【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】タウリカ王の野望

 このシナリオは【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 蹂躙戦記イスカンダルのジェネラル級及び、パキスタン、アフガニスタンを強奪しようとしている『蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ』、亜人の配下となっている『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。

 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、【パイリサデス1世】の軍勢です。
 『パイリサデス1世』は、タウリカ(クリミア)半島を支配していた、ボスポロス王国の君主の名を持つジェネラル級亜人で、《七曜の戦》後に出現したジェネラル級です。
 傲岸不遜な野心家で、自らが断片の王となる野望を持っているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑥パイリサデス1世」の敵残存率を低下させます。

【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】黒き牙、蹄の白(作者 犬塚ひなこ
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#蹂躙戦記イスカンダル  #【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】タウリカ王の野望  #蹂躙戦記イスカンダル奪還戦  #⑥パイリサデス1世 


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#【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】タウリカ王の野望
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#蹂躙戦記イスカンダル奪還戦
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#⑥パイリサデス1世


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●野望の王
 ボスポロス王国にて。
 石造りの王宮内には、余裕の表情で酒を楽しむ『パイリサデス1世』がいる。
「断片の王イスカンダルとディアボロスの決戦が始まるのか。いいだろう、好きに殺し合うがいい」
 女性を侍らせたパイリサデスは口の端をあげて嘲笑った。
 タウリカ半島で力を蓄えていた彼らは漁夫の利を狙い、新たな断片の王となる野望を抱いているようだ。傲岸不遜な野心家らしい考えの彼は一気に酒を煽り盃を掲げる。
「いずれはこの俺が、真の王になるために! 祝いの準備でもしておこうか!」
「流石はパイリサデス1世、我らが王よ」
「ガハハハハ、酒をもっと持って来い!」
「はっ、ただいま持って参ります」
 何処までも自信満々に振る舞うパイリサデスに対し、配下の亜人は褒め称える言葉を掛けていく。
 その最中、護衛として王宮の端に佇んでいる暗殺教団員たちは妙な予感を覚えていた。戦いが始まることは分かっているのだがそれとはまた別の嫌な感覚がしており、落ち着かない様子だ。
 それがディアボロスの襲来の気配だということに彼らが気が付くのは、もう暫し後のことになる。

●白光に屈せず
 神威断罪ギガントマキアの力を使い、断片の王・イスカンダルが決戦を挑んでくる。
 なかでもゼウスの雷は新宿島を破壊するだけの破壊力を持つ為、此方も迎え撃つ必要があるだろう。フラーニャ・ポラット(ウェアキャットの亜人スレイヤー・g08918)は次なる戦いについて語り、仲間たちに呼びかける。
「キラキラな未来を守るため、今こそ戦うにゃ!」
 蹂躙戦記イスカンダル奪還戦の勝利は不当に虐げられ、利用されていた者たちの救いにもなる。フラーニャはスレイヤーソードの柄を強く握りしめながら此度の戦いへの意気込みを見せた。

 戦いに確実に勝つにはまず戦力を削ることから。
「どうにも不穏なことを考えている輩がいるようにゃから、そいつの軍勢を倒しに行って欲しいにゃ」
 今回、向かうことになるのはタウリカ半島。
 現在のクリミア半島にあたる場所を支配するしているジェネラル級亜人『パイリサデス1世』がいるボスポロス王国の王宮だ。パイリサデス1世はその功績からディアドコイ評議会に列せられているが、自らが新たな断片の王になるという野心を抱いている厄介な敵らしい。
 その配下であり護衛でもある『暗殺教団員』が此度の敵となるだろう。
「今の断片の王も、次の王もどきも徹底的にぶっ飛ばすにゃ! みんにゃ、えいえいおーにゃー!」
 フラーニャは片手を大きく掲げて意気込む。
 そうして此処から、歴史の奪還戦に繋がる戦いが繰り広げられてゆく。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【乗物改造】
1
「60÷効果LV」分をかけて馬や馬車など「地上用の乗物」を改造し、最終人類史のオートバイまたは四輪乗用車のような外見に変化させる。改造後のオートバイは最大2人、乗用車は最大「4+効果LV」人まで搭乗可能で、最高時速「100+効果LV✕10」kmで走行できる。改造した乗物は破壊されない限り、24時間後に元の姿に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

犬塚ひなこ
 こちらはファーストアタックシナリオです。
【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】タウリカ王の野望の戦場となります。
 
 戦う場所はタウリカ半島(現在のクリミア半島)内のボスポロス王国、石造りの王宮付近。
 目的は『暗殺教団員』をできる限り多く倒すこと。
 
 敵は油断ならぬ相手ですが勝てない戦いではありません。ですが、長く戦いすぎるとディアボロスが負けてしまう可能性があります。ある程度の暗殺教団員を倒したら撤退する戦法を取るのが得策です。

 また、通常では『パイリサデス1世』とはこのシナリオで戦うことはできませんが、ディアボロスが著しい戦果をあげた場合、極低確率で登場する可能性があります。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


サァエフ・エピファニア
ライラ(g11373)と参加

真なる王。難しくも興味惹かれる言葉です。ぜひご意見拝聴しましょう。我が親愛なる友ライラ、私たちの強さをもってその惰弱な意見ねじ伏せんがため! 彼女からもらった指輪を握りしめ、使命感に燃えています。

なるほど。二人1組の連携で必ず戦果をあげる非情の試み。よもや卑怯とは言いますまい。我々もタッグを組んでおりますから。堅固な頼りになる味方に、身を守られているというアドバンテージをみすみす捨てはしません。早業から繰り出す《アヌビスの膕》で必ずや手傷を負わせてみせましょう

逆にこちらが、特にライラが手傷を負うのであればそこが潮時かと。
来たるべき大戦に戦果をもたらすため、聡き私たちは引き際も弁えます


ライラ・シャール
サァエフ様(g00099)と参加
サァエフ様に対してのみ敬語。他は隠れ刃口調で敬語を使いません

イスカンダルには縁があるの。
最初にサァエフ様と参加したのがイスカンダルだった。
まぁ、本当に最近の話なんだけど。それで直ぐにこの奇襲作戦が始まって。
……此処で見て見ぬ振りってのも格好悪いじゃない?

サァエフ様と連携して。
参りましょう、サァエフ様!私達の強さ、見せてあげる!

ダガーを【投擲】しながら、接近戦を仕掛け銘刀の【斬撃】、【両断】を狙うわ。
死角からの対象をサァエフ様と連携して躱し、『死の舞踏』で【ダンス】。
踊ってらっしゃるサァエフ様もやっぱりお綺麗ですね!
サァエフ様をディフェンスし、御身に傷を付けさせない立ち回りを意識していくわ。
あら?女二人に言い様にやられるなんて。相手が魅力的過ぎて緊張しちゃうのかしら?
軽く投げキスとか、そんな【挑発】しながら、ちょっと派手に暴れるわ。

撤退は傷を負う辺りか、あっちの増援に歯止めが効かないぐらい出てきた時かしら。
手遅れになる前に撤退しないとね


●舞い踊る一閃
 このボスポロス王国で牙を研ぐ者。
 それが此度の戦場における首魁、パイリサデス1世だ。
「真なる王。難しくも興味惹かれる言葉です」
 サァエフ・エピファニア(勝利をもたらす腥風・g00099)は戦場に吹き抜ける風を受けながら、遠くを見つめる。現状は集っている軍勢しか見えないが、拠点の奥にはパイリサデス1世がいるのだろう。
「ぜひご意見拝聴しましょう」
 新たなる王になって何を成していくつもりなのか。もしパイリサデスに会えたならば聞いてみてもいい。
 サァエフが静かに双眸を細める中、ライラ・シャール(死神・g11373)も戦意を抱いた。
「イスカンダルには縁があるものね。……此処で見て見ぬ振りってのも格好悪いじゃない?」
 ライラが思い返すのは以前、サァエフと共に駆け抜けた戦場のこと。
 本当に最近のことではあるがライラにとっては思い出深い出来事でもあり、縁を感じるのに十分だった。そして、身構えたサァエフが呼びかけてくる。
「我が親愛なる友ライラ、行きましょう」
「はい、サァエフ様」
「私たちの強さをもってその惰弱な意見ねじ伏せんがため!」
「いざ参りましょう!」
 サァエフはライラから貰った指輪を大切そうに握りしめ、その裡に燃える使命感を言葉に変えた。同時にライラも気持ちを声にしていき、ひといきに駆け出してゆく。
 相対するのは王の護衛軍でもある暗殺教団員。
 ディアボロスの気配を察知したのか、亜人たちは即座に構えた。だが、ライラが投擲したダガーが敵陣に届くほうが幾分も速かった。
「私達の強さ、見せてあげる!」
 覚悟しなさいと付け加えたライラは駆けた勢いに乗せ、仕掛け銘刀で斬撃を見舞う。
 両断を狙うライラに続いてサァエフもファラオ柔術による攻勢に入った。それは墓場の守護者を冠する力であり、アヌビスの膕の名も持つものだ。
 対する暗殺教団員は二手に分かれ、一方が手甲に仕込んだ鎖で絡め取ろうとしてきた。
「なるほど。二人一組の連携で必ず戦果をあげる非情の試み」
 サァエフは素早く鎖を避け、もう一方の敵に注意を払う。相手の戦い方を分析した彼女は一瞬だけライラの方にも目を向けた。通じ合っている二人にとって合図はたったそれだけで構わなかった。何故なら次の瞬間にはライラがもう一方を相手取り、死角から狙ってくる敵に斬撃を叩き込んでいたからだ。
「よもや卑怯とは言いますまい」
「そうよ、だって――」
「我々もタッグを組んでおりますから」
 ライラの声に合わせ、サァエフが足技を繰り出した。それによって双方の敵が大きくよろめく。
 見事な連携で以て相手の攻撃を完全に防いだ二人は更に攻撃を続ける。堅固な頼りになる味方に、身を守られているというアドバンテージをみすみす捨てはしない。
 サァエフは早業から繰り出す連撃で一体目の敵を打ち倒し、ライラも手痛い傷を負わせていた。
「我がファラオの為に舞いましょう。――不埒者に死の安寧を」
 ライラが紡ぐ死の舞踏は破滅を齎す殺戮へと変わる。
 サァエフもライラと一緒に舞うように戦い、華麗な柔術を披露していた。それはまさに究極の選択。大人しく縛られるか、消耗して振り解くか、その天秤が敵に委ねられている状態だ。
「踊ってらっしゃるサァエフ様もやっぱりお綺麗ですね!」
「そうですか? ありがとう、ライラ」
 二人は言葉を交わしながら次々と暗殺教団員を蹴散らしている。ライラはサァエフを護り、決して御身に傷を付けさせないと誓って立ち回った。
 そして、あるとき。倒す直前の暗殺教団員が苦しげな表情をみせたことに気付き、ライラは小さく笑む。
「あら? 女二人に言い様にやられるなんて。相手が魅力的過ぎて緊張しちゃうのかしら?」
 軽く投げキスをしてみせたライラはそのまま派手に暴れていった。
 それから暫し後。
「増援が増えてきたようね」
「ライラ、そろそろ頃合いではないでしょうか」
「サァエフ様のご判断に従います」
 二人は周囲の様子を見渡し、撤退のときが来たのだと察した。サァエフはライラが僅かに傷を負っていることに気が付いており、ライラもサァエフが自分を気遣っているのだと知っている。
 来たるべき大戦に戦果をもたらすため、聡き彼女たちは引き際も弁えていた。
「それじゃあ、またね」
「また戦うこともあるでしょう。それまで暫しの別れです」
 ライラはひらひらと手を振り、サァエフも身を翻しながら戦線から離脱する。互いを気遣い、必ず一緒に帰るのだと心に決めた彼女たちは駆けていく。
 強い絆で結ばれている二人の戦果はかなりのもの。
 次に続く奪還戦の本番においても、その思いと意志は力を発揮していくのだろう。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

イシュア・アルミゴス
イスカンダルって人望あるんだか無いんだか分かんないなぁ
勝ってる内が華ってところ?負けが続くと、よく分かんないのが
台頭しようとするんだから。亜人は頭が回らないのか?
武を示せよ、武を。簒奪戦記パイリサデスとでも名乗る?

機動戦闘二輪『ライドスコルピオ』のハンドルを握りレッツ加速!
先手必勝、轢き殺し。車輪に電撃を纏わせ高速走行、蹂躙開始。
電撃を放ちながら敵に突撃して敵をどんどん轢いていこう。
アクロバティックに操り、車輪を敵に叩きつけ!
敵の反撃は巧みに乗騎を操り、地形を利用し鎖を躱し、危うい時は
セルケトテイルを振るい叩き落とす。速さでバイクに勝てると思うなよ?

あっけないねえ。これが君らの蹂躙戦記?だったら僕の名前で記しといてよ。
印税は、あ、もうお亡くなり?それじゃあササッと離脱しようか。
そのまま加速し即撤退!次は本番で会おうじゃないか!


間桐・ホロウ
イスカンダル奪還戦が直ぐそこと迫っておりますが
どんな世界にでも不穏な考えを持つ輩は存在するようですね
亜人達の企みはキレイに砕いて
奪還戦に向かうために俺も頑張りましょうか

奇襲のタイミングは周囲とも合わせるように
戦場を共にするディアボロス達とも信を置いて
戦況全体の把握に務めるよう動く
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図り
孤立と死角を防ぐよう立ち回る

配下の護衛は『暗殺教団員』…
王宮や地形戦闘にも長けていそうですが
己自身に出来ることを致しましょうか
疾風の力よ此処に、と
短刀にエネルギーを纏わせたならば
敵兵ひとりひとりを確実に
鍔迫り合いや仲間の攻撃で
体力の低いものから追撃の手を集中
各個撃破を心掛ける

此方も付与した【エアライド】を駆使して
最適な移動経路を見出し
戦場を撹乱するよう立ち回って
反撃や互いの連携は厄介でしょうが
ディアボロスにも其れを上回ることは出来るのですよ

可能な限り敵の数を減らせれば
頃合いを見ての撤退
余力が残ればなるべく殿を務める
連携・アドリブ歓迎


アヴィシア・ローゼンハイム
アドリブ、連携歓迎よ

ついにこの時が来た……といったところね
イスカンダルに奪われた地を取り返し、未来を掴む……そのためにも
まずは暗殺教団、彼らを漸減させると行きましょうか

暗殺者集団を見つけ次第、先制攻撃よ
貴方達が、パイリサデス直属の暗殺者集団ね
私たちはディアボロス、となれば、分かるでしょう?
そう言っている間も、青薔薇の大鎌で切り付けてパラドクスを発動

動揺している間に、一気呵成に攻め上げて、体勢を立て直す隙を与えない
相手は暗殺者集団、連携は得意なはず……その強みは生かさせないわ
氷の薔薇で凍らせ砕く私のパラドクス、存分に味わいなさい
さあ、万物を凍結させる青薔薇よ、仇名す者を砕き、世界に溶かしなさい

投げナイフや近接攻撃は大鎌で受けて致命傷をさけるけれど、厳しいわね
流石は暗殺者、身軽な動き、連携は素晴らしい、といったところね
……だけれど
こちらも引けないの、押し切らせてもらうわ

ある程度敵兵を減らせたら撤退
無理はせずに余裕を持った状態で撤退するわ
さあ、次はパイリサデス、貴方よ。首を洗って待っていなさい


●戦告
 次なる断片の王を目指し、野望を抱く者――パイリサデス1世。
 その配下が集う戦場に訪れたディアボロスたちは、王宮を守る暗殺教団員の様子を見つめていた。彼らはディアボロスの襲来を予感しているらしく、緊張感漂う雰囲気が満ちている。
「イスカンダルって人望あるんだか無いんだか分かんないなぁ」
 そんな中でふとした思いを声にしたのはイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)だ。その理由はやはりパイリサデス1世の存在が気に掛かったからだ。
「勝ってる内が華ってところ? 負けが続くと、よく分かんないのが台頭しようとするんだから」
「どんな世界にでも不穏な考えを持つ輩は存在するようですね」
 間桐・ホロウ(虚・g10795)も良からぬ考えを抱く者に思いを巡らせ、軽く肩を竦めた。その声に頷いたアヴィシア・ローゼンハイム(Blue・Roses・g09882)は、戦いへの意思を固めていく。
「ついにこの時が来た……といったところね」
「亜人達の企みはキレイに砕いて奪還戦に向かうために俺も頑張りましょうか」
 アヴィシアとホロウは来る戦に立ち向かうため、前哨戦でも全力を尽くすことを決めた。此処で頑張っておけば後の戦いはディアボロスの有利となり、奪還の未来を手繰り寄せられる。
 そして、戦いは始まりを迎えた。
 其処から先陣を切ったのはイシュアだ。
「亜人は頭が回らないのか? 武を示せよ、武を。簒奪戦記パイリサデスとでも名乗る?」
 イシュアは機動戦闘二輪であるライドスコルピオのハンドルを握り、一気に加速していく。こういった手合いや状況は先手必勝が吉。車輪に電撃を纏わせたイシュアは高速で敵陣へと向かい、蹂躙を開始していく。
 続いたアヴィシアは敵に向け、静かな言葉を投げかけた。
「貴方達が、パイリサデス直属の暗殺者集団ね」
「……」
「私たちはディアボロス、となれば、分かるでしょう?」
 相手は喋ることはなかったが、それも敢えてのことなのだろう。アヴィシアは敵意を受け止めながら攻撃に移る。
 此処でもしパイリサデス本人がイシュアの言葉を聞いていたならば、それなりの反応を示しただろう。だが、この場で迎え撃つ暗殺教団員はただ淡々と、主の障害になりうるものを排除しにかかるだけ。
 されどライドスコルピオは触れるもの全てを焼き尽くす勢いで駆ける。イシュアは狙う先に電撃を放ち、敵に突撃することでアクロバティックに立ち回った。
 パラドクスによる力を駆使して車輪を敵に叩きつけ、二手に分かれた暗殺教団員の両方を穿つ。
 既に放たれていた鎖は躱し、引っかかりそうになればセルケトテイルを振るって叩き落とした。絶好調のイシュアは次の敵に狙いを定めながら、敵陣に言い放つ。
「速さで勝てると思うなよ?」
「あの者達は王宮や地形戦闘にも長けていそうですが……いいですね、良い流れです」
 ホロウはイシュアの動きに感心し、己に出来ることをしようと心に決める。まずホロウがしていたことは戦場を共にする仲間に信を置き、戦況全体の把握を行うこと。
 敵の残数や動き、そういった情報を共有できれば囲まれることもないはずだ。
「疾風の力よ此処に」
 手にした短刀に力を纏わせたホロウは疾風を巻き起こす。
 狙うは敵兵をひとりひとりの急所。確実に仕留め、兵力を減らしていけばパイリサデス1世の企みも潰えるだろう。ひといきに暗殺教団員に迫ったホロウは相手の刃と鍔迫り合う。
 敵は短刀を振り払い、鋭い刃を突きつけてきた。その切っ先が己に迫った瞬間、ホロウは素早く身を翻すことで避ける。其処から華麗な反撃に移ったホロウは対象を一気に打ち倒した。
「まずは一体目ですね」
 その間、他の暗殺教団員がホロウに狙いを付けていた。されどその視線に気付いたホロウはエアライドの力を駆使して射線から外れ、最適な移動経路を見出しつつ駆ける。
 それは戦場の敵を撹乱するための動きであり、相手の反撃や連携を崩す目的の立ち回りだ。
「連携は見事ですが、ディアボロスにも其れを上回ることは出来るのですよ」
「その通りよ」
 アヴィシアは同意を示し、大鎌を鋭く掲げた。
 ――花開きなさい、万物を凍てつかせる、蒼氷の薔薇よ。
 美しき詠唱と共に敵を切り付けたアヴィシアは敵の身を大きくを薙ぐ。揺れる青薔薇の花弁が敵の瞳に映り込んだ刹那、その個体は地に伏すことになった。
 このまま一気呵成に攻め上げて、体勢を立て直す隙を与えないのがアヴィシアの狙いだ。
 暗殺者集団であるがゆえに連携を欠かさないのだろう。得手とすることを封じれば此方の有利に働くことをアヴィシアはよく理解していた。
「……その強みは生かさせないわ」
 氷の薔薇で凍らせてから標的の身体ごと砕く。己の力を存分に味わわせてやると心に決め、アヴィシアは攻め込み続けた。途中、発煙弾が投擲されてもディアボロスたちは怯まなかった。
 イシュアとホロウが立ち回り、アヴィシアは投げられたナイフを見切って躱す。
「さあ、万物を凍結させる青薔薇よ、仇なす者を砕き、世界に溶かしなさい」
 其処から反撃に入ったアヴィシアは次のナイフを大鎌で弾き、氷の花弁を戦場に舞わせた。流石は暗殺者であり、身軽な動きから成される連携は素晴らしいの一言。しかし、だからといってアヴィシアが押し負けることはない。
「……だけれど。こちらも引けないの、押し切らせてもらうわ」
 咲いた花が閃き、冷たき終幕を下ろす。
 青薔薇の魔女による一閃、イシュアが繰り出す突撃、ホロウが放つ疾風の力。すべては敵を倒すために巡り、そうして――暫しの攻防が巡った。
「あっけないねえ。これが君らの蹂躙戦記? だったら僕の名前で記しといてよ。印税は……あ、もうお亡くなり?」
 倒れた敵を見渡したイシュアは双眸を細める。
 その間にホロウが全体の状況を把握し、もうすぐ増援が訪れるだろうと判断した。
「……この辺で退きましょうか」
「そうね、長居は禁物だもの」
「それじゃあササッと離脱しようか」
 アヴィシアが頷き、イシュアも撤退を決め退路をひらくために方向転換した。次は本番で会おう、と告げてから走り出してゆく彼に続いてアヴィシアとホロウも戦線から抜け出す。
 ホロウが殿を務めてくれていることに安堵と信頼を抱きながら、アヴィシアはそっと振り返った。
「さあ、次はパイリサデス、貴方よ。首を洗って待っていなさい」
 最後に告げたのは宣戦布告。
 此処から繋がる奪還戦に向けて――ディアボロスの意志は固く結ばれた。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【乗物改造】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【アイスクラフト】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年08月11日