断片の王『吸血皇帝ニコライ2世』
~吸血ロマノフ王朝・サンクトペテルブルク~

 我は、己が過ちを正さねばならぬ。
 人間を生存可能な絶望の中で『従属』させ、『緩やかだが永久に強化を続ける』。
 そのための生存困難な寒冷気候や、大貴族それぞれの形で絶望を搾り取る統治……。
 ラスプーチンやココツェフの示した方針が、これまでの支配の在り方であった。

 だが、全ては間違っていた。
 我は、断片の王としてあまりにも生温く、覚悟が足りなかった。
 我は、あまりにも『人間に優しすぎた』!

『ケールレル』よ、『死妖姫カーミラ』を呼べ。奴に指揮を執らせる。
 揺籃たる『刻逆』の成就は迫っている。アルタン・ウルクに、ディアボロスに勝利するため、全てを使い尽くすのだ。