リプレイ
薬師寺・洸
「亜人め、来るなら来い! ロケットランチャーの餌食にしてやる!」
【アンブッシュハント】を使い、隠れて亜人を見張ります。
自分のパラドクスと敵の攻撃方法の特性を考慮して戦います。
他のディアボロスと連携して戦える場合は、可能ならば、援護します。
勝利のため、ある程度のダメージはやむを得ないものとしますが、他のディアボロスを不利にするような行動はしません。
アドリブ、共闘歓迎です。
薬師寺・洸(謎の存在・g00782)は、四連発の角ばった兵器を肩に担いだ。
「亜人め、来るなら来い! ロケットランチャーの餌食にしてやる!」
列車から降りたすぐあとのこと。
鼻息荒い仲間の姿をみて、アーヤ・ミズラーフ(王家の谷の冥土シノビ・g02033)は、自分もクロノヴェーダとの戦闘に加わることを決めた。
「敵に近所をウロつかれるのは、面白くございません。撃破を優先いたしましょう」
「あらあら。おふたりとも気合十分ですね。亜人は漂着しているはずですから、まずは捜索しなければ」
リナリア・イェーケンヴェル(想い告げれぬ徒花・g01942)が、洸たちを落ち着かせるかと思いきや。
「あいにく暴れることしかできない身なのですけどねぇ。クロノヴェーダに憎悪をぶつけられるのならば、私はどんな手伝いでもするつもりです」
丁寧な口調で笑みを見せ、言葉に冷酷さを滲ませた。
そして、作戦の案を出す。
「漂着する亜人と、それを回収しにきたヴァンパイアノーブルは、分断させたままにしておきたいです」
「じゃあ、なおさら急がないとな!」
洸が言うと、あとは移動しながらの相談になった。
時先案内から得られた情報では、漂着した亜人はその場を動かないという。捜索にきた相手との予知をみても、積極性がない。
身を護ることはしても、攻撃はもちろん、逃げ出しもしなかった。
「リナリアさん? おっしゃるとおりですと、大変に見つけづらい相手でございましょう」
「はい。ですが、臆病な割に息を潜めるような行動もしません。むしろ、慌てて大騒ぎしていましたから。私の案は、こちらはむしろ目立つようにして亜人たちを驚かすのです」
そこまで聞いたアーヤは、奇声を発する。
「にゃ、にゃあ!」
「お、おいおい。急にどうした? ボクを脅かしても敵は見つからないよね?」
兵器を担ぎ直す洸も、声のトーンが高くなる。
少年のような外見と振る舞いだけれども、たまに地声が出て、女性なのだとわかるときがあった。アーヤはもとの丁寧な口調に戻って。
「申し訳ございません。わたし、人を驚かせることは大得意でして、おおぴらに作戦に生かせるとわかって嬉しく、つい大声を」
「大声……。ねこの鳴きまねみたいだったけれど。まあ、いいでしょう。とくにアーヤさんを見込んでの立案ではありませんでしたが、お任せします」
漂着者たちは、予知のとおりボロ布を纏ってうなだれていた。
トループス級亜人『ゴブリン少女自爆隊』である。
奪還戦に呼ばれなかったとはいえ、最低限の能力はもっている。海岸線の一方から、怪しげな水音が連続するようになり、だんだんとそれが大きくなってきて、リーダー格は仲間を一か所に集めはじめた。
「だ、誰ですか?! わたしたちは抵抗しません! 命ばかりは……!」
確かに、漂着者のこの反応は、かえって場所を知らせているようなものだった。亜人たちが見たものは、波打ち際を走ってくる、奇妙に細い足。
アーヤが二本の棒に乗っている。
「にゃにゃにゃ~! これぞ、エジプトニンジャJKが川や蠍の潜む砂漠での移動のために用いる、竹馬でございます~!」
「ひ、ひいいッ!」
リーダー格は命乞いすら忘れて悲鳴をあげる。
その位置を特定した洸は、すぐさまトリガーを引いた。
「ロケットランチャーの餌食だ!」
海岸に落ちて、岩と砂を巻き上げる。やや遅れて大きな爆発が起こった。
「うまくいきましたね。……長柄の武器かと思ってました。あんな風に乗るなんて」
リナリアが、いろいろなことに感心しているとなりで、洸は眉根を寄せる。
「いやあれは、亜人がぶらさげてるものに誘爆したんだ」
ディアボロスたちは、海岸へと急いだ。
竹馬に乗ったエジプト……の前では、『ゴブリン少女自爆隊』がわんわんと泣いている。泣いているが、仲間のひとりが自爆してしまったので、戦う覚悟も決めていた。
「総員、自爆用意!」
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【温熱適応】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
薬師寺・洸
「(ゴブリン少女に対して)悪いけど、ここで斃れてもらうよ」
【シューティングダンス】を使い、スピードで相手を撹乱させながらゴブリン少女を各個撃破していきます。
(戦いの後で)「ここは君たちの居場所じゃないよ。残念ながら。もし産まれ変わったなら、今度は友達になろうね」
「後はあの変態貴族をぶっ飛ばすのみ!」
アドリブ、共闘歓迎です。
六宮・フェリクス
(トレインチケット)
斎藤・多喜
(トレインチケット)
「悪いけど、ここでたおれてもらうよ」
薬師寺・洸(謎の存在・g00782)は海岸に到着し、『ゴブリン少女自爆隊』の様子を観た。彼女らが戦うつもりになり、やりやすくなったかもしれない。
増援で駆け付けた斎藤・多喜(■■■・g01848)は、左の中指にはめている指輪にむかってささやく。
「さあ行こう、ふじこちゃん」
「楽しい地獄を演じようぜ!」
六宮・フェリクス(An die Freude・g01325)は、鳥のような仮面の中からしゃべっている。にもかかわらず、この場ではいちばん声がデカかった。
天使の翼も、ひときわ大きい。
飛翔に使うのではなく、羽ばたきで爆風を逸らすつもりのようだ。自分からトループスのただ中へと踏み込んでいった。多喜もあとに続き、洸は武装をミサイルランチャーからピストルに変更し、ジグザグに走る。
翼が広がると、日本刀『閃光』が抜かれていた。
「――断ち切る!」
フェリクスは、ゴブリン少女の一体を、袈裟懸けに両断した。
すると、後続の多喜が身を低くしながら叫ぶ。
「フェリクスさん、気をつけろ! 首の爆弾はまだ生きているぜ!」
「オーケー! そっちこそ、時間差に巻き込まれるなよ?」
斜めに残った少女の上半身が爆発した。
片腕が肩から抜けてすっとび、多喜の頭の上をくるくると回転しながら越えていく。その手首には、別の爆弾が括られていて、起動ピンはついていない。
「ボクにまかせて!」
洸がトリガーを引く。
このピストルの弾丸は細い実体で、炸薬などは詰まっていない。
少女の手首の爆弾に命中し、海側へとはじき出した。直後に爆発する。
「ひゃああ!」
多喜は爆風から頭をかかえるが、まだなにか余裕がある感じだった。ともかく、敵の『時間差爆破攻撃』のあいだに、射撃を挟み込んだかたちになり、被害は最小限ですむ。
天使の翼は、役に立ったようだ。
次の少女へと『絶閃(ゼッセン)』を繰り出すフェリクスは、しかし手首だけになっても攻撃してくる相手に、つい言葉をかけてしまう。
「辻斬りに遭った、運が悪いとでも思うが良い!」
例の大声で。
「そっか。俺はやっぱり正面からじゃなかったな」
多喜がその場で膝立ちになったので、洸はそれを避けてジグザグのまま、追い抜いていく。フェリクスとともにトループス級との乱戦に加わった。
駆け巡る彼女のステップは、舞いの如き美しさを見せる。亜人にむけて、縦横無尽の銃撃を放つのだ。
もう一度指輪にささやいた多喜は、その力を借りた。
斉藤さんちに伝わる呪いの品だという。代償に命を削られるとも。
「揺らげ、縛れ、不死の二季草」
常時見えている呪いの景色をおすそ分けした。
薄紫の花は揺れる。
二股の尾を持つ白い猫は鳴く。
そして、蔓がゴブリン少女の自爆隊を個別に縛り上げた。斬撃と銃撃をくらっても、首と腕は離れず、爆発も一緒くたになる。
「シューティング……ダンス!」
洸のスピードが、漂着亜人たちをかく乱する。蔓の捕縛を助けた。
最後の一体は縛られたまま海へと放り出され、ピストルからのトドメで大爆発を起こす。
戦いが終わってみると、洸の胸にも去来するものがあった。
「ここは君たちの居場所じゃないよ。残念ながら。もし産まれ変わったなら、今度は友達になろうね」
波が、トループス級の破片をさらっていく。
「さて、あの変態貴族は……」
アヴァタール級はまだ亜人の回収にこない。迅速に動いた甲斐あって、かなり先んじられたようだ。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
イルドニス・クルヴィ
焼き払われた農地の復興か…食が無ければ動けんからな、農地復興を手伝おう。
近くに廃村があれば、それを使わせてもらおう。
新たに村を興すとしたら時間も手間も掛かるが今はそれが足りんからな、廃村であればそこが村として機能していた訳だ……そこならば農地としても人が住む場所としてもうってつけだろう。
…さて、農地復興となれば【土壌改良】と言われたが……ふむ、この力があれば農地としてやれるのか。
便利なものだ、これがあればディアボロスがいなくとも人々だけで農耕できると……俺の時代にもあれば………物憂いに耽っている場合ではないな。
農地が出来れば次は住居か………これは廃村の中の家を再利用だな。
今は雨風を凌ぎ、眠ることが出来ればいいだろう。
廃村の中に残された家を確認し、住めるかどうかだな。
簡単な修理であれば、新宿島から持ち込んだ資材で此方でやれるか。
穴を塞ぎ、薪を調達すれば暫くの生活もできるだろう。
……これで、人々も上手く生活できるか。
フルルズン・イスルーン
おや、既に動いてる人が居る。よきかな。
どちらかというと植物活性をしたいけど、打ち捨てられた家屋とか野ざらしの農地があると修理の方が必要なジレンマ。
生活基盤の再建はいくつ残留効果があっても足りないのだ。
さて、イート・ゴーレムくん。荒れ屋壊れ野を直していこうね。
まずはトレイン経由で保存が効く食糧持ち込む。流石に現地調達よりは早いからねこればっかりは。
そして、残されてる家屋を点検して【修復加速】で修繕していこう!
冬将軍やその後継が今の所不在とはいえ、北の地の冬は半端な備えでは持たぬのだ。
隙間風が入り込まないように塞ぎ、暖房になる設備を補修し、寝床や保温具を繕う。
熱を逃がさないことは大前提だ。
そして、薪割り用の斧に雪かきのショベル。荷運びのソリやらもあれば直しときたい。
森に行って燃料を伐採して持ち帰る。大事なことさ。
金物は有用かつ貴重だからねぇ。ボクにとっては遠い未来だけど、この時代でもその辺は変わらないでしょ。
さあゴーレムくん。修理のためにキリキリと働いてくれたまへ。
後で彫像も建てようね。
「ナーク・アーヴ・オブラーン……! 食べて、結合し、完成せよ。イート・ゴーレムくん、御苦労!」
「……これで、人々も上手く生活できそうか?」
焼き払われた農地の復興に来ていたディアボロスは、作業の出来栄えを眺めていた。
最後の詠唱を終えたフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は、まだ少し不安げだ。
狼の仮面越しに、イルドニス・クルヴィ(刃纏いの狼・g11345)も村人たちの反応を見ている。
どうやら、心配するほどではないようだが。
「本当に助かりました。この時期に必要な仕事は間に合うでしょう。冬への備えも」
痩せた中年男性が礼の言葉を、集落の代表としてディアボロスたちに伝えてくる。
見た目は子供のふたりでも、物腰や力量から目上の人物と感じたらしい。感謝と敬意がこもっていた。
「なに、今は雨風を凌ぎ、眠ることが出来ればいいという程度だ。穴を塞ぐような簡単な」
イルドニスは肩をすくめたが、中年男性は笑いながらかぶりをふる。
「とんでもない。暖房設備の補修に、寝床や保温具も繕っていただきました。薪の集積に加えて、薪割り用の斧に雪かきのショベル。荷運びのソリと、何から何まで」
全部に立ち会ったわけではなく、一緒に作業した村人から聞いたのだろう。
フルルズンはその時のやりとりを繰り返す。
「熱を逃がさないことは大前提ですから。北の地の冬は半端な備えでは持たぬ、と。それに、金物は有用かつ貴重だからねぇ」
そして、懸念も心中で繰り返す。
(「冬将軍やその後継が今の所不在とはいえね……」)
もちろん、村人が気付くことはない。
「我々も約束を守ります。重ね重ね、ありがとうございました」
男性が去り際に言ったのは、移民の受け入れの話だ。
そのためにディアボロスは、人の住んでいない家々を点検してまわり、それらにも修繕をほどこした。住民が増えたときに与えるよう、管理を頼んである。
「よきかな。さきに動いてもらっていて頼りになったよ、キミ」
フルルズンまでがイルドニスにお礼を言う。
「ああ、トレインで新宿島から持ち込んだ資材のことか。滞りなく終わったのは、フルルズンの『修復加速』のおかげだ。それに保存がきくものを用意してくれたじゃないか。食が無ければ村人たちだって動けんからな」
「流石に現地調達よりは早いからね、こればっかりは」
第一目的の農地復興は、家屋の修繕と違ってその場で目に見えるものではない。
それでもイルドニスにとって『土壌改良』は、自分で使ってみて感じ入るところがあった。
(「便利なものだ、あれがあればディアボロスがいなくとも人々だけで農耕できると……俺の時代にもあれば………物憂いに耽っている場合ではないな」)
依頼にはまだ続きがある。
出発しようと顔をあげ、ふとフルルズンの様子が気になった。
あれほどお礼を言われたのに、まだ不安げだ。彼女のほうからも、イルドニスの仮面が透けたかのように察せられて、問われるまえに話してくれた。
「なに、生活基盤の再建はいくつ残留効果があっても足りないのだ、とな」
「……そうかもしれない。俺たちは出来る範囲で手伝っていこう。蔓延る『悪』を倒しながらな」
ふたりの前に広がる農地を指差す。
希望がある。村人たちが引き継いで、きっと穀倉地帯を復活させてくれる。
「おう! ボクもゴーレム作るぞー!!」
ようやくハイテンションな声をあげた。
そんなフルルズンだが、村にはお守りと称して、ちゃっかりゴーレムの彫像を建てていった。自称ゴーレムクラフターとしての趣味である。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
イルドニス・クルヴィ
……うむ、既に流れ着いた兵は討たれたか。
なれば、後はアレらを拾いに来る手合を討てばよいのだな。
奴が現れる海岸で待ち受けていようか。
こう開けた場所では待ち伏せも効果も薄いだろう。
なれば、正面からいくしかあるまい。
さて、遠路はるばる御苦労なことだがここなお前の目的の兵はおらん。
それにだ……ここでお前を安々と帰す訳にもいかないのでな……精々ここで果てろ。
背負った分厚く重い大剣を片手で引き抜き、殺気をこめた切先を向け戦意を静かに昂ぶらせる。
ここでお前を逃せば、幼き少女が文字通り毒牙に掛かる故にここで葬る。
可変合体式特大剣を肩に担ぎ、腰も大きく捻り前屈みの構えをとり、大きく踏み込みながら大剣を振り下ろす【刻疵】を発動させ、鋭く重い斬撃を放ち、砂浜ごと両断する。
……駒を生み出すか……なれば、その全てを打ち壊すのみ。
可変合体式特大剣を振り回しながら大斧形態へと変形させ、軍勢を薙ぎ払いながら重い大斧による振り下ろしでの勢いで蹴散らす。
そのまま藻屑となれ。
フルルズン・イスルーン
んーむ、もう大体終わってて迎えを張り倒すだけになってるのだ。
まあ、一度乗っかった手前だ。後始末もしっかりしてドラキュラに嫌がらせしておこうね。
行くぞー! グレイシャー・ゴーレム!
ということで重役出勤してきたナボコフとやらを出迎えだ。
遠いところからはるばるご苦労である。
残念なお知らせだが、キミが命じられたイスカンダルからの流れものはもういないよ。
そしてキミもまたいなくなるのさ。ロマノフの雪はどうやら何もかもを飲み込むらしい。
では氷土から立ち上がり剣と盾を持て、ゴーレムよ。
小さなコウモリになろうと氷の盾で打ちのめし、駒の軍勢を切り伏せ心の臓に氷柱の如き剣を差し込め。
剣と盾の単純な戦士と侮るなかれ。如何なる時でも堅牢と鋭さは戦の要。
我が作り出したる氷の躯体は流麗に身を躍らせ戦場を駆けるであろう。
んむんむ。やはり戦士は良いね。
こういう頼もしさはどんな時代でも変わらないものなのだ。
ん? 美少女? まあそういうのは他の子にしてやるんだね。
これでま30越えなのさ。
エイレーネ・エピケフィシア
おお!既に亜人は討伐され、人々への支援も完了しているのですね
一刻も早くこの地の安全が確保されるよう、遅れ馳せながらわたしも助力いたします
スキタイ人の地……今日のウクライナに、蹂躙の惨禍を持ち込ませはしません!
周囲に身を隠せる漁師小屋の廃墟や地形の起伏があれば、【光学迷彩】を用いて敵を待ち伏せます
特に隠密に使えそうなものがなければ、とにかく出会い頭に攻撃を仕掛けて既に参戦している仲間の攻撃に繋がる隙を作れるようにはしておきましょう
敵が姿を現すや否や≪神護の長槍≫を投擲し、『邪悪を砕く雷霆の槍』を発動
【命中アップ】の加護の下に槍が過たず敵の胸を突き刺したなら、体内で強烈な雷撃を迸らせ、その身を焼き焦がしましょう
防御や直撃の回避を行われたとしても、穂先から解き放たれる稲妻が確実に敵に手傷を負わせ、次の一手を導きます
反撃の軍勢とは手元に戻した槍で打ち合い、或いは≪神護の輝盾≫で攻撃を受け止めることで身を護ります
パーヴァン・シーの野心が果たされることはありません
怪物よ、奈落の深淵へと墜ちなさい!
さきの奪還戦までのイスカンダルとの境界にあたる海岸には、三方向から来たディアボロスが合流していた。
洸たちから亜人の顛末を聞く、イルドニス・クルヴィ(刃纏いの狼・g11345)。
「……うむ、既に流れ着いた兵は討たれたか」
「おお! 人々への支援も完了しているのですね」
エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、最後発の増援だ。フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は大きく頷く。
「んーむ、もう大体終わっててアヴァタール級を張り倒すだけになってるのだ」
「後はアレらを拾いに来る手合を討てばよいのだな」
イルドニスが波打ち際を指差すと、『ゴブリン少女自爆隊』の残骸はいくらも残っていなかった。攻撃方法ゆえこなごなになり、境界の海にさらわれている。なにもない光景に咳払いする。
「なれば……。こう開けた場所では待ち伏せも効果が薄いだろう。正面からいくしかあるまいか」
「遅れ馳せながらわたしも助力いたします。『光学迷彩』を重ねられるようにしてきました」
エイレーネだ。
「スキタイ人の地……今日のウクライナに、蹂躙の惨禍を持ち込ませはしません!」
「そうか、助かる」
「よきよき。ボクも一度乗っかった手前だ。後始末もしっかりしてドラキュラに嫌がらせしておこうね。行くぞー! グレイシャー・ゴーレム!」
フルルズンが土くれで起伏をつくると、ディアボロスたちは迷彩の効果も活かして身を潜めた。
亜人の漂着という情報しかないヴァンパイアノーブルは、禿頭をひょっこりと現わし、あたりを見回しはじめる。
「聖なる槍よ、邪悪を砕く雷光を灯せ!」
すぐさまエイレーネが、『神護の長槍』を投擲した。
穂先は、襟の高い礼服の脇腹を捉える。
「グウッ! かはっ……ディ、ディアボロスぅ……!」
アヴァタール級『少女愛卿ナボコフ』は傷口を押さえ、不意打ちしてきた相手の正体を正確に言い当てた。しかし、もう遅い。この隙に隠れ場所から飛び出した数人が、ナボコフを取り囲む。
命中した槍はエイレーネの手元に戻るが、脇腹から抜けるさいに強烈な雷撃をほとばしらせ、相手の体内にさらなるダメージを残す。
「『邪悪を砕く雷霆の槍(ケラウノス・ドーリ)』です!」
「おのれ……。策でこの私を上回るとは。『ルージン・ディフェンス』!」
ナボコフは、自分の血で濡れた手を掲げる。飛び散った赤い飛沫から、チェスの駒を擬人化したような軍勢が出現した。
周囲のディアボロスに集団戦を挑んでくる。
再び長槍を構えてエイレーネは、それらと打ち合った。
「怪物よ、奈落の深淵へと墜ちなさい!」
「欺き続けられると思うなよ。ネコ耳なんぞ付けおって。私の守備範囲は10歳前後!」
このヴァンパイアノーブルが立腹したのは、不意打ちに対してではなく、ウェアキャットとなにかを勘違いしたためらしい。ぷいとエイレーネから視線を外し、替わってフルルズンを凝視した。
「んんーん? 重役出勤してきたナボコフとやらを出迎えだ……」
リターナーの錬金術師の足が、フラフラと引き寄せられる。チェス駒の軍勢は道を開けた。
「ふふふ……。我が愛しの『ニンフェット』よ。幼き美少女よ」
「遠いところからはるばるご苦労である」
フルルズンは、ナボコフの魅了にはまってしまったのか。
そうではない証拠に、吸血させようと首筋を差し出すこともなく、彼女の唇は動き続けている。
「残念なお知らせだが、キミが命じられたイスカンダルからの流れものはもういないよ。そしてキミもまたいなくなるのさ。ロマノフの雪はどうやら何もかもを飲み込むらしい」
「な、なんだと?!」
少女愛卿の牙から、白い肌がまた遠のいた。
永久凍土のゴーレムが、チェス駒の列を通ってフルルズンの身体を掴みだしている。その隊列も、分厚く重い大剣が蹴散らす。
イルドニスが、片手で振り回したものだ。
「ここにお前の目的の兵はおらん」
殺気のこもった切っ先が、ナボコフに向けられる。
「それにだ……お前を安々と帰す訳にもいかないのでな……精々ここで果てろ」
静かに昂ぶっていく戦意。
その後ろで立ち上がった巨体と、意気揚々としたフルルズン。
「剣と盾を持て、ゴーレムよ。如何なる時でも堅牢と鋭さは戦の要。我が作り出したる氷の躯体は流麗に身を躍らせ戦場を駆けるであろう」
氷結魔法から生み出された武器も氷だった。
長槍に大剣、数多のパラドクスに加わり、ナボコフの軍勢を潰す。
「くうう……。もっと血を!」
「まだ駒を生み出すか……なれば、その全てを打ち壊すのみ」
イルドニスは、『可変合体式特大剣:ルガル』を振り回しながら大斧形態へと変形させ、軍勢を薙ぎ払いながら重い大斧による振り下ろしでの勢いで蹴散らす。
フルルズンはもう眺めているだけだ。
「んむんむ。やはり戦士は良いね。こういう頼もしさはどんな時代でも変わらないものなのだ」
チェス駒は血のしたたりに戻り、海岸を汚すばかりである。
エイレーネは孤立したナボコフに槍の穂先を突き付けた。
「バーヴァン・シーの野心が果たされることはありません」
「血が足りない、なぜあの美少女に魅了が通じなかったのだ?!」
アヴァタール級はまだこだわっていた。上官のことよりも。
かのジェネラル級も美人のようなのだが。
「ん? 美少女? まあそういうのは他の子にしてやるんだね。これでも30越えなのさ」
年齢を明かしたフルルズンの顔をまじまじと見つめる『少女愛卿ナボコフ』。
「つまり、ここでお前を逃せば、本物の幼き少女が文字通り毒牙に掛かる。故にここで葬る」
イルドニスは、可変合体式特大剣を肩に担ぎ、腰も大きく捻り前屈みの構えをとり、大きく踏み込みながら振り下ろした。
『刻疵(ローン・カントア)』の発動。
鋭く重い斬撃が放たれ、砂浜ごと両断する。
「そのまま藻屑となれ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【アイスクラフト】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【命中アップ】がLV4になった!