新宿島のある寂れた通り。
人が居るのか分からない家。
錆びたシャッター。
曇ったショーウィンドウ。
そんな灰色の通りから、
更に裏路地へ入ろうと考える変わり者が
一体どれだけ居るのだろうか。
昼間でも薄暗い路地の先に有るのは
異国情緒を放つ、風変わりな建物。
看板に書かれた文字は―――『混 沌 堂』。
外観から分かるのはそこが何かの“店”であることだけだ。
扉をギイと開けると独特で名状し難い香りが漂ってくる。
店内を見渡せば目に入ってくるのは、
鈍く光る武器。壁に掛けられた重火器。湯気が立ち上る蒸籠。
大量の薬棚。籠に入った野菜。吊られた謎の干し肉。
そして何故か―――コスプレ衣装。
中央のカウンターには仄かな明かりに照らされ
特徴的なシルエットが座っている。
店主らしいその女性は来客に気付くと
にんまりと笑みを浮かべ、調子はずれの個性的な声で話しかけてきた。
「いらさいまセー! さぁさぁ、何をお探しアルか?」
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