【個】氷の香りは
大門・錦 2021年11月8日
ニュー新宿わくわくモール。その中にあるアロマショプからの帰り道。
立ち寄ったのは歌舞伎町三丁目商店街、喫茶店『アトランティス』。
落ち着いた店内に、男女が向かい合って2人。
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大門・錦
竜城・陸
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大門・錦 2021年11月8日
いかがでしたか、竜城さん。
ああいったお店は、人によっては匂いで気分が悪くなる事もあるらしいですが……
(今、鼻を擽るのは運ばれてきた紅茶の香り。しかし、先程まで居た店はアロマショップ。多種多様な匂いの混在した空間は、鼻の敏感な者には苦手を感じるらしい。目の前の男性はどうだったのだろう、と。)
竜城・陸 2021年11月8日
ん、(テーブルの上のコーヒーの液面から、視線を目の前の同級生の方へと移して)……俺はあまり問題なかったかな。
少なくとも気分が悪くなる、ということはなかったよ。
大門・錦 2021年11月8日
重畳ですわ。
男性だと香料の匂いが苦手な方も多い、と聞いていましたので。
(先程の店の紙袋に視線を向け)
そちらも、香りの少ないものをお勧めしましたが、ラストノート辺りではどうか、今一つ解りかねましたので。
竜城・陸 2021年11月8日
そうなんだ? ……畑のにおいの方が堪えるけどね、俺は。
(比較になるものでもないかもしれないけど、なんて言いつつ――彼女の視線が向いた方にある包みを軽く持ち上げてみせ)
ん、大丈夫だと思うな。……割と、馴染みのある香りでもあるし。
大門・錦 2021年11月8日
あら。青のクラスの番長ですのに、畑の臭いが?
(そう、くすくす、と笑って)
馴染み、ですの?
何か縁のあるものだったのでしょうか。
(右人差し指を、右顎に軽く当て。小首を傾げ)
竜城・陸 2021年11月8日
残留効果を使うほうの畑はまあ、気にならないないのだけどね。
……普通に作物を育てるとなると、肥料のにおいなんかはけっこう……。
(思い出して少しばかり、眉間を指で揉むように)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月8日
ん? ……ああ。
香りの基礎がこう――薬草として馴染みのあるものばかりだったから。
そういう意味で、馴染みがある……というか。
大門・錦 2021年11月8日
成程。堆肥の事でしたか。
ハーブは薬草でもありますものね。
私も幾つかは良く扱いますわ。
そういう事でしたら、お店の香りを気になさらなかったのも頷けますわね。
慣れない香りだから気分が悪くなる、そうですし。
(そう言って、紅茶を一口。)
竜城・陸 2021年11月8日
ああ、まあ、そういうこと。
区画が限られているし……居住区がすぐ近いから、においが漏れないようにはしているのだけどね。
(だから余計に慣れないのかも、なんて肩を竦めて)
ああ、錦も――よく扱うというのはやはり、魔術的な……?
(まあ、これに関しては似たようなものだが)……なるほど、確かに男性は余りこういうものに馴染みがなさそうだというのはわかる。店内も女性ばかりだったしな……
俺、浮いていなかったかな。君に迷惑をかけていなかった?
大門・錦 2021年11月8日
えぇ。降霊術の儀式でも、魔術薬の調合でも。
家の庭に薬草園があって、お父様が良く手入れをされておりましたわ。
堆肥もそれで見たことはありますもの。
(軽く、唇に指で触れて思い返すように斜め上を見上げて)
浮いているようには見えませんでしたわね。
竜城さんは中性的な顔立ちですし……
(無効票)
大門・錦 2021年11月8日
(軽く、微笑んで)
迷惑だなんて。そう思っていたら、こうしてお茶などしていませんわ。
そこまで心優しくもありませんもの、私。
竜城・陸 2021年11月8日
成程ね。確かに、祭司たちは儀式にも用いていたな。
俺は専ら、調合方面にしか使ったことはなかったけれど。
お父上が。……と、すると、錦の家は代々魔術師の家系だったんだ?
(無効票)
竜城・陸 2021年11月8日
そう? ……それなら何よりだ。
俺のせいで変に注目されたりとか、そんなことにはなっていなかったようで。
(安心したように僅かばかり目元を緩めて、コーヒーのカップを手に取り)
……十分優しいとは思うけれどね。
こうして親身になって相談に乗ってくれているのだから。
大門・錦 2021年11月8日
(一口、紅茶で口を湿らせてから)
えぇ。祖を遡ればソロモン王に行き着く……なんて。本当かどうかは知りませんけれど。
とはいえ、お父様は魔法使いではありませんでしたわ。
家の系譜はお母様。お父様はその手伝いとして、薬草園の管理をされていました。
(演出継続)
大門・錦 2021年11月8日
(少し、いたずらっぽく笑って)
別の意味で注目はされていたかも、知れませんわね。
余人にはデート、と見えていたりして。
あら。私の優しさは有限ですわ。
誰彼構わず振りまけるほど、優しくはないと言うだけで。
竜城さんだから、こうして親身になっているのかも知れませんわ?
竜城・陸 2021年11月8日
――ああ、大陸で名を馳せた古代の魔術師、だったか。
魔や悪霊、精霊の使役に秀でていた……とか。
(知識としては知っている。自身のいた頃よりさらに過去に遡った時代の、偉大なる魔法使い)
女系相続なんだ? ……というわけではなく偶々そうだったのかな。
(それこそソロモン王は男性であったろうし、と)
(演出継続)
竜城・陸 2021年11月8日
おや、……ふふ、そうだったら光栄だけれどね。
でもそれこそ、もっと精悍な男性の方が釣り合うのではないかな。
(くすりと笑って、コーヒーを一口、喉を潤して)
おや、それは友人として好印象を抱いてもらえている、という解釈でいいのかな?
大門・錦 2021年11月8日
男系女系、というよりも、魔術の才能で相続、ですわね。
長子相続というわけでも無かったようですわ。
お父様が華奢な方でしたので、あまり精悍過ぎる方はどうも……
その意味では、竜城さんも少々上背が有り過ぎますわね。
つまりは。
今この状況は、お友達として当然のことをしている、と。そうなりますわね。
(そう言って微笑み。紅茶を一口。)
竜城・陸 2021年11月8日
成程ね。おおよその魔術師の家系はそういう風になっているのかな。
(ミーレも若くして領袖をつとめたとは言っていたけれど、長子と言っていたわけではなかったしな……なんて、考えながら)
そうなんだ? ……現代だとその辺りの価値観も色々と違うんだな。
でも、よかった。
そういうことなら遠慮なく今後も頼りにさせてもらえそうだ。
大門・錦 2021年11月8日
言わば技術職、ですもの。
才あるものが継いで行かねば、いずれ途絶えてしまいますわ。
……まぁ。ちょっとした例外もあったのですが。お母様には。
(今は深く話すことでもない、とぼかしつつ)
えぇ。私でお力になれる事であれば。
そちらだとやはり腕力第一、甲斐性第一、といったところなのでしょうか?
私はどうしても身近な男性がお父様だったもので、基準が現代に即している、とも言い難いですわね。
竜城・陸 2021年11月8日
言っていることはわかるよ。
俺の暮らしていた土地も、血筋を問わず、最も才ある者が次代の統制者となるものだったしね。
……まあそういう意味だと少し異なるのだけれど。秘儀を受け継ぐのは、血筋の者でなくてもよかったのだから。
(例外、と首を傾げつつ――けれど、深くは問わず)
言った通り、才覚のある者が重視されるね。
武芸であったり、学問であったり、政治的な手腕であったり――基準は様々だけれど。
大門・錦 2021年11月8日
成程。完全実力主義、という訳ですのね。
そして、それだけの実力者だからこそ庇護を求めて慕われる、と。
厳しいですが、道理ですわ。
あら。でしたら、竜城さんも、さぞ持て囃されていたのでは?
竜城・陸 2021年11月8日
そういうこと。今の世とは少し毛色が違うかな……いや、民意で選ぶというところは一緒だけれど。
まあ、とはいえ根幹の……才覚というのには血筋も影響する部分は多かったろうけれどね。
俺?
……まあ、そうだね、“幻想竜域では”確かにそうだったらしい。
大門・錦 2021年11月8日
(その言い方に、少し引っかかりを覚えつつ)
血縁、遺伝も影響するもの、らしいですものね。
魔術が他者に継承しづらいのもその辺りですし。
……と、そろそろ良い時間ですわね。
(傾けたカップに、紅茶が残り少ない事に気づき)
竜城・陸 2021年11月9日
そうだね、秘儀を語り継げることと、実際にそれを行使できることは大きく違う。
……まあ、遺伝も何も関係なく、そういうものを負わされる例もなくはないだろうけれど。
ああ、そうだね、お付き合いさせてしまってすまない。
……よかったら、家まで送ろうか。
復讐者に身辺の心配、というのもあれだけれど……この時期は暗くなるのも早いから。
大門・錦 2021年11月9日
あら。ではありがたく。
日が落ちるのもだいぶ早くなりましたものね。
では新宿駅の方へ参りましょうか。今の住まいはそちらの方でして。
(そう言って、席を立ち。)
竜城・陸 2021年11月9日
ん、……オーケー。
では今しばしの間宜しく頼むよ、お嬢様。
(なんて、ほんの少し軽口を叩きつつ)(カップを置いて、席を立つ)
(その後もぽつりぽつりと、他愛ない話をしながら)
(暮れてもなお明るい新宿島の夜道を、ゆっくりと歩いていったことだろう)
大門・錦 2021年11月9日
まぁ。エスコート、お願い致しますわ、王子様。
(軽口に軽口を返しつつ、陸のやや斜め後ろに並び。)
(星の光の届かない、地上の星の中を歩いていった。)