イラン高原、イスカンダル軍奇襲作戦

 ペルセポリス電撃戦の成功により蹂躙戦記イスカンダルの断片の王『イスカンダル』は、ペルセポリスへの入城を断念。
 これにより、ペルセポリスでの新たな『バベルの塔』建設は阻止できましたが、イスカンダル軍はイラン高原を西へ向かおうとしています。

 この軍勢には多数のジェネラル級がおり、容易に崩せる陣容ではありません。ですが奇襲攻撃で戦果を挙げられれば、攻略旅団の提案に基づく解析を行い、様々な情報を得られるでしょう。
 断片の王率いる強大な軍勢に果敢に攻撃を仕掛け、陣容を明らかとしたうえで、断片の王と相見えるチャンスを伺いましょう。

※特殊ルール
 この事件の攻略期限時点での「シナリオ成功数」に応じ、3月分の攻略旅団提案に基づく情報の獲得や作戦の実行が可能となります。
 4月分の提案は、この事件の状況を踏まえた内容に出来ると、より良い結果となるでしょう。
 この事件は攻略旅団の提案による【期限延長】を行うことができません。
  • 成功数3:断片の王『イスカンダル』の新たな目的地の情報を獲得
  • 成功数5:イスカンダルの軍に居るジェネラル級の情報を獲得
  • 成功数8:イスカンダルの本陣を特定し、接触を図る事が可能に
  • 成功数10:軍勢にいるジェネラル級のうち1体との決戦が可能に
  • 以降、成功数5ごと:決戦を挑めるジェネラル級が1体増加
  • (多数のジェネラル級と決戦を行う事ができれば、イスカンダルとの接触時に、決戦を挑める可能性も生じるでしょう)

断片の王イスカンダル

光とは、(作者 棟方ろか
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 ――斯くも鬱陶しい。

 大群犇めく風景で、幾つもの軍旗がたなびく。
 騒々しいと呼べる程ざわつく亜人たちの中、イスカンダルは顔を僅かに顰めていた。
 蹂躙に蹂躙を重ねてきた我らが、こうも停滞するとは――体勢を立て直すしかあるまいと、状況を認識したからこそ迷わず指示を出す。
「将兵達よ、新たな蹂躙のため、我と共に進軍せよ!」
 勢威を誇らんとするイスカンダルの雄叫びは、想定外の策に乱されても尚、揺るがない。

●発車前
 ペルセポリス電撃戦の成功によって、イスカンダル軍も混乱させられているだろうと木庭・国男(デーモンの魔創機士・g03330)は告げた。
「さすがにペルセポリスは見捨てて、更に西へ向かおうとしてるみたいだよ」
 目的地を変更するぐらい、行軍において珍しくはないのかもしれないが。見過ごせはしないだろう。
「攻略旅団からの提案もあったからねぇ、この軍勢に奇襲を仕掛けようじゃあないか!」
「奇襲作戦を決行するのか……!」
「そゆことー」
 耳を傾けていたディアボロスたちが銘々の反応を示す。
 大軍勢への奇襲ともなれば、回数を重ねれば重ねるだけ敵を揺さぶることが叶う。攻略旅団の方針に沿った情報も、得られるかもしれない。

「ってなワケで説明するね。今回の作戦自体は『敵軍の情報を掴む』のが目的だよ」
 奇襲作戦の成果によって、攻略旅団から提案されていた情報も獲得できるはず。
 つまり、先ずは奇襲作戦そのものの成功を積み上げていく必要があるため、奇襲を仕掛ける各部隊は情報収集をしなくて良い。戦闘に集中してほしいと、国男も念を押した。
「軍はすんごい大軍だけど、いろんな亜人部族の混成軍なんだよねぇ」
「なんだか統率は取れなさそうですね」
「そのとーり! 特に部隊間の連携だね。そーゆーのは得意じゃないみたい」
 亜人の軍勢は、標的めがけて攻撃する時にこそ最大の力を発揮する。反対に、受け身に回っている間は持ち味をうまく活かせないようだ。
 ゆえに敵陣深くまで入り込みすぎないよう、外側に布陣する部隊を襲って混乱させつつ、戦力を削って撤退する。それが国男から戦友たちへお願いしたい任務で。

「イスカンダル軍には、たくさんのジェネラル級が将軍として従軍してるんだ」
 今回で相まみえることはないが、奇襲作戦をどれだけ成功させたかによって、かれらの情報を得るだけでなく、決戦を挑むチャンスも掴める可能性がある。すべてはディアボロスの動き次第だ。
「それとね、向こうがペルセポリスを見捨てたから、ペルセポリスの攻略にも取り掛かれるようになったよ」
 何にせよ、作戦として行いたいことは攻略旅団で提案して欲しいと連ねて、国男は口角をもたげた。
「イスカンダル軍の横っ腹をつつくのは、なんとも楽しそうだねぇ。でも無茶せず帰っておいでよ」
 国男は最後にそう笑って、準備に取り掛かる戦友たちを見守った。

●光とは
「ワタシとしては、ペルセポリスで羽を休め、ゆっくり狩りをして遊ぶ予定でいたのですがネ」
 真白の鳥に似た亜人がぽつりと漏らす。零した相手はこの部隊を率いる蛇めいた存在で。
「そう言うなスプンタ・マンユ。私も酔い痴れる機を失って実に残念なのだよ」
「……ご冗談ヲ。翼蛇アクタス様が何かに心奪われる姿なんて、見たこともございまセン」
 言うが早いか、談話中だというのにスプンタ・マンユがついと飛び上がる。部隊の長であるアクタスの言動には慣れているがゆえ、これ以上愚痴を吐くのを諦めたのかもしれない。
 アクタスは飛び回る白と、辺りで行軍する白へ時おり一瞥をくれては、四囲する人間へ微笑みかけ、そして吐息で笑う。
「喜びを与える肉も減ってきたからね。残念なのは本当だ」
 仰ぎ見た空の果てを、目を細めて見つめる。
 ちかり、ちかりと沁みる感覚がアクタスの唇へ複雑な情を刷かせた。
「王を尽く阻むディアボロス、か。……ふふ、興味深いね」
 ああ、やはり。
 光とは斯くも美しい。美しいからこそ、鬱陶しい。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【先行率アップ】LV3 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

棟方ろか
 お世話になっております。棟方ろかです。
 奇襲作戦をひとつ、出させて頂きます。

●最終目標
 アヴァタール級『翼蛇アクタス』の撃破

●選択肢の補足
 アヴァタール級の『翼蛇アクタス』がパラドクス用に連れている一般人は、今回助けることができません。
 ですが、助けたい想いや、助けようとする行動をプレイングに書いて頂けましたら、RPとしてしっかり受け止めさせていただきますので、どうぞ思いのままに。

 それでは、ご武運を。
110

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ラト・ラ
マティアス(g00097)と

さぞ気に食わないことでしょうね
マティアスの言葉に頷きをひとつ
…しかし敵のご機嫌取りはしていられません
悪戯は無茶のない範囲で行うように

空中戦において、竜よりも上手なつもり?
自由にはさせないわ
パラドクス【星影】を使用
敵の翼を狙うのは刃の如く鋭利な星々の光
【パラドクス通信】でマティアスと細やかな連携を心掛けつつ
【ダメージアップ】の効果も併せ
敵に立て直しの猶予を与えぬよう追撃

物の例えだとしても不謹慎です…っ
土の中で―― なんて台詞が聞こえれば
すかさず声を上げてしまう
自分がこんなにも近くにいながら
彼をそんな目に合わせるわけにはいかない
そう思うと瞬間的に攻撃の手が強まる
状況判断は冷静に――改めて自身に言い聞かせ
敵の動きを意識しながら
こちらへと飛び込んでくる個体には
星の光で目眩しを喰らわせた上で回避を試みる

……まったく、調子がいいんだから
かけられた賛辞には照れ隠しか、はたまた不貞腐れてか
竜の翼をばさりと揺らした


マティアス・シュトローマー
ラト(g00020)と

進路変更せざるを得なくなったイスカンダル軍に、さらにサプライズをお見舞い出来るなんて!
ふふん、腕が鳴るなー
今日の悪戯は大目に見てくれるよね、修道女様?

ラトとタイミングを合わせてパラドクスを発動。雷撃を纏った数多の弾丸を敵陣に放ち、複数の個体を同時攻撃する事でその連携を打ち崩す
狙うのは敵の機動力の要である翼。アイコンタクトや【パラドクス通信】で言葉を交わし、ラトとも狙いを統一する事で効率よく敵を撃破していきたい
さらに【通信障害】の効果も合わせて使用する事で援軍を呼び込まれるのを阻止しよう

生憎、まだまだくたばるつもりは無いんだ
それに俺は土の中で静かに眠りたいタイプ――って、冗談だって!
反撃は致命傷だけは避けられるよう、その軌道を見極め角型スコップで往なし、次の攻撃の機会を窺う。攻めの姿勢で立ち回る事で【グロリアス】の効果を最大限に活用。回復しつつタフに戦い抜こう
ラトへのディフェンスも抜かり無く

さすが!
修道女様のお導きがあれば向かう所敵無しだね


 気高き光が空を舞う。亜人の軍勢が蠢く荒野で、かの光は岩陰で窺うラト・ラ(*☽・g00020)の眼にも届いていた。苦々しそうに見つめる彼女の横顔を知りながら、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は得意げに目線を上げる。
「軍が進路変更せざるを得なくなっただけでも『参ったか!』って気分なのに……」
 積み重ねてきたディアボロスの勢いを実感した。だがそれ以上に楽しくて仕方がない。
「さらにサプライズをお見舞いできるなんて! 腕が鳴るなー」
 揚々と語る彼へラトも顎を引き、そっと睫毛を伏せた。
「お相手からしたら、さぞ気に食わないことでしょうね」
「あ。もちろん今日の悪戯は大目に見てくれるよね、修道女様?」
 ちらっと確かめてきた視線へ、ラトが同じく眼差しで返す。
「無茶の無い範囲で行うように」
 念を押す口振りだったが、当のマティアスは喜びを顔に乗せて。
「よし、それじゃいよいよショーの始まりだ」
 二人分の呼吸が揃った直後、白に塗れた群れへ――仕掛ける。
 ここでラトが描くのは、星影さやかな夜ではない。重ねるマティアスのゲヴィッターもまた、敵陣を歓迎はしなかった。
 行軍へ降り注いだのは、透る光と共に数多のオクタグラム。それと弾丸の雨。
 まるで流星群の如き星々が。雷でも落ちたかのような威と眩さが。スプンタ・マンユの翼を撃ち抜き、輝きを切り裂く。
「何事デスカ!」
「敵襲、敵襲でございマスッ」
 空を謳歌していた光の幾つかが、明暗すら持たぬ死に染まったことで、翼蛇アクタス率いる部隊がざわついた。騒々しくなると同時に反撃が飛ぶ。
 小さな生命体が爆誕し、他の個体が群れを成して急降下する。狩りという名の反撃に出たのだ。鉤爪と嘴が次々にマティアスを襲い、泣き止まぬ生命体はラトを啄む――だが。
「おっとぉ!」
 マティアスは胸の前に構えた軽型スコップで往なし、栄光ある戦いの証を全身で感じ取る。ラトも赤子めいた鳴き声を避け、二人して漲っていく癒しを知った。こうして数体はディアボロスという餌を食べ損ねたのだ。
「生憎、まだまだくたばるつもりは無いんだ」
 いつか来る日だったとしても、彼の目の届く所には無い。
「それに俺は土の中で静かに眠りたいタイプ……」
「物の例えだとしても不謹慎です……っ」
 土の中という思わぬ響きがラトの耳朶を打ったものだから、現れた小型通信機を通して反射的に訴えかける。ラト自身も驚く程の声量が出て、マティアスの鼓膜を震わす。
「って、冗談だって冗談!」
 慌てた彼の姿を遠目に、ラトがぽそりと呟く。
「……なんてことを口にするのでしょう。もう」
 そして彼女は、マティアスとの物理的な距離を眼に刻んだ。
 今は手を伸ばしただけだと届かない。けれどこんなにも近くにいる。
(「それなのに、彼を危ない目に合わせるなんてこと……」)
 あってはならないと考えたら、熱が全身を巡る。一度深呼吸で冷まして、ラトは敵を見据えた。
「あなた方は、こういった重みすら知らないものね、屹度」
 けれどラトたちの目線が捉えた敵の姿は、奇襲に慌てふためくというより、優雅に飛び交うばかり。
「舞いを披露し続けるだなんて、竜より飛ぶのが上手なつもり?」
 ドラゴニアンたるラトの声色が、増幅された怒りと一緒に研ぎ澄まされていく。
「ディアボロス……! ワタシたちと争おうとは肝が据わってますネ」
「悠長に飛んだり喋ったりしているけどさ……」
 マティアスが鼻で嗤う。
「渡りの途上でこーんな雷雨に見舞われるなんて、不運だよね」
「ン、ぐぐ……っ」
 スプンタ・マンユが憤りを嘴まで押し上げた。そして再び、かれらが命を削ごうと宙で踊り始めれば。
 自由にはさせないわ、とラトが一歩踏み出して星芒を呼ぶ。たとえ聖なる輝きを持っていても、クロノヴェーダは清らかな星月夜を澱ませる存在。だから貫くのみ。
 マティアスも雷鳴を轟かせながら、周りを見回した。
 別の角度から仕掛けている他の仲間たちも、飛ぶ白を間断なく地へ落としていくのが見える。
「やっぱり狙うなら機動力、だよね」
 彼がそう笑む頃には、自身の前からもラトの前からも、一体の白き鳥が消え失せていて。
「さすが!」
 ひゅう、とマティアスが口笛を暁に鳴らす。
「修道女様のお導きがあれば、向かうところ敵無しだね」
「……調子がいいんだから」
 飾らぬ賛辞が通信機越しに聞こえ、ラトは意識せず唇をきゅっと結ぶ。表情ひとつ変えなかったとしても、彼女の竜の翼は胸裏を表すかのように、ばさりと揺れ動いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

ゼキ・レヴニ
こりゃ…確かに力技じゃあどうにもならん陣容だ
先に情報戦を制すってのは道理だぜ
まずはちょいと小石に蹴躓かせてやって
ジャイアント・キリングは後のお楽しみって事にしとこうかい
しかし…この乾いたにおい。近いからか、故郷を思い出しちまうなァ

【光学迷彩】を常に使用、慎重を期し
空から発見されんよう地形や遮蔽に隠れて偵察
斥候部隊や伝令、本隊から離れて行動する部隊を発見次第
有利な地形で待ち伏せ、もしくは砂煙や遮蔽に隠れ
味方と攻撃タイミング合わせ不意打ちを狙うぜ
金属塊『躯』を変じた対物ライフルで、どでかい嚆矢をくれてやる
いいねえその輝く羽毛、よく目立ついい的だ!

急襲防止に一撃毎に遮蔽の位置を変え見失わせつつ
指示役や伝令役、弱ってる敵から取りこぼしのねえ様に潰してく
暁光の雲は風使いで払い
雲間の影に狙いを定め、蹴撃をギリギリまで引きつけて至近で弾をぶっ放す
知ってるかい、この辺りの大地は血をよぉく吸うんだぜ
じきにお前らの軍がこの乾いた地を潤す事になるだろうさ

敵陣に深入りし過ぎんように注意、消耗が激しければ一度退く


オズワルド・ヴァレンティ
連携・アドリブ歓迎

真白の鳥に似た亜人に、翼ある蛇と…
何とも奇妙な組み合わせのようだな
まぁ良い、奇襲作戦をひとつ成功させて
イスカンダル軍の戦力を削るとしよう
獅子の名をもつ竜骸剣を携えて
先ずは護衛する白い鳥の群れから落とそうか

飛び回る白と、辺りで行軍する白の群れがいる様子
戦況全体の把握に務めて
不意打ち狙いの標的は揃えるように
仲間のディアボロス達とも
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図り
孤立と死角を防ぐよう立ち回る
より体力の低い敵兵から攻撃の手を集中
各個撃破を心掛ける

鳥型の亜人から、更に小さな生命体の群れが
作り出される様は…何とも言い難い光景ではあるが
鋭い牙は竜骸剣をもって凌ぎつつ
エサが欲しいなら、くれてやろうか
琥珀の触媒石に魔力を注いで
形成されるのは宿生木の枝葉から
放たれる金枝と新緑の矢の攻撃にて
鳥どもをより多く撃ち落とすとしようか
用済みの亜人擬きであっても消えゆく様は
……生命を何だと思っているのか
亜人にも鳥の頭にも理解は出来まい


ジズ・ユルドゥルム
…きれいな夕陽だな。
地上がどれだけ残酷な場所でも。いつだって、夕陽だけはきれいだ。
さて。殺し合うには良い時分だ。(戦面を下ろす)

あの禽獣どもは大層な名を持っているようだが。
果たして実力はいかほどのものだろうな。

「守護者の戦斧」を構え、「炎天の巡・旋」を起動。
戦場に【先行率アップ】の風を吹かせ、先制攻撃によって敵に更なる混乱をもたらしたい。

地上から、空中を飛ぶ鳥達へ向かって回転する斧を投擲。
斧の軌道を操って、鳥達の頭上を通り越し、奴らの更に上空から炎と斬撃を浴びせたい。
自然界の鳥であれば、上空から狩られることも警戒するだろう。
亜人の鳥は、自分が空から狩られる側になることを、どの程度想像しているやら。

敵の反撃は、手元に戻した斧で可能な限り薙ぎ払う。
飛び散る血肉は、害が無いのならば気に留めない。…今までだって、ずっとこうやって戦ってきた。

貴様らは…自分たちの生命すらも、踏み躙ることしかできないのか。
亜人をこのまま地上にのさばらせはしない。
貴様らの命脈は、この地で断ち切る。


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情&セリフ】
情報収集じゃなくて戦闘に集中していいのはありがたい
相手の横っ腹を突くとしようか
今回も狩りが上手くいくかは見ものだな!
俺たちは簡単に獲物になってやる気はない!逆にこっちが遊んでやるよ

【行動】
仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していく
残留効果は使用できるものはすべて使用する

まずは風で可燃性物質を巻き上げた後に着火して爆発する弾丸を製作する
それを放ち攻撃する
範囲が広いから多数で来られても巻き込めるはずだ
敵陣に深く入り込まないで攻撃もできるだろう

敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
背中からも攻撃される可能性があるから盾は背負って後方からの攻撃に備える

必要なら臨機応変に対処する


クーガ・ゾハル
@連携、アドリブその他歓迎

コンセイ――いろんなやつらが、あつまったチーム……ってことか
それならおれたちだって、そうだな
あいつらとはちがう
ディアボロスの戦い、みせてやらないとだ

ここはいつ来ても、なつかしいところによく似てる
かわいた風、やけた岩と、たいようと
くもよりも、しろいトリ

ひとりでとびこんで行くのはやめといて
仲間に合わせ、攻撃のタイミングをはかる
気付いて接近してきたトリに
【怪力無双】で
隠れていた岩なんかを投げつけ、砕けても目くらましにして
やつらの動きをほんの少し、ズラしてやろう

おれにはトリの翼もクチバシも、ないけど
ずっとうるさいこいつがある
片翼みたいに構えたチェーンソー剣を唸らせながら
<穿葬>に貫通撃のせて、二体まとめて
しろい体の中央を貫ける瞬間を、ねらう
剣を盾がわりに、猛攻を凌ぐ
受けそこなっている仲間がいれば、ディフェンスにも入る

しろくてキレイなくせに、ザンコクでえらそうなトリ
高いとこからは、ヒトはちっぽけなモノに、見えてただろうな
見おろすのをやめて、おちてこい


 きれいな夕陽だな、と最初に呟いたのはジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)だった。荒涼とした地を照らす色に美しさを感じたからこそ、悍ましい軍勢との対比に目を細める。
 彼女あいる岩陰の近くでも、数名のディアボロスが様子を窺っていた。
 鳥に近しい亜人と翼ある蛇という歪な部隊を眺めるオズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)も、その一人。
「あれが今回の敵か。何とも奇妙な組み合わせだ」
 竜骸剣を握り直すオズワルドの近くで、クーガ・ゾハル(墓守・g05079)が思考を巡らせた。
「クミアワセ、コンセイ……いろんなやつが、あつまったチーム、ってことか」
 生まれも文化も経験も違う存在の集まりだと思い至れば。
「おれたちだって、そうだな。でも……」
 クーガは呟きながら瞼を落とす。同じ混成部隊であっても――あいつらとはちがう。そう考えて目を押し上げた。
 そこでゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)が苦々しげに言う。
「こりゃ……確かに力技じゃあどうにもならん陣容だ」
 荒野を埋め尽くす蠢きを前にしたら、彼でなくても口にしたであろう言葉だ。
「ちと近付いてみる。合図したら仕掛けようぜ」
 迷彩模様を纏ってゼキはゆく。隆起した大地の陰から陰へ。そして距離を詰めてより感じたスプンタ・マンユが放つ輝きに、おいおい、と肩を竦める。
(「あんだけ光ってちゃあ斥候も何も無いぜ。忍ぶ気なんざ更々ないんだろうが」)
 照準を定めながら振り返り、ゼキは頷く。
 翼蛇アクタスの部隊が、僅かでも本隊から外れたから。
 そこで仲間たちも動き出す。
 オズワルドが仰ぎ見れば、空でも真白が群れを成していた。広がる眩しさは、一刻も早く落とさねばと、そんな気持ちを抱かせる。
 荒田・誠司(雑草・g00115)もまた、集中力を一点に注いでいて。
(「情報収集を必要としない戦いだ。ありがたい」)
 荒事を行う身としては、正々堂々と戦いを仕掛ける他、敵陣の横腹を突くのも慣れたもの。とはいえ『敵を倒す』以外の要素が絡むよりかは、随分やりやすい。
 仕掛ける準備をジズも整えていた。
「……さて。殺し合うには良い時分だ」
 乾いた戦面を纏えば、彼女は「人」から「獣」に変わる。

(「ジャイアント・キリングってお楽しみが待ってんだ」)
 眼前の敵を潰して拓ける未来があると知れば、ゼキの気も逸るもの。
「……どでかい嚆矢をくれてやる」
 だからゼキは『躯』で大口径の対物ライフルを模り、撃ち込む。銃声と反動が自身に響くも、逞しい機械腕で御して。
「いいねえその輝く羽毛、よく目立ついい的だ!」
 羽根を散らしたスプンタ・マンユは、すぐさま辺りを輝く雲で覆う。
「グッ、ディアボロス……イツの間にここへ」
 騒然となった様子が光雲から聴こえ漏れる中、一体が飛び出す。反撃となる強襲がゼキへ食らいつくも、受け手は片頬を擡げるだけ。
 そこへ。
「腹を空かせているなら、くれてやろうか」
 オズワルドが暁をも溶かす琥珀の触媒石へ、魔力を回した。形を成して伸びた枝葉から放たれるのは、金枝と新緑の矢。
 矢が走る中、クーガも勢いに乗るべく前腕部と五指を硬質化させ――茜空に似た輝きを帯びて、地を蹴る。空の所為か己の力が原因かも判らぬ熱を連れ、くつくつと喉を鳴らすスプンタ・マンユの元へ。
「ディアボロス、デスカ。その身はワタシが喰らいマス」
 会釈して真白の鳥もクーガへ迫る。双方勢いは強く、ならばとクーガが沸き上がる怪力で転がる岩を持ち上げた。それを投げつけてみるも。空を制する亜人はひらりと避けてしまう。
「その程度でワタシを止めるおつもりデスカ?」
「ん。ちょっと、ちがう」
「……チガウ?」
 岩石の行方すら歯牙にもかけぬ鳥へ、クーガは連ねた。
「いっしゅんをつくるって、だいじだ」
 クーガが答えた直後――オズワルドの手を離れた矢が、決して逃すまいとする使い手の意思で、二体を塗り潰す。
「これがエサだ。篤と味わうんだな」
 途端に、翼を持つ小さき者が生まれ出づる。キュイキュイと合唱した群れが、白銀の竜骸剣に阻まれながらオズワルドを喰んだ。やがて短い命を終えたかれらの名残を前に、オズワルドの眉根が寄る。
「……生命を何だと思っているのか」
 鳥へ届かなくても、声に出さずにはいられなかった。
 たとえ用済みであっても。亜人擬きであっても。歯痒さに似た感覚がオズワルドに滲んでいく。
 その間も、片刃の斧がジズの手から飛び立っていた。
「あの禽獣どもを黙らせるのにうってつけだ。……貴様らの命脈は、この地で断ち切る」
 ぞくり、と肌が粟立つ。守護者を冠した斧は炎を伴い、ジズの眼差しが示した先めがけて回転していった。そして容赦なく数体を切り裂き、炎で焼き、羽根を散らせる。
「な、なんという軌道デショウ」
 スプンタ・マンユが驚きに目を瞠るそのときも、同士は墜落していく。同時に小さな亜人型生命体が、鳴き声を上げながら群れをなして飛び回る。餌を求めて鋭い牙がジズの肉を欲した。
 造りだされた生命体たちを再び映して、オズワルドの瞳が揺れる。
「……何とも言い難い光景ではあるな」
 けれど視線は逸らさない。記憶へ焼き付けるオズワルドの傍で、更にクーガが跳ねた。
「しろくてキレイなくせに、ザンコクでえらそうなトリ」
 硬化した腕で真白を貫く『穿葬』に相対するは、鳥葬。集団で狩ろうとするスプンタ・マンユの力だ。一体を葬れば、もう一体に強靭な嘴で噛みつかれた。ちり、と痛みがクーガから噴き出す。
「ワタシたちでディアボロスを完食してみせまショウ」
 自信に満ちたスプンタ・マンユへ顔を向けて、誠司が嘲笑う。
「俺たちを? はっ、簡単に獲物になってやる気はないぞ」
 エレメントリボルバーへ片手を預け、嵐を巻き起こした一瞬のうちに特殊弾を仕込む。吹き荒れるそれこそが誠司の秘める炎であり、エネルギーでもあった。だから。
「逆にこっちが遊んでやるよ」
 着火によってスプンタ・マンユ三体を巻き込んだ爆発が、その命を削る。
「果たして狩りは上手くいくか、見ものだな!」
 浅めに笑う誠司を、眼光鋭く白の鳥が睨めつけて翔けた。
「いいでショウ、味わわせてあげマス」
 爆発によって白を損ない、傷だらけになった翼でスプンタ・マンユが急襲する。その動きは正に、獲物を葬るかの如く。
「ワタシたちに歯向かうとは、愚かデスネ!」
 叫ぶ鳥が間近へ来ようものなら、誠司は隙なくフェイク・プリドゥエンを構えた。降りかかる鉤爪が彼へ苦痛を齎す。しかし受けた痛みと衝撃を知りつつ、誠司は不敵に笑い、そして言い返すのだ。
 どうってことないな、と。
 虚勢を張ったのではない。彼自身の強靭さも然ることながら、場に染み入った微々たるグロリアスの加護も、彼を始め仲間を支えていた。頼れるものはあればあるだけ、一層戦いに集中できる。

●戦
 漆黒の風が吹き渡る。髪を靡かせて駆けたジズの余韻だ。
「どうだ。大層な名を持つ貴様らは、この風に乗れるか?」
 乗れやしないと解っているからこそ、ジズは挑発した。ぐぐ、と悔しそうな鳥の呻きが僅かに転がり、そこで曙光を閉じ込めたような雲が漂う。視界に広がる雲があるというのに、ゼキは鼻腔を擽る乾いた匂いに夢中だった。
(「近いからか、どうにも故郷を思い出しちまうなァ」)
 撫でる風をも懐かしんで、知ってるかい、とゼキが雲隠れした敵へ問いかける。
「この辺りの大地はな、血をよぉく吸うんだぜ」
 なぞなぞでも出すかのような軽妙な口振りだ。
「じきにお前らの軍が、この乾いた地を潤す事になるだろうさ」
 深く踏み込む代わりにゼキが放つのは、死の宣告で。
「ただ、お前さんがその日を拝むことは無いぜ」
 煽り文句と共に指先でちょいと手招けば、白光めいた鳥が雲間から顔を出す。そのとき。
「右方」
 方角を報せるオズワルドの声が突き刺さった。更には勢いを殺さず、弱った巨鳥をオズワルドが、もう一体は振り向きざまにゼキが仕留める。白の命が一つずつ掻き消えた後で、ゼキが軽く片手を掲げれば。オズワルドも首肯のみで応じた。
 そこへ不意に、ギギギと鈍い音が響く。嵐炎で陣を乱した誠司が、背負った盾で鉤爪を滑らせた音だ。
「嵐だけだと思うなよ!」
 宣言と共に振り回した盾で、群れる白を岩肌へ叩きつけていく。嵐に加えて味わう、この衝撃――己の聖なる光を地面とディアボロスへ浴びせながら、鳥は云った。
 なんて煩わしいのデショウ、とだけ。散り際に。
 気付けば残敵の影も随分と減り、数えていたオズワルドが告げる。
「残りは片手分にも満たない」
 そして関わろうともしない部隊の長アクタスへと、目線で皆の意識を促す。
「次に消すのは、部隊長にくっついている白だ」
 そうオズワルドが現状を綴ったなら。
 泳ぐ雲よりもずっと白い鳥が、悠々と舞い上がる。
 鮮やかな光景の下で、なつかしい、という感覚をクーガは静かに胸へ押し込む。
(「トリの翼もクチバシも、おれにはないけど……」)
 片翼を担うかのように構えたチェーンソー剣が吼える。この唸りはまるで、早く斬り裂かせろと訴えているかのよう。
(「ずっとうるさいこいつがある、から」)
 葬る標的をクーガが見定めたが最後。分厚い白の胸元を――刃が貫いていて。
「ドウシテ……こんな、はずデハ」
「これがディアボロスの……ちっぽけなモノに見えてた、ヒトの戦いだ」
 高所に居座るスプンタ・マンユの眼では、ヒトなどちっぽけに過ぎないだろう。かるがゆえにクーガはそう突きつけた。命を失った巨体にはもう、届かないけれど。
「やっと、おちてきた」
 願い続けた景色を、クーガは自身で手繰り寄せたのだ。
 それだけではない――炎天は何度でも巡る。
 夕陽が滲む地上でジズが披露するのは、ひとつ。
 生命体の牙を折り、その際に軸とした片足で岩を蹴っての、敢為なる一撃。それが息も絶え絶えな鳥を震え上がらせる。
「何故……ワタシたちを、襲撃するなどという、無茶なマネヲ……?」
「そうだ、貴様は知らない。気付きもしない」
 腕へ飛んだ血肉を振り落とす暇さえ惜しんで、ジズが結う。
「自分たちの生命すら容易く踏み躙る、貴様らは」
 ジズの吐息が面の下で留まり、間もなく喉奥で笑う。
「やはり、自然界の鳥からは遠すぎる」
 他でもない空を舞台に、狩られる立場であると自覚して、警戒できる生物ではなかった。少なくとも、かれらは。

「お得意の狩りとやらも失敗したようだし、そろそろ大詰めだな」
 誠司は皮肉めいた声色で事実を告げて、部隊の長へ意識を向ける。スプンタ・マンユが葬られようとも眉間に皺ひとつ刻まぬ男、アクタスへ。
 かの男へ一瞥をくれたのは、ゼキもだった。
「ああ、暁光は潰した。……あっちも小石に蹴躓かせてやるとするか」
 実際、この部隊から白を掻き消した影響で、イスカンダル軍の戦力も削れてきている。そのためオズワルドも頷いた。
「奇襲作戦をひとつ成功させるまで、あと一歩だ」
 王手が掛かっていると示された翼蛇アクタスは、うっそりと笑い、こう紡ぐ。
「……ああ、なんて美しい光だろうね。でも、そう。だからこそ……」
 ――光は、斯くも鬱陶しい。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

ラト・ラ
マティアス(g00097)と

こんな酷い仕打ちをするなんて…
よほどの覚悟がおありなのでしょう
自分自身が同じ――いえ、それ以上の苦痛を味わうことへの
淡々とした言葉に静かな怒りを乗せ
マティアスの声掛けに一歩を踏み出す

駆け出す少年の後方に立ち
【迎火】を生む
深い闇に沈んだまま朽ちてしまわないで…!
操られた人々を取り戻せないと知っても尚、
簡単に割り切ることなどできない
一欠片の希望を願わずにいられない
底に眠った自我を一瞬でも取り戻せたなら
その手を必ず取るから――!
ひとりぼっちではいかせない

【ロストエナジー】の瘴気で反撃を阻み、
【活性治癒】で一般人の皆を回復しつつ
それぞれに諦めず声をかけ続ける

あなたたちの想いは、未練は、
わたしたち《復讐者》が背負います
小さな光も、小さな灯火も
集まれば闇と悪を打ち消す強い力となる
【パラドクス通信】でタイミングを測り
蓄えた大きな火を撃つように
開けた道の向こうのアクタスへ――
迫る苦痛、胸を貫かれる痛みを抱えようとも
この両足が地に折られたとしても
負けない――必ず届かせてみせる!


マティアス・シュトローマー
ラト(g00020)と

人の心を、命を何だと…なんて聞くまでも無いか
行こう、ラト
彼らを救わないと

地を蹴る合図でパラドクスを発動。【先行率アップ】の効果を纏ったダッシュでアクタスへと突っ込み、視線を自分に引き付けたところで【罪縛りの鎖】を使用。彼を守ろうと立ちはだかる一般人の動きを封じよう
さらにパラドクスで召喚した影蛇をアクタスへと嗾け、足止めと同時に締め上げる

影が濃ければ濃いほど、それを生み出す光は――
ふふ、グッドタイミングだよ
修道女様!
道を切り開けば修道女様の尊い祈りもバッチリ届くはず。【パラドクス通信】も使った隙の無い連携で確実にダメージを与えていこう

君達は盾でも、ましてや矛でも無いだろ?
心を奪われちゃ駄目だ
反撃のため向かってくる一般人は罪縛りの鎖や武器を取り落とさせる事で対処。彼らを救おうと動くラトへのディフェンスも

故郷はどんな場所だった?
大切な人は?
例え救う事が出来なくても、彼らの心に僅かな時間でも平穏を取り戻したい。痛みを受け止めた上で再び攻撃に出よう
ああ。この光は、絶対に届く!


 マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は一度、たった一度だけ俯いて息を吐いてから。
「……っ……行こう、ラト」
 そう言って顔を上げると、長い睫毛を濡らしてラト・ラ(*☽・g00020)も頷いた。
 微かに吹き渡る風は乾ききっていて、涙に濡れる暇さえない。そんな風を背に受けて、マティアスはアクタスへ突撃した。地を蹴る足に一切迷いはない。
 マティアスが影で蛇を編む間にも、人々はふらついたかと思えばしゃんとして立つ。
「あくたすさま……」
「アクタス様を……お守りせねば」
 視えてしまっても、マティアスは目線を外さない。
 聞こえてしまっても、ラトは耳を塞がない。
「おねがい、深い闇に沈んだまま、朽ちてしまわないで……!」
 マティアスの背を視線で追いながらラトが訴えかけるも、肉の盾と化した人々は応える心を持たずに。
(「大丈夫、わたしの声が出る限り……声が枯れない限り」)
 ラトはひと欠片の希望に縋る。
「絶対に、絶対にあなたたちをひとりにはさせない……!」
 無防備にも見える仕草をラトは選んだ。両腕を広げ、風も痛みも受け入れる体勢だ。
「ひとりぼっちではいかせない」
 彼女が伝える間にマティアスは鎖付きの枷を招く。パラドクスを防ぐことはできなくても、枷は人の足を鈍らせた。
 そこへ、ぼう、と神聖な迎火が焚かれる。人々に染みこんだ闇を浄化するべく――使い手の優しさを体現したのか、輪郭のまろい――大きな火が駆けていく。
 肩を僅かに揺らしたマティアスが、朗々と声を張り上げる。
「ふふ、グッドタイミングだよ修道女様!」
 火と共に走るマティアスが、ねえ、と一般人へ呼びかける。
「君たちは盾でも、ましてや矛でもないだろ?」
 痛覚を失い、本来あったはずの未練を書き換えられてしまった人々へ、ラトも手を重ね指を折りたたむ。
「あなたたちの想いは、未練は……復讐者が背負います」
 ラトはそれを『わたしたち』と呼んだ。ディアボロスという戦士の名を、抗う者たちの総称を。
 そう、『わたしたち』が彼らの想いと一緒に戦い続けているのだ。今この時も。
 だからか、それとも死へと手招く瘴気によってか、アクタスの眉間に谷が刻まれた。
「よほどの覚悟がおありなのでしょう」
 ラトが翼蛇へ投げかけると、相手はくつりと喉で笑う。
「そんな大層なもの、私には荷物でしかないよ」
「こんな酷い仕打ちをしておいて、それは通じない」
 次にラトが突き刺した声は、鋭く研ぎ澄まされていた。
「通じさせたりしない。かれらが味わったもの以上の苦痛を、必ず……」
 与えてみせると、面差しで射抜けば。
 淡々と紡がれた彼女の怒りにアクタスが感心するも、地を這った影蛇に纏わりつかれて動きが鈍った。
 その間にマティアスは人々へ声をかける。
「あのさ、故郷はどんな場所だった?」
「……え」
 猛攻の最中に聞く言葉ではなかったのか、驚きに近い感情が彼らの顔に現れる。
「大切な人とか、いたりした? 家族、友だち……」
 関係性を意味する音を連ねるマティアスの声は、心なしか震えていた。けれどおくびにも見せまいと彼は笑みを口角へ寄せ、影蛇がアクタスを締め上げる様を見届ける。
 いいね、と微笑を湛えたアクタスが呟く。眩しげに目を眇めて。
 どれに対する「良い」なのか、マティアスが尋ね返すまでもない。代わりに込み上げてくるのは、歯痒さ。
「……何だと思って……っ」
 人のこころを。いのちを。
 なんてことないモノのように扱う男を前にして、自らを落ち着かせるためにマティアスは深呼吸した。
(「心を奪われちゃダメだ。みんなも、俺も」)
 戦いの音ばかりが鳴りやまぬ場で、すうと寝息にも似た静かな呼吸が落ちる。
 そして、人々が血眼になって守ろうとしたアクタスを睨みつけた。
 直後、影蛇に睨まれた翼蛇を炎が襲う。
「あなたには絶対に、わからないものよ」
 ラトが言い切れば、アクタスが興味深そうに耳を傾ける。
「たとえこの両足が地に折られたとしても、この腕が磔にされたとしても……」
 負けないとするラトの白皙の頬には、いつだって穏やかな光が差している。荒涼たる大地の砂にまみれ、薄汚れ、現実に傷ついても絶えない光だ。
 彼女のそうした光もまた、出会った人たちが織りなす光の集合体でもあって。どんなに小さく、あえかな灯火も。集えば悪しき闇を打ち消せると、知っているから。
「必ず届かせてみせる!」
 ああ、とマティアスも顎を引いた。
「この光は、絶対に届く!」
 影が濃ければ濃いほど、闇が討翔ければ深いほど。光は鮮やかに、より輝きを増す。
 その光に焼かれたアクタスは、忌々しくともどこか嬉しそうに微笑むのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!

ジズ・ユルドゥルム
部下が屠られてもどこ吹く風だな。
気質がどうであれ、亜人は亜人か。

懐かしいな。盲従に酔った目、熱狂の籠もった声。
獣神王朝で見て以来だろうか。

……まずは操られた人々の状態を見極めたい。
手にした槍を反転し、柄側を構え、
足に強い打撃を与える等の「通常攻撃」を行い、人々の無効化を試みる。
上手く行かなければ一方的に反撃を受けることは、承知している。
それでも…助けられるなら、助けたい。

人々が完全にパラドクスの一部と化していることを確信したなら、もう躊躇しない。

斧に持ち替え「地漿の滴・赫」を起動。 
狙いは無論、見物を決め込んでいる翼蛇だ。

しかし、パラドクスの一部と化した人々に、斬撃を阻まれることが確定しているなら、
彼らを斬らなければ刃が翼蛇に届かないのなら、
誰かがやる必要があるのなら、

せめて死の恐怖を直ぐに終わらせるため、盾となった人々へ、躊躇わずに致命の一撃を与える。

彼らのことを肉と呼んだな。
あの人たちは生命だ。みんなそれぞれに、生まれた日のある生命だ。
亜人にそれを理解しろとは言わない。
命であがなえ。


オズワルド・ヴァレンティ
…嗚呼、そういうことか
鳥型の亜人にも感じはしたが
連中が何故群れていたのか…
自らの手は極力汚さずに
生命を道具のように扱う集まりだった訳か
悪趣味であるのを戦場で問いはしないが
高みの見物を決め込んで
己は汚れないと思い上がっているのなら
一矢報いるだけの策は講じて見せるとも
此処では救えぬもの達のため

獅子の名をもつ竜骸剣を携えて
アクタスへと不意打ちで斬り掛かれば
恐らく立ち向かって来るのは
肉の矛として使われる人間の
反撃は想定内、此方に向かう一般人…
武器持つ矛の総数を視界に収めて
一人、二人までなら凌ぐ自信はあるが
其れより多くは負傷が増えるもやむを得ず
忍耐力でもって剣技は続けて

とは言え、防衛も剣戟も
魔術師の本分ではないものでね
不意打つ手の内には魔力の収束、
生成され浮遊する星の鉱石により
此度こそ翼蛇へ向けて
貫通撃たる一条の熱線を放とうか
厭う光によって狙われる気分は如何なものかな?
幾度か向ければ対抗手段も取られるだろうが
パラドクスとしての攻撃魔術は此方が本命、
撃ち落とすまで何度でも
導きの紅星を灯し続けるとも


荒田・誠司
アドリブなど歓迎

【心情&セリフ】
一般人を文字通りの矛にするか!やりづらくしやがって
それでも一般人は傷つけずに行きたい。それを押し通せないわけないだろ
見えなければ攻撃のしようがない。そうだろ?

【行動】
パラドクス通信で仲間と声を掛け合いながら積極的に連携していく

まずは起動すると気配を含めたステルス装置のバッチを製作し装着
それを起動して素早く敵の背後に周り一撃を加える
俺の姿が見えなければ矛も機能しないだろう

攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや電光警棒で受けて防ぐ
一般人は怪我をさせない

必要なら臨機応変に対処する


ゼキ・レヴニ
蛇で天使で、エデンから毒林檎でも配りに来たってかい
ああ、しかし気に食わんな
そこの取り巻きが兵士として立ってるなら容赦するつもりはなかった
だが、お前は全て奪い操った挙句、そいつらを肉だと抜かしやがる
…ふざけるなよ
痛いとか怖いとかがあってこその人間だろうがよ…!

金属塊『躯』を槍に変じアクタスだけを狙って突撃*
「先行率アップ」を駆使した速度で様々な方向からヒット&アウェイを繰り返し
民間人に守りを固められる前に奴を貫いてやる
こいつは一番槍、鋒の前に死を齎し、後に続く者を守るための槍だ
鋒の前には蛇だけ、他の全ては後に置いてくつもりで
民間人に攻撃されても無視、アクタス目掛けて突き進む
四肢以外が傷付けば当然痛いが構いはしねえ
意思をも奪う奴のやり方と嘗ての機械帝国が重なり、痛みより怒りが上回る
痛みが余程ならおれの忍耐力*の限度も知れるだろ
どうしても民間人が邪魔なら武器を薙ぎ払い*無力化するか柄で打ち気絶させる

腕に抱えられる以上は掬えねえって散々学んで来たけどよ
悔しいモンは、悔しいんだよ
いつでもな

*=技能


 オズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)が目を細めた。
 そういうことか、と腹に落ちる。白き鳥の亜人にも感じていたものが色付き、鮮明になっていく。群れるのは鳥を模しているからとも考えられたが。翼蛇アクタスと、かれを取り巻くひとを前にして分かった。
(「自らの手は極力汚さずに、生命を道具のように扱う集まりだった訳か」)
 嗚呼、と嘆くオズワルドの吐いた息さえも荒れ野に吹き渡る風が攫っていく。
 一方でゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)も、ぬるく吐いた息を噛んでいた。
 ――ああそうかい。
 蠢く蛇の身と天使を思わせる翼。アクタスを構成する要素を理解して、ゼキがハッと強い息で笑う。ただその吐息はどこか苛立ちを孕んでいた。
「エデンから毒林檎でも配りに来たってかい」
 瞥見した先に建つのは、ひとだ。修練を積んだ兵士ではない。本意ではない心酔によって、狂わされた一般人の姿。
「……ふざけるなよ」
 人々が得物を振り回して襲い来るのを、ゼキはもどかしげに捉えていた。
(「容赦する必要がない相手なら、いくらでもやれたんだが」)
 砂埃で汚れ、行軍続きによる怪我も目に付く。そんな姿で「アクタス様のために」と信仰を振りかざしてくるのだから、ぞくりとゼキの背筋を走るものがあった。
 しかし、信じるもののために戦うだけなら――まだ良かったのかもしれないとさえ、ゼキは思う。眼前の彼らは違う。アクタスに奪い、操られた挙句。
「肉の盾に肉の矛……ハッ、抜かしやがる」
 胸に軋みを覚えつつ、一番槍として手柄を立てた少年兵の影を追ってゼキも踏み出す。
 仲間たちの動きと、敵陣の光景を前に荒田・誠司(雑草・g00115)は唇を引き結ぶ。そうだ、その通りだと自らの内側で滾る熱へ呼びかけた。誠司や仲間たちの前には亜人を取り巻く一般人――戦うすべも力も持たない人々が、確かにいるのだ。
(「やりづらくしやがって……!」)
 小型通信機で仲間の動きを耳で察しながら、誠司はバッチ型の装置を作製し始める。
「あくたすさまをまもれ!」
「ここは私たちが……!」
 攻撃の気配で人々は一斉に武器を構えた。
 両陣共に動き始めたというのに、翼蛇は悠然と佇むのみ。
 だからジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は睨みつける。
(「部下が屠られてもどこ吹く風だな。気質がどうであれ、亜人は亜人か」)
 ジズの鼓動を乱す懐かしさは、アクタスと彼を四囲する民からくるもの。夢に見る程ではなくても、盲従に酔った目が訴えかけてくる。熱狂の籠もった声が足元まで震い伝う。
(「獣神王朝で見て以来だろうか。この、噎せ返るような光景は」)
 乾いた大地に存在するからこそ、異質な様子だった。
 その異質さを、ジズだけでなくオズワルドもこう思う。
 ――悪趣味だ。
 苦々しさを噛み締めたオズワルドは、人々の姿かたちを記憶へ刻んだ。
 此処では救えぬかたちであっても、彼は知っている。操られたものであったとしても、断ち切れぬ人心や想いがあると。それはたとえ獅子の名をもつ剣で以てしても、砕けないのだと。
「思い上がりも良い所だ」
 彼の発言にアクタスが片眉を上げた。何が言いたいのかと問う顔つきで。
「己だけは汚れないと。果たして本当に……」
 そうだろうか。
 最後まで言を紡ぐより先に、オズワルドが躍り出た。羽ばたきにも似た軽やかさでアクタスへ斬りかかれば、竜骸剣へヒトが食らいつく。アクタス様、あくたすさま、と凛として呼ぶ者もあれば、拙く呼ぶ者もいて。
 想定内の光景ではあった。けれど。
(「痛覚を失っているとはいえ、怖れも感じないとは。感心しない話だ」)
 念うも声では模らず、技術的に幼い人々の一振りを凌ぐ。乱暴な刃を避け、突っ込んでくる切っ先を打ち払った。
 オズワルドが切り込むのと並ぶようにしたジズへ、心酔した人々が腕を伸ばす。助けを求める手ではない。槍の柄で足払いを仕掛けたジズに対する、情熱に溢れた敵意だ。
 ジズは息を吐く。
 ここまでの攻防からも見紛う筈がなかったのだ。人々は完全に、パラドクスの一部と化していると。
 確信したなら躊躇を脱ぎ捨てて、斧を握り直す。
「いつまで見物を決め込んでいる?」
 赤熱が暁よりも濃く岩漿を湧き立たせ、ジズを力強く送り出した。
 こうして繰り広げられた光景を見つめ、悔しさともやりきれなさとも言える音を噛み砕いて誠司が呟く。
「文字通り盾にも矛にもするのか……よりにもよって一般人を」
 心を操られ、為されるがままに扱われる。そんな人々の姿を誠司はゴーグル越しに、眼裏へ焼き付けた。
(「痛覚を失っているというのも、厄介だ」)
 記憶へ刻んだ誠司は、装置を着けて駆けだす。
 痛い、苦しいと訴えかけてくれる方が幾許かやりやすいのだろうと、誠司は言葉も声も呑み込んだまま仕掛ける。胸はより痛むかもしれないが、何も感じない相手がいる状態は戸惑いを掻き立ててくるものだ。
(「傷つけずにいきたいが、しかし……」)
 がむしゃらに武器を振るう人間たちは、やはり精錬された兵とは違う。鍛え上げられた戦士なら、ある意味で誠司も受け流しやすかった。予測しやすさと予測しにくさが共存する彼らの動きは、『姿無き攻撃』を与える誠司にも把握し辛くて。
 それでも彼は相棒となる盾と電光警棒で、どうにか纏わりつく人たちからの刃を防ぐ。
 狂奔しながら襲い来る力なき人々の一打は、パラドクスである以上、たしかな威力でディアボロスを痛めつけた。
 そんな中、傷つけられても構わずゼキが首魁という標的を目指す。
 死に物狂いで行く手を阻んでくる。生きたいとも願わず、痛いとも叫ばない向こうは必死に主を守るだけ。そんな民間人を止む無く薙いで、ゼキはアクタスめがけて吐き捨てる。
「気に食わねえ」
「……何?」
「気に食わねえって言ったんだ」
 近接はゼキも得手とするところ。誰よりも、あいつよりも真っ直ぐに猛進すれば矛先も狙い過たず、悠長に靡き続ける男の翼を散らした。
「痛いとか怖いとかがあってこその人間だろうがよ……それを勝手に奪いやがって!」
 刺し貫いた感触が生々しく伝うも、ゼキはそれを力とする。
 何故なら彼が掲げたのは一番槍。鋒の前に死を齎し、後に続く者を守るための槍だ。
(「これもあいつの記憶だ。屹度な」)
 かるがゆえに、痛みよりも上回った怒りを乗せて――役目を果たした。
 切り拓かれた道で、誠司は拳を握り締める。
「さっさと終わらせないとな。……彼らのためにも」
 崩れ落ちるように倒れていく人々を瞥見して、造り上げた装置を身に着けた。
「これ以上、好き勝手できると思うなよ?」
 片翼を失ったアクタスへ宣言し、誠司がひた走る。休む間も止まる間も持たずに一撃を浴びせると、アクタスが驚きに瞠目して。
「よいものだね、こういう眩しさは。実に……」
 ――実に鬱陶しい。
 最後まで言い切るより早く、誠司はかの亜人から距離を取る。
「今だ!」
 合図に近しい呼び声を誠司が発し、オズワルドが煌めく星の鉱石を浮遊させる。それこそ彼が生成した大二十面体の星で。
「言うまでもなく、剣戟は魔術師の本分ではないものでね」
 一言、彼が紅星と呼べば、熱戦が蛇を射貫いた。
「さて」
 吐息めいた短さで、ここへきてオズワルドが語り掛ける。
「厭う光によって狙われる気分は、如何なものかな?」
「……この上なく気味が悪いよ」
 アクタスはあくまで不気味だと評した。
「僕はそれでも灯し続けるとも。何度でも、撃ち落とすまで」
 言葉通り、導きの紅星が蛇のうねりを打ち砕いたから。
 斧を茜色の空で研いだジズが、飛び込んでいく。
 まだ立ち塞がる人は残っていた。そして呪いに苛まれたひとの唇は戦慄かない。だからジズは、彼らが忘れた恐怖を終わらせる。戦面の下で誰に見られるでもなく瞼を伏せながら。
 どうして、と名も知らぬ誰かは言わなかった。
 痛い、と名も知らぬ誰かは叫ばなかった。
 そうしてジズの目の前で交わった赤と命の滴は、やがて。
「な、に……?」
 使役者たる亜人を、冴えた赫灼で染め上げる。
 すると名も知らぬ誰かではなく――アクタスの唇が脅威に震えたのだ。
「肉と呼んだな?」
 彼らのことを。
「蹂躙したな?」
 彼らの生命を。
 大いなる地の怒りを連れたジズの声色は、男を追い詰める程に低く。
「フ、フフ……だから何だというんだね?」
 返る嘲笑いにジズの足裏で砂礫が、ざりと鳴る。力強く踏み込んだ証だ。
「貴様は知らないだろうな、それぞれに生まれた日があることを」
「生まれた日? 壊れモノのできあがった日なんて、私が知る必要はないよ」
 ――私はただソレを傍に置き、ただ幸福を与えれば良いだけ。
 アクタスは己の方針を微塵も顧みなかった。ならば言葉はもう、不要だ。
「命であがなえ」
 終わる命に、ジズは理解など求めなかった。

 余韻に立ち尽くすディアボロスたちの輪で、髪を無造作に掻いて、ゼキは細長く息を吐く。
「そりゃあ散々学んで来たけどよ」
 腕は二本しかなくて、この腕に抱えられる以上のものは掬えない。掴んで、握って、触れる数にだって限度があるのはゼキも充分すぎるほど知っていた。
 それでもなお拭えぬ情がある。いくら経験を積み重ねたとて、忘れられないものが。
「……悔しいモンは、悔しいんだよ。いつでもな」
 微かな声は誰へ届くでもなく、乾いた風に紛れた。
 ゼキの想いは、彼らの戦いを見届けた大地だけが知っている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年03月15日