【個】ある日のオカルト研究部
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
ある日の放課後、オカルト研究部の部室にて。
その日、部活を訪れたのは――。
#ミーレ・ベルンシュタイン
#スズネ・ルフェーブル
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ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
(旧校舎の一室。その扉を、からりと、開いて)
こん……にちはー?(お邪魔しますとも違うかな……なんていう、まだちょっと不慣れな挨拶と共に、白ラン姿の少女が入ってきた)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
(その教室の中、教卓の所に置いた席に座っている女生徒)
(手には本を持っており、今までそれを読んでいたようだが)
おや(挨拶に気付いて顔を上げてみれば)
ベルンシュタインさん。こんにちは。今日は一番乗り……(言いかけて、一番は自分だと思いだして)
二番乗りですねー(ぱたぱた、と手を振りながら歓迎した)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
はぁい、部長さま。うふふ、二番乗り。たまには早く来ちゃいました。(わあい、と、袖に隠れ気味の手を振り返してみせて)
何読んでますの?(ちょこちょこと席の近くまでやってきて、手元を見遣り)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
えっと、この本は(本を表紙が見えるように胸の前に持ってきて)
「世界怪物辞典」という本ですね。
後輩からオススメされたので図書室から借りてきました。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
世界怪物辞典。
(オウム返しに繰り返しながら、白ランを脱いで近くの椅子にかけて)
(そのまま、スズネの後ろに回り込んできて、肩越しに手元を覗き込む。なんせ年の割に背が高いので、座った相手くらいなら覗き込めるのだ)
幻獣やなんかの図鑑ですの?
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
(覗きこまれる形になったのでちょっと肩を横にずらして)
はい、実際にニュースで話題になったモノや、空想や神話のモノなんかが書かれていますね。
例えばゴブリンとかドワーフとかも入ってるので、妖精とか精霊の類もあったりするみたいですね。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
ニュースで話題……ですか。あら、細かい。結構、本格的な図鑑なんですね(ずらしてくれた肩口から覗き込む。えらく量の多い髪がふわりとスズネの肩にかかって)
部長さまは――こういうの、ほんとにお好きですのね。何か面白いの載ってました?(へー……と、興味深げに頁を覗き込み)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
はい、思った以上に色々詳しく載っていたのでとても面白いです(ミーレの顔を横目に見ながら、そうなんですよと相槌を打って)
そうですねー。私が気になったのは(ぱらぱらとページをめくって)
これ、ですかね(めくる音が止まり、開かれたページを指さす)
(そこにはアイルランドの妖精「デュラハン」の説明が載っていた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
デュラハン。(ぱちくりと、首を傾げて)
Gan Ceann。わたくしの頃でも、聞いたことはありますけれど。……へえー……ゲームで定番……この国の人、こういう話好きですわよね……(指先で、目に入った頁を辿りながら)
……随分いかつい趣味ですわね?
(ちらりと、不思議そうにスズネの横顔を見返した。これの何が琴線に触れたのだろう、という顔だ)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
はい。首なしの騎士ですね(こくり、と頷く)
見た目がかっこいいとか、死神のような立ちふるまいもかっこいいとか、そういう直接的な感想はもちろんあるんですけど(そう言って、ページのとある文章の部分を指差して)
この、「死人が出る家の前に立つ」の部分まではかっこいいんですけど(文字をなぞるように指をずらしていって)
「家の人が扉を開けると桶いっぱいの血をかける」って部分がどうにもコミカルで。
いえ怖いは怖いんですけど。なんかテレビのコント見てる感じの雰囲気にも見えてしまって(そう言って、小さくクスリと笑った)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
(ふむふむ、と話を聞いていたが)
……なるほど!(ぴこん)(何か思いついた顔をして)(わたくしの出番! みたいな顔)
確かに確かに、絵的なカッコのよさとしては浮いて感じるかもしれませんけれど……。
「死」を連想させる「血」は、多くの宗教で不浄の象徴ですからね。特にユダヤは穢れの定義が細かで、キリスト教はその影響が色濃いですし。あの辺はケルトの伝承を神話が上書きしていった地域ですから、その辺りの感覚が重なって生まれた伝承じゃあないでしょうか。
それに、実際問題――
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
ざばーっ、(のポーズ)(覗き込んでた身体が背中にもたれるように)(やわらか幼女)
……って不浄の血なんて被ったら、病気になって死んじゃってもおかしくないですし?(そういう、衛生の感覚もありますよね――なんて、付け足した)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
…………!!(キラキラした瞳でミーレの話を聞いている)
(その表情はまるでケーキを目の前にした小学生のようで)
(とても、とても楽しそうに、それでいて真剣に、ミーレの言葉ひとつひとつを身体全体で聞いていた)
(無効票)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
お、おお……なるほどなるほど!(こくり、こくり。何度も頷く)
確かに、あちらの文化ではかなり重い意味を持つ行為ですね……!
あとなるほど言われてみれば血を被るのは病気になるのもわかります。
おお、流石です。とてもとても参考になります……!!
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
うふふふ……!(きらきらと輝く顔に)(楽しげに笑って)
不浄――って考え方自体、そういう、現実的な穢れを避ける、経験則的な教訓の面も、あるでしょうしね。
わたくしも、自信をもってそう整理できるようになったのは、ここに来て、白の授業で公衆衛生を学んでいるからですもの。
……お役に立てました、部長さま?(なんて。もたれかかってみたまま、きら、と目を輝かせて)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
日本ではあまりそういうのに抵抗を持たない……いえ血を被るのは嫌ですけど。そういう意味でなくて、精神的だったり魂とかそういう根幹の部分への影響のベクトルが違うというのでしょうか。そういう文化の解釈を得れてとてもとても参考になりました。
はい……! はい……! とてもとても役に立ちました……!
流石ベルンシュタインさんです。頼りになります……!
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
ああ……この国は確かに、比較的寛容なイメージはありますわよね。ブッディズムはそうでもなかったと思うので、やっぱり、多神教の島国の特殊性でしょうか。
実際、学園でもこの間、血を炎と同一視する信仰をお持ちの子と会いましたし……特異な例ではあるんでしょうけれど、どこか日本的ですわよね。(こくこく、頷いてみつつ)(ミーレ自身、そういう話が好きは好きなのだ)
(なのだ……が)(じ〜)(と、感動してすら見えるその顔を見つめて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
……顔合わせの時から思ってましたけれど。もうちょっと、横柄にして下さっても構いませんのよ?
ほら、ここでは一後輩ですし、部員ですし。「ミーレ、何か話をせよ!」くらいふんぞり返ってくれても。
(冗談めかした口調で、面白がるように言ってみた)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
そうですね、日本は文化や宗教に対して寛大……というよりも、拘りが薄い感じがします。
色々な思想があるからこそ、こういった本が万人に受け入れられるのかもしれませんね。
……?(見つめられて、首を捻って)
(無効票)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
ん゙ん゙っ゙!?(変な声が出た)
え、あ、いえ。えっと、あの、そうですね。部長としてそういうのをするのはやぶさかではないのですがえっと。
いえ、あの、それはそうとしてもふんぞり返るのは何かちがうというかなんというかえっと。
あ、憧れとか尊敬の念の方が大きいので……心情的にちょっとつらいというかなんというか(しどろもどろ)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
……そ、想像以上に困らせてしまいました……ね??(ひょい、と、触れていた身体を離しつつ)
いえ、いえ、別にふんぞり返るのは無理にしなくてもいいんですけれど!(逆にちょっぴりあわあわしつつ)
憧れとか尊敬、……ファンって、言って頂けてましたけど。古い魔術師だから……ですわよね。
それはまあ……わたくしだって、御伽噺の登場人物と出会えたら、気分が上がるかもしれません、けど。
…………そ、そんなにですの?
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
そんなにです(ずびしっ)
いえだってほら魔術がまず時間操作ですよ。魔術は理の外の力を生み出すものですが、例えば火とか雷とかなんかはなんなら現代科学でもなんとかなるじゃないですか。でも時間操作、特に過去に戻るタイプの時間操作は擬似的なものですら難しいんです。それの使い手というだけで感動するしかないのに体術で戦っているというところがもう本当にすごいです。いうなれば武道と魔術の二刀流ですよ。活躍を耳にするたびに凄いなぁお話聞いてみたいなぁってずっと思ってて、いざ話してみたらなんとまあ強いだけでなくて礼節とか物腰の柔らかさとかもう本当に素敵で、女性としても尊敬したくなるような佇まい。いやもう本当に好きで好きで……(ここまで一呼吸)
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スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
あ……(やってしまった、という表情です)
そ、そんなになんです……(しゅん)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
!?(かたまった)(ちょ、とか、待、とか、そんな言葉が漏れかけた気がするけれど押し流された)
…………い、いえ。そんなにですか。
そ、そんな、落ち込まなくてもいいんですわよ、うん。ちょ、ちょっとびっくりしたし、さすがにこんなに褒められると恥ずかしいですけれどー……(てれる)(ちょっぴり顔を赤らめて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
……そう、ですわね、うん。確かに時間は、科学に追いつかれていない神秘。真理を追い求める者にとっても、ゴールの一つ。そこは、謙遜いたしませんけれど。武術……うーん。……修めたわけじゃない、なんて言っても、ちょっと違いますわよね(頬をかいて、少し迷ってから)
……部長さま、……スズネちゃんは、なんでそんなに、不思議が好きなんです?(結局聞いたのは、相手のこと)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
ま、まぁ、それほど好きなんです。ファンなんです(開き直った)
えっと、私ですか?(ふーむ、と考えるように)
始まりは図書室……あ、これはもっと小さい頃に通っていた学校のです。図書室で読んだ一冊の本でした。
内容としては、悪魔を召喚して願いを叶えるというやつですね。
当時はちょっと色々あったので、願いを叶えられるならなんでも……っといった感じにのめり込んでいました。
(演出継続)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
それでまぁ、その時は召喚なんてできなかったんですけど……。
そういった類のものを調べていくうちに、オカルト全般に興味を持って、調べる範囲がどんどん広がっていったって感じでしょうか。
雑誌とか読んだりすると、色んなジャンルの話が転がっていますからねー。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
むむむ。(むむむ。)(いえ、いいんですけど。いいんですけどね!)
……なるほど、叶えたい願いがあって。
悪魔召喚のきっかけとして聞くには、なるほどーって感じですけれど……今はただ好きなだけ、って感じですわよね。(色々あって……という、原点はともかく。今は、切なる願い、目標があって……という興味の持ち方でない、ということくらいは、わかる)(こてんと、首を傾げてみせて)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
はい。純粋に秘匿的な、神秘的なモノが好きで調べている感じですね。
だってほら(腕を大きく広げて)
自分の知らないところに、とってもスゴいモノが存在するかもしれないって、考えるだけでワクワクするじゃないですか(腕は世界の大きさ。ずっとずっと大きく広げたそれは、自分の手の届く範囲の外がとてもとても大きいんだぞ、と表現していた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
(目を細めて、その仕草を見つめて)
……魔術師は。少なくとも、わたくしが知る魔術師というものの望みは。
世界の真理を、解き明かすことです。
なぜ世界が生まれたのかとか、なんのために生きているのかとか、この先何が起きるのかとか……表現は、色々あると思いますし。わたくしのスタート地点は、ただ、そういう家に生まれたから……ですけれど。
未知を知とするために知識を求めること。それだけは共通した、「この世界の」魔術師の在り方だと、わたくしは思います。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
だから。(ひょい、と、広げた腕の真ん中に身を乗り出すように、間近で見つめて)
そうして憧れを追い求めて、神秘の姿を探る姿は、わたくしからすれば、立派な魔術師だと、思いますので。
そういう同志、お仲間――くらいで、手を打ちません?
わたくしも、教えて欲しいですもの。わたくしの知らない、不思議の話。
(なんて。いたずらっぽく、見つめて)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
おお……(尊敬する魔術師に魔術師、と言われて感動し)
(その感動を振り払うように、ぶんぶんと顔を振って)
そう、ですね。
好きとか尊敬とか、そういう気持ちは消せないとは思いますが……
(しっかりと、目の前の一人の人間を見て)
同じ部員として、一緒に知識を求める仲間として。
一緒に、活動していきたいと思います(こくり、と頷いた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
……はい。(くすっと、笑う)
(うん。別に、憧れられるのが嫌なわけじゃないですから)
(それは十分に、嬉しい返事で)
(演出継続)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
じゃあ、手始めに呼び名とか変えていきましょうかっ。
わたくし、ほら、番長のことがあるからこそ、派閥の長の立場は尊重すべき――なんて視点があったもので、最初はかっちり、部長さま、って呼んでいたんですけれど。もしかして、そんなに固くなくてもいいのかな……って。
でもでもやっぱり、わたくし普段は皆「くん」とか「ちゃん」ですけど、ちょっとは意識して、間を取って――スズネ先輩とかいかがです!?(どやっ)(いいあいでぃあ!)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
あ、はい。私の呼び名はよほど変なのじゃなければなんでも大丈夫ですよ。
その呼び方で問題ありません。まぁ、ちょっとむず痒い感じはしますが。
……部長さんって呼ばれるよりむず痒いのはちょっと不思議ですね。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
うふふ、よかった。スズネせーんぱい。
わたくしも初めて使うので、ちょっぴり、ムズムズしますわね。(なんて、おかしそうに笑って……から)
(じ~~~)(期待のまなざし)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
(えっなんだろう見られてる)
……(あっ)
え、えーと。
……ミーレ、さん?(大丈夫かな、と。ちょっと自信なさげに、そう呼んでみて)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
(ぱあ、と顔が明るくなって)
はあいっ。
うふふふふ。良かったら、わたくしも……そんな感じで。
いいですか、スズネ先輩?(じ)
スズネ・ルフェーブル 2021年9月18日
(あ、大丈夫だったみたいです。と、ちょっとほっとして)
はい、それじゃあ(視線にちょっと照れたりしながら)
これからはミーレさん、と呼びますね(にこやかにそう答えた)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年9月18日
はいっ。よーかった、スズネ先輩。(繰り返すように呼びながら、くすくす、楽しそうに笑って)
――ね、ね。辞典、もっと一緒に見ませんか? わたくし的にはー、新しめのやつとか、気になるんですけど……(なんて。また傍で、手元を覗き込み)