【個】Drag queen
緋野・氷織 2021年9月23日
なにやらガキどもがウチのシマで騒がしくしているらしい。
――なんて話を聞いて、血気盛んなヤロウどもはケジメつけに行ったらしいけど。
正直アタシはそんな野蛮なことはお断り。
カワイイ子と遊んでやれってンならイイケドさ、殴ったってつまんないじゃない?
なんて言ってたら、アジトの留守番でもしとけですって。
ホント、やんなっちゃう。
◆
#ラール・ケレス
#新條・マナ( #緋野・氷織 )
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緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
(――使われなくなったビルの地階にある、うら寂れた元酒場)
(野蛮なヤツらの溜まり場じゃ、殴り合いのケンカも日常茶飯事。テーブルは横転し、戸棚の酒は割れに割れ、床には血のシミだって残ってる)
こォんな陰気臭い場所じゃ、テンションもアガんないわよねぇ……。
(スツールに腰掛けて、カウンターに頬杖。自分以外には無人の酒場で、誰にともなくぼやく)
(ダブつたいたパーカーの紐を、空いた片手でくるくると弄びながら)
だいたい何? こんなトコで留守番してる意味ある?
せめてカワイイ子と一緒ならまだしもさァ……。
ラール・ケレス 2021年9月23日
(――ここだな)
(と、扉の前で目を細めた。生徒会騎士団監査から提供を受けた「NEO新宿連合が関連する施設」、その一つ。その扉に、慎重に手をかけて)
(無効票)
ラール・ケレス 2021年9月23日
(ばたん、と勢いよく扉を開いた。余裕のない様子できょろきょろと見まわして)
ほ、ほんとにいた……! なあ、アンタだろ、この辺の顔役に繋がりがあるっていうの! ……そうだよな!?
(怯えを振り払おうとしているような、大きな声)
(服装はこれ見よがしに緑のネクタイを提げた制服姿。使っていないものも多いスクールバッグまで提げていた)
緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
――あン?
(異変に頬杖を解いた。扉の開く音、息せききったような声音に振り向けば)
(見間違えるはずがない、「最近ここいらを嗅ぎまわってるガキども」の通う学園の制服を着た、男子生徒)
(――嗅ぎつけられたワケ? アイツラ何やってんの、バッカじゃないの)
(なんて一瞬思ったけれど――そうだとしてはどうにも、おかしな様子だ)
(どこか怯えた様子すら見受けられるその様に、片眉を上げて)
……ガキの来るトコじゃないわよ、ココは。
(なんて、言いながら――くるりとスツールを回して、そちらを向いた)
(顔立ちは――まあ遠目から見えれば整った、中性的なそれで)
(声音だけを聞けば、女性と思われてもおかしくはないが)
(声質だけは隠しようがなく、どうしようもなく、男性のそれであったろう)
ラール・ケレス 2021年9月23日
おっ……(男!? と、声を聞いて言いかけたのを飲み込んだ、ように見える顔)
い、いや……! そんなこと言わないでくれよ!
僕は―― (あなたに縋るように駆け寄りながら)
(無効票)
ラール・ケレス 2021年9月23日
・・・・
抜けたいんだよ、あの化け物共の学園!
なあ、アンタたちの仲間にしてくれよ! アイツらと揉めてるんだろ、手土産の情報だってあるんだ!
(そんな、必死の声を上げた)
緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
(その物言いに――ではなく)
(まずもって、駈け寄ってきた少年の風貌を目にして、新條マナは目を瞠った)
(…………顔がいい……。)
(そう、顔がいいのである。どこか高貴な雰囲気も漂わせる中性的な細面――背中には不可思議な青い何かが見えているが、そんなのは「例の学園」の生徒であることがわかっているなら驚くようなものでもない)
・・・・・
(あのチビ娘も背中に羽なんか生えてたわね。そーゆーモンらしいケド)
(なんて、胸中に浮かべながら――)
(無効票)
緋野・氷織 2021年9月23日
(――さて、と、縋るように見上げてくる彼の様子を見やる)
(声音は確かに切羽詰まったような必死さを感じさせるそれで)
(駈け寄る前に息を呑んだような、そんな顔をしていた気もするが――)
(……ブラフかどうかは、まだなんとも言えないわねェ)
(スツールを下りて、目線を合わせるように見上げる――背は向こうの方が高い。が、顔立ちは整ってこそいれどまだかなり幼さが残る)
(中学生くらいかしら?)(値踏みするように、頭の天辺から爪先までを見渡して)
抜けたいって、おかしなコトを言うのねェ。
アンタたちにとっては住みよい場所なンじゃない?
(――同じ化け物がいっぱいいて。)(とは、言葉に出さないが)
……ま、ハナシくらいは聞いてやりましょうか。
理由は? イジメ? 暴力沙汰?
ラール・ケレス 2021年9月23日
住み良い……なんてことあるかよ……!
(と、気分が悪くなったような顔で吐き捨てる)
そりゃあ僕だってこんな気色悪い羽根なんか生えて……
でも、それだけだ。あんな奴らと一緒にされてたまるかよ。
なあ、知ってるか? 騎士団とか番長とか言ってさ、力が強いだけのバケモンみたいな小学生までいて。そんな奴らに良いように使われて……! ……そ、そうだ!(言いかけて、何か思い出したように)
(無効票)
ラール・ケレス 2021年9月23日
アンタら、もう一人捕まえたんだろ? 僕と似たような羽根が生えてるガキだ。
その手引きをしたメイド服の女……そいつもだ、そいつも番長! 何考えてるのかなんて知らないけど、罠かもしれないぞ! 同じクラスだから知ってるんだ……!
(ほら、これ、と、ネクタイを示してみせて)
(――そんな。とっくに分かり切った、「相手から引き出して裏を取る」段の情報を、さも、とっておきの秘密を開示するように得意げに口にした)
緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
(――全然嗅ぎ付けられてんじゃない!! あの役立たず共!!)
(誰? 誰が漏らした? そういえばイコツんトコは全焼したって言ってたわねあいつか? ヒレツのヤロウもなんかブツブツ言ってたわよね…………いや誰でもいいケドその尻拭いをアタシがさせられンのは冗談じゃない!)
(……勿論、そんな内心は顔にも言葉にも、出さず)
(表面上は平静な顔のまま、彼の言葉を聞き遂げて、いて)
(無効票)
緋野・氷織 2021年9月23日
(――目の前の男子生徒の言葉をもう一度咀嚼する)
(要はハバ利かせたいってこと? 野心家には見えないケド……ま、ガキにこき使われたくないってンのはわからないでもないか?)
(疑問は浮かぶ。それこそ際限ないくらいに。手放しで信用のできる話では到底ありえない。ただ――)
(――何人か思い浮かべた通り。そのガキどもにやりこめられてるバカ共がいるのは事実で)
(もし、この少年が信用できてもできなくても。一先ず今こちらとコトを構えるつもりでないなら、情報源として泳がせておくことは、ナシでは、ない)
…………。
アンタ、例えばだけど。他に何か、重要なコトを知ってたりとか、探れたりとかは?
(長い沈黙のあと。値踏みするようだった視線は、次に相手の口から出る言葉を待つような、それに)
ラール・ケレス 2021年9月23日
そ、それなら……!
(勢い込んだような声を上げながら、ほんのわずかに、思案する)
(――想定より打算的な視線を感じる。……いや、さっきの気色の悪い視線も確か)
(選択肢としてはふたつ。情報源としての価値を示すか、それとも……)
(無効票)
ラール・ケレス 2021年9月23日
(ばっ、と、手に持っていたスクールバッグに手をかけて、蓋を開けた)
ほ、ほら、これ……!
(震える声。中から取り出したのは、スポーツタオルにくるまれた――拳銃。)
https://tw7.t-walker.jp/garage/item/show?item_id=13540
(演出継続)
ラール・ケレス 2021年9月23日
(まるで、その小さな銃が、これ以上ない力であるような)
(――そんな。場慣れしていない、情けない少年の)
(少なくとも現時点では、何の重要な情報にも触れていなさそうな、小物の顔で)
み、緑のクラスとか言ってさ、武器とか弄ってる教室が多いんだ。そこからちょろまかしてきて……
も、もう少し時間をくれたら、もっと色々……!
なあ、頼むよ、“なんでもする”からさぁ!
逃げたいんだよ僕は! あんな化け物共の近くにいたくないんだ!
(嗜虐心を、刺激しにかかる)
緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
(三度、目を瞠った)
(――ウソでしょ。あの学園、こんなモンまで作ってんの?)
……アンタ。ちょっとそれ、貸しなさい。
(奪い取るような――少なくとも彼が抵抗しなければ半ばひったくるような。そういう所作で銃を手に取ろうと)
ラール・ケレス 2021年9月23日
だ、駄目だ! まだ返事を聞いてないだろ!
(――と、反射的に抵抗しようとする。まあ、当然そうするべきだろう、この少年にとってこれが唯一縋るものであるのなら)
緋野・氷織 2021年9月23日
【新條・マナ】
この――
(クソガキ、なんて言葉が出る前に、考えるだけの余裕は残っていた)
・・・・・・・・・・・・
(もし彼が見かけ通りの弱弱しい少年ならば当然の行動だ)
(縋るものを手放すまいとする、というその様子。反射的な、いってしまえば考えナシの行動。「懇願」に来ている立場であれば、そうしたほうが合理的な場合もある――という可能性が頭にないようにも見えた)
(それは、)
(なんとも子供らしく、稚拙で、可愛らしい行動だ、と)
(少なくとも、新條マナはそう感じた)
(無効票)
緋野・氷織 2021年9月23日
(一つ息を吐いて)
そう、そうね。確かにそうだわ。
驚かせてごめんなさいね、別にアンタの大事なモンを奪おうってんじゃないのよ。
でも、わかってもらえるかしら?
それがオモチャじゃないってコトきちんと確かめないと、アタシもウンともスンとも言ってあげられないの。
(なんて、人当たりのよさそうな笑顔を浮かべて)(今度は奪おうとは、せず。手を差し伸べるように)
ラール・ケレス 2021年9月23日
っ……
わ……分かったよ……信じるからな……
(怯えたように言いながら、バッグごと「それ」を差し出した。――しっかりしたつくりのオートマチックピストルだ。手入れは行き届いており、密造銃の類とは思えないしっかりしたつくり。何らかのロゴまで刻まれている――が、その企業は本来の人類史には存在しなかった。というところまで、伝わるかはともかく)
……どっかの世界? から、流れ着いたのを……改造したとか言ってた。
緋野・氷織 2021年9月24日
【新條・マナ】
ええ、いい子ね。大丈夫よ、悪いようにはしないワ。
(――なんていう猫なで声を、彼がどうと感じたかはともかくとして)
(緊張したような面持ちで、差し出されたそれに触れる。重厚で冷たい鋼の感触。あまり警戒させて暴れられても困るからと、差し出した彼のその目の前で、注意深く持ち上げて、握り、銃爪やら、撃鉄やらに指を触れて、確かめて)
(…………マジで本物っぽいわねこれ)
(だとしたら想像以上に危険な学園ではないだろうか――と、いう思いもチラリと頭の隅に浮かびはしたものの)
…………なるほどね。
ねェ、ボク。“なんでもする”って言ったわよねェ。
(無効票)
緋野・氷織 2021年9月24日
「コレ」と同じもの、用意できたりするのかしら?
ラール・ケレス 2021年9月24日
(猫なで声に。びくりと背筋を震わせてみせながら、)
……い、言ったろ。ちょっと時間があれば……他にも、取ってこられる。もっとすげーのも。
……あ! で、でも、受け渡し場所は別だ!
僕を、こ、殺して……なんてされたらたまらない……入れてくれるっていうなら、拠点に案内して……な、仲間に、紹介してくれ。
い、言っとくけど、普通じゃない……僕が聞いてこなきゃ使い道が分かんないようなものも、あるんだからな!
(何も出来ない子供の、精一杯の虚勢。そうとしか思えない強がりようで、震えた声でそう言い張る)
緋野・氷織 2021年9月24日
【新條・マナ】
(あら、必要以上に怖がらせちゃった? 脅しかけてはないンだけど)
そぉ。そォねえ……。
(――正直に言って)
(新條マナにとっては正直、学園の内情とか、ボスが何を考えているかとか、あのメイドが敵か味方か、とか)
(そんなことはどうでもよく)
(ここにいるのは、ただ、自分の趣味が実益と噛み合っているからというだけで)
(大っぴらにそれが罷り通る場なら、どこでもいい)
(――――が、まあ、当然、この今の新宿でそれを許すのなど、それこそここくらいのものだ)
(ならまァ、これを「集団への貢献」にするのは悪くは、ないか)
(無効票)
緋野・氷織 2021年9月24日
そんなに怖がらなくてもいいわよ?
(カワイイわね、なんて言う笑顔ばかりは人当たりよいが、相変わらずの猫なで声は少しばかり、粘っこく聞こえるかも、しれず)
でも、まァ。頭の悪くないコなのは、いいわ。おカオもいいし。
(なんて言いながら――古臭い、明らかに正規のものではないような、今時にして折り畳み式の電話を投げるようにして寄越す)
(それを証拠品として差し出されたところで、自分に結びつくことはないような、いわゆる「捨て携帯」というもの)
(演出継続)
緋野・氷織 2021年9月24日
その中にアタシの番号、入ってるから。
(――もちろんそれも捨て携帯だが)
アンタの準備ができたら、連絡お寄越しなさいな――あァ、でも、勿論そんなに待ってはやれないわよ。
そうねェ、期限は――――
ラール・ケレス 2021年9月24日
っ…………(その笑顔と粘っこい視線に、びくりと背筋を振るわせて視線を泳がせた)
(――気付いていないわけでもなく、怖がっている。そう思わせる、“いちいち的確に”嗜虐心を煽るような仕草で)
――――わ、わかった。これで連絡したら……いいんだな。
約束は……守ってくれよ。
(お手玉のように受け取った携帯を、生唾を一つのんでポケットにしまって)
緋野・氷織 2021年9月24日
【新條・マナ】
勿論ヨ。カワイイ子との約束は破らないことにしてるの、アタシ。
(――懇願は聞き届けないけれど)
あァ、……そう、コレも返しておかないとね。
(それから、思い出したみたいに)(片手にあった銃を、スクールバッグの上に、置いた)
さ、お帰んなさい。
最近、アンタのお友達が嗅ぎまわってんでしょ。ウロウロしてるトコ、見られたらまずいんじゃない?
ラール・ケレス 2021年9月24日
っ……(銃を乱暴にタオルにくるむと、バッグに押し込んで)
わ、わかってるよっ! ……じゃあな……!(なんて、精一杯強がったことを言いながら、逃げるようにバーの跡地から立ち去っていく――)
緋野・氷織 2021年9月24日
【新條・マナ】
(――それを、見送ってから)
(……もうちょっと遊んでやってもよかったかしらね)
(なんて、怯えたようなその顔を思い返しつつ)(また、カウンターに向かい合う――)
(五分後にはまた、ぶつぶつと愚痴を言い始めることであろう)
ラール・ケレス 2021年9月24日
――――
ラール・ケレス 2021年9月24日
――
ラール・ケレス 2021年9月24日
(バーを離れ)
(角を幾つか曲がって)
(確実に尾行はない、と判断すると、はあ、と溜め息)
(……とりあえず、目標はOK。潜入の手引きの起点が作れた以上、このまま上手くやれば、正面突破よりいくらかスムーズにカノン・ダウンワーズの救出に向かえる目もあるはずだ)
ラール・ケレス 2021年9月24日
(は、いいにしても)
…………気分わる。(まだ粘っこい視線が絡みついているようだ)
(用は終わりだ。早く帰ろ、と、息を吐く)
(こんな時ばっかりは、我が家の綺麗処の見目に癒やされたいってもの――)
ラール・ケレス 2021年9月24日
(ゴ、と、自分の頭を思い切り殴った)
(今のは、良くない奴だ。普段散々愚痴っといて、こういう時だけMP回復ポイント扱い? キャバクラかよ)
(クズめ)
ラール・ケレス 2021年9月24日
――――、(はあ、と、重い息を吐き)
(幾通りかの展開と真相、結末を想定する。想像する)
(自分にとっての最悪の事態だけは防ぐよう立ち回る必要がある)
(それは、つまり)
(言うまでもなく)
ラール・ケレス 2021年9月24日
(『本当に裏切り者だったクリスタ・コルトハード』が、ニクス・カヴェンディッシュと交戦することだ)
(その、決して高い確率とは思えない事態を、それでも0.1%でも下げるための、ありとあらゆる手段を模索して――)
ラール・ケレス 2021年9月24日
せめて、もう一人要るな。
タテニデキル
最悪、前に立てる奴。赤……か……?
(無感情に呟きながら、学園を目指し歩き出した)