蟲将『魏延』
~融合世界戦アルタン・ウルク~
ディヴィジョン『大戦乱群蟲三国志』がディアボロスに奪還され、蟲将『魏延』の軍勢は隣接ディヴィジョンへ漂着した。
だが、それは彼らの生存の継続を意味しなかった。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
「まさか、アルタン・ウルクのディヴィジョンに漂着してしまうとはな! 蟻の這い出る隙間もないとはこのことか!」
天地は漆黒に染まり、視界に映るのはアルタン・ウルクの群ればかり。魏延配下の蟲将達は、押し寄せる敵の前に次々とすり潰され、たちまち数を減らしていく。
「総員、俺に続け! 奴らに一矢報いてやれ!」
魏延を先頭に雄々しく撃って出た蟲将達のパラドクスが、アルタン・ウルクに突き刺さる。だが、それが彼らが示せた最後の抵抗だった。漆黒の触手が四方八方から蟲将達を包み込むと、肉体を引きちぎり、喰らっていく。
シュゴォォォ……シュゴォォォ……!
生きながらにしてアルタン・ウルクに喰らわれる魏延は、何かに気付き、赤い目を凝視する。
「……そうか、『それ』こそがお前達の意志、お前達の強さの根源。だが、何故……」
その問いに答えは返らない。咀嚼される音を残し、蟲将達はアルタン・ウルクの体内に呑み込まれていった。