【個】あなたの忘れ物は
羽望・リムラ 2021年10月29日
某日、放課後、夜。
深夜とまで、最終下校時刻までとは行かずとも、すっかり誰もいなくなった本校舎。
強いて言うなら、職員室などは、まだ明かりが点いているが…普通の教室は、真っ暗である。
普通の生徒であれば、とっくに下校しているのだが…とある場所には、こそこそとうごめく影があり…
#織代・マリア
#羽望・リムラ
0
羽望・リムラ 2021年10月29日
(ぺた…ぺた…靴の音がいやに響く気がする)
(手に持っているのは、懐中電灯。スマホでもいいようなものだが)
うぅ…スマホを忘れてくるなんて、ついてません…不幸です…
(などと自業自得な事を呟きながら、廊下をこそこそと歩く影)
織代・マリア 2021年10月29日
……な、なにか、きこえませんでしたか……!?
(スマホを忘れた少女が歩く廊下と交差する別の廊下では、知恵遅れの高等部女子生徒が恐る恐る、縮こまりながら歩を進めていた)
う、うぅ~~……おばけ……もしかして、おばけさまでございますか……?
(おばけさま~……と控えめに声を出して、幽霊がいないか確かめてみる)
羽望・リムラ 2021年10月29日
(おばけさま~…という声は当然、こちらの廊下まで響いており…もちろん、しっかり聞き取れるわけではないが…)
ひぃ!なななだだだだ誰の声ですか、何の音ですか!?
(ひぃ、以降は声を抑えたものの、最初の声はなかなかに響いたかもしれない)
いえ、多分風の音か何か…だってさっきまであんなに静かで…そう…そのはず…です…
(音が聞こえてきたのは、進む先の廊下)
(おそるおそる…曲がり角まで進む…)
織代・マリア 2021年10月29日
ひゃあっ!? や、ややややややっぱりいらっしゃるのですか!?
おばけさま、いらっしゃってございますか!?
(あわあわと口を抑えてその場にへたり込む。
恐怖で動けなくてどうしようと頭が空回りしていると、さらにそこに追い打ちのように)
ど、どどどどういたしましょう……おばけさまが……こっちに……!?
(段々とはっきりと聞こえてくる声、窓から差し込む光が影がゆっくりと近づいてくることを示していて)
あ、あっ、あ……っ
(あわあわ、あわあわ。やがて影は曲がり角にやってきて……)
(無効票)
織代・マリア 2021年10月29日
きゃーーーーーーーーーーーーーーーっ!?!?
(おばけだと思ってめっちゃくちゃデカい叫び声を上げた)
羽望・リムラ 2021年10月29日
(鉢合わせた相手は、真っ黒な何かで…暗闇だからそう見えただけなのだが…)
ぎや゛あ゛ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!
(相手が何かなんて思う余裕もなく)
(盛大に叫び声を上げて)
(後ろにすっ転んで、ずべし、と床に背中を打った)
あびゃん!?
織代・マリア 2021年10月29日
きゃーーーーーーーおばけさまごめんなさいごめんなさい!!
よふかししてごめんなさい!!
いつもブロッコリーをおともだちやおにいさまにたべてもらってごめんなさい!!
これからはよいこにしますのでたべないでくださいましーーーーーー!!!
(頭を両手で覆ってプルプル震えてごめんなさいを繰り返す)
(が、一向に何か起きる気配はなく)
…………おばけ、さま……?
(おそるおそる、おばけさまの方に目を向けると)
(無効票)
織代・マリア 2021年10月29日
あ、あら、あらら?
だ、だいじょうぶでございますか、おばけさまー……?
(すっころんで床に転がってる少女(推定おばけ)に控えめに声をかけた)
羽望・リムラ 2021年10月29日
お゛ぉぉぉぉ……(かなり痛かったようで、しばらく唸っていたが…声をかけられて)
はい゛…大丈夫でず…(あまり大丈夫そうじゃない声で返事した後)
………はっ!(がばっ、と起き上がって…ようやく地面にぺたん座りの状態になって)
おぉ…お………おばけさま?
(自分を指差して、首を傾げる)
(ころころ…と転がった懐中電灯が、ちょうどリムラを照らし出した)
織代・マリア 2021年10月29日
ぜ、ぜんぜんだいじょうぶでなさそうですわ……?
(触った方が良いのかな、でも触ったらお祓いしちゃうかなと迷う救世主系知恵遅れJKだったが)
あら? ……おばけさまでは、ございませんの?
(キョトンとした顔で少女(おばけ……?)を見る。
懐中電灯で照らされた少女は、どう見ても肉の身体を持つ生きてる少女だった)
おばけさまでなければ、いったいどちらさまでございましょう……?
(こんな時間に学校にいるなんてと、きょとんと首を傾げた)
羽望・リムラ 2021年10月29日
あっ、はい…中等部2年、羽望・リムラです…(どちらさまと問われれば、とりあえず条件反射で答えて)
え、えーっと…あなたの方こそ、おばけさんでは…(懐中電灯を手にとって、目の前の少女へと向けてみて)
なさそうですね…?(同じように、ようやく納得して…ほっと胸を撫で下ろす)
えっと…お名前、お聞きしてもいいですか…?
織代・マリア 2021年10月29日
まあ、おばけさまでなくて、リムラさまでございましたのね!
(学園の生徒と分かって、安心したようにぱぁっと笑顔になる)
うふふ、わたくしもおばけさまではございませんの
おりしろ・マリアともうします、どうぞよろしくおねがいいたしますわ
(ぺたん座りのまま丁寧にお辞儀をする。さっきまでおばけに怖がっていたのを忘れているかのような和やかさだ)
羽望・リムラ 2021年10月29日
織代さん、ですね。よろしくお願いします。(同じように、座ったままでぺこりとおじぎをじて)
はぁーーー、よかったです。ほんとに心臓止まるかと思いました。(改めて、深く深く息を吐いてから)
…ところで、そのー…織代さんは、こんな時間に何を…?
(自分にも言える事だとは思いながらも、聞かずにはいられずに)
織代・マリア 2021年10月29日
まあ、わたくしはリムラさまがおばけさまだとおもって、たべられてしまうかとびっくりしてましたのよ?
(くすくすとお互いをおばけだと思っていたことに笑って)
はいっ! わたくしは、わすれものをしてしまいましたので、きょうしつまでとりにいこうと……
(そこではたりと、今の状況を思い出して)
(無効票)
織代・マリア 2021年10月29日
(周りを見る)(懐中電灯以外ほとんど灯りがない真っ暗な廊下)(しん……と静まり返って自分たち以外の物音が聞こえない)
…………………ふぇ
(笑顔が引きつって泣き笑いになりつつある)
羽望・リムラ 2021年10月29日
なるほどー、忘れ物ですかー。ふふふ、実は私もですね…
(なんて話そうと思っていた時に、ふと、しんとした時間が訪れて…)
…えぇ!?今ですか!?
(出会い頭ならともかく、今となると)
す、すみません…私何かしちゃいましたか!?
な、泣かないでくださいよぉ…私が泣かしたみたいじゃないですかぁ…
(なんとなく年上にも見えるが、様子があまりにも年下のようで…つい、頭をよしよししようと手を伸ばして)
織代・マリア 2021年10月29日
い、いえっ、リムラさまでなくて……っ
あ、あんしんしたら、くらいのが、またこわくなってしまいまして……っ
(泣いちゃダメだ泣いちゃダメだと、しゃくりあげながらも懸命に涙をこらえていると)
あ……えへへへ……
(よしよしと頭を撫でられて、安心して笑顔が戻ってくる知恵遅れJKだった)
羽望・リムラ 2021年10月29日
よしよし、大丈夫ですよー…たしかにちょっと暗いですけど、ほら、明かりもありますからねー…
(完全に年下を相手にする様子で、頭をなでなでしながら)
そうですね…それじゃあ、忘れ物、一緒に取りに行きませんか?
一人なら心細くても、二人なら…ちょっと安心ですし。
(もちろん、自分が心細いというのも多分にあるが…年下だと思っている相手を前には、そこは出さないでおいて)
織代・マリア 2021年10月29日
そう……そうでございますねっ
ふたりでいっしょにいけば、こわくないですわよねっ
おうたをうたったりしたらもっとこわくなるなるかもしれませんわ!
(一人だと怖かったけれど、やさしいリムラさまと一緒なら大丈夫そう!とさっきまで泣きそうだった感情を吹き飛ばすように立ち上がる)
うふふ! じゃあリムラさま! いっしょにわすれものをとりにゆきましょう!
わたくしはかみかざりを、リムラさまは……リムラさまは……?
(なんだろう?とこてんと首を傾げた)
羽望・リムラ 2021年10月29日
ですです、二人になれば、一気に怖くなくなります!
(ぐっと握り拳を作って…が、すぐにへにゃりと手を解いて)
えーっと、私は…スマホを…
(懐中電灯を軽く上げて見せる。なので明かりがコレなんです、といった具合で)
(格好つかない、とでも思ったのだろう)
織代さんの忘れ物は、髪飾り…髪飾りですか。
こんな夜中に取りに来るってことは、やっぱり大事なものなんですか?
織代・マリア 2021年10月29日
? どうなさいまして、リムラさま?
(へにゃりとなったリムラさまを見て、逆に首を傾げた)
! だいじょうぶでございますわ、リムラさま!
いまリムラさまにげんきづけていただいたのですもの、こんどはわたくしがリムラさまをげんきづけますわ!
(そう言って少女の懐中電灯を持ってない方の手を、包み込むように握ろうとする。
格好つかないなんてちっとも思ってないから、知恵遅れの少女にはそういう意図は伝わらなかったようだ)
(無効票)
織代・マリア 2021年10月29日
はい、おかあさまにもらっただいじなものでございますの……
でも、たいいくのおきがえのときにうっかりつけわすれてしまいまして……
(えへへ……と翼を縮こまらせながら苦笑い)
羽望・リムラ 2021年10月29日
えっ、あ…ありがとうございます…(急な事に少し驚きながらも、握られた手を緩く握り返し)
あはは…どうもすみません、元気付けてもらっちゃって。まだまだ先輩失格ですね…
…せっかくですし…このまま手、繋いで行きますか?
(ふと思いついたように。少し照れるものの、心強さとしては、一緒にいるだけより1段上だ、なんて考えて)
(無効票)
羽望・リムラ 2021年10月29日
なるほど…着替えの時だと、たしかに…
誰が着替えに使うかわかりませんし、すぐに取りにいかないと不安ですね…
(納得です、と頷いて)
織代・マリア 2021年10月29日
まあまあ、せんぱいはわたくしのほうでございますのよ?
わたくし、こうとうぶの1ねんせいでございますから!
(えっへん!と得意げに豊かな胸を張る。年上だとか先輩ぶれると嬉しくなっちゃうお年頃だった)
まあ、それはよいかんがえですわ!
ええ、はぐれないように、いっしょにおててをつないでゆきましょう!
(さらに嬉しくなって、るんるんと繋いだ手を揺らして)
(無効票)
織代・マリア 2021年10月29日
はい……でも、リムラさまのスマホもだいじでございますよね
だいじなれんらくがきてるかもしれませんし……
えっと、コジンジョーホー?もこわいですし!
(個人情報そのものが何か怖いものであるかのような言い方をして)
羽望・リムラ 2021年10月29日
えっ!?(年上!?と驚いて)
(ちょうど張られた豊かな胸が目に入って)
…そうだったんですか…(納得した、と同時になんとなく物悲しくなった)
(繋いだ手をぶらぶら…なんだかほんとに楽しくなってきました、なんて考えながら)
そうですね…個人情報も…学園なら、大丈夫かなーと思わなくもないですけど…
他にも、最近特になんですけど、修学旅行の予定なんかを話し合う事も多くて…
一日見ないだけで、すごく置いていかれそう!なんて気になっちゃって…
(あはは、と頬をかいて)
織代・マリア 2021年10月29日
? はい、そうなのでございます!
(なんだかリムラさまがちょっぴり物悲しい雰囲気になったことに首を傾げて)
(けれど、手をつないで一緒に歩いていると楽しいのですぐに気にならなくなってしまった)
まあ、そうなんですの?
しゅうがくりょこう、みなさまたのしみにしてらっしゃいますものね!
けれど、リムラさまがいなかったら、きっとみなさまおいていかずにまってくださるとおもいますの
わたくしもそういたしますし!
(はぐれませんわ、と言いたげに繋いだ手をぎゅっと握って)
羽望・リムラ 2021年10月29日
そうでしょうか…いえ、そうかもしれませんね…
(ありがとうございます、と言いながら頷いて、手を握り返し…自分の知っている皆なら、それに目の前の少女なら、たしかにそうだろう)
でも、それはそれで…私のせいで、相談が今夜ぶん止まっちゃいますから…申し訳なくなっちゃいますし…
結局私は、ここに来る運命だったんじゃないかな、って思います。
(あはは、と困ったように笑って)
織代・マリア 2021年10月29日
はっ、いわれてみればそうでございますね……
わたくし、みなさまにまっていただくことがおおいのですけれど、やっぱりごめんなさいってきもちになりますもの……
(うーん、と眉根を寄せてむつかしいなぁという顔になる。むつかしいなぁ)
(続きまして)
織代・マリア 2021年10月29日
でも、じゃあ、きっと
わたくしがここにくるのもうんめいだったのかもしれませんわね
(むつかしい顔をやめてふふりと笑って)
リムラさまがくらいがっこうでこわくならないよう、げんきにしてさしあげなさいって、おかあさまとなんどさまがみちびいてくださったのですわ、きっと!
ですから、リムラさまがはやくスマホをとりにいけるよう、せいいっぱいがんばりますわね、わたくし!
(がんばります!と気合十分に、しかしちょっぴりずれた方向に頑張ることを宣言するのだった)
羽望・リムラ 2021年10月29日
そうですね…はい、きっと運命でした!
(何より、そう思った方が、今日の出来事が輝いて見える…そんな気がして)
それじゃあ私は、織代さんが髪飾りを取りにいけるように…きちんと見つかるように、がんばってお祈りしますね。
(えへへ、お返しです、なんて笑いかけて)
(続きまして)
羽望・リムラ 2021年10月30日
某日、放課後、夜。
誰もいないであろう夜の校舎に、女の悲鳴…
と共に、楽しそうな女子の話し声が響いていたとか。
噂の出どころは、教師か警備員か…はたまた別の何者か。
また一つ増えた、この学園の不思議でした。
羽望・リムラ 2021年10月30日
-----このスレッドは終了しました-----