【個】薄れゆく思い出
西川・安子 2021年11月5日
友人たちと年相応に京都ではしゃいで回っていた西川・安子は、ハワイについた途端、一人で行動するようになった。
家族と行ったであろう思い出の場所を一つ一つ巡っていく。
「そうそう、こんな感じだったっけ」
などと、口にするも、内心ではどうしても疑念を拭うことができない。
―――本当にこんな感じだったのだろうか?
いや
―――家族と来たのは本当にここだったのだろうか?
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#鬼叉羅魏・アンジェリカ
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西川・安子 2021年11月5日
別にって……暇なんですか?私は忙しいんですけど。(言葉とは裏腹に、ただぼんやりと沈みゆく太陽を眺める)
やっぱり、日本と違いますよね、太陽。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
(……)(ふ、 と息をつき。)
(一面に広がる海を染めながら落ちていく夕日を、少し身を引いて眺め)
綺麗なもんですね。
ハワイの夕焼けってのは初めて見ました。
西川・安子 2021年11月5日
初めてのハワイの夕焼けって……どんな感じなんですかね?
私は二度目なんですけど、なんか……。(そこまでいってため息をついて)
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
つまんないなって。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
写真かテレビみたい、って感じですねえ。
(作りものだ、と言いたいようなわけでもなく、おそらくこれが本物でも同じような感想なのだろう。)
(聞こえたため息に、ゆったりと視線を向け)
そーですか。
(また夕陽に戻す)
そりゃあ、
一度目が、よっぽど楽しかった?
西川・安子 2021年11月5日
先輩……初めて都会に来た田舎の人みたいな感想ですよそれ。(そこで初めてくすりと笑みを漏らした)
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
まぁ、そうですね……新鮮だったっていうか、当時、私はとても時差で眠かったんですけど、ふと日差しが眩しくて目が覚めて。
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
何もかもが鮮やかに輝いて見えた。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
あ〜ん?海外なんか初めてなんだからしゃーないでしょーが。
(足を伸ばして、サンダルをぷらぷら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
……。
(視線を、きっと今の時間が一番鮮やかなのだろう夕陽へと。)
西川・安子 2021年11月5日
そーゆー実直で素直な感性が世間には評価されてるんでしょうかね。(対照的に、体を動かすことなく、頬杖をついて)
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
ハワイ、ね。家族で旅行に来たんですよ。パパと、ママと。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
感性、ね。
(その言葉自体にか、マリアに「アイドル的戦略」を説いていたらしいのを思い出させるような口ぶりにか、喉で笑ってから)
(波の音を、ひとつ聞いて)
そう。
それが、一度目。
西川・安子 2021年11月5日
(笑い声に小さく首をかしげて)
えぇ、それが一度目。
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
今日、前行ったところ思い出しながら、色々巡ったんですけど、どこも、なんか違うというか……こんな感じだったかなって、思っちゃって。
先輩って、昔行った旅行とかよく覚えてますか?
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
確かに綺麗で楽しいけど……記憶とは、違う場所のような気がする?
(尋ねながら、視線を)
中坊んときは京都でしたねえ、修学旅行。
西川・安子 2021年11月5日
そう、ですね。(少し思い悩むかのように重い口を開く)前とは違う場所のような気もするし、そもそも、しっかり覚えてないというか……。
(無効票)
西川・安子 2021年11月5日
過ぎ去ってしまえばもう二度と来ない機会なのに。(きゅっと両手を握りしめる)
今回行った京都は前行った京都と比べて、どうでしたか?
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月5日
(尋ねられて)
ん。そーですねえ
(気怠そうに間伸びした声。)
「確かに綺麗で楽しいけど、違う場所のような気がする。」
……まーそもそも、マジメに寺だの歴史だの巡ってたわけじゃないですけど。似たようなもんですかね。しっかり覚えてるのなんて、楽しかったってのだけ。
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
それも、別に京都だからってわけじゃなくて。
……。
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
ねえ、
さみしいですか。
西川・安子 2021年11月6日
(それを聞いて、言葉に詰まった)
(無効票)
西川・安子 2021年11月6日
安子は……。
(無効票)
西川・安子 2021年11月6日
安子は、さみしくなんてないですよ。友達ももう二人もできたんですよ。ユニットのみんなもいるし、スズネさんと一緒に探検もするし……先輩もいるし。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
そう。
(手を、その額へと伸ばした。)
西川・安子 2021年11月6日
(ぼんやり、自身の額に伸ばされる手を見つめている)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
(前髪に触れ、そのまま髪を梳くように、柔らかく頭を撫でる。)
西川・安子 2021年11月6日
(ぼんやり頭を撫でられていると、やがて、きゅっと口をへの字に結ぶようになり)
(無効票)
西川・安子 2021年11月6日
優しく、しないでください……。(あふれる何かを堪えるように、口を固く結ぶ)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
(優しく、撫でて)
……これは、
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
頼まれた分です。
(そこで言葉を一旦区切って。)
西川・安子 2021年11月6日
頼まれたって……誰に?(まるで叱られているかのように、うつむくようにして目を閉じている)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
私よりもずっと、ちゃんと、あなたを心配していている子。
(変わらずに、ゆっくりと撫でていて。)
これは、その分です。
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鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
「甘やかす」ってのがこれで合ってるのかは、わかりませんけど。
西川・安子 2021年11月6日
私を心配だなんて、物好きってのがいるもんですね……。その物好きに免じて、しばらくなでられて上げます。(抱えた膝に顎を乗せて、いよいよ藍色を深めていく空を見つめる)
(無効票)
西川・安子 2021年11月6日
(そこでふと、初めて笑って)
先輩、深刻なまでに不器用ですね。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
……。ガキをちゃんと甘やかす、なんてやったことあると思いますか?探り探りですよこんなもん。
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
でも。
頼まれたのとは別に。(優しく、柔らかく。)
私が、あなたに、何かしてあげてもいいなと思ったんですよ。だから、
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鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
今日。「寂しい」だけを、そのまま大事に持っておきたければそれでいいですし。
それとは別に、新しく。ハワイの思い出ってのを作ってみたいなら手を貸しますし、
このまま優しくしていてほしいなら、そうしてあげ――
(そこまで言って、 ふと、 間を置いて)
……。
物好きの顔を立ててやるなら、それでもいいですけどね。
西川・安子 2021年11月6日
もういいです。先輩のぎくしゃくした甘やかしだと、却って気分が落ち込みますよ。(なんて憎まれ口をたたいて、少し笑って元気になった分、足に力を入れてひょいと立ち上がる)
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西川・安子 2021年11月6日
だから今は、ただ聞いて。
(無効票)
西川・安子 2021年11月6日
(歌い始めた歌は今より十年前……エゼキエルの時間軸から来た安子にとっては、ほんの少し前にちょっと流行った、なんてことないよくあるアイドルの歌)
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西川・安子 2021年11月6日
(その歌声は締め付けられるような郷愁の念がこもっていて……まるで自分の中の悲しみを泣き叫ぶように吐き出しているようであった)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
失礼な。キスして一緒に寝てあげるくらいはしてやろうと思ったのに。
(頬杖をついて、見上げて、)
(本当はあのままで居る方が心地良かったのかもしれないとは、思うけれども)
(その口から、聞いて、と、言われたので。)
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
(藍色がかって見えづらくなっているその顔を、ずっとみていた。)
西川・安子 2021年11月6日
(ひとしきり歌って、すっきりした表情になり)……じゃ、行きますか、ナイトプール。
(、)
西川・安子 2021年11月6日
(思い出作りに手を貸してくれるんでしょ?なんて、勝手気ままなことを言いながら、歩き始める)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
(――……、)(目を、閉じて、 開いて)
(自分の内に浮かんだものを、そのままにして。)
ン。
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
……目の前に海があるのに?
まあ、あなたがそーしたいなら、いーですけど。
(立ち上がって、サンダルを拾って、履いて、後へと続く)
(――ふむ。)
(、)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年11月6日
(数歩で距離を詰め、
小さな背中に後ろから抱きつくようにじゃれついて)
ねえ、ナイトプールってあれ、結局何するとこです?
浮いてるとこしか知らないんですけど
(鬱陶しがられるくらいにべたべたと絡みながら)
(残りの時間をめいっぱいに楽しいものにするべく、歩いていった。)