Blue Bard

【個・低速】教示と対価

竜城・陸 2021年11月11日
――貰いっぱなしは割に合わない。

というのは、“ ”として望まれたがゆえのことであるのだろうか。
或いは、生来の性質であるのだろうか。
とはいえ、いずれであるかはこの際、今重要なことではなく。

「あの、聖くん」

「何か……お礼にできることとか、ないかな」

◆場所
新宿島・洋上
漂着した軍艦の残骸

◆書き込み可能
奉利・聖
竜城・陸




0

奉利・聖 2021年11月12日
そうですね……破壊する方が効率が良い、というのもあります。
僕が用いているリリースは、魔力の最適化を兼ねております。その魔法の相性に良いように加工する、というイメージです。
加えて言えば、破壊の時に生じる魔力がボーナスのように加わりますので……。
0

竜城・陸 2021年11月12日
“破壊する”……という行為まで含めて、儀式の手順の一つ、みたいな感じ……なのかな。
(となると難しいだろうか。なんて、頭の中で勘案しつつ――もう一つの可能性の方に思い至る)

……他者から融通してもらう場合は、その辺り……最適化、とか、はどういう風に?
0

奉利・聖 2021年11月14日
そうですね…受け取れば、そのままスムーズに変換されます。
特にロスといったものも無いですねぇ。
(だから一番、喪失するものが少ないとも言えるかもしれない)
(──とはいえ、実はそんなに良い方法でも無いのだが)
(別段、問題無しだ)
0

竜城・陸 2021年11月14日
そうか、……いや、そうだな。
完全に君のため、というよりは……俺にもメリットのある話だから、打算も含んでは、しまうのだけれど。
……俺の魔力を借りてみるつもりはない?
0

奉利・聖 2021年11月14日
…魔力を。確かに御身の莫大な魔力を利用できれば、色々と出来そうですが……。
どのようになさるので?
0

竜城・陸 2021年11月14日
(ゆっくり息を吐いて、静かに目を開く)

(不思議と彼の顔が前より良く見えた)
0

竜城・陸 2021年11月14日
ああ、それを相談しようと思って……
最初は物品に付与して、と思ったのだけれど、毎回壊さなくちゃいけないならコストがかかりすぎるでしょう。
(そもそも俺の魔力に耐えられそうな物品がそう幾つもあると思えないし、などと、事も無げに)

だから、ものを壊さないで済む方法がないなら、ちょっとした方法で空間を繋ごうかと思ってるんだけど。
(こちらもまた、事も無げに告げる)
0

奉利・聖 2021年11月17日
そうですねぇ。使い捨てなのがどうしてもネックなところで。
毎度毎度ご用意を頂くのも忍びないですし…。

………えーと、空間を…繋げる?
(凄いことをサラっと言われて、困惑と共に首を傾げ)
0

竜城・陸 2021年11月17日
それに物品に付与となると、どうしてもその物品の容量に引き出せる魔力が依存してしまうからね。
(それを考えると、自前の魔力がない“魔法使い”は大変なのだろうなとあらためて思う)

そう、空間を繋げる。祭司(Druid)の秘儀のひとつだね。
といっても話はスマートフォンとかとあまり変わらないよ。聖なる枝に文字を刻んだ護符を、魔力の受信機にするというか、そういう感じ。
(簡単な話だろ、なんて首を傾げて)
0

奉利・聖 2021年11月19日
確かに……大量生産品相当ではあまり入らないようで。手間暇かけた物品はポンポン作れませんし、結局壊れるんじゃ意味がありません。

つまり……離れたところからでも蒼海番長殿から魔力を引き出せる、ということですか?
(そんなことが出来るのは御身くらいでは?規格外がすぎる)
0

竜城・陸 2021年11月19日
まあ、制作してもらうのはそれはそれで緑のクラスへも需要が発生するからあり……なのかな?
加工できる人間は限られていそうだけれど……。

そういうことになるね。
……尤も、ディヴィジョンを隔てても有効かどうかは検証していないから、同じ世界にいる場合に限る、となるだろうけれど。
0

奉利・聖 2021年11月24日
そういう部分もあるかと思いますが……どこかで壊しますけどそれなりのものを作ってください!とは言いにくいですね。

なるほど、委細は把握しました。
その受信機というのは、使用回数などはありますか?耐久性も気になるところです。
0

竜城・陸 2021年11月24日
ああ、うん、まあそれはそうだね……最初から消耗品として確立されたものならまだしも。

定期的に術式を更新しなければならないくらいで、耐久性に関しては別段……そもそもただの通り道、いわば目印みたいなものであって、そのもの自体に魔力を込める、というのとは違うからね。
0

奉利・聖 2021年11月25日
そういうわけで、魔力の確保は大いに難儀していたのですが…。
光明が差したようで何よりですね。

なるほど、標を持つ感覚でしょうか。
ちなみに…許容量ってあるのですか?
0

竜城・陸 2021年11月25日
どうだろう?
試したことが一度もないから何とも言えないけれど、ただ通り道を作るというだけだし……あまりそういうのはないんじゃないかな?
俺の側の問題で渡せる魔力に制限があるとか、そういう可能性くらいは考えられるけど……。
0

奉利・聖 2021年11月26日
なるほど?
まぁ物は試しですね。実際の挙動がどうなるかは、実践でないと分からないものですし。
0

竜城・陸 2021年11月29日
そうだね……まあ、だからその為の実験も兼ねてもらう……という感じで。
言ったろ、俺にも実利のある、半分打算みたいな話だって。
そういうことでよければ、そのうち用意させてもらうけれど。
0

奉利・聖 2021年12月1日
承知しました。呼びつけて頂ければ、受取りに伺いましょう。

(懸念材料は、ある。しかしそれは個人的な問題で、黙殺すれば無いのと同じだ)
0

竜城・陸 2021年12月3日
…………。
一応確認するけれど、貸与する場合はどういうプロセスを経るんだい。
身体に負担や悪影響はないの?
0

奉利・聖 2021年12月3日
えーと、まず僕が扱う魔法の式に合うように変換が行われます。この場合、蒼海番長殿から頂いた魔力を受信機から吸い上げる形で体内にプールし、それから変換が始まるイメージかと思います。
あとは回路に魔力を流して、普段通りにというところです

………………ふむ。
0

奉利・聖 2021年12月3日
(嘘をつくことはできる。しかし、頂き物で御身の気を揉む事態になるのはよろしくない)

(少し考えて)
0

奉利・聖 2021年12月3日
貸与と変換そのものに、なにも問題はございません。

(やや含みがあるように答えたのは、追及するかどうかは委ねる、という意思表示でもある)
0

竜城・陸 2021年12月4日
……なるほど。
つまり、それ以外の部分に何らかの問題がある、ということだね。

…………話して差支えのないことなら、聞いても?
0

奉利・聖 2021年12月6日
承知いたしました。

…僕が魔力を自己生成できぬ体質であることは、既にお話しましたね。
「先天性魔力欠乏症」──魔法の先生はそうおっしゃっていました。
いつの時代にも一定数は居る、などと言われるくらいには…先天性疾患の中ではメジャーなものらしいです。
0

奉利・聖 2021年12月6日
別名、「魔法使いの夢を殺すもの」
魔法使いを志す者にとっては、致命的な欠陥です。
…しかしこれにはまだ、語られざる症状が存在しています。

それについてお話するには、魔法の仕組みなどに少々触れなければいけないのですが…よろしいですか?
0

竜城・陸 2021年12月8日
……それを“病気”と称するのは現代的な価値観なのかな。
魔力を一切生成できない人間なんて、探せば幾らでもいるだろうに。
(少なくともこの竜の生まれ育った土地では、そう)
0

竜城・陸 2021年12月8日
(続けられる話に、頷く。聞いているよ、と示すように)

魔法の仕組み。
……いいよ、それを聞いた方が理解に易いのだろう。
話してくれる?
0

奉利・聖 2021年12月8日
僕が一時期過ごしていた魔法都市では、そういう認識が根強かったのは確かです。
魔力とは誰しもが持っていて然るべきもの、そうでないなら異常を抱えてる……とね。

或いは……これからお話しすることを踏まえれば、単に魔力がない人と、本当に疾患を抱えてる人を一括りにしてるのやもしれません。
0

奉利・聖 2021年12月8日
では、軽くお話しさせて頂きます。

魔法の発動には、まず魔力回路へと魔力を流します。それから発動したい魔法の式を思い浮かべながら、回路を通った魔力が込められた言葉………所謂詠唱で式を励起。唱え終わるまで、イメージした式を完全に維持できれば魔法が発動するという具合です。

僕の扱う魔法は種類によって大きく七段階に格付けがなされております。第四位階からは必要魔力量も、式を維持する難易度も飛躍的に上がりますので……エリートと凡人を分ける境界線にもなっております。

ちなみに、以前蒼海番長に投げたあの槍も、本来は第一位階に属するものなのですが……裏技で第四位階相当まで押し上げられているのですよ。
0

竜城・陸 2021年12月9日
魔法都市、ね。
……そうだね、魔術が文明の中心だったのであれば、魔力を持つことを至上としていてもおかしくは、ないか。
(と言ったところで、)(それの何が至上であるのかわからない、と、思ってしまうのだけれど)

(話を聞いて、)
……随分と、こう……難しく解釈をしているのだね……?
(思ったことを率直に言葉に出した)

まあ、とはいえ理解できなくはないけれど。
誰でも同じことができるように技術体系を編むのなら、ある程度迂遠な手順を組むとしても「わかりやすさ」というのは重要だろうし。
(恐らくは式の形や大きさ、詠唱の長さやそれに含まれる「力ある言葉」の数――そういったもので魔術を段階的に格付けしているのだろう)(そんな予想を浮かべつつ)

……裏技、はともかくとして。
この魔術の発動様式と、その……症状、というのが関わっていると?
0

奉利・聖 2021年12月12日
生活の基盤も魔法になってましたし、魔力があるかどうかは最低限の人権と捉えられていましたからね。

…やはり御身にはそう見えますか。
他の魔法体系を見ると、少々面倒な手順を踏んでいると僕も思いました。仰る通り、「わかりやすさ」を重視しているようで…例えば剣士なんかがついでに習得する、というのもよく見られておりました。

まぁ、それは余談として…具体的なことについて、ですが。
0

奉利・聖 2021年12月12日
『先天性魔力欠乏症』の症状は、まず第一に魔力の自己生成が不可能になること。そして第二に、ある二つの部分が脆弱であることです。

回路に魔力を流して、詠唱、イメージの維持を行う為…魔力の最終的な行き先は、「脳」になります。
常人と比べ、欠乏症を患ってる人間の脳は…魔力に対する耐性が、非常に脆弱です。普通に魔法を発動するだけで、「剥き出しの神経をやすりで削られる続けるような痛み」が走ります。
これに関しては、僕は苦痛を感じないので無視できますが……。

もう一つ、魔力回路の脆弱性が問題なのです。
0

奉利・聖 2021年12月12日
第四位階から、必要な魔力量は飛躍的に上昇します。
その大量の魔力を流すのに、僕の回路はとても弱く……一部が永久的に焼けてしまいます。
それが広がれば、魔法の発動まで時間がかかるようになりますし…最終的には、魔力を流せなくなる。

つまり…強力な魔法を使えば使うほど、僕は魔法使いではいられなくなる、というわけです。
0

竜城・陸 2021年12月16日
そういう社会もあるものなんだな……
(どこかのディヴィジョンだろうか、なんてぼんやりと考えつつ)

まあ、俺の場合はまた俺自身が特異的ではあるんだろうから。
体系的に魔術を修めた人からしてみれば理解に易いものなのかもしれないし……誰でも習得できるのは目に見えて利点だろうしね。
0

竜城・陸 2021年12月16日
……いやそれは苦痛を無視できても普通に問題でしょう。
むしろ、魔法が使えなくなることよりずっとそっちの方が問題だよ。

少し医学の本をかじったけれど、脳や神経は再生しないという話だろ?
魔法を使うたびに君の脳や神経には損傷が蓄積していくということになるんじゃない?
身体の異変を感じたことは?
0

奉利・聖 2021年12月20日
うーん、それがですねぇ。
特に何の異常も無いんです。記憶障害だとか、不意にめまいがするとかそういう事すらなく。

本当に何も、脳に問題が無いんです。
僕自身不思議なことに。医学的にも何も無いと言われております。
0

竜城・陸 2021年12月22日
それもそれで不可思議な話だな。
……あるいは魔力障害というのは、閾値を越えると発症するようなものなのかもね。
(自分のケースを考えれば、有り得ない話ではない)(祭司は「生まれつきそうだったのだろう」と言ったが、発現したのは十二を数えて以降だ)

……しかし、魔術が使えなくなるリスクがあるのならわざわざ魔術を手札にしなくてもいいのでは?
君の場合、それがなくてもあまり不自由はしなさそうだけれど。
0

奉利・聖 2021年12月23日
どうなのでしょう……少なくともこれまで、そういった事例はありませんでしたし…今すぐどうこうならないなら、考えても仕方ないとは思うのですが。
0

奉利・聖 2021年12月23日
勿論、無いとどうしようもない…というわけではありません。
元より身一つで戦えますから、確かに不自由はしないでしょう。
しかし「充分」ではありません。
性質上、大規模な攻撃を気功で成すことは難しいですし、他者を守護するのも身一つだけでは不足でしょう。

魔法はそういった僕の弱点を補う、強力な手札なのです。
たとえ後々にそれが使えなくなるとしても──今使えるものを使って、その時に成果を生み出せれば良いと、僕は思っています。

……気が咎めるようでしたら、先の話は無かったことにして頂いても構いません。御身に無理を言ってまで求めるつもりは毛頭ございませんので…。
0

竜城・陸 2021年12月23日
……老婆心ながら一つ忠告をさせてもらうなら。

“未来のこと”を考える気持ちが少しでも、あるのなら。
今すぐは訪れないリスクについても勘案するべきだと思うよ。

(なんて、そんな言葉は)
(まるで、他人のことを言えやしないものなのだけれど――)

君を頼りにする子も、随分増えたのだろう?
0

竜城・陸 2021年12月23日
――ただ、“今”切れる手を切らずに後悔するのは御免だ、というのはわかるし。
君が将来的に発生するリスクやデメリットを呑んでいるというのなら、それ以上何か言い募るのは俺の領分ではない。

だから、必要だというのなら、それを希うというのなら――
(目を閉じて、)(口の中で、数節の古き言葉を唱え)
0

竜城・陸 2021年12月23日
(目を、開く)

(淡い菫色の瞳が、彼を見据えて、笑みの形に眇められる)

“僕”の答えはひとつだ。

“望むままに与えよう”。

(――それが、“ ”の役割だから)
0

竜城・陸 2021年12月23日
(瞬き一つすれば、)

――そして、これは“俺”から言えることだけれど。

(瞳の色は平時と変わらぬ朝焼け色)

もし何か異変を感じたら、俺のところに相談してほしい。
少々毛色は違うけれど、魔力による機能障害を来しているという点では、俺の事例にも共通するものがあるからね。
治すことができるかはともかくとして、進行を遅らせたり、回路を補強したり……何らかの方策は立てられるかもしれない。
0

奉利・聖 2021年12月27日
(────今)

(気運が、別人のように変わった?)

今のは、一体………。

(底知れぬ存在を目の当たりにしたような感覚がして、はっと我に返る)
0

奉利・聖 2021年12月27日
え、えぇ……その時は、ぜひとも。
魔法を修めているとはいえ、素人が裏技で無理矢理使ってるくらいには…座学も技術も不十分ですから。

(いつの間にか、気運は元に戻っていた。一瞬、上位存在を間に当たりにしたような感覚に圧倒されそうになったが…)

では、宜しくお願いします。
一応これは…できれば口外はしないで頂ければ。どうしても駄目だとは言いませんが、あまり心配をかけたくはないので…。
0

竜城・陸 2021年12月29日
どうかした?
(なんて、穏やかに笑っている姿には、先のような気配は微塵も感じられないだろう)
(――否。集中すれば、“それ”が何処か深い処にあるような、そういう気運を感じるのかもしれないが)

ああ、こちらこそ宜しく……勿論、他人の秘密を軽々に漏らすようなことはないさ。
それは安心してくれていい。
……君だって、こうして口外せずに、こんな場所での鍛錬に付き合ってくれているしね。
0

奉利・聖 2022年1月3日
……いえ。今なんだか、御身から凄まじい気配がしたものですから。
(今もまだ、微弱にだが感じている)
(過去にも味わったことがある。人智の及ばぬ領域に存在する、強大な存在を前にした感覚だった)

ありがとうございます。
勿論僕にも、今後口外する意志はございませんので。
0

竜城・陸 2022年1月4日
前にも見せなかった?
……ああ、ここまではっきりは見せていないかもしれないな。
(光の権能を行使はしたが、一瞬であったし、そうであってもこうまで“ ”の意識を表には出していなかった)

俺の中にあるものだよ。
君ほどではないけれど、少々複雑な事情でね。そのうち機会があれば話すさ。

……ともあれ、今日もありがとう。
だいぶ落ち着いた。そろそろ、満足に動けそうだ。帰るとしようか?
0

奉利・聖 2022年1月11日
あの時の力の一端ですか。
まさかここまでとは…思わず圧倒されてしまいました。失礼をお許しください。

…分かりました。やはり御身も随分と込み入ってるようで。

いえ、こちらこそ実りあるお話でした。
動く時は気を付けてください。眩暈があるかもしれませんから。
(──そうして、教示への対価は決まり、新たな問題も顔を見せるのであった)
0

竜城・陸 2022年1月12日
おや、失礼なことをされた覚えはないな。
……それに、複雑なといったって、君ほど複雑ではないさ。
ある意味似たような感じではあるかもしれないけれどね。

ん、――そうだね、だいぶ戻ったとはいえ油断は禁物か。
ゆっくり動くようにしないとな――

(などと、話しながら)(定めた“対価”を渡す日のことを、勘案しつつ)
(更けゆく夜の中、帰路をともに歩むのだった)
0