【個】新宿夜半連律
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
謎の人物がオーナーをしている歌舞伎町のとあるビル。
ビル全体が小さく揺れているのは、建物の中で大きな機械が動いているからだろうか。
杜撰な管理のせいか、蛍光灯がカチカチと音を立てて点滅している。
ひと気はないのにいくつもの車が停めてある地下駐車場は、特に暗かった。
✡書き込み可能✡
#ニクス・カヴェンディッシュ
小金井・ガイ(
#黄金院・アスカ)
0
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
───ここか
(地下駐車場へとやってきたニクスが、小さくつぶやく。ごおごおと上から聞こえる音は、換気扇ではないだろう。何かは知らないが、目的物がきっとここにある。そう思って、天井を見上げた)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
ひゃはっ!やって来ましたねぇ、ノコノコとォ!!(天井を見上げる少年の耳に響く、どこかキマッたテンションの声)(そして、ビル内部から聞こえるごうごうという機械音に負けず劣らぬ、排気音)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(地下駐車場に響く、特徴的な声と排気音)
むっ、この声は先日の───。
(どこから聞こえているのかと、辺りを見渡す)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
ここであったが2週間目ですねェ、お坊ちゃん!
(広い駐車場の奥の奥。ニクスのやってきた入り口から直線上、真っ直ぐ対面にその車はいた)
(元を軍用車に由来するとかしないとかいう、一般車にしては大型で頑丈、角ばったシルエットが印象的なその車)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
っ、ヤツか!
(指輪を付けた右手を、車へと向けて)
黒き影よ。暗き棘よ───。
(詠唱を始めると同時に、足元の影が揺らぐ)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
さぁさぁさぁ、行きますよォ!ここであったが2週間目……!撥ね飛ばされちゃってください!!
(轟音とともに、突進。巨体がニクスに迫る)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(あれでも一般人。直接魔術をぶつけてるわけにはいかない。結局の所、狙いは武器破壊となり)
出でて穿け、鋼鉄の檻!
(駐車場の床に広がったニクスの影。そこから、いくつもの大きな棘が飛び出して、車のフロントを貫いていく)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
わかってますよ、私を直接狙えないことは!!(ばん、と勢いよく扉を開き、男が飛び降りてくる)(運転手が降りても、車は止まらない。影の棘によって勢いを殺されながらも、ニクスに向かって突進し)
(突進する車体を隠れ蓑にするようにして、男は駐車された車の群れの中に姿を隠す)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(影の棘で十分な干渉は行った。車の進む方向を見極めて、最小限の動きで躱す)
む……
(ちらりと車内を見るが、すでに運転手はいない)
どこへ行ったか
(それらしい姿は、辺りにはない。ここには車が多すぎるのだ)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
(ゼロからのトップギア。車の群れの中から飛び出した小型車が、弾丸のようにニクスに迫る)
ヒャハッ、ここは私にとって武器庫みたいなものですからねぇ!!
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(先ほどのように事前にエンジンを吹かすようなことはしてこなかった。車での突撃は、予兆がわかりやすく、加速も遅い。そう考えていた)
───っ!?
(だが、これは速い。詠唱が、間に合わない)
(無効票)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
くそっ、想像よりもかなり速いな……!
(慌てて飛び退いて、柱の影へと隠れる)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
おやおや、逃げるだけですか!?(小型車が優れるのは加速性だけではない。小回りの高さを活かして、速度を殺さず急旋回。柱に向かって追い詰めるように、小型車が迫る)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(復讐者になって多少は身体能力が上がっているとはいえ、ニクスは生粋の運動音痴だ。小型車を躱すと、視線から外れてしまう。改めて探して、また見つける頃にはもう近く)
このっ……! 従者がいればこんなことは無いが……!
(柱のそばに居ても、細かい旋回で追い詰められるだろう)
(無効票)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(杖を握り、魔力を通す)
影よ、空間を埋めろ!
(短い詠唱とともに、染み出した影が地下駐車場を埋めていく。ただの目くらましだ。その間に柱の近くから逃げ出した)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
そらそらそら……ん、うおおっ!?(調子になって少年を追い詰めていったはいいものの、影によるスモークでハンドルを誤り、思いっきり柱に突っ込んでしまう)
(激しい衝突音を境に、先程までの激しい音が嘘のように、静寂が当たりを包む)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(激突音。事故だ。普通に考えればこれでおわり。一応運転手を救助して警察と病院に連絡すべきだろうが──)
安心は、できんな
(手を掲げて、柱の方へと向ける)
禍津ひ黒狼。森の狩人──。
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
(その音が響いたのは、柱から離れた所からだった)
(ゼロからトップスピードに乗った先程とは対照的に、どっ、どっ、どっ、低いエンジン音が響く)
(無効票)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
スモークに隠れれるのはそっちだけじゃねーんだよぉ!!(吹っ切れたようなテンションの高い声とともに、大型トラックの巨体がニクスに向かって加速を始めた)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(なるほど、それは道理だ。心の中でそう呟いた。声に出さなかったのは、すでに詠唱を始めていたから)
(掲げた手を音のする方へと向けて、続きを綴る)
悠久を生きる狼よ、群れを守る者よ
(大きなトラックだ。たとえ柱の影に隠れても柱ごと折られるだろうし、車の影に逃れても押しつぶされる。だが、幸いにも大型トラックの加速は遅い。だから長く、より強大な詠唱ができる)
(、)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
その巨躯はなんのためにある。その剛爪はなんのためにある。その誇りと名誉にかけて、我が敵を穿て──!
(地下駐車場の隅から、黒いモヤのようなものがニクスの隣へと集まってくる。あっという間に大きさを増していき、天井につきそうなほどの塊になると、もそりと頭が作られた。禍々しい顔をした、黒い狼。影ではない。これは、闇そのものだ。大型トラックを視認すると、息を大きく吸う。胸を大きく膨らませると、次の瞬間、吠えた。ただの咆哮。ただの音波。だが、トラックを上回るほど大きな身体から放たれたそれは、尋常ではない衝撃を作り出した)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
な、な、な――!
(大型トラックは、男の切り札であった。男の誇るドライビングテクニックを活かすには少々鈍重だが、圧倒的な質量はそれを補って余りある)
(人間にぶつけては、“痛めつける”などという次元ではすまないコレでも、この相手ならば不足はないだろうと判断しての切り札の投入)
(、)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
バ、バケモ――。
(大型トラックをも上回る巨躯の闇に、戦慄したような声をあげたのも束の間。眼前の巨体と、車体が、タイヤがひしゃげる音への恐怖によって男の意識は刈り取られ)
(コントロールを失ったトラックが、力なく闇の獣に向かって、惰性のように迫っていった)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(獣の身体に、トラックがぶつかる。巨大な獣はトラックの質量を物ともせずに弾くと、鼻から息を吐いて、姿を消した)
ご苦労
(消えていく狼を労うと、トラックの運転席を覗き込んだ)
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
へ、へへ――。
(男は虚な顔で、涎や鼻水やらを垂れ流した哀れな姿でシートに倒れ込んでいた)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
意識は……あるか?
(少し近づき難い状態なので扉を開けずに声をかける)
おい貴様。ここの上には何がある?
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
ヒィッ。し、知りませんよォ!確か、おま――あなたたちの探してる女を拘束するための機械があるとかなんとか……!
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(やれやれと肩を落として)
まあいい。それは破壊させてもらおう
(上を見てから、ガイに背を向けて)
……貴様は、運転技術は大したものなんだ。もっと磨けよ
黄金院・アスカ 2021年10月3日
【小金井・ガイ】
どうにもなりませんよ。コレでも真面目にテクは磨いてきましたけどね。磨けば磨くほど、もっとヤバい運転がしたくなるんです。こんな世界になってくれてよかったってモンです。
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
そうか……貴様は闇の住人なのだな。ならば、ボクからはこれ以上言うまい。またぶつかることになったときは、またボクが叩き潰してやる
(背を向けたまま手を振って、上階へと上がっていった。この先にある機械を壊せば、自分の役割はおわりだ)
ニクス・カヴェンディッシュ 2021年10月3日
(ビルの機械音が止むまでそれほど時間はかからなかった)