、と指さした先にはぷかぷか、ゆらゆら、川を流れるオバケ舟の姿。
「……お! オバケ舟とはオツだねぇ~」
「舟に乗ってパレードが見られるの? 素敵! ロマンティック! 乗りたーい!」
「確かにオバケ舟からなら、パレード、ゆっくり見られます……ね」
「オバケ舟、いいな」
満場一致で、オバケ舟からのパレードを見ようと移動して、舟へと乗り込んだ。
「船から眺めるパレード。特等席だな」
「いい眺めだよねぇ~」
キラキラ光り輝くハロウィンパレード、少し遠くから見るのもオツなものだと五人が笑う。
「皆とたくさん遊べて大満足だ」
「たのしいな」
「でもでも~? まだまだ遊び足りないよね?」
「そのとーり! ハロウィンの夜はまだまだこれからだよねえ」
「そう、ですね。まだまだ、遊び足りませんし、ね」
だって、まだハロウィンは終わっていないのだから!
「よし、まだまだ遊ぶぞ! ところで……舟を降りたら屋台寄っていいか?」
ぎゅるん、と鳴った子火の腹の音に、また笑い声が上がって、皆が頷く。
「パレード見終わったら、屋台でしっかりご飯、食べましょうか」
「さっきのは前菜みたいなもんだよねぇ~」
「おれも、まだ食べられる!」
「あたしも!」
次に行く場所は、再び屋台! それから、まだ乗っていないアトラクションに乗って――このハロウィンの夜が更けるまで、魔法が解けるまで、めいっぱい遊び尽くすのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
【猫変身】がLV2になった!
【隔離眼】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【凌駕率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

咲樂・神樂
【送櫻館】
ゾンビなハロウィン魔法使いの仮装
うんうん!ハロウィンはこう出なきゃ!不気味なのに楽しくて笑顔も悲鳴も同時に楽しめるってなかなかないと思うのよね!
勿論、写真ものりのりで!
心霊写真とか撮れちゃったりして!
まずはお化け屋…ジェットコースターね!
わかったわ
こんなにも推すなら…ジェットコースターからにしましょ
あたしも好きなのよねー!カッ飛ぶ感じとか堪らない
満足するまで楽しみましょ!
次はメリーゴーランドはどうかしら!
雪璃も祇伐もはやい…一緒に馬車にと思ったのだけど…取り残されたわ
じゃ、あたしはこれ
象!
はしゃぐ乙女達をにこにこ見守って…あら、コーヒーカップ?今宵は大きなジャック・オー・ランタンのよう──と、危ない
躓いた祇伐をひょいとお姫様抱っこして、南瓜のカップへとお連れしようかしら!
雪璃にウインクひとつお礼を贈る
真っ赤に熟れてかぁいらし
カップだって全力で回して楽しむわ!二人とも、お化けのように飛んでかないでね?
この後は甘いお菓子を食べるのもいい、なんて考えながら
怖くて楽しい夜を楽しむのよ!

咲樂・祇伐
【送櫻館】
ゾンビなハロウィンの魔女の仮装
なんて素敵なハロウィンナイト!
怖くて楽しくて不気味で賑やか、仮装しての遊園地…楽しさも倍なのです!まずは、入口でパシャリと皆と写真を撮り
お兄様、雪璃さん…ジェットコースターなんてどうでしょう?
私…勢いよい乗り物が好きなの
1にジェットコースター、2にジェットコースター、3にジェットコースター
さっそくGOです!
恐怖だけでない歓声をあげて楽しんで何度かおかわりもしちゃいます!
爽快でしたね!
雪璃さんもお兄様も満開の笑顔で私も嬉しいわ
次は何に乗りましょう
メリーゴーランドでゆっくりハロウィン模様の遊園地を楽しむのもよいです
雪璃さん、はやい!
私は白熊ですよ!
あ!コーヒーカップも可愛いです!
おっと、足元がゆらぎ──ふぁ!?
お、お兄様っ!ちょっ、まって……はずかしいから、!
突然のお姫様抱っこにしどろもどろ、雪璃さんと目が合えば真っ赤に染まって…まるで私が南瓜ランタンになったよう
クルクル回りながら、たくさん笑って
最高にトリートな日だな、なんて
ハロウィンに感謝するのです

茜來・雪璃
【送櫻館】
ゾンビメイクのキョンシー仮装
今年もハロウィン盛り上がってるねえ
驚きの悲鳴の後には歓喜の声が上がるってね!
いえーい、て写真もノリノリでポーズ
ジェットコースター楽しそう!
いいね、いこいこ!
あは、全部ジェットコースターじゃん
そんなに好きなんだねえ
あの速さと浮遊感がいいよね!
満足するまで乗ったら次のアトラクションを探しちゃお
何がいいかねえ?
お?メリーゴーランドもいいね!
れっつごー!と神樂の後を追う
メリーゴーランドは何に乗るか選ぶのも楽しいよねえ
私はこれに乗ろーっと!
しゅっと白く大きな猫又に跨がり満足げ
二人は何を選んだ?
各々相棒に跨がった二人も入れて自撮りをぱしゃり
次アレ乗りたいな!コーヒーカップ!
ぐるぐる回して…て、ありゃ?祇伐大丈夫?
あっは!お姫様抱っこだー
真っ赤な祇伐を見てニンマリ笑う
魔女様のお通りだよー、なんて先導しちゃおうかな?
くるりぐるり全力で回して笑って
遠心力でぎゅーって寄ってまた笑って
今年もハロウィンを一緒に楽しめることに感謝!
また来年もその先のハロウィンも遊ぼうねって
●ゾンビトリオのハロウィントリート!
楽しくも、どこか不気味を孕んだハロウィンの夜を彩るは、継ぎ接ぎゾンビのメイクを施した三人組。
「今年もハロウィン盛り上がってるねえ」
煌びやかなライトアップなのに、そのハロウィンカラーのお陰で絶妙な不気味さがあるとキョンシー衣装の茜來・雪璃(朧夜ノ蝶華燈・g00793)が笑う。
「はい! なんて素敵なハロウィンナイト! 怖くて楽しくて不気味で賑やか、仮装しての遊園地……楽しさも倍なのです!」
この非日常さ、ハロウィンならではですと魔女の仮装をした咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)が楽し気に頷いて。
「うんうん! ハロウィンはこうでなきゃ! 不気味なのに楽しくて笑顔も悲鳴も同時に楽しめるってなかなかないと思うのよね!」
魔法使いの仮装をした咲樂・神樂(離一匁・g03059)が最高のハロウィンにしましょ、とウィンクをひとつ飛ばせば、どこからか黄色い悲鳴も聞こえてきて、さすがお兄様、と祇伐がちょっぴり得意気だ。
「驚きの悲鳴の後には歓喜の声が上がるってね!」
雪璃が笑い、エントランスに飾り付けられたハロウィンタワーに目を向ける。
「すごーい、まるでハロウィンのツリーみたいだね」
「可愛いです! お兄様、雪璃さん、写真を撮りましょう!」
絶好のロケーション、と祇伐が言えば、神樂と雪璃が彼女を挟んではいポーズ!
「心霊写真とか撮れちゃったりして!」
「あは、これだけ仮装をした人が集まってるんだから、本物がいてもおかしくないかもね?」
「一緒に写ってくれるでしょうか?」
「気が付かないうちに、そっと写り込んでるかもよ」
なんて笑いながら、のりのりで写真を撮ると三人が園内へと足を向ける。写真撮影のスポットはここだけではないし、アトラクションだって楽しまなくてはいけないのだ、時間がどれだけあっても足りなくなってしまうと少しだけ足早だ。
「何から行くかしら? やっぱりまずはお化け屋……」
「お兄様、雪璃さん……ジェットコースターなんてどうでしょう?」
お化け屋敷、と神樂が言い掛けたところで祇伐がジェットコースターを提案する。
「……ジェットコースターね!」
「はい、私……勢いよい乗り物が好きなの」
「ジェットコースター楽しそう! いいね、いこいこ!」
祇伐の願い通り、ジェットコースターからでと神樂と雪璃が笑う。
「はい! 1にジェットコースター、2にジェットコースター、3にジェットコースターです!」
「あは、全部ジェットコースターじゃん。そんなに好きなんだねえ」
前のめりな祇伐の言葉に、雪璃が感心したように頷いて神樂を見遣る。
「わかったわ。こんなにも推すなら……ジェットコースターからにしましょ」
「ありがとう、お兄様、雪璃さん!」
「いいのよ、あたしも好きなのよねー! カッ飛ぶ感じとか堪らないじゃない?」
「わかるわかる、あの速さと浮遊感がいいよね!」
幸いなことに、ジェットコースターが苦手な者はいない。となれば――!
「どれから乗りましょうか、ジェットコースター!」
この遊園地、ジェットコースターはひとつではない。回転を楽しむトルネードジェットコースターに、速さを追求したジェットコースター、急降下を楽しむジェットコースターと、品ぞろえが豊富なのだ。
「全部乗るのは前提として……まずは急降下するやつかしら?」
「私はどれからでも大丈夫だよ、祇伐が乗りたいのからいこ!」
「迷ってしまいます……! でも、そうですね」
一番人気は最後にして、他から乗りましょうと祇伐が意気込む。
「いいわよ、満足するまで楽しみましょ!」
その言葉の通り、三人は恐怖だけではない歓声を何度も上げてはジェットコースターを楽しんで、この遊園地にあるジェットコースターを制覇していく。
「すごいすごい、楽しいね!」
「はい、とっても楽しいです!」
「祇伐はどれが一番好きかしら?」
「やっぱり一番人気のものでしょうか……!」
でも、あれも、こっちも、と何度も三人でおかわりして、この遊園地にいる誰よりもジェットコースターを堪能し尽くしたのであった。
「爽快でしたね!」
「満喫した~!」
「一生分乗った気分よ!」
咲いた笑顔は満開で、祇伐は神樂と雪璃が楽しそうで嬉しいと微笑んだ。
「次は何に乗りましょう?」
目いっぱいジェットコースターに付き合って貰ったのだから、次は二人が乗りたいものでと祇伐が意気込む。
「何がいいかねえ?」
「そうね……じゃあ、次はメリーゴーランドとかはどうかしら!」
ジェットコースター梯子で少し疲れたんじゃない? と神樂が丁度目の前に見えたメリーゴーランドを指さした。
「お? メリーゴーランドもいいね!」
「そうですね、メリーゴーランドでゆっくりハロウィン模様の遊園地を楽しむのもよいです」
「ふふ、じゃあ決まりね」
どれに乗ろうかしら、と神樂がメリーゴーランドを見つめると、その横を雪璃が駆けていく。
「私はこれに乗ろーっと!」
「雪璃さん、はやい!」
しゅっとした白くて大きな猫又に跨った雪璃を追い掛け、祇伐が白熊へと跨った。
「私は白熊ですよ!」
「雪璃も祇伐もはやい……一緒に馬車にと思ったのだけど……取り残されたわ」
南瓜の馬車の前で笑った神樂が改めて何にしようかと吟味して、選んだのは――。
「じゃ、あたしはこれ! 象よ!」
象に跨ると、発車のベルが鳴ってゆっくりとメリーゴーランドが動き出す。その速度は丁度良く、ハロウィン仕様の遊園地がよく見えた。
「神樂は象で、祇伐が白熊、私は猫又! いいね、すごくいいよ」
最高! と雪璃が全員上手く入るように調整して、自撮りをぱしゃり。楽しそうな三人の写真が撮れたと満足そうだ。メリーゴーランドが止まると、今度は何がいいだろうかと祇伐と雪璃があれがいい、これがいいと楽しそうに迷っている。そんなはしゃぎながら相談している可愛い乙女達をにこにこ見守りながら、神樂がぱしゃりと一枚。
「そうだなー、次アレ乗りたいな! コーヒーカップ!」
「あ! コーヒーカップも可愛いです!」
「あら、コーヒーカップ? 本当ね、今宵は大きなジャック・オー・ランタンのよう――」
「あのカボチャをぐるぐる回して……って」
はしゃぐ祇伐の足元がゆらいで、危うく躓きそうになったところを咄嗟に神樂が抱きとめた。
「――と、危ない」
「ふぁ!?」
「ありゃ? 祇伐大丈夫?」
「大丈夫です、ありがとうお兄様」
お兄様? と抱きとめたまま動かない神樂を見上げると、ふわりと抱き上げられる浮遊感。
「お、お兄様っ!」
「お姫様、南瓜のカップまでお連れいたしますわ」
「あっは! お姫様抱っこだー」
「ちょっ、まって……はずかしいから……っ!」
うう、と視線を雪璃に向ければ、ニンマリと笑った彼女が見えて。
「魔女様のお通りだよー!」
道を開けて~なんて先導するものだから、祇伐が真っ赤になって神樂に抱き付いた。
先導する雪璃に神樂がウインクをひとつお礼代わりに贈れば、雪璃もぱちりとウインクを返して笑う。
「真っ赤に熟れてかぁいらし」
「もう……っ私が南瓜のランタンになってしまいます!」
そうは言っても、神樂が祇伐を下ろしたのは南瓜のカップの上。笑いながら神樂が隣に座り、雪璃もその向かい側に座る。
「さあ、全力で回すわよ!」
「ジェットコースターよりスリルあるかも!?」
「負けません!」
三人三様、動き始めたコーヒーカップ、もとい南瓜のカップの中でハンドルを握って全力でぐるぐると回していく。
「二人とも、お化けのように飛んでかないでね?」
「もしも飛んで行ったら、迎えにきてくださいね!」
「あはは、本当に飛んでいきそうに早いよ~!」
遠心力でぎゅーっと寄って、また離れて、笑って、笑いつかれるくらいに楽しんで。降りる頃にはふらふらになるくらい笑っていて、三人がくっついたまま歩き出す。
「この後は甘いお菓子を食べるのもいいわね」
素敵な提案に二人が目を輝かせて、何を食べようかとはしゃぎだす。
「今日は最高にトリートな日です!」
「あら、トリックはなし? 怖くて楽しい夜だもの、目いっぱい楽しむのよ!」
「充分楽しいけど、もっとってことだね!」
きゃあきゃあと、三人で笑ってハロウィンの夜をともに楽しめることに感謝しつつ、また来年も、その先のハロウィンも遊ぼうねと囁き合うのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
レジーナ・ネイサン
【彩縁筆】今年の仮装、雪女の姿で
オーストラリアは来た事があるけれど遊園地は初めてだね
え、遊園地自体初めてなの?
…そうか、そういう場所だと皆で遊びに行くのも大変そうだものね
じゃ、今日は楽しまないとね!
アトラクションも惹かれるけれど、先ずはホラーゾーンに行ってみようか
折角のハロウィンだもの
あ~~~あの角曲がるのイヤだな
絶対に出てくるでしょ!?ほらね!?
ゾンビゲームは全然平気だし
散々、命と隣合わせの戦いはしている筈なんだけど
こういうのはまた別問題なんだよなあ
ギィースはこういうの平気?
おや、はは
まあ多少はね!
この鍵、ゴールまで持っていかないといけないのか…
ゾンビに永遠に追いかけられるパターンじゃないかコレ
よし、ギィースに任せた!頑張れ!!
生贄じゃないよ、適材適所ってヤツ
ブラシなんて私のファーと同化する位に首根っこに引っ付いちゃって震えてる
道理でトトも姿が見えないと思ったら
こらギィース!ブラシを脅かさないの
ハイ行ってらっしゃい!
はあ、何とかゴール出来た…
ジェットコースターいいね
叫んでスッキリしよう
ギィース・エレクレ
【彩縁筆】今年2024年のハロウィンの衣装
おぉ!!テーマパーク!!凄いね、色々な乗り物があるよ!
遊園地って俺、実は初めてなんだよね
子供の頃は孤児院に居たからそういうの行かないし
でも今は沢山遊べるから!
ので遊びに付き合ってねー
ホラーゾーンだね!
ハロウィンの夜らしいね!
わぁー!!幽霊さん出て来た!
タイミングバッチリだね!
彼女が震えてる姿を見て
ふふっ、レジーナちゃんこういうの苦手なんだね?
確かに戦いとは別な感じ?ほら、得体の知れないのって怖いじゃない?
うん、怖くないかな?なんか楽しそうだし!
レジーナちゃんの手をぎゅっと握って
こうしたらちょっとは怖くないでしょ?
持ってる鍵を狙ってるのかな??
ずっと追っかけてくるね
え!?俺?
あらら、ブラシちゃん居ないなと思ったからそんな所に
そういえばトトも煙管から出て来てない!?
俺の衣装もオバケなんだけどな
呪っちゃうぞーって涙目に!
あー、ごめん!
お詫びに生贄に行って来ます!
マッハで逃げる俺
ゴールしたね!お疲れ様!
頑張ったご褒美に次はジェットコースターで!
やったー!
●ホラーホラーナイト
ハロウィンと言えば仮装をして楽しむものだけれど、まさか遊園地で仮装を楽しめるとは思わなかったなと、雪女の仮装をしたレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)がキョンシーの仮装をしたギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)を見遣る。
「レジーナちゃん、雪女似合ってるね!」
「ありがとう、ギィースも似合ってるよ、キョンシー」
互いの仮装を褒め合いつつ、ハロウィン仕様の遊園地へ足を踏み入れれば、そこはまるで異世界にでも迷い込んだような気分になるほどのロケーションだ。
「おぉ!! テーマパーク!! 凄いね、色々な乗り物があるよ!」
ハロウィン仕様になってはいるけれど、遊園地の乗り物は変わらない。ジェットコースターに観覧車、ホラーハウスにメリーゴーランド……それはもう様々な乗り物が二人を待ち構えていた。
「そういえば、オーストラリアは来た事があるけれど遊園地は初めてだね」
何気ないレジーナの言葉に、ギィースが実はと話し出す。
「遊園地って俺、初めてなんだよね」
「え、遊園地自体初めてなの?」
うん、と頷いたギィースが歩きながらレジーナに笑う。
「子供の頃は孤児院に居たからそういうの行かないし」
孤児院でも、そういうところに行くところは行くだろう。けれどギィースがいたのは、そういうところには絶対に行く事がないであろう孤児院だ。
「……そうか、そういう場所だと皆で遊びに行くのも大変そうだものね」
「そうそう、大変だからね」
うんうん、と頷いて、でも! とギィースが袖に隠れた手を振る。
「今は沢山遊べるから! ので遊びに付き合ってねー」
「じゃ、今日は楽しまないとね!」
今まで遊びに来れなかった分を差し引いてもお釣りがくるくらいに、楽しくて帰りたくないと思うくらいに、とレジーナが笑った。
「ギィースは気になるアトラクションとかある?」
「ん-、よくわかんないからレジーナちゃんのおススメで、かな~?」
「おススメ……それなら、アトラクションも惹かれるけど、先ずはホラーゾーンに行ってみようか」
ホラーゾーンといえば、ゾンビや悪魔、お化けや吸血鬼に扮したクルーが皆を驚かしたり楽しませたりしてくれるというゾーン。なんともハロウィンらしい催し物で、一度は経験してみたいと思っていたのだ。
「ホラーゾーンだね!」
「折角のハロウィンだもの」
決めたからにはいざ! とホラーゾーンに向かって行くと、他のゾーンより少しライトが落ちて薄暗さを感じる。ライトの色も暗めの色で、雰囲気はばっちりだ。
「ハロウィンの夜らしいね!」
「雰囲気がすごいな」
如何にも、何かが出そうな、そういう雰囲気が。そうこうしていると、遊園地のクルーが案内をしてくれる。鍵を渡され、ゴールまで辿り着けば成功だと説明を受け、二人は鍵を手にホラーゾーンを探索し始めた。
「あ~~~あの角曲がるのイヤだな」
あの角、とレジーナが指をさす。
「絶対に出てくるでしょ!?」
出ないわけがない! と騒ぎながら向かっていると、期待されたからにはというようにお化けが出てきて。
「ほらね!?」
「わぁー!! 幽霊さん出てきた! タイミングばっちりだね!!」
走って逃げながら、ギィースが笑う。逃げる間にも至る所からお化けやゾンビが顔を見せて、その度にレジーナが驚いては身を震わせる。
「ふふっ、レジーナちゃんはこういうの苦手なんだね?」
「苦手って言うか、なんて言うか……ゾンビゲームは全然平気だし……散々、命と隣合わせの戦いはしている筈なんだけど、こういうのはまた別問題なんだよなあ」
言語化するのが少し難しい、とレジーナが言うとギィースが少し考えてから口を開く。
「確かに戦いとは別な感じ? ほら、得体の知れないのって怖いじゃない?」
「ああ、そういう感じかも。ギィースはこういうの平気?」
「うん、怖くないかな? なんか楽しそうだし!」
ギィースからしたら子ども騙しのようなもの、けれどこういうのを怖がったりして楽しむのはなんとなくわかるような気がする。
「ホラー映画みたいなものかな? だからさ」
そう言いながら、ギィースがレジーナの手をぎゅっと握る。
「おや、はは」
「こうしたらちょっとは怖くないでしょ?」
「まあ多少はね!」
確かに、安心感があるとレジーナが笑う。そうして、手を繋いだままホラーゾーンを進んでいく。進んでいくうちにわかったことは、どうやらお化けやゾンビは鍵を狙っているらしいことだ。
「持ってる鍵を狙ってるのかな?? ずっと追っかけてくるね」
「この鍵、ゴールまで持っていかないといけないのか……ゾンビに永遠に追いかけられるパターンじゃないかコレ」
打開策はないものかとレジーナが唸ると、顔を上げてギィースに鍵を押し付けた。
「よし、ギィースに任せた! 頑張れ!!」
「え!? 俺? 生贄?」
「生贄じゃないよ、適材適所ってヤツ」
そう言われると、確かにそうなのだけれど。
「見て、ブラシなんて私のファーと同化する位に首根っこに引っ付いちゃって震えてる」
雪女の仮装のひとつとして首にファーを飾っているのだが、よーく見てみれば、ブラシがぴったりとくっ付いているではないか。
「あらら、ブラシちゃん居ないなと思ったからそんな所に。そういえばトトも煙管から出て来てない!?」
「道理でトトも姿が見えないと思ったら」
ブラシもトトも怖いのが苦手なのかな、とレジーナがブラシを撫でた。
「俺の衣装もオバケなんだけどな」
「それを言うと私も妖怪なんだけど」
「……呪っちゃうぞー!」
茶目っ気を出して、ギィースがブラシにそう言うと、余計に怖がってしまったのか涙目になりながらファーの中に隠れるかのように潜り込んでしまった。
「こらギィース! ブラシを脅かさないの!」
「あー、ごめん! お詫びに生贄に行って来ます!」
「ハイ行ってらっしゃい!」
ごめーん! と叫びながら走り出し、ゾンビ達を引き付けながらギィースがマッハで逃げる。その後ろを、さり気なくレジーナが追い掛けて――なんとかゴールに辿り着いたのであった。
「はあ、何とかゴール出来た……」
「ゴールしたね! お疲れ様!」
でも、これも楽しかったと二人で笑う、喉元過ぎればなんとやらである。
「ね、頑張ったご褒美に次はジェットコースターに乗ろうよ!」
「ジェットコースターいいね。叫んでスッキリしよう」
「やったー! 行こう行こう!」
ホラーゾーンからアトラクションゾーンへ向かい、ジェットコースターに乗って――レジーナとギィースは恐怖とは違う、楽しさからの悲鳴を上げたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV6になった!

大鉄・焔
【真秀】三人
アメリカンダイナー制服仮装
2024南瓜SD参照
お、アレは…!
なぁ久条サン悪戯してみねぇ?
リーゼがジンと話してる隙に久条サンを連れ出し買ったのはさっき見つけたゾンビのマスク
っと悪ぃ悪ぃ野暮用だ
ところでリーゼあそこ行ってみねぇ?
そう、ホラーハウス!
あ、怖いのダメ?ビビっちゃう?
おーお化け結構リアル
ここぞというタイミングでマスクをかぶり振り返ったリーゼを驚かす
うべらば~♪
あっはは!
リーゼにドッキリ大成こ…うっわぁ!?
ジンに飛び掛かられればチョコに被弾し尻もちをつく
ジン…ナイトすぎんだろ、カッケェ
頭の上のジンに賞賛を
垂れたてきたチョコぺろり
甘い…これチョコか――っひょう!?
肩の蜂に気付けば思わず叩き落とす!
スズメバチだ気をつけろ!
ってマダラ?
悪戯っ子めー(もふもふの刑にする
っはは
久条サンも悪戯されてら~
カフェで一息
じゃーん
リーゼには驚きパーフェクト賞としてハロウィンパフェ進呈だ
俺らの奢り
はー楽しかった
しかしリーゼまで久条サンに悪戯するとは思わなかったぜ
…え?俺でもないぜ
じゃあ
――誰?
久条・統弥
【真秀】
鬼のような仮装で参加
2023年の仮装イメージ
…ん?脅かし用のマスク?…ああ…焔、君もなかなか悪だね?
そう言って同じくゾンビのマスクをこっそり買って準備
大丈夫、ホラーハウスに危険な事はないよ。
ただ、驚かせたり怖い思いをするだけで
どろどろーって幽霊ポーズのクダギツネのマダラと一緒にリーゼに怖そうな話をして
ホラーハウスでリーゼの目を盗んでマスクを着けて、ばっ!てね?
…と、びっくりさせすぎたか。ごめんごめん、大丈夫?
ジン君、さすがはナイトだ…俺たちよりかっこいいじゃないか。
そんな裏でマダラは焔の肩にちょんって蜂のおもちゃを乗っけて、驚く様子のケタケタ楽しそうに笑っては、モフモフされて。
……んわっ?!首筋に冷たい感触?!油断したなぁ……
まさか俺までイタズラされるとはね…3人とも考えることは一緒ってね?
リーゼにはお詫びのパフェを
焔との奢りだ!
やっぱり肝試しとかは楽しいけど…俺を脅かしたのは誰?……え、二人とも違う?じゃあ、あれはーー

リーゼロッテ・エカルト
【真秀】◎
赤ずきん仮装にて参加
2024南瓜SD参照
ジン君→狼姿のジンジャーブレッドマン
もう!2人とも私を置いてどこにいってたの?
急にいなくなるから怖…心配したんだからねっ
ほ、ホラーハウスに行くの?
え?だ、だいじょぶ!
マダラ可愛い…けど
危険ないのはわかるけど…!
うう。こわくないこわくない
なんか出そう…
は、はやくでよう?
ねぇ。なんでそんなにゆっくり…?!
驚かされればバランス崩して尻餅
ジン君が飛び出して
取り出したチョコペン鉄砲で顔(マスク)にチョコ噴射
そのまま焔の頭上でジャンプ攻撃繰り返し
褒められればドヤ顔をして
……統弥と焔?
なんだ
なにがきたのかと思った
ジン君ありがと
大丈夫じゃないけど大丈夫…
2人の叫びに再度驚くが悪戯であることに笑って
2人に驚かされるなんて思わなかった…
わあ!可愛いパフェだーっ
仕方ないから許してあげよう
…ん?私は統弥になにもしてないよ?
もちろんジン君も
……え?
●Trick or Trick?
ハロウィンに染まった遊園地を楽し気に歩くのは赤ずきんの仮装をしたリーゼロッテ・エカルト(菓葬・g02798)で、手にした籠には毒々しい色をしたドーナツにクッキーが幾つも詰められている。そして、彼女の肩の辺りにふよふよと浮いているのは狼の仮装をしたジンジャーブレッドマンだ。
「楽しいね、可愛いね!」
ジャック・オー・ランタンを彩るリボンはオレンジに紫、黒に黄色とハロウィンカラー、どこを見てもわくわくすると、リーゼロッテはジンジャーブレッドマンに向かって笑っている。
そんな彼女の少し後ろを歩くのはハロウィンカラーの狩衣姿に鬼の角を頭に付けた久条・統弥(夢見れぬ者・g00399)とハロウィン仕様のアメリカンダイナー風の制服を着た大鉄・焔(灰塵・g00462)で、リーゼロッテを後ろから見守るようにしつつ、何か面白いものはないかと視線をあちこちに向けていた。
「お、アレは……!」
焔の瞳がキランと輝き、見つけたモノとジンジャーブレッドマンと話をしているリーゼロッテを交互に見比べ、それからニヤリと笑って統弥を見た。
「ん?」
その視線に気が付いた統弥が、どうかしたのかと焔に視線を返す。
「なぁ久条サン、悪戯してみねぇ?」
「悪戯?」
アレ、と焔が指さす先にはゾンビのマスク。ああ……なるほど、と統弥が笑う。
「脅かし用のマスクか。焔、君もなかなか悪だね?」
「久条サンこそ」
お主も悪よのぅ? みたいな顔をして、二人はリーゼロッテがジンジャーブレッドマンに気を向けている間にこっそりと抜け出し、お目当てのゾンビマスクを買い見つからないように服の中へと隠した。
「あれ? 統弥と焔は……?」
後ろにいないことに気が付いたリーゼロッテがジンジャーブレッドマンを見るけれど、知る由もなく。
「迷子になったのかな?」
探しに行かなくちゃ、とリーゼロッテが来た道を戻ろうとすると横道の方から二人が歩いてくるのが見えた。
「もう! 二人とも私を置いてどこにいってたの? 急にいなくなるから怖……心配したんだからねっ」
「っと悪ぃ悪ぃ野暮用だ」
「心配かけたかな、ごめんね」
ぷんすこと怒った顔をしたリーゼロッテに二人が詫びつつ、今度は彼女を間に挟んで歩き出す。
「ところでリーゼ、あそこ行ってみねぇ?」
「どこ?」
あそこ、と焔が視線を向けたので、リーゼロッテもつられてそちらに視線を向ける。
「……ホラーハウス?」
ハロウィンの飾りつけがされている為、どことなく可愛らしい外観になってはいるけれど、ホラーハウスと書かれた文字が見えてリーゼロッテが目を瞬く。
「ほ、ホラーハウスに行くの?」
「そう、ホラーハウス!」
キラッキラの笑顔をした焔に対し、リーゼロッテはどこか逃げ腰でホラーハウスと焔を何度も見比べる。
「あ、怖いのダメ? ビビっちゃう?」
「え? だ、だいじょぶ!」
咄嗟に大丈夫だと答えてしまったけれど、リーゼロッテはまだ少し迷っている様子。もう一押し、とばかりに今度は統弥が笑顔で畳み掛けていく。
「大丈夫、ホラーハウスに危険な事はないよ。ただ、ちょっと驚かせたたり怖い思いをするだけで」
こんな風に、と統弥がクダギツネのマダラと一緒に、両手を前にした幽霊ポーズをしてみせる。
「マダラは可愛い……けど……! 危険がないのはわかるけど
……!!」
「まぁまぁ、百聞は一見に如かずって言うしね」
とかなんとか、あれよあれよというまにリーゼロッテは二人に連れられてホラーハウスへと足を踏み入れることになったのである。
「うう。こわくないこわくない、こわくない……!」
どうやら廃墟と化した一軒家を探索するというホラーハウスのようで、中は暗く照明もどこかおどろおどろしい。最初は見た目も可愛らしいシーツお化けが出てきたりしたけれど、段々と不気味さが増していく。
「なんか出そう……」
「そりゃ、何か出るんじゃねぇの?」
そういうアトラクションなので、と焔はリーゼロッテに笑う。
「うう、は、はやくでよう?」
「まだ入ったばかりじゃないか」
順路通りに進んでいく統弥が、今度はこっちだと階段をゆっくりと登っていく。
「ねぇ。なんでそんなにゆっくり
……!?」
わざとやってない? というリーゼロッテの言葉を背中で受け止めつつ、階段を登る二人が目配せをしあう。仕掛けるタイミングは階段を登り切って、少し歩いたところでとジェスチャーをして、ゾンビマスクに手を掛けた。
二階の廊下を歩いていると、リアル寄りのお化けの人形がガタン! と音を立てて姿を現す。
「おー、お化け結構リアル」
「驚かすタイミングがいいな、よくできてる」
「ふ、二人はこわくない……?」
「怖い? 怖いってのは――」
「こういうのじゃね? うべらば~♪」
なんて意味深な台詞と共に二人が振り返って。
「…………!!!!」
焔と統弥だと思っていたのに、振り向いた二人はゾンビでリーゼロッテは声なき悲鳴を上げて尻もちをつく。
「……と、びっくりさせすぎたか」
「あっはは! リーゼにドッキリ大成こ……うっわぁ!?」
二人が手を差し伸べようとした瞬間、リーゼロッテを守るかのようにジンジャーブレッドマンが飛び出して、取り出したチョコペンで二人のゾンビマスクに向かってチョコレートを噴射する。
「うわっ」
「わっ」
容赦ないチョコレート攻撃を受け逆に二人が尻もちをつくと、そのままジンジャーブレッドマンが焔の頭の上でジャンプ攻撃を繰り返した。
「わ、俺だって!」
その声に、リーゼロッテが尻もちをついたまま顔を上げる。
「……統弥と焔? なんだ、なにがきたのかと思った……!」
「まさかジン君にやられるなんてね……さすがはナイトだ、俺達よりかっこいいじゃないか」
「だな。ジン……ナイトすぎんだろ、カッケェ」
「ジン君ありがと」
えっへん! と胸を張るようなポーズをしたジンジャーブレッドマンを褒め称えつつ、垂れてきたチョコをぺろりと焔が舐める。
「甘い……これチョコか」
「チョコペンだからね」
「少しびっくりさせ過ぎたな、大丈夫?」
ごめんごめん、と謝りながら統弥がリーゼロッテを立たせると、チョコを舐めていた焔がビクッと肩を揺らし――。
「ひょう!?」
高い声を上げながら肩にいた何かを叩き落とした。
「ど、どうしたの!?」
「スズメバチだ、気を付けろ!」
「スズメバチ?」
こんなところに、と統弥がよくよく見てみれば、それはどうやら玩具のようで。三人が顔を見合わせると、楽しそうにマダラが笑っているのが見えた。
「って、マダラ?」
「マダラの悪戯だったみたいだな」
「こーの悪戯っ子めー」
焔がマダラを両手でつかむと、わしわしと撫でてもふもふの刑に処している。
「はは、そろそろ出る……んわっ!?」
「今度は何だ!?」
「く、首筋に冷たい感触が……油断したなぁ……」
「っはは、久条サンも悪戯されてら~」
「まさか俺までイタズラされるとはね……三人とも考えることは一緒ってね?」
「ふ、あは、二人に驚かされるなんて思わなかった……」
本当に吃驚したのだと訴えつつ、リーゼロッテが早く出ようと二人を引っ張るので、驚かせたお詫びにパフェでも食べに行こうとホラーハウスを出ることにした。
「じゃーん! リーゼには驚きパーフェクト賞としてハロウィンパフェ進呈だ」
「わあ! 可愛いパフェだーっ!」
カフェに入り、リーゼロッテの前に出てきたのは可愛らしいシーツお化けにジャック・オー・ランタン、魔女の帽子などを象ったお菓子で飾られた豪華なパフェだ。
「俺らの奢り」
「ああ、焔との奢りだ!」
「ふふ、仕方ないから許してあげよう」
どこから食べようかな、とリーゼロッテがニコニコしながらパフェをつつく。それを見ながら、楽しかったなーとハロウィンドリンクを飲みながら焔が笑う。
「しかしリーゼまで久条サンに悪戯するとは思わなかったぜ」
「してやられたな」
「……ん? 私は統弥になにもしてないよ?」
「え?」
「ん?」
僅かな沈黙と共に、三人が目を瞬いて。
「じゃあ、ジン君?」
「ううん、ジン君もしてないって」
「……焔?」
「……俺でもないぜ?」
どう見ても嘘をついている様子はなく、統弥がハロウィン仕様の甘くないジンジャーエールを一口飲んで。
「二人とも違うなら、じゃあ、あれは――」
いったい、誰?
ハロウィンらしい謎を残し、三人のハロウィンナイトは終わりを告げたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【操作会得】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【命中アップ】LV1が発生!