【個別】Jack-in-the-BeatBox!
十埼・竜 2021年10月21日
――――だってぼくら、どうせ夜更かしするでしょ?
なんてナメた台詞とともに、収録日程はやっぱり夜になった。
廃灯台に今夜も光は灯らない。
そのかわり、放送局改め収録ブースは二人分賑やかだ。
#音紡・奏
#十埼・竜
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十埼・竜 2021年10月21日
だけとか言うなよなー!!(ぎら、群青の光が照り返した)言っとくけどきみ、年の割にって言い方ぼくキライだけどほんっとにすごいんだからね!?
ナマで聴いてて心底そう思った!!
……このままずーっと演ってたら、大人になる頃には、ほんとどこまでいくんだろ、って。
(無効票)
音紡・奏 2021年10月21日
そんなに高尚なものじゃないですよ。
実際優等生に思われてるかどうか、分かんないですしね。
ちなみに成績はめちゃめちゃ普通です。
(ブレインだと名前負けかも、なんて苦笑した)
音紡・奏 2021年10月21日
きょ、恐縮です。…ちょこちょこ披露したことはあったんですけど、ちゃんと収録したのは刻逆前ぶりですね。
そもそも、『sOnUs』だって認知されたのも初です。
ん-…どうでしょ、大人になるまで続けてるのかなぁ。
大会も無くなっちゃいましたし、どうキャリアを積んでいくべきか…。
(無効票)
十埼・竜 2021年10月21日
なんだ、普通かぁ。勉強教えて貰おうと思ってたのに(下の学年に縋ろうとする不良中二)(……実際、去年なんて殆ど勉強できてなかったし。)
貴重な場所に立ち会わせて貰って本当に光栄だね! どう?手ごたえは。
十埼・竜 2021年10月21日
大会、目指してたんだ。やっぱりその喉は、きみの武器なんだね。
……ぼく、ひとと競うのって、正直あんまりやったことないんだけどさ。(メロンソーダを片手に、行儀悪く足を揺らして)……きみは好き?
(無効票)
音紡・奏 2021年10月21日
ちょっと、中1と中2じゃ全然違うんだからダメですよ。
そういうのは頭の良い先輩を頼ってください。
悪くないですね。頭の中にちゃんと残ってたの、自分でも驚いてます。前よりも良くなっている気さえしますし。
音紡・奏 2021年10月21日
んー………。
勝ったら嬉しい、とは思うんですよね。何でも。
人より優位に立つのが嫌いな人っていないはずですし。
(りんごジュースで喉を湿らせて)
でもそこまでに至る戦いは…あんまりですね。
音楽は特にそう。楽しんでほしいからやってるわけですから。
(無効票)
十埼・竜 2021年10月21日
ざーんねん、かなでくんが真面目にとったノートで救われる先輩がここにいるのになぁ……
かっこいい!魂に刻まれた技術!!ってやつじゃん!(ロマンチスト男子、そういうのすぐ食いついちゃう)しかもより鋭く磨かれていくだと……!!
十埼・竜 2021年10月21日
……まあ、大会ったって聴かせる相手は相手だけじゃあないだろうけどさ、きっと。(審査員に、観客だっているんだろう。そういうのを想像して)
かなでくん。何で(と、目の前のマイクを指さした)ビートボックスを選んだのか、聞いていい?
(なんだかインタビューみたいになって来ちゃったな、なんて苦笑いしながら)
(無効票)
音紡・奏 2021年10月21日
…見たいなら別に見せてあげますけども。
思い入れのある曲だから、ちゃんと覚えてたっていうのもあるんでしょうけど……なんていうか、反響が大きいと強く残りやすいのかもしれないですね。
音紡・奏 2021年10月21日
オーディエンス沸かせるのも楽しそうではあるんですけどね。
(パスフォーマンスの殴り合いって感じ。ああいう空間もいつかはやってみたい)
ん-…ん、ん…そうですね。
音紡・奏 2021年10月21日
何かのイベントでね、地方の有名なビートボクサーが東京に来てたんですよ。たまたまパフォーマンス見て、すげーって思って。
どうやってやんのかなって調べて、やり方の動画を漁って。
3日くらい練習したら、基本のドラムセットを出せるようになってました。
音紡・奏 2021年10月21日
姉にちょっと披露してみたら、めちゃめちゃ嬉しそうにしてたもんだから。……喜んでほしくて、それからは夢中でやってましたね。
(原動力は、たった一人の家族だった)
(いつも大変そうで、娯楽に耽る暇が無さそうな姉を)
(喜ばせたいから、必死で練習した)
いつのまにか、天才なんてバズってたのは…想定外でしたね。
(無効票)
十埼・竜 2021年10月21日
やった! 中学入ってすぐ入院してたからその辺が丁度わかんないんだよね……コピーしたら返すから!(ぱちん!と両手を合わせる。ゴチ!!)
うわぁ、三日で基礎マスター!? やっぱかなでくん天才だな……
十埼・竜 2021年10月21日
(……姉、って口にしたきみの顔を見る。めちゃめちゃ嬉しそうなのはどっちだろうな、って。)
十埼・竜 2021年10月21日
……お姉さんに捧ぐ、なんだ。はじまりは。(柔らかく微笑んだ)すごいカッコいいエピソード出て来たなあ! あーあ、インタビューじゃないのが残念だよ。
(無効票)
音紡・奏 2021年10月21日
分かりましたよ……身体弱かったんですね。
(印象通りだな、という感じだ)
始めたのは小6の半ばくらいですからね。
我ながらすげー才能してんなって思ってます。
(軽くドヤ顔)
音紡・奏 2021年10月21日
あんまり言いふらさないでください。姉にも言ってないんで。
シスコン扱いされたらキャラが崩れちゃいますし。
(ノートコピーする代わりに口止めだ。しーっ)
(無効票)
十埼・竜 2021年10月21日
そう。……親元離れて新宿で入院してたら、世界が変わっちゃった。
言いふらしやしないよ、取引だもんね? ……(少し首を傾げて)お姉さん、おなじ学校?
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
それは…運命のいたずらじみてますね。
(だからこの人も…失ったんだろうな)
いえ……年齢が少し大きめに離れてましたし。
それに───
音紡・奏 2021年10月22日
今は、いません。
(無効票)
十埼・竜 2021年10月22日
………。
十埼・竜 2021年10月22日
……ごめんね。変なこと聞いてさ。
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
いえ…今時じゃ、珍しいことじゃないですよ。
それに、多分……先輩もでしょう。
(無効票)
十埼・竜 2021年10月22日
……でもさ。ぼくたちにとっては、喪失は日常じゃなかった。絶対に。
(言葉には、少し熱が籠もる)(だってさ)(今時に流されて、あたりまえに埋もれて、いい痛みじゃないはずだ)
ぼく?
十埼・竜 2021年10月22日
(俯いた。膝に載せたペットボトルを覗き込むみたいに)
もともと母親はいなかったんだけどさ。刻逆で、父さんがいなくなった。
……不思議だよねえ(くす、笑い声が漏れる)灯台と放送局はこうして、海の向こうから流れ着いたのにね。
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
……そう、ですね。いつかは来るとしても、早過ぎる。
(人の死は絶対に起こり得るけど、あんな強制的に消えてしまうなんてあっていいはずないのだ)
音紡・奏 2021年10月22日
(──先輩も、失ったんだ。失って、尚)
(ラジオを続けてる。コンテンツを維持し続けている)
(きっと、そのラジオも…受け付いだもの、なのかな)
戻って欲しいですね。
や…戻したいな。是が非でも。
(眼鏡を外した。指先でマイクを撫でる)
(無効票)
十埼・竜 2021年10月22日
(耳はいいんだ。)(きみの声の熱にだって、すぐに気が付く。)
十埼・竜 2021年10月22日
(かちゃり、その音に顔を上げた。レンズに塞がれていない翠の瞳の、透き通ったその奥で、光が燃えている)
うん。(――――なんとも、頼もしいこった!)
十埼・竜 2021年10月22日
よし!休憩終わり!(てい、といきなりスイッチオン。ここまで重ねに重ねたトラックが一斉に息を吹き返す)うわー、やっぱ圧倒されるね!
で、ここにどんな歌声を乗っけてくれるのかな、sOnUs?
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
「少年期の終わり」
世界が変わって、ただの少年じゃなくなった我々の。
負けん気とか、そういうの。
(この炎には、ガソリンが必要だ、きっとね)
音紡・奏 2021年10月22日
(初めてこの曲作った時は、もっと純粋な子供の反発とかを描いたんだけどな)
(でも今じゃ、復讐者としての怒りとも言えるかもな)
(喉が、歌にシフトする。普段の話声から、ガッツリ変わるんだよ)
(さ、歌おう)
音紡・奏 2021年10月22日
(曲調は激しめのロックで)
(個別に撮った音が全て重なって、一つの曲として成立する)
「大人になるって何?
ㅤ利口になること
ㅤリスクを避けること
ㅤそんなものばっかり」
「子どものままって何?
ㅤ馬鹿でいること
ㅤ無鉄砲でいること
ㅤそれの何が悪い」
音紡・奏 2021年10月22日
(この世の何処か、世界を変えた貴様に文句を言うように)
(熱を上げて、炎を撒き散らして、歌ってやる)
(聞けよこのサビを。こんな運命なんかに負けるかってんだ)
「手間を掛けようが同じだ
ㅤ結果だけ見て一緒くた」
「うるさい 黙ってろ
ㅤこの気持ちは僕の物だ
ㅤうるさい 黙ってろ
ㅤこの人生は僕の物だ
ㅤ死んだら永遠?
ㅤそっけないな」
(まずは1コーラス。まだアゲるぞ)
(無効票)
十埼・竜 2021年10月22日
……サイコー。ぼくらにぴったりだ!
(おっと!)(きみの勢いに置いて行かれないように、次々に機材にランプを灯していく。火の回りが思ったより早いぞ!)
十埼・竜 2021年10月22日
(何もかもがきみの声で築かれた城)
(その塔のてっぺんで、ぼくのまだ知らなかった声で――――ああ。まだ高く昇れるっていうのか!)
……なあ。そうだよね。
十埼・竜 2021年10月22日
(きみが放つこの熱が、世界中を燃え上がらせるところを、夢想する。)
怒っていいんだよね。ぼくたちはさ。
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
(よくある話だけど、しょうがないで納得なんかできやしない)
(だから怒りを燃やすのだ。ガソリンは尽きないぞ)
「良い人生って何?
ㅤ幸せになること
ㅤ健康でいること
ㅤどれもありきたり」
「悪い人生って何?
ㅤ罪を犯すこと
ㅤ孤独で居ること
ㅤ決めつけばっかり」
音紡・奏 2021年10月22日
「悲しい人生に見えるのか
ㅤ離れて見れば面白いぞ」
「うるさい 黙ってろ
ㅤこの痛みは僕の物だ
ㅤうるさい 黙ってろ
ㅤこの苦しさは僕の物だ
ㅤ所詮は仮初?
ㅤ悪くないさ」
音紡・奏 2021年10月22日
(間奏の間に、熱を再び溜め込んで)
(苦しいことに、向きあってみて)
(これからの覚悟を、固めてみたりして)
(息を、吸い込んだ)
音紡・奏 2021年10月22日
(転調。腹の底と、両の脚に滅茶苦茶な力が籠ってる)
(そっちがその気なら、やってやる)
(追い詰められた人類は強いんだぜって、不敵に笑ってさ!)
「酸いも甘いもなんて言うが
ㅤ喉元過ぎれば何でも美味い
ㅤそう言えるくらいには
ㅤ生きてみたいと思わない?」
「うるさい 黙ってろ
ㅤこの願いは僕の物だ
ㅤうるさい 黙ってろ
ㅤこの明日は僕の物だ
ㅤこいつが現実?
ㅤ楽しくなりそうだ!」
(余韻のような後奏を経て)
(怒りの炎は、確かに世界を焼いた痕跡を──残したのだった)
(無効票)
十埼・竜 2021年10月22日
(炎みたいな髪を時に乱して、マイクに叫びを叩きつける姿)
(クールな優等生、なんてパッケージより百倍、痺れるくらいに魅力的だと思うんだけど)
(……それはそれでサキュバスっぽいって、きみは嫌がるのかな。もったいね。)
(あ。でもこれで女の子にモテてたらちょっとムカつくかもな。よかったこの場にぼくひとりで。)
十埼・竜 2021年10月22日
(――――うるさい、黙ってろ、なんて。そんな「一緒に叫べ」みたいな声で誘うなよな)
(音から伝わる熱がもどかしさに変わる。いつか、きみが得たものも、こんな感じだったんだろうか)
(気づけば、一緒に息を吸い込んでいた。)
十埼・竜 2021年10月22日
(それで声を出しちゃうようだったら音響マン失格なわけだけど。)
(きみが張りあげる声が最高の音質に保たれるように調整し続ける。きみの熱の純度が上がれば、ほら!)
(――――余韻の後、暫く声は出せなかった。)
……(無言で、親指を立てる。)
(無効票)
音紡・奏 2021年10月22日
(細く、長く息を吐いた)
(あぁ、なんだか…スランプ気味の頭が、冴えているな)
(眼鏡を、かけなおして)
音紡・奏 2021年10月22日
お疲れ様でした。
(やり切った顔で、そう告げたなら)
音紡・奏 2021年10月22日
(ここに、『音楽』が完成した)
(きっとそれを巡り、また夜更かしになるだろう)
なんかちょっと、あったかいもの飲みたい気分ですね。
(酸いも甘いも噛み締めるであろう、長い人生の)
(ほんの刹那に、そういうのがあってもいいんじゃないだろうか)
(=SIGNOFF=)
十埼・竜 2021年10月22日
……おつかれさまっ!!(ぱちぱちぱち、渾身の拍手!)
あ、そだね。……よし、何か買ってこよっか!(足取り軽く、立ち上がって。)
十埼・竜 2021年10月22日
(踏みしめた一歩に、焼けた土を踏んだみたいな、熱の錯覚。)
(これがこの小さなハコから、きっとどこまでも、未来まで。伝わるはずだと、ぼくは信じている。)
(=SIGNOFF=)