【受取】竜城・陸/鋼薪搭
グスタフ・カツラギ 2021年10月1日
完成品:鋼薪搭(調整済み)
受取人:竜城・陸
受渡場所:新宿島・沿岸部
発言可能
グスタフ・カツラギ
竜城・陸
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竜城・陸 2021年10月4日
(“受け取ったら、自分がここにいる理由がなくなってしまう”。)
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
『……いや別に同じになってなんて誰も思ってねーと思うけど……。』
(思った以上の剣幕に思わず唖然となる)
(つい呆けたような声が漏れ出てしまって)
……僕簡単には割り切れないでしょうしって言いましたよね?『言ったけどそういう意味に思えなかったんだろ』明らかに煽りが原因では『責任転嫁っつー奴だろそれ』実行犯が何を言うんですか『俺だって本当は、とかそういうの出てくると思ったんだよ私はよ』確証ないのにやめてくださいよホント『知るか』そういうところですよマジで『うるせぇ』
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
『ま、とりあえず地雷と本音が聞けただけ良しとするか』
(立ち上がって、頭に手を置いて)
(ぷしゅぅーといった空気の抜けるような、気圧の調整の音が流れて)
(次の声は、くぐもっていないとてもクリアな肉声だった)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
つまるところ自分にキャパがない、って認識でいいのかね?
それとも手が悴んでるとか、そういう感じのやつ。
踏み出す一歩が怖い、ってのは違うか?
(がちゃん、がちゃん。)(ゴトッ)
私受け取れない、って経験がないからこれも推測になっちまうんだけどさ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(地面に落ちるはフェイスカバー)
(冷たい風に吹かれて緑の三つ編みがなびく)
(縦長に裂けた紫の瞳孔の右目と)(真横に伸びた紫の瞳孔の左目が)
(そういう感じでいいのか?と問いかけていた)
(無効票)
竜城・陸 2021年10月4日
……いや、“同じ”って存在的な話とかそういうのじゃなくて。
同じ幸せを同じように、当たり前に感じていいんだよ、みたいな、そういう……なんて言ったらいいんだろうな、これ。
(だいぶ気勢の落ちた、消沈したような声音だった)(これもまた珍しいのかもしれないが、少なくとも先程とは違って、周囲の気温が下がるようなこともなく)
(逸らしたままの視線には、漏れ聞こえる音しかわからず)
(だから、“いつもより聞こえがいいな”とくらいにしか、思わなくて、)
俺がここにいていいと言ってくれる人がいることもわかっていて、
誰かが差し伸べてくれるものの得難さを知っていて、
そういうものを自分が望んでいるのもわかっていて、
受け取れるようになるべきだしそうなりたいと思っていて、
竜城・陸 2021年10月4日
それでもなお、それを受け取ることで変わるものが怖いって、そう――
(だけれど)
(ゴトリと、重いものが落ちた音と)
(――明瞭なだけでない)(何も遮るものなく届く声音には)
竜城・陸 2021年10月4日
(…………思わず、顔を上げていて)
――……いう、話……
(…………呆然と)
(こちらを見遣る、二つの目を、見返していた)
…………君、
竜城・陸 2021年10月4日
…………顔、出したくないんじゃ、なかったの。
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
――キレさせといて顔も見せねぇっつーのは「無礼」だろ。
(別段、特段、これと言って何ともない普通の顔)
(しいて言えば特徴的な両目の瞳孔と、どうしてまでとも思える程に怒りに満ちたようなしかめっ面)
(眉間にも額にも皴を寄せて、今にも吐き捨ててキレ散らかしそうなぐらいの憤怒が刻まれている)
(それだけの、普通の顔で)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
で、私の解釈はあってるのかあってねーのかだよ。
足踏みして心の準備してると思えばいいのか?
(無効票)
竜城・陸 2021年10月4日
……別に、怒ってないけど。
(悪あがきみたいに言った)(目は逸らさなかったから、嘘だというのは簡単にわかってしまうだろう)
(これも禁止されていたっけな、とぼんやり思った)
(“怒ってはいけない”……なんて、別段命じるまでもないのに)
竜城・陸 2021年10月4日
(どんなに世界から嫌われていたって、)
(世界を嫌いになんてなれなかったのだから)
竜城・陸 2021年10月4日
(……いや、“怒り”と“嫌い”は違うのかもしれない)
(だって、そうでなければ、今こうなっているはずはないのだから)
竜城・陸 2021年10月4日
……心の準備、かな。そうかもしれない。
晴にもしとらにも善処するって啖呵切った以上はね。
そうならなきゃ……と思ってる。
あ、いや、なりたい、とも勿論思っているけれど――
竜城・陸 2021年10月4日
…………でも、それで、そうなってしまったら。
決定的に変わってしまって、戻らなくなるものがあるんだよ。
……それが、怖い。
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
いやキレてんだろ100%ガチギレだろ今からこいつ(頭部カバー)で再生してやっか?
100人中110人キレたって断言するぜあれは。
(機械義手でカバーを拾って雑に埃を掃う)
(そのまま彼の方に近づいて)
(ガンつけるかのようにしかめ面で顔を覗き込み)
目ェ泳いでんぞ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(そのまま少しだけ顔を離して話を聞いて)
(あー、と少しだけ納得したように)
成る程不可逆変化の未知数さが怖いって事な。
よーくわかるぜ不変なんてないって知ってんのに今よりひどくならない環境は捨てがてぇ。
もっともそういう不幸のぬるま湯みたいなんじゃねーんだろうがよ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
よーしじゃあそんなあなたに私から宿題を一個出してやるよ。
今度の約束までに答え一つ持って来いよ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
一つ目。変わる。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
二つ目。変わらない。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
三つ目。決められない。
この中からどれか、だ。
流石にここまで大枠で括りゃあどれかには掠るだろ?
はいじゃあこれ、その日まで預かっとけ。
(超至近距離で頭部カバーを押し付けるように投げ渡し)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
あ、それ結構重いぜ。40kgぐらいあっから。
(無効票)
竜城・陸 2021年10月4日
……君、自分の事頭悪いって言うくせにやたら難解な言い換えをするよね。
(反撃にもならない憎まれ口を叩いて)
全く、君と話してると色々なことがわかるよ。
怒るっていうの、“殺してやる”の他に“一発殴りたい”も入るんだな、とかね。
竜城・陸 2021年10月4日
宿題? 何――
(そこからは、もう口を挟む暇もなくて)(余裕がなかっただけかもしれない)
(なに勝手に決めてるの、とか)
(“決められない”は答えにならないでしょ、とか)
(そんなさっくり預けられるものじゃないでしょ、とか)
(…………全部言う暇もないまま)
竜城・陸 2021年10月4日
(投げ渡されたそれは、なんなく受け取れた)
(一切重さなんて感じてない、みたいな顔で)
(だって、“これを被った彼を抱えられるのに、こんなものが持てないはずはない”のだから)
竜城・陸 2021年10月4日
…………これないと君、学園来られないんじゃないの。
(無効票)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
私がわかりやすけりゃそれでいいんだよ。
歯車だらけの理解に苦しむ難解な環境で育ってんだ、見逃してくれよ。
(憤怒の形相のまま、口角だけ吊り上げて不器用に笑った)
おー怖い怖い。私の存在が教材になるなら何よりでー。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
あ?んなもんサボるに決まってんだろ、列車乗ってどっか行ったことにすりゃ後で補習申請出しゃ済むしよ。
(座布団代わりにしていたアタッシュケースの中から一枚のお面を取り出した)
(真っ白で、中央に丸に十字模様が入った和面をひとつ)
(それを顔に付ければ再び声はくぐもって)
適当に広げて折り畳めばこのケースの中に入るぜ。
流石にそれ持って帰るのは不審者だろ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(それだけ言って、くるりと振り向いてきた道を戻っていく)
(が、ピタリと止まって)
(緑の髪を掻き分けてガリガリ頭を掻きむしって)
あー、さっきは変なこと言って踏み込んで悪かったな。
じゃ、また約束の日に。
(無効票)
竜城・陸 2021年10月4日
フランスほど歯車だらけじゃないだろうに。
(呆れたような、溜息交じりのような、けれどどこか楽しげでもあるような)(そんな声音で言って、肩を竦める)
君の笑顔の方がよっぽど怖いけど?
(なんて、そんな言葉だって)(冗句めいた、軽口めいた響きを、多分に含んでいただろう)
竜城・陸 2021年10月4日
…………。
(「そういうのよくないと思うけど」なんて出かかった言葉が、「でも半分以上は自分のせいだな」と思って止まって)(結局は音にならない吐息一つだけ、漏らす)
……それさっきすごい音してたけど。大丈夫なの?
(まあ大丈夫なのだろう。彼がそう言うのだから)(そう思って)
竜城・陸 2021年10月4日
(振り返って、歩いていく背中を見ていた)
(それが、止まって)
(“悪かった”なんて言葉が出てきたのを聞いたら)
竜城・陸 2021年10月4日
(フェイスカバーを置いて、立ち上がっていた)
(ほんの、ごく短い距離でも翼で移動するはずのところを)
(自分の足で、半ば縺れるように駆け寄って)
(――肩を掴んで、引っ張ってやった)
竜城・陸 2021年10月4日
(何分、急に動いたから)
(“息が切れていて”)
(“肩を掴んだ力も振りほどけそうなくらい弱くて”)
(“振り向かせるにはどう考えたって足りないような力しかなくて”)
(“払われればみっともなくバランスを崩して倒れたかもしれない”)
(……そんな、くらいの調子で)(でも)
竜城・陸 2021年10月4日
…………次、
それで……謝った、ら、……本当に、殴るから。
(全然、“人を殴れます”みたいな状態でもないくせに)
(目だけは逸らさないで、そう言った)
(無効票)
竜城・陸 2021年10月4日
――……踏み込まれて嫌な奴に、
あんな話なんて、しない。
(演出終了)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(あんまりにも、あんまりにも弱い、儚い、微かな違和感)
(女子供でも、幼児でも、赤ん坊だろうともう少し力は籠める)
(そんな些細な感触に首だけ振り向けば)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(今まで見たこともないような、親友の姿)
(怒気に塗れた時よりも驚いた)
(ああ、この姿を庶務サンになんぞ見せたら顎外れるぐらい驚くんだろうな、なんて頭の片隅で思いながら)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
(片手で面を持ち上げて、口角の上がったツラを見せて)
(異形の両目でジロリと睨み)
オイオイ、冷えるじゃねぇか。
殴る前に凍て殺す気か?
(知っている、感覚のない機械義手だろうとわかる)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(一切凍てつくような気分も、命が吸われる様な不快感も何もないことを)
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
あァ……もう言わねぇよ。
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
ちゃーんと、宿題さえ持ってきてくれればな。
(優しく、花でも触れるかのように、蝶を指に乗せるように)
(どこまでも軽いタッチでその手を外してゆっくりと下ろしてやり)
(面を付けなおして立ち去った)
(演出終了)
竜城・陸 2021年10月4日
……、言われ、なくても、その、…………
(つもり、までは、言えなかったし)
(きっと、手を外されなかったとしても、次の瞬間にはその手はもう、彼の肩を掴めていなかっただろう)
(……それでも、踵を返されるまでは、)
竜城・陸 2021年10月4日
(…………蹲るのも、堪えられた)
(みっともなく、腕を枕にするように、俯せに地面に伏せて)
竜城・陸 2021年10月4日
(息ができない)(心臓が破裂しそうなくらいうるさい)(歯の根が鳴って)(苦しい)(空気が必要なのに)(唇は震えるばかりで呼吸をしてくれない――)
・・
(――寒い)
(身体が端から凍り付いていくようで、)(いや)
・・・・・・・
(凍り付いている)
竜城・陸 2021年10月4日
…………っ、は、……っ
(ぎち、と奥歯を噛み締めて)(無理矢理に、息を吸って、)(吐いて)(少しずつ)(少しずつ――)(抑えていく)
竜城・陸 2021年10月4日
(――そう、何も変わらなかった)
(刻逆なんていうものを経たところで)
(立ち位置も)(在り方も)(何も)
(そして、何も変わらない)
(使命も)(末路も)(何も)
(だから――)
竜城・陸 2021年10月4日
(――唯一、己の自由にできる筈のこの心だって)
(変わってはいけない、のに)
…………答え、
竜城・陸 2021年10月4日
俺の、答えは、――――
グスタフ・カツラギ 2021年10月4日
【業務終了】