【個】風を追う者、追われる者
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
放課後、生徒会長が帰ろうとしたところ、下駄箱に何かにつまっていた。
ラブレター耐えぬアイドルにとってはいつものことであり、いつもの通りのラブレターである。
いつもと違うのはクッッッッッッソ汚い文字書かれていたこと。
そして、やたらと変なテンションだったことである。
『
拝啓 生徒会長様
人気爆発中のアイドルのえーとユニット名は略すとBTだったからBlue✿Tooth?
ファンとして思うのですが
生徒会と番長の牽制のしあいって結局どんな感じなんでしたっけ?生徒さん相手よりも仲良さそうなので
物凄く不服なところもあり、あるじ的にもそろそろパワーチェックを行いたいです。
のっぴきならないと思うので旧校舎でなんやかんやしましょう
供物用の服も用意したですし。
P.S.挨拶長かったの覚えています。眠るのにちょうどよかったです。
あんくれああにむす・さふぃーるヴぁーぐ
(でんわばんごう:119)←さきによんでおくといいです』
0
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
ま、あの角度なら
――視界を切り替える瞬間でこれが何か判別できねーです
(何やら赤く、大きなものを掃除道具入れの影から取り出してえいやっと投げつける。具体的には童女の身長の半分よりは大きい)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
(だん、と駆け上がり終えて、少女の背中と、投げつけられたものを見る)
(さて)
一恋・花束 2021年9月18日
(駆け出す足を前に出すついでに、赤い物を躊躇なく蹴り飛ばした)
(少女に向かって)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(蹴る足、かかるは大きな赤いモノは消火器の入った…箱である
細工がされたそれは簡単に壊れ、蹴りの衝撃はそのまま)
(経年で劣化した消火器が、全て受けることとなる)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
――ブシュウウウウウウウウウウウ!!!
(蹴られた部分から爆発するように、
消化用粉末が撒き散らされ、消火器は四方八方に跳弾するように飛び回る
撒き散らした粉が煙幕と化したその煙の向こうから)
ぶわーーっはっはっは!!引っ掛かってるですぅーーー!!!
(と、すごーく面白そうに笑っている声が聞こえる。むかつくかもしれない
転ぶ音もした。ざまぁみろと思うかもしれない)
(次の階へ上がる音も聞こえてきた)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
(巻き上がる消火剤、暴れ狂う消化器)
(白が視界を覆い尽くす。なるほど、なかなかなイタズラだ)
(当たれば危ないと言う点を考えてないのはとてもよくないが)
一恋・花束 2021年9月18日
(ぱあん) (と、何かが弾ける音がした)
(視界を埋めていた、白煙と消化器が、まとめてこの世から消えた)
(風圧と衝撃が、廊下の窓ガラスを軒並み叩き割った)
(拳を前に突き出しながら、ニコリと笑って)
五発にしましょう。
(駆け出した)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
おぉー
(風圧と衝撃、割れる窓。
二階のこととは言え、その音は耳に届いていた)
中々の膂力です。正面から戦いたくねーです。
まぁ、本命まであと……ですね
(走りながらボソリ、と呟いた)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(次の階段は、ついたときには既に様相は変わっていた。
強化型のスーパーボール、というものをご存じだろうか。
祭りの屋台のスーパーボールとは異なり、適当に投げるだけでも3階まで飛んでいく、特殊な形状をしたスーパーボールである。
メキ、メキと階段の壁を抉りながら異様な跳弾を繰り返しているスーパーボールが、次の階段を覆いつくしていた……消火器ダイレクトアタックよりはかわいいね、ふふ)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
どこにこんなもん持ってたんですかあの子……まあ、スーパーボール遊びなんて可愛い方だと思いますが。
(当たれば痛そうだ。それに落ちたボールが足元に来れば、滑って転げ落ちるかもしれない)
一恋・花束 2021年9月18日
(……特になにかするでもなく、直進する)
(体にあたったボールが、それこそ壁にあたったように跳弾して勢いを増す)
い〜た〜ず〜らっこちゃ〜〜〜ん?
(それらを全く意に介せず、顔に飛んできた物だけをいくつか回収しながら、ずんずんと距離を詰めていく)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
【旧校舎 木造区域 3F】
(他の建物と繋がっていない区域なのか、廊下側の窓が全開になっている部屋が一つと、上がってきた階段と……)
ぎゃああああああああああやべーです!!
追いつかれてるですぅー!!
(一度振り向いて悲鳴をあげながら逃げ回っているクソガキが目指す先の屋上へ続く階段、それしかないフロアだ)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(とてとて、階段の方に辿り着きそうな童女。
……しかしこのフロア、何か違和感がある。さっさと通り抜けた方がよさそうだ)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
(スーパーボール【強】を、ぽいと投げる。床に壁に扉に、何度が跳ね返り、加速しながら)
(階段にたどり着きそうな少女の顔の真横を通り過ぎる)
一恋・花束 2021年9月18日
今ならゲンコツ7発で勘弁してあげますしー?
(大股だけれど、あえて走らないのは、一階のような床の軋みを警戒しているのかもしれない。大穴を開けられて落下でもしたら事だ)
(違和感に気を張りながら、じりじり距離を詰めてい)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(ビュッ、と横を通り過ぎたスーパーボール。
これは記憶にある、アレである。教会を穴だらけにした時、折檻する前にシスター長が放ったのアレと同じである)
……にゃぁ!!!!!!!
(と短く悲鳴を挙げて振り向くが肝心の相手は警戒重視で、まだ遠くにいた。あの様子ではまだアレにきづいていない)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
ふふ、まぁだわたしのフェーズは終了してないのです!!
(どぁーんっドヤ顔したかと思えば、火のついたオイルライターをそちらへと投げ)
――えぇ、ゲンコツくらいたくないのでまだ逃げます
(強く踏み込み、ズァダンッというひと際大きな音と共に、本人は一気に屋上へと続く階段を飛び越えた)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(この校舎のこの場所において、仕込まれていると思った
だから警戒するのも無理はない
……消火器の粉には強烈な臭いがする。
だから、ここのフロアが異臭で包まれていることに気づかないのも無理はない
直前まで、その場にちょっとだけアクシデントが起こる程度だった。
だから、小学生のいたずらで済む範囲だと思っても無理はない
オイルライターの火は瞬く間に
. 、、、、、
窓が全開だった理科室跡地から流れるガスを受けて巨大化し、フロア丸ごと炸裂させる)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
(また火を使って、危ないことを、と思い)
(ん? と熱風の息吹を感じたときにはもう)
一恋・花束 2021年9月18日
(爆炎に飲まれていた)
一恋・花束 2021年9月18日
(子供のいたずらで済む規模じゃない)
(全くとんでもないことをする)
(他に人がいたらどうするつもりだ?)
(いや)
(もっと早めに最初に仕留めておくべきだった)
(はぁ)
一恋・花束 2021年9月18日
(爆炎の中から、少女は出てきた)
(いかなる理屈か、制服に焦げ跡すら見当たらず)
(片腕を振るうと、まだ燻る炎が、斬り裂かれるように消えた)
(そして)
一恋・花束 2021年9月18日
(遊びの時間が終わってしまったので)
一恋・花束 2021年9月18日
(挑まれた喧嘩を、ようやく真面目に買うことにした)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
うわぁ、マジギレオーラが漂ってるです
怒りは困難を越えるエネルギーになるですが、ここまではちょっとひくです。
(殺気にも似た気配を階下から感じてそんなことをのたまう)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(花束にしてみれば、確実に仕留められるであろう屋上に出る足取りは別にゆっくりでもよかった。何せ相手は大きく格が劣っているのだから)
【屋上】
(気が付けば日も落ちていたのか、あたりは暗くなっていた)
(追い詰めた先に居る童女はニコリと笑っている)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
道中のイタズラっていう供物は楽しんでいただけたですか?
――あるじチェック、最終試練です
(意味不明なことをのたまったかと思えば、目を見開き。
腕を振り下ろす。
それと同時に天から落ちるは巨大な槌の先。射程は屋上全域
つまり、この時点で夜だったのではなく、暗くなっていたのはこの巨大な……十字架が形成した影のせいであった)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
(足取りが緩やかなのは当然だ)
(もう“遊び”ではなくなったのだから)
残念ですが。
もうイタズラでは済まなくなりました。
(何かが降ってくるのはわかる)
(わかった上で、特に見ることもなかった)
一恋・花束 2021年9月18日
……お仕置きの時間です。
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグちゃん。
(一言一句、違わずその長い名前を呼びきって)
(ぽん、と片手で、残しておいたスーパーボールを軽く弄んで)
一恋・花束 2021年9月18日
なんで花束が生徒会騎士団団長なのか。
教えてあげましょう。
(十字架に向けて、弾いた)
(巨大なあるじの裁きと、ゴムボールがぶつかった)
(――――――瞬間)
一恋・花束 2021年9月18日
(スーパーボールの軌跡に沿って、空間が“斬れた”)
(生じたひび割れはみるみる広がって、空に大きな亀裂を作る)
(十字架を飲み込んで――――――――)
一恋・花束 2021年9月18日
(――――何もなかったかのように、裂け目が閉じていく)
(飲み込まれた質量がどこに行ったのかは、花束にもわからない)
(広くなってしまった海の底だといいのだが)
(…………空が、青い色を取り戻す)
一恋・花束 2021年9月18日
で。
他にまだ手札はありますか?
(にこやかに)
(拳を鳴らしながら)
(近づいてくる)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
うぇぇ……
(ドヤ顔がみるみる崩れて、消えていく十字架を見やる。
反応的に消滅はしていなさそうなので問題は全くないのだが
これの意味することは、今の手札では通じない、ということである)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
(ここで、アンクレアアニムス・サフィールヴァーグが脳内でデンリュウと遊ぶ)
……手札はなくても、それは知っているです!!
これは降参しても殴るやつの動きです。紫の偉いやつっていつもそうですよね!!
わたしは風になるです……!!
(とうっと天井から飛び降りる)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月18日
そうですね、降参が心からの謝罪なら情状酌量の余地を与えなくもないのですけど。
(ぶらん、と、いつのまにやらシスター服の首根っこを掴んで)
(自由落下直前で、空中にその姿を固定する)
一恋・花束 2021年9月18日
でもまぁ、そうですね。
花束はアンジェリカちゃんと違って温厚な平和主義者なので。
今なら「これ」で許してあげなくもないですし。
(空中を、軽く中指で弾く。いわゆるでこぴんの仕草)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
み゛っ゛
(借りてきたねこみたいな構図
手足ばたばた、地面届かない)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月18日
あ、デコピンでいいですか!!
太っ腹ですね!!ダブリンとは違うですね!!
さすがアイドルです!!生徒会長です!!Blue✿Tooth®です!!
(にっこにっこしながら、矢継ぎ早におだて(?)て)
よしくるです!!
(目をめっちゃ瞑りながら、衝撃にそなえる。体勢も体勢なのでノーガード)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月19日
うんうん、覚悟ができてるのは、いいことですし。
(もう一度、空中でテストのように指を弾く)
(ぱぁんっ!!! と空気が勢いよく弾ける音がして、凄まじい風圧が屋上全体を揺らした。上空を飛んでいた鳥が思わず翼をよろめかせ、苦情の鳴き声をガァガァとあげた)
一恋・花束 2021年9月19日
ちなみに、花束がなぜ、のこのこ来たかと言いますと。
花束は、全校生徒の顔と名前と、住所と、保護者の連絡先も全部記憶していまして。
――――それはもう申し訳無さそうに、「これから伺います」といってくださいましたので。
一恋・花束 2021年9月19日
道徳的なお話は、そちらにおまかせ任せまし。
――――――――というわけで。
一恋・花束 2021年9月19日
やりすぎです、クソガキ。
(最大火力のデコピンが、シスターの額めがけて放たれた)
(無効票)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月19日
ん?これ何の音です?
(テストのデコピンの音を聞いて)
……え、もしかしてシスター長に連絡したです?
今だと任務中だから後でわたしがこr……
(何か言いかけたところで、スパァンッ!!とテストのときよりもはるかに大きな音が一発。
強烈なデコピンを額に受ける)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月19日
(体勢が体勢だったため体丸ごと後ろ向きにぐるんぐるんと回転する
それは衝撃を逃す為になんちゃらかんちゃら――などではまったくなく、
ただ純粋にめっちゃぐるぐる回って、顔面から屋上の床に叩きつけられた)
……
(顔面が床にめり込んでいる。きさらぎ・あんじぇりかのほうが優しかったのだ)
(無効票)
一恋・花束 2021年9月19日
………………さて。
しとらちゃんや蓮花ちゃんにバレる前に、コッチは直しておきますか。
……この子にやれって言ってちゃんとやるとも思えませんし……。
(めり込んだシスターの後のしつけは、保護者がやってくれるだろう)
(物理的な制裁は加えた、反省が見られなければ何回でもデコピンだ)
一恋・花束 2021年9月19日
ああ。でも。
(ちょっとだけ楽しそうに、アンクレアを見て)
退屈はしなかったです。
花束に喧嘩を売ってきたのは、あなたが初めてでしたよ、アンクレアちゃん。
(演出のおわり)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月19日
(倒れ伏す少女にその声は届かない
紫の番長たるあの女性にボコボコにされても、変わらずダブリンダブリン言っているところを見ると、この少女が反省することは多分ないのだろう。
物事は多面的にとらえることもできる。
これは向こう見ずのクソガキなのか、不屈の精神を持ったナニモノかと取るか、それは人によるとしか言いようがない。ただ、退屈を紛らわすには多分いいものなのかもしれない)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月19日
(ただ一つ、これだけは言えることがある)
アンクレアアニムス・サフィールヴァーグ 2021年9月19日
(校舎の破壊までいくイタズラは、きっと――とか関係なくいけないことだ。)
【風を追う者、追われる者 完】
(演出のおわり)