【個】ある日の商店街
霧雨・龍雅 2021年10月3日
「ねぇ、放課後時間ある?」
そんな風に声を掛けた理由は、以前図書室でお話した時に、彼女も本に興味がありそうだったから。
それと、一人で行くのはなんだから味気ないから。
「面白い本と出会えるといいね」
そんなことを言いながら二人連れ立ってやって来たのは、ここ、歌舞伎町三丁目商店街。
『蛍雪堂』という古本屋でした。
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#愛染目・未来
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霧雨・龍雅 2021年10月3日
(所狭しと並べられた本。店内に漂う古い紙の匂い。彼は興味深げに周りを見渡します)
……すごいね。
本だらけの場所っていうのは図書室と同じだけど、でもちょっと雰囲気が違う感じ。
愛染目・未来 2021年10月3日
お、おー。ここが、蛍雪堂‥‥‥。古本屋さん?っていうか、本当に古いんだね。(黴の匂いがする本棚は重厚な年月を感じさせる空気がします)
あれだね。古本屋さんなのに、フィギュアとかゲームは売ってないんだね?
霧雨・龍雅 2021年10月3日
うん。年季が入ったお店……っていう感じ。
……ん。古本屋って、そういうものも売ってるものなの?
てっきり、本しか売ってないものだと思ってた。
(なんて言いながら、何の気に無しに近くの本を手に取ります。なんだか難しそうな参考書でした)
愛染目・未来 2021年10月3日
えっ、だってそうじゃない?あと家電とかカードとか‥‥違う?
おお‥‥‥なんかこう、あれだね。今では出版されてない本とか、そういうのも置いてるのかな?‥‥探したら魔導書なんかもあったりして。
霧雨・龍雅 2021年10月3日
そうなんだ。
俺、古本屋って来たことが無くて……今日が初めてなんだ。
だからお店の名前的に本しか売ってないのかなって。
物知りなんだね、愛染目。
(手にした本のページをぱらぱらと捲り。さっぱり内容が理解できない事を確認してから、すぐに並べられた本の上に戻します)
そうだね。名前通り、古い本を取り扱ってるみたいだから。
この前図書室で愛染目が持ってきたような、ああいう魔法の本もあるかもね。
愛染目・未来 2021年10月3日
‥‥いや、私の古本屋感が間違ってるかもしれないから‥‥私もそんなに行ったことあるわけでもないし。
(古い本を、適当に抜き取り)うーん‥‥価値がよくわかりませんな。霧雨君は、何がお目当て?怪物の本?
霧雨・龍雅 2021年10月3日
そっか。
でも、俺よりも詳しいみたいだし。
きっと、愛染目の方が正しいんだろうね。
(天井高くまで積み上がった本を、呆けた顔で見上げて。うーん、と隣から聞こえてくる難しそうな声に視線を向けます)
目当てっていうか、こうしてぶらぶらお店を見て回るの、学生っぽくて面白そうかなって。
(んー、と少し考える素振りを見せて)
……そうだね。強いて言えば、ドラゴンの本とか。あったらいいな。
愛染目・未来 2021年10月3日
そうなのかな‥‥わっ。(唸り声にちょっと首をすくめて)
なるほど、学生っぽい‥‥学生っぽい?うん。なんかね、妖精さんとか何かいそうだものねこーゆー古本屋さん。
ドラゴンの本‥‥か‥‥(時代に置いてけぼりにされたような古本屋さんにはミスマッチなような単語)あ、こっちの方にファンタジー?なのあるみたいだよ。(と、袖を引っ張って)
霧雨・龍雅 2021年10月3日
うん。
こうして放課後に友人とお出かけするのって、なんだか学生っぽくない?
(なんて、ほんのり楽し気な声色)
本の妖精、って事かな。
いたら面白いよね、そういうの。
ん、本当?
(袖を引っ張られるままに、愛染目さんについてゆきます)
愛染目・未来 2021年10月3日
ふむ‥‥確かに!!!‥‥‥ふふっ。
なんかこう、本棚の影とかからね、こっそり見てる感じがするでしょ。
ここ‥‥わ、なんか古いのもいっぱいある。(分厚くて古い、色褪せた洋書も混じってるようです)フェアリーテイル‥‥?
(パラリ、とめくって)うわ挿絵とかめっちゃ本格的だよこれ。
霧雨・龍雅 2021年10月3日
(愛染目さんも、なんだか楽しそう。安心したように彼は肩の力を抜いて)
小学生の頃は、帰りにこうして寄り道することもなかったんだ。
もしかしたらみんな、こんなことしてたのかなって思うと……今更だけど、なんだかちょっと羨ましいや。
本棚の影……?
(む、っと少し精神集中。気配を探って……)
居てるような、居てないような……?
(朧気に存在感を感じるような気はしますが……珍しい本を見つけたらしい愛染目さんの声に意識が引き戻されます)
妖精の本なのかな。
ホントだ。とっても古いし、なんだか美術の教科書とかに出来そうな絵がいっぱい。
愛染目・未来 2021年10月3日
そっかー。小学生はこう‥‥‥公園とかで缶蹴りとかじゃない?多分。
‥‥えっ、本当にいるの?うん。絵の方がメインなのかなぁ?こーゆーの見ると紙の本ってやっぱりいいよね。
‥‥あっ、これドラゴンじゃない?(分厚い赤い装丁の本を手に取ると、表面には龍の絵があります)
霧雨・龍雅 2021年10月3日
缶蹴りかぁ……そういえばやったことないや。
ああいう遊びもやってみたいな。
ん……?
うん、なんかそれっぽい気配は感じたんだけど……隠れちゃったのかな、今はよく分からないや。
(なんて言いつつ、愛染目さんが手にした本の表紙を興味深げに見つめて)
あ、本当だね。
すっごく分厚いし……もしかして、ドラゴンの図鑑かな?
愛染目・未来 2021年10月3日
そうなの?‥‥ん。じゃあ、こんど一緒にやろーね。クラスの子達も誘って。
え、いたの!?妖精さんが!?ほんまに!?えー、見たかった‥‥あ、そうじゃない?なんか、ドラゴンっぽい感じするし。‥‥妖精さん‥‥‥
霧雨・龍雅 2021年10月3日
ずっと内職とかしてたからね。
……ありがとう。そうだね、みんなと一緒に、楽しめたらいいな。
もしかしたら恥ずかしがり屋さんなのかもしれないね。
ここに通い詰めて、仲良くなったら出て来てくれるかも。
(冗談めいたことを言いつつも、興味は愛染目さんが持つ本の方に注がれているようで)
それじゃあちょっと、中を見てみようか。
(ちょっぴりワクワクした様子で言うのでした)
愛染目・未来 2021年10月3日
えー‥‥見たかった。だって学校にはまだいないじゃん妖精さん。‥‥いないよね?
中は‥‥(ドラゴンの逸話を集めた図鑑のようです。種々のドラゴンや騎士の絵がいっぱい。英語のお話みたいです)わぁ‥‥ドラゴンだ。
霧雨・龍雅 2021年10月3日
妖精……の子は、そうだね。確かに学園にはいないと思う。
……やっぱり小さくて羽が生えてるのかな、妖精。
(開かれたページに、おお、と声を零して興味津々)
すごいね。こんなにたくさんの種類の龍がいるんだ。
こっちの騎士は……龍に乗ってるのかな?
……良いね。力強くて、綺麗で。
愛染目・未来 2021年10月3日
そうなんじゃない?こう、きらきらーって光が粉みたいに舞ってるの。
おお‥‥こーゆーの、憧れちゃう?うんうん。男の子だね。ドラゴンに乗ってる方?それとも乗られてる方のドラゴン?
あっ、ほらこっちの子もカッコいいよ。(隣のページは、大空を翔ける青いドラゴンです)
霧雨・龍雅 2021年10月3日
へぇ。それは……なんだか、とても綺麗そうだね。
一度見てみたいな。
ん。そうだね、ドラゴンの方。
憧れるというか、龍は……
(ぺらり、と捲られたページ。まるで舞うように、優雅に空を掛ける青い龍。その姿に、彼は息を呑んで)
……龍は、俺にとってはちょっとだけ、特別だから。
(ふ、と。ほんの少しだけ、その表情を柔らかくしました)
愛染目・未来 2021年10月3日
あ、ほらほらね、霧雨くんと同じ色。
(めっちゃ見ている‥‥やっぱり空飛びたい?)
空、霧雨くんもちょっと飛べるって行ってたっけ。こんな風に変身とか出来たりしたらカッコよくない?
憧れじゃなくて‥‥特別?
霧雨・龍雅 2021年10月3日
ん。……うん。
こういう姿で、大空を踊るように飛べたら。
きっと、気持ちいいんだろうなって思う。
霧雨・龍雅 2021年10月3日
………………
(演出継続)
霧雨・龍雅 2021年10月3日
龍は、さ。
母さんが、好きだったらしいんだ。
前に教科書貸してもらった時に言って……ううん、書いたけどさ。
『空を舞う龍のように雅な人になって欲しい』
そういう意味を込めて、俺の名前を付けてくれたんだって、父さんに教えてもらって。
だから、ちょっとだけ特別。
愛染目・未来 2021年10月3日
‥‥‥‥そっか。
龍のように雅‥‥だね。みやび。みやびとは‥‥なんぞや!!オシャレってことか!
‥‥それがリアルにドラゴンになっちゃったって考えるとすごいね。そういう意味じゃないんだろうけど。じゃあ、ミヤビドラゴンが夢?
霧雨・龍雅 2021年10月3日
……雅っていうのはね。
綺麗で、力強くて、格好良くて。
誰もが見惚れるような魅力がある。
そういうことらしいよ。
(少なくとも、自分はそう教わったから、と)
……夢っていうのは、あんまり考えたことないんだ。
だから、今思ってるのは……せめて、名前に相応しい人で在りたい、ってことかな。
愛染目・未来 2021年10月3日
なかなかにハードルが高い事をおっしゃる‥‥うむ。目指せイケドラ!だね。
しかしこんなドラゴン図鑑もあるとは侮りがたい本屋さんだね。サキ‥‥悪魔辞典‥‥とかもあったりするかな?
霧雨・龍雅 2021年10月3日
……イケドラ?
簡単なことじゃないとは思うけれど。
ハードル……そんなに高い、かな?
ん……そうだね。ドラゴンの本があったくらいだし、悪魔の本も探したら……
(と、愛染目さんがドラゴンの図鑑を見つけた辺りを探してみて)
愛染目・未来 2021年10月3日
え、えー。だって綺麗で力強くてカッコよくて誰もが見惚れるんでしょ。それもうアイドルやれるよ。
このへんあるかなー。‥‥‥妖精さん‥‥‥(妖精さんが気になる)学校の図書室も謎だったけどこの本屋さんも大概謎だね。
霧雨・龍雅 2021年10月3日
アイドルか……
(ほわんほわん。自分がアイドルになった姿を考えてみて)
……なるほど。
(深く深く頷きました)
刻逆のせいなのかな。
それとも元からこんな感じの本屋さんだったのか……
(なんて言いながら、重なった本の山を少しずつ崩していって)
……これは……どうかな?
(なんだかおどろおどろしい、翼が生えた山羊頭の怪人が表紙に描かれた古い本を見つけました)
愛染目・未来 2021年10月4日
‥‥なるほどとはいったい。えっ、アリなの?アイドル。
うーん、古本屋さんって元からなんか魔力があるんだよ。図書室に魔導書がいっぱい並んでるのは確実に刻逆じゃないかな。
わ、なにこれコワイ。ヤギさんヘッド。(‥‥‥パララ、とめくって)
(おどろおどろしい悪魔がいっぱい載ってる)‥‥‥おー。
霧雨・龍雅 2021年10月4日
綺麗な衣装を着て、歌ったり踊ったりするんだよね。
アリだと思うよ。
(同級生のアイドルを応援するために、アイドルのことをちょっと勉強してた彼。その過程で知った男性アイドルの姿を自分に重ね合わせてみての結論でした)
そっか。古本屋さんってそんな不思議な場所だったんだね。
(大きな鎌を持った死神のような悪魔だとか、72柱の悪魔だとか、そんな解説が書かれているページを一緒に眺めて)
愛染目は、こういうのに興味があるんだ。
愛染目・未来 2021年10月4日
アリなのかー。なんかね、マネージャーさんとかのが合ってる気がするよ。(サングラス的に)
興味があるっていうか知っときたいというか‥‥(本当は見たくないけど。サキュバスの生態とか載ってる?載ってる?)(ぱらぱらぱら。)(目を皿のようにして探す)
霧雨・龍雅 2021年10月4日
マネージャー……裏方さんだよね。
そっか。そっちの方があってるのか……
(なんだかちょっぴりしょんぼりな感じです)
ん。……それならその本、買ってみる?
ものすごく高いってわけでもないみたいだし。
(と、本をひっくり返すジェスチャー。表紙に貼られている値札には、確かにお手頃な価格が書かれていることでしょう)
愛染目・未来 2021年10月4日
あ。(ちょっとしょんぼりさん?)い、いいと思うよアイドル。美空ちゃんと一緒に推すよー?
‥‥うん。おー、意外だね。やっぱり古本だからかな‥‥?‥‥‥妖精さんも‥‥‥
霧雨くんもドラゴン買う?
霧雨・龍雅 2021年10月4日
ん……
うん。もしアイドルになったら、その時は応援してね。
(そこはかとなく嬉しそうに)
そうだね。
……さっきの青い龍の絵、良かったし。
俺も買おうかな。
愛染目・未来 2021年10月4日
(‥‥えっ、ホントになるの?アイドル?)う、うん。
‥‥あっ、ここ日本円使えるよね。なんか、新円?だっけ?新しい電子マネーが出来たとか。どこまで浸透してるかわかんないけど。あれまだ使ったこと無いんだよねー。
霧雨・龍雅 2021年10月4日
多分、ここはまだ円も使えると思うよ。
新しいお金の方は……そもそも俺、電子マネーってよく分からないんだよね。
使い方とか、勉強しておかないと……
愛染目・未来 2021年10月4日
電子マネーは‥‥あれだよ。こう‥‥カノンちゃんが入ってるあれを‥‥かざす。(つまり、よく知らない)
じゃ。これとこれ‥‥意外とあるもんだねー。ふふん、こういうとこで買い物するの初めてだからちょっとドキドキする。
霧雨・龍雅 2021年10月4日
スマホみたいなやつだよね。
俺、スマホ持ってないからなぁ。
……やっぱり、ああいう機械も持たなきゃいけないのかな。
そうだね。掘り出し物……っていうのかな。
うん。俺もこういうのは初めて。
(そんな話をしながら、二人で会計へと向かって)
今日は付き合ってくれてありがとう、愛染目。
楽しかったよ。
(なんて。有意義な放課後を過ごすのでした)
霧雨・龍雅 2021年10月4日
【〆】