『夜会の魔女ヴァルプルギス』&『アルテュール・ド・リッシュモン』
~火刑戦旗ラ・ピュセル:クレルモン・フェラン方面~

「のう、大元帥閣下。『復讐祭の卵』を使う作戦、再考するよう閣下からもジャンヌ様に進言して貰えぬか?
『復讐』を成し遂げるにしても、卵全てと十将では過剰ではないか。
 断片の王たるジャンヌ様を守るのに、戦力を割くのが当然というものであろう?」


「ディアボロスが全力を出せる状況であれば、《七曜の戦》で火刑戦旗ラ・ピュセルは滅んでいた。
 奴らは強い。此度は、その全力が来ようとしているのだ。
 可能な限りの『復讐』を行い、攻勢の勢いを削ぐ必要があるという判断は揺るがぬ。
 それに貴様が今更ゴネているのは、自分が行けないからだろう」


「くっ、お見通しか。妾も東京のビル街とやらを焼き、甘美なる悲鳴を味わってみたかったのう。
 しかし、万が一ディアボロスが一般人を見捨てれば、手薄な守りは容易に貫かれるぞ。
 やはりジャンヌ様は、己の命をも顧みておられぬのか?」


「『復讐』の念は容易には消えぬ。今や大いなる脅威と化したディアボロスもまた、それを示している。
 たとえジャンヌ様が討たれようと、『伏魔殿パンデモニウム』が健在ならば、キマイラウィッチは異なる時、異なる場所にて、いつか新たな『復讐』の王を得るであろう。
 話が済んだなら拠点に戻れ。リヨンが陥落した以上、貴様の出番はすぐに来るぞ」