【個】逆境にあって輝くもの
龍・雲嵐 2021年9月25日
いつもクスリを恵んでやっているバカ共を蹴飛ばして帰らせる。
イライラすることこの上ない、なんせ日々のノルマはそのままに追加の仕事が出来たからだ。
だがまあ、やること自体は簡単だ。
ディアボロスだろうとガキはガキ、どうとだってなるはずさ。
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#梶野・龍夜
vs
#山川・巨塔(#龍・雲嵐)
1
龍・雲嵐 2021年9月25日
【山川・巨塔】
(NEO新宿連合の縄張りの境界付近。
お上品なカタギがのうのうと歩いている表から1本2本、道を外れた路地裏を当てもなく歩く。
こうしていればその内出会うのは分かっていた。
こんなところに来るのは俺のような裏の人間だけ、そうでないカタギのガキなんて浮き過ぎて一発で分かるってもんだ)
梶野・龍夜 2021年9月25日
ミナ……どうしてこんなところまでついてきちゃうの…………
(翼が生えているくせに飛びもせず龍夜の肩からぶら下がるように捕まっているスフィンクスのミナをつれて、慣れない路地裏を歩く。どうやらこのあたりから境界線らしい。注意しまし!とスマホには表示されていた)
危なくなったらすぐに飛んで逃げるんだよ。わかった?
(ミナに喋りかけながら歩いていく。当然、前なんて向いていないわけで)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
…………あ。
(なんとなく人の気配がして顔を向ければ、自分よりも少し低い視線と目が合った)
龍・雲嵐 2021年9月25日
(思ったよりも早く見つかった。
明らかにこういう空気に慣れていないガキだった。ペットらしい猫まで連れて、わかりやすいことこの上ない。
パーカーのフードの下でにやりと口を歪めて、ガキの真ん前に立つ)
――ハッ
(嘲るように笑って)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
どこに目ェつけて歩いてんだクソガキが!!!
(怒声と共に、腹に突き刺すような前蹴り――いわゆるヤクザキックをかます。
こういうのは最初が肝心だ。ケンカはそれでほぼ全部が決まると言っていい。
怒声でビビらせ、先制攻撃で膝を折らせる。いつもクスリを売っているパンピー共にやっていることだ。
心構えの出来ていないクソガキにはさぞかしメンタルに効くことだろう)
梶野・龍夜 2021年9月25日
(なんで笑っ───)
う゛ぶっ!?
(萎縮する間もなく腹部に突き刺さる蹴り。思わず手で押さえながらくの字に体を曲げ、ガクンと片膝が落ちた)
(痛い。気持ち悪い。鳩尾。なんで?これは敵?やばい。ミナが。危ない。)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
ミ──ナ……逃げ───
(目の前の人物には目もくれず、ミナへと視線を向けて。己の中で最たるものはこの子だ)
(けれど、肩から降りて龍夜を心配そうに見つめるミナは離れる素振りを見せない。今だけは本当に言うことを聞いて欲しいのに。)
なん、なんだよ……あんたは………!
(ミナを後ろに庇うように無理矢理腕で押し退けながら、正面の男を睨み上げる。弱さを見せてはいけない。あくまで強気でなければと、無意識にそうしていた)
龍・雲嵐 2021年9月25日
(ニヤニヤと卑しい笑みを浮かべて、無精髭の生えた顎をさする。
精一杯強がっているのが透けて見えて気分が良い。
俺を見下ろしていたガキを見下ろすというのは、実に気分が良いことだ)
はっ、ディアボロスっつってもガキはガキだな。
ケリの一つでブルッちまってよぉ……
ハハハ、良いぞォ! ママでもパパでもオトモダチでも、好きに助けを呼んでよぉ!
(ちょうど良い位置に降りてきた頭に向かって、サッカー日本代表のゴールを狙うような爽快な気持ちで思い切りケリを叩き込む)
梶野・龍夜 2021年9月25日
(どうする。どうする。戦う?でも相手はあくまで一般人だ。俺はまだディアボロスの力を制御出来てな──)
ッ──!!??
(ズキズキとした痛み、せり上がってくる吐き気を抱えた状態でまともな思考など出来るはずもない。けれど、体は先に動いていた)
い゛っ゛、
(咄嗟にミナを抱きかかえると同時、背中を蹴り飛ばされた。体はわずかに浮き上がり、跳ねながらゴロゴロと転がっていく)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
(最終的に背中を擦るように止まる。ゆっくりと目を開いて腕の中を見れば、状況に似合わぬ可愛らしい鳴き声を上げるミナ。とりあえず怪我はなさそうで、安堵したように微笑んだ)
っ……はぁ…………
(けれど、いつまでもそうはしていられない。顎に力を込めて立ち上がり、ミナを放るように後方へ逃がす。転がった際に傍に落ちたのであろう包帯がぐるりと巻かれた刀を持ち上げて、構えた)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
……あんたは、なんなんだ。
(だが、その構えは誰が見ても刀を持つ心得がないことは明らかで。それでも、精一杯の威圧感は出そうと必死だった)
龍・雲嵐 2021年9月25日
お? なんだ、抵抗すんのか?
(大抵のパンピー共はここで心が折れてハイハイ言うようになるのだが……
生意気にも長物を構える姿を見て、わずかに興が削がれたようにため息を吐く)
マジさぁ、抵抗されるとムカつくんだよね俺
もしちょっとでも俺のことを切ってみろよ、その10倍は深くこいつで抉るぞ?お?
(これ見よがしにパーカーのポケットから刃物を取り出す。
軍用だかなんだかの、丈夫で扱いやすいナイフだ。こいつで言葉通りに、何人も抉ってきた。
慣れたナイフの構えを見れば、素人でもそういう空気が伝わるであろう)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
目上の人間になに何度も訊いてやがんだクソガキが!!!
(萎縮させる為にまた怒鳴り散らす)
つーか言わなきゃ分かんねぇようなバカガキがよくノコノコと俺らの縄張りまで来たもんだなぁ?
おまけに得物のまともな握り方もわかってねぇじゃねぇか、ククッ!
大人しくガッコーに引っ込んどきゃ良いものをよぉ
(ズカズカとガキの間合いに入っていく。慣れてない人間は構えたところで無遠慮に踏み込んでくる人間にまともに対処できやしない。
ケンカの経験値の差で長物相手でもどうにかなると思っての踏み込みだった)
梶野・龍夜 2021年9月25日
っ………
(びくりと震える体。抑えようとしたつもりだが、バレているだろうか。本物のナイフと、こなれた手付き。相手は本当にそうやって、人を傷つけて来た。かたやこちらはド素人。いくら身体能力が違うとわかっていても、勝てる自信はこれっぽっちも湧いてこない)
(でも、だからと言って)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
(退くわけには、いかない!)
うるさいッ!!
(ダンッ!と一気に踏み込む。リーチの差やセオリーなど知ったことではない。とにかく無遠慮に、まるで野球バットを振るかのように刀を横薙ぎに振るった)
龍・雲嵐 2021年9月25日
(ビクリと震えたのを見て確信する。飲まれてビビって動けなくなってやがる。
その姿をニタニタとせせら笑い、近づく。
このクソガキに自分がいかにバカだったか痛みで教えてやろう――)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
あ?
(衝撃)
あがっ
(身体がふっ飛ばされる)
はっ………
(地面に転がった)
はあああ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
(たまたま構えていたナイフが横薙ぎの剣閃と重なったおかげか、肉も骨も斬れてはいない。
しかしディアボロスの膂力で力任せに刀で殴られた衝撃は、ナイフを持った腕の肉にも骨にも大きな痛みを与えていた)
いいいい、いでぇよ、いでぇよ゛ぢぐじょおおおおお……!!
く、クソガキ……!! こんなことして、タダで済むと思ってんのか……!!
(激痛に叫びながらも、怒りで視界を真っ赤にしながら立ち上がり、ガキを睨みつける)
梶野・龍夜 2021年9月25日
(刀から手の平に伝わる感覚。初めて、人を傷つけた。それが今までの痛みよりも何よりも、よっぽど衝撃的だった)
(違う。でも、目の前の男はもっと人を傷つけている。だから、そう。このぐらいは序の口で──)
っ…………
(「痛い」そう叫ぶ悲鳴と、怒りで満ちたその表情。それを見て、つい、力が抜ける。まるで恐怖するように、顔を顰めた)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月25日
…………でも、あんただって、これ以上のことをしてきたんだろ。
(震える声を誤魔化して、強気な態度を維持する。あくまで主導権は自分だと示すように)
………白髪のメイドと、黒髪の天使。二人の情報を教えてくれたら、これ以上は何もしない。
龍・雲嵐 2021年9月25日
だからなんだってんだ、あ゛ぁ゛!?
エラそうに正義ヅラしてんじゃねぇぞクソガキが!!
(こんなブルってるのを必死で隠しているようなガキに遅れを取っている。
その事実が我慢できなくて、痛みで上手く動かない腕を抑えて吠えてかかる)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
白髪の……? ああくそっ!! あのメスガキ捕まえるのに使ってたメイド……そういう……!!
(ぎりっと歯を噛み締めて)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月25日
知るかボケが!! 『これ以上は何もしない』だぁ!?
(さっきの衝撃でひしゃげたナイフを無事な方の腕で拾って構える。
痛みのせいで先程のような余裕のある構えではない。
しかしその切っ先には確かに殺意が籠もっている)
ガキがエラそうにしやがってよぉ……!!
見下すんじゃねぇ!! テメェは下で、俺が上なんだよぉおおお!!!!
(ほとんど半狂乱になりながら、まっすぐにナイフを突き出してガキに突っ込んだ!)
梶野・龍夜 2021年9月25日
偉そうになんか───っ!
(反論する間もなく突き出されたナイフに怯える心を押し殺して、冷静に回避行動を行う。横に飛び退くように避けたものの、脇腹付近に感じた冷たさに思わず竦んで反撃は出来ない)
……上とか下とか関係ない。俺は聞いてるだけだよ。
(再び距離を取って、対話を試みる)
龍・雲嵐 2021年9月26日
(不愉快さに奥歯を噛みしめる。
未だにおびえてはいるが、この状況に慣れてきてやがる。
ムカつくことに、話が通じると思ってやがる……)
チィッ……!
(ガキでもディアボロスはディアボロス。
ナメ過ぎていた為にこんな無様を晒すことになるのは憤死しそうなほどムカつくが。
それでも、本当に死ぬのはさらさら御免だった)
(無効票)
龍・雲嵐 2021年9月26日
クソがっ!!
(牽制にナイフを投げつけ、その隙にさらに入り組んだ路地裏へと逃げていく。
細く見通しが悪く、あちこち入り組んでいる為、追ってこられてもまず撒けることだろう)
覚えてろよクソガキ!!次にそのツラ見たときはぜってぇ殺す!!殺してやる!!ぶっ殺してやるからなぁ!!!
(、)
龍・雲嵐 2021年9月26日
(殺意と憎悪と屈辱に満ちた声だけを残響させ、半グレの男は姿を消したのだった)
梶野・龍夜 2021年9月26日
(うっ!?)
(飛んでくるナイフに思わず息を呑んで身を捩る。けれどその刃先の終着点は随分と後ろの方で、乾いた金属音が鳴り響いた)
あっ………!
(視線を戻すと既に角を曲がった瞬間。捨て台詞付き。後を追いかけようと足に力を籠めると)
(「なあご」と影から鳴き声が上がった)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月26日
……………………………
(やや間があって)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月26日
はぁ~~~……………
(ぺたんと地面に座り込んだ)
(そこへすかさず寄ってくるミナ。膝に感じる毛並みが日常へと引き戻してくれる。思わず顔を綻ばせて、ゆっくりと撫でる。そっと、日常を取り戻すように)
(無効票)
梶野・龍夜 2021年9月26日
……ありがと、ミナ。
(無事で良かった、と抱き上げて頬擦り。くすぐったそうにまた鳴き声を上げた)
………帰ろう。
(確かな情報は得られなかったけれど、今は。この幸福を味わっていたい。それに、やっぱり痛みつけられた部分がまだ痛かった)
(体感した。自分の弱さを。刀の使い方、戦いへの姿勢。その他何もかも)
…………俺、強くなるよ。ミナ。
(、)
梶野・龍夜 2021年9月26日
(その誓いに、また一つ。元気な鳴き声が返ってきて)
(そうして応えてくれる喜びを嚙みしめながら、帰路についた)
梶野・龍夜 2021年9月26日
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