【個】White Wizard
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
まだまだ残暑厳しい9月も後半。
白の番長、ミーレ・ベルンシュタインに一通の手紙が届く。
「魔術を教えてほしい」という簡素な内容、差出人は同じく白のクラスメイトである。
白の縄張り「礼拝堂」にて。
ミーレ先生の楽しい魔術教室が、幕を開ける。
書き込み可能
#音乃宮・氷奏
#ミーレ・ベルンシュタイン
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音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(礼拝堂にて、目を閉じて長い事こうして座っている)
(こちらから呼びかけた以上、相手より遅れる訳にもいかないからである)
……そろそろかな?
(ふと見上げると、時計の針は午後2時を示している、約束の時間だ)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
(ぎぃ、と、扉を開いて)
――おまたせしました。もういらしてます?
(なんて。いつも通りの白ラン制服姿、白の番長が礼拝堂に足を踏み入れた)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(っと……噂をすれば、そんなことを思いながら)
(慌てたように椅子から立ち上がり、ひょいと扉の方を向いて)
いえいえ、待ってなどいませんとも!今しがた来たばかりですから!
今日はお忙しい中ありがとうございます、白の番長。
(片膝をつき、一礼)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
そんなかしこまらなくても! 立って下さい立って下さい。
(ちょっと慌てたように、ぶかぶか袖の腕をわたわた振りながら近づいてきて)
ええと、魔術を教えて欲しい――って、手紙にはありましたけれど。
もうちょっと詳しく聞いても?
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(慌てた様子のミーレを見て、ちょっと驚いたように笑いながら)
ハハ!ありがとうございます、白の番長。
それじゃあもう少し、楽にします(立ち上がって)
一応、こうしてじっくり話すのは初めてですから、念のため。
はい、実は今……行き詰っていることがありまして。
ボクの知る専門家の中で一番魔術に詳しいのは、やはり我らが白の番長かなと思い手紙を書きました。
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
そして、やはり白の番長と言えば!時間魔法の使い手!
(キラキラした目でミーレを見る)
その全てを学ぶことは叶わずとも、教えを乞う事できっと何かが掴めるのではないかと!
ボクはまだ基礎ばかりで、自分の得意な事が少し分ってきたくらいなので!!
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
はい、確かに。ゆっくりお話するのは初めてですわね、氷奏くん。(ほっとしたように笑って)
ははあ……。まあ、そうですわね。
黒ちゃんは異能者の類ですし、ストレートに魔術のこと……となると、わたくしの方が話が早い場合も多いと思います。相談はもちろん、歓迎ですのよ。(白の子なら尚更です、とうんうん頷いて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
――ただまぁ、そうですわね。
教えてぱっと真似ができるものかというと、難しいところですが……何か、ヒントが出せれば幸いで。
うん、ひとまず、それを聞きましょうか。分かってきた得意なこと……というのは?
氷奏くんの力は……名は体を現す、というか、音でしたわよね。(こちらが知っているのは恐らくその程度のものだろう)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(少し驚いた顔で)
ええ、その通りです!よくご存じで……嬉しいです。
それでは失礼して、っと……
(少しばかりミーレから離れ、数メートルくらいの位置で向き直る)
ただ、一つだけ修正するなら───
「音楽」は「魔術」を起動するための手段であり、誓約のような要素でもあります。
……つまり、「得意な事」を「音楽」で強化するような形になります。
(目の前の少女は、大魔術師だ、こんな機会は滅多にない)
(出来る限りのことをしよう)
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(懐から右手にナイフを取り出す)
さて……このナイフ、ボクは今1本しか持っていません。
音を鳴らすと、これが───
(指を鳴らす、所謂指パッチンをすると……)
(左手にも、同じナイフが現れる)
……これが、ボクの得意な事です。
自身の持つモノを「幻影」として「複製」する魔術、なのです。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
ふむ。得意なことを音楽で強化する――ですか。
(増えたナイフに、微かに目を見開いて)
成る程、面白いですわね。
複製の魔術が先にあり――音は儀式の代行なのかしら。長ったらしい詠唱や自己暗示、魔法陣なんかを用いた魔術儀式を代替している……とか?
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(顎に手をあてて少しばかり考える)
魔法陣、詠唱。……確かに、考えた事もなかったです。
たしかにそう言われると、腑に落ちることが多い……
(合点がいったような顔をして)
実は、最初は特定の音楽に封じられた「魔術的要素」───……
を引き出すのが「得意」だと思っていたのです。
ですが、音楽が詠唱の代わりになっていたと考えるなら、……ふむ。
(以前自分が音楽を奏でるだけで、雷や風が起こったのも頷ける)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
まあ、仮説ですけれどね。
そうですわね、音楽を使う魔術、と聞いて連想していたのは、どちらかといえばその方向性でした。
「歌」はそれ自体が物語性を持つものですから、歌そのものの神秘を引き出すというなら合点がいく。
それこそ、お経、真言、洗礼の詠唱――神への祈りの文言なんかは、その系統の魔術ですわよね。(主なき礼拝堂をちらりと見上げて)
ただ――、
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
(ぱちん)(と、指を弾く。もちろん何も起きない)
これだけのことが魔術の行使になる、というのであれば。
今話したように、「短かな音に圧縮した意味を託している」のか、
――或いは、「音そのものに意味などない」のか。
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
いえいえ、仮説というには説得力がありますよ、かなり。
フム……「音そのものに意味などない」とは……?
どういうコトでしょうか、ミーレ先生。
(シンプルな疑問を口にする)
(自分の見えているものと、彼女の見ているものでは視点があまりにも違うのだろう)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
例えばの話、魔眼というものがありますわよね。
視線を媒介にして相手に呪いや魅惑をかける――というような。
(目を細め、じーーっと赤い瞳が見つめる)(そんな力はないのでただの魔眼のぽーずである)
あれはまぁ……認識はそれぞれでしょうけど、共通点としては、視線に乗せて相手に力を届けているわけですわよね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
そんな感じで、ただ音に魔力を乗せて目標地点にまで届けている。
――の、だとしたら。
前者か後者かで、力を高めるための方法は変わってくるな、と。
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(じーっと自分を見つめる彼女を、同じく赤い瞳で見つめ返して)
……自分としては、元の……音波を操る「技術」。
「魔術」を学ぶとき、この「技術」を基にすることで、
おそらく自分にとって「一番相手に届きやすい方法」を無意識に選択したのだと思います、それが「音楽」だった。
それで妙な勘違いが起こったというのは、ありえそうな話───
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
つまり……自分の持つ本当の適性が、「複製」であるならば。
実際、音を鳴らさずともある程度の魔術の行使は可能ということですか?
例えば、敵に攻撃する際に届きやすい「音楽魔術」と、
自分の持つ利便性を高める「複製魔術」で使い分けたり、とか。
(自分なりにそう解釈し、質問してみる)
(間違っていたら恥ずかしいが、今は生徒なのだ)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
勘違い――ですか。
刻逆によって目覚めた力を掴み切れていない……という感じですかね。(ふうむ、と、呟きつつ)
うーん、そうですわね。
音が媒体であるのなら、確かに媒介せずとも使用できる可能性はある。
――わたくしには、それが正解とも不正解とも申せません。
あなたが出来ると感じ、そう心から信じられるのであれば、それはきっと出来ることなのでしょう。
あなたに備わった摂理ですもの、最後に信じられるのはその感覚でしょう。……その上で、わたくしが言いたかったことは、少し違って。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
あなた風に言うのなら、音楽魔術の力を高めるのにはどうすれば良いか、ですわね。
音に意味があるのなら、その意味を読み解いて、具体的に意識できるようになることが鍵に思えますし。
意味はなく、「届けばいい」ものなら――ただ、大きな音を出して、それを使いこなせるようになればいい。道具を使うのもいいんじゃないです? メガホンとか、楽器とか。(言ってから。小さく、ちょっと寂しい気もしますけどね、と呟いた)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
音の意味を……読み解く……か。
(ふと、自分のしてきたことを考える)
(そもそも音楽を通じて自分がやりたかったことは───)
……寂しいですよね、折角の音楽魔術なのに……「ただ届けばいい」じゃ。
それじゃ本当に「スピーカーから流れる音楽」と
「生のオーケストラ」が同じと言っているようなものじゃないですか。
ボクは向き合いたいです、一人の音楽家として。
自分の得意な「複製」だけでなく……「音楽魔術」の質もより高めたい。
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
その為に何が必要か……というのは、正直手詰まりなのですが。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
はい。……まあ、そりゃあ機材も大事ですけど、それだけっていうんじゃ寂しいですわよね。(くすりと、笑って)
あなたは、音楽魔術、と、そういう言葉を選んだ。
そうである以上、そこにもきっと意味はある――と、わたくしは思います。
…………、少しだけ、わたくしの魔術の話をしますけれど。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
わたくしの――ベルンシュタインの魔術は、万物の「流れ」を識り、その理に触れることを目指すものです。
万物は流転する。生命、熱量、運動、どんなものでも。
見えざる手たる魔力を持って「熱の流れ」を掌握すれば、火を熾すのも凍らせるのも、難しいことではありません。
大本を言えば、その運行を研究して、世界の真理に辿り着こう――という学派で。
あなたは時間魔法、と呼びましたけれど……わたくしの場合、あくまでその技法における秘奥が、「時の流れ」への干渉ですのね。
(つらつらと。そんな、通じるかどうかも分からない言葉を重ね)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
だから。わたくしにとって、魔術というのは、あくまで識ること、学問ですの。
あなたの神秘が、あくまでもあなたという存在に属するものならば。
あなたが何をしているのか。何を唄い、何処を目指して進んでいるのか。今日あれこれと話したみたいに、それを突き詰めていくのが一番の早道かな……なんて、思います。
(……通じるかしら、なんて、首を傾げてみせた)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(初めて聞いた、「流れ」が本質……「時の流れ」を操るのはそういう───)
(いや、それよりも……)
魔術が学問である、という考え方は……正直、考えたこともありませんでした。
ボクが出会った魔術使い、魔法使いは……
こういう世界ですから、やっぱり「目的」が攻撃のためだったり、自衛の手段だったり。
勿論その使い方、学び方も一つの正解と今でも思いますが、ミーレ先生のような方もいるのですね。
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
ボクは、確かに人々の心の平穏の為に音楽の道を志しました。
……けれど、やはりクロノヴェーダとの戦いでは力不足を実感して。
こうして貴女に師事を仰いだのも、
ただ「自分の弱さ」を認めたくない……もっと強くなりたい、という一心でした。
だから、やはり自分にとって「魔術」と名の付くものは、学問ではなく「強くなるための手段」だ。
(一度目を伏せて、小さく頷くと)
───と、先程までは思っていました。
(無効票)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
ありがとうございます、ミーレ先生。
ボクにとって魔術が「強くなるための手段」というのには変わりませんが……。
それは、単なる「強くなるための手段」ではなくなりました。
「何処を目指して進んでいるのか、それを突き詰めていくのが一番の早道」……良い言葉ですね。
「ただ強く」なるだけでは、本当の強さは得られない。
己の信念を……無視して、焦りすぎていたのかもしれませんね。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
……わたくし的には「こっち」がスタンダードなのですけどね?
理論なく、呪文一つで火が出る方が御伽噺のよう……というか(むう)(と、眉を顰めて)
まぁ、でも、これについてはあなたが正しいのでしょうね――ディヴィジョンのウィザードの多数派とは、少しばかり趣が違うかもしれませんわ。
わたくしの「魔術」は、隠秘学、錬金術の類――魔法が大っぴらに存在しない世界の魔法、いわば「中世の科学」に近い。剣士と共に竜と戦う魔法使いとは、成り立ちからして違います。
もちろん、現代の人からみれば、歴史上の魔術師は時間を操ったりしないのですから。「歴史の裏側の」……というところなんでしょうけれど、ね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
――そのことを、どうこうは思いませんし。
魔術が剣の一つである世界において、それは間違いなく生きる術なのでしょう。
わたくしだって、戦う手段としているわけですしね。
でも……それでもわたくしは、わたくしの思う「魔術師」で。
胸に抱いたその在り方は、ブレることはありません。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
ですから、ええ。素敵だと思いますわよ。その笑顔も、心の平穏のためという信念も。
貴方は自分を、一人の「音楽家」であると言いました。
たとえどれだけ魔術を、あるいは音楽を戦う手段にしようとも……音楽家の本分はきっと、そこではありませんものね。
その認識は……きっと、備わった力を使いこなす上でも、意味があると思います。
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
(拗ねたような態度の少女を見て、クスリと笑う)
ハハハ……火を起こす魔術理論1つ取っても無数にありますもんね。
良いのだと思います、まだ初心者のボクが言うのも何ですが……
やっぱりそれぞれの「魔術師」としての在り方があるものですから。
(発言継続)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
備わった力を使いこなす……。(胸に手をあて、目を閉じる)
「魔術」も「音楽」も───「魔術師」であると同時に、「音楽家」として。
ボクにしか出来ない事を、地道にやっていこうと思います。
(目を開いて腕を下ろすと、小さく笑う)
それでも、もしまた行き詰ったら……また、相談させてください。
ミーレ・ベルンシュタイン……師匠。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
……今日の話でなんとなく分かったと思いますけれど、……わたくしを師と仰いでも、あんまり、それだけで凄い魔法使えるようになったりしませんわよ?
(なんて、苦笑するように頬をかく。本格的に同じ魔術を志す――というのならまだしも、秘伝の凄い呪文を伝授する! なんてわけにはいかないのは、ちょっと申し訳ないくらい)
(とはいえ、声色は拒絶――というほどのこともなく)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
それでも良ければ、ええ、ご自由に。
今日みたいに相談に乗るとか、何かの術を見るとか――そういうのなら、いつでも。
ええ、そうでなくたって、わたくしは白のクラスの番長ですからね。いつでも胸をお貸ししますわ?
(くすりと、笑って)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
良いんです、これは魔術の師、とかではなくて……ああいや、勿論少しはあるんですが。
あくまでこれは───純粋な尊敬から来たものですから。
(恥ずかしそうに髪をかき上げて、感謝の気持ちも込めてるんですよ)
(と、ちょっと視線を逸らした)
……ええ、その時はよろしくお願いします。
それじゃあ、お礼と言っては何ですが……1曲、聞いていきませんか?
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
あら。照れてしまいますわ、それは(くすくす、笑って、逸らした顔を見上げて)
――まあ、それは……
(発言継続)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月23日
はい、ぜひ。
うふふ、とっても楽しみ。
(嬉しそうに笑うと、ちょこんと長椅子に腰かけて)
(わくわくと、期待のまなざしを向け)
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
それでは、失礼して。
(前に出ると少し開けた場所に、音楽室にあるピアノと同じものを「複製」する)
どんなところでも、音楽を───
もしかしたら、これがこの魔術の「本当の使い道」なのかもしれないですね。
───「未来へ」
https://www.youtube.com/watch?v=hpY-X_Y313k
音乃宮・氷奏 2021年9月23日
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