放送電波研究会

【個別】振動覚

十埼・竜 2021年11月12日
 何も知らないし、判らない。理解が追いつく気すらしない。
 そんなぼくに言えることなど、やっぱり、何もないのだ。

 ……………と、思っていたんだけれど

 まるで一昨日までと同じように昨日が無かったみたいに微笑んで当たり前に優しく人当たりよく真面目に勤勉に過ごすの見てたら、
 その腕を引っ掴んで、


#奉利・聖
#十埼・竜





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十埼・竜 2021年11月12日
(ぞっとした)(吐き気がしたのは深読みしすぎたせいだけじゃきっとない)(ほんとうにきみはそう思ってると、穏やかな"波"が語っている)
……きのう。…………昨日、先輩、(真っ青な顔で、とぎれとぎれに)
………一回、完全に、死んでたよね。
(完全な停波────からの、劈くような心音を思い出して耳が痛む)
視たの?
……それで。それは、先輩を呼んで……………何、したの。 (無効票)
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奉利・聖 2021年11月12日
はい、死にました。
(あっさりと、日常の一つみたいに肯定した。何を食べたとか、やったとか…それくらいの気軽さ)

あの時…僕の身は、確かに死にました。
しかし『死』は…その要因を排して、生へと戻した。
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奉利・聖 2021年11月12日
新宿島に来る前と同じように。

何度でも死んで欲しいから、なのでしょうね。 (無効票)
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十埼・竜 2021年11月12日
(はい死にました、じゃないだろ)
(それじゃまるでゲームの自機だ)
(────吐き気が熱に、胸の中に蟠る)(拳を、握りしめた)

(何万、何億、繰り返されて顔も擦り切れたチェスの駒だ)

……声が。聞こえるわけじゃ、ないんだ。………そこにいて、「そうする」から、先輩は、そう思った。(そういうこと? と、視線で問う)
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十埼・竜 2021年11月12日
(無理やりの深呼吸に、喘鳴が交じる)
…………先輩は、そいつのこと、どう思ってるの。 (無効票)
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奉利・聖 2021年11月12日
そうですね…何となく、死に愛されている感じがするので。
どうしてそんな力を授けたのか、理解できるといいますか。

(どう、おもってるのか)
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奉利・聖 2021年11月12日
隣人で。

友人で。

思い出のアルバムです。
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奉利・聖 2021年11月12日
繰り返される輪廻で、常に傍にいたのが『死』でしたから。 (無効票)
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十埼・竜 2021年11月12日
(想像する)
(繰り返されて変わり続けて麻痺して摩耗、もう記憶だって擦り切れて体に刻まれたものしか残ってない)(それでも、変わらない終わりが必ず来る)
(死に怯えるなんて感傷、とっくのとうに通り過ぎて)

(…………それを「愛」なんて、呼ぶのかよ。)
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十埼・竜 2021年11月12日
(きっ、と見上げる顔の、頬にはわずかに血の気が戻ってきている)
(群青の瞳は必死すぎるくらいに、怒りの色を湛えて)

死を、愛してるのは。
先輩のほうじゃないんですか。
呼ばれてる、なんて。……………本当にそんなこと、あると思ってるんですか!
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十埼・竜 2021年11月12日
(耳の奥で)
(ノイズの奥で)

【悪魔が嘲笑う】 (無効票)
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奉利・聖 2021年11月12日
(毅然と向けられた視線に──戸惑った)

何を───いや、もしかしたら。

(そうなのかもしれない、と思ってしまった)
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奉利・聖 2021年11月12日
…もし、そうだとして。
どうするのですか、竜さんは。

僕が死を愛していて、死に触れたがって。
どうすると、いうのですか? (無効票)
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十埼・竜 2021年11月12日
(下手くそに握りしめすぎた、真っ白い拳を)(ぎこちなく振り上げて)
(その胸に向かって振り下ろす)

(届いたのなら)
(それは今までその身が受けた暴力のうち、下から数えたほうが早いくらいに弱々しい)
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十埼・竜 2021年11月12日
文句言います。
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十埼・竜 2021年11月12日
(喘ぐように息を)……ぼくは、絶対に、慣れてやんねえからな!!
死ねば楽だってわかってても!!どうせぼくだって還ってくるってわかってても!!眠るたびに起きられるかどうか怖くても!!
ぼくは、(喉を鳴らす、咳き込む)……死への、恐怖と怒りを、捨ててやるもんか。

………先輩のぶんもみっともなく喚いて騒いでやる。
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十埼・竜 2021年11月12日
【悪魔が嘲笑う】

【「だから、約束は守られてるのに。」】 (無効票)
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奉利・聖 2021年11月12日
(重くもなく、強くもない)
(そんな、拳)
(身体は揺らがず)(だけど)(何故か、響いた)
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奉利・聖 2021年11月12日
(生者の叫びが聞こえる)(死者が此処に居る)

──それで
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奉利・聖 2021年11月12日
それで、良いのです。
貴方は生きている。身体ではなく、心が。
死に対してちゃんとした感情を持てている。

恐怖することが出来る。怒るがことが出来る。憂うことが出来る。
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奉利・聖 2021年11月12日
僕は、まともではありませんので。
死に慣れ過ぎてしまいましたので。

僕の分までそうしてくださるなら、これほど幸いなことはありません。
(穏やかに、そう言った) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月12日
(ぶつけた拳を翻してシャツの襟元をわしづかみ)(そのまま頭ぶつけるくらい引き寄せ、ようと)(流石に無理かも知れないけど)

(なあ、この距離でも遠すぎるのか?)
(ぼくの声は届かないのか?)
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十埼・竜 2021年11月12日
…………先に適当な嘘ついたのは謝るよ。
でもぼく、結構楽しみにしてたんだよ。一緒に大人になるの!
(力を籠めすぎた腕がガタガタ震えて)
先輩も適当に合わせてくれただけだったんだ!! そうなんだろ!!

(伝える手段。染めて汚して殺す手段。)
(────それに思い至る) (無効票)
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奉利・聖 2021年11月12日
──そんなつもりはございません。
あの戦いでは、「死なない」という確証を持って臨んでおりました。
想定とは違いますし、確かに一度死にましたが。

僕は、今生きている。違えてはおりませんし、軽んじてもいない。
(あくまで冷静に、穏やかなまま。激情に、激情で返せない) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月13日
どうせ生き返るから!?
……下手すりゃ別の世界行っちゃうんだろ!?
(既に新宿島や他の歴史帯で何度か「死んでる」のかも知れない。本当に確証があったのかも。)
(身勝手だ。駄々こねて自分の怒りと恐怖を押し付けて、本当にくだらないただのガキの癇癪だ)
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十埼・竜 2021年11月13日
【「はじめのひとくちを憶えてしまえば」】

【「あとはかんたんなの」】

【悪魔が、】
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十埼・竜 2021年11月13日
……(手を滑らせるように、下ろして)

(そのまま、ノイズイーターに手をかけた。) (無効票)
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奉利・聖 2021年11月13日
それは──恐らく大丈夫だと……。

(この新宿島で経験は、これまでのどれとも異質だったからで──)

(異形のヘッドフォンが)

(外され) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月13日
【「やめておけばいいのに。」】
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十埼・竜 2021年11月13日
(――――外されたノイズイーターから周囲数メートルの“音”が急に質を変える。重く鋭く罅割れてざらざらざらざらざらざらざらざらざらざらざらざらそれは次第にはっきりとちいさな棘や爪や刃の手触りを持ってぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢぎぢ鼓膜を掻き毟りだす)
(音は耳を侵す平衡感覚をぐちゃぐちゃにひっかき回して目の奥で三原色のゴーストノイズをばちばちとひからせる)

(幾億の蝉を耳に突っ込まれたような轟音の真ん中で。)
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十埼・竜 2021年11月13日
(白い少年はわずかに顔をゆがめて、立っている)

 ね ぇ 。 聞 こ え る ?

(ゆっくり、一言発するたびに、音が振動ごと叩きつけられる) (無効票)
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奉利・聖 2021年11月13日
(──強烈な、不快感)
(暴力的な音の奔流、鼓膜から脳に、脳から魂に)
(もしかして、これが)
(彼の背負ってる)

聞こえております。
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奉利・聖 2021年11月13日
(苦痛の類は死んでいて)(不快感だけが残っている)
(だから聞き続けている)(留まっている)
(音を叩きつけられて、身体に響いても)
(問いに、答えている) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月13日
(ほんとうかな)
(だってそんな涼しい顔されちゃあさ)
(口元が、歪むのが、見えるのかも知れない)

(“波”が空間を攪拌する。音も光も――頭の中身も零距離に)
(暴力的なノイズが形と意味を得はじめる)
(笑い声。ただの言葉。呼びかけ。平坦な相槌。口ぎたない怒声。啜り泣き。ただの言葉。愛想笑い。穏やかな慰め。ただの言葉。)
(校舎内の。新宿島中の。あるいは)
(まるで海の向こうで当たり前の日常が続いているような幻覚と幻聴)
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十埼・竜 2021年11月13日
(――――それを全て塗りつぶすみたいな)
(強烈な思念が、目の前の少年から放たれる)

(心剥き出しの恐怖と、怒りと、悔しさと、悲しさと、)
(まっしろな、まっすぐな、敬愛と。)

(嵐の真ん中で咆える信号は、「ばかやろう」のたった五文字で事足りた。)
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十埼・竜 2021年11月13日
(痛みに頭を抱える。無駄だと解っていても耳を引き千切らんばかりに塞ぐ。白い髪に絡んだ指先が、ぼろりと崩れて落ちた)
(変化は少しずつ。躰の末端から。爪、指、足、腕――――領域内の波に晒され形を保てなくなった箇所が、脆く砕けていく)
(その半径は精々、ノイズイーターから数メートル。) (無効票)
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奉利・聖 2021年11月13日
(終末の匂いがする。この音には、そういう死の匂いが横たわっている)
(彼が崩れていく。少しずつ。此処に居れば、己もそうなるのか?)
(仮にそうだとしても、逃げない)

(原因はヘッドホンだろう。これを被り直せば)

さぁ、竜さん。
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奉利・聖 2021年11月13日
一緒に大人に、なってみますか?

(今度は、こちらから問いかける)
(目線を少し下げて、並ぶように)

このまま共に、朽ちるのも結構ですが。
まだそんな時じゃあないでしょう。
僕はここでは死ぬ気になれません。
(ノイズイーターを持つ手に、そっと触れた)
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奉利・聖 2021年11月13日
生きております。死んでも生きている。
此処に居るのがその証明。
新宿島で、未だに生きているのですから。

輪廻する人生の中で、僕を覚えているのは僕と、『死』だけだった。
今は違うのでしょう。皆さんちゃんと僕を覚えているでしょう。
無かったことにはならないでしょう。だから約束を覚えております。
約束を覚えておいてください。

大人になれますよ、貴方と僕…皆さんも。
(音の奔流の中で、ただの声の一つだけ)
(貴方のは聞こえています。ちゃんと)
(貴方はこれが聞こえておりますか?) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月13日
(どーせ死なないとか舐めプしてる態度が気に入らなかった。ディアボロス頑丈論は、やっぱり他人の口から聞くとグロテスクだ)
(どうせ死なないならこの「終わり」から生き残ってよ)
(ぼくが死んでも世界が続くってところを証明してよ)
(ぼくのことを覚えていて)

(……ノイズの向こうに、まだ、その声が聴こえていた。)
(まだ動けて、話せている。流石ぼくの先輩。ぼくはもう、ここから自力で生還することはできないのに)
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十埼・竜 2021年11月13日
……それ、今、言う?

(触れられれば、そのぶん波は分散される。いくらか、かたちを、とりもどす)
(聴こえてるよ。……きこえてる。)
(多分この腕の先、すぐそばにいるってことも)

……ぼくは。

(こっちの声は、声に、なっているんだろうか)
(音も光も脳波も思念も垣根をなくして。……多分、すごくうれしいってことは、伝わったと思う。恥ずかしいことだけど。)

あなたと、やくそくをしても、いいんだね。
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十埼・竜 2021年11月13日
(この状態から、自力で還れたことはない)
(でも、ふたりなら。)

(砕けた腕をどうにか、掲げて)
(まるで冠を戴くみたいに、)
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十埼・竜 2021年11月13日
【数多の声が】

【「さようなら、またいつか」】
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十埼・竜 2021年11月13日
(ぐしゃり。ぶつり。びぃん。咀嚼音、若しくはマイクのハウリング)
(最後にそんな音を奏でて――――音の重圧が、ふっと消え失せる)

(コンクリートの床の表面は数メートル四方に渡って、急激に風化している)
(血がにじみ出して、流れ込んでいく)
(…………ほら)(ここから生還したこと、ないんだよ。ぼくはさ。)
(頭も体も重くて痛くて、崩れた指の激痛がわからない。ああ。あれ骨か……えっぐ……)(腕も足も、傷だらけなのだろう。)

………………死ぬかと思った…………(ぼやいたら口の端から血がこぼれた。えっぐ。) (無効票)
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奉利・聖 2021年11月13日
──僕もです。
容体が酷いですね。応急処置はしますが、保健室を頼りましょう。
それから……あぁ、しとらさんにも連絡しないと。
(コンクリがガッツリいかれちゃいましたし)

(呼吸で気を練り上げ、彼の身体に送り込む)
(元は自己治癒用の、調息という名の錬気だ)
(それから、サロペットのポケットの布で止血処置)
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奉利・聖 2021年11月13日
…寮に帰ったら多分、怒られると思いますよ。
覚悟しておいてください。
(抱えて運ぶよりも──担架の方が良いか)
(端末で連絡を入れておきましょう) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月13日
(どの口で僕もとか言うのかなってちょっとだけ顔を上げて)
…………ごめん。
(もう伝わりゃしないだろうけど、これは、本当に)(酷いことに巻き込んだんだって、)

(恐怖から一拍遅れて、自分のガキさ加減に心底腹が立った)
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十埼・竜 2021年11月13日
(何をしてるのかわからないけれど、先輩が何かしたところから暖かくて呼吸が楽になる。こんななのに、ひどく手際のいい応急処置。)
怒られるよ。……怒られて当然でしょ。先輩だって怒っていいんだ、(咳き込む。こっちは破れた喉から、ぼたぼた)

……(ぼろぼろの手を伸ばす。)
大人になるんだったら、さ。ぼく、せんぱい、みたいな
(握ってて、と、訴えるみたいに。)

(やがてそのままぱたりと落ちて)

(担架が来て、「屋上で何をするとこんなことになるの???」みたいな問い詰めもぜーんぶ先輩に押し付けて)
(保健室で目を覚ますのは、きっと、陽が完全におちてから。) (■)
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奉利・聖 2021年11月13日
いいえ、怒りません。
貴方はただ、叫んだだけなのですから。

(緩く手をって、握ったままで)

こんな苦しみを、抱えておられるとは。
なんと酷な物を、課すのでしょう。

…後処理に追われそうです。
これは何と説明すればいいのやら。
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奉利・聖 2021年11月13日
(小さく、ぼやいて)

まぁ、生きているのなら…良いですか。

(約束は、違えていない) (■)
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