私立MM学園

【個】そこに在った世界の話

竜城・陸 2021年11月9日
――そういえば、気になっていたことがあった。

連綿と歴史を語り継いできた果ての、この世界。
そこに流れ着いたのではなく、残されていたもののこと。

きっと、途方もない話。
そう思いながらも、指は迷わずその扉を叩いていた。

場所:
文化校舎・放送電波研究会

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#十埼・竜
#竜城・陸

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竜城・陸 2021年11月9日
…………。そういうものかな。普通、普通か。
そうだとしたら少しばかり安心かな。あまり一般的な考え方ではないと思っていたから。

そう、幻想竜域。まあ、あそこはディヴィジョンになっているから、文化が少し違うかもしれな――
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竜城・陸 2021年11月9日
ん? ……うん、ええと。お願い?
なんだろう、構わないけれど……? (無効票)
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十埼・竜 2021年11月9日
(祭司=なんか髭のおじいちゃんと文通してる先輩を思い描く)
……手紙のやりとりだけ、なんですか?
(……まるで隔離だな、と、思う。)

ああ、ウィルさん級かあ。あれはもう本当に見るからに超常というか……ぼく、ホラー映画思い出しましたよ。鳥がめっちゃあつまってくるやつ、あるんですけど。(目を伏せて)
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十埼・竜 2021年11月9日
……まあ、ぼくらくらいの年で人生大充実健康一直線!!みたいなひとは、あんまりもうそういうこと考えないかもですけど。ね。

うん、お願い。(ぱちん、胸の前で手を合わせた。)
……何か歌、覚えてませんか? りく先輩が現地で聴いてた歌。……ちょっと歌ってみてほしいんですけど!(拝む!) (無効票)
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竜城・陸 2021年11月9日
手紙の遣り取りだけだよ。
五つくらいの頃までかな……それくらいまでは、乳母や後見人がついていたけれど。
六つの頃には初めて姉たちが訪ねて来てくれたし、十一……のころか。とても高名な祭司の方に拝謁したこともあるかな。
その翌年には、部屋を抜け出して父上に叱られたっけな。
人と会ったのは、それくらいだったと思う。
(淀みなく、平静な口調で、いつものような微笑で、なんでもないことのように話す)
(事実、なんでもないことで、当たり前のことだ。人間ではないものが人の社会に置かれるには、幾つもの枷が要るというのは道理なのだから)

そう、あれくらいだと伝説級といえるかもしれないね。
……母上も、予言者としての才覚には優れていたようだけれど。
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竜城・陸 2021年11月9日
晴とかはじゃああんまりそういうの考えてなさそうだな……
(なんて、言いつつ)(続けられた言葉には、きょとりと目を瞠って)

……歌。幼いころ詩人に習ったものくらいなら覚えているけれど……
とはいえ、俺は詩歌をきちんと学んだわけではないよ?
(それでも大丈夫? と) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月9日
(……このひとが、意外に饒舌に、家族を語るのは)
(何だか随分と、珍しいものを聴いている気がする。)
(彼は一種独特な――妙に静かな“波”を纏ったまま、)

(五歳。それから一年間)(六歳。それから五年間?)(更に一年。)

(竜に城なんていらない。その割に随分と、つまはじきじゃないか。)
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十埼・竜 2021年11月9日
……そもそも伝説級って言ったら、ぼくの目の前に座ってる気がするんですけど。それとも、竜はもともと、そっち側ですか?
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十埼・竜 2021年11月9日
まさにはる先輩だろーなって思いますよ。そういうこと考えてないの。

お、レッスン受けたことあるんですか!? りく先輩ってやっぱり結構いいとこのお坊ちゃんだった感じですよね!!(現代日本のカリキュラムに詩歌はない!!)
大丈夫大丈夫、是非お願いします!! (無効票)
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竜城・陸 2021年11月9日
(あ、と)(珍しく、しまったな、という顔をしただろう)

ごめん、これは幻想竜域の話では、なくて――だからそもそも、“僕”は“竜”ではないものだったんだ。

幻想竜域では、そうだね、そういう風に扱われていた。
竜の恩寵を受けた子。まあ、知っての通りやすやすと人が近づけない体質なもので、それでも人との交流は少なかったけれど。
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竜城・陸 2021年11月9日
あれはあれで、羨ましくはあるけれどね……なかなか真似できそうにはないな。

レッスンというほどでは……祭司の秘儀は口伝で伝えられるものだから、その一環というだけで、これも家柄には拠らないと思うよ。
求める者になら誰にでもその門扉は開かれた。……勿論、だからといって全員が祭司になれるというわけでもなかったけどね。
(なにせ、覚えることが多いらしいから)(なんて続けて) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月9日
……ない?
幻想竜域出身者、じゃ、ないってことですか?(しかも口ぶりからして、後天的ドラゴン……?)(更に首を傾げる羽目になる)
……もしかして、刻逆で(両手指を)(ぐちゃ、と絡ませる)変わっちゃったクチですか……
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十埼・竜 2021年11月9日
……あれ、普通に歌の話ですよね?(予想外、また祭司出てきた。……けれど先史イギリス……ケルトの歌なんて、娯楽というよりは祭祀なのか。なるほど、と小さく頷いて)
りく先輩も祭司になるところ、だったんですね。お勉強してたってことは。

……なんか踊るなら机片付けましょうか?(そういう事もあるのかも知れない。だってなんか……祭りだろ? 真剣な顔で提案する) (無効票)
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竜城・陸 2021年11月9日
幻想竜域の出身ということになっていた、が正しいかな。

……恐らくは刻逆の影響だろうというのはその通り。
実感としては、正史にほど近いであろう人間の歴史に生きた記憶を持っていて。
けれど今の“俺”は、“幻想竜域に竜として生まれて十六年余りを生きた者”として存在していて、そうして生きてきた記憶もある。

……ディアボロスになる前は、“竜”である自分だけが自分のルーツだと疑っていなかったのだけれど。
覚醒した時に、“本来の自分”を思い出した――というか……?
(伝わるかな、と首を傾げて)
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竜城・陸 2021年11月9日
歌の話だよ。
詩歌は伝承を語り伝えるものであり、秘儀を語り継ぐものであり、時にはその詩そのものが魔術を帯びることもあった。
そして、それを語り伝えるのもまた、祭司の仕事の一つだった、というわけ。
(ま、祭司になる予定はなかったけどね。なんて、肩を竦めて)

だからなんというか、踊るようなものでもないし……うん、机は片付けなくていいよ? (無効票)
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十埼・竜 2021年11月9日
……異世界転生じゃん!?(安直な結論に飛びつくことを厭わない現代日本人、トレンドを恥ずかしげもなく口にした)
じゃあ、人生がダブっちゃってるんだ。……えーと、ぼくたちの世界っぽいとこで普通……普通?に生きてたのと、ドラゴンに生まれ直したのと……

(……あれ?)

……ん、ドラゴン生活する前から隔離されてたのって、何でなんです?
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十埼・竜 2021年11月9日
片付けなくてもいいなら助かります。ほら、ぼく非力だから。(海で見たよりももっと、どこか萎えた腕をひらひら振った)
叙事詩、ってやつだ。……それが魔力を得るなんて、本当にトールキンの世界だなあ……
(ああ、それなら)(棚から卓上マイクをひとつ下ろして、彼の前に置いた。ジャックをヘッドホンにぷすりと突き刺して)
では、お願いします。(ぺこり。) (無効票)
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竜城・陸 2021年11月9日
異世界転生?
(聞いた覚えのない単語に首を傾げて――)……ああ、うん、そうだね、二つの人生があるように感じているというのはその通り。

(どうしてそうなったのか、というのは曖昧だ。憶えているのは、記憶なのだか夢なのだかわからない、世界の全てが崩れゆくそのさまだけで――――)

――ああ。大したことじゃないよ。
“やすやすと人が近づけない体質”なのは、生まれつきだというだけさ。
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竜城・陸 2021年11月9日
そうだな、俺も非力だしね。
(ひらひらと同じように振ってみせたその腕は細く、青白く、無駄な肉どころか必要な肉もついていないように見えるだろう)

そうかな、今だって変わらないんじゃない?
心に響く詩歌は魔法と同じ。それは普遍的な事実であって。
違うのはきっと、歌うものが、そして、聴くものがそうと信じているかどうかだけなんじゃないかな。

(なんて、言いながら――けれどマイクを向けられれば少しばかり当惑したような顔をして)
……ええと、これに向かって歌えばいいの? (無効票)
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十埼・竜 2021年11月9日
……竜になる前からまた周りをバキバキに凍らせたりとかしてたんですか?(言っていて……これは何か、違う気がした)(なんというか)(さっき聞いた家族との交流(これを交流とはあんまり呼びたくないけど!)話には、馴染まない、ような。)
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十埼・竜 2021年11月10日
(似たような腕にくすくす笑う)「ご飯はちゃんと食べないと白のクラスに叱られますよ」……って、こないだグスタフ先輩に言われたんですけど。(わざわざノイズイーターで声の波まで弄って、あの機械音声を真似てみせた。クオリティは微妙なラインである)

あ、それいいな。りく先輩、音楽の力ってのわかってんじゃん!要するにノレて、ノセられればいいんだよ。
そうそう、それに向かって。……あ、この紐っぽいのは(と、マイクからにょろっと伸びて向かいの異形のヘッドホンに突き刺さっているジャックを指さした)ちょっと、こっちの都合で。気にしないで。
そうそう。 (無効票)
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竜城・陸 2021年11月10日
俺を生んだ母が命を落としたんだ。
同じように、二人ほど従者も亡くなっていてね。

(――魔法と、そうでないものを分けるものは何か)
(“そうと信じているかどうかだけ”だ)
(だから、つまりは)

人は、俺を“そういうものだ”と信じて恐れた。ただそれだけの話だよ。

(“そうと信じてしまった”のだ)
(人も、世界も、――自分も)
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竜城・陸 2021年11月10日
ああ、俺もよくちゃんと食べろって言われるよ。
(正確には、「グスタフに」だけではないが――まあそこは言うような話でもあるまい)

音楽の力というか――魔術にも通ずるものがあるからね、そういうのは。
割合、後世においても普遍的な論理であるらしいし…………、
(なんて言葉を続けるのにも、そろそろ窮してきて)(一つ息を吐いて、)

……お聞き苦しくても許して戴ければ。
(目の前のマイクに顔を寄せた)
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竜城・陸 2021年11月10日
(――なんの歌だと言っていたっけ)
(――どんなふうに歌われていたのだったか)
(思い出しながら、一音一音、音をなぞっていく)

(古い詞で紡がれる歌は)
(いわゆるエアーに近いような、長音のゆったりした旋律を多く含むフレーズを多く含んでいる)
(ゆっくりしとしたテンポで紡がれてゆくそれは、今の音楽のように、同じ旋律を繰り返すようではなく)
(似たようなフレーズでも、リズムが、呼吸が、少しずつ異なっていて――――)
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竜城・陸 2021年11月10日
――――、
(一節を歌い終えて、それが、止んでから)

(息を吸って、)(奥歯を噛む)

…………、多分、こういう、感じ。 (無効票)
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十埼・竜 2021年11月10日
(いやいやいや)
(西暦500年だろ?)
(今よりずっと人が簡単に死ぬ世界だっただろ?)

(――――ああ。そのありふれた死の裏側に)
(ありふれたと到底割り切れないものが、呪いが、きっと、たくさんあったんだろう)
(けど。)

…………迷惑な話ですね。(荒立った波を隠せるほど、ぼくは利口でも大人でもなくて。)
(軽く、頭を振る。……ぼくが何言ったって、もう過ぎた話だろ。)
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十埼・竜 2021年11月10日
……あのひと、奔放なようで意外と世話焼きなとこありますよね。神経質っていうか。(ああやっぱり、みたいな顔で微笑んだ。絶対言われてると思った……)

(マイクに顔を寄せる段、もうこちらからはなにも嘴を挟むもんじゃない。……実はあれか、お喋りで先延ばししてたな?)(マイクの向こうでニコニコしながら、その音を待つ――――)
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十埼・竜 2021年11月10日
(――――旋律は、どこか懐かしい)
(ゆったりとしたスコットランド民謡に、近いような気がする。)
(けれど、その発声が)
(深い呼吸と巧みな喉遣い)
(聞いたことのない、不思議な抑揚の詩)
(格式ばった教会音楽が踏み躙る前の、たぶん)
(風の音や森のざわめきに近い、音楽。)

(ヘッドホンを両手でぎゅっと耳に押し付けて、それを、聴いている。)
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十埼・竜 2021年11月10日
…………!!!!
(歌い終えて顔を上げたなら、そこには目をギラッギラにしたぼくがいる)
はじめて聴いた!!!! えっこれが西暦500年ごろの歌!? すっげーかっけーこんな歌い方するんだ!!! ねえねえねえ先輩これって何の歌だったんです!? 魔法のヤツ!? 他にありませんかもう一曲くらいサンプルほしいなあぼく!!! (無効票)
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竜城・陸 2021年11月10日
えっ、
(その、目をきらきらさせた少年の様子に)
(気圧されたみたいに少しばかり仰け反った。背中がパイプ椅子の背とぶつかって、軋むような音を立てる)
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竜城・陸 2021年11月10日
え、……と、
(少し上ずった声を、)(咳払いひとつで調整して)

……呪歌のたぐいではないよ。俺がそういうの歌ったら大変だからね。
確か、生まれた土地を語り継ぐ歌。
部族の興った土地を語り伝え、そこに在ったものを忘れないように繋いでいくためのもの、だったかな。

――修学旅行で見て回ってわかったけれど、今の世界って思った以上に自然が少ないんだね。
そうだとしたら、きっと、こういう歌に残してその在るべき様を語り継いだのは――もしかしたら、意味のあることだったのかも。
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竜城・陸 2021年11月10日
え、と、他に。
他に……(俺が問題なく歌える歌は……)(なんて、考えて)…………部族を語り継ぐ歌、とか。そういうものなら。

俺が習ったものは……父上の成した武勲までを含めて歌われているもので。
世界が元の通りに続いていたら、全く違う歌になっていたかもしれないけれど……。 (無効票)
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十埼・竜 2021年11月10日
おっとごめんなさい(軋む音に、前のめりから大人しくパイプ椅子に座り直して)(しかし尻尾があったら振り切れんばかりに振られてんじゃないかって満面の笑み!!)
あはは、りく先輩がビビるのもあれだ(指を立てた)海底ぶりに見ました。レアじゃん?
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十埼・竜 2021年11月10日
まさに口伝、ですね。叙事詩。
……そりゃ、500年前に比べたら……(パッヘルベルを軽くつついて)人間の数がざっくり40倍みたいなもんですもん。ひとが増えれば、もとの森は減る。形を変えた自然もまたあるんですが……先輩がいた頃のものは、特にそうでしょうね。

……先輩、形に残らない、風化しない、壊れないものは、って思って、歌を思い浮かべたんだと思うんですけど。
歌だって、残らないんですよ。(柔らかく、苦く、笑う)
歌い継ぐものがいなくなれば、すぐに。言葉ごと。……戦争は言葉ごと殺すでしょう?
それを防ぐための「楽譜」が生まれたのは、先輩の時代よりもずーっと、後のことです。メロディを文字に残す技術。
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十埼・竜 2021年11月10日
でも。
先輩の歌聴いて、なつかしいなあ、って思ったんです。

先輩の頃の歌は、やっぱり形を変えて散らばって、いろんなところにあるのかも知れませんね。そのままじゃ、なくても。
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十埼・竜 2021年11月10日
先輩んちの武勇伝!?(現代っ子はざっくり略す!!)
というか武勇伝歌にしてるご家庭ってやっぱり結構なお坊ちゃんじゃん!! それも是非! オナシャス!! (無効票)
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竜城・陸 2021年11月10日
いや、…………驚くことくらいあるよ、顔に出さないだけで。
(顔に出てしまう、ということは。多少なり共感やら、そういうものを感じてしまっている、というか、有体に言えば――)
(考えるのを、そこでやめて)
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竜城・陸 2021年11月10日
(それから、語られる言葉を聞いていた)
(言われてみれば、その通りで。自然とは人に力を貸し与えるものでもあったけれど、人の手も人智も及ばない場所、であって)
(ひとが生きていく為になくてはならないものだけれど、人の踏み込めない領域でもあった)

(――だから、それが消えてゆくのは、当たり前のことで)
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竜城・陸 2021年11月10日
(戦いがあれば、滅びるのは必然のことで)
(滅びるということは、何も遺らないということで)

(だから、ああ)
(見つけられなかったのは、当たり前のことだったのだなと思った)

(――“もし、自分が運命を許容していなかったなら”)

(考えて、それも、打ち消した)
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竜城・陸 2021年11月10日
…………、
(それでも、)(何かが、残っていたのだ、と。思っても、いいのなら――)

そう、か。
…………、そうだと、いいけれどね。
(それを、どう受け止めていいのか)(よく、わからなかった)
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竜城・陸 2021年11月10日
って、ああいや、…………“部族全体の”、だよ。
俺の家が、というわけじゃない。あの頃は別に血縁で相続が決まったわけじゃないからね。
その当時は父が部族の長だったから、その武勲も部族のものとして語り継がれているというだけで――――
ああ、うん、了解……。(気圧された) (無効票)
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十埼・竜 2021年11月10日
……顔に出た方がかわいいしモテますよ。特に先輩は。(人をナメくさったそこそこ顔のいい後輩の意見です)
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十埼・竜 2021年11月10日
(……彼が次に声を発するまでの、さざなみのような間を)
(彼の顔をじっと見て、待っていた。)
(自分の言葉が相手にどんな顔をさせるのかに)
(ぼくたちは、自覚的でなければならない。)

(穏やかな波は、すぐに消えたようだった。)
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十埼・竜 2021年11月10日
……部族、国……よりは村? ぼく確かに歴史の授業はあんまり出てないけど。先輩んとこってなんかフクザツなんだなあ……
(ふむ)(しかして、ずい。)そんじゃーもう一丁お願いします、さっきの要領で!
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十埼・竜 2021年11月10日
……あ。
今録音させてもらってるの、今度ぼくのラジオで掛けさせてもらっていいですか? (▼)
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竜城・陸 2021年11月10日
そういうものなんだ?
……なら余計、顔には出さないほうがいいだろうな。
(なんて、小さく溜息を吐いて)
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竜城・陸 2021年11月10日
(もの思うその、少しの間に)
(それを見る彼がどんな顔をしていたのかは、気付けば目を伏してしまっていたから、わからない)

(だから、ただ、自分の裡側のことだけを思っていた)

(――自分が、“ ”としての生き方を許容していたら)
(この世界に、父の、きょうだいの、部族の、生きた証は遺ったろうか?)

(きっと、否で)
(だから、やっぱり、今のまま生きることが正しいと思うのに――)

(――そう思うと、なんだか喉の奥に鉛が詰まったみたいな気持ちになる。)
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竜城・陸 2021年11月10日
……どちらでもあるしどちらでもないかな。
部族単体で社会として成立していたから、まあ国と呼べなくもないし……けれど、今でいうイメージだと、「国」というには小さいし……というような。

(うまく説明できないな、と緩く首を振って、)わかったよ、参考になるものは多い方がいいだろうし――――
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竜城・陸 2021年11月10日
――――えっ?? 録音してるの??
いやっ、あの、…………(頼み事しているのはこっちだし……)……いいけど、名前、名前とかは出さないでよ? 本当に。頼むから。
(ね?? なんて言いつつ)(――まあ名前なんて出さなくたって学園生には丸わかりなのかもしれないが)

(溜息を一つ吐いて)(またマイクへ顔を寄せ)
……まあ、うん。
それじゃあ、―――― (▼)
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竜城・陸 2021年11月10日
(流れるような――静かな中にも勇壮さを秘めた旋律)
(嘆きを歌うような、悲しげな旋律)
(あるいは、穏やかな日々を歌うような、緩やかでのびやかな旋律)
(様々なメロディが、入れ代わり立ち代わり紡がれていく)

(――生まれ、育ち、死にゆくための場所)
(――自分を“ ”として望み、“災厄”として恐れた場所)
(――たった一人自分を愛してくれた人のいた場所)

(それを歌う自分の想いが、どうあったかなんて――――歌い終えたって、まだ、よく、わからなかった)
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