【個】屋根まで飛んだ
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
茜色の光を反射する虹のレンズ
ふよふよと漂う大小混じりのそれらは
風に揺られて、飛んで、弾ける
既に人もまばらとなった学園の屋上には
夢を孕んでいるかのようにキラキラと浮かぶその物体と
一人の女性が佇むのであった
#ミアンダ・コギトエルゴスム
#鬼叉羅魏・アンジェリカ
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ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(生徒会室のカメラはいつも同じ場所を映している訳ではない)
(いつも"効率的"な場所と思われる箇所に配置され、また次の日には再配置される)
(今日はたまたま屋上にカメラが無かった日)
(学園の天から、"キラキラ"の"ふよふよ"と浮かんで"パチン"と弾ける謎の球が降り注いでいることを別のカメラで確認した生徒会監査の少女は、一人で屋上に向かうのであった)
(無効票)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
……鬼が出るか、蛇が出るか、ですかね。
(ことわざ辞典という書物から最近得た情報を呟きながら、校舎から屋上へとつながる扉のドアノブを握る少女)
どちらとしても、監査としては確認せねばなりませんので。
(カメラで確認した物体が何らか危険物かもしれないと警戒もしながら、ゆっくりと手首を捻りながらゆっくりと扉を開ける)
(無効票)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(パシャンッ)
(扉を開けた瞬間、目の前で音も立たない何かが破裂する)
(痛みも無ければ、嫌な臭いもしない。幸い眼鏡も特に影響はない。)
(強いて言えば、弾けた物の"液"のようなものが少し口元に流れ)
……苦い……なのです。
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
(扉を開く音と、その呟きが耳に入り)
(そちらに顔を向けたのは――)
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
……ン。
(フェンスに寄りかかるように座り込んで、細くて短い筒状のモノを口にしているヤンキー。)
(ぷかぷかと、煙草の煙……ではなくて、しゃぼん玉を筒の先から吐いていた)
(視線。)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(目元は無表情のまま口元はいーっとなった不思議な表情)
もし、この沢山浮いていてきらきらしながら破裂するとても苦いモノを飛ばしているのはきみで間違いないでしょうか。
紫荊番長、鬼叉羅魏・アンジェリカ様。
(きらきら達はどうやら風によって動いている訳で)
(そう考えれば対応はしやすい、と現在の風向きときらきらの位置を計測しながら、今度はそれらに当たらぬよう、最小限の動きで避けながら彼女に近づいていく)
(傍から見れば、口をすぼめながら無表情で妙な踊りを踊っているように見えるかもしれない)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
(エキゾチックなちびっこが不思議な踊りでこっちに来る)
(なんだあれ)
(……。)
(見ていれば どうやら、シャボン玉が着くのが嫌なように思えたので)
(シャボンの筒を口から離して、それ以上飛ばすのをやめて)
……そうですけど、
とりあえず食ったら体に悪いと思いますよ、これ。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(ちょっと肩で息をしている)
やはり、あの苦さ……身体に悪いモノ、でしたか。
未確認の、物体が……屋上から、放たれて、いたのを……監視カメラで、確認、しましたので……。
誰が、何をしているのか、"監査"として確認しに来たのです。
(きらきらも今ある分は全て空の中に弾けたことを確認し、深呼吸をしながら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
は?未確認、って…… ああ。知らないやつが居てもおかしくないんでしたね、今は。
(これは、と、説明しようと……したけれど、なんだか疲れてるっぽいので)
……まあ、ほら、ひとまずやめたので。
座ったらどうです?
ハンカチなんかは、敷いてあげられませんけど。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(敵意などは無い。"知らないやつ"という言葉からも、彼女がアレについてを理解していることは明白であると納得し近づく)
……失礼。ミアは体力があまりありませんので、お気遣い感謝するのです。
(問題無いのですよ、とスカートのままゆっくりと座った)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
えらい動き方してましたもんね……そんな苦かったですか。
(「監査」ってのはどんなもんか知らないけれど、しっかりと対話をするのは初めてで。ちっちゃな女の子をジッと見ながら)
しかしまあ、仕事熱心なことで。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
ミアはいずれこの世に溢れる全ての"情報"を記録したいと思っていますので、知らないモノが目に入ったのであれば調査せねばならぬのです。
それに、生徒会としては不測への対処は当然の行為ですので。
(きっともう生徒会団員である自分のことなど知られていると思いながら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
そりゃまた欲張りなことで。
仕事半分私情半分、ってとこですか
(んー、)
(そうだな、それなら。と、少し考えてから)
(はい、としゃぼん玉の筒と瓶状の容器を差し出した。)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
……それが、先ほどの"キラキラ"で"ふわふわ"の元、でしょうか。
(座ったままちょっと身構える)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
そーですよ。
別に噛みつきも爆発もしませんって。ただの……
(なんだ……?)
(おもちゃ……?って表現でいいのか……?)
(うーむ)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
(破裂はしましたが、という言葉はとりあえず出さず)
……体に取り入れることは望ましくない、ということですが……ミアの今の状態的に毒などではないのですよね。
(苦味は舌先にまだ少し残っているものの、特に体調面の変化は今のところない)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
この瓶一気飲みでもすりゃ病院連れて行かれるかもですけど、飛んできたのが口に入っただけでしょう?へーきへーき。
(ひらひらと手をふって)
あ。
そう、あれ。ほら、手洗うと石けんあわあわするでしょう、あれのでっかいやつ。それです。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
おお、成程。
洗面台以外では目にすることがありませんでしたので、照合までの考えにいたっていませんでしたが確かに。
(例を挙げられハっと気が付く。成程、確かに先程の苦さは石鹸と似た物でした、と)
(無効票)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
とはいえ、まだ疑問が残るのです。
アンジェリカ様は、何故ここであの"キラキラ"を?
("キラキラ"のことを聞く目が無表情のままキラキラとしている)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
(石鹸も口に入れたことがあるのか……という視線 ちょっとまろやか)
(すっごく興味津々ですと言わんばかりに輝く瞳に)
そーですね……(ふむ)監査さんの推理としては、どーなんですか。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
ふむ、ミアの、ですか。
(頭をフル回転させ考える)
……あの生成された"キラキラ"は空気を取り込んでいるため、風向き、風速などによって軌道が四方八方と変わります。
それに、その液体を見るに少量から大量の複製が可能……つまり、無秩序な動きでこの屋上の中を動き回る……。
成程、先ほどミアが取った行動は間違いではなく、きっとアンジェリカ様はあの"キラキラ"を仮想敵に、反射神経の訓練をしていた、などいかがでしょう。
(どうでしょう、と今解る状況証拠で考え得る理由を述べてみる。)
(眼鏡を少し光らせながら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
……なるほど。
確かにそういう風に使う人も居そうですね。赤クラスの子なんかはやっててもおかしくなさそうな。
(流石ですね、とこっくりと頷いて)
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
でも、惜しいとこでした。
キラキラの推理は花丸大正解ですけど、私はただ綺麗だから飛ばしてただけ。
……それと。このキラキラは、しゃぼん玉っていうんですよ。ミア。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月26日
これは……シャボン、ダマ。
(科学書や文学書にはわざわざ書かれることがなかったであろう、初めて聞く言葉をオウムのように繰り返しながら)
い、いえ名称はともかくとして、その、シャボンダマが綺麗だから飛ばしていた……のですか?
(本当に?それだけの理由で?と少し驚きながら)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月26日
シャボンダマ。(頷く)
そうですけど。……そんなに不思議ですか?
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
はい。
(正直に)
味覚でいう"美味しい"という感覚などはミア自身の身体が体験し、こういうものだと最近理解することが増えましたが……視覚から得られる情報での美醜の判定についてはまだ理解が及ばず……"綺麗"という感情も、理由となり得るのかが解らなくて……。
(お恥ずかしい限りですが、と)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
最近って、それまでは何考えてモノ食ってたんですか……
まあ、それを綺麗だって感じて、そういう理由でこういうことをするやつも居るんですよ。
それがわかんないのは、別に、恥ずかしいことでもないし。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
生きるという本能以外の感覚を遮断するほど、外の世界を拒絶していた時期もありましたので。
(まあ、長くなる話は割愛するのです、と)
……それが、アンジェリカ様、なのですか。
キレイ、綺麗…………アンジェリカ様は、シャボンダマ以外にも、綺麗と感じるモノはあるのですか?
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
ふうん……めちゃくちゃ引きこもりだったってことですか(そんな言葉には収まらないのだろうけれども、そういう風に表現をした。)
そーです。
いっぱいありますよ?例えば、夕焼けとか(と、茜色の空をさし)ああ、それにこの前見た星も綺麗でした。空は曇ってなきゃ大体綺麗ですね。あとはそーですね……目。人の目。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
夕焼け、星、空……。
(今まで当たり前にあるものと思い、何の感情も抱いていなかったモノたちは誰かに"綺麗"という印象を抱かせている)
(それが衝撃的で、フェンスの外に見える茜空を一瞬、茫然と眺めていた)
……それに、人の目……。
(その言葉を聞きながら、はっとして『ミアの目も、でしょうか?』と言わんばかりに見つめ返すように)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
あなたにとってどうなのかは、わかりませんけどね。
(と、添えて――おや すごく見られている)
(無効票)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
(ふ、 と表情が緩む。)
そう、目。例えばあなたが「なんで、どうして」って聞くときとか。
綺麗で、可愛い。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
(自身の表情、状態が今どうなっているかは、ミア自身には記録することが出来ない)
(これは"嬉しさ"か、それともまた別の"何か"か)
(見つめられながらその言葉を聞いた時に自身の身体に走った電気のような"何か"を感じたことは確かで)
(無効票)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
(少し混乱する思考を一旦端に追いやりながら)
その、……アンジェリカ様、一つ……ミアのお願いを、よろしいでしょうか?
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
ン?
なんです、お願いって。
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
(すぅっと少しだけ息を吸いながら)
今日でなくて構いません。
また、またお時間がある時に……アンジェリカ様の想う"綺麗"を、沢山教えていただけないですか?
(無効票)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
……その、対価は……ミアの、綺麗と言ってくださった、この目を沢山見せますので……。
(ただ綺麗だからシャボンダマを飛ばしていた彼女が思う"綺麗"をもっと知りたい)
(その"感情"を理解したい一心で)
("綺麗"と言ってくださった、この目をきみに見せます、と)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
(お願いの内容と、提示された対価に 思わず、くっと笑って)
(でも、きっと大真面目なんだろう…というのは、なんだか少し緊張しているようにも見える面持ちから窺える。ので)
――はい、よろしいですよ。
(演出継続)
鬼叉羅魏・アンジェリカ 2021年10月27日
こんな狭い世界ですけど、なんだかんだ結構ありますからね。
それじゃ、ま……
今日のところは、手っ取り早く。それ、やってみます?
(しゃぼん玉の筒と容器を指差して。)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
(ぱぁっと、無表情に見えながらも目に輝きが明らかに増す様子)
……はい!
まずは"キラキラ"を、そのシャボンダマという"綺麗"たる所以を、しかとこの"目"で"記録"させていただくのです!
(沢山の"綺麗"が、じきに沈む夕日と夜の境目をキラキラと虹色に照らす)
(番長と生徒会、奇妙な組み合わせの勉強会は日が落ちるまで続く)
(演出継続)
ミアンダ・コギトエルゴスム 2021年10月27日
("なぜ、どうして")
(この後、自分が知らない"感情"を学ぶべく、紫荊番長の後ろにとことことついて歩く生徒会監査の姿を学園で生徒たちは見るようになるのであった)
【おしまい】