陰陽師『蘆屋道満』
~平安鬼妖地獄変・長岡京陰陽師拠点~

『陰陽寮』の者達は妖怪を追い払い、都の守護者なりと褒めそやされておる。
 だが、その栄光が嘘偽りに塗れたものと気付き、儂は都を離れた。
 妖怪どもは自ら退いているだけで、儂を含めた今の陰陽師の術では、傷一つ受けてはおらんのだ。

 かつて存在したはずの、妖怪を討滅しうる『真の陰陽師』たち。
 儂はその手掛かりを追い求めたが、ついに彼らを見つけることは叶わなかった。
 故に、真の陰陽師は妖怪どもに滅ぼされ、その術も失われたのかと考えていたのだが……。
 ここに来て、『でいあぼろす』を名乗る者達が現れ、長岡京に押し寄せた妖怪どもを滅してくれた。

 あの者達こそが、『真の陰陽師』なのだろうか?
 とはいえ、助けられた者達の話を聞くに、『でいあぼろす』の力は妖怪どもと同質のようにも思える。
 狡猾な妖怪どもの罠である可能性も否定しきれん。
 それでも、儂は信じたいと思ってしまう。滅ぼされた真の陰陽師が、過去より現れたのだと。