【個】腕白ちゃん拉致事件
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
事件であった。
授業が終わった小学5年生のクラスに年上の目つきの悪い男子が訪れ、女子を拉致していった――といえばそれなりに事件なのであった。
……とはいえ、まあ。
連れ出された方が番長であるとなれば、何かしらツラを貸す系の用事なのだろうと周りも適当に納得してしまうのだけれど。
――そんなこんなで歩いてきた、校庭の片隅なのだった。
#ミサゴ・ゾーリンゲン
#ミーレ・ベルンシュタイン
1
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
逆に言えば、それぐらいしかできない。
……もっと言えば
(懐中電灯――いつも持っているのだろうか――を取り出す)
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
これのスイッチを入れる、そういうイメージ。
魔力を流しているんじゃなくて、スイッチを入れることでオレの魔力が流れる道が出来て、それに沿って流れてる、みたいな。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
んん……成る程、道具の方が魔力を流すようにできている――と。水路のようなものですかね。
…………ふぅむ。
その試行錯誤や道具作りは、独学で?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
(頷いて)
式に落とし込む前の、ちゃんとした魔術は教わったけど
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
(ふうむ、と)
(一つ、頷いて)
私見ですが――先程の、わたくしの魔術の話。
例えば、そうですね、青ちゃんとは戦ったんですわよね。
少なくとも彼よりは、わたくしのしていることは貴方に近い次元である――といえます。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
わたくしの生まれた時代は、今よりは神話の残り香が漂い、神秘が色濃いといえるでしょうけれど――所詮は人の時代。神代ではありませんから。わたくしは、息をするだけで辺りを凍てつかせる個ではない。
力の総量だけを見れば人間は世界の中ではちっぽけなもので、だからこそ外界にあるものを利用するのが技術なわけです。
それこそ、例えばの話。
魔法陣を描き、手順をなぞり、生贄を捧げ、上位存在に請願して奇跡を願う儀式には、本人の力や才能というものは必須ではありませんわよね。代価は力ではなく生贄で賄われているわけですから。
――まあ、貴方の場合、代価の部分は自分で支払っているわけですけれど。構図としてはそういう儀式に近い。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
まあ、つまり、要するに――、(ちょいと)(首を傾げて、じっと見つめて)
貴方は魔術未満と言いますけれど、やっぱり、それは立派に魔術なのでは?
少なくとも実際に、奇跡を起こしているわけですし。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
……そういうもんなのかな。
魔術師的にはいいの、そういうの。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
…………貴方の知る「魔術師」って、どんな人でした?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
…………ハチャメチャな人。
(端的に。乗っていた船の、小さな船長を思い出して)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
あら、端的。(くすっと、笑って)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
……たぶんね。世界と感覚の違いだと、思いますのよ。
わたくしは魔術師の家の生まれですけれど――それはわたくしの生きる世界において、当たり前のことではなかった。
世間の人は魔術の存在を……まあ、今ほど科学と論理が浸透してはいないにせよ、少なくとも現実的な、隣人として信じてはいなかったでしょう。
――人が火を吹けないのは当たり前のことで、嘆くことはないと思いますし。
その上で自分がそうしたいから火の熾し方を研究する……という思想は、十分に、魔術師的なるものだとわたくしは思います。
……が。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
貴方は、ハチャメチャな方がいい?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
そりゃ、憧れはしたさ。
子どもからしてみたら魔法使いなんて、何でもできるヒーローみたいなもんだったし。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
だから、これはそういう“ヒーロー”に近づくために編み出したオレの“業”
だから魔術とは別で、いいんだ。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
――……成る程。
それが貴方の誇るものであるのなら。同じだと言い張っても仕方ないのでしょうね。
魔術師としては、ちょっぴり寂しい限りですけれど。……どうあれ、真理を目指すために修めているわけではないのだから、少なくとも行く先は違うわけですし(くすくすと、笑って)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
……ヒーローというのは……英雄の訳というよりは、こう、悪者を倒すやつでしたっけ。
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
(バツの悪そうな顔)
まあ、そういう感じ?
見た事ねえの、日曜とかにやってるみたいだけど
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
テレビ放送、見たことないんですのよね。寮でビデオ?を流してもらったりはしたことありますけど――……じゃあ、ミサゴくんの目標は正義の味方?(じ~)(興味があるのはそちららしく、赤い瞳が見上げて)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
まあ、別にオレもそんな詳しいわけじゃねえけど
(首を横に振って)
家族の味方。いや、身内の味方、手の届くところにいるヤツの味方とかそんな。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
ほほう!(と)(何か、少し驚いたような声を上げて、)
…………この間の銃、あったじゃないですか。
あれ、最近誰か、別の誰かが魔法をかけてたみたいですけど――それも、「身内」?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
ん……あれはまあ、身内。
結局、オレよりも上手いヤツが同じ事すれば、まあ。
ヘタにオレがやって、それが原因で負けたくもねえし
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
ん、ああ、いえ、形を固めてるやつじゃなくて……その奥の……なんていうか、お守りみたいな。
多分、あなたの他の術に干渉しないためですかね、あなたのルーツに寄せた伝承をかぶせて魔力の色を変えて、馴染ませて、無事を祈る。
面倒な仕事ぶりの割に可愛らしいことをするものだなと、興味が――
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月7日
(はた)(止まる)
……もしかして、これ言わない方が粋な奴でした?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
……………………。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月7日
…………いや、ありがと。
(帰りにケーキでも買って帰ろう。黙って)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
ですか。(ほっとしたように息をつく)
(身内だという何処かの魔術師には悪いが許されたようだった。ヨシ!)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
(そんな笑みを漏らしながら、)
……ミサゴくん。貴方の動機は、わたくしにとっても、好ましい。
わたくしは真理を目指す魔術師の家に生まれましたけれど――わたくし自身の動機は、もっと、貴方に近いものですから。
だから、応援していますわよ。……「別でいい」んじゃなきゃ、色々教えてあげたかったくらい(くすりと)(笑って)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
(むむむ……)
別に、家柄とかどうでもいい――とかいうわけにもいかないんだろうな。
まあ……まあ。別に、アンタの分もオレが守るから、問題はないだろ。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
……え。一つ、教えてもらいたいものがあったんだけど(素だった)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
(くすりと)(淡く、笑って)
……もし貴方にとってどうでもいいことでも、「身内」にとってそうじゃないなら、貴方は大切にするでしょう? それと、同じことですわ。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
まあ、それはわたくしの台詞ですけれどね!
わたくし白の番長ですもの。少なくとも、貴方の妹はわたくしにとっても守るべき身内ですのよ?(くすくすと、笑って)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
いえ、今の「色々」は、わたくしの術理を叩き込むつもりで覚えるまで本気でスパルタしたかったというか――
それはそれとして、はい、なんでしょう?
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
その妹になんもないための防波堤がオレだから、どっちが早いかの問題だろ。
(獰猛に笑って――)
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
……“魔術師”になる前に、“狩人”だから。オレは。
そういうのは得意な奴に――そう、得意な奴に。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
オレの“まじない”は魔術を式に落とし込む工程が必須だから、こう。
教えてほしい魔術がある。たぶん、“流れ”をどうこうするアンタの魔術なら、たぶんできなくないんじゃねえかと思ってるんだけど
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
――――ふむ。
わたくしの教える魔術を基にまじないを作りたい、ということですか。
(じ、と)(見つめて)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
……やっぱそういうのマズい?
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
まあ、研鑽の成果ですから、嫌がる人は嫌がるでしょうね。
わたくしはそこまで抵抗があるわけではないですが――純粋に、何処まで再現できるかな、というところではありますわね。
流れは移り変わるものですから、その時その時で干渉の仕方も変わります。――実際のところ、わたくしの術の本質は「識る」ことの方ですのよ。
合気めいた動きも、あれもわたくしにとっては魔術ですから。
わたくしも、今は諸事情で自由に魔力が使えませんが――熱に干渉するには見えざる手が必要でも、物理的な力に干渉するのは見えてる手で出来ますからね。
(なんて、つらつら語ってから、)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
ですのでまずは、試してみましょうか!
うん、わたくしも「まじない」の技法に興味がありますもの。うん、色々と試してみれば何か成果があるかもしれませんし。
久々ですわね、魔術師らしい研究は!(なんて、急に生き生きしだした)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
そらそーだ。オレだって手の内全部晒せ、なんて言われたら嫌がる……。
(――とはいえ、自分の“識りたい”ものに関しては他に適任がいないという考えもあって)
そう、それ。アイキドーみたいなやつ。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
……久々も何も、オレのが長く生きてる……生きてるよな?
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
うふふふ。まあ、内容によりますし、相手にもよりますが?
この場合は、そこまで抵抗は、ないですよ(繰り返しながら。くすくすと、笑って)
――と、成る程?
あれですか。うん、それなら内容にも抵抗はありませんし――面白いですわね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
見ての通りですけれど???(じと)
新宿に来てから慌ただしかったですしね、新しい術を開発する……みたいなことはありませんでしたもの。
――ですので、はい、気合を入れていきましょう。
あ、わたくしその手の研究は何十時間でも打ち込めるタイプなので、安心してくださいましね。とりあえずうちいきましょうか。あ、何か必要なものがあったらミサゴくんの家でもいいですよ。食事の準備があるので晩は帰りますが――(よし)(と、歩き出して)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
(くすくすという笑みに、クエスチョンマーク)
いやまあ、見ての通り……の判断が難しい、ってのも。
(胸を見て)
うん。
(無効票)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
そういうことなら――――
(家にあげる)
↓
(双子と妹に見つかる)
↓
(今度はロリコンの嫌疑をかけられる)
(演出継続)
ミサゴ・ゾーリンゲン 2021年10月8日
………………それなら荷物持っていくから、場所だけ教えてくれ。
オレも、集中して出来るだけ早く仕上げたい。ぶっつけ本番も勘弁だ。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
? まあ背はありますけど、年上に見えるほどじゃあ……
(視線に)
(気付く)
…………。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
…………。(胸を隠すようにちょっとつんと背中を向ける)
(男の子って……)(住所、教えていいんでしょうか)’なんて空気が一瞬漂うけれど)
(演出継続)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年10月8日
…………こほん。分かりました。
かざはな寮といいまして――(結局研究への好奇心が勝ったのか。説明をしながら歩き出したのでした)