【個】明日がまた来るとして
竜城・陸 2021年11月6日
――修学旅行三日目・ハワイ。
現実と同じように日が昇り、傾いて、やがて水平線に沈んでいく。
そんな、一日の終わりを、眺めている。
場所:
VRアリーナ内 ハワイ
とあるビーチにて
書き込み可能:
#三隅・彩乃
#竜城・陸
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三隅・彩乃 2021年11月6日
それは、あなたがこの世界では番長じゃなかったという話?
それとも、ディアボロスじゃなかったという話かしら。
(それとも、と一拍の間を置きます)
もっと別の話かしら?
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
普段は翼や尾が重くてね、「泳ぐ」って感じじゃないからさ。
まあ、この中では少し泳いでみたりもしたし。
その辺りは十分楽しんだかな、という気がしているよ。
(波打ち際、海の方へと向かう足跡を追うように、緩やかに足を進めて)
竜城・陸 2021年11月6日
どちらかというと後者が近いかな。
……まあ、別の話といえば別の話でもある。
君がここなら世界を自分の全てで感じられるのと、ほとんど同じことだよ。
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
水中じゃ不便なのね……。
(水中で羽ばたけないかなと、ほんの少しだけ思いましたが試したこともなかったので彩乃にはわかりません。瞳子なら試せそうですが、瞳子には彩乃と一緒に海へ入る気はないようでした。二人から離れた位置で佇んでいます)
三隅・彩乃 2021年11月6日
後者。そう。
(個人的な事情。現実世界で常に付きまとうもの。それがないからここが「楽しかった」のなら、きっと愉快なものではないはずです。海のなか、膝下まで濡らしたところで彩乃はようやく立ち止まりました)
それが何なのか、私が聞いても大丈夫かしら。
前に水やりのときに話した「向いていない」ことと関係はある?
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
俺の場合はそうでもないけどね。
重くて泳げなくても、魔術を使えば動ける。
(なにせ、“水”というものは自身の権能、自在に操れるものである――)……でも、水泳の授業でやったらずるいだろ?
竜城・陸 2021年11月6日
関係があるといえば、あるかな。
(ぱしゃりと、水を跳ね上げる音。足首を浸す水の感触を感じながら、)
……手を貸してもらっても?
(片手を、差し出す)
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
そうかもしれないわ。
(でも、授業でなければよさそうでした。それなら安心です。少なくとも遊ぶことはできそうですから。実際に遊ぼうとするかどうかはわかりませんけれども)
三隅・彩乃 2021年11月6日
……?
どうぞ。
(求めに応じてそっと手を差し出します。白く小さな手です)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
まあ、だから、水泳の授業は見学。
……いやグスタフとかも真面目に参加してるし、悪いと思わなくはないけどね?
竜城・陸 2021年11月6日
(生身の――青白い手で、彼女の白く小さな手を、握って)
(一秒)
(二秒)
(三秒――)
生きてるでしょ?
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
…………水の抵抗が大きそうね。
(泳ぐグスタフを想像してみた感想でした)
三隅・彩乃 2021年11月6日
……。
(手を握られて、それで何が起きるのかなと思って。思っているうちに予想外の質問があったものですから、ぱちぱちと瞬きをしてしまいます)
……生きてるわ。
三隅・彩乃 2021年11月6日
ごめんなさい。どういうことかしら……?
(よくわかりません。手をにぎることと質問がうまく結びつきませんでした)
手を握っていると危ないの?
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
むしろ、浮くのかなああれ……。
(見学の生徒は別の授業内容を出されたり自習のプリントを渡されたりするので、実際の授業風景を見たことはないのである)
竜城・陸 2021年11月6日
生身で、何の制御もしない俺の手を三秒も握ってたらね。
多分どんなに強い人間でも死に至る。
そういうのを感じ取るのか、普通の生物は俺に近寄ってこないんだ。
向いていないというのは、そういうこと。
俺は、“命を奪う”側の立ち位置だから。
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
(死。現実感のない告白でした。あまりに現実感がなくて、握った手をまじまじと見てしまいます。もしこれが現実なら彩乃は死んでいたそうです)
ええと。
だから、陸さんはさっき自分をここでしか“ただの人”でいられないと言った。
ここでは、誰かと手をつなぐことができた。
三隅・彩乃 2021年11月6日
そういうことであってるかしら?
三隅・彩乃 2021年11月6日
(ざざあん。波が裾を濡らしていきます)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
そういうことで合ってるよ。
(特段に悲壮感もない、平時と変わらない口調だった)
(だって、これは当たり前のことなのだから)
(“災厄とは、人の身を侵し、人の世を乱し、人の命を奪うようにできている”)
だから、少しだけ終わるのが惜しかった。
……だからといって夕陽を追いかけて、どうになるものでもないけどね。
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
いつも、命を奪う力を持っている。
それはどんなに強い人でも例外じゃない。
(彩乃は反芻するように、唱えるようにそれを繰り返しました)
だから、あなたは人じゃない……。
(彩乃はいつか寧夢理としたカウンセリングの授業を思い出しました。傾聴、まずは相手の話を聞くこと。聞いているだけで相手の気持ちは軽くなるのだから、それだけでもいいのだと)
三隅・彩乃 2021年11月6日
(でもこれは、こればかりは。黙っているのが難しかったようです)
三隅・彩乃 2021年11月6日
陸さん。
人って何かしら。
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
人の社会というものの枠に収まること。
(いつか、似たような問答をしたことがある。それをなぞるように、答えた)
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
そうよね。だから私は人よ。
陸さん、あなたはその枠には収まっていないの?
(よどみなく帰ってきた言葉に少しの安心感を抱きながら、確認するように問います)
(無効票)
竜城・陸 2021年11月6日
ただ生まれただけ、ただ息をしているだけで人を殺めてしまうものを、人間が“人”と呼ぶと思うかい?
(要は、「社会に認められなければ、人ではない」)
(自分は人々に“ ”として望まれたもので。であるから、“人”ではない)
(そういうのが、この竜――否、“ ”の世界観)
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三隅・彩乃 2021年11月6日
(いま彩乃のしていることは傾聴でも受容でも、共感でもありません。カウンセラー失敗だなと、内心で先生に頭を下げました)
私、人である陸さんしか知らないわ。ずっとずっと陸さんのことを人だと思っていたわ。
これって、私の目が見えないせい?
いいえ。
三隅・彩乃 2021年11月6日
学園では、そこにいるだけで誰かが死なないように、息するだけで死なないようにしているのよね。
できているのでしょう。だって私、陸さんが誰かを死なせてしまったなんて聞いたことがないもの。
もし、もとは人に生まれなかったとしても、いまは自分の意思で枠に収まろうとしてる。これじゃ人じゃないのかしら。
三隅・彩乃 2021年11月6日
私は決してそうは思わない。違うって言われたら泣いちゃうわ。
(泣いちゃいます。いま言ったことは、彩乃自身もそうだからです)
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竜城・陸 2021年11月6日
――――、
(一瞬)(口からは、否定の言葉が出かかって)
(けれど、)
竜城・陸 2021年11月6日
(“『周囲があなたに求めてるものは何よ?』”)
(“『あなたが自分で「こうだ」って決めてそうある。その熱が大事なんだよ。』”)
竜城・陸 2021年11月6日
………………いや、君が泣くことでは、ないでしょ。
(代わりに、零れたのは)(溜息と、そんな、当惑に満ちた声)
それはまあ、できているよ、できているけどね。
…………、でも、“今のところは”だから。
まだ自分ではきちんと認められていないんだよ、俺は。
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三隅・彩乃 2021年11月6日
いいえ、泣くわ。
だって私自身がそうだから。
人でないものとして生まれて、でも人の社会で、一員として生きてるつもり。
だから否定されると泣いちゃう。
(彩乃はなんとなしに瞳子のほうへ向きました。すると目が合いました)
三隅・彩乃 2021年11月6日
できているなら、続けましょう。
もし難しくなったら、誰かに助けを求めましょう。きっと――いいえ絶対――みんな助けてくれるはずよ。
(どうすればいいか私も一緒に考えるわ、と付け加えたりします)
それじゃだめかしら。
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竜城・陸 2021年11月6日
君が? …………。
とてもそうは見えないのだけれど。
(なんとはなし、彼女の視線を追うように視線を巡らせて。そうすれば、その先にオラトリオの少女の姿)
続けるのは前提としても、助けを求めるのはなしかな。
こればかりは、“俺が”どうにかしなければいけない問題で――……、いや、この言い方は正確じゃないか。
竜城・陸 2021年11月6日
……“人だ”と言ってくれるというだけで、十分助けられているよ。
だから、それだけでいいんだ。あとは、俺の問題。
(無効票)
三隅・彩乃 2021年11月6日
あら、そう。それなら私は自分の「人」に自信持っていいってことね!
(誇らしくなってつい胸を張ります。ほらほら私はできてるわと言わんばかりに。と言っても彩乃には陸ほど強大な力はないので、困難さはまったく別なのでしょう)
三隅・彩乃 2021年11月6日
ええ、わかった。
それじゃ、あなたがいつまでも人でいられるように応援してる。
でも忘れないでね。陸さんに何かがあったらきっと周りの人は悲しむわ。
(ざぶざぶと砂浜のほうへと歩きました。裾はもうすっかりずぶ濡れでしたが、奇妙な満足感がありました)
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竜城・陸 2021年11月6日
…………そう、かな。
(肯定も否定もせずに、曖昧に笑う)
(――“どうか、■のまま■■■くれ”)
(脳裏によみがえる一節を、また記憶の底に封じて)
竜城・陸 2021年11月6日
ああ、自信を持っていいと思うよ……そうだ。
これとは別の話だけど、助けを求めたいことがあるって言ったら、聞いてくれるかい?
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三隅・彩乃 2021年11月6日
(ふふーん、とまた胸を張りました。これは自身を持っているポーズでした)
いいわよ。何でも言って!
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竜城・陸 2021年11月6日
グスタフ曰く、女子は軽々に「なんでも」なんて言わない方がいいらしいよ?
(なんて、そんな自信ありげな様子にくすりと笑んで、)
豊饒祭があるだろう。実行委員、やってみない?
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三隅・彩乃 2021年11月6日
ええ……まあ、そうだったわね。
いえでも助けって言っていたから。
(ごにょごにょと言葉を濁して)
三隅・彩乃 2021年11月6日
……。
(豊饒祭実行委員)(豊饒祭実行委員、だそうです)
(豊饒祭実行委員ですか?)
三隅・彩乃 2021年11月6日
んー。私にできるかしら…。
でもできる限りのことは、ううん……。
(VR内ならともかく、外に出たらもうすっかり目の見えない彩乃になってしまいますが)
引き受けましょう。がんばるわ。
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竜城・陸 2021年11月6日
おや、俺は出来ないと思ったら頼まないよ。
……勿論、無理にとは言わないし、やりたくなければそれでいいのだけれど。
竜城・陸 2021年11月6日
ただ、もし、自分にはどうにもならない部分のことが不安で躊躇っているというなら。
それが妨げにならないように取り計らうのも、俺の仕事だから。
竜城・陸 2021年11月6日
俺を“人”にしてくれるんだろ。
それくらいは、させてもらうよ?
(▼)
三隅・彩乃 2021年11月6日
(すーっと深呼吸。女は度胸、という言葉を思い出しました。いま関係あるかどうかは不明です)
……いいでしょう。
三隅・彩乃 2021年11月6日
まかせて!
(両手をぐっと握って、あらためてそう宣言するのでした)
(▼)