リプレイ
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
こっちも隠れつつ敵を見つけるほうが良さそうだな
こちらが見つからないように慎重にやっていこう
先に見つかると不利になる
【行動】
まずは同じく砂と同色の布を身に纏いながらミラージュコートの機能や借りた光学迷彩も使って伏せて隠れる
大きく動くとバレそうだから
そのまま完全視界を使い敵の部隊を探そう
反射を防ぐように工夫した双眼鏡を使ってもいいかもな
敵も布をかぶって行動しているなら
布は砂とは動きが大きく違う
はためいたりはないとは思うが
砂色の塊が音を立てずにゆっくり動くのはよく見えるはずだ
まさか俺みたいに伏せつつ動いているわけでもないだろう
必要なら臨機応変に対処する
柳・凛風
何となくこのディビジョン、親近感があるネ。
何かの加減で近い感じなのかネ?
それとも未だにしぶとく生き残ってる、愛しの蟲将サン達のお陰カシラ?
まぁ何にせよ、やる事がはっきりしてるのはありがたいネ。
コソコソ隠れてるみたいだけど、とっとと見付けてやるヨ。
向こうもこっちが来る事は分かってるみたいだし、アイツらと同じようにここの環境にあった色の服を着とかないとネ。
せっかくの可愛い拳法着を隠すのは本意じゃないケド、仕方ない所ネ。
さて、この砂塵の中ヨ。
完全視界をお借りして探すとするネ。
光学迷彩を使って隠れて静かにしてれば向こうから気付かれる事も少ないはずヨ。
アイツらも静かにしている以上、ワタシじゃ目でしか捉えられないネ。
視界は残留効果で確保できても砂塵で目が開けられないんじゃ困るから、大人しくゴーグルでもしとくヨ。
それらしいのを見付けたら匍匐前進で接近。
酔拳には地功拳の要素もあるのヨ。
寝っ転がっての行動なんて慣れっこネ。
天頂にありし陽の光が生み出す影すらも砂塵が拭うようであった。
風が強い。
乾燥した大地が舞い上げられ、砂埃が視界を覆う。
そんな中にあって、僅かに動く影があった。
かつては大戦乱郡蟲三国志と呼ばれたディヴィジョンにて蟲将と呼ばれたクロノヴェーダであった。
彼等は何かを探しているようだった。
何か、とは相対すべきディアボロスにとっては明白であった。
即ち敵。
ディアボロスである。
彼等がこの蛇亀宇宙リグ・ヴェーダに侵入してきていることは予想できることであった。
そして、彼等は大戦乱によって生み出された蟲将。
相争うことで生まれるクロノヴェーダの宿命か、彼等は同じ蟲将という括りにありながら派閥でもって勢力を争う。
「なんとなくこのディヴィジョン、親近感があるネ。何かの加減で近い感じなのかネ? それとも今だしぶとく生き残ってる、愛しの蟲将サン達のお陰カシラ?」
柳・凛風(柳家風心拳修行者・g04711)は共に砂塵に紛れる色の布を纏う荒田・誠司(雑草・g00115)につぶやく。
誠司はわからない、というように首を振った。
新たなるディヴィジョンのことは多くがわかっていない。
わかっていることは、リグ・ヴェーダは蟲将という漂着したクロノヴェーダ勢力を使って戦力を拡充しているということだ。
「まぁ何にせよ、やることがはっきりしているのはありがたいネ」
「ああ。敵も隠密行動を取っている。こちらが補足するまで、見つからないように慎重にやっていこう」
誠司の言う通りだった。
こちらが敵を早期に発見できればいいが、敵から先に見つけられてしまえば強襲を許すことになる。
そうなれば数で勝る敵に不利な状況に追い込まれるのは当然だったからだ。
だが、クロノヴェーダにはなく、ディアボロスにあるものがある。
それは彼等の武器の一つ。
残留効果である。
誠司は完全視界の残留効果を手繰り寄せ、ゴーグル越しに砂塵を見通す。
彼の手繰り寄せた残留効果は視界をクリアなものとする。ディアボロスの視界を遮る砂塵を見通しながら、また同時にレンズの反射を抑える双眼鏡をもって布にくるまり、身を低く……それこそ五体投地……匍匐前進の体勢でクロノヴェーダの影を探していた。
とは言え、見つけることに注力ばかりしていられないのが現状だ。
凛風もまた身を低く、這うようにして誠司に続く。
手繰り寄せた残留効果は光学迷彩。
彼等が身を隠す努力を続ける限り、敵に発見され難くなる。確実に見つかる距離であれば無意味であるが、こうして周囲の状況、そして身にまとった大地に紛れる色の布をを纏っていればクロノヴェーダとて、容易くは発見できないだろう。
「アイツらも静かに行動してる以上、ワタシじゃ芽でしか捉えられないネ」
ゴーグル越しの視界。
そして、彼女の来歴を考えれば匍匐前進など容易い。
「酔拳には地功拳の要素もあるのヨ。寝っ転がっての行動なんて慣れっこネ」
誠司は、そんな彼女の動きに感じ入るところがあったようだった。
僅かな音を立てることなく地を這う動き。
倣うようにして彼もまた進んでいく。
「……敵も同様に身を隠している……だが、俺達のように身をかがめているわけでもないだろう。そんなことをしていれば、狭い範囲しか調べられないからだ。そして、それは迎え撃つものたちの思考だ。俺達には」
「残留効果があるネ」
彼女たちの身につけたゴーグルの向こう側に残留効果によって阻まれることのない光景が広がっている。
砂塵がなければ蟲将たちの纏う布は風にはためいて揺れているだろう。
そして、誠司たちのように地に這うように指定どうしているわけでもない。
「哨戒部隊っていうくらいの数あるネ」
「ああ、そこまでトループス級が多いわけではない、が……」
彼等の視界の先にあるのは、ゆっくりと移動を重ねる一団があった。
完全視界によって得られた視界の先にあるのは蟲将と思わしきものたち。
哨戒部隊だろう。
多くはない。だが、アヴァタール級らしき影も見える。
今だこちらを認識されていない。光学迷彩の効果だろう。とは言え、こちらが派手に動く……つまりは強襲すれば感づかれるだろう。
けれど、敵の迎撃体勢が整わぬうちに強襲できるというのは大きな利点であった。
「まだこっちには気がついてないみたいネ」
「流石にパラドクス攻撃をすれば気が付かれるが……下手に動かれるより、今まとまっている敵を一気に討つのがいいだろうな」
「そうネ。それじゃあ、まずは」
凛風はトループス級らしき蟲将を見やる。
「三下の蟲将サンからネ」
二人は一方的に敵を発見し、哨戒部隊への強襲を行える盤面を整えたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
せっかくの機会だ。不意をつかせて貰うとするかな
一寸の虫にしてやられる気分はどうだよ
俺の動きを封じても問題ないっての!落ちろ、蚊蜻蛉
【攻撃】
パラドクス通信ので仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していく
使用できる残留効果は全て使用する
まずはパラドクスを使い触ると電撃に似た痛みと痺れを感じる鱗粉を撒く蝶を製作
それを操り攻撃する
まさか自分たちよりも小さい存在が害をなすなんて思いつかないだろうからな
奇襲するんならちょうどいいだろう
このパラドクスなら俺の動きが封じられても問題はない
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
必要なら臨機応変に対処する
柳・凛風
さて、とりあえず上手い事見付ける事は出来たみたいネ。
ここで焦って見付かっちゃうのは避けたいから、慎重にタイミングをはかるヨ。
なるべく近くから襲った方がきっと敵サン達もびっくりしてくれるからネ。
隠れられる場所がある限りは光学迷彩で隠れておくヨ。
良い感じの位置についたらオーラの剣を作って蟲将サンに投げ付けちゃうネ。
最初の一発で敵を減らせればすっごくありがたいんだけど、まぁ期待せずに反撃を受ける心の準備でもしておくヨ。
相手の武器は槍だけど、別に未知の兵器って訳でもないからネ。
扇で受け流したり出来ると良いよネ。
後はとにかく痩せ我慢。
気合いで耐えてやり返してやるのヨ!
この後にまだ大将が控えてるからネ、出来るだけさっくり倒れて欲しい所ヨ。
銀・人面
※アドリブ、共闘可です。
【心境】
「はぁはぁはぁ…ふー…。さて、私がディアボロスと成っての初陣であるな。」(体力不足でここまで来るのに息絶え絶え/ぁ)
足を引っ張らぬ程度にはやって見せるさ……
【行動】
さて、実力もまだまだ未熟の若輩の人外のモノ。
されども、レベルも実績もなくともやりようがあるということを魅せてやるさ。
先遣隊が敵の哨戒部隊に対して行った隠密行動を真似させてもらい、奇襲攻撃を行わせてもらおう…。
あまり効果があるとも思えないが、残念ながら今の私にできる手は少ないのでな…
限りあるある手札は派手に切らせてもらう。
<大功徳滅尽経>
しかし読経で攻撃など…一人のビブリオフィリアとしてはかなり複雑な気分になるな。
これもすべて貴様らクロノヴェーダが悪い(注:八つ当たり)
銀・人面(愛読王<キング・オブ・ビブリオフィリア>・g11474)は砂塵荒ぶ道のりを漸くにして踏破した。
彼が目指したのは己がディアボロスとしての初陣。
とは言え、体力不足であることは否めない。
「はぁはぁはぁ……ふー……」
息を吐き出すと合流したディアボロス、先んじて敵の哨戒部隊を発見することに成功していた荒田・誠司(雑草・g00115)と柳・凛風(酔龍・g04711)に合流を果たす。
息を切らす様子の人面に凛風は慌てないで、というように手で制する。
「だいじょうぶネ?」
「……ああ、息は整えた。何、これが私のディアボロスとしての初陣。されど足を引っ張らぬ程度にはやって見るさ」
「助力してくることはありがたい。共に戦おう」
誠司の言葉に人面は頷く。
すでに敵は捉えている。
彼等に与えられているのは強襲のアドバンテージ。
パラドクスで攻撃すれば、戦いは超常たる逆説連鎖戦へと移行するだろう。
となれば距離は無意味。
そして、パラドクスは時空を歪め反撃を即座に行うことができる。
だがしかし、強襲という不意を突かれた敵は動揺するだろう。そうなれば、普段通りの力を発揮できないかもしれない。
そうした駆け引きが無駄であるとは言い難いものだった。
「まあ、焦らずいくヨ。せっかく敵を一方的に見つけられたのだから、慎重に慎重にネ」
凛風は残留効果を手繰り寄せる。
「これからの会話はパラドクス通信で行おう。敵に傍受される必要もないし、会話のラグもない」
「ああ、この身まだまだ未熟の若輩の人外のモノなれど、やりようはあるとお見せしよう」
人面の言葉に二人は頷き、凛鈴が手繰り寄せた残留効果によって砂塵に紛れて発見した哨戒部隊へと近づいていく。
「これ以上は流石に無理ネ」
「距離としては十分。行けるか?」
「無論。とは言え、私の出来る手は宿儺い……限りある手札は派手に切らせてもらおう」
さん人は互いにパラドクス通信で打ち合わせ、タイミングを見計らって、未だこちらに気がついていない哨戒部隊……その主な構成であるトループス級『魏軍硬殻兵』たちへと己が瞳を向ける。
敵を視認した瞬間に、三人のパラドクスが同時に輝く。
敵を一体でも確実に打倒すべく攻撃を集中させるためであった。
誠司の模造製作:火花蝶(イミテーションメイク・スパークバタフライ)によって、特殊な粉を振りまく蝶が生み出され、その鱗粉に触れた『魏軍硬殻兵』たちは電撃に似た痛みを憶え、また同時に痺れを感じたことだろう。
「ギャッ!?」
「なんだ! これは!」
彼等の動揺が伝わるより早く、凛風のパラドクスが宙を走る。
真っ赤なオーラの剣が宙を飛ぶようにして駆け抜け、『魏軍硬殻兵』の喉元を貫いたのだ。
「ブラッドソード、ネ! 期待はしてなかったけど、一撃ネ!」
凛鈴は飛び出す。
彼女が飛び出したのは、敵の機先を削ぐためでもあったし、また動揺している敵にさらなる追撃という痛手を与えるためでもあった。
そして、凛風の背を応用にして飛ぶのは、大功徳滅尽経。
人面のパラドクスであり、読経によって引き出した神聖なる力で敵群を覆うのだ。
彼は読み上げる読経が敵とは言え、傷つける力へと成り代わることに複雑な気分を抱く。
「読経はこころを救うもの。これで攻撃するなど……一人のビブリオフィリアとしてなんとも。これもすべて貴様らクロノヴェーダが悪い」
それは八つ当たりのような攻撃であった。
だが、覆うようにして罰するかのような人面のパラドクスは『魏軍硬殻兵』たちを打ち据える。
漸くにして体勢を整えた『魏軍硬殻兵』たちは手にした槍の穂先から雷撃を解き放ち、人面の体躯に強烈な衝撃を与える。痛みが走りながらも人面は膝をつくことはなかった。
未だ読経は終わらず。
己が力が読経によってオーラを形成するのならば、人面は痛みにそれを中断することはなかった。
「私にばかりかまっていていいのか……与し易い相手と侮ったのならば、それは見当違いだ」
その言葉と共に凛風の生み出した真っ赤なオーラを纏う剣が『魏軍硬殻兵』の手にした槍と激突する。
「くっ……ディアボロスめ! ここまで入り込んでいるか!」
「自分たちが見つからないことばっかり考えて、敵の探索を怠って逆に強襲される蟲将サンたち。その程度で止まるわけないヨ!」
突撃の一撃を凛風は扇で受け止め、いなす。
踏み込んだ彼女のオーラの剣、その斬撃が槍をかち上げ返す刃で『魏軍硬殻兵』の体躯を袈裟懸けに切り裂く。
「くっ……! ここまで圧されるとは!」
「まさか自分たちより小さい存在が害をなすなんて思いつかなかったか!」
誠司の生み出した蝶が鱗粉によって『魏軍硬殻兵』たちの動きを止める。
それでも無理矢理に己たちの羽根で飛翔した彼等は己が槍を誠司へと投げつける。
雨のように降り注ぐ槍の一撃。
それに誠司は盾で身を守るようにして受け止め、その衝撃に呻く。
やはり敗残たる蟲将とは言え、大戦乱によって戦力を拡充した力は恐るべきモノであった。槍を盾で押しのけながら誠司は、そのゴーグル越しに敵を見る。
確かに敵は強大なのかもしれない。
依然、ディアボロスとクロノヴェーダの力の差はある。
けれど、それでも戦える。
状況を有利に傾けさせ、自分たちの力を束ねる。
戦場に残された残留効果を手繰ることで、これまでもディアボロスは己達よりも強大なクロノヴェーダを打ち倒してきたのだ。
瞬く間に三人は『魏軍硬殻兵』たちを蹴散らし、哨戒部隊、その指揮を取っていたアヴァタール級蟲将『満寵』へと迫る。
「……成る程。強襲。実にこちらの練兵が諸君らに劣っていたのかを知らしめられた思いである」
迫る三人のディアボロスに『満寵』は深く頷く。
だが、彼にとってこれは窮地ではないのだろう。
護衛である『魏軍硬殻兵』たちは蹴散らされても、アヴァタール級である己とディアボロス個体の力の差というのは、未だ歴然であったからだ。
「だが、これ以上はさせぬ。我が兵を打ち据えし罰は受けてもらおう」
そう言って『満寵』はみなぎる覇気と共に迫るディアボロスに己が手にした無数の罰則を与えるべく生み出された武器を広げ、その脅威を知らしめるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
俺だけに気が向いてていいのかよ
こっちは1人で戦ってるわけじゃないし
何も戦士が全て1人で戦うってわけじゃない
機械を作り戦わせるのも俺の戦い方だよ
【行動】
パラドクス通信で仲間と連絡を取り合い積極的に連携していく
残留効果は使えるものは全て使用
まずは口吻部のドリルや刃の翼を用いて攻撃するプテラノドン型の機械を製作し
飛ばして待機させておく
俺は敵の攻撃を盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
真正面から受けると消耗が激しいから受け流したり
後方へ跳んだりして衝撃を殺そう
俺が防いでいる間にプテラノドンを呼び寄せて攻撃させる
俺は身動きできなかろうがそれで十分
敵をこっちに釘付けにさせておけば攻撃しやすくなるだろう
必要なら臨機応変に対処する
銀・人面
※アドリブ、共闘可です。
【心境】
「はぁはぁはぁ…ふふふ…ははは…ふっははは…ゲフンゲフン。なにがクロノヴェーダだ。私にも倒せたぞッ」(注:初陣&初勝利でテンションとキャラがバグり中)
はー。とはいえ、浮かれてばかりではいられない。
残るアヴァタール級こそ本番。パパンの故郷では「勝って兜の緒を締めよ」
というイディオムがあると聞く。兜はないが帯はある締めなおしてかかるか。
【行動】
ふう、少しは落ち着いたな。
レベルも実績もない初心者というのを忘れるな私!!
他のディアボロスと連携を心掛けながら戦う。
行くぞクロノヴェーダ。
禁書を開き、書かれている魔術を開放しつつ、一定の間合いを維持しながら本命の禁術の詠唱を続ける。
趣味の古書集めで手に入れた古書がこのような形で役立つとはな。
さて、詠唱が終了した。受けるがいい。
<ダークネスコフィン>
闇の術で押しつぶされるがいい。
柳・凛風
罰、ネ。
まあまあ、そんな怖い顔をしなさんなヨ……と言っても、蟲将サンの表情は良く分かんないんだけどネ。
まぁ今更隠れるもなにもないヨ、お互い正面から殴り合うがヨロシ。
さて、これまたおててがいっぱいあるようネ。
どの武器も痛そうだけど、有効に使うにはそれぞれ間合いってものがあるなずヨ。
私達の戦いには距離は関係ない。
遠くにいたって攻撃は当たる……とは言え、気分的には自分の間合いで戦いたいものヨ。
と言う事で、その腕の中に飛び込んでやるネ!
きっとそれまでにいっぱい殴られると思うけど、そこは忍耐力で我慢するヨ。
どんなに痛くても、冷静な気持ちを失ってはいけないネ。
鍋に入れば鍋の形に、薬缶に入れば薬缶の形に、四本腕の中に飛び込んだらそれに対応しながら戦うだけヨ。
とにかく組み付ければこちらのものネ。
持ち上げてしまえば四本脚だろうと関係ないヨ。
場合によっては壁走りを使ってでも、どっかその辺の痛そうな所に頭からぶつけてやるネ!
アヴァタール級『満寵』は言う。
己が兵を打ち据えた罰を、と。
戦いにおいて、敵を打ちのめすのは必定。そうでなければ、打ちのめされるのはこちらなのだ。だが、それに罪ありといえるだろうか。
「俺だけに気が向いてていのかよ」
荒田・誠司(雑草・g00115)の言葉に『満寵』は首肯することすらしなかった。
無論、というようでもあったが、その内情を誠司は知ることができなかっただろう。
「こっちは一人で戦っているわけじゃないし、何も戦士にが全て一人で戦うってわけじゃない」
「それは脆弱なりし者の戦い方よ。武人とは真っ向からぶつかり合ってこそ」
「まあまあ、そんな怖い顔をしなさんなヨ……」
と言っても、蟲将の表情というものは、どうにも柳・凛風(酔龍・g04711)にも判別がつくものではなかった。
声色から推察するほかなかったが、『満寵』はディアボロスにしてやられたことに対して怒りを憶えて言えるようだった。語気が荒くなっていると凛風は判断する。
「でも、ま、武人として真っ向からぶつかり合うっていうのは同意見ネ。今更隠れるもなにもないアル。さあ、お互い正面から殴り合うがヨロシ」
凛鈴が仕掛けた。
瞬間、『満寵』の口から放たれる糸が彼女の腕を絡め取る。
引き寄せられるように凛鈴の体が地面を滑る。いや、違う。彼女が踏み込んでいるのだ。
例え、糸に腕を絡め取られようとも彼女は踏み込んでいたのだ。
その速度は圧倒的であったし、また片腕を拘束されようとも拳を振るうにはなんら支障がない。
問題があるとすれば、まさに彼女にめがけて振り下ろされんとしている鞭である。
「罪人には罰を与えねばならん。我が隊を打ちのめした罪状は鞭打ちである」
「ハッ、せっかくおててがいっぱいあるっていうのに、一つしか使わないなんて不器用アルね!」
迫る鞭打。
その強烈な痛みが凛風を襲う。
けれど、彼女は耐える。痛みは彼女を苦しめない。彼女の精神性は、そうした痛みを耐え抜く強靭さを有しているのだ。
どんなに痛みがあるのだとしても、冷静な気持ちを失ってはいけない。
己が心は水。
鍋に入れば鍋の形に。薬缶に入れば薬缶の形に。今まさに彼女は風のような速さで踏み込み、水のような流動性でもって『満寵』の懐に飛び込んでいたのだ。
「黙れ。貴様は罰せられているのだ」
「関係ないネ! 組み付いてしまえば、こっちのもんネ!」
凛風の瞳がパラドクスに輝く。
彼女の腕が『満寵』の体躯を持ち上げる。
なんたる膂力か。彼女の振り上げた体がまるで鎚を振るうかのように『満寵』を大地に叩きつける。
「四本脚だろうがなんだろうが踏ん張りなんてさせないね!」
大地砕ける最中、銀・人面(愛読王<キング・オブ・ビブリオフィリア>・g11474)は走り込む。
いや、もっと言えば、息を切らし、笑い、そして咽ていた。
初めての戦い。
それによって彼の心は張り詰めきっていた。
そのためか、いつもの心持ちでいられないようだった。
「ゲフ、ゲフン、ッ、何が、クロノヴェーダだ。私にも倒せたぞッ!」
「冷静になるヨロシ!」
「……すまない。そうだな、パパンの故郷のイディオムにもあるとおり『勝って兜の緒を締めよ』、だな!」
人面はこころを落ち着かせる。
凛風の言う通りだった。
彼女が叩きつけた『満寵』は体勢を立て直そうとしている。あれだけの一撃を受けてなお、立ち上がってくるのだ。アヴァタール級と呼ぶに相応しい力を持っていると思っていい。
加えて、己はディアボロスとして新人。
ならばこそ、連携しなければならない。そうすることでこれまでのディアボロスも己達より強大な敵を打倒してきたのだ。
「行くぞクロノヴェーダ」
開くは禁書。
綴られるは魔術。人面の瞳がパラドクスに輝き、放たれるのは漆黒の棺。
「棺……だと?」
「そうとも、クロノヴェーダ。君には上等過ぎるかもしれないが!」
人面は趣味の古書集めで手に入れたものがこのような形で役立つとは思ってもいなかった。だが、それでも仲間を助ける一手となる。
彼の呼び出した黒い棺は『満寵』を囲み、その体躯を圧縮させるようにして動きを止めるのだ。
「闇の術で押しつぶされるがいい」
漆黒の棺の内部で軋む音がする。
それは『満寵』の骨身が砕ける音であったかもしれない。
だが、違うと人面は見る。
「……車裂きの刑である。我が刑罰の執行を妨げた罰は」
黒棺が引き裂かれる。
人面は思わず呻く。だが、凛風は笑む。
「十分アル」
「どういう……いや、そうか!」
人面のパラドクスを破って這い出た『満寵』を襲うのは、誠司が模造製作:翼竜(イミテーションメイク・プテラノドン)によって生み出したプテラノドン型の機械だった。
急転直下。
直上より一気に雷が落ちるようにして『満寵』を襲ったのだ。
その一撃が『満寵』の体躯を穿ち、大地に縫い留める。
嘴のドリルや翼の刃。
それらが『満寵』の体躯に食い込んでいるのだ。
だが、次の瞬間、誠司を襲うのは鞭打の一撃であった。
かろうじて盾で受け止めるが、誠司の体が吹き飛ぶ。
「くっ……まだ動くかよ」
「まだだ。私の刑は執行している最中だ。刑を止めることなど許されない。このような機械、からくりに止められるものなど」
「これも俺の戦い方だよ」
誠司は縫い留められた『満寵』を指差す。
そう、彼らは残留効果でもって互いに打ち合わせている。
傍受される心配のないディアボロスの間だけに走る通信。
それがパラドクス通信である。互いの意図を一瞬で伝え、連携する。それによって人面は動きを止めた『満寵』を再び黒い棺に押し込めるようにしてパラドクスを放つ。
「動きを止めた! 後は!」
「行くアルヨ!」
凛風が壁を走り、飛ぶ。一気に肉薄する。
黒い棺が再び引き裂かれる。圧縮のちからは確かに『満寵』を傷つけている。その証拠に、多腕のいくつかが折れている。だから十分に動けない。
そして、誠司の作ったプテラノドンの機械が『満寵』を縫い止め続けているのだ。
ならば、と凛風は踏み込むのだ。
「これで終わりネ! ハイヤー!!」
両手で『満寵』の頭をつかみ、彼女は一気に体躯を空に引っこ抜くようにして投げ放つ。
指に引っ掛けた顎。
その強靭な指先から『満寵』の頭を大地へと叩きつける。
ひしゃげる音が響き、大地に突き立てられた体躯はピクリとも動くことはなかった。
「終わった、のか?」
「どうやらそのようだな。助かった。俺だけでは敵の動きを止められなかったからな」
「よき連携だったアルヨ」
三人は、敵哨戒部隊を全滅させ、砂塵を見やる。
この先に続く道行きにアーディティアの本国がつながっている。
今は、一つ一つを積み上げていくしかない。
その道程はまだ始まったばかりだ。足踏みなんてしていられないと三人は敵部隊の撃破を確認しパラドクストレインへと帰還を果たすのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【書物解読】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【フィニッシュ】がLV2になった!