ニュー新宿わくわくモールの地下に店を構える、誰かが失くした物、誰かが不本意に手放す羽目になった物が辿り着くという曰く付きの古物商。
嘗ては、年老いた無愛想な男が店主だったが、最近、愛想の良いデーモンの青年に代替わりしたばかり。
「物々交換だよ。失くした物を買い戻したいなら、それに足る何かと交換だ。物でも、記憶でも、力でも、その他でも、対価が釣り合うのなら何でも構わない」
誰かの失せ物に囲まれたカウンターに怠そうに頬杖を着いた男は、笑う。
「ねぇ、お客サマ。お前の失くし物の価値は如何程？」
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